JP2005128407A - 光導波路モジュール - Google Patents

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晋一郎 浅利
Nobuyuki Asahi
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Abstract

【課題】光導波路モジュールにおいて、光ファイバと光導波路の低損失光結合、及び製造時間の短縮を図る。
【解決手段】光導波路モジュール1は、光導波路板2と光ファイバ3とを光結合して構成される。光導波路板2は、光が導波するコア4と、コア4を覆いコア4より低屈折率の材料よりなるクラッド5と、コア4の断面と略同一形状の断面をなしてクラッド5の端面付近に形成された光ファイバ案内溝6とを備え、光ファイバ3は、端面付近に他の領域よりも径の小さい小径部33を備え、光ファイバ3は光導波路板2の光ファイバ案内溝6に小径部33を嵌合して固定される。光ファイバ案内溝6に小径部33を嵌合して調芯位置決めが短時間で完了する。コア4と光ファイバ案内溝6との間に大きな段差がなく、温度変化によるコア4と光ファイバ3間の位置ずれが抑制され、低損失光結合が実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路と光ファイバとを結合した光導波路モジュールに関する。
従来より、光情報通信システムにおいて光導波路と光ファイバとを結合した光導波路モジュールが用いられている。光導波路モジュールの製造方法の一つとして次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図15に示すように、まず、シリコン基板91上に石英ガラス系のガラス膜からなる光導波路92を、光導波路92のコアの中心とシリコン基板との間隔を光ファイバの半径プラス2μm以内として形成する。次に、前記ガラス膜の一部を除去して前記シリコン基板露出面93を形成し、露出したシリコン基板露出面93の上面に光ファイバ94の外周面を接触させる。この状態で、コアの光軸方向及びこの方向に垂直でかつシリコン基板91の上面に平行な方向の2方向に光ファイバ94を移動させて光ファイバ94をコアに対して調芯し、光ファイバ94を光導波路91に紫外線硬化型接着剤95で固定する。
特開平8−36118号公報
しかしながら、上述したような光導波路モジュールの製造方法においては、時間と精度を要する光ファイバと光導波路の調芯工程が必要である。また、端面同士を突き合わせた状態で接着するので、調芯後の接着工程において接着剤の硬化収縮や温度変化等による調芯位置の変化等により、光結合損失の原因となる光軸ずれが生じる可能性がある。
本発明は、上記課題を解消するものであって、短縮した製造時間で製造でき、また光ファイバと光導波路が低損失で光結合された光導波路モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、光導波路板と光ファイバとを結合した光導波路モジュールにおいて、前記光導波路板は、光が導波するコアと、該コアを覆い該コアより低屈折率の材料よりなるクラッドと、該コアの断面と略同一形状の断面をなして該クラッドの端面付近に形成された光ファイバ案内溝とを備え、前記光ファイバは、端面付近に他の領域よりも径の小さい小径部を備え、前記光ファイバは前記光導波路板の光ファイバ案内溝に前記小径部を嵌合して固定されていることを特徴とする光導波路モジュールである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光導波路モジュールにおいて、光ファイバ案内溝は、光導波路板のコアの一部に平行に近接して備えられ、前記コアと光ファイバ案内溝に固定された光ファイバとが方向性結合により光学的に結合されているものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の光導波路モジュールにおいて、前記光ファイバの小径部の直径が9〜50μmのものである。
