JP2005201316A - 車軸駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周辺部品との干渉を回避し、歯車群等の構成部品の潤滑及び冷却とリザーバタンクへの潤滑油の供給を確実に行うこと。
【解決手段】駆動源たる電動モータ1のモータ軸1a,副軸たるカウンター軸4及び車輌の車軸110に連結されるデフ軸7の3軸と、これら3本の軸1a,4,7の何れかに固定され、電動モータ1の駆動力を前記車軸110に伝達する歯車群2,3,5,6とをケース8内に備え、モータ軸1aをデフ軸7よりも車輌後方側に配置し、ケース8内に、ケース下部に潤滑油Lを貯留する貯留室8aと、この貯留室8aの潤滑油Lに浸漬している歯車3により掻き上げられた潤滑油Lを貯留するリザーバタンク9とを設け、更に当該ケース8内に、貯留室8aの潤滑油Lに浸漬している前記カウンター軸4上の歯車3が掻き上げた潤滑油Lをリザーバタンク9へと導く導油壁10を設けること。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車輌の駆動輪を回転させる車軸を電動モータにより駆動させる車軸駆動装置に関する。
従来、駆動輪の駆動源として電動モータを用いた車輌が存在する。例えば、この種の車輌としては、内燃機関及び電動モータの双方を駆動源とするハイブリッド車輌、電動モータを駆動源とする電気自動車、更には、内燃機関を一方の駆動輪(例えば前輪)の駆動源とし、他方の駆動輪の駆動源として電動モータを用いた四輪駆動車等があり、その何れにおいても、電動モータを具備し、駆動輪に連結された車軸を駆動させる車軸駆動装置が設けられている。
従来の車軸駆動装置としては、例えば図5及び図6に示す如き3軸(以下に示すモータ軸101a、カウンター軸104,デフ軸107)構成のものがある。この車軸駆動装置は、電動モータ101と、この電動モータ101の出力軸(以下、「モータ軸」という。)101aに固定されたカウンタドライブギヤ102と、このカウンタドライブギヤ102に噛み合わされたカウンタドリブンギヤ103と、このカウンタドリブンギヤ103の回転軸たるカウンター軸104と、このカウンター軸104に固定されたファイナルドライブギヤ105と、このファイナルドライブギヤ105に噛み合わされたファイナルドリブンギヤ106と、このファイナルドリブンギヤ106の回転を車軸110に伝達するデフ軸107とを備えている。
また、この車軸駆動装置においては、ケース108内に上記の如きギヤ群等が格納されているので、図6に示す如く、これらを冷却すると共に潤滑する油(以下、「潤滑油」という。)Lがケース108の下部に貯留されている。この潤滑油Lには、上記ギヤ群の中で最も径の大きいファイナルドリブンギヤ106の下部が浸漬されている。
かかる構成の車軸駆動装置は、車輌の電子制御ユニット(ECU)により電動モータ101が駆動させられると、カウンタドライブギヤ102,カウンタドリブンギヤ103,ファイナルドライブギヤ105及びファイナルドリブンギヤ106を介して電動モータ101の駆動力を車軸110及び車輪111に伝達する。
その際、回転しているファイナルドリブンギヤ106は、ケース108の下部に貯留された潤滑油Lを掻き上げる。この掻き上げられた潤滑油Lは、各ギヤ102,103,105の噛み合い面を伝達し飛散しながら、これら各ギヤ102,103,105,106や各軸101a,104,107等の潤滑及び冷却を行う。また、この掻き上げられた潤滑油Lは、ケース108内を飛散しつつ図6に示すリザーバタンク109に貯留される。
特開平9−226394号公報 特開2001−112210号公報
ここで、上述したが如き3軸構成の車軸駆動装置は、一般に、最大ギヤ径のファイナルドリブンギヤ106による潤滑油Lの掻き上げを利用して、潤滑及び冷却,並びにリザーバタンク109への供給を行う。これが為、この種の車軸駆動装置においては、図5及び図6に示す如く、モータ軸101aをデフ軸107よりも車輌の前方側に配置している(即ち電動モータ101を車輌前方側に配置する)。
