JP2005201434A - チェーン - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた摩耗特性を有するチェーンを提供する。
【解決手段】 各々一対の開孔を有する複数のリンク32,34と、リンク開孔を挿通する複数のブシュ28と、ブシュ開孔を挿通する複数のピン30とを設ける。ピン30がブシュ開孔内を摺動するように、ピン外径がブシュ開孔径よりも小さくなっており、ブシュ28がリンク34のリンク開孔内を摺動するように、リンク開孔径がブシュ外径よりも大きくなっている。これにより、ピン外周面がブシュ開孔内周面に当接するとともに、リンク34のリンク開孔内周面がブシュ外周面に当接しており、リンクの平面内で荷重を支持するためにブシュ内外周面の双方を使用することが一定のチェーン幅に対してベアリング面積を増加させている。
【選択図】 図3
【解決手段】 各々一対の開孔を有する複数のリンク32,34と、リンク開孔を挿通する複数のブシュ28と、ブシュ開孔を挿通する複数のピン30とを設ける。ピン30がブシュ開孔内を摺動するように、ピン外径がブシュ開孔径よりも小さくなっており、ブシュ28がリンク34のリンク開孔内を摺動するように、リンク開孔径がブシュ外径よりも大きくなっている。これにより、ピン外周面がブシュ開孔内周面に当接するとともに、リンク34のリンク開孔内周面がブシュ外周面に当接しており、リンクの平面内で荷重を支持するためにブシュ内外周面の双方を使用することが一定のチェーン幅に対してベアリング面積を増加させている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、サイレントチェーンの分野に関する。より詳細には、本発明は、一般に使用されているサイレントチェーンの改良に関する。さらに詳細には、本発明は、チェーンの関節運動部材のために、増加したベアリング領域を許容する横方向荷重支持部材を備えた、一般に使用されているサイレントチェーンの改良に関する。
ローラチェーンおよびサイレントチェーンが一般に知られている。これらのチェーンは、自動車産業に用いられている。
米国特許第 6,450,911号は、交互に配置されかつ連結ピンを介して関節運動可能に連結された多数のリンクプレートの列を有するサイレントチェーンの周面について教示している。各リンクプレートは、一対の歯およびピン穴を有している。
米国特許第 6,450,911号は、交互に配置されかつ連結ピンを介して関節運動可能に連結された多数のリンクプレートの列を有するサイレントチェーンの周面について教示している。各リンクプレートは、一対の歯およびピン穴を有している。
リンクプレートはさらに、リンクプレートの一方の面から連続して突出するとともに各ピン穴の周面を限定する筒状部を有している。筒状部は、リンクプレートの板厚に実質的に等しい高さを有している。筒状部は、リンクプレートおよび連結ピン間の接触面積を増加させることにより、連結ピンの摩耗を抑制している。
さらに、筒状部によって、各ピン穴とこれに対応する歯部の外側フランク面または内側フランク面との間の幅寸法を狭くすることなく、リンクプレートが十分な剛性および強度を維持することができる。サイレントチェーンは、全体として、比較的重量が軽い。
しかしながら、米国特許第 6,450,911号は、チェーンの各スパンの幅が増加するという欠点を有している。さらに、チェーンリンクを製作するのに、面倒な製造工程を必要とする。
米国特許第 6,485,385号は、サイレントチェーンの単一のガイドリンクを構成する3つの構造要素について教示している。すなわち、2枚のガイドプレートと、ガイドプレート間に配置された少なくとも1枚のガイドリンクプレートと、ガイドプレートに圧入された2本の丸い連結ピンとが、(Pm+Dm−Dp’)−Pg’=0の式を満足するように構成されている。
ここで、Pmは、ガイドリンクプレートのピン穴中心間の距離で表されるリンクプレートピッチである。Dmは、ガイドリンクプレートのピン穴の内径である。Dp’は、各ガイドプレートに圧入された丸い連結ピンの外径である。Pg’は、丸い連結ピンに圧入される各ガイドプレートのピン穴中心間の距離によって表される圧入後のガイドプレートピッチである。
サイレントチェーンの組立状態においては、各連結ピンは、その外周面がガイドリンクプレートおよび関節運動リンクのピン穴の内周面と接触としつつ、真っ直ぐに延びている。関節運動リンクは、ピンに対して運動するとともにベアリング面を形成している。
しかしながら、ガイドリンクプレートおよび関節運動リンクのピン穴の内周面と接触するピン外周面は、ベアリング面が上述の接触領域に依然として限定されているという欠点を有している。
