JP2005200739A - 化成処理性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

化成処理性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 Si,Ti,Nbを含む高強度熱延鋼板において、化成皮膜を鋼板全面に均質に生成できるようにし、従来の製造ラインに適用でき、操業管理や品質管理も容易にする。
【解決手段】 質量%にて、C:0.01〜0.1%、Si:1.5%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.07%以下、S:0.01%以下、Al:0.015〜0.1%、N:0.001〜0.008%、TiとNbの一方または双方合計:0.02〜0.4%を含有し、C−(Ti/4)−(Nb/6)>0.002%、A.I.≧1.5MPa以上である熱延鋼板。熱延工程において、仕上圧延終了後50℃/秒以上の平均冷却速度で巻取温度まで冷却し、400〜600℃の温度範囲で巻き取ることにより、A.I.を1.5MPa以上とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鋼板の塗装下地処理として化成処理を行う際、化成皮膜を鋼板全面に均質に生成することのできる、化成処理性に優れた熱延鋼板およびその製造方法に関するものである。
自動車ボディの電着塗装など、金属表面を塗装する際、下地処理として化成処理が行われている。化成処理は、金属表面を不活性な化成皮膜で覆うことによって、その上に施される塗膜の密着性と耐食性の向上を図るものである。
また、自動車の軽量化と安全性の観点から高強度薄鋼板が使用され、足回り部材などには冷延鋼板よりも安価な熱延鋼板が使用されている。
熱延鋼板は熱間圧延および酸洗工程を経て製造され、酸洗工程では鋼板表面の酸化スケールが塩酸酸洗により除去される。
化成処理性を向上させた高強度熱延鋼板に関して、次のような公知文献がある。
特許文献1には、Tiを添加した高Si鋼においてCとTiの関係を限定し、平均結晶粒径を3.0μm以下、表面粗さRaを1.5μm以下とした化成処理性および耐食性に優れる熱延高張力鋼板およびその製造方法が開示されている。この鋼板は、細粒化によりスケール残りやスケール疵発生が抑制されて化成処理性が向上し、また粒界が化成結晶粒の核となるので細粒化により化成処理性がよくなる、とされている。
特許文献2には、Si量を抑えたTi添加鋼において、鋼板の表層と内部のビッカース硬さの比を0.95以下とすることで、化成処理性と加工性を向上させた高強度熱延鋼板が開示されている。この鋼板は、鋼板表面の析出物を、化成処理性を劣化させるTi酸化物TiO2 に替えて炭化物とすることで、硬さの比を上記のようにしている。TiO2 は整合な微細析出物となって鋼板の硬さを高くするのに対し、TiCは非整合で鋼板の硬さを低くするからとされている。
特開2002−226944号公報 特開平10−1748号公報
従来の高強度熱延鋼板は、化成処理性に問題があった。すなわち、熱延鋼板の塗装下地処理として化成処理を行った場合、特にSi含有量の高い鋼やTiやNbを添加した鋼では、化成皮膜の生成されない「スケ」と呼ばれる部位が顕微鏡観察で認められることがある。このような部位は、肉眼観察でサビの発生が認められるようになり、サビが認められなくても、塗装後、時間経過に伴い塗膜剥離などの問題が生じる。
上記特許文献1の技術は、熱延仕上圧延のロール表面粗さを厳密に管理する必要がある。
特許文献2の技術は、表面と内部の硬さ比を特定範囲に限定することで化成処理性の向上を図っている。このため、この技術を熱延鋼板の製造ラインに適用する際には、鋼板内部についての硬さ測定が必要となり、品質管理上の測定に課題が生じる。ちなみに、表面から厚さの1/4の深さ位置の測定値を内部の硬さとしている。
そこで本発明が解決しようとする課題は、Si,Ti,Nbを含む高強度熱延鋼板において、塗装下地処理としての化成処理で化成皮膜を鋼板全面に均質に生成できるようにし、鋼板製造では従来の製造ラインに適用しやすく、操業管理や品質管理も容易にすることである。
上記課題を解決するための本発明は、熱間圧延および酸洗工程を経て製造された鋼板であって、成分組成が質量%にて、
C :0.01〜0.1%、 Si:1.5%以下、
Mn:0.5〜3.0%、 P :0.07%以下、
S :0.01%以下、 Al:0.015〜0.1%、
N :0.001〜0.008%、
TiとNbの一方または双方合計:0.02〜0.4%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
C−(Ti/4)−(Nb/6)>0.002% …………(1)
であり、かつA.I.が1.5MPa以上であることを特徴とする化成処理性に優れた熱延鋼板である。
また上記課題を解決するための本発明法は、上記成分組成からなる鋼の熱間圧延工程において、仕上圧延終了後50℃/秒以上の平均冷却速度で巻取温度まで冷却し、400〜600℃の温度範囲で巻き取ることにより、A.I.を1.5MPa以上とすることを特徴とする化成処理性に優れた熱延鋼板の製造方法である。
