JP2005200412A - 新規2−エチニルカルバペネム誘導体 - Google Patents

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Takahisa Maruyama
貴久 丸山
Kazuhiro Aihara
一弘 粟飯原
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Abstract

【目的】
今日臨床上で大きな問題となっている、PRSPを含む肺炎球菌、BLNARを含むインフルエンザ菌及びβ−ラクタマーゼ産生菌を含むこれら感染症起因菌に対して有効な薬剤の提供と、安全性の高い、工業的に利用可能な製造方法によるカルバペネム環の2位へのエチニル基の導入法の提供。
【解決手段】
下記一般式(I)で表される新規なカルバペネム誘導体が、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し、幅広く強力な抗菌活性を有しており、かつ、PRSP、インフルエンザ菌及びβ−ラクタマーゼ産生菌に対し強い抗菌力を示すこと、および、塩基、パラジウム触媒および銅塩を用いた下記一般式(I)の製造方法を見出した。
【化1】
Figure 2005200412

【選択図】なし

Description

本発明は、優れた抗菌力と広範囲スペクトルを有するカルバペネム化合物に関する。さらに詳しくは、カルバペネム環上の2位に、エチニル基を介し、水素原子、シリル系の保護基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基を有する新規なカルバペネム誘導体、ならびにその製法に関する。
カルバペネム誘導体は、強い抗菌力と広範囲にわたり優れた抗菌スペクトルを示すことから、有用性の高いβ−ラクタム剤として研究が盛んに行われており、既にイミペネム、パニペネム、メロペネム、ビアペネム及びエルタペネムが臨床の場で用いられている。
さらに、カルバペネム環の2位に様々な結合様式を用いた化合物群が研究されており(非特許文献1)、特に、パニペネム、メロペネム、ビアペネム及びエルタペネムに代表されるようにカルバペネム環の2位に硫黄原子を介し、複素環を有する化合物群の研究が中心的になされている。
一方、カルバペネム環の2位からエテニル基を介しヘテロアリール基が結合する誘導体の研究はわずかに行われているのみで、ごく限られたヘテロアリール基が開示されているが(特許文献1、2)いずれも抗菌力等の具体的な開示はない。
また、カルバペネム環の2位にエチニル基を導入する手法に関しては、いくつか研究例(特許文献2、非特許文献2)があるが、有機スズ化合物を用いるカップリングによる手法での報告のみである。この方法は、アセチレン末端部位へのトリアルキルスズ基の導入を行う必要があり、有機スズ化合物は、毒性及び環境に対する問題が残る。
特開平5−125041号公報 特許3019407号公報 Expert Opinion on Therapeutic Patents, (英), 2001年, 11(8), p1267-1276 The Journal of Antibiotics, 1998年, 51(2), p210-220
現在上市されているカルバペネム系薬剤は、今日臨床上で大きな問題となっているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下MRSAと略す)、バンコマイシン耐性腸球菌(以下VREと略す)、ペニシリン耐性肺炎球菌(以下PRSPと略す)、β−ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(以下BLNARと略す) 、β−ラクタマーゼ産生菌、及び耐性緑膿菌に対しては、必ずしも十分な抗菌力を示さず、これら感染症起因菌に対して有効な薬剤が求められている。
またエチニル基のカルバペネム環2位への導入法では、有機スズ化合物を用いるカップリング法のみの報告しかなく、有毒で環境に悪影響を及ぼす有機スズ化合物を用いない安全性の高い、工業スケールでも有用な合成法が求められている。
本発明では、それらの問題のうち、PRSPを含む肺炎球菌、BLNARを含むインフルエンザ菌及びβ−ラクタマーゼ産生菌に対しても強い抗菌力を有するカルバペネム誘導体を提供することおよび、有毒な有機スズ化合物を用いない安全性の高い、工業スケールでも有用な手法によるカルバペネム環の2位へのエチニル基の導入法を提供することを課題としている。
本発明者らは、次一般式(I)で表される新規なカルバペネム誘導体が、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し、幅広く強力な抗菌活性を有しており、かつ、PRSP、インフルエンザ菌及びβ−ラクタマーゼ産生菌に対し強い抗菌力を示すこと、および、有機スズ化合物を用いる手法に変わる手法として、塩基、パラジウム触媒および銅塩を用いた反応(薗頭反応)によりカルバペネム環の2位にエチニル基を導入が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)一般式(I)の化合物、または、その薬学上許容される塩、
Figure 2005200412
[上記式中、
はメチル基
水素原子
を示し、
は、
水素原子、
シリル系の保護基
ピリジン
置換されたピリジン
チアゾール
置換されたチアゾール
ピリミジン
置換されたピリミジン
イミダゾチアゾール
置換されたイミダゾチアゾール
チアジアゾール
置換されたチアジアゾール
イミダゾール
置換されたイミダゾール
ピラジン
置換されたピラジン
ピラゾール
置換されたピラゾール
トリアゾール
置換されたトリアゾール
トリアジン
置換されたトリアジン
を示し、
は、水素原子
シリル系の保護基
4−ニトロベンジルオキシカルボニル基
4−メトキシベンジルオキシカルボニル基
アリルオキシカルボニル基
を示し
は、水素原子、または生体内で加水分解されうる基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基、t-ブチル基、アリル基、シリル系の保護基
を示す。
(2)Rは、
水素原子
イミダゾ[5,1−b]チアゾール
置換されたイミダゾ[5,1−b]チアゾール
チアゾール
置換されたチアゾール
ピリミジン
置換されたピリミジン
ピリジン
置換されたピリジン
シリル系の保護基、
を示す、
(1)に記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
(3)Rは、
水素原子、
イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イル基
2−カルバモイルチアゾール−5−イル基、
2−アミノ−4−エトキシカルボニルチアゾール−5−イル基、
4−ヒドロキシピリミジン−5−イル基
2−アミノピリミジン−5−イル基
ピリジン−3−イル基または
トリメチルシリル基、
トリエチルシリル基、
t−ブチルジメチルシリル基、または
トリイソプロピルシリル基、
を示す、
(1)に記載の化合物またはその薬学上許容される塩、
(4)一般式(I’)の製造法であって
Figure 2005200412
一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物

Figure 2005200412
Figure 2005200412
[式中、Rは水素原子、メチル基、
は、水素原子、シリル系の保護基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、
は、水素原子、または生体内で加水分解されうる基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、t-ブチル基、アリル基、シリル系の保護基、
は水素原子、シリル系の保護基、無置換もしくは置換されたヘテロアリール基、
Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基を示す]
とを塩基、パラジウム触媒、および、銅塩の存在下、必要に応じて三価リンなどの添加物を加えて反応させることを特徴とする、必要に応じ脱保護工程を含んでいてもよい一般式(I’)の製造法、
(5)一般式(I”)の化合物の製造法であって
Figure 2005200412
一般式(IV)の化合物と一般式(V)の化合物
Figure 2005200412
Figure 2005200412
[式中、Rはカルバペネム環1位に結合する水素原子、メチル基、
は、水素原子、シリル系の保護基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、
は、水素原子、または生体内で加水分解されうる基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、t-ブチル基、アリル基、シリル系の保護基、
Hyは、無置換もしくは置換されたヘテロアリール基、
Xは脱離基を表す]とを塩基、パラジウム触媒、および、銅塩の存在下、必要に応じて三価リンなどの添加物を加えて反応させることを特徴とする、必要に応じ脱保護工程を含んでいてもよい一般式(I”)の製造法、