チェーン産業においては、サイレントチェーンの性能を改良するための探究が引き続いて行われている。当該分野においては、チェーンの関節運動要素の接触面またはベアリング面を増加させたサイレントチェーンの必要性が存在している。
ブシュ型ローラチェーンの断面が図1に示されている。ローラチェーンは、典型的には、ピン14およびブシュ12間における最大限のベアリング長さにより、非常に優れた摩耗特性を有している。ピン14がブシュ12内で回転するとき、ピン14は、ブシュ12の全長に沿って良好に支持されている。
ピン14およびブシュ12間の密接した嵌合状態は、良好な摩耗抵抗を提供する。ローラチェーンはさらに、リンク16,18を有している。リンク16はまた、ブシュ列リンクとしても知られている。リンク18はまた、ピン列リンクとしても知られている。
チェーン駆動装置によって発生するノイズは、種々のノイズ源から生じている。ローラチェーン駆動装置においては、ノイズの一部は、噛合時にチェーンがスプロケットに衝突することによって発生する衝突音によって引き起こされる。
衝撃音の大きさつまりノイズレベルは、とりわけ、チェーンおよびこれと噛み合うスプロケット間の衝撃速度により影響を受ける。特定の瞬間または時間増分においてスプロケットと接触するチェーンローラの質量は、ノイズレベルにも影響を与える。
自動車用チェーン駆動装置において、全体のノイズレベルおよびピッチ周波数ノイズ分布を低減させて、これにより、純音成分の不快な影響を最小限に抑えるために、多くの努力がなされてきた。
サイレントチェーンは、一般に、ノイズの発生が最小限に抑えられなければならない自動車用のアプリケーションにおいて用いられている。リンクフランク面の形状の変更は、ノイズレベルを著しく減少させることが知られている。
ローラチェーンが、自動車用のアプリケーションにおいて用いられている。しかしながら、ローラチェーンの適用は、通常、ノイズの発生が主要な関心事ではないアプリケーションに限定されている。ローラチェーンは、その構成部品によって示される摩耗抵抗によって特徴付けられる。
典型的なサイレントチェーンが図2Aおよび図2Bに示されている。無端状に交互に連結されたガイドリンク列およびノンガイドリンク列を有している。典型的には、各ガイドリンク列は、一対のガイドプレート15と、各ガイドプレート間に配置された少なくとも一つの内側リンクプレート13とを有している。
ガイドプレート15および内側リンクプレート13は、サイレントチェーンの走行方向(図上下方向)に間隔を隔てて配置された一対のピン穴つまり開孔19をそれぞれ有している。ノンガイドリンク列は、典型的には、2つまたはそれ以上の内側リンクプレート11を有している。ノンガイドリンク列内側リンクプレート11は、ガイドプレート15およびガイド列内側リンクプレート13と同様に、間隔を隔てた一対のピン穴19をそれぞれ有している。
ガイドプレート15、ガイド列内側リンクプレート13およびノンガイド列内側リンクプレート11は、各プレートの横方向に整列したピン穴19内に挿入された連結ピン17によって関節運動可能に連結されている。連結ピン17は、丸ピンまたは一対のロッカージョイントピンである。
サイレントチェーンは、一般に、ノンガイド列内側リンクプレートとピンとの間のベアリング面が相対的に短くまたその質が劣っていることにより、摩耗性能があまりよくない。利用可能なベアリング長さは、同じ幅のローラチェーンよりかなり小さい。さらに、サイレントチェーンにおいては、ベアリング面が、ローラチェーンで用いられている連続したブシュ穴ではなく、数枚の内側リンクの開孔から形成されている。
サイレントチェーンにおいて具現化された一つの使用法は、チェーンとスプロケットとの噛合いを通じて、ドライブスプロケットおよびドリブンスプロケット間で動力を伝達することにある。
実際の例によれば、サイレントチェーンは、自動車エンジンのクランクシャフトスプロケットおよびカムシャフトスプロケットの回りに巻き掛けられており、またはトランスファーユニットのスプロケットの回りに巻き掛けられている。サイレントチェーンがスプロケットと噛み合い始めるとき、各リンクプレートのフランク面がスプロケット歯と衝突することにより、ノイズが発生する。
サイレントチェーンにおける既知の利点の一つは、サイレントチェーンの歯部フランク面のスプロケットに対する噛合いによる、改良されたNVH(つまりノイズ、振動および耳障り感)特性である。他方、ローラチェーンは、上述したように、優れた摩耗特性を有している。
理解されるように、ローラチェーンの摩耗特性およびサイレントチェーンのNVH特性が組み合わされた、改良されたサイレントチェーンを提供するために、ローラチェーンおよびサイレントチェーンの有用な特性を独特な手法でそれぞれ組み合わせるのは望ましいことである。さらに、チェーンの関節運動要素間の総ベアリング面積を増加させることによって、ローラチェーンに優れた摩耗特性を提供するのは望ましいことである。
