JP2005145355A - ナックル - Google Patents

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Hiroki Kamimura
広樹 上村
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Abstract

【課題】複数のナックル構成部品を加熱操作を伴わずに一体結合して得られるナックルを提供する。
【解決手段】ステアリングナックルは、第1のナックル構成部品10A,10B及び第2のナックル構成部品20からなる。第1のナックル構成部品10A,10Bの各々には、外力を及ぼして折り曲げ可能な複数の係合突片11,12が設けられている。第2のナックル構成部品20には、第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせたときに前記係合突片11,12を受け容れ可能な複数の係合孔23及び係合凹部25が設けられている。第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせて前記係合孔23及び係合凹部25内に前記係合突片11,12を受容した後、各係合突片11,12を折り曲げることで、第1及び第2のナックル構成部品が一体化されたステアリングナックルが得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車輌用のステアリングナックルやリヤナックル(リヤキャリアとも言う)に代表される、車軸やサスペンション部品の支持に関与する機械構造としてのナックルに関する。特に、ナックルを構成する部品の相互接合構造に関するものである。
例えば特許文献1は、いわゆるFF車のリヤ従動輪用ストラット型サスペンションのストラットを支持するナックルの構造を開示する。このナックルは、それぞれ金属板をプレス成形して得たインナナックル及びアウタナックルの二つの部材(部品)から構成されている。そして、インナナックル及びアウタナックルをそれらの周壁が互いに重ね合わさるように係合させた状態でその重ね合わせ部の所定箇所に溶接を施すことで、内部が中空なナックルを完成させている。
しかしながら、二つのナックル構成部品を溶接にて結合すると、次のような不都合が生じ得る。例えば、各ナックル構成部品に鋳鉄等のカーボン含有量の多い鉄系材料を採用した場合、溶接時の熱の影響で溶接部位及びその近傍に材質変化(即ち局部的な組成変化)が起こり、肝心の溶接部位が脆くなって強度が低下することがある。また、二つのナックル構成部品間で融点が大きく異なる金属を採用した場合(例えば一方が鉄で他方がアルミニウムという組合せの場合)、溶接時に低融点金属だけが先に溶融してしまい十分な溶接強度を得られない。更には、各ナックル構成部品に溶接性に問題のない金属又はその組合せを採用した場合でも、溶接時の熱で製品が変形して寸法精度の低下を招くことがある。このように、ナックル構成部品の加熱を不可避的に伴う溶接による限り、上述のような不都合を解消できない。
特開平10−129225号公報(第0014〜0022段落)
本発明の目的は、複数のナックル構成部品を加熱操作を伴わずに一体結合して得られるナックルを提供することにある。
請求項1の発明は、第1及び第2のナックル構成部品を含む複数の部品で構成されるナックルであって、第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせた状態で少なくとも第1のナックル構成部品の一部を折り曲げることにより、第1及び第2のナックル構成部品を相互離脱不能に一体化したことを特徴とするナックルである。
請求項1によれば、第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせた状態で少なくとも第1のナックル構成部品の一部を折り曲げるという非加熱的な機械加工により、第1及び第2のナックル構成部品が相互離脱不能に一体化され、複数部品の一体結合物としてのナックルが構成される。これによれば、ナックル構成部品間の接合に加熱操作を伴わないので、加熱による強度低下や寸法精度低下の心配がない。
請求項2の発明は、第1及び第2のナックル構成部品を含む複数の部品で構成されるナックルであって、前記第1のナックル構成部品には、外力を及ぼして折り曲げ可能な係合突片が設けられ、前記第2のナックル構成部品には、第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせたときに前記係合突片を受け容れ可能な係合凹部又は係合孔が設けられており、第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせて前記係合凹部又は係合孔内に前記係合突片を受容した後、その係合突片を折り曲げることにより、第1及び第2のナックル構成部品を相互離脱不能に一体化したことを特徴とするナックルである。