しかしながら、電動モータ101をかかる位置関係で配置すると、車輌に搭載する際に、電動モータ101及びケース108がサスペンション構成部品(サスペンションメンバ120やスタビライザ121等)や燃料タンク130に干渉してしまう虞がある。
ここで、かかる干渉対策としてサスペンション構成部品や燃料タンク130の形状の変更が考えられるが、サスペンション構成部品は、操縦安定性能や乗り心地性能を担保する部品である為、容易に形状変更することは不可能である。また、燃料タンク130は、車輌の目標巡航距離を達成する為の容量を確保しなければならないので、容易に小さくすることはできない。
そこで、図7及び図8に示す如く、電動モータ101を車輌の後方側に配置すると共に、ファイナルドリブンギヤ106を車輌の前方側に配置する対策が考えられ、これにより上記の如き干渉は逃れられる。
しかしながら、かかる配置の車軸駆動装置においては、図8に示す如く、ファイナルドリブンギヤ106で掻き上げた潤滑油Lがファイナルドライブギヤ105に阻まれて、ギヤ群等の潤滑及び冷却,並びにリザーバタンク109への供給を行うことができない、という不都合が生じてしまう。これが為、この図7及び図8に示す車軸駆動装置においてギヤ群等の潤滑や冷却等を行うには、図示しないオイルポンプを設けなければならなかったが、これにより車軸駆動装置の大型化、原価の高騰等の新たな不都合を招来してしまう。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、サスペンション構成部品等の周辺部品との干渉を回避し得ると共に、電動モータを車輌の後方側に配置しても、潤滑及び冷却を要するギヤ群等の構成部品の潤滑及び冷却が行え、更にリザーバタンクへの潤滑油の供給を行い得る車軸駆動装置を大型化させず安価に提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、駆動源たる電動モータのモータ軸,副軸たるカウンター軸及び車輌の車軸に連結されるデフ軸の3軸と、これら3本の軸の何れかに固定され、前記電動モータの駆動力を前記車軸に伝達する歯車群とをケース内に備え、前記モータ軸をデフ軸よりも車輌後方側に配置し、ケース内に、ケース下部に潤滑油を貯留する貯留室と、この貯留室の潤滑油に浸漬している歯車により掻き上げられた潤滑油を貯留するリザーバタンクとを設け、更に当該ケース内に、前記貯留室の潤滑油に浸漬している前記カウンター軸上の歯車が掻き上げた潤滑油を前記リザーバタンクへと導く導油壁を設けている。
これにより、周辺部品との干渉を回避することができ、更に、歯車群等の構成部品の潤滑及び冷却やリザーバタンクへの潤滑油の供給を、車軸駆動装置を大型化させず簡易構造で安価に行うことが可能となる。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の車軸駆動装置において、前記貯留室の潤滑油に浸漬している前記カウンター軸上の歯車の最下端を、前記歯車群の中で径が最大である歯車の最下端よりも下に位置するよう配置している。
これにより、潤滑油の攪拌抵抗が低減され、更に歯車群における駆動力伝達効率が向上する。
また、上記目的を達成する為、請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の車軸駆動装置において、捩れ角を有するヘリカルギヤを前記貯留室の潤滑油に浸漬している前記カウンター軸上の歯車として設け、前記導油壁は、前記カウンター軸上の歯車の歯面との対向面を有する第1導油面と、前記カウンター軸上の歯車の側面における外郭部との対向面を有する前記第1導油面から延設された第2導油面とを備えている。