米国特許第6,450,911号明細書
米国特許第6,485,385号明細書
このように本発明は、優れた摩耗特性を有するチェーンを提供しようとしている。さらに本発明は、優れた摩耗特性を有するとともに優れたNVH特性を有するチェーンを提供しようとしている。
請求項1の発明に係るチェーンは、各々一対のリンク開孔を有する複数のリンクと、それぞれリンクの少なくとも一つのリンク開孔を挿通するとともに、部材開孔を有する複数の横方向荷重支持部材と、それぞれリンクの少なくとも一つのリンク開孔を挿通しかつ横方向荷重支持部材の少なくとも一つの部材開孔を挿通する複数の丸ピンとを備えている。 そして、ピンの外周面が横方向荷重支持部材の部材の内周面に対して相対運動可能なように、丸ピンの外径が横方向荷重支持部材の部材開孔の内径よりも小さくなっており、横方向荷重支持部材の外周面がリンクのリンク開孔の内周面に対して相対運動可能なように、少なくとも一つのリンクのリンク開孔の開孔径が横方向荷重支持部材の外径よりも大きくなっている。これにより、丸ピンの外周面が横方向荷重支持部材の部材開孔の内周面に当接するとともに、横方向荷重支持部材が挿通するリンク開孔の内周面が横方向荷重支持部材の外周面に当接しており、リンクの平面内で荷重を支持するために横方向荷重支持部材の内外周面の双方を使用することが一定のチェーン幅に対してベアリング面積を増加させている。
請求項2の発明では、請求項1において、横方向荷重支持部材がブシュである。
請求項3の発明では、請求項1において、複数のリンクが、複数の第1のリンクと、複数の第2のリンクと、複数の外側リンクとから構成されており、各横方向荷重支持部材が、第2のリンクにおける少なくとも一つのリンク開孔を挿通しており、各丸ピンが、外側リンクにおける少なくとも一つのリンク開孔を挿通している。そして、少なくとも一つの第1のリンクからなる第1の列と、チェーンの各縁部に配置された少なくとも一つの外側リンクおよび少なくとも一つの第2のリンクからなる第2の列との間で、各リンクが列をなして配列されている。第1のリンクおよび横方向荷重支持部材が、これらの間で何ら相対運動が生じないように固定されている。横方向荷重支持部材の外周面が第2のリンクのリンク開孔の内周面に対して相対運動可能なように、第2のリンクのリンク開孔の開孔径が横方向荷重支持部材の外径よりも大きくなっている。外側リンクのリンク開孔の内周面および丸ピンの外周面の間で何ら相対運動が生じないように、外側リンクのリンク開孔の開孔径および丸ピンの外径が強固に係合している。これにより、チェーンが、横方向荷重支持部材に強固に固定された第1のリンクからなる第1の列と、横方向荷重支持部材に対して動き得るように取り付けられた第2のリンクからなる第2の列と、ピンに固定された外側リンクとから構成されており、第1の列および第2の列がチェーンの走行方向に沿って互いに関節運動可能に連結されている。
請求項4の発明では、請求項3において、第1のリンクが、一対のリンク開孔を有する第1のリンク本体と、一対の突出部からなる荷重支持部とをさらに備え、各突出部が、第1のリンク本体の各リンク開孔において第1のリンク本体から横方向に延びており、これにより、第1のリンクのリンク開孔の内周面の長さが増加している。
請求項5の発明では、請求項3において、第1のリンクが内向き歯付リンクである。
請求項6の発明では、請求項3において、第2のリンクが内向き歯付リンクである。
請求項7の発明では、請求項3において、外側リンクが内向き歯付リンクである。
請求項8の発明では、請求項3において、外側リンクがガイドリンクである。
請求項9の発明では、請求項3において、第2のリンクがチェーンの中心線に沿って配置されている。
請求項10の発明では、請求項9において、第2のリンクが、内向き歯のない中央ガイドリンクである。
請求項11の発明では、請求項3において、各第1の列がノンガイド列である。
請求項12の発明では、請求項3において、各第2の列が、チェーンの中心線に沿って対称に配置された複数の第2のリンクから構成されている。
請求項13の発明では、請求項3において、各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンクおよび外側リンクの順に、リンクを挿通している。
請求項14の発明では、請求項13において、少なくとも一つの第1のリンクの各々が、2枚の第1のリンクから構成されている。
請求項15の発明では、請求項13において、少なくとも一つの第2のリンクが、2枚の第2のリンクから構成されている。