(6)R1がメチル基である(1)〜(3)のいずれか一項記載の化合物、
(7)Rが生体内で加水分解されうる基である(1)〜(3)、または、(6)のいずれか一項記載の化合物、
(8)
(1)〜(3)、または、(6)〜(7)のいずれか一項に記載の化合物を含有する医薬組成物、
(9)(1)〜(3)、または、(6)〜(8)のいずれか一項に記載の化合物と薬学上許容される担体とを含んでなる医薬組成物、
(10)抗菌剤として用いられる、(1)〜(3)、または、(6)〜(9)のいずれか一項に記載の医薬組成物等に関する。
定義
本明細書において、基または基の一部としての「低級アルキル基」という語は、基が直鎖、分岐鎖、または、環状の炭素数1−6、好ましくは1−4、のアルキル基を意味する。
基または基の一部としての低級アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を示す。
本明細書において、基または基の一部としての「アリール基」という語は、フェニル基またはナフチル基を意味する。
本明細書において、基または基の一部としての「ヘテロアリール基」という語は、同一または異なって、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子一または複数を有する5または6員環の芳香族複素環を意味する。好ましくは、ピリジン、チアゾール、ピリミジン、イミダゾチアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、ピラジン、ピラゾール、トリアゾール、トリアジンなどを表す。
化合物
は、好ましくは水素原子またはメチル基を表す。
、およびRは、カルバペネム環上の2位にエチニル基を介して結合する水素原子、シリル系の保護基、無置換もしくは置換されたヘテロアリール基である。
Hyは、カルバペネム環上の2位にエチニル基を介して結合する無置換もしくは置換されたヘテロアリール基である。
「シリル系の保護基」とは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基などのトリアルキルシリル基などが挙げられる。
「無置換もしくは置換されたヘテロアリール基」としては、ピリジン、置換されたピリジン、チアゾール、置換されたチアゾール、ピリミジン、置換されたピリミジン、イミダゾチアゾール、置換されたイミダゾチアゾール(イミダゾチアゾールとは、イミダゾ[5,1−b]チアゾール、イミダゾ[2,1−b]チアゾールなどを示す。)、チアジアゾール、置換されたチアジアゾール、イミダゾール、置換されたイミダゾール、ピラジン、置換されたピラジン、ピラゾール、置換されたピラゾール、トリアゾール、置換されたトリアゾール、トリアジン、置換されたトリアジンなどが挙げられる。
「ヘテロアリール基の置換基」とは、ハロゲン原子、ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、アミノ基、置換されたアミノ基、低級アルキル基、置換された低級アルキル基、水酸基、低級アルコキシ基、置換された低級アルコキシ基、カルバモイル基、置換されたアミノカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、置換された低級アルキルカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、置換された低級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシアミノカルボニル基、置換された低級アルコキシアミノカルボニル基、アリールカルボニル基、置換されたアリールカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基、置換されたヘテロアリールカルボニル基、カルボキシル基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロアリール基、置換されたヘテロアリール基、低級アルキルチオ基、または低級アルキルスルホニル基を示す。
「置換されたアミノ基、置換されたアミノカルボニル基」においてアミノ基の置換基とは、低級アルキル基、低級アルコキシアルキル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、ホルミル基、アミノカルボニル基、アミノスルホニル基、低級アルキルカルバモイル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキルカルボニル基、アミノ低級アルキル基、アミノ低級アルキルカルボニル基、アリール基、またはヘテロアリール基などを表す。
「置換された低級アルキル基、置換された低級アルコキシ基、置換された低級アルキルカルボニル基、置換された低級アルコキシカルボニル基、置換された低級アルコキシアミノカルボニル基」において低級アルキル基及び低級アルコキシ基の置換基とは、水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、アリール基、またはヘテロアリール基などを表す。
「置換されたアリール基、置換されたアリールカルボニル基、置換されたヘテロアリール基、置換されたヘテロアリールカルボニル基」においてアリール、および、ヘテロアリールの置換基は、水酸基、アミノ基、低級アルキル基、または低級アルコキシ基等を表す。
2、RおよびHyのヘテロアリール基上の好ましい基としては、水素原子、ハロゲン原子、ホルミル基、ニトリル基、低級アルキル基、置換された低級アルキル基、水酸基、低級アルコキシ基、置換された低級アルコキシ基、アミノ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、置換された低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、カルバモイル基、低級アルキルアミノカルボニル基、置換された低級アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、置換された低級アルキルカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、置換された低級アルコキシカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基、置換されたヘテロアリールカルボニル基、カルボキシル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基などである。
さらに好ましくは、水素原子、水酸基、カルバモイル基、アミノ基、エトキシカルボニル基などである。
は、水素原子、シリル系の保護基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基を表す。
「シリル系の保護基」は、前述の通りであるが、好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、または、トリイソプロピルシリル基、などである。
が「生体内で加水分解される基」である場合、好ましくはエステル残基である。
その例としては、低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、低級シクロアルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、低級シクロアルキルメチルカルボニルオキシ低級アルキル基、低級アルケニルカルボニルオキシ低級アルキル基、アリールカルボニルオキシ低級アルキル基、テトラヒドロフラニルカルボニルオキシメチル基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、アリールメチルオキシ低級アルキル基、アリールメチルオキシ低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルキルオキシカルボニルオキシ低級アルキル基、低級シクロアルキルオキシカルボニルオキシ低級アルキル基、低級シクロアルキルメトキシカルボニルオキシ低級アルキル基、アリールオキシカルボニルオキシ低級アルキル基、芳香環上に置換基を有してもよい3−フタリジル基、芳香環上に置換基を有してもよい2−(3−フタリジリデン)エチル基、2−オキソテトラヒドロフラン−5−イル基、2−オキソ−5−低級アルキル−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基等の常用のものが挙げられる。