これにより、潤滑油の掻き上げ効率が向上し、リザーバタンクへの潤滑油の供給効率も向上するので、貯留室における潤滑油の油面を低下させ、更なる歯車群における攪拌抵抗の低減が図れる。
本発明に係る車軸駆動装置は、周辺部品との干渉を回避することができるだけでなく、歯車群等の構成部品の潤滑及び冷却も確実に行うことができ、更にリザーバタンクへの潤滑油の供給をも車軸駆動装置を大型化させず簡易構造で安価に行うことが可能となる。
以下に、本発明に係る車軸駆動装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る車軸駆動装置の実施例1を図1及び図2に基づいて説明する。
本実施例1の車軸駆動装置は、電動モータ101を車輌後方に配置した図7に示す車軸駆動装置と同様に、車輌の後方側に配置された図1に示す電動モータ1を駆動源として車軸110及び車輪111を駆動させる3軸(以下に示すモータ軸1a,カウンター軸4,デフ軸7)構成のものである。
先ず、駆動源たる電動モータ1は、図1に示す如く、そのモータ軸1a(1軸)がデフ軸7よりも車輌後方側に位置するよう(ここではケース8内の3軸の内で最も車輌後方に位置するよう)ケース8に固定される。このように電動モータ1を車輌後方側に配置することで、サスペンション構成部品等の周辺部品との干渉を回避することができる。
また、この車軸駆動装置は、そのケース8内に、上記モータ軸1aに固定されたカウンタドライブギヤ2と、このカウンタドライブギヤ2に噛み合わされたカウンタドリブンギヤ3と、このカウンタドリブンギヤ3のカウンター軸4(2軸)と、このカウンター軸4に固定されたファイナルドライブギヤ5と、このファイナルドライブギヤ5に噛み合わされたファイナルドリブンギヤ6と、このファイナルドリブンギヤ6の回転を車軸110に伝達するデフ軸7(3軸)とを収納している。
ここで、本実施例1にあっては、カウンタドライブギヤ2とカウンタドリブンギヤ3を車輌左側に、ファイナルドライブギヤ5とファイナルドリブンギヤ6を車輌右側に配置したものを例示する。
上記ケース8内の下部には、各ギヤ2,3,5,6及び各軸1a,4,7等のケース8内に収納された構成部品の潤滑及び冷却を行う潤滑油Lが貯留されている。ここで、本実施例1にあっては、図2に示す如く、上記カウンタドリブンギヤ3をその最下端が他のギヤ2,5,6の最下端よりも下に位置するように配置し、このカウンタドリブンギヤ3によって上記潤滑油Lの掻き上げを行う。これが為、ケース8におけるカウンタドリブンギヤ3の下方には上記潤滑油Lを貯留する貯留室8aが形成され、この貯留室8aの潤滑油Lにカウンタドリブンギヤ3の下部が浸漬されている。
このようにカウンタドリブンギヤ3の最下端を他のギヤ2,5,6の最下端よりも下にすることで、カウンタドリブンギヤ3のみによる潤滑油Lの掻き上げが可能となり、ギヤ径の大きいファイナルドリブンギヤ6で掻き上げていた従来よりも攪拌抵抗が低減される。また、これによりギヤ群における駆動力伝達効率の向上をも図り得る。
また、このケース8内には、その車輌後方側で且つ貯留室8aよりも上側にリザーバタンク9が設けられている。このリザーバタンク9は、後述する如くしてカウンタドリブンギヤ3により掻き上げられた潤滑油Lを貯留するタンクであって、貯留室8aのオイルレベルを必要最低限の高さにまで下げる為(即ちオイルレベルが高過ぎることによる車輌走行時のギヤ群の攪拌ロスを低減する為)に設けている。
ここで、このリザーバタンク9には、カウンタドリブンギヤ3によって掻き上げられた潤滑油Lをタンク内に案内し、更にタンク内の潤滑油Lをギヤ群等(特にファイナルドライブギヤ5)に供給する為のガイド部9aが貯留壁9bから延設されている。本実施例1のガイド部9aは、図2に示す如く車輌上方に向けて湾曲させた板状のものであって、その端部がファイナルドライブギヤ5及びカウンター軸4に向けられている。