請求項16の発明では、請求項15において、少なくとも一つの第1のリンクの各々が、2枚の第1のリンクから構成されている。
請求項17の発明では、請求項16において、2枚の第2のリンクの間に配置された第3のリンクをさらに備えており、第3のリンクが第1の列にあって、内向き歯のないリンクである。
請求項18の発明では、請求項3において、各ピンが2本の横方向荷重支持部材を挿通していることにより、横方向荷重支持部材の内周面が各ピンに対して不連続になっている。
請求項19の発明では、請求項18において、各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、および外側リンクの順に、リンクを挿通している。
請求項20の発明では、請求項19において、2本の横方向荷重支持部材が、少なくとも一つの外側リンクによってピン上で分離されている。
請求項21の発明は、請求項18において、2本の横方向荷重支持部材が、少なくとも一つの第3のリンクによって隔てられており、各第3のリンクが第2の列に配置されるとともに一対のリンク開孔を有しており、丸ピンの外周面が第3のリンクのリンク開孔の内周面に対して相対運動可能なように、第3のリンクのリンク開孔の内径が丸ピンの外径よりも大きくなっている。
請求項22の発明では、請求項21において、各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第3のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、および外側リンクの順に、リンクを挿通している。
請求項23の発明では、請求項18において、2本の横方向荷重支持部材が、少なくとも一つの第3のリンクによって隔てられており、各第3のリンクが第2の列に配置されるとともに一対のリンク開孔を有しており、第3のリンクのリンク開孔の内周面および丸ピンの外周面の間で何ら相対運動が発生しないように、第3のリンクのリンク開孔の内径および丸ピンの外径が強固に係合している。
請求項24の発明では、請求項23において、各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第3のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、および外側リンクの順に、リンクを挿通している。
請求項25の発明では、請求項18において、各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、および外側リンクの順に、リンクを挿通している。
請求項26の発明では、請求項25において、少なくとも一つの第2のリンクが2枚の第2のリンクから構成されている。
本発明によれば、ローラチェーンよりも優れた摩耗特性を有し、従来のサイレントチェーンよりもはるかに優れた摩耗特性を有する改良型サイレントチェーンが提供されている。従来のサイレントチェーンのNVH特性、つまりノイズ(noise)、振動(vibration)および耳障り感(harshness)特性を有する改良型サイレントチェーンが提供されている。従来のサイレントチェーンと同様の重量を有する改良型サイレントチェーンが提供されている。
本発明によるチェーンは、複数のリンクを有している。各リンクは、一対のリンク開孔を有している。各リンク開孔は、或る開孔径の開孔内面を有している。チェーンはまた、複数の横方向荷重支持部材を有している。各支持部材は、外径を有する外面と、内面および内径を有する部材開孔とを有している。各支持部材は、少なくとも一つのリンク開孔を挿通している。
チェーンはまた、複数の円柱状ピンを有している。各ピンは、外径を有する外面を有しており、少なくとも一つのリンク開孔および少なくとも一つの部材開孔を挿通している。ピンの外面が支持部材の内面に対して移動できるように、ピンの外径は部材開孔の内径よりも小さくなっている。支持部材の外面がリンクの開孔内面に対して移動できるように、少なくとも一つのリンクの開孔径は支持部材の外径よりも大きくなっている。
本チェーンにおいては、ピンの外面が支持部材の内面に当接して摺動するとともに、支持部材が挿通する開孔内面が支持部材の外面に当接して摺動するように構成されている。リンク平面内で荷重を伝達するのに、支持部材の内外面双方を使用することにより、一定のチェーン幅に対してベアリング面を増加させることができる。
本発明の一実施例においては、複数枚のリンクが、複数枚の第1のリンクと、複数枚の第2のリンクと、複数枚の外側リンクとから構成されている。各横方向荷重支持部材は、少なくとも一つの第2のリンクの開孔を挿通している。各ピンは、少なくとも一つの外側リンクの開孔を挿通している。
