JP2005178013A - 印刷版材料、印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、高感度であり、かつ、印刷性能、耐刷性、取扱い性に優れるCTP方式用の印刷版材料を提供することにある。
【解決手段】 基材上に親水性層と感熱画像形成層とを該基材側からこの順に有する印刷版材料において、該親水性層が光熱変換機能を有する金属酸化物粒子を40質量%〜90質量%含有し、かつ該感熱画像形成層が水溶性高分子化合物を10質量%〜50質量%含有することを特徴とする印刷版材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は印刷版材料に関し、特にコンピューター・トゥー・プレート(以下CTPと称す)方式に用いられる印刷版材料に関する。
現在、印刷の分野においては、印刷画像データのデジタル化に伴い、CTP方式による印刷が行われるようになってきているが、この印刷においては、安価で取り扱いが容易で従来の所謂PS版と同等の印刷適性を有したCTP方式用印刷版材料が求められている。
特に近年、特別な薬剤による現像処理が不要であるダイレクトイメージング(以下DIと称す)性能を有し、この機能を備えた印刷機に適用可能であり、またPS版と同等の使い勝手を有するものとして、汎用タイプのプロセスレスプレートが求められている。
サーマルプロセスレスプレートの画像形成に主として用いられるのは近赤外〜赤外線の波長を有する赤外線レーザー記録方式である。この方式で画像形成可能なサーマルプロセスレスプレートには、大きく分けて、アブレーションタイプと熱融着画像層機上現像タイプが存在する。
アブレーションタイプとしては、例えば、特開平8−507727号、同6−186750号、同6−199064号、同7−314934号、同10−58636号、同10−244773号に記載されているものが挙げられる。
これらは、例えば、基材上に親水性層と親油性層とをいずれかの層を表層として積層したものである。表層が親水性層であれば、画像様に露光し、親水性層をアブレートさせて画像様に除去して親油性層を露出することで画像部を形成することができる。ただし、アブレートした表層の飛散物による露光装置内部の汚染が問題となるため、露光装置には特別な吸引装置が必要となる場合があり、露光装置に対する汎用性は低い。
一方、アブレーションを生じることなく画像形成が可能であり、かつ特別な現像液による現像処理や拭き取り処理の不要な印刷版材料の開発も進められている。たとえば、特許2938397号や特許2938397号に開示されているような、感熱画像形成層に熱可塑性微粒子と水溶性高分子化合物の結合剤とを用いた、印刷機上で湿し水またはインクを用いて現像することが可能なCTP用印刷版材料が挙げられる。
一般的に、上記のような感熱画像形成層には、光熱変換素材(一般的には可視光にも着色している)を画像形成層に添加する必要があり、機上現像した際に湿し水またはインクに光熱変換素材が含有され、印刷機を汚染する懸念がある。
そこで、機上現像した際の印刷の汚染をなくす方法としては、親水性層として、光熱変換素材を含有した親水性層を形成したものを使用する方法も検討されている。この親水性層を用いることで、画像形成層からは実質的に光熱変換素材を除くことが可能となる。また、高感度化への対応も親水性層への光熱変換素材の含有量を増加させたり、画像形成層へ微量の光熱変換素材を含有させたりすることで行なうことができるため、印刷機汚染の懸念なしに高感度化を行なうことができる。
そして、これらのCTP用の印刷版材料の親水性層として、親水性層の機能を向上させる目的で、例えば印刷性能および画像保持機能を向上させるために、光熱変換素材以外に粒子径1.0μm以下の多孔質無機フィラーを含有した親水性層や(例えば特許文献1参照。)、複数種の凹凸形成無機フィラーを含有し、多孔質度の高い無機バインダを結合剤とした親水性層(例えば特許文献2参照。)が提案されており、これらの親水性層に光熱変換素材を含むことが知られている。
又、CTP用印刷版材料のプロセスレスプレートに領域においても、さらに感度が高く印刷性能が良好な印刷版材料が求められてる。
しかしながら、上記のような親水性層を用いても、感度、耐刷性を含めた印刷性能を両立させるには困難であった。
さらに、機上現像可能なCTP用印刷版材料では一般に印刷版材料の表面に対するスクラッチ等によるこすり跡が機上現像不能となって、印刷物上に汚れとして現れる場合があり、この改良が求められていた。
特開2000−225780号公報 特開2002−370465号公報
本発明の目的は、高感度であり、かつ、印刷性能、耐刷性、取扱い性に優れるCTP方式用の印刷版材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(請求項1)
基材上に親水性層と感熱画像形成層とを該基材側からこの順に有する印刷版材料において、該親水性層が光熱変換機能を有する金属酸化物粒子を40質量%〜90質量%含有し、かつ該感熱画像形成層が水溶性高分子化合物を10質量%〜50質量%含有することを特徴とする印刷版材料。
(請求項2)
前記光熱変換機能を有する金属酸化物粒子の平均粒子径が0.15μm〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
(請求項3)
前記光熱変換機能を有する金属酸化物粒子が酸化鉄(Fe3O4)粒子であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の印刷版材料。
(請求項4)
前記酸化鉄(Fe3O4)粒子が、実質的に球状であるか、または八面体形状であることを特徴とする請求項3に記載の印刷版材料。
(請求項5)
前記感熱画像形成層が、熱可塑性粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至4に記載の印刷版材料。
(請求項6)
請求項1乃至5に記載の印刷版材料をレーザー光により画像露光した後、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インキにより現像を行い、印刷することを特徴とする印刷方法。