さらに好ましくは、ピバロイルオキシメチル基、1−(ピバロイルオキシ)エチル基、イソブチリルオキシメチル基、1−(イソブチリルオキシ)エチル基、アセトキシメチル基、1−(アセトキシ)エチル基、(1−メチルシクロヘキサン−1−イル)カルボニルオキシメチル基、1−[(シクロヘキシルメトキシ)カルボニルオキシ]エチル基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル基、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1−[(2−メチルシクロヘキサン−1−イル)オキシカルボニルオキシ]エチル基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル基、1−(イソプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル基、(1R,2S,5R)−(l)−メンチルオキシカルボニルオキシメチル基、(1S,2R,5S)−(d)−メンチルオキシカルボニルオキシメチル基、1−(フェニルオキシカルボニルオキシ)エチル基、フェニルオキシカルボニルオキシメチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基、3−フタリジル基、(Z)−2−(3−フタリジリデン)エチル基などが挙げられる。
一般式(I)、(I’)、および、(I”)の塩は、製薬学的に許容される塩であり、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのような無機塩、またはアンモニウム塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような有機塩基との塩、または、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸のような鉱酸との塩、または、酢酸、炭酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、メタンスルホン酸のような有機酸との塩があげられ、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、または、塩酸塩である。
次に、本発明による一般式(I)、(I’)、および、(I”)のカルバペネム誘導体の具体例を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.(1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−2−トリメチルシリルエチニル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
2.(1S,5R,6S)−2−エチニル−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
3.(1S,5R,6S)−1−メチル−2−トリメチルシリルエチニル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
4.(1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
5.(1S,5R,6S)−2−(3−ヒドロキシプロピン−1−イル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
6.(1S,5R,6S)−1−メチル−2−トリメチルシリルエチニル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ピバロイルオキシメチル
7.(1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ピバロイルオキシメチル
8.(1S,5R,6S)−2−[イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イルエチニル]−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
9.(1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−2−[イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イルエチニル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
10.(1S,5R,6S)−2−(2−カルバモイルチアゾール−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
11.(1S,5R,6S)−2−(2−カルバモイルチアゾール−5−イルエチニル)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
12.(1S,5R,6S)−2−(2−アミノ−4−エトキシカルボニルチアゾール−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
13.(1S,5R,6S)−2−(2−アミノ−4−エトキシカルボニルチアゾール−5−イルエチニル)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
14.(1S,5R,6S)−2−(4−ヒドロキシピリミジン−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
15.(1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−2−(4−ヒドロキシピリミジン−5−イルエチニル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
16.(1S,5R,6S)−2−(2−アミノピリミジン−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
17.(1S,5R,6S)−2−(2−アミノピリミジン−5−イルエチニル)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
18.(1S,5R,6S)−1−メチル−2−(ピリジン−3−イルエチニル)−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
19.(1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−2−(ピリジン−3−イルエチニル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
本発明の一般式(I)、(I’)、および、(I”)のカルバペネム誘導体は、グラム陽性菌、グラム陰性菌に対して幅広く強い抗菌力を有している。特に、PRSPを含む肺炎球菌、BLNARを含むインフルエンザ菌及びβ−ラクタマーゼ産生菌を含む各種病原菌に対しても強い抗菌力を有している。
本発明による一般式(I)のカルバペネム誘導体のうち、Rが生体内で加水分解される基である化合物(I)は経口吸収性を示し、かつ、生体内で代謝的に脱エステル化され、抗菌活性を有する原体(一般式(I’)の化合物)を生成するので、本発明の一般式(I)、(I’)、および、(I”)の化合物は、注射剤としてばかりではなく、そのエステル体は経口剤としても有用である。さらに、本発明のカルバペネム誘導体は、低毒性であり、安全性が高い。
また、一般式(I)のカルバペネム誘導体のうち、R3が4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、Rが4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、t-ブチル基、アリル基、シリル系の保護基である化合物(I)は、一般式(I)、(I’)、および、(I”)の合成および、その他カルバペネム化合物合成への重要な中間体となりうる。
また、カルバペネム環の2位への塩基、パラジウム触媒および銅塩を用いた反応(薗頭反応)によるエチニル基の導入に関して、有毒なスズ化合物を回避できるばかりでなく、アセチレンの末端部位にトリアルキルスズ基の導入を省略し簡便にカップリング反応を行うことが出来る。
本発明による一般式(I)のRが水素原子、またはその塩である化合物(I’)は、好ましくは下記のスキームに従って製造することができる。
<スキーム1>
Figure 2005200412
[上記スキーム中で、R、R、R、R、R、Tf、Hyは前述で定義したものと同じ意味を表すが、上記スキームの(I’)、および、(I”)、(II)、(IV)におけるRはカルボキシル基の保護基を表し、例えば、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基、t-ブチル基、t−ブチルジメチルシリル基、アリル基等を表す。
上記スキーム中の(I’)のRは水素原子、またはカリウム、ナトリウムなどの金属イオンを表し、Xは脱離基を表し、好ましくは、ハロゲン原子、ジフェニルホスホリルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等を表す。]
工程(i)におけるスキーム中の一般式(II)の化合物は常法(例えば、J. Org. Chem, 63, 5438 (1998))により合成できる。
