JP2005155759A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 グリース等の潤滑剤の洩れを少なくすることができるとともに、大きな掛り代で玉を保持することができ、それにより安定した運転が可能で且つ耐久性の向上が図られた転がり軸受を提供すること。
【解決手段】 転がり軸受10は、外輪11、内輪12、外輪11と内輪12との間で周方向に転動自在に配設された複数の転動体である玉13、および玉13を保持するポケット15が形成された保持器14、を有する。保持器14は、その外周側に位置する外輪11の転動溝16の幅よりも小さな幅を有し且つ、転動溝16に対向するポケット外径側に形成された、玉13に対する掛り代を大きくするための、凸部17を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転がり軸受(以後、『転がり軸受』または単に『軸受』と記述する。)に関する。
図5に示されるように、従来の転がり軸受に用いられる保持器50は、円環状の主部51とこの主部51の軸方向片側面に形成した複数の弾性片とにより構成されるポケット52の内周面のうち、ポケット52内に保持される複数個の転動体である玉53のピッチ円Pよりも中心寄りに存在する内径側部分54の形状を部分円筒面としており、内径側部分54を、ポケット52を構成する1対ずつの弾性片の先端同士の不連続部を除き、玉53の直径よりも少しだけ大きな内径と単一の中心軸とを有する円筒面としている。また、ポケット52の内周面で、ピッチ円Pよりも外径側に存在する、外径側端部55が、ピッチ円P上に存在する玉53の中心をその中心とし、この玉53の直径よりも少しだけ大きな内径を有する球状凹面としている。そして、外径側端部55の先端縁で、ポケット52のラジアル方向両端開口部のうち、保持器50の外径側の開口の最大内接円の直径を、玉53の直径よりも小さくしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−116051号公報(第4−5頁、図1)
ところで、上述した従来の転がり軸受では、外径側端部55の玉53に対する掛り代を小さくして、ポケット52において玉53との間の隙間を大きくすることにより、保持器50が玉53に付着したグリースを掻き落さなくして、グリースの保持器背面への流れ込みを防止するようにしている。しかし、外径側端部55の玉53に対する掛り代が小さくなると、運転中に遠心力が作用した際に、ポケット52が開き、その結果、玉53を安定して保持することが難しくなる可能性がある。そこで、外径側端部55の玉53に対する掛り代を大きくするために保持器50の外径全体を大きくして、図6に示すように外輪61および内輪62を有する転がり軸受60に組付けたとしても、運転中に作用する遠心力によって、保持器50の主部51が、外輪61の小内径部63に干渉して、保持器音と呼ばれる騒音を発生する可能性や、摺動抵抗の増大によるトルク増加や異常発熱が生じ、耐久性が低下する可能性がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、グリース等の潤滑剤の洩れを少なくすることができるとともに、大きな掛り代で玉を保持することができ、それにより安定した運転が可能で且つ耐久性の向上が図られた転がり軸受を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係る転がり軸受は、下記(1)および(2)を特徴としている。
(1)外輪、内輪、前記外輪と前記内輪との間で周方向に転動自在に配設された複数の玉、および当該玉を保持するポケットが形成された保持器、を有する転がり軸受であって、
前記保持器の外周側に位置する前記外輪の転動溝の幅よりも小さな幅を有し且つ、前記転動溝に対向するポケット外径側に形成された、前記玉に対する掛り代を大きくするための、凸部を前記保持器が有することを特徴とする転がり軸受。
(2)上記(1)に記載した転がり軸受において、前記凸部が、前記ポケットを形成する前記保持器の弾性ポケット形成片の一部を形成するように、前記保持器の外周面上に突出配置されていることを特徴とする転がり軸受。
ここで、保持器としては、例えばナイロン系樹脂等の高分子材料を素材として円環形状に形成され、円周方向に複数形成されたポケットを有する、例えば冠形保持器を例示できる。ナイロン系樹脂としては、例えば46ナイロンや66ナイロンが好適である。