本発明の構成により、感度が高く、平版印刷時の水−インクバランスが調製し易く、耐刷性に優れ、スクラッチ跡汚れ防止性に優れたCTP方式用の印刷版材料が提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷版材料は、基材上に順に親水性層と感熱画像形成層とを有する印刷版材料において、親水性層が光熱変換機能を有する金属酸化物粒子を40質量%〜90質量%含有し、かつ、感熱画像形成層が水溶性高分子化合物を10質量%〜50質量%含有することを特徴とする印刷版材料である。
本発明の印刷版材料は、近赤外線から赤外線レーザーによる露光で露光部の親水性層が発熱し、その熱によって感熱画像形成層が画像を形成する。画像形成は、露光部の感熱画像形成層が熱によって親水性層上から除去されやすくなる方向へと変化する、いわゆるポジ版であってもよいし、あるいは、露光部の感熱画像形成層が熱によって親水性層上から除去されにくくなる方向へと変化する、いわゆるネガ版であってもよい。
本発明の印刷版材料の好ましい態様としては、露光部の感熱画像形成層が熱によって親水性層上から除去されにくくなる方向へと変化する、ネガ版であり、かつ、未露光部の感熱画像形成層が印刷機上で水またはインクによって除去されて親水性層表面が露出する機上現像タイプの印刷版材料である。
(親水性層)
親水性層は、印刷時印刷インキを受容しない非画像部となりうる層である。
本発明の親水性層は、光熱変換機能を有する金属酸化物粒子を親水性層に対して、40質量%〜90質量%という割合で含有することが感度、耐刷性の点から必要である。
金属酸化物粒子を親水性層に対して45質量%〜80質量%含有するのが、特に好ましい態様である。
光熱変換機能を有するとは、波長700nm〜1500nmの範囲のいずれかの波長の光を吸収して画像を形成し得る熱を発生する機能を有することをいう。
金属酸化物粒子は、金属酸化物を含む粒子であり、親水性層中で粒子状で存在するものである。この金属酸化物粒子の大きさとしては、感度、印刷性能、耐刷性などの面から平均粒径が0.15μm〜1.0μmである場合が好ましく、さらに0.15〜0.5μmが好ましく、特に0.15〜0.3μmが好ましい。
平均粒子径とは、親水性中に粒子状に存在する粒子の平均粒径であり、所謂一次粒子径の平均ではない。平均粒子径とは粒子の平面への投影図において、長径と短径との平均(長径+短径)/2をいう。
光熱変換機能を有する金属酸化物粒子としては、可視域のほぼ全ての波長に吸収を有する黒色を呈する金属酸化物粒子が光熱変換効率の面で、好ましく使用できる。
具体的には、チタンブラック、黒色複合金属酸化物、黒色酸化鉄(Fe3O4)といった金属酸化物の粒子が挙げられる。
黒色複合金属酸化物としては、具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Baから選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−27393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。
本発明においては、光熱変換機能を有する金属酸化物粒子として酸化鉄(Fe3O4)粒子を用いることが特に好ましい。
酸化鉄(Fe3O4)粒子としては、針状比(長軸径/短軸径)が1〜1.5の範囲の粒子であることが好ましく、実質的に球状(針状比1)であるか、もしくは、八面体形状(針状比約1.4)を有していることが好ましい。
このような酸化鉄(Fe3O4)粒子としては、例えば、チタン工業社製のTAROXシリーズが挙げられる。球状粒子としては、BL−100(粒子径0.2〜0.6μm)、BL−500(粒子径0.3〜1.0μm)等を好ましく用いることができる。また、八面体形状粒子としては、ABL−203(粒子径0.4〜0.5μm)、ABL−204(粒子径0.3〜0.4μm)、ABL−205(粒子径0.2〜0.3μm)、ABL−207(粒子径0.2μm)等を好ましく用いることができる。
さらに、これらの粒子表面をSiO2等の無機物でコーティングした粒子も好ましく用いることができ、そのような粒子としては、SiO2でコーティングされた球状粒子:BL−200(粒子径0.2〜0.3μm)、八面体形状粒子:ABL−207A(粒子径0.2μm)が挙げられる。
これらの酸化鉄(Fe3O4)粒子は、水に容易に分散し、粉体のまま水中に投入して攪拌するだけでほぼ均一な分散液となる利点を有している。また、酸化鉄(Fe3O4)粒子を含有した親水性層は、塗布乾燥の過程で、酸化鉄(Fe3O4)粒子同士が連なるようにして高次の構造を形成し、数μm〜数十μmの波長の粗さを形成し、酸化鉄(Fe3O4)粒子自体が形成するサブミクロンの凹凸が重畳した多重粗さ構造の表面となる。これは、メカニズムは明確ではないが、粒子自体がわずかに磁性を有していることに起因するものであると考えられる。この多重粗さ構造の表面によって、印刷性能はアルミ砂目に匹敵するものとなり、また、画像保持機能も大きく向上する。
親水性層には、親水性層の保水性維持のために、層を粗面化、多孔質化、親水化するための素材として、下記のような素材を含有することが好ましい。(尚、以下にあげる素材のなかに、金属酸化物も含まれるが、この金属酸化物は、実質的に光熱変換機能を持たないものを指している)
(多孔質化材)
本発明の親水性層には、多孔質化材として、ネックレス状コロイダルシリカや多孔質金属酸化物粒子を含有することができる。ただし、本発明の親水性層は層の多孔質度が低くても画像保持性が良好であるため、これらの多孔質化材の含有量は親水性層の0〜30質量%であることが好ましく、0〜15質量%であることがより好ましい。
本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは1次粒子径がnmのオーダーである球状シリカの水分散系の総称である。本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは1次粒粒子径が10〜50nmの球状コロイダルシリカが50〜400nmの長さに結合した「パールネックレス状」のコロイダルシリカを意味する。パールネックレス状(即ち真珠ネックレス状)とは、コロイダルシリカのシリカ粒子が連なって結合した状態のイメージが真珠ネックレスの様な形状をしていることを意味している。ネックレス状コロイダルシリカを構成するシリカ粒子同士の結合は、シリカ粒子表面に存在する−SiOH基が脱水結合した−Si−O−Si−と推定される。ネックレス状のコロイダルシリカとしては、具体的には日産化学工業(株)製の「スノーテックス−PS」シリーズなどが挙げられる。