本発明は、Si,Ti,Nbを含む高強度熱延鋼板において、固溶C量が適正値となるように成分調整し、かつA.I.を1.5MPa以上としたことで、塗装下地処理としての化成処理で化成皮膜を鋼板全面に均質に生成できる。従来の熱延ラインを適用して、仕上圧延終了後50℃/秒以上の平均冷却速度で巻取温度まで冷却し、400〜600℃の温度範囲で巻き取ることにより製造できる。このため操業管理は容易であり、また材質判定は引張り試験で行うことができ、品質管理も容易である。
本発明において、熱延鋼板の成分組成は、自動車の下回り部材などに使用できる高強度と高加工性を有し、あわせて優れた化成処理性を有するよう、上記範囲に限定した。
その限定理由は次のとおりである。各元素の割合は全て質量%である。
Cは、0.01%未満では化成処理後にスケがみられ、さらにサビが発生する。この現象はSi,Ti,Nbなど、従来から化成処理性を悪くするとされている元素の量とは無関係である。本発明では、TiやNbを下記範囲で添加し、上記(1)式の範囲、すなわちこれら元素との炭化物生成に必要な量を超えてCを添加する。しかしCが0.1%を超えると、鋼板の特性である穴広げ性が低下する。そのため、化成処理性と穴広げ性の両立のためにCは0.01〜0.1%の範囲とした。
Siは、1.5%を超えると化成処理後にスケが発生する。
Mnは0.5%未満では伸びが低くなり、3.0%を超えると化成処理後にスケがみられ、さらにサビが発生する。
Pは0.07%を超えると穴広げ性が低下し、また伸びなどの機械的性質が低下する。 Sは0.01%を超えると化成処理後にサビが発生する。
Alは、0.015%未満では鋼板表面にSiやMnの酸化物が生成しやすくなって化成処理後にスケがみられ、さらにサビが発生し、0.1%を超えると耐食性が低下する。 Nは0.001%未満では化成処理後にスケが発生し、0.008%を超えると伸びが低下する。
TiおよびNbは、微細な炭化物や窒化物となって鋼の強度を高めるとともに、粗大セメンタイトの生成を抑制して鋼板の穴広げ性を向上させる。従来、TiやNbは化成処理性を劣化させるとされていたが、本発明の条件を満足して含有する場合は化成処理性が劣化しないという効果がある。その条件は、TiとNbの一方または双方を含有し、その量は合計0.02〜0.4%で、かつ上記(1)式の範囲であり、さらにA.I.を1.5MPa以上とすることである。
TiとNbは、Cと結びつくことによって鋼の強度を向上させるのに必要な元素である。そのためには、TiとNbの一方または双方の合計が0.02%以上である必要がある。しかし、この値が0.4%を超えると強度上昇の効果は飽和するので、上限を0.4%とした。
一方、これら元素の添加量が過多になると、化成処理後にスケが発生し、さらにサビも発生するというように、化成処理性が低下するという問題が生じる。本発明者らは、上記組成範囲を満たしたうえで、さらにC−(Ti/4)−(Nb/6)(質量%)が0.002%を超えることが、化成処理性を確保するための前提条件であることを見出した。
これに加え、A.I.の値が1.5MPa以上であることが、化成処理性を確保するために必要な条件である。
A.I.は Aging Indexであり、一般的に固溶C量の目安として測定され、固溶C量が増すと高くなる。引張り試験において、10%の伸びを付与して応力を除き、100℃に1時間保持したのち再度引張り、前記除去前の応力と再引張り時の降伏応力との差がA.I.である。上記成分組成の熱延鋼板において、A.I.が1.5MPa以上あれば化成処理性が劣化しないことを、本発明者は明らかにした。
化成処理は、鋼板表面に付着している油を脱脂処理で取り除いた後、化成処理液に所定時間浸漬することで行われる。この処理で、鋼板からFeイオンが処理液中に溶出し、Fe,Zn,P,Oなどを含む化合物で構成される化成結晶粒が鋼板表面に付着して生成する。このとき、10μm以下の微細な化成結晶粒を全面均一に付着させることが必要とされ、この付着状態が悪く、前記「スケ」と呼ばれる非付着部位が存在すると、塗装時における塗膜の密着不良や、塗装後の耐食性低下といった問題が生じる。
化成処理では、鋼板から溶出したFeイオンと溶液成分とが反応して、まず化成結晶粒の核が多数生じ、それらが生長して、微細な化成結晶粒で鋼板全面を覆うことにより、良好な化成皮膜が生成すると考えられている。
本発明者は、上記のように、C量が低すぎるときは化成処理性が悪いこと、および上記組成でCがTiやNbとの炭化物生成に要する量を超えた適正量存在し、かつA.I.が1.5MPa以上のときは化成処理性が良好であることから、鋼中にCが適正量固溶していると、化成処理液中で鋼板表面からFeイオンが溶出しやすくなり、化成結晶粒の核が多数でき、微細な化成結晶粒からなる化成皮膜が全面均質に付着形成されると考えている。