請求項2によれば、第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせて第2のナックル構成部品の係合凹部又は係合孔内に第1のナックル構成部品の係合突片を受容した後、その係合突片を折り曲げるという非加熱的な機械加工により、折り曲げられた係合突片によって第2のナックル構成部品の肉部が抱きかかえられる形となる。その結果、第1及び第2のナックル構成部品が相互離脱不能に一体化され、複数部品の一体結合物としてのナックルが構成される。これによれば、ナックル構成部品間の接合に加熱操作を伴わないので、加熱による強度低下や寸法精度低下の心配がない。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のナックルにおいて、前記第1及び第2のナックル構成部品は、金属板に塑性加工を施して得られた板金部品であることを特徴とするものである。
請求項3によれば、金属板に対し汎用の塑性加工技術(例えばプレス成形)を適用することで各ナックル構成部品を調達することができる。また、板金部品とすることで、第1のナックル構成部品における係合突片の形成および第2のナックル構成部品における係合凹部又は係合孔の形成が容易になる。
(付記)本発明の更に好ましい態様や追加的構成要件を以下に列挙する。
イ.請求項1〜3において、第1のナックル構成部品は非高張力鋼からなり、第2のナックル構成部品は高張力鋼からなること。
ロ.請求項1〜3において、第1のナックル構成部品は鉄系材料からなり、第2のナックル構成部品はアルミニウム系材料からなること。
各請求項に記載のナックルによれば、第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせた状態で第1のナックル構成部品の一部を折り曲げるという非加熱的な機械加工により、各ナックル構成部品を一体結合してナックルを製造できる。このため、加熱による強度低下や寸法精度低下のない強度及び寸法精度の良好なナックルとすることができる。
また、加熱操作の不要な接合構造の採用により、各ナックル構成部品ごとの材料選択の幅が広がり、ナックルの性能を多様化することが可能となる。例えば、強度及び剛性に優れた金属と比較的軽量な金属とを組み合わせることにより、強度及び剛性の向上とナックル全体としての軽量化とを両立させることが可能となる。
本発明をステアリングナックルに具体化した一実施形態を図1〜図4を参照しつつ説明する。図1に示すようにステアリングナックルは、第1のナックル構成部品としての左側板材10A及び右側板材10B、並びに、第2のナックル構成部品としての正面板材20の3つの部品から構成されている。
左側板材10A及び右側板材10Bは、材料となる金属板をプレス成形して得た板金部品である。左側板材10A及び右側板材10Bの各々には、正面板材20と向き合う端縁から正面板材20の方に突出するように、4つの第1係合突片11及び2つの第2係合突片12が突出形成されている。これら合計6つの係合突片11,12は、材料金属板をプレス成形した際に各板材の本体部13と同時成形された部位であり、機械的外力を及ぼすことで板材本体部13に対して略直角に折り曲げ可能な部位である。また、左側板材10A及び右側板材10Bの各々の上端部には、ストラット型サスペンションの一部を取り付けるための取り付け部14が設けられている。
正面板材20も、材料となる金属板をプレス成形して得た板金部品である。正面板材20の本体部21の略中央には、車軸を通すための車軸用開口22が貫通形成されている。この車軸用開口22を取り囲む位置には、左側板材10Aの4つの第1係合突片11及び右側板材10Bの4つの第1係合突片11を挿入受け容れ可能な合計8つの係合孔23が貫通形成されている。また、正面板材20の上端部24には、左側板材10Aの2つの第2係合突片12及び右側板材10Bの2つの第2係合突片12を進入受け容れ可能な合計4つの係合凹部25が切り欠き形成されている。これらの係合孔23及び係合凹部25は、材料金属板をプレス成形した際に正面板材の本体部21及び上端部24と同時成形された部位である。また、正面板材20の左端には、ディスクブレーキ用のキャリパを取り付けるための上下一対の取り付け部26が設けられている。
左側板材10A、右側板材10B及び正面板材20の3部品からステアリングナックルを組み立てる際には、先ず図示しない治具を用いて、左側板材10A及び右側板材10B間に所定間隔を確保しつつ両者を移動不能に保持する。この保持状態では図1に示すように、左側板材10Aの2つの第2係合突片12と右側板材10Bの2つの第2係合突片12とが互いに向き合う。そこへ正面板材20を組み付ける。すると、左側板材10Aの4つの第1係合突片11及び右側板材10Bの4つの第1係合突片11がそれぞれ対応する正面板材20の各係合孔23内に進入し、各係合突片11が係合孔23から正面板材20の正面側に突出する。同様に、左側板材10Aの2つの第2係合突片12及び右側板材10Bの2つの第2係合突片12がそれぞれ対応する正面板材20の各係合凹部25内に進入し、各係合突片12が係合凹部25から正面板材20の正面側に突出する。
そして、図2〜図4に示すように、第1及び第2の係合突片11,12をそれぞれ正面板材20の表面に接するように略直角に折り曲げる。図3は、第1の係合突片11を折り曲げることによる左側板材10Aと正面板材20の本体部21との結合状況を示し、図4は、第2の係合突片12を折り曲げることによる左側板材10A及び右側板材10Bと正面板材20の上端部24との結合状況を示す。これら折り曲げの結果、折れ曲がった係合突片11,12によって正面板材20が左側及び右側板材10A,10Bに抱きかかえられ、3部品が相互離脱不能に一体化される。その後、左側及び右側板材10A,10Bを保持していた治具を取り外すことでステアリングナックルが完成する。