製品名としては「スノーテックス−PS−S(連結した状態の平均粒子径は110nm程度)」、「スノーテックス−PS−M(連結した状態の平均粒子径は120nm程度)」及び「スノーテックス−PS−L(連結した状態の平均粒子径は170nm程度)」があり、これらにそれぞれ対応する酸性の製品が「スノーテックス−PS−S−O」、「スノーテックス−PS−M−O」及び「スノーテックス−PS−L−O」である。
これらの中でも、アルカリ性である「スノーテックスPS−S」、「スノーテックスPS−M」、「スノーテックスPS−L」を用いると、親水性層の強度が向上し、また、印刷枚数が多い場合でも地汚れの発生が抑制され、特に好ましい。
また、その他の多孔質化材として、多孔質金属酸化物粒子を含有させることもできる。
多孔質金属酸化物粒子としては、後述する多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることができる。
(多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子)
多孔質シリカ粒子は一般に湿式法又は乾式法により製造される。湿式法ではケイ酸塩水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉砕するか、中和して析出した沈降物を粉砕することで得ることができる。乾式法では四塩化珪素を水素と酸素と共に燃焼し、シリカを析出することで得られる。これらの粒子は製造条件の調整により多孔性や粒子径を制御することが可能である。
多孔質シリカ粒子としては、湿式法のゲルから得られるものが特に好ましい。
多孔質アルミノシリケート粒子は例えば特開平10−71764号に記載されている方法により製造される。
即ち、アルミニウムアルコキシドと珪素アルコキシドを主成分として加水分解法により合成された非晶質な複合体粒子である。粒子中のアルミナとシリカの比率は1:4〜4:1の範囲で合成することが可能である。又、製造時にその他の金属のアルコキシドを添加して3成分以上の複合体粒子として製造したものも本発明に使用できる。これらの複合体粒子も製造条件の調整により多孔性や粒子径を制御することが可能である。
粒子の多孔性としては、分散前の状態で細孔容積で1.0ml/g以上であることが好ましく、1.2ml/g以上であることがより好ましく、1.8〜2.5ml/g以下であることが更に好ましい。
細孔容積は塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。
細孔容積が1.0ml/g未満の場合には、印刷時の汚れにくさ、水量ラチチュードの広さが不充分となる。
粒子径としては、親水性層に含有されている状態で(例えば分散時に破砕された場合も含めて)、実質的に1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。不必要に粗大な粒子が存在すると親水性層表面に多孔質で急峻な突起が形成され、突起周囲にインクが残りやすくなって非画線部汚れやブランケット汚れが劣化する場合がある。
(ゼオライト粒子)
ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。
上記の多孔質金属酸化物粒子の粒子径としては、親水性層に含有されている状態で、実質的に1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。
[粗大突起形成粒子]
本発明の親水性層には粗大突起形成粒子として、粒子径が1μm以上の無機もしくは無機素材で被覆された粒子を含有させることができる。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど、公知の金属酸化物粒子を用いることができる。
塗布液中での沈降を抑制するために、多孔質な金属酸化物粒子を用いることが好ましい。
上記の多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子やゼオライト粒子といった多孔質金属酸化物粒子は、粗大突起形成粒子としても好ましく使用できる。
無機素材で被覆された粒子としては、例えばPMMAやポリスチレンといった有機粒子の芯材を芯材粒子よりも粒子径の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒子径としては芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど、公知の金属酸化物粒子を用いることができる。
被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
また、有機粒子の芯材を金属メッキした粒子も用いることができる。このような粒子としては、例えば、樹脂粒子に金メッキを施した積水化学工業社製の「ミクロパールAU」等が挙げられる。
さらに、本発明の親水性層には粗大突起形成粒子として、粒子径が1μm以上の親水性有機粒子を含有させることができる。親水性有機粒子としては、例えば、アルギン酸Ca粒子やキトサン粒子を挙げることができる。キトサン粒子は顔料粒子Aの分散安定効果や親水性層塗布液の塗布性改善効果も有するため、特に好ましく使用できる。
これらの粗大突起形成粒子の粒子径は1〜10μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2μm〜6μmがさらに好ましい。
[金属酸化物微粒子]
金属酸化物微粒子としては、例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられる。該金属酸化物微粒子の形態としては、球状、針状、羽毛状、その他の何れの形態でも良い。平均粒子径としては、3〜100nmであることが好ましく、平均粒子径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。
これらの金属酸化物微粒子の親水性層に対する含有量は、5〜60質量%が好まししく、特に10〜60質量%が好ましい。
又、粒子表面に表面処理がなされていても良い。
上記金属酸化物微粒子はその造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