工程(i)は、一般式(II)の化合物に対して当量または過剰量の一般式(III)の化合物を、適当な溶媒(アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、ベンゼン、メタノール、エタノール、ヘキサメチルリン酸トリアミド等、またはこれらの混合溶媒)中で、1当量または過剰量の塩基(有機塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等、無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)存在下、種々のパラジウム錯体(例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムジクロライド)とヨウ化銅、およびトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフリルホスフィンなどの三価リン試薬を−30℃〜100℃において、10分から72時間反応させる。反応後、通常の後処理によりRがヘテロアリールの時は(I”)を、R5が水素原子の時は(IV)を、Rがシリル系保護基の時は(I’)の化合物を得ることができる。
次に、工程(ii)における一般式(I’)から(IV)の化合物への変換は、Rがシリル系保護基の時に行う。一般式(I’)の化合物を、適当な溶媒(アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)中で、10当量以下の酢酸およびテトラn−ブチルアンモニウムフロリドを加え、−80℃〜50℃において、5分から24時間反応させる。反応後、通常の後処理により一般式(IV)の化合物を得ることができる。(Rが水素原子、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基の場合は本工程は行わない。)
工程(iii)において、一般式(IV)と当量または過剰量の一般式(V)より工程(i)と同様の手法により一般式(I”)を得ることが出来る。(Rが置換もしくは無置換のヘテロアリール基の場合は本工程は行わない。)
最後に工程(iv)において、化合物(IV)および(I”)の保護基R及びR、さらにRに保護基が含まれる場合はその保護基を脱保護し、本発明による一般式(I)のRは水素原子、Rが水素原子、または、その塩である(I’)で示される化合物を得ることができる。保護基R及びR、さらにRに含まれる保護基の除去のための脱保護反応は、用いた保護基の種類によって一般にこの分野の技術で知られている通常の方法に従って行うことができる。酸性条件下でいずれかまたは全部が脱保護できる場合は、塩酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、トリフルオロボラン−ジエチルエーテル錯体等の有機酸、または、テトラn−ブチルアンモニウムフルオライド、塩化アルミニウム等のルイス酸等を用い、また還元条件下で除去される場合には、各種の触媒による接触還元もしくは亜鉛、鉄等の金属還元剤を用いることができる。また、Rがアリルオキシカルボニル基であり、Rがアリル基であり、Rの置換基上に含まれる保護基がアリルオキシカルボニル基またはアリル基である場合には、種々のパラジウム錯体(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)を用いることにより容易に除去できる。
このようにして得られた一般式(I)のRは水素原子、Rが水素原子、または、その塩である一般式(I’)の化合物は、非イオン性のマクロハイポーラスレジンを用いるクロマトグラフィーやセファデックス等を用いるゲル濾過、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー等を用いることにより、単離、精製できる。
また、本発明による一般式(I)の化合物のうち、R4が生体内で加水分解される基である化合物(下記スキーム2においては(VII))は、好ましくは下記のスキームに従って製造することができる。
<スキーム2>
Figure 2005200412
[上記スキーム2中で、R、Rは一般式(I)で定義したものと同じ意味を表し、スキーム2の(I’)のR4は水素原子、または金属イオン(カリウム、ナトリウムなど)などの塩を表し、Rは生体内で加水分解される基(前述にて「Rが生体内で加水分解される基である場合」で定義したものと同じ意味を表す)を表し、Yはハロゲン原子、−OSO2CF3、−OSO2CH3、−OSO2PhCH3等の脱離基を表す。]
(I’)に対して必要に応じて1当量または過剰量の塩基(有機塩基としては、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]ウンデセン、2,6−ルチジン等、無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)存在下、1当量または過剰量のアルキルハライド(R−X:例えば、ピバロイルオキシメチルヨーダイド、1−(ピバロイルオキシ)エチルヨーダイド、イソブチリルオキシメチルヨーダイド、1−(イソブチリルオキシ)エチルヨーダイド、アセトキシメチルブロマイド、1−(アセトキシ)エチルブロマイド、(1−メチルシクロヘキサン−1−イル)カルボニルオキシメチルヨーダイド、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド、1−[(シクロヘキシルメトキシ)カルボニルオキシ]エチルヨーダイド、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド、1−[(2−メチルシクロヘキサン−1−イル)オキシカルボニルオキシ]エチルヨーダイド、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド、1−(イソプロピルオキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド、(1R,2S,5R)−(l)−メンチルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド、(1S,2R,5S)−(d)−メンチルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド、1−(フェニルオキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド、フェニルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)−n−プロピルヨーダイド、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルブロマイド、3−フタリジルブロマイド、(Z)−2−(3−フタリジリデン)エチルブロマイド、等)を、単独または混合の不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、アニソール、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、メタノール、エタノール等)中、−70〜+50℃(好ましくは、−30℃から+20℃)において、10分から24時間反応させることにより(I’’)を得ることができる。
以上のようにして得られたエステル体は、沈殿化、結晶化またはセファデックスなどを用いるゲル濾過、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等を用いることにより、単離、精製することができる。
化合物の用途/医薬組成物
本発明による化合物は、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し、幅広く強力な抗菌活性を有しており、かつ、PRSPを含む肺炎球菌、BLNARを含むインフルエンザ菌及びβ−ラクタマーゼ産生菌に対し強い抗菌力を有している。また、毒性も低く、デヒドロペプチダーゼ(DHP−1)に対しても安定である。従って本発明による化合物は、ヒトを含む動物の各種病原性細菌に起因する感染症の治療に用いることができる。また、2−エチニル系カルバペネム剤、その他カルバペネムの重要中間体に用いることが出来る。
とりわけ、一般式(I)中でR4が生体内で加水分解される基である化合物は経口による吸収性に優れ、経口剤として用いることが可能であるとの利点を有する。
