JP2005192516A - 粉末生餡 - Google Patents

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隆史 増田
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純哉 本多
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Abstract

【課題】 流動性が改善され、取り扱いやすく、粉末生餡から製造された練り餡の口溶けが改善された粉末生餡を提供すること。
【解決手段】 小豆を主原料とする生餡を乾燥して得られる粉末生餡であって、粒子径75μm以下の粒子を65重量%以上含有し、且つ安息角が35度以下であることを特徴とする粉末生餡を提供する。
【選択図】無し

Description

本発明は小豆を主原料とする生餡を乾燥させて得られる粉末生餡に関する。
一般に、餡は生餡と練り餡に分けられる。生餡は、原料煮豆を磨砕した後、皮を取り除き、沈降分離した餡粒子(餡汁)の水分を調節して製造したものであり、練り餡は生餡に砂糖を加え、加熱しながら練ったものをいう。
また、餡は種々の豆から製造されるが、小豆から製造される餡は他の豆から製造される餡よりも味や香りの面で優れており、最も一般的に使用される餡である。しかしながら、その生餡は、水分含量が62%前後であるため、菌類による汚染などのため、保存性は非常に悪く、生餡から練り餡を製造する場合には、生餡製造後直ちに練り餡を製造しなければならず、大量に製造する場合などは、冷蔵あるいは冷凍保存しなければならないなどの制約があり、取り扱いにくいものであった。
そこで以前から保存性を高め、短時間に簡単に生餡や練り餡を製造することを目的として、生餡を乾燥して粉末化した粉末餡が作られてきた。粉末餡は、生餡の水分を10%程度以下にまで脱水・乾燥させたものであり、長期保存に耐えられるものである。生餡の乾燥方法としては、気流乾燥、流動層乾燥、通風乾燥、平鍋式乾燥、噴霧乾燥等が知られているが、これらの乾燥方法では、乾燥時の熱、乾燥後の解砕工程における餡粒子の損傷、餡粒子同士の固着等が発生し問題となっていた。
そこで、これらの問題を解決するため、生餡を攪拌および減圧下で乾燥することを特徴とする乾燥餡の製造方法が提案された(特許文献1を参照)。この文献の方法によると、従来の乾燥餡に比べ、水戻し後の生餡や練り餡の食味、風味、色が、乾燥を行なっていない本来の生餡に極めて近いものを得ることができると開示されている。
一方、粉末生餡を形成する餡粒子は粒子径が比較的小さい粉体であるため流動性が悪い上、前記したように乾燥時の熱、乾燥後の解砕工程において餡粒子の表面が損傷を受けることにより、より一層流動性が悪化するだけでなく、乾燥に際しての攪拌条件によっても粒子表面が損傷を受ける可能性があった。
上記のように従来の粉末生餡は、餡粒子の粒子径が比較的小さい粉体である点や前述したように粒子表面に損傷が多いために流動性が悪く、取り扱いにくいものであった。またこのような流動性の悪い粉末生餡から製造された練り餡は口溶けが悪く、官能面でも改善の余地があった。
従って、流動性が改善され取り扱いやすく、口溶けの良い練り餡を製造可能な粉末生餡の開発が望まれていた。
特開2001−352907号公報
本発明の目的は、流動性が改善され、取り扱いやすく、粉末生餡から製造された練り餡の口溶けが改善された粉末生餡を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究の結果、特定の粒子径以下の粒子を含有し、特定の安息角以下を有する粉末生餡が流動性に優れ、これを用いることにより口溶けの良い練り餡を製造可能であることを見出した。さらに本発明者らは生餡の乾燥時における攪拌条件を検討した結果、特定の水分含量の時点で攪拌を開始することにより、粒子の表面が傷つきにくく、粒子同士の固着が防止されるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、小豆を主原料とする生餡を乾燥して得られる粉末生餡であって、粒子径75μm以下の粒子を65重量%以上含有し、且つ安息角が35度以下であることを特徴とする粉末生餡を提供する。
一般的に同一成分の粉末であれば、粒子径が小さい粒子の割合が多くなるほど流動性は悪化するが、本発明の粉末生餡は従来の粉末生餡に比べ、粒子径の小さい粒子の割合が多いにも関わらず、流動性が優れたものである。また、餡粒子の表面が平滑であるため練り餡を製造した際の口溶けが改善される。
本発明の粉末生餡に使用する小豆としては、様々な品種のものが使用可能であり、エリモショウズ、きたのおとめ、しゅまり等の入手しやすいものを使用すればよい。小豆は使用前に粗選別機、石取機、比重選別機、粒選別機、研磨機、風力選別機、色彩選別機等の各種選別機を用いて選別を行ってもよい。また小豆は1品種のみを使用してもよいし、複数の品種を組み合わせて使用してもよい。さらに、ササゲ、赤竹小豆、隠元豆、エンドウ豆等の豆類を副原料として混合してもよい。これら豆類を使用する場合の混合割合は、上記課題を解決するための手段に記載の条件を満たしていれば、特に限定されない。