本発明には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点があり、良好な強度を得ることができる。
また、コロイダルシリカは粒子径が小さいほど結合力が強くなることが知られており、本発明には平均粒子径が20nm以下であるコロイダルシリカを用いることが好ましく、3〜15nmであることが更に好ましい。又、コロイダルシリカの中ではアルカリ性のものが地汚れ発生を抑制する効果が高いため、アルカリ性のコロイダルシリカを使用することが特に好ましい。
平均粒子径がこの範囲にあるアルカリ性のコロイダルシリカとしては日産化学社製の「スノーテックス−20(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−30(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−40(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−N(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−S(粒子径8〜11nm)」、「スノーテックス−XS(粒子径4〜6nm)」が挙げられる。
[層状鉱物粒子]
また、本発明の印刷版材料の親水性層は金属酸化物として、層状鉱物粒子を含んでもよい。この層状鉱物粒子としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。中でも、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、親水性も高いと考えられる。好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒子径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
又、上記の層状鉱物のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
平板状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒子径(粒子の最大長)が20μm以下であり、又平均アスペクト比(粒子の最大長/粒子の厚さ)が20以上の薄層状であることが好ましく、平均粒子径が5μm以下であり、平均アスペクト比が50以上であることが更に好ましく、平均粒子径が1μm以下であり、平均アスペクト比が50以上であることが更に好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。
また、粒子物を多く含有する塗布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果によって、粒子物の沈降を抑制することができる。
層状鉱物粒子の含有量としては、層全体の0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。特に膨潤性合成フッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも効果が見られるため好ましい。層状鉱物粒子は、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便な調液方法(メディア分散等の分散工程を必要としない)でも良好な分散度を得るために、層状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを作成した後、塗布液に添加することが好ましい。
[その他の素材]
本発明の親水性層にはその他の添加素材として、ケイ酸塩水溶液も使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金属ケイ酸塩が好ましく、そのSiO2/M2O比率はケイ酸塩を添加した際の塗布液全体のpHが13を超えない範囲となるように選択することが無機粒子の溶解を防止する上で好ましい。
また、金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載されているか、又は本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
また、親水性層には水溶性樹脂もしくは水分散性樹脂を含有してもよい。このような樹脂としては、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。
また、本発明の親水性層の塗布液には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、F系、アセチレングリコール系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
また、本発明の親水性層はリン酸塩を含むことができる。本発明では親水性層の塗布液がアルカリ性であることが好ましいため、リン酸塩としてはリン酸三ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムとして添加することが好ましい。リン酸塩を添加することで、印刷時の網の目開きを改善する効果が得られる。リン酸塩の添加量としては、水和物を除いた有効量として、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
親水性層の乾燥付き量としては、0.1〜20g/m2が好ましく、0.5〜15g/m2がより好ましくさらに、1〜10g/m2が特に好ましい。
(感熱画像形成層)
感熱画像形成層は加熱により、画像を形成し得る層であり、熱溶融性素材、熱融着性素材等の熱可塑性化合物あるいは加熱により親水性から疎水性へと変化する素材(疎水化前駆体)を含む。加熱の方法は活性光線の露光により発生する熱による方法であり、特にレーザー光の露光により発生する熱により画像形成するものが好ましい。
本発明の感熱画像形成層は熱可塑性化合物を熱可塑性粒子として、粒子の形態で含むのが好ましい。
即ち、熱溶融性素材あるいは熱融着性素材を熱溶融性粒子あるいは熱融着性粒子として粒子の状態で用いるのが好ましい。