リンクは、少なくとも一つの第1のリンクからなる第1の列と、チェーンの各縁部における少なくとも一つの外側リンクおよび少なくとも一つの第2のリンクからなる第2の列との間で、交互に配置されている。第1のリンクおよび横方向荷重支持部材は、これらの間で何ら相対運動が生じないように、固定されている。
部材外面が第2のリンクの開孔内面に対して移動できるように、第2のリンクの開孔径は部材外径よりも大きくなっている。外側リンクの開孔内面およびピン外面の間で相対運動が何ら生じないように、外側リンクの開孔径およびピン径は強固に係合している。
本チェーンは、横方向荷重支持部材に固定された第1のリンクの第1の列と、横方向荷重支持部材の上で移動可能な第2のリンクの第2の列と、ピンに固定された外側リンクとを交互に配置することによって、構成されている。第1の列および第2の列は、チェーン走行方向に沿って互いに関節運動可能に連結されている。
第1の列は、好ましくは、ノンガイド列である。第1のリンクは、好ましくは、内向き歯付リンクである。外側リンクは、好ましくは、内向き歯付リンクである。外側リンクは、好ましくは、ガイドリンクである。
第2のリンクは、好ましくは、内向き歯付リンクである。いくつかの実施例においては、第2のリンクがチェーンの中心線に沿って配置されている。本発明の一実施例においては、第2のリンクが内向き歯のない中央ガイドリンクである。
本発明のいくつかの実施例においては、横方向荷重支持部材がブシュである。他の実施例においては、第1のリンクが、一対の第1リンク開孔が形成された第1リンク本体を有している。各第1リンク開孔は、第1リンク開孔径を有する第1リンク開孔内面を有している。
第1のリンクはさらに、横方向荷重支持部材を有しており、各支持部材は一対の突出部を有している。各突出部は、各第1リンク開孔において第1リンク本体から横方向に延びている。これにより、第1リンク開孔内面の幅が増加するとともに、突出部外径を有する突出部外面を構成している。
本発明の異なる実施例は、リンクの異なる配列を有している。いくつかの実施例では、各ピンが、外側リンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の第2のリンク、少なくとも1枚の第1のリンクおよび外側リンクの順で、リンクを挿通している。一実施例においては、少なくとも1枚の第1のリンクが2枚の第1のリンクを有している。また、少なくとも1枚の第2のリンクが2枚の第2のリンクを有している。
一実施例においては、少なくとも1枚の第1のリンクが2枚の第1のリンクを有し、少なくとも1枚の第2のリンクが2枚の第2のリンクを有している。本発明の他の実施例においては、2枚の第2のリンクの間に第3のリンクをさらに有している。第3のリンクは、第1の列にあって、内向き歯のないリンクである。
他の実施例においては、各ピンが2つの横方向荷重支持部材を挿通しており、部材内面が各ピンにおいて不連続になっている。一実施例においては、各ピンは、外側リンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の第2のリンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の外側リンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の第2のリンク、少なくとも1枚の第1のリンクおよび外側リンクの順に、リンクを挿通している。他の実施例においては、2つの横方向荷重支持部材が、少なくとも一つの外側リンクによってピンの上で分離されている。
本発明の他の実施例においては、2つの横方向荷重支持部材が、少なくとも1枚の第3のリンクによって分離されている。各第3のリンクは、第2の列にあって、一対の第3リンク開孔を有している。各第3リンク開孔は、それぞれ第3リンク開孔径を有する第3リンク開孔内面を有している。
これらの実施例のうちの一つにおいては、ピン外面が第3リンク開孔内面に対して移動できるように、第3リンク開孔径がピン径よりも大きくなっている。他の実施例においては、第3リンク開孔内面およびピン外面が、これらの間で相対運動が何ら生じないように、強固に係合している。
一実施例においては、各ピンが、外側リンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の第2のリンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の第3のリンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の第2のリンク、少なくとも1枚の第1のリンクおよび外側リンクの順で、リンクを挿通している。