請求項4の発明は、請求項1に記載の光導波路モジュールにおいて、前記光ファイバの小径部の外形が該光ファイバの光軸中心に対して偏心しているものである。
請求項5の発明は、請求項1に記載の光導波路モジュールにおいて、前記光ファイバの小径部は、光ファイバの端面付近に短パルスレーザ光を照射することにより形成されているものである。
請求項1の発明によれば、光導波路板のコアと略同一形状で形成した光ファイバ案内溝に、光ファイバの小径部を嵌合することで調芯が精度良く完了するので、調芯位置決め時間が短縮でき、また、光導波路板のコアと光ファイバ案内溝間に大きな段差がないので、光導波路モジュールの使用状態において、温度変化によるコアと光ファイバ間の位置ずれの発生が殆どなく、光強度のカップリング損失を抑制できる。
請求項2の発明によれば、光ファイバ内を導波した光が、方向性結合によって光導波路板のコアに乗り移るので、光ファイバと光導波路板のコアとの断面形状の違いによる光損失がなく、カップリング損失を抑制できる。
請求項3の発明によれば、小径部の直径が9μm以下では光信号の伝搬損失が大きく、50μm以上では方向性結合が起こりにい、という不具合のない良好な方向性結合による光結合が可能である。
請求項4の発明によれば、光導波路板と光ファイバの結合作業時に光ファイバを光軸回りに回転して光導波路板のコアと光ファイバのコアの軸芯位置の微調整を容易に行うことができるので、光導波路板におけるコアの位置精度を緩和できる。
請求項5の発明によれば、光ファイバに応力を与えることなく非接触で加工ができ、また、3次元の加工形状制御が可能である。
以下、本発明の一実施形態に係る光導波路モジュールについて、図面を参照して説明する。図1(a)(b)は、光導波路モジュール1と光ファイバ結合部構造を示す。光導波路モジュール1は、光導波路板2と光ファイバ3とを光結合して構成されており、光導波路板2は、光が導波するコア4と、コア4を覆いコア4より低屈折率の材料よりなるクラッド5(基板クラッド51、カバークラッド52)と、コア4の断面と略同一形状の断面をなしてクラッド5の端面付近に形成された光ファイバ案内溝6とを備え、光ファイバ3は、端面付近に他の領域よりも径の小さい小径部33を備え、光ファイバ3は光導波路板2の光ファイバ案内溝6に小径部33を嵌合して固定されている。
上述の光ファイバ3は、図1(b)に示すように、クラッド31と、クラッド31よりも大きな屈折率を有する中心部分のコア32とからなり、その端部には小径部33が形成されている。コア溝41の幅aは、例えばa=7μmであり、また、光ファイバ案内溝6の幅cは、例えばc=15μmである。光ファイバ小径部33とファイバ案内溝6の寸法b,c,hは互いに隙間なく、また、コア4と光ファイバ3の光軸がずれなく嵌合するように決められる。小径部33や基板クラッド51の形成、光ファイバ案内溝6等については、下記の製造工程の説明の中で述べる。
光導波路モジュール1の製造工程を説明する。図2は、光ファイバ3の小径部33の形成方法を示し、図3は、光導波路モジュール1の製造工程を示す。[光ファイバ小径部形成工程]光ファイバ3の小径部33は、図2(a)に示すように、石英系の光ファイバ3の端部をフッ酸溶液7に浸してエッチングによりクラッド31の一部を除去し、光ファイバ3の端面付近のファイバ径を小さくして形成される。クラッド31の一部を除去した領域(クラッド除去部)のファイバ径は、シングルモード光ファイバの場合ではφ9〜50μm程度とする。エッチングする領域の制御は、例えば、除去する部分以外をフッ酸に浸漬しないか、又は除去部以外のクラッド31表面をNi−Cr−Mo合金などでメタライズして保護することによって行うことができる。フッ酸濃度50%では、エッチング速度0.6μm/分であったので、125μmφの光ファイバをφ30μmにエッチングするのに、80分程度要するが、この方法を用いると一度に大量の光ファイバの加工が可能である。