又、本発明の感熱画像形成層の好ましい態様のひとつとして、感熱画像形成層が疎水化前駆体を含有する態様も好ましい態様である。
疎水化前駆体としては、熱によって親水性(水溶性または水膨潤性)から疎水性へと変化するポリマーを用いることができる。具体的には、例えば、特開2000−56449に開示されている、アリールジアゾスルホネート単位を含有するポリマーを挙げることができる。
上記熱溶融性粒子は、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材で形成された粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインク着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、パラフィン、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。これらは分子量800から10000程度のものである。又、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。
更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
これらの中でもポリエチレン、マイクロクリスタリン、脂肪酸エステル、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、印刷版材料の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
又、熱溶融性粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は機上現像性、解像度などの面より、0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
又、熱溶融性粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
本発明の感熱画像形成層は、熱溶融性粒子をマイクロカプセル化して含有するのが特に好ましい態様である。
層中の熱溶融性粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
本発明に用いられる熱融着性粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体粒子が挙げられ、高分子重合体微粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の重量平均分子量(Mw)は10、000〜1、000、000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
又、熱融着性粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は機上現像性、解像度などの面から0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
又、熱融着性粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
本発明の感熱画像形成層は、熱融着性粒子をマイクロカプセル化して含有するのが特に好ましい態様である。
マイクロカプセルとしては、例えば特開2002−2135号や特開2002−19317号に記載されている疎水性素材を内包するマイクロカプセルを挙げることができる。
マイクロカプセルは平均径で0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5μmであることがより好ましく、0.5〜3μmであることがさらに好ましい。
マイクロカプセルの壁の厚さは径の1/100〜1/5であることが好ましく、1/50〜1/10であることがより好ましい。
マイクロカプセルの含有量は感熱画像形成層全体の5〜100質量%であり、20〜95質量%であることが好ましく、40〜90質量%であることがさらに好ましい。
マイクロカプセルの壁材となる素材、およびマイクロカプセルの製造方法は公知の素材および方法を用いることができる。たとえば、「新版マイクロカプセルその製法・性質・応用」(近藤保、小石真純著/三共出版株式会社発行)に記載されているか、引用されている文献に記載されている公知の素材および方法を用いることができる。
層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
(水溶性高分子化合物)
本発明の感熱画像形成層は、感熱画像形成層に対して水溶性高分子化合物を、スクラッチによる汚れ防止、感度、耐刷性などの面より、10質量%〜50質量%含有する必要がある。感熱画像形成層に対して水溶性高分子化合物を20質量%から45質量%含有するするのが本発明の好ましい態様である。
即ち、感熱画像形成層に対して水溶性高分子化合物を20質量%から45質量%含有し、金属酸化物粒子を親水性層に対して45質量%〜80質量%含有するのが、特に好ましい態様である。
本発明の水溶性高分子化合物とは、25℃の水に対する溶解度が1質量%以上のものであり、例えば、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
これらのなかでは、多糖類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミドが好ましい。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルラン、キトサン、またはこれらの誘導体などが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミドとしては、分子量3000〜100万であることが好ましく、5000〜50万であることがより好ましい。
これらの中では、ポリアクリル酸Naといったポリアクリル酸塩が最も好ましい。ポリアクリル酸塩は親水性層の親水化処理剤としての効果が高く、感熱画像形成層が機上現像されて現れる親水性層の表面の親水性を向上させることができる。
また、感熱画像形成層には、水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
[感熱画像形成層に含有可能なその他の素材]