本発明による化合物及びその薬理学上許容される塩を有効成分として含有してなる医薬組成物は、経口または非経口(例えば、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投与することができる。従って、本発明による化合物を有効成分としてなる医薬組成物は、投与経路に応じて適当な剤形とされ、具体的には主として静注、筋注等の注射剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トローチ錠等の経口剤、直腸投与剤、油脂性座剤等のいずれかの製剤形態に調整することができる。これらの製剤は通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤等を用いて常法により製造することができる。使用可能な無毒性の上記添加剤としては、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、デンプン、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、またはその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウム等が挙げられる。投与量は、用法、患者の年齢、性別、症状の程度等を考慮して適宜決定されるが、感染症の治療のためには、通常成人1日1人当たり約25mg〜2000mg、好ましくは50mg〜1000mgの投与量であり、これを1日1回または数回にわけて投与することができる。
以下、本発明を実施例及び合成例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1](1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−2−トリメチルシリルエチニル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1R,3R,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−2−オキソ−1−カルバペナム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル5.16gの乾燥アセトニトリル70ml溶液に、アルゴン雰囲気下、−40℃で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン3.70ml、次いで無水トリフルオロメタンスルホン酸2.43mlを滴下した。同温で30分間攪拌した後、酢酸エチル350mlを加え、半飽和食塩水、半飽和食塩水と1N塩酸水の混合溶液(pH1.1)、半飽和食塩水と飽和重曹水の混合溶液(pH8.9)、半飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を乾燥DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)50mlに溶解し、トリメチルシリルアセチレン3.01ml、ジクロロ(ビストリフェニルホスフィン)パラジウム200mg、ヨウ化銅27mg、トリエチルアミン5.03mlを加え、アルゴン雰囲気下、45℃で2時間、その後室温で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル200mlを加え、半飽和食塩水200mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去し、表題化合物を5.76g得た。
NMR(CDCl3)δ:0.20(9H,s),1.26(3H,d,J=7.3Hz),1.34(3H,d,J=6.3Hz),3.25(1H,m),3.37(1H,m),4.23−4.34(2H,m),5.30(1H,d,J=13.9Hz),5.50(1H,d,J=13.9Hz),7.65(2H,d,J=8.8Hz),8.23(2H,d,J=8.8Hz)
[実施例2](1S,5R,6S)−2−エチニル−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−2−トリメチルシリルエチニル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル5.76gのTHF(テトラヒドロフラン)70ml溶液に室温下で、酢酸4.11ml、次いでテトラn−ブチルアンモニウムフルオライドのTHF溶液(1.0M)21.3mlを滴下した。同温で15分間攪拌した後、酢酸エチル350mlを加え、半飽和食塩水350mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去した後、クロロホルム−メタノール−ジエチルエーテルから再結晶を行い表題化合物を2.60g得た。
NMR(DMSO−d6)δ:1.11(3H,d,J=6.3Hz),1.14(3H,d,J=7.6Hz),3.23−3.32(4H,m),3.46(1H,m),3.98(1H,m),4.28(1H,m),5.35(1H,d,J=14.1Hz),5.46(1H,d,J=14.1Hz),7.73(2H,d,J=8.7Hz),8.24(2H,d,J=8.7Hz)
[実施例3](1S,5R,6S)−1−メチル−2−トリメチルシリルエチニル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1R,3R,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−2−オキソ−1−カルバペナム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル22.7gの乾燥アセトニトリル150ml、乾燥ジクロロメタン100mlの混合溶液に、アルゴン雰囲気下、−40℃で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン16.4ml、次いで無水トリフルオロメタンスルホン酸10.5mlを滴下した。同温で10分間攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン10.9ml、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリル15.6mlを滴下し、同温度で攪拌した。20分後、酢酸エチル750mlを加え、半飽和食塩水と飽和塩化アンモニウム水溶液の混合溶液、半飽和食塩水と飽和重曹水の混合溶液、半飽和食塩水2回で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を乾燥DMF150mlに溶解し、トリメチルシリルアセチレン13.3ml、ジクロロ(ビストリフェニルホスフィン)パラジウム880mg、ヨウ化銅119mg、トリエチルアミン17.4mlを加え、アルゴン雰囲気下、40℃で1.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル750mlを加え、半飽和食塩水750mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製することにより、表題化合物を28.1g得た。
NMR(CDCl)δ:0.00(9H,s),0.60(6H,q,J=7.9Hz),0.94(9H,t,J=7.9Hz),1.33−1.37(6H,m),3.20(1H,m),3.32(1H,m),4.20−4.30(2H,m),5.30(1H,d,J=13.9Hz),5.47(1H,d,J=13.9Hz),7.65(2H,d,J=8.7Hz),8.22(2H,d,J=8.7Hz)
[実施例4](1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1S,5R,6S)−1−メチル−2−トリメチルシリルエチニル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル28.1gのジクロロメタン500ml溶液に氷冷下で、酢酸0.569ml、次いでテトラn−ブチルアンモニウムフルオライドのTHF溶液(1.0M)9.84mlを滴下した。同温で5分間攪拌した後、半飽和食塩水500mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去した後、ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶を行い表題化合物を18.5g得た。
NMR(CDCl)δ:0.61(6H,t,J=7.8Hz),0.95(9H,q,J=7.8Hz),1.25(6H,m),3.23(1H,m),3.34(1H,m),3.70(1H,s),4.26(1H,m),4.33(1H,m),5.31(1H,d,J=13.8Hz),5.46(1H,d,J=13.8Hz),7.66(2H,d,J=8.8Hz),8.22(2H,d,J=8.8Hz)
[実施例5](1S,5R,6S)−2−(3−ヒドロキシプロピン−1−イル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1R,3R,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−2−オキソ−1−カルバペナム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル3.62gとプロパルギルアルコール0.873mlから実施例3と同様の手法により、表題化合物を1.69g得た。
NMR(CDCl)δ:0.60(6H,q,J=7.8Hz),0.95(9H,t,J=7.8Hz),1.22−1.28(6H,m),1.85(1H,t,J=6.3Hz),3.20(1H,m),3.32(1H,m),4.21−4.34(2H,m),4.50(2H,d,J=6.3Hz),5.29(1H,d,J=13.9Hz),5.46(1H,d,J=13.9Hz),7.66(2H,d,J=8.8Hz),8.22(2H,d,J=8.8Hz)