本発明において、生餡を製造するまでの製造工程は、一般的な方法で製造すればよい。すなわち、小豆を水洗し、水に浸漬した後、煮熟(前炊き)し、渋切りを行い、再び煮熟(本炊き)し、水に晒すという各工程を常法に従って行えばよい。水に晒した後、沈降分離した餡汁を搾り袋に入れ、圧搾機で搾って得られる生餡を乾燥する。
本発明における生餡の乾燥方法としては、減圧乾燥、通風乾燥等の従来から知られた乾燥方法であればどのような方法を用いてもよい。ただし、以下に述べる条件下で攪拌を開始した後は、餡粒子の破壊、風味の消失等が少ない点から、減圧乾燥が好ましく採用される。乾燥時の温度は餡粒子の表面状態に多大な影響を及ぼすため、いずれの乾燥方法でも温度を上げすぎないことが重要であり、好ましくは生餡の品温を70℃以下、より好ましくは60℃以下に維持して時間を掛けて乾燥すればよい。乾燥時間は装置の規模により異なるが、1〜20時間程度が目安となる。
乾燥は、水分含量が15重量%以下、好ましくは5〜10重量%となるまで行なう。
5重量%未満となるまで乾燥を続けた場合、餡粒子は固く破壊されにくいが、過剰な乾燥により餡の風味が消失しやすい。また、生餡の水分含量が15重量%を超える段階で乾燥を終了すると餡粒子が固着し流動性が悪化する。
生餡の乾燥に際しては、水分含量が20〜40重量%となるまでは攪拌を行なわない。水分含量が20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%となった時点で、乾燥中の生餡の撹拌を開始し、水分含量が15重量%以下、好ましくは5〜10重量%となるまで攪拌を継続する。
このように、攪拌は、水分含量20〜40重量%から開始して、水分含量が少なくとも15重量%以下となるまで行ない、好ましくは水分含量が5〜10重量%となるまで行なう。所定の水分量となった時点で攪拌を停止して、乾燥を継続してもよい。
生餡の水分含量が40重量%を超えている段階で撹拌を開始した場合、餡粒子が軟らかいため、撹拌により破壊されやすい。また、粒子の表面に傷がつきやすい。また、生餡の水分含量が20重量%未満となった段階で撹拌を開始した場合、既に餡粒子が固着しており撹拌しても流動性の良い粉末生餡を得ることができない。
生餡の乾燥中、上記の水分含量の範囲内であれば常に撹拌し続けても構わないが、撹拌速度によっては餡粒子を破壊してしまうことがあるため、使用する装置に応じて餡粒子を破壊しない程度の緩やかな撹拌速度になるように撹拌速度を調節することが大切である。特に攪拌開始直後は餡粒子が破壊されやすいので低速で撹拌する必要がある。撹拌することにより、餡粒子同士の固着が防止されるとともに餡粒子表面が平滑になり流動性が改善される。
本発明の方法において、攪拌開始前、すなわち水分含量が20〜40重量%となるまでの乾燥と、攪拌しながらの乾燥は同一の攪拌手段を備えた装置内で行っても、別個の装置で行なってもよい。
本発明の粉末生餡は、粒子径75μm以下の粒子を65重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは75重量%以上含有し、安息角が35度以下、好ましくは33度以下、より好ましくは32度以下である。かかる粉末生餡は上記方法により得ることができる。また必要であれば、前記条件の範囲内でさらに分級することも可能である。ただし、粉末生餡を粉砕機等で粉砕して粒度分布を調整してはならない。粉末生餡を粉砕すると粉砕時の衝撃により餡粒子が破壊され、流動性が悪化する上、内部の澱粉が露出してしまうため、練り餡にした際に粘りの強い餡になったり、口溶けの好ましいものが得られない。
本発明の粉末生餡は好適には、圧縮度が12.5%以下、好ましくは10.0%以下、より好ましくは6.5%以下である。かかる圧縮度を有する粉末生餡は、流動性の面でより好ましく、練り餡を製造した際の口溶けがより優れたものとなる。
粒子径、安息角および圧縮度は以下の方法で測定されたものとする。
[粒子径]
JIS篩を使用し乾式粒度測定法にて測定する。
[安息角]
温度25℃、湿度70%の環境下で、パウダテスタ(ホソカワミクロン(株)製)を用いて、テスタ付属の取扱い説明書に記載の方法で測定する。
[圧縮度]
温度25℃、湿度70%の環境下で、パウダテスタ(ホソカワミクロン(株)製)を用いて、テスタ付属の取扱い説明書に記載の方法で固め見掛け比重およびゆるみ見掛け比重を測定し、下記、計算式にて算出する。
(固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重×100
本発明の粉末生餡には、上記条件を満たす範囲内で副原料としてササゲ、赤竹小豆、隠元豆、エンドウ豆等の豆類を使用した粉末生餡を混合することができる。餡粒子の粒子径が極端に異なる場合には、JIS篩等を用いて分級した後、添加するのが好ましい。