本発明に用いられる感熱画像形成層にはさらに以下のような素材を含有させることができる。
また、感熱画像形成層には赤外線吸収色素を含有させることができる。赤外線吸収色素の含有量としては、色素の可視光での着色の程度によって、機上現像時の印刷機汚染との兼ね合いを考慮する必要があるが、一般的に印刷版材料の単位面積あたりとして、0.001g/m2以上、0.2g/m2未満であることが好ましく、0.05g/m2未満であることがより好ましい。また、可視光での着色が少ない色素を用いることが好ましいことは言うまでもない。
赤外線吸収色素としては、一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、特開平11−240270号、特開平11−265062号、特開2000−309174号、特開2002−49147号、特開2001−162965号、特開2002−144750号、特開2001−219667号に記載の化合物も好ましく用いることができる。
さらに、pH調整のための酸(リン酸、酢酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、リン酸塩等)を含有していても良い。
感熱画像形成層の付き量としては、0.01〜5g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
(保護層)
感熱画像形成層の上に保護層を設けることもできる。
保護層に用いる素材としては、上述の水溶性樹脂、水分散性樹脂を好ましく用いることができる。
また、特開2002−19318号や特開2002−86948号に記載されている親水性オーバーコート層も好ましく用いることができる。
保護層の付き量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
(露光)
本発明においては、印刷版材料をレーザー光を用いて画像を形成するのが好ましい。その中でも、特にサーマルレーザーによる露光によって画像形成を行うことが好ましい。
例えば赤外及び/または近赤外領域で発光する、即ち700〜1500nmの波長範囲で発光するレーザーを使用した走査露光が好ましい。レーザーとしてはガスレーザーを用いてもよいが、近赤外領域で発光する半導体レーザーを使用することが特に好ましい。
本発明の走査露光に好適な装置としては、該半導体レーザーを用いてコンピュータからの画像信号に応じて印刷版材料表面に画像を形成可能な装置であればどのような方式の装置であってもよい。
一般的には、(1)平板状保持機構に保持された印刷版材料に一本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って印刷版材料全面を露光する方式、(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された印刷版材料に、円筒内部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式、(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された印刷版材料に、円筒外部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式が挙げられる。
本発明に関しては特に(3)の走査露光方式が好ましく、特に印刷装置上で露光を行う装置においては、(3)の露光方式が用いられる。
(印刷)
本発明の印刷方法は、湿し水及び印刷インクを用いる一般的な平版印刷方法が適用できる。
本発明の印刷方法としては、特に湿し水としてイソプロノールを含有しない(含有しないとは水に対して0.5質量%以下の含有率である)湿し水を使用する場合が好ましい態様である。
上記のようにして画像形成がなされた印刷版材料は、現像処理工程を経ることなく印刷を行うことができる。
即ち、本発明の印刷版材料をレーザー光により画像露光をした後、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インキにより現像を行い、印刷することが好ましい態様である。
画像形成後の印刷版材料をそのまま印刷機の版胴に取り付けるか、あるいは印刷版材料を印刷機の版胴に取り付けた後に画像形成を行い、版胴を回転させながら水供給ローラー及びまたはインク供給ローラーを印刷版材料に接触させることで画像形成層の非画像部を除去することが可能である。
上記の非画像部の除去、いわゆる機上現像方法を下記に示す。
印刷機上での画像形成層の非画像部(未露光部)の除去は、版胴を回転させながら水付けローラーやインクローラーを接触させて行うことができるが、下記に挙げる例のような、もしくは、それ以外の種々のシークエンスによって行うことができる。また、その際には、印刷時に必要な湿し水水量に対して、水量を増加させたり、減少させたりといった水量調整を行ってもよく、水量調整を多段階に分けて、もしくは、無段階に変化させて行ってもよい。
(1)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(2) 印刷開始のシークエンスとして、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(3) 印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーとインクローラーとを実質的に同時に接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
実施例1
(基材1の作製)
厚さ175μmの二軸延伸ポリエステルフィルムフィルムの両面に、8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、次いで、一方の面に下記下引き塗布液aを乾燥膜厚0.8μmになるように塗設後にコロナ放電処理(8W/m2・分)を行ないながら下引き塗布液bを乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、各々180℃、4分間乾燥させた(下引き面A)。また反対側の面に下記下引き塗布液cを乾燥膜厚0.8μmになるように塗設後にコロナ放電処理(8W/m2・分)を行ないながら下引き塗布液dを乾燥膜厚1.0μmになるように塗布し、しそれぞれ180℃、4分間乾燥させた(下引き面B)。塗布後の25℃、相対湿度25%での表面電気抵抗は108Ωであった。このようにして、両面に下引き層を形成した基材1を得た。