これが為、車輌走行時の前後ピッチング等によってタンク内の潤滑油Lがファイナルドライブギヤ5及びカウンター軸4に供給され、これらの潤滑及び冷却が為される。また、その潤滑油Lは、ファイナルドライブギヤ5の歯面を介してファイナルドリブンギヤ6にも供給されるので、このファイナルドリブンギヤ6の潤滑及び冷却も行っている。
尚、ガイド部9aは、その端部がファイナルドライブギヤ5とファイナルドリブンギヤ6との噛合い面に向くように形成してもよく、これにより双方のギヤ5,6の潤滑及び冷却を直接行うことができる。
また、本実施例1にあっては、図2に示す如く、ガイド部9aがカウンタドライブギヤ2を包み込むようにその上方に配置されているので、カウンタドライブギヤ2への潤滑油Lの供給はガイド部9aから行うことができない。しかしながら、本実施例1にあっては、そのカウンタドライブギヤ2と噛み合うカウンタドリブンギヤ3の歯面を介して潤滑油Lが供給され、カウンタドライブギヤ2の潤滑及び冷却が行われる。
ここで、本実施例1のカウンタドリブンギヤ3は、図1に示す如く車輌左斜め前方に向けた捩れ角を有する歯が形成されたヘリカルギヤ(はすば歯車)であり、車軸駆動装置を車輌左方側から見た図2に示す如く時計回りに回転するので、掻き上げた潤滑油Lの殆どを車輌の前方及び左斜め前方に向けて飛散させる。これが為、その飛散を防いで車輌後方のリザーバタンク9に潤滑油Lを供給する為、本実施例1のケース8内には、掻き上げられた潤滑油Lを車輌後方のリザーバタンク9へと導く図2に示す導油壁10が設けられている。
本実施例1の導油壁10は、カウンタドリブンギヤ3の車輌前方側の歯面に間隔を設けて対向させた板状の湾曲部10aと、この湾曲部10aの上端から車輌後方で且つ斜め上方に向けてガイド部9aの上方まで延設した板状の延設部10bとを有し、カウンタドリブンギヤ3の車輌左側の側面と対向するケース8の内壁面に立設されている。例えば、この湾曲部10aと延設部10bからなる板状部材は、ボルトやナット等でケース8の内壁に固定されるケース8とは別体のものであってもよく、ケース8の内壁面に一体的に成型されたものであってもよい。
この板状部材は、カウンタドリブンギヤ3が車輌前方に掻き上げた潤滑油Lをリザーバタンク9に導くものであるが、より効率良く潤滑油Lをリザーバタンク9へと導く為には車輌左斜め前方に掻き上げられた潤滑油Lもリザーバタンク9に導くことが好ましい。これが為、導油壁10には、少なくともカウンタドリブンギヤ3の左側面前方の外郭部からガイド部9aの上方までの間を覆うことが可能な導油面を設ける。この導油面は、カウンタドリブンギヤ3の車輌左側の側面に対して間隔を設けて配置する。
ここで、本実施例1の板状部材はケース8の内壁面から立設されているので、その内壁面を導油面として利用する。即ち、本実施例1の導油壁10とは、上記湾曲部10a及び延設部10bからなる板状部材と、ケース8の内壁面とから構成されたものである。
このように、カウンタドリブンギヤ3をヘリカルギヤにすることで潤滑油Lの掻き上げ効率が良くなり、更に、その潤滑油Lを二つの壁面で導いてリザーバタンク9への潤滑油供給効率を向上させているので、貯留室8aの潤滑油Lの油面を低下させることができる。そして、これによりギヤ群における攪拌損失を更に低減することができる。
以上示した本実施例1の車軸駆動装置は、車輌の電子制御ユニット(ECU)により電動モータ1が駆動させられると、カウンタドライブギヤ2,カウンタドリブンギヤ3,ファイナルドライブギヤ5及びファイナルドリブンギヤ6を介して電動モータ1の駆動力を車軸110及び車輪111に伝達する。
その際、時計回りに回転しているカウンタドリブンギヤ3は、貯留室8aの潤滑油Lを車輌の前方及び左斜め前方に向けて掻き上げる。そして、この掻き上げられた潤滑油Lは、導油壁10に導かれてリザーバタンク9に貯留される。具体的に本実施例2にあっては、車輌前方に掻き上げられた潤滑油Lが導油壁10における湾曲部10a及び延設部10bからなる板状部材の導油面(第1導油面)により導かれ、車輌左斜め前方に掻き上げられた潤滑油Lがケース8の内壁面(第2導油面)により導かれる。