上記(1)に記載の転がり軸受によれば、玉に対する掛り代を大きくするための凸部が、外輪の内周面に形成された転動溝に対向する保持器のポケット外径側に形成されているので、凸部によって大きくなったポケットの掛り代により玉を確実に保持しつつグリース等の潤滑剤の洩れを少なくすることができるとともに、保持器の凸部が当該保持器の外周側に位置する外輪の転動溝の幅よりも小さな幅を有するので、運転中に遠心力が作用したとしても保持器が外輪に接触する機会がない。これにより、玉を安定して保持できない、騒音が発生する、という可能性を無くすことができる。
また、上記(2)に記載の転がり軸受によれば、保持器の外周面上に突出配置される凸部が、ポケットを形成する弾性ポケット形成片の一部を形成するので、弾性ポケット形成片のボリュームが増すとともに、玉に対する掛り代が大きくなり、大きくなった掛り代により玉を確実に保持しつつグリース等の潤滑剤の洩れを少なくすることができる。
本発明によれば、グリース等の潤滑剤の洩れを少なくすることができるとともに、大きな掛り代で玉を保持することができ、それにより安定した運転が可能で且つ耐久性の向上が図られた転がり軸受を提供でき、よって、従来のような、玉を安定して保持できない、騒音が発生する、という可能性を無くすことができる。
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る転がり軸受の一実施形態の上半部断面図、図2は図1に示す転がり軸受に用いられる保持器の一要部を抽出して示す保持器の一部破断外観斜視図、図3は図1に示す転がり軸受に用いられる保持器の一要部を抽出して示す保持器の一部破断正面図、そして図4は図1に示す転がり軸受に用いられる保持器の一要部を抽出して更に径方向に切断した際に見られる断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態である転がり軸受10は、固定軌道輪である外輪11、回転軌道輪である内輪12、外輪11と内輪12との間で周方向に転動自在に配設された複数の転動体である玉13、および玉13を保持するポケット15が形成された保持器14、を有する。保持器14は、その外周側に位置する外輪11の転動溝16の幅よりも小さな幅を有し且つ、転動溝16に対向するポケット外径側に形成された、玉13に対する掛り代を大きくするための、凸部17を有している。
凸部17は、ポケット15を形成する保持器14の弾性ポケット形成片18,18の一部を形成するように、保持器14の外周面上に突出配置されている。
このように構成された転がり軸受10の詳細について以下に説明する。
転がり軸受10は、単列深みぞ玉軸受であり、外輪11がハウジングの穴(不図示)に内嵌されて固定され、そして内輪11が回転軸(不図示)に外嵌される。
外輪11は、その外輪内周面に凹面状の転動溝(換言すれば、外輪軌道面)16が形成されており、そして当該転動溝16を挟む外輪内周面の軸方向両端部(即ち、転動溝16の軸方向の外側)には肩部19,19が形成されている。
内輪12は、その内輪外周面に凹面状の転動溝(換言すれば、内輪軌道面)20が形成されており、そして当該転動溝20を挟む内輪外周面の軸方向両端部(即ち、転動溝20の軸方向の外側)には肩部21,21が形成されている。
保持器14は、例えばナイロン系樹脂等の高分子材料を素材として円環形状に形成されており、円周方向に複数形成されたポケット15を有する、冠形保持器である。ナイロン系樹脂としては、例えば46ナイロンや66ナイロンが好適である。保持器14は、その複数のポケット15で、転動溝16と転動溝20との間に配設された複数の玉13を転動自在に保持している。
そして、保持器14は、外輪11の転動溝16の軸方向幅よりも小さな軸方向幅を有し且つ、外輪11の転動溝16の軸方向幅内で常に転動溝16に対向するように保持器14外周面上(より詳細には、図1中上面であるポケット15外径側)に形成された、断面視台形状の凸部17を有している。
保持器14の各ポケット15は、特に図2および図3を参照して理解されるように、保持器本体部23上から突出するように略U字状に形成された一対の弾性ポケット形成片18,18の間に形成されている。そして、保持器14の各凸部17は、特に図1および図2を参照して理解されるように、保持器本体部23の外周面22に対して段差を形成し且つ、隣接配置され且つ異なるポケット15を部分的に形成する弾性ポケット形成片18,18の一部を形成している。即ち、複数の凸部17が等間隔に保持器14の外周面上で断続的に突出配置されており、転がり軸受10の運転中に遠心力が作用しても外輪11の肩部19に接触することがないように保持器本体部23の外周面22が複数の凸部17に対して段差を持って形成されている。