他の実施例においては、各ピンが、外側リンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の第2のリンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の第2のリンク、少なくとも1枚の第1のリンク、少なくとも1枚の第2のリンク、少なくとも1枚の第1のリンクおよび外側リンクの順で、リンクを挿通している。他の実施例においては、少なくとも1枚の第2のリンクが、2枚の第2のリンクを有している。
本発明およびその目的をさらに理解するためには、図面、図面の簡単な説明、本発明の好ましい実施態様の詳細な説明および特許請求の範囲に注意が向けられるべきである。
本発明によれば、複数のリンクを備えたチェーンにおいて、丸ピンが相対運動可能に挿通する部材開孔を有しかつ一部のリンク開孔を相対運動可能に挿通する外周面を有する横方向荷重支持部材を設けるようにしたので、横方向荷重支持部材の内外周面を荷重支持面として利用でき、これにより、一定のチェーン幅においてベアリング面積を増加させることができ、その結果、優れた摩耗特性を実現できる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
本発明は、ローラチェーンの摩耗特性とサイレントチェーンのNVH特性とが創作性を有する形に組み合わされるように、従来のローラチェーンの特徴とサイレントチェーンの特徴とを独特の手法で組み合わせている。本発明により組み合わされた全体は、チェーンの関節運動要素間で総ベアリング面積を増加させており、これにより、ローラチェーンに対して優れた摩耗特性を提供している。
本発明は、ローラチェーンの摩耗特性とサイレントチェーンのNVH特性とが創作性を有する形に組み合わされるように、従来のローラチェーンの特徴とサイレントチェーンの特徴とを独特の手法で組み合わせている。本発明により組み合わされた全体は、チェーンの関節運動要素間で総ベアリング面積を増加させており、これにより、ローラチェーンに対して優れた摩耗特性を提供している。
本発明のすべての実施例において、横方向荷重支持部材の外面および内面は、一定のチェーン幅に対して荷重支持面積(ベアリング面積)を増加させるように用いられている。第1の組の実施例においては、荷重支持部材はブシュを有している。第2の組の実施例においては、荷重支持部材は、ノンガイド列内側リンク上の突出部を有している。
本発明の基本概念を開示する本発明の一実施例が、図3に示されている。この第1の実施例においては、ノンガイド列に2対の内側リンク32が設けられている。ガイド列には、2枚の内側リンク34が設けられている。また、一対の外側ガイドリンク22が設けられている。
ガイド列内側リンク34は、無端状チェーンの幅方向中央に配置されており、チェーンの中心線100が2枚のリンク34を仕切っている。中心線100はまた、ガイドリンク22およびノンガイド列内側リンク32も仕切っている。
チェーンは、一対の外側ガイドリンク22によって、図示しないスプロケット上でガイドされる。ガイドリンク22を含む各リンクは、一対の開孔を各端部に有している。各開孔は内周面を有している。各開孔は、種々のリンクを連結して無端状チェーンにするために、ピン30またはブシュ28のような連結部材を受け入れている。
各ノンガイド列内側リンク32は、各端部に一対の開孔を有している。これらのリンク32の各開孔内には、相対運動が生じないようにブシュ28に圧入される内周面が設けられている。各ガイド列内側リンク34は、各端部に一対の開孔を有している。これらのリンク34の各開孔には、相対運動が生じるようにブシュ28に対してベアリング面として用いられる内周面33が設けられている。
図3は、一組の横方向荷重支持部材28がいくつかのリンクおよびピン30の間に配置されている点で、本発明のいくつかの概念を示している。同図においては、横方向荷重支持部材がブシュ28である。とくに、ノンガイド列内側リンク32およびガイド列内側リンク34は、これらの開孔およびピン30の間に配置されたブシュ28を有している。
各ブシュ28は、外面26および内面40を有している。外面26は、ブシュ28の外径ODの上に分布する一組の点によって限定されている。内面は、ブシュ28の内径IDの上に分布する一組の点によって限定されている。この実施例では、2枚のリンク34が設けられている。
リンク34の各開孔には、ブシュ28の外面26と接触するベアリング面33として、内面が限定されている。この接触は、固定されておらず、2つの接触面の相対運動を許容している。ノンガイド列には、さらに4枚のリンク32が設けられており、これらは、ガイド列内側リンク34および外側ガイドリンク22の間に配置されている。