ここで、このカウンタドリブンギヤ3はその歯面や側面から潤滑油Lを飛散させるが、かかる部位には潤滑油Lが残存している。これが為、その歯面に残存している潤滑油Lによってカウンタドライブギヤ2との間の潤滑が為され、更にこのカウンタドライブギヤ2が冷却される。
また、走行時の車輌には、加減速等による前後方向のピッチングや上下動が起きている。これが為、リザーバタンク9の潤滑油Lが満タン又はそれに近い高さにまで貯留されていれば、そのピッチング等の動作により、リザーバタンク9からガイド部9aを介して潤滑油Lがファイナルドライブギヤ5やカウンター軸4に供給される(本実施例1にあってはカウンタドリブンギヤ3にも供給されている)。これにより、このファイナルドライブギヤ5とファイナルドリブンギヤ6との間の潤滑が為され、更にこれらファイナルドライブギヤ5及びファイナルドリブンギヤ6並びにカウンター軸4が冷却される。
このような本実施例1の車軸駆動装置は、内燃機関及び電動モータの双方を駆動源とするハイブリッド車輌、電動モータを駆動源とする電気自動車、内燃機関を一方の駆動輪(例えば前輪)の駆動源とし、他方の駆動輪の駆動源として電動モータを用いた四輪駆動車等の車輌に適用される。
ここで、本実施例1の車軸駆動装置は、車輌の後輪を駆動させる為のものとして例示したが、前輪を駆動させる為に用いてもよい。
以上示した如く、本実施例1の車軸駆動装置は、電動モータを車輌の後方側に配置しているので、車輌に搭載する上での最低限の要件たる周辺部品との干渉を回避することができる。そして、そのように電動モータを配置しても、導油壁10により潤滑油Lをリザーバタンク9へ供給することができ、ケース8内のギヤ群等の構成部品を潤滑及び冷却することができる。更に、潤滑油Lをリザーバタンク9や構成部品に供給する為のオイルポンプ等の潤滑油供給装置を要しないので、車軸駆動装置を大型化させず原価を安価に抑えることが可能となる。
尚、本実施例1にあっては湾曲部10a及び延設部10bからなる板状部材とケース8の内壁面とによって導油壁10を構成しているが、導油壁は、必ずしもかかる態様に限定するものではない。例えば、ケース8の内壁面を導油壁の一部として利用できない場合には、前述した導油面を上記板状部材から立設してもよい。かかる場合、この導油面として機能する立設部材は、板状部材の車輌左側の側端から立設してもよく、板状部材におけるカウンタドリブンギヤ3の歯面との対向面から立設してもよい。即ち、かかる場合の導油壁は、断面略L字状の湾曲部と延設部とから構成されたものでもよく、断面略T字状の湾曲部と延設部とから構成されたものでもよい。
また、本実施例1にあっては車輌左斜め前方に向けた捩れ角の歯を有するカウンタドリブンギヤ3を配設しているが、その歯面の形状如何によって導油壁の形状も異なる。例えば、カウンタドリブンギヤ3がその軸方向に対して車輌右斜め前方に向けた歯を有するヘリカルギヤであれば、上記板状部材とカウンタドリブンギヤ3の車輌右側の側面に対して間隔を空けて配置された上記立設部材とからなる導油壁を用意すればよい。また、カウンタドリブンギヤ3がその軸方向に歯を切ったスパーギヤ(平歯車)であれば、上記湾曲部10a及び延設部10bからなる板状部材のみで導油壁を構成してもよい。
次に、本発明に係る車軸駆動装置の実施例2を図3及び図4に基づいて説明する。
本実施例2の車軸駆動装置は、前述した実施例1と同様に駆動源たる電動モータ21をケース28の車輌後方側に配置した3軸(モータ軸21a,カウンター軸24,デフ軸27)構成のものであり、その実施例1との大きな相違点はケース28内の夫々のギヤ22,23,25,26の車輌左右方向における配置にある。