図3に示すようにポケット15内に玉13を装着した状態の保持器14を横から見た場合、各凸部17は、その最外面の中央に、ポケット15内に装着される玉13のピッチ円Pが通っており、当該ピッチ円Pから互いに等しい距離L1,L1の総和の範囲に当該凸部17の最外面が形成されている。また、各凸部17は、弾性ポケット形成片18,18先端側に傾斜面を有しており、更に保持器本体部23の外周面22との境界部にも傾斜面17aを有している。各凸部17の傾斜面17aは、特に図1を参照して理解されるように、転動溝16と肩部19との境界線を越える前に各凸部17の突出量(即ち、保持器本体部23の外周面22からの突出高さ)が減少するように形成されている。
図4に示すように、ポケット15は、ラジアル方向のその両端開口部のうち凸部17が配置された外径側開口部24の最大内接円の直径が、玉13の直径よりも小さくなっている。そのため、凸部17が配置されたポケット外径側が、ポケット内径側に比べて、玉13に対する掛り代を大きく設定されている。このように外径側開口部24はポケット15を画成する面上で突出している。
凸部17は、大きくなった掛り代により玉13を確実に保持しつつグリース等の潤滑剤の洩れを少なくすることができる。また、凸部17は、転動溝16に対向して配置されており、転がり軸受10の運転中に遠心力が作用しても、外輪11の肩部19に接触することがないので、所謂、保持器音を発生することがなく、転がり軸受10の静粛な運転を図ることができる。
本実施形態の転がり軸受10によれば、
玉13に対する掛り代を大きくするための凸部17が、外輪11の内周面に形成された転動溝16に対向する保持器14のポケット15外径側に形成されているので、凸部17によって大きくなったポケット15の掛り代により玉13を確実に保持しつつグリース等の潤滑剤の洩れを少なくすることができるとともに、保持器14の凸部17が当該保持器14の外周側に位置する外輪11の転動溝16の幅よりも小さな幅を有するので、運転中に遠心力が作用したとしても保持器14が外輪11に接触する機会がない。これにより、玉13を安定して保持できない、騒音が発生する、という可能性を無くすことができる。また、保持器14の外周面上に突出配置される凸部17が、ポケット15を形成する弾性ポケット形成片18,18の一部を形成するので、弾性ポケット形成片18,18のボリュームが増すとともに、玉13に対する掛り代が大きくなり、大きくなった掛り代により玉13を確実に保持しつつグリース等の潤滑剤の洩れを少なくすることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形,改良,等が可能である。
例えば、凸部17は、図示した断面視台形状に限らず、湾曲形状であっても、三角形状であってもよい。
また、本発明が適用可能な転がり軸受は、前述した単列深みぞ玉軸受に限らず、その他、複列玉軸受、各種ころ軸受、等の転がり軸受であってもよい。
また、保持器は、前述したナイロン系樹脂製冠形保持器に限らず、例えば、もみ抜き保持器、打ち抜き保持器、等といった種々の保持器を転がり軸受に応じて用いればよい。
また、外輪を回転軌道輪とし、そして内輪を固定軌道輪としてもよく、その場合にも、上述した実施形態と同様にして本発明を実施することができる。
本発明に係る転がり軸受の一実施形態の上半部断面図である。 図1に示す転がり軸受に用いられる保持器の一要部を抽出して示す保持器の一部破断外観斜視図である。 図1に示す転がり軸受に用いられる保持器の一要部を抽出して示す保持器の一部破断正面図である。 図1に示す転がり軸受に用いられる保持器の一要部を抽出して更に径方向に切断した際に見られる断面図である。 従来の転がり軸受に用いられる保持器の一要部を抽出して更に径方向に切断した際に見られる断面図である。 図5に示した保持器を組込んだ転がり軸受の一例の上半部断面図である。
符号の説明
10 転がり軸受
11 外輪
12 内輪
13 玉
14 保持器
15 ポケット
16 転動溝
17 凸部
18 弾性ポケット形成片

Claims (2)

  1. 外輪、内輪、前記外輪と前記内輪との間で周方向に転動自在に配設された複数の玉、および当該玉を保持するポケットが形成された保持器、を有する転がり軸受であって、
    前記保持器の外周側に位置する前記外輪の転動溝の幅よりも小さな幅を有し且つ、前記転動溝に対向するポケット外径側に形成された、前記玉に対する掛り代を大きくするための、凸部を前記保持器が有することを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記凸部が、前記ポケットを形成する前記保持器の弾性ポケット形成片の一部を形成するように、前記保持器の外周面上に突出配置されていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
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