このようにA.I.を1.5MPa以上とした本発明鋼板は、上記成分組成からなる鋼の熱間圧延工程において、仕上圧延終了後50℃/秒以上の平均冷却速度で巻取温度まで冷却し、400〜600℃の温度範囲で巻き取ることにより得られる。
上記冷却速度が50℃/秒未満だと、冷却中の炭化物析出によって1.5MPa以上のA.I.が安定して得られなくなる。この冷却速度の上限は、材質上からは限定しなくてよいが、実操業上300℃/秒まで問題ない。これを超えても材質上の問題は発生しないが、鋼板の冷却ムラが発生しやすく、形状不良になりやすいため好ましくない。
巻取温度が600℃を超えると、巻取後の炭化物析出によって、1.5MPa以上のA.I.が安定して得られなくなる。巻取温度が400℃未満では充分な強度を持つ鋼板が製造できない。このことから巻取温度は400〜600℃に限定した。
表1の成分からなる鋼を、表2に示す熱延条件で熱間圧延し、酸洗して得られた熱延鋼板について化成処理性と機械的特性を調べた。結果を表2に示す。表1および表2において、*印は本発明範囲を外れていることを示す。
機械的特性は、引張り強さと穴広げ性で判定し、引張り強さが650MPa以上の場合で穴広げ率70%以上を良好とした。
穴広げ性は、厚さ3.2mmの熱延鋼板に直径10mm(a)の円形の穴をパンチングし、円錐状のポンチを押し込んで穴を広げ、穴の縁が割れたときのポンチ直径(b)から穴広げ率(b−a)/aを求め、70%以上を良好と判定した。
化成処理性は、切板について、実験槽により実際の化成処理と同様の方法で行った。すなわち、脱脂後、表面調整液に30秒浸漬した後、化成処理液(日本パーカライジング社製PBWL35)に浸漬して120秒の処理を行い、水洗、乾燥した。化成処理性の良否は、SEM観察によるスケ有無、および乾燥直後の肉眼観察によるサビ発生有無で判定した。
表2において、本発明例の No.1〜 No.12は、いずれも化成後のスケ無、処理後のサビ発生無であり、優れた化成処理性が得られた。また、機械的特性も良好であった。
比較例の No.13および No.14は、本発明範囲の成分組成を有する鋼 No.10によるものであるが、熱延条件が本発明法の範囲を外れたため、A.I.が低く化成処理性が劣り、また機械的特性も不十分である。
比較例の No.15は、C含有量の高すぎる鋼 No.11によるもので、機械的特性が劣る。
比較例の No.16は、C含有量が低すぎ、かつC−(Ti/4)−(Nb/6)が(1)式を外れた鋼 No.12によるもので、A.I.が低く化成処理性が劣り、機械的特性も不十分である。
比較例の No.17は、Si含有量の高すぎる鋼 No.13によるもので、化成処理性が劣る。
比較例の No.18は、Mn含有量の高すぎる鋼 No.14によるもので、機械的特性が劣る。
比較例の No.19は、S含有量の高すぎる鋼 No.15によるもので、機械的特性が劣る。
比較例の No.20は、Al含有量の高すぎる鋼 No.16によるもので、化成処理性が劣る。
比較例の No.21は、P含有量の高すぎる鋼 No.17によるもので、機械的特性が劣る。
比較例の No.22は、N含有量の高すぎる鋼 No.18によるもので、機械的特性が劣る。
比較例の No.23は、Ti+Nbの含有量が低い鋼 No.19によるもので、機械的特性が劣る。
比較例の No.24は、C−(Ti/4)−(Nb/6)が前記(1)式を外れた鋼 No.20によるもので、A.I.が低く化成処理性が劣る。
比較例の No.25は、C−(Ti/4)−(Nb/6)が前記(1)式を外れた鋼 No.21によるもので、化成処理性および機械的特性が劣る。
Figure 2005200739
Figure 2005200739

Claims (2)

  1. 熱間圧延および酸洗工程を経て製造された鋼板であって、成分組成が質量%にて、
    C :0.01〜0.1%、 Si:1.5%以下、
    Mn:0.5〜3.0%、 P :0.07%以下、
    S :0.01%以下、 Al:0.015〜0.1%、
    N :0.001〜0.008%、
    TiとNbの一方または双方合計:0.02〜0.4%
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    C−(Ti/4)−(Nb/6)>0.002%
    であり、かつA.I.が1.5MPa以上であることを特徴とする化成処理性に優れた熱延鋼板。
  2. 請求項1に記載の成分組成からなる鋼の熱間圧延工程において、仕上圧延終了後50℃/秒以上の平均冷却速度で巻取温度まで冷却し、400〜600℃の温度範囲で巻き取ることにより、A.I.を1.5MPa以上とすることを特徴とする化成処理性に優れた熱延鋼板の製造方法。
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CN103998637A (zh) * 2011-12-08 2014-08-20 杰富意钢铁株式会社 用作冷轧原材料的热轧钢板及其制造方法

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