[基板クラッド形成工程]基板クラッド51は、コア溝及び光ファイバ案内溝となるべき部分に凸部を備えた金型を用いて、プレス成形や射出成形を行い、一度の成形処理によって、図3(a)に示すように、コア溝41及び光ファイバ案内溝6を表面に備えて形成される。ここで用いる金型は、LIGA(Lithography Galvanoformung Abformung)工法等を用いて製造することができる。LIGA工法は、フォトエレクトロプレーティングのやり方で、立体的に奥行きが出るようにしたプロセスである。例えば、フォトレジストを深く立体的に彫った後で、電気めっき(電気鋳造)して金型を作ることができる。
コア溝41の断面形状は方形であり、前出の図1(b)に示す幅aは、シングルモード対応の場合、5〜20μmである。また、光ファイバ案内溝6の形状、すなわち、前出の図1(b)に示す溝の幅c、溝の高さh、及び溝の長さbは、光ファイバ3の小径部33が嵌合される寸法に合わせて形成される。寸法の代表例を示すと、コア溝41の幅a=7μm、光ファイバ案内溝6の幅c=15μmである。
基板クラッド51に用いる樹脂として、光透過率の高いPMMA、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素系樹脂等を用いることができる。実施例では、例えば、PMMAの場合、光の屈折率nが1.492のものが用いられる。
[光ファイバ配置工程]続く工程で、上述の基板クラッド51の光ファイバ案内溝6に光ファイバ3が嵌合、配置される。このとき、光ファイバ案内溝6の形状は、光ファイバ3の小径部33形状とほぼ同等か0.5〜1μm程度大きく形成すると嵌合時に、光ファイバ端部の破損を避けることができる。
[接着剤塗布工程]図3(b)に示すように、ディスペンサ42を用いて、光ファイバ3のコア32と同等の屈折率(n=1.497)を有する接着剤43を、光ファイバ案内溝6に嵌合された光ファイバ小径部33周辺に塗布する。このとき、コア溝41に接着剤43を充填して光導波路(コア4)の形成と光ファイバの接着とを同時に行うことができる。
導波路コア4を形成する樹脂と光ファイバ接着に用いる樹脂との屈折率が異なる樹脂を用いる場合、コア溝41に、例えば屈折率n=1.497の樹脂を充填し、その後、光ファイバ案内溝6に、基板クラッド51と同じ屈折率n=1.492を有する樹脂を塗布する。すなわち、光が導波するコアの屈折率を高くし、接着剤に低屈折率接着剤を用いて、光伝搬への悪影響がないようにする。例えば、使用する接着剤の屈折率が光ファイバのコアの屈折率より0.001〜0.05ほど低いものを用いることで、接着剤が光ファイバのクラッド領域と同じ効果を持つ。これによって、光ファイバの小径部から光信号が漏れることを防ぎ、高効率で光信号を転送できる。
[カバークラッド接合工程]上述の樹脂充填、接着剤塗布を行った基板クラッドの上に、図3(c)に示すように、厚さ100μm程度のカバークラッド52を配置して、上面よりプレスする。プレスによってコア形成用の樹脂液がカバークラッド52と基板クラッド51間の全面に行き渡る。その後、カバークラッド52の上部から光照射することにより、コア樹脂と接着剤を硬化させる。これにより、基板クラッド51、カバークラッド52、光ファイバ3が接合され、コアが形成されて、光導波路モジュール1が完成する。
カバークラッド52に用いる樹脂として、上述した基板クラッド51に用いる樹脂と同様の樹脂を用いることができ、本実施例ではPMMAで屈折率n=1.492のものを用いた。
上述のように、光導波路モジュール1は、図1と図3で示したように、光導波路板2のコア4と略同一形状で形成した光ファイバ案内溝6に、光ファイバ3の小径部33を嵌合することで、コア4と光ファイバ3の光軸を一致させる調芯が完了するので、調芯位置決め時間が短縮できる。また、光導波路板2のコア4と光ファイバ案内溝6との間に大きな段差がないので、温度変化によるコア4と光ファイバ3間の位置ずれの発生が殆どなく、温度変化による光強度のカップリング損失が抑制された低損失光結合が実現され、光導波路モジュール1の安定した使用状態が実現される。