このように本実施形態によれば、左側板材10A、右側板材10B及び正面板材20の3部品を組み合わせた状態で、左側及び右側板材の第1及び第2係合突片11,12を略直角に折り曲げるという非加熱的な機械加工により、上記3部品を一体結合してステアリングナックルを製造できるので、溶接等の加熱を伴う加工が不要となる。それ故、仮に各部品の材料金属板として鋳鉄等のカーボン含有量の多い鉄系材料の金属板を用いた場合でも、熱の影響による材質変化の発生を心配する必要がなく、加熱による強度低下や寸法精度低下のない強度及び寸法精度の良好なステアリングナックルを得ることができる。
また、加熱操作の不要な接合構造の採用により、各部品ごとの材料選択の幅が広がり、ステアリングナックルの性能(又は性質)を多様化することが可能となる。
例えば、第1のナックル構成部品(左側板材10A及び右側板材10B)の構成材料として非高張力鋼(例:炭素鋼)を選択する一方で、第2のナックル構成部品(正面板材20)の構成材料として高張力鋼を選択する。この場合には、高張力鋼からなる第2のナックル構成部品によって、ナックルの機械的強度及び剛性の飛躍的向上が図られると共に、非高張力鋼からなる第1のナックル構成部品によって、係合突片11,12の折り曲げ加工のし易さを担保しつつナックルの機械的強度及び剛性の向上が図られる。
また例えば、第1のナックル構成部品(左側板材10A及び右側板材10B)の構成材料として鉄系材料(例:炭素鋼)を選択する一方で、第2のナックル構成部品(正面板材20)の構成材料としてアルミニウム系材料を選択する。この場合には、アルミニウム系材料からなる第2のナックル構成部品によって、ナックル全体としての軽量化が図られると共に、鉄系材料からなる第1のナックル構成部品によって、係合突片11,12の折り曲げ加工のし易さを担保しつつナックルの機械的強度及び剛性の向上が図られる。つまり、強度及び剛性の向上とナックル全体としての軽量化とを両立させることができる。
(変更例)本発明の実施形態を以下のように変更してもよい。
図1〜図4に示した実施形態では、第1のナックル構成部品(左側板材10A及び右側板材10B)の一部である係合突片11,12を略直角に折り曲げることを示したが、ナックル構成部品の一部の折り曲げ態様はこれに限定されるものではない。例えば図5に示すように、第1のナックル構成部品31の一部(下端部31a)で第2のナックル構成部品32の端部の上下面を挟み込むように第1のナックル構成部品31の一部を折り曲げてもよい。あるいは図6に示すように、第1のナックル構成部品31の一部(端部)と第2のナックル構成部品32の一部(端部)とを重ね合わせた後、ロール状に巻き取るように両ナックル構成部品31,32の一部を折り曲げてもよい。図5及び図6に示すような折り曲げ態様でも、第1及び第2のナックル構成部品31,32を相互離脱不能に一体化させることができる。
ステアリングナックルの3つの構成部品を分解して示す斜視図。 組み立てられたステアリングナックルを示す斜視図。 図2のA−A線での断面を示す要部拡大斜視図。 図2のB−B線での断面を示す要部拡大斜視図。 ナックル構成部品の一部の折り曲げ態様の変更例を示す断面図。 ナックル構成部品の一部の折り曲げ態様の変更例を示す断面図。
符号の説明
10A…左側板材(第1のナックル構成部品)、10B…右側板材(第1のナックル構成部品)、11…第1係合突片、12…第2係合突片、13…板材の本体部、20…正面板材(第2のナックル構成部品)、21…板材の本体部、23…係合孔、25…係合凹部、31…第1のナックル構成部品、32…第2のナックル構成部品。

Claims (3)

  1. 第1及び第2のナックル構成部品を含む複数の部品で構成されるナックルであって、
    第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせた状態で少なくとも第1のナックル構成部品の一部を折り曲げることにより、第1及び第2のナックル構成部品を相互離脱不能に一体化したことを特徴とするナックル。
  2. 第1及び第2のナックル構成部品を含む複数の部品で構成されるナックルであって、
    前記第1のナックル構成部品には、外力を及ぼして折り曲げ可能な係合突片が設けられ、前記第2のナックル構成部品には、第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせたときに前記係合突片を受け容れ可能な係合凹部又は係合孔が設けられており、
    第1及び第2のナックル構成部品を組み合わせて前記係合凹部又は係合孔内に前記係合突片を受容した後、その係合突片を折り曲げることにより、第1及び第2のナックル構成部品を相互離脱不能に一体化したことを特徴とするナックル。
  3. 前記第1及び第2のナックル構成部品は、金属板に塑性加工を施して得られた板金部品であることを特徴とする請求項1又は2に記載のナックル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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