《下引き塗布液a》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/39/1(モル比)の3元系共重合ラテックス(Tg=75℃) 6.3部
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40(モル比)の3元系共重合ラテックス 1.6部
アニオン系界面活性剤S−1 0.1部
水 92.0部
《下引き塗布液b》
ゼラチン 1部
アニオン系界面活性剤S−1 0.05部
硬膜剤H−1 0.02部
マット剤(シリカ、平均粒子径3.5μm) 0.02部
防黴剤F−1 0.01部
水 98.9部
Figure 2005178013
《下引き塗布液c》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40(モル比)の3元系共重合ラテックス 0.4部
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート=39/40/20/1(モル比)の4元系共重合ラテックス
7.6部
アニオン系界面活性剤S−1 0.1部
水 91.9部
《下引き塗布液d》;
成分d−1/成分d−2/成分d−3=66/31/1の導電性組成物6.4部
硬膜剤H−2 0.7部
アニオン系界面活性剤S−1 0.07部
マット剤(シリカ、平均粒子径3.5μm) 0.03部
水 92.8部
成分d−1;
スチレンスルホン酸ナトリウム/マレイン酸=50/50(モル比)の共重合体からなるアニオン性高分子化合物
成分d−2;
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=40/40/20(モル比)からなる3成分系共重合ラテックス
成分d−3;
スチレン/イソプレンスルホン酸ナトリウム=80/20(モル比)からなる高分子活性剤
Figure 2005178013
(基材2の作製)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、25℃の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いでこのアルミニウム板を、塩酸10g/L、アルミを0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が50A/dm2の条件で電解粗面化処理を行った。
この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は10回に分割して行い、一回の処理電気量(陽極時)を60C/dm2とし、合計で600C/dm2の処理電気量(陽極時)とした。また、各回の粗面化処理の間に4秒間の休止時間を設けた。
電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマット含めた溶解量が2g/m2になるようにエッチングし、水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いで、20%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で電気量が150C/dm2となるように陽極酸化処理を行い、さらに水洗した。
次いで、水洗後の表面水をスクイーズした後、70℃に保たれた0.5質量%のリン酸水素2Na水溶液に30秒間浸漬し、水洗を行った後に80℃で5分間乾燥し、基材2を得た。基材2の表面粗さはRaで0.7μmであった。
[表面粗さの測定方法]
試料表面に白金ロジウムを1.5nmの厚さで蒸着した後、WYKO社製の非接触三次元粗さ測定装置:RSTplusを用いて、20倍の条件(222.4μm×299.4μmの測定範囲)で測定し、傾き補正およびMedianSmoothingのフィルターをかけて測定データを処理してRa値を求めた。測定は一試料について測定箇所を変えて5回行ない、その平均を求めてRa値とした。
実施例1
(親水性層塗布液の作製)
下記表1の各組成の素材をホモジナイザで3000rpm、5分間の条件で混合攪拌し、ろ過して、固形分25質量%の親水性層1〜6の塗布液を作製した。
親水性層塗布液組成(表中の単位指定のない数字は質量部を表す)
Figure 2005178013
(感熱画像形成層塗布液の作製)
下記表2の各組成の素材を十分に混合攪拌し、ろ過して、固形分10質量%の感熱画像形成層1〜6の塗布液を作製した。
感熱画像形成層塗布液組成(表中の単位指定のない数字は質量部を表す)
Figure 2005178013
(印刷版材料の作製)
基材として基材1を用い、基材上に親水性層と感熱画像形成層とを塗布して表3に示した印刷版材料1〜19を作製した。
印刷版材料の作製に用いた親水性層塗布液と感熱画像形成層塗布液の組み合わせ及び各層の乾燥付き量を表3に示した。
印刷版材料の作製において、親水性層は基材上に親水性層塗布液をワイヤーバーを用いて所定の乾燥付き量となるように塗布し、120℃で2分間乾燥して形成した。
次いで、感熱画像形成層は、親水性層上に感熱画像形成層塗布液をワイヤーバーを用いて所定の乾燥付き量となるように塗布し、55℃で3分間乾燥して形成した。
感熱画像形成層を形成した後、55℃で24時間エイジングを行って、各印刷版材料を得た。
(赤外線レーザー方式による画像形成)
印刷版材料を露光ドラムに巻付け固定した。露光には波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、露光エネルギーを80mJ/cm2から20mJ/cm2刻みで240mJ/cm2まで変化させたた条件で、2400dpi(dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)、175線で画像を形成した。露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像と2400dpi(dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)のラインアンドスペース細線画像とを含むものである。
(印刷方法)