次に、本発明の他の一実施形態に係る光導波路モジュールについて説明する。図4は光導波路モジュール1を示し、図5(a)〜(d)はその製造工程を示す。この光導波路モジュール1の光ファイバ案内溝6は、図4(a)(b)に示すように、光導波路板2のコア4の一部(端部)に平行に近接して備えられ、コア4と光ファイバ案内溝6に固定された光ファイバ3(の小径部)とが方向性結合により光学的に結合されたものである。
このような方向性結合を用いる光導波路モジュール1において、光ファイバ3の小径部33の直径が9〜50μmのものが用いられる。小径部33の直径が9μm以下では光信号が伝達できず、また、50μm以上では方向性結合が起こりにいからである。また、光ファイバ3の小径部33の直径を9〜20μm程度にすると、方向性結合現象がさらに誘発されやすくなり、結合性がより改善される。
また、コア溝41と光ファイバ案内溝6の中心間距離e、及び平行に走っている部分の長さ(移行距離)dには、中心間距離eが近いほど短い移行距離dで、互いに光が乗り移る(方向性結合する)ことができるという関係がある。例えば、断面形状が□6μmのコア溝41に対して、a=8μmのときd=0.95mmで、またa=10μmのときd=1mmで光ファイバから導波路(コア4)に光が乗り移った。
このように光ファイバ3をコア4に近接して配置することにより、光導波路(コア4)と、光ファイバ3との間で方向性結合による光信号の伝達が行われるため、従来例にあるような調芯工程が不要となる。また、光ファイバ内を導波した光が、方向性結合によって光導波路板のコアに乗り移るので、光ファイバと光導波路板のコアとの断面形状の違いによる光損失がなく、カップリング損失を抑制できる。基板クラッド51は、リソグラフィを用いた露光・現像による方法や、前述したような金型を用いる方法により、容易に形成できる。以下に製造工程を述べる。
[光ファイバ小径部/基板クラッド形成工程]光ファイバ3の小径部33の形成は、前述の光ファイバ小径部形成工程と同様に行われる。光ファイバ小径部33の径は、シングルモード光ファイバの場合、φ9〜50μm程度とされる。基板クラッド51の形成も、前述同様に行われる。また、コア溝41の断面形状は、シングルモード対応の場合は□5〜20μmとされる。光ファイバ取付構造の形状(溝の幅・高さ)は、光ファイバの小径部33が嵌合されるように形成する。
[コア形成工程]図5(a)に示すように、ディスペンサ42を用いて、コア溝41にコア溝41から樹脂43液が少し溢れる程度に、メタクリレート系樹脂(屈折率1.497)を充填する。また、図示のように、コア溝41の全周を基板クラッド51で囲む構造とすることで、樹脂43を端面でせき止めることができ、基板クラッド端面から樹脂液が溢れ出すことがなく、後工程の光ファイバ配置工程において光ファイバに上記樹脂液が付着することを防止できる。従って、このコア溝41構造により、光ファイバ3の位置決め精度確保や樹脂液付着による不具合防止ができる。
[光ファイバ配置工程]図5(b)に示すように、光ファイバ3を基板クラッド51の光ファイバ案内溝に嵌合配置する。
[接着剤塗布工程]図5(c)に示すように、ディスペンサ44を用いて、基板クラッド51と同じ屈折率n=1.492を有する光硬化型アクリレート系接着剤45を、光ファイバ小径部に塗布する。このあと、前述同様に、カバークラッド接合工程を行い光導波路モジュール1が完成する。
次に、上述と同じ方向性結合を用いた他の光導波路モジュールについて説明する。図6は光導波路モジュールの方向性結合部の構造を示す。図6(a1)(a2)に示すように、基板クラッド51には、上述のような光ファイバ案内溝は設けられていない。光ファイバ3は、基板クラッド51に形成されたコア4の上の領域60に直接、コア4に平行に配置される。そして、図6(b1)(b2)に示すように、光ファイバ案内溝6を有するカバークラッド52を上からかぶせて、光導波路モジュールが形成される。
なお、光ファイバ案内溝6を有するカバークラッド52を用いることなく、型を用いたり、塗布を行うことにより、基板クラッドの上に直接、カバークラッドを形成することもできる。このように、光ファイバ案内溝を基板クラッドから無くし、光ファイバの小径部を光導波路板のコア部の上部に直接配置することで、上記同様に方向性結合現象による光信号の伝達が可能である。