ガイド列内側リンク34およびノンガイド列内側リンク32は、内向き歯を有している。ノンガイド列内側リンク32の各開孔は、これと接触するブシュ28の外面26に固定されている。
理解されるように、本発明は、ブシュ28の外面26に係合する内周面が形成された開孔を有するリンク34を提供しており、これにより、チェーン組立体全体として荷重を支持するために追加されたベアリング面が提供されている。
本発明における総ベアリング面は、ピン30のブシュ28に対するベアリング面(ブシュ28の内面40とピン20の外面との間において接触のために設けられた面)と、ブシュ28のリンク34に対するベアリング面(ブシュ28の外面26とリンク34のピン穴内面との間において接触のために設けられた面)33との総計である。
チェーンの引張荷重の一部がピン30およびブシュ28の界面で支持されるようにするとともに、チェーンの引張荷重の残りの部分をリンク34およびブシュ28外周の界面で支持されるようにすることによって、ピン30およびブシュ28間の実荷重が、従来のローラチェーンと比べて減少する。
これにより、無端状チェーンの関連部分の摩耗を減少させることができる。チェーンおよびスプロケット間のトルク伝達接触は、内向き歯リンク32,34によって行われ、これにより、サイレントチェーンのNVH性能が提供される。
本発明の第2の実施例が図4に示されている。図3と同様に、リンク22,32および34を有する無端状チェーンが提供されている。また、ブシュ28およびピン30も提供されている。この実施例では、ノンガイド列に2枚のリンク32のみが用いられている。各リンク32は、リンク22およびリンク34間に配置されている。すべてのリンク対は、チェーンの中心線100に関して実質的に対称になっている。
図5A〜図5Cには、本発明の第3の実施例が示されている。この実施例では、無端状チェーンは、ガイド列の中央リンク20によって同様にプロケット(図示せず)上でガイドされており、中央リンク20は、スプロケットの溝(図示せず)に係合している。中央リンク20は、図5Bに示すように、内向き歯を有していない。
残りのリンクは、内向き歯を有している。図5Aおよび図5Cの内側リンク24は、他の実施例に示されるノンガイドリンク32と機能的に同一であるが、多くの場合、幅広になっている。内側リンク24は、ブシュ28に固定されている。たとえば、リンク24は、ブシュ28に圧入されている。
したがって、ブシュ28の外径とリンク24の内面との間では、何ら相対運動は発生しない。サイレントチェーンにおいて中央ガイドリンクを使用することは、当該分野では周知である。しかしながら、本発明は、ブシュ28の外面26に装着される中央ガイドリンク20を提供しており、これにより、荷重を支持するための追加されたベアリング面が提供されている。
この設計における総ベアリング面は、ピン30のブシュ28に対するベアリング面(ブシュ28の内面40とピン30の外面との間において接触のために設けられた面)と、ブシュ28のリンク20に対するベアリング面(ブシュ28の外面26と中央ガイドリンク20のピン穴内面との間において接触のために設けられた面)との総計である。
チェーンの引張荷重の一部をピン30およびブシュ28の界面で支持するとともに、チェーンの引張荷重の残りの部分を中央ガイドリンク20およびブシュ28外周の界面で支持することによって、ピン30およびブシュ28間の実荷重が減少する。
これにより、チェーンの関連部分の摩耗を減少させることができる。チェーンおよびスプロケット間のトルク伝達接触は、内向き歯リンク22,24によって行われ、これにより、サイレントチェーンのNVH性能が提供される。
本発明の第4の実施例が図6に示されている。この実施例は、より多くのリンク要素を備えた幅広のチェーンを示している。単一の中央ガイドリンク20が第1の列に設けられるとともに、中心線100に沿って配置されている。高強度化のために、第1の列にはさらに、2対の内側リンク32が設けられている。
この場合には、中央ガイドリンク20および内側リンク32は、ブシュ28の外径に対しては移動しない。ブシュ28の外径に対して関節運動する穴内面をリンク34が有しているところのベアリング面33が、提供されている。これらのリンク34の開孔は、ブシュ28の外径に当接している。ピン30は、ブシュ28の内径内で最大長さのベアリング面を有している。
ガイド列において一つまたはそれ以上のリンク34とベアリング接触するためにブシュ28の外径を利用することによって、前記実施例と同様に、関節運動部材間に追加されたベアリング面が提供されている。リンク22,32および34は、内向き歯を有しており、スプロケット歯と噛み合う。これにより、サイレントチェーンのNVH性能が提供されている。