[実施例6](1S,5R,6S)−1−メチル−2−トリメチルシリルエチニル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ピバロイルオキシメチル
アルゴン雰囲気下(3S,4S)−3−((R)−1−ヒドロキシエチル)−3−ジアゾ−4−((R)−1−メチル)−3−ピバロイルオキシメチルカルボニル−2−オキソプロピル)−アゼチジン−2−オン(WO2004/035539)2.13gのトルエン溶液35mlに(オクタン酸ロジウム)ダイマー18mgを加え45℃で3.5時間攪拌した。反応液に乾燥アセトニトリル35mlを加え−40℃に冷却した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.50ml、次いで無水トリフルオロメタンスルホン酸0.969mlを滴下した。同温で30分間攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.00ml、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリル1.43mlを滴下し、同温度で攪拌した。20分後、酢酸エチル150mlを加え、半飽和食塩水と飽和塩化アンモニウム水溶液の混合溶液、半飽和食塩水と飽和重曹水の混合溶液、半飽和食塩水2回で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を乾燥DMF25mlに溶解し、トリメチルシリルアセチレン1.22ml、ジクロロ(ビストリフェニルホスフィン)パラジウム81mg、ヨウ化銅11mg、トリエチルアミン1.60mlを加え、アルゴン雰囲気下、45℃で1.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル100mlを加え、半飽和食塩水100mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することにより、表題化合物を2.46g得た。
NMR(CDCl)δ:0.24(9H,s),0.59(6H,q,J=7.9Hz),0.95(9H,t,J=7.9Hz),1.12(9H,s),1.23−1.27(6H,m),3.18(1H,m),3.28(1H,m),4.18−4.24(2H,m),5.87(1H,d,J=5.5Hz),5.94(1H,d,J=5.5Hz)
[実施例7](1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ピバロイルオキシメチル
(1S,5R,6S)−1−メチル−2−トリメチルシリルエチニル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ピバロイルオキシメチル2.46gより実施例4と同様の手法により表題化合物を1.50g得た。
NMR(CDCl)δ:0.60(6H,t,J=7.8Hz),0.95(9H,q,J=7.8Hz),1.21(9H,s),1.22−1.26(6H,m),3.20(1H,m),3.30(1H,m),3.68(1H,s),4.18−4.29(2H,m),5.87(1H,d,J=5.6Hz),5.96(1H,d,J=5.6Hz)
[実施例8](1S,5R,6S)−2−[イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イルエチニル]−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル807mgをDMF10mlに溶解し、2−ヨードイミダゾ[5,1−b]チアゾール416mg、ジクロロ(ビストリフェニルホスフィン)パラジウム23mg、ヨウ化銅3mg、トリエチルアミン0.470mlを加え、アルゴン雰囲気下、35℃で30分攪拌した。反応液に酢酸エチル50mlを加え、半飽和食塩水50mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)で精製することにより、表題化合物を960mg得た。
NMR(CDCl)δ:0.61(6H,t,J=7.8Hz),0.96(9H,q,J=7.8Hz),1.28(6H,m),3.32(1H,m),3.38(1H,m),4.28(1H,m),4.38(1H,m),5.33(1H,d,J=13.9Hz),5.48(1H,d,J=13.9Hz),7.07(1H,brs),7.54(1H,s),7.67(2H,d,J=8.7Hz),8.00(1H,brs),8.22(2H,d,J=8.7Hz)
[実施例9](1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−2−[イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イルエチニル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
a)(1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−2−[イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イルエチニル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1S,5R,6S)−2−[イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イルエチニル]−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル965mgをTHF30ml、水6mlに溶解し、35℃で1N塩酸0.16mlを加え2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル100mlを加え、半飽和重曹水100ml、飽和食塩水100mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジクロロメタンで洗浄し、(1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−2−[イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イルエチニル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジルを506mg得た。
NMR(DMSO−d)δ:1.16(3H,d,J=6.3Hz),1.22(3H,d,J=7.3Hz),3.42(1H,m),3.51(1H,m),4.04(1H,m),4.36(1H,m),5.38(1H,d,J=13.8Hz),5.50(1H,d,J=13.8Hz),7.02(1H,s),7.74(2H,d,J=8.7Hz),8.19−8.23(4H,m)
b)(1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−2−[イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イルエチニル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
(1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−2−[イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イルエチニル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル659mgをTHF25ml、0.3Mリン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)25mlに溶解し、亜鉛粉末4.38gを加えた。反応容器をアルゴンで置換し、35℃にて4時間撹拌した。亜鉛を濾去し、水で洗浄した。濾液を酢酸エチルで洗浄後、約20mlまで減圧濃縮し、コスモシール40C18−PREP(10%メタノール水)のカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物170mgを得た。
NMR(D2O)(HOD=4.65ppm)δ:1.10(3H,d,J=7.3Hz),1.33(3H,d,J=6.3Hz),3.19(1H,m),3.41(1H,m),4.13(1H,m),4.19(1H,m),6.89(1H,s),7.80(1H,s),8.05(1H,s)
[実施例10](1S,5R,6S)−2−(2−カルバモイルチアゾール−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル178mg、2−カルバモイル−5−ヨードチアゾール93mgより実施例8と同様の手法にて表題化合物223mgを得た。