印刷機:三菱重工業社製DAIYA1F−1を用いて、コート紙、湿し水:アストロマーク3(日研化学研究所製)2質量%、インク(東洋インク社製トーヨーキングハイユニティM紅)を使用して印刷を行なった。
露光後の印刷版材料をそのまま版胴に取り付け、PS版と同様の印刷条件および刷り出しシークエンスを用いて印刷を行なった。湿し水供給量を示すデジタル値の値は40であった。
(印刷評価)
[感度評価]
刷り出しから1000枚目の印刷物を用いて評価を行なった。1%の網点画像が欠けることなく再現されている最低露光エネルギーを感度の指標とした。また、240mJ/cm2の露光エネルギーにおいても画像が再現されていなかった場合には画像形成不良とした。結果を表3に示した。露光エネルギーが低い方が高感度である。
[スクラッチ跡汚れ評価1]
露光後の印刷版材料の非画像部領域にHEIDON社製スクラッチ試験機用いてスクラッチ跡をつけた。触針としては、0.3mmφのサファイア触針を用い、50gから25g刻みで荷重を変化させて300gまでのスクラッチ跡をつけた。スクラッチ跡をつけた印刷版材料を用いて印刷を行ない、刷り出しから50枚目の印刷物を用いてスクラッチ跡汚れを評価した。印刷物上でスクラッチ跡が汚れとして確認できない最大荷重をスクラッチ跡汚れの指標とした。結果を表3に示した。荷重が大きい方が良好である。
[スクラッチ跡汚れ評価2]
露光後の印刷版材料の非画像部領域に爪でスクラッチ跡をつけた。スクラッチ跡をつけた印刷版材料を用いて印刷を行ない、刷り出しから50枚目の印刷物を用いてスクラッチ跡汚れを評価した。印刷物での汚れの程度を目視で評価し、汚れがほとんど確認できないものを○、わずかに汚れが確認できるものを△、はっきりと汚れが確認できるものを×とした。結果を表3に示した。
[水インクバランス評価]
刷り出しから1000枚印刷後に、湿し水供給量を絞って(デジタル値で16とした)版全面にインクが付く状態とした後、連続して印刷しながら湿し水供給量のデジタル値を2上げて50枚印刷し、50枚目の印刷物をサンプリングするという作業を湿し水供給量のデジタル値が50になるまで繰り返した。
サンプリングした印刷物を評価し、その印刷版材料の感度に相当する露光エネルギーで形成した95%網点画像の網が開く最低湿し水供給量のデジタル値を水インクバランスの指標とした。画像形成不良となった印刷版材料については評価を行なわなかった。結果を表3に示した。数値が小さいほうが印刷性能が良好である。
表3から、本発明の印刷版材料は、高感度でスクラッチ汚れ防止性が高く、また、水インクバランスの調製が容易であり印刷性能が良好であることが分かる。
Figure 2005178013
実施例2
印刷版材料の作製
基材として基材2を用い、基材上に親水性層と感熱画像形成層とを塗布して表4に示した印刷版材料20〜24を作製した。印刷版材料作製に用いた親水性層塗布液と感熱画像形成層塗布液の組み合わせ、および、各層の乾燥付き量を表4に示した。
印刷版材料の作製は実施例1と同様にして行なった。
(赤外線レーザー方式による画像形成)
印刷版材料を露光ドラムに巻付け固定した。露光には波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、2400dpi(dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)、175線で画像を形成した。露光エネルギーは実施例1の結果から判断して、印刷版材料17と18では300mJ/cm2、その他の印刷版材料では150mJ/m2とした。露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像と2400dpi(dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)のラインアンドスペース細線画像とを含むものである。
(印刷方法)
印刷用紙を上質紙(しらおい)にした以外は実施例1と同様にして、20000枚まで印刷を行なった。
(印刷評価)
[スクラッチ跡汚れ評価]
露光後の印刷版材料の非画像部領域に爪でスクラッチ跡をつけた。スクラッチ跡をつけた印刷版材料を用いて印刷を行ない、刷り出しから50枚目の印刷物を用いてスクラッチ跡汚れを評価した。印刷物での汚れの程度を目視で評価し、汚れがほとんど確認できないものを○、わずかに汚れが確認できるものを△、はっきりと汚れが確認できるものを×とした。結果を表4に示した。
[耐刷性評価]
印刷1000枚ごとに印刷物をサンプリングし、2%網点画像の欠けの程度とベタ画像のカスレの程度とを目視で評価した。2%網点画像に欠けが生じ始めるか、ベタ画像にカスレが生じ始めた印刷枚数を耐刷性の指標とした。結果を表4に示した。
表4から、本発明の印刷版材料は、高感度でスクラッチ汚れ耐性が良好であり、さらに耐刷性も良好であることがわかる。
Figure 2005178013

Claims (6)

  1. 基材上に親水性層と感熱画像形成層とを該基材側からこの順に有する印刷版材料において、該親水性層が光熱変換機能を有する金属酸化物粒子を40質量%〜90質量%含有し、かつ該感熱画像形成層が水溶性高分子化合物を10質量%〜50質量%含有することを特徴とする印刷版材料。
  2. 前記光熱変換機能を有する金属酸化物粒子の平均粒子径が0.15μm〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
  3. 前記光熱変換機能を有する金属酸化物粒子が酸化鉄(Fe3O4)粒子であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の印刷版材料。
  4. 前記酸化鉄(Fe3O4)粒子が、実質的に球状であるか、または八面体形状であることを特徴とする請求項3に記載の印刷版材料。
  5. 前記感熱画像形成層が、熱可塑性粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至4に記載の印刷版材料。
  6. 請求項1乃至5に記載の印刷版材料をレーザー光により画像露光した後、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インキにより現像を行い、印刷することを特徴とする印刷方法。
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