上記のようにして得られた本発明の粉末生餡から練り餡を製造する場合、特別の操作は必要なく、水および糖類を添加して、加熱しながら練ることにより、口溶けの良い練り餡を得ることができる。また練り餡製造時に添加する水および糖類の量は、練り餡の利用目的に応じて適宜調整すればよい。添加する糖類としては、特に限定されず、砂糖、水あめ、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、イソマルチュロース、還元イソマルチュロース、トレハロース等の従来から食品分野で利用されている糖類が利用できる。
本発明の粉末生餡は、アイスクリーム、クリーム、プリン、クッキー、シリアル、スポンジケーキなどの菓子に配合して餡風味の菓子を提供することができる。
以下、実施例、比較例を掲げて更に本発明の内容を説明する。
(生餡の攪拌を水分含量約35重量%から開始して乾燥させた例)
水洗し、汚れや異物を取り除いた原料小豆30kgに150kgの水を加え、100℃に達してから10分間煮熟し、渋水を捨て(渋切り)、渋切り後の豆の表面に付着した渋を洗浄した。渋切り豆に150kgの水を加え、100℃に達してから60分間煮熟し(本炊き)、煮熟後、加熱を止め、15分間蒸らした。次に、煮汁を捨て、150kgの水を加えた。水を加えながら豆を磨砕し、篩により皮を取り除いた後、沈降槽にて餡粒子を沈降させ、上澄み液と分離した。沈降分離した餡粒子(餡汁)を搾り袋に入れ、圧搾機で搾ることにより水分約62重量%の生餡を得た。
得られた生餡を棚式通風乾燥機(サイレントオーブンS−100型、旭科学株式会社製)を用いて、仕込量48kg、送風温度60℃の条件にて、水分約35重量%まで乾燥を行なった。
水分約35重量%の生餡を50L容SVミキサー(神鋼パンテツク株式会社製)を用いて、ジャケット温度60℃、自転軸の攪拌速度90rpm、公転軸の攪拌速度2.5rpmの条件で水分含量約8重量%となるまで撹拌しながら減圧乾燥させて本発明の粉末生餡を得た。
本発明の粉末生餡の粒度分布、安息角および圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
市販の粉末生餡Aの粒度分布、安息角および圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
市販の粉末生餡Bの粒度分布、安息角および圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
比較例3
市販の粉末生餡Cの粒度分布、安息角および圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
比較例4
市販の粉末生餡Dの粒度分布、安息角および圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
比較例5
市販の粉末生餡Eの粒度分布、安息角および圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
比較例6
市販の粉末生餡Fの粒度分布、安息角および圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005192516
実施例1および比較例1〜6の粉末生餡150gに、糖度と硬さが揃うように砂糖と水の量を調整して添加し、加熱しながら練ることにより練り餡を製造した。得られた練り餡を用いて10名のパネラーにより官能検査を行った。なお糖度(Brix)は55とした。
評価は、乾燥工程前まで実施例1と同様の方法で製造した生餡に砂糖と水を添加して製造した練り餡を対照として用い、口溶けについて、「同等」を5点、「僅かに劣る」を4点、「劣る」を3点、「明かに劣る」を2点、「極めて劣る」を1点として評価し、その平均を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2005192516
比較例7
(生餡を攪拌し続けて乾燥させた例)
乾燥工程前まで実施例1と同様の方法で製造した水分約62重量%の生餡を50L容横型真空リボン式乾燥機(アドヴァンストサービス株式会社製)を用いて、仕込量12kg、ジャケット温度45℃、攪拌速度20rpmの条件で水分含量約8重量%となるまで攪拌しながら減圧乾燥させ、粉末生餡を得た。得られた粉末生餡の安息角および圧縮度を上記方法により測定したところ、実施例1で得られた粉末生餡に比べ、流動性に劣るものであった。結果を表3に示す。
Figure 2005192516

Claims (4)

  1. 小豆を主原料とする生餡を乾燥して得られる粉末生餡であって、粒子径75μm以下の粒子を65重量%以上含有し、且つ安息角が35度以下であることを特徴とする粉末生餡。
  2. 粒子径75μm以下の粒子を70重量%以上含有する請求項1記載の粉末生餡。
  3. 安息角が33度以下である請求項1記載の粉末生餡。
  4. 圧縮度が12.5%以下である請求項1記載の粉末生餡。
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