前記実施例のいずれの場合においても、ブシュの外径に当接するリンクを追加することにより、ピン30によって支持される荷重がローラチェーンに比べて減少するということが注目される。
ピン30によって支持される荷重の減少は、ピン30およびブシュ28間の摩耗を減少させる。その結果、ローラチェーンに比べて優れた摩耗性能を発揮する一方、スプロケットと接触する内向き歯付リンクを採用することによってサイレントチェーンのNVH性能を提供する設計に帰着することになる。
運転中において、もしリンク間で荷重分担に不均衡があれば、各要素は摩耗して荷重分担を向上させる。たとえば、もし外側リンク22が理想的な荷重以上の荷重を支持していれば、ピン30はすぐに初期摩耗し、荷重分担が自然に釣り合うようになるまで、同じ列の中央リンクまたはその他のリンク34または20の荷重分担を増加させる。このように釣り合い状態まで自然に摩耗する傾向は、寸法許容範囲のチェーン性能への影響を減少させるのに役立つ。
本発明においては多数の実施例が存在する。図7および図8に示された実施例では、荷重を支持するのに、ブシュ28の内面40および外面26の双方を使用しており、これにより、摩耗抵抗のための大きなベアリング面を提供する一方、NVHのためにサイレントチェーンリンク32,34の使用を許容している。
チェーンは、ローラチェーンと少なくとも同じベアリング面積を提供している。荷重は、ブシュ28の内面40および外面26の双方に伝達されており、これにより荷重を配分している。
さらに、本発明は、相対的に限定されたチェーン幅においてベアリング面積を増加させている。このことは、図8のリンクを用いたチェーンの断面を示す図7に示されている。また図8は、本発明の一実施例を採用するチェーンの誇張された正面部分図である。
図8は、本発明の一実施例を採用するチェーンの誇張した正面部分図であり、無端状チェーンの一部を構成するリンクとしてリンク34を示している。リンク34は、一対の開孔38を有している。各開孔38は、ベアリング面33を有している。
ベアリング面33は、ブシュ28とその外面26で接触する。ピン30は、ブシュ28の内面40と接触する。理解されるように、ベアリング面33は、無端状チェーンの荷重を分担するために支持面を増加させる。
とくに図8の断面に示されるように、ピンの外面はブシュの内面と接触して、ブシュに対して回動する。ガイド列内側リンク34の開孔の内面は、ブシュの外面と当接しており、ブシュに対して関節運動する。同じ平面内において、荷重を支持するのにブシュの内外面双方を使用することは、与えられたチェーン幅に対してベアリング面積を増加させる。
これらの実施例のいずれの場合においても、種々のリンクの板厚および枚数は、チェーンの強度および摩耗抵抗を最適化するように調整され得る。ピンの直径、ブシュの内径および外径もまた、強度および摩耗抵抗の最高の組合せを提供するように調整され得る。チェーンの関節運動部材間において最大の総ベアリング面積を提供することによって、摩耗抵抗が最適化される。
本発明は、ローラチェーンに対する改良であり、ブシュの外面と一つまたはそれ以上の荷重支持リンクとの間に新たなベアリング面を提供するとともに、ピンを介して荷重を減少させることによって、摩耗を低減させている。
ところで、従来のローラチェーンにおいては、すべての引張荷重がピンを通じて作用しなければならず、ピン強度の限界がチェーンの荷重伝達能力を制限している。これに対して、本発明による改良型チェーンは、ピン曲げ応力を減少させるとともに、引張荷重の一部をブシュの外径を通じて荷重支持リンクに伝達させることにより、強度を増加させる。
さらに、本発明は、スプロケット歯と噛み合うリンク形状として、いくつかのリンクを内向き歯リンクにすることによってノイズを減少させることにより、ローラチェーンを改良している。
本発明はまた、チェーンの内側および外側に配置された各ドリブンシャフトに取り付けられたスプロケットまたは歯付プーリと噛み合うことができる二重噛合型サイレントチェーンをも意図しているということが注目される。
たとえば、二重噛合型サイレントチェーンは、エンジンのクランクシャフトからカムシャフト(またはオイルポンプのような補機装置のシャフト)に回転運動を伝達するためのタイミングチェーンとして用いられている。理解されるように、二重噛合型サイレントチェーンは、チェーンの内側および外側に配置されたドリブンシャフトが逆方向に回転される場合に採用される。
図9ないし図14は、本発明の追加の実施例を示しており、これらのチェーンは幅広で高強度のチェーンであって、二重列のローラチェーンに