即ち、本実施例2にあっては、図3に示す如く、モータ軸21aに固定されたカウンタドライブギヤ22及び当該カウンタドライブギヤ22と噛み合うカウンタドリブンギヤ23を車輌右側に、このカウンタドリブンギヤ23と同一のカウンター軸24に固定されたファイナルドライブギヤ25及び当該ファイナルドライブギヤ25と噛み合うファイナルドリブンギヤ26を車輌左側に配置している点が実施例1とは異なる。また、この本実施例2にあっては、そのカウンタドリブンギヤ23の歯が車輌右斜め前方に向けた捩れ角を有するものである点についても異なる。
このように、本実施例2にあっては各ギヤ22,23,25,26の配置が実施例1とは異なるが、図4に示す如く、ケース28内の貯留室28aの潤滑油Lに浸漬され、その掻き上げを行うのは、実施例1と同様に3軸の内の真ん中のカウンター軸24に固定されたカウンタドリブンギヤ23である。これが為、本実施例2の導油壁30は、図3に示す如く車輌右側に設けられる。
また、本実施例2のカウンタドリブンギヤ23は、その歯が前述したが如く車輌右斜め前方に向けた捩れ角を有しており、車軸駆動装置を車輌左方側から見た図4に示す如く時計回りに回転するので、掻き上げた潤滑油Lを車輌の前方及び右斜め前方に向けて飛散させる。これが為、上記導油壁30は、カウンタドリブンギヤ23の車輌前方側に間隔を設けて配置される。
先ず、この導油壁30は、実施例1の導油壁10と同様に、カウンタドリブンギヤ23の車輌前方側の歯面に間隔を設けて対向させた板状の湾曲部30aと、この湾曲部30aの上端から車輌後方で且つ斜め上方に向けてガイド部29aの上方まで延設した板状の延設部30bとからなる板状部材を有している。これが為、カウンタドリブンギヤ23によって車輌前方に掻き上げられた潤滑油Lは、車輌後方のリザーバタンク29へと導かれる。
ここで、この板状部材は、ボルトやナット等でケース28の内壁に固定される別体のものであってもよく、ケース28の内壁面に一体的に成型されたものであってもよい。
次に、本実施例2の導油壁30は、より有効に潤滑油Lをリザーバタンク29へと導く為に、車輌右斜め前方に掻き上げた潤滑油Lもリザーバタンク29に導くことが好ましい。これが為、少なくともカウンタドリブンギヤ23の右側面前方の外郭部からガイド部29aの上方までの間を覆うことが可能な導油面を、カウンタドリブンギヤ23の車輌右側の側面に対して間隔を空けて設ける。ここで、本実施例2の導油壁30にあっても、その導油面としてケース8の内壁面を利用する。
このような本実施例2の車軸駆動装置においては、その駆動時に、時計回りに回転しているカウンタドリブンギヤ23が貯留室28aの潤滑油Lを車輌の前方及び右斜め前方に向けて掻き上げる。そして、この掻き上げられた潤滑油Lは、車輌前方に掻き上げられたものが導油壁30の板状部材により導かれ、車輌右斜め前方に掻き上げられたものがケース8の内壁面により導かれてリザーバタンク29に貯留される。
また、そのリザーバタンク29の潤滑油Lが満タン又はそれに近い高さにまで貯留されていれば、実施例1と同様に、車輌のピッチング動作等によりリザーバタンク29からガイド部29aを介して潤滑油Lがファイナルドライブギヤ25やカウンター軸24に供給される。これが為、このファイナルドライブギヤ25とファイナルドリブンギヤ26との間の潤滑が可能となり、更にこれらファイナルドライブギヤ25及びファイナルドリブンギヤ26並びにカウンター軸24を冷却することができる。
更にまた、カウンタドライブギヤ2の潤滑及び冷却は、実施例1と同様に、カウンタドリブンギヤ23の歯面に残存している潤滑油Lによって行われる。
以上示した如く、本実施例2の車軸駆動装置にあっても、実施例1と同様に、周辺部品との干渉を回避することができ、更に、潤滑油Lのリザーバタンク29への供給やケース28内に収納されたギヤ群等の構成部品の潤滑及び冷却を行うことができる。また、オイルポンプ等の潤滑油供給装置が不要であることから、車軸駆動装置を大型化させず原価を安価に抑えることもできる。