NMR(CDCl)δ:0.62(6H,t,J=7.8Hz),0.96(9H,q,J=7.8Hz),1.25−1.31(6H,m),3.30−3.41(2H,m),4.28(1H,m),4.38(1H,m),5.32(1H,d,J=13.6Hz),5.48(1H,d,J=13.6Hz),5.61(1H,brs),7.05(1H,brs),7.65(2H,d,J=8.7Hz),7.82(1H,s),8.20(2H,d,J=8.7Hz)
[実施例11](1S,5R,6S)−2−(2−カルバモイルチアゾール−5−イルエチニル)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
(1S,5R,6S)−2−(2−カルバモイルチアゾール−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル223mgより実施例9とほぼ同様の手法にて表題化合物46mgを得た。
NMR(D2O)(HOD=4.65ppm)δ:1.10(3H,d,J=7.3Hz),1.16(3H,d,J=6.3Hz),3.21(1H,m),3.42(1H,m),4.13(1H,m),4.20(1H,m),7.94(1H,s)
[実施例12](1S,5R,6S)−2−(2−アミノ−4−エトキシカルボニルチアゾール−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル279m、2−アミノ−5−ヨード−4−エトキシカルボニルチアゾール163mgより実施例8と同様の手法にて表題化合物496mgを得た。
NMR(DMSO−d)δ:0.70(6H,t,J=7.8Hz),0.90(9H,q,J=7.8Hz),1.15−1.25(9H,m),3.45−3.65(2H,m),4.15−4.26(3H,m),4.34(1H,m),5.36(1H,d,J=13.6Hz),5.45(1H,d,J=13.6Hz),7.70(2H,d,J=8.8Hz),8.17(2H,d,J=8.7Hz)
[実施例13](1S,5R,6S)−2−(2−アミノ−4−エトキシカルボニルチアゾール−5−イルエチニル)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
(1S,5R,6S)−2−(2−アミノ−4−エトキシカルボニルチアゾール−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル496mgより実施例9とほぼ同様の手法にて表題化合物17mgを得た。
NMR(D2O)(HOD=4.65ppm)δ:1.07−1.15(6H,m),1.20(3H,t,J=7.1Hz),3.18(1H,m),3.38(1H,m),4.10(1H,m),4.15−4.24(3H,m)
[実施例14](1S,5R,6S)−2−(4−ヒドロキシピリミジン−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル220m、4−ヒドロキシ−5−ヨードピリミジン[Chem. Pharm. Bull. 34(7) 2719 (1986)]100mgより実施例8と同様の手法にて表題化合物67mgを得た。
NMR(CDCl)δ:0.61(6H,t,J=7.8Hz),0.96(9H,q,J=7.8Hz),1.25−1.34(6H,m),3.32−3.40(2H,m),4.28(1H,m),4.36(1H,m),5.33(1H,d,J=13.6Hz),5.49(1H,d,J=13.6Hz),7.67(2H,d,J=8.8Hz),8.13(2H,m),8.19(2H,d,J=8.7Hz)
[実施例15](1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−2−(4−ヒドロキシピリミジン−5−イルエチニル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
(1S,5R,6S)−2−(4−ヒドロキシピリミジン−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル234mgより実施例9とほぼ同様の手法にて表題化合物23mgを得た。
NMR(D2O)(HOD=4.65ppm)δ:1.11(3H,d,J=7.4Hz),1.15(3H,d,J=6.4Hz),3.21(1H,m),3.40(1H,m),4.11(1H,m),4.18(1H,m),8.14(1H,s),8.19(1H,s)
[実施例16](1S,5R,6S)−2−(2−アミノピリミジン−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル485mgを乾燥1,4−ジオキサン5mlに溶解し、2−アミノ−5−ヨードピリミジン221mg、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムジクロライド11mg、ヨウ化銅4mg、トリ−t−ブチルホスフィン12mg、ジイソプロピルアミン0.210mlを加え、アルゴン雰囲気下、35℃で13時間攪拌した。反応液に酢酸エチル40mlを加え、半飽和食塩水20mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、表題化合物を536mg得た。
NMR(CDCl)δ:0.61(6H,t,J=7.8Hz),0.96(9H,q,J=7.8Hz),1.28(6H,m),3.27(1H,m),3.35(1H,m),4.27(1H,m),4.33(1H,m),5.33(3H,m),5.47(1H,d,J=13.8Hz),7.65(2H,d,J=8.7Hz),8.19(2H,d,J=8.7Hz),8.29(2H,s)
[実施例17](1S,5R,6S)−2−(2−アミノピリミジン−5−イルエチニル)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
(1S,5R,6S)−2−(2−アミノピリミジン−5−イルエチニル)−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル500mgより実施例9とほぼ同様の手法にて表題化合物86mgを得た。
NMR(DMSO−d)δ:1.06(3H,d,J=6.3Hz),1.12(3H,d,J=7.3Hz),2.95(1H,m),3.12(1H,m),3.90(1H,m),4.05(1H,m),7.02(2H,s),8.23(2H,s)
[実施例18](1S,5R,6S)−1−メチル−2−(ピリジン−3−イルエチニル)−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル
(1S,5R,6S)−2−エチニル−1−メチル−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル485m、3−ヨードピリジン205mgより実施例16と同様の手法にて表題化合物401mgを得た。
NMR(CDCl)δ:0.62(6H,t,J=7.8Hz),0.97(9H,q,J=7.8Hz),1.24−1.34(6H,m),3.29−3.38(2H,m),4.28(1H,m),4.36(1H,m),5.32(1H,d,J=13.6Hz),5.48(1H,d,J=13.6Hz),7.66(3H,m),8.18(2H,d,J=8.7Hz),8.55(1H,m),8.64(1H,s)
[実施例19](1S,5R,6S)−6−((1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチル−2−(ピリジン−3−イルエチニル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム
(1S,5R,6S)−1−メチル−2−(ピリジン−3−イルエチニル)−6−((1R)−1−トリエチルシリルオキシエチル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸4−ニトロベンジル268mgより実施例9とほぼ同様の手法にて表題化合物117mgを得た。
NMR(D2O)(HOD=4.65ppm)δ:1.27(3H,d,J=7.3Hz),1.30(3H,d,J=6.3Hz),3.34(1H,m),3.55(1H,m),4.24−4.35(2H,m),7.47(1H,m),7.98(1H,m),8.48(1H,m),8.63(1H,s)
[合成例1]2−ヨードイミダゾ[5,1−b]チアゾール
2−(トリ−n−ブチルスタニル)イミダゾ[5,1−b]チアゾール[WO98/32760]4.51gをTHF55mlに溶解し、N−ヨードこはく酸イミド2.45gを加え、アルゴン雰囲気下、−50℃で10分攪拌した後、室温で30分攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、半飽和食塩水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をヘキサンで洗浄することにより、表題化合物を2.20g得た。