次に、本発明のさらに他の一実施形態に係る光導波路モジュールについて説明する。図7は光導波路モジュール製造時の調芯方法を示す。この光導波路モジュールに用いる光ファイバの小径部33は、図7(b)(c)に示すように、その外形が光ファイバ3の光軸中心、すなわちコア31の中心に対して偏心している。偏心した小径部33を有する光ファイバをの形成については後述する。
この偏心した小径部を有する光ファイバ3を用いて、前出の図3で示した工程と同様に工程をすすめて、図7(a)に示すように、カバークラッド51をのせてプレスした後、調芯のための微調整が行われる。図の左方の光ファイバ3に光L0を入射し、図の右方の光ファイバ3から出射される光L1,L2の強度を測定しながら、カバークラッドの上面より接着剤を硬化させる光を照射する。このとき、光ファイバ3をそれぞれの軸回りに回転させて、出射光の強度が最も大きいところで回転を止め、その状態で接着剤を完全に硬化させる。光導波路板と光ファイバの結合作業時に軸芯位置の微調整を容易に行うことができるので、光導波路板におけるコアの位置精度を緩和できる。
次に、光ファイバの小径部33をレーザ光により形成する方法を、図8により、説明する。光ファイバ3のコア部を整形する場合、切削や研削等の機械加工による方法によると、石英ファイバの場合、脆性材料であるため、ファイバが破断することがある。そこで、レーザ光により非接触で加工を行うと、加工時の応力負荷を抑制できる。レーザ光としては、熱応力が負荷されないように、短パルスレーザ光が望ましく、例えば、パルス幅1〜200nsecのレーザ光を用いることができる。パルス幅がnsオーダ以下のps、fsのレーザでも同様の効果が得られるが、短パルスになるほど1パルス当りの除去量が低下するので生産性が低下する。
また、石英ファイバの場合、可視や赤外領域の光に対して、透明性を有しているので、レーザ光の吸収効率が問題になることもある。これらのことを考慮して、例えば、エキシマレーザを用いて加工を行った。ArF(アルゴンフッ素)レーザ光の波長は、石英に対して吸収があるので、これを用いることとし、図8に示すように、レーザ光源8からのレーザ光LBを、ミラー81及び集光レンズ82を介して、エネルギー密度1.0J/cm〜5J/cmとして、ファイバ3に照射した。エキシマレーザは、パルスレーザであるので、パルス数で、小径部33におけるクラッド除去量を制御できる。レーザ光の照射サイズは、遮蔽マスクを用いて、1〜100μmφに整形した。レーザ光LBを走査するとともに、光ファイバ3をその軸回りに回転することにより、ファイバ小径部33の形状を所望の形状に整形できる。例えば、前述の偏心した小径部33を有する光ファイバを、図8に示す方法で形成できる。
次に、本発明のさらに他の一実施形態に係る光導波路モジュールについて説明する。図9は、光ファイバの先端部とその嵌合状態を示し、図10は、さらに他の形状の光ファイバの先端部とその嵌合状態を示す。これらの嵌合状態を有する光導波路モジュールは、狙い形状に形成されたファイバ先端部を有する光ファイバに対し、光導波路板の導波路部にファイバ先端形状にあった形状を形成して、光ファイバを光導波路板に結合する際に、接続信頼性を向上させるものである。図9(a)(b)に示すように、光ファイバ3の先端部分の領域3A,3B,3Cのうち、途中の領域3Bの部分のコア31がむき出しされ、小径部が形成されている。また、その先端形状に合った形状が、図9(c)に示すように基板クラッド51のコア溝41端部に、光ファイバ案内溝6A,6B,6Cとして形成されている。そして、図9(d)に示すように、光ファイバ3の領域3A,3B,3Cとファイバ案内溝6A,6B,6Cのそれぞれを嵌合させて、光導波路モジュールが形成される。図10に示す光ファイバ3は、その先端の小径部33をテーパ形状とし、また、光ファイバ案内溝6の形状が、対応する形状とされている。これらの光ファイバ案内溝及びコア溝41の形成は、例えば、光ファイバ案内溝及びコア溝41の両方の対応するパターンを有するマスクを用いて、フォトリソグラフイにより行うことができる。