尚、本実施例2にあっては湾曲部30a及び延設部30bからなる板状部材とケース28の内壁面とによって導油壁30を構成しているが、導油壁は、必ずしもかかる態様に限定するものではない。例えば、ケース28の内壁面を導油壁の一部として利用できない場合には、前述した実施例1と同様の立設部材をカウンタドリブンギヤ3の車輌右側に間隔を空けて設けてもよい。
また、本実施例2にあっては車輌右斜め前方に向けた捩れ角の歯を有するカウンタドリブンギヤ23を配設しているが、その歯面の形状如何によって導油壁の形状も異なる。例えば、カウンタドリブンギヤ23がその軸方向に対して車輌左斜め前方に向けた歯を有するヘリカルギヤであれば、上記板状部材とカウンタドリブンギヤ23の車輌左側に間隔を空けて配置された上記立設部材とからなる導油壁を用意すればよい。また、カウンタドリブンギヤ23がスパーギヤ(平歯車)であれば、上記湾曲部30a及び延設部30bからなる板状部材のみで導油壁を構成してもよい。
以上のように、本発明に係る車軸駆動装置は、周辺部品との干渉対策に有用であり、特に、電動モータを車輌後方側に配置したことによるギヤ群等の潤滑性能及び冷却性能の低下や、リザーバタンクへの潤滑油供給性能の低下を簡易且つ安価に回避し得るのに適している。
本発明に係る車軸駆動装置の実施例1を車輌上方から見たスケルトン図である。 実施例1の車軸駆動装置を車輌左側から見たスケルトン図である。 本発明に係る車軸駆動装置の実施例2を車輌上方から見たスケルトン図である。 実施例2の車軸駆動装置を車輌左側から見たスケルトン図である。 電動モータが車輌前方側に配置された従来の車軸駆動装置を車輌上方から見たスケルトン図であって、この車軸駆動装置が車輌に搭載された状態を示す図である。 電動モータが車輌前方側に配置された従来の車軸駆動装置を車輌左側から見たスケルトン図である。 電動モータが車輌後方側に配置された従来の車軸駆動装置を車輌上方から見たスケルトン図であって、この車軸駆動装置が車輌に搭載された状態を示す図である。 電動モータが車輌後方側に配置された従来の車軸駆動装置を車輌左側から見たスケルトン図である。
符号の説明
1,21 電動モータ
1a,21a モータ軸(1軸)
2,22 カウンタドライブギヤ
3,23 カウンタドリブンギヤ
4,24 カウンター軸(2軸)
5,25 ファイナルドライブギヤ
6,26 ファイナルドリブンギヤ
7,27 デフ軸(3軸)
8,28 ケース
8a,28a 貯留室
9,29 リザーバタンク
10,30 導油壁
110 車軸
L 潤滑油

Claims (3)

  1. 駆動源たる電動モータのモータ軸,副軸たるカウンター軸及び車輌の車軸に連結されるデフ軸の3軸と、これら3本の軸の何れかに固定され、前記電動モータの駆動力を前記車軸に伝達する歯車群とをケース内に備える車軸駆動装置であって、
    前記モータ軸を前記デフ軸よりも車輌後方側に配置し、
    前記ケース内に、ケース下部に潤滑油を貯留する貯留室と、該貯留室の潤滑油に浸漬している歯車により掻き上げられた潤滑油を貯留するリザーバタンクとを設け、更に当該ケース内に、前記貯留室の潤滑油に浸漬している前記カウンター軸上の歯車が掻き上げた潤滑油を前記リザーバタンクへと導く導油壁を設けたことを特徴とする車軸駆動装置。
  2. 前記貯留室の潤滑油に浸漬している前記カウンター軸上の歯車の最下端を、前記歯車群の中で径が最大である歯車の最下端よりも下に位置するよう配置したことを特徴とする請求項1記載の車軸駆動装置。
  3. 捩れ角を有するヘリカルギヤを前記貯留室の潤滑油に浸漬している前記カウンター軸上の歯車として設け、
    前記導油壁は、前記カウンター軸上の歯車の歯面との対向面を有する第1導油面と、前記カウンター軸上の歯車の側面における外郭部との対向面を有する前記第1導油面から延設された第2導油面とを備えることを特徴とした請求項1又は2に記載の車軸駆動装置。
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