NMR(CDCl)δ:7.03(1H,s),7.52(1H,s),7.93(1H,s)
[合成例2]2−カルバモイル−5−ヨードチアゾール
a)2−カルバモイルチアゾール
チアゾール−2−カルボン酸[Acta Chemica Scandinavica (1947-1973), 22(2), 694, (1968)]1.12gのジクロロメタン20mlとTHF20mlの混合溶液に氷冷下オギザリルクロライド0・888mlを滴下した後、40℃で30分間攪拌した。氷冷下アンモニア水10mlを加え室温にて1時間攪拌した後、反応液をクロロホルムで3回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去し、2−カルバモイルチアゾールを956mg得た。
NMR(DMSO−d)δ:7.84(1H,brs),7.99(1H,d,J=3.2Hz),8.02(1H,d,J=3.2Hz),8.16(1H,brs)
b)2−カルバモイル−5−(トリ−n−ブチルスタニル)チアゾール
2−カルバモイルチアゾール2.45gの乾燥THF溶液80mlに、アルゴン雰囲気下−40℃にてトリ−n−ブチルスタニルクロライド7.77ml、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF溶液(1.0M)95mlを順次加えた後、−20℃にて7時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム溶液、酢酸エチルを加え分液した後、有機層を半飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、2−カルバモイル−5−(トリ−n−ブチルスタニル)チアゾールを4.96g得た。
NMR(CDCl)δ:0.88(9H,t,J=7.3Hz),1.16(6H,m),1.33(6H,m),1.55(6H,m),5.60(1H,brs),7.13(1H,brs),7.88(1H,s)
c)2−カルバモイル−5−ヨードチアゾール
2−カルバモイル5−(トリ−n−ブチルスタニル)チアゾール4.96gより合成例1とほぼ同様の手法により2−カルバモイル−5−ヨードチアゾール1.88gを得た。
NMR(DMSO−d)δ:7.92(1H,brs),8.11(1H,s),8.18(1H,brs)
試験例1 抗菌活性
以下に、本発明の新規カルバペネム誘導体のうちの代表的化合物の各種病原菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/mL)をCHEMOTHERAPY, vol. 16, No. 1, 99, 1968.記載の方法に準じて測定し、結果を表1に示した。測定培地は、Sensitivity Disk agar-N + 5% Horse bloodであり、接種菌量は、106 CFU / mLである。
Figure 2005200412
本発明の一般式(I)のカルバペネム誘導体は、PRSPを含む肺炎球菌、BLNARを含むインフルエンザ菌及びβ−ラクタマーゼ産生菌を含む各種病原菌に対して強い抗菌力を有している。
本発明では、PRSPを含む肺炎球菌、BLNARを含むインフルエンザ菌及びβ−ラクタマーゼ産生菌に対しても強い抗菌力を有するカルバペネム誘導体の提供、および、安全性の高い、工業スケールでも有用な手法によるカルバペネム環の2位へのエチニル基の導入法を見出した。


Claims (10)

  1. 一般式(I)の化合物、または、その薬学上許容される塩。
    Figure 2005200412
    [上記式中、
    はメチル基
    水素原子
    を示し、
    は、
    水素原子、
    シリル系の保護基
    ピリジン
    置換されたピリジン
    チアゾール
    置換されたチアゾール
    ピリミジン
    置換されたピリミジン
    イミダゾチアゾール
    置換されたイミダゾチアゾール
    チアジアゾール
    置換されたチアジアゾール
    イミダゾール
    置換されたイミダゾール
    ピラジン
    置換されたピラジン
    ピラゾール
    置換されたピラゾール
    トリアゾール
    置換されたトリアゾール
    トリアジン
    置換されたトリアジン
    を示し、
    は、水素原子
    シリル系の保護基
    4−ニトロベンジルオキシカルボニル基
    4−メトキシベンジルオキシカルボニル基
    アリルオキシカルボニル基
    を示し
    は、水素原子、または生体内で加水分解されうる基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基、t-ブチル基、アリル基、シリル系の保護基
    を示す。
  2. は、
    水素原子
    イミダゾ[5,1−b]チアゾール
    置換されたイミダゾ[5,1−b]チアゾール
    チアゾール
    置換されたチアゾール
    ピリミジン
    置換されたピリミジン
    ピリジン
    置換されたピリジン
    シリル系の保護基、
    を示す、
    請求項1に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  3. は、
    水素原子、
    イミダゾ[5,1−b]チアゾール−2−イル基
    2−カルバモイルチアゾール−5−イル基、
    2−アミノ−4−エトキシカルボニルチアゾール−5−イル基、
    4−ヒドロキシピリミジン−5−イル基
    2−アミノピリミジン−5−イル基
    ピリジン−3−イル基または
    トリメチルシリル基、
    トリエチルシリル基、
    t−ブチルジメチルシリル基、または
    トリイソプロピルシリル基、
    を示す、
    請求項1に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  4. 一般式(I’)の製造法であって
    Figure 2005200412
    一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物
    Figure 2005200412
    Figure 2005200412
    [式中、Rは水素原子、メチル基、
    は、水素原子、シリル系の保護基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、
    は、水素原子、または生体内で加水分解されうる基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、t-ブチル基、アリル基、シリル系の保護基、
    は水素原子、シリル系の保護基、無置換もしくは置換されたヘテロアリール基、
    Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基を示す]
    とを塩基、パラジウム触媒、および、銅塩の存在下、必要に応じて三価リンなどの添加物を加えて反応させることを特徴とする、必要に応じ脱保護工程を含んでいてもよい一般式(I’)の製造法。
  5. 一般式(I”)の化合物の製造法であって
    Figure 2005200412
    一般式(IV)の化合物と一般式(V)の化合物
    Figure 2005200412
    Figure 2005200412
    [式中、Rはカルバペネム環1位に結合する水素原子、メチル基、
    は、水素原子、シリル系の保護基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、
    は、水素原子、または生体内で加水分解されうる基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、t-ブチル基、アリル基、シリル系の保護基、
    Hyは、無置換もしくは置換されたヘテロアリール基、
    Xは脱離基を表す]とを塩基、パラジウム触媒、および、銅塩の存在下、必要に応じて三価リンなどの添加物を加えて反応させることを特徴とする、必要に応じ脱保護工程を含んでいてもよい一般式(I”)の製造法。
  6. 1がメチル基である請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
  7. が生体内で加水分解されうる基である請求項1〜3、または、6のいずれか一項記載の化合物。
  8. 請求項1〜3、または、6〜7のいずれか一項に記載の化合物を含有する医薬組成物。
  9. 請求項1〜3、または、6〜8のいずれか一項に記載の化合物と薬学上許容される担体とを含んでなる医薬組成物。
  10. 抗菌剤として用いられる、請求項1〜3、または、6〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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