上述の図9と図10に示した先端部を有する光ファイバの製造方法を、図11、図12により説明する。図11(a)に示すように、光ファイバ3の先端部の2箇所にマスクM1,M2を施して、エッチング液7に浸漬することにより、小径部3Bにコアが露出した光ファイバが得られる。また、図11(b)に示すように、光ファイバ3の先端から離れたところにマスクM3を施して、エッチング液7に浸漬することにより、先端部がテーパ形状となった小径部を有する光ファイバが得られる。
エッチングの詳細説明をする。エッチング液7として、例えば、フッ酸溶液を用いる場合、エッング速度が比較的遅く、光ファイバのクラッドの溶解量の制御が容易である。また、エッチング速度は、フッ酸濃度を変化させて制御することが可能である。マスクM1〜M3の形成は、光ファイバ先端外形部にAuのコーティング膜をスバッタ法により形成される。また、コーティング膜は、Ni−Cr−Mo合金によるメタライズで形成してもよい。フッ酸溶液を用いてエッチングする場合、コーティング膜としてフッ素樹脂膜を用いてもよい。
また、先端がテーパ形状となった小径部を有する光ファイバは、図12(a)〜(c)に示すように、光ファイバ3に引張応力を付加しながらバーナ9により加熱して切断することにより得られる。石英ファイバの場合、1600℃〜2000℃に加熱しファイバ外径の最小値が、20μmφになるところで、光ファイバを切断すると光ファイバ端部がテーパ形状になり、所望の形状が得られる。この形状は、光ファイバを加熱する領域、引張応力、及び歪速度により制御可能である。光ファイバの加熱は、酸水素バーナや炭酸ガスレーザ等の赤外線レーザによって局所加熱が可能であり、これらを用いて所望のテーパ形状を形成可能である。
次に、本発明のさらに他の一実施形態に係る光導波路モジュールについて説明する。図13は、光ファイバの先端部とその嵌合状態を示し、図10は、さらに他の嵌合状態を示す。前出の図3(a)(b)に関して説明した光ファイバ配置工程では、光ファイバ案内溝の寸法を光ファイバの外径より0.5〜1μm程度大きく形成して嵌合時の光ファイバ破損を避けることを述べたが、ポリマ導波路の場合、光ファイバ案内溝の寸法を小さくして、光ファイバを破損することなく、精度良く位置決めをすることができる。すなわち、光導波路(コア及びクラッド)が、ポリマ等のように、ファイバ材質より硬度が低い材料の場合、光ファイバ案内溝に光ファイバを位置合わせする際に、図13(a)(b)に示すように、光ファイバ小径部33の外径d1よりも光ファイバ案内溝6の溝幅d2を小さくする。このような寸法関係のもとで、光ファイバ小径部33を光ファイバ案内溝6に嵌合させると、図13(c)に示すように、光ファイバ案内溝の側壁が変形するとともに、側壁から光ファイバ小径部33をクランプする力Fが発生する。力Fによって、光ファイバ小径部33が光ファイバ案内溝の中心に精度良く配置・保持され、また、その後の接着等の製造工程においても位置ずれの発生も抑制される。
上述の寸法関係として、例えば、PMMA製の基板クラッド51と、石英製光ファイバ(外径φ125μm、コア直径φ9μm)の場合、光ファイバコアと導波路コアとのモード整合を考慮すると導波路(コア溝41)の断面形状は□5〜7μmが好ましい。そして、光ファイバ小径部33の外形d1を光ファイバコアの直径φ9μmと同じとする場合、光ファイバ案内溝6の幅d2を7〜8μm程度にしておくと、光ファイバを破損することなく樹脂の弾性力によって光ファイバを保持することが可能である。
また、図14(a)(b)に示すように、光ファイバ案内溝6の一方の側壁に沿って切り込み61を形成して、側壁62を変形し易くすることによって、光ファイバ案内溝6の他方の側壁63を基準面として光ファイバ小径部33を配置することができる。このような構造は、基板クラッド51がポリマ製ではない場合においても適用することができる。なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上記において主にY分岐導波路を示す図を参照して説明しているが、本発明はこのようなY分岐導波路を有する光導波路モジュールに限られることなく、光導波路板の光ファイバ案内溝に光ファイバの小径部を嵌合して固定する構成を有するすべての光導波路モジュールを包含するものである。
(a)は本発明の一実施形態に係る光導波路モジュールの斜視図、(b)は同光導波路モジュールの結合部構造を説明する斜視図。 (a)(b)は同上光導波路モジュールに用いられる光ファイバの小径部の形成を説明する図。 (a)(b)は同上光導波路モジュール製造工程を説明する斜視図、(c)は完成した同上光導波路モジュールの斜視図。 (a)は本発明の他の一実施形態に係る光導波路モジュールの斜視図、(b)は同光導波路モジュールの結合部構造を説明する斜視図。 (a)〜(c)は同上光導波路モジュール製造工程を説明する斜視図、(d)は完成した同上光導波路モジュールの斜視図。 (a1)(b1)は本発明のさらに他の一実施形態に係る光導波路モジュールの結合部構造を説明する斜視図、(a2)(b2)は同結合部構造を説明する段面図。 (a)は本発明のさらに他の一実施形態に係る光導波路モジュールにおける調芯を説明する斜視図、(b)は同光導波路モジュールに用いられる光ファイバの斜視図、(c)は(b)における光ファイバの小径部のA−A段面図。 本発明の光導波路モジュールに用いられる光ファイバの小径部の形成を説明する図。 (a)は本発明のさらに他の一実施形態に係る光導波路モジュールに用いられる光ファイバの先端部の斜視図、(b)は同光ファイバの先端部の断面図、(c)は同光ファイバの先端部が嵌合する光導波路の光ファイバ案内溝部分の平面図、(d)は同光導波路モジュールにおける同光ファイバと光ファイバ案内溝との嵌合状態平面図。 本発明のさらに他の一実施形態に係る光導波路モジュールの結合部構造を説明する斜視図。 (a)(b)は本発明の光導波路モジュールに用いられる光ファイバの小径部の形成を説明する模式図。 (a)〜(c)は本発明の光導波路モジュールに用いられる光ファイバの小径部の形成を説明する模式図。 (a)は本発明の一実施形態に係る光導波路モジュールの他の結合部構造を説明する斜視図、(b)(c)は同結合部構造を説明する断面図。 (a)は本発明の一実施形態に係る光導波路モジュールのさらに他の結合部構造を説明する斜視図、(b)は同結合部構造を説明する断面図。 従来の光導波路モジュールの結合部構造を説明する斜視図。
符号の説明
1 光導波路モジュール
2 光導波路板
3 光ファイバ
4 (光導波路板の)コア
5、51、52 クラッド
6 光ファイバ案内溝
33 小径部

Claims (5)

  1. 光導波路板と光ファイバとを結合した光導波路モジュールにおいて、
    前記光導波路板は、光が導波するコアと、該コアを覆い該コアより低屈折率の材料よりなるクラッドと、該コアの断面と略同一形状の断面をなして該クラッドの端面付近に形成された光ファイバ案内溝とを備え、
    前記光ファイバは、端面付近に他の領域よりも径の小さい小径部を備え、
    前記光ファイバは前記光導波路板の光ファイバ案内溝に前記小径部を嵌合して固定されていることを特徴とする光導波路モジュール。
  2. 前記光ファイバ案内溝は、前記光導波路板のコアの一部に平行に近接して備えられ、前記コアと光ファイバ案内溝に固定された光ファイバとが方向性結合により光学的に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の光導波路モジュール。
  3. 前記光ファイバの小径部の直径が9〜50μmであることを特徴とする請求項2に記載の光導波路モジュール。
  4. 前記光ファイバの小径部の外形が該光ファイバの光軸中心に対して偏心していることを特徴とする請求項1に記載の光導波路モジュール。
  5. 前記光ファイバの小径部は、光ファイバの端面付近に短パルスレーザ光を照射することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光導波路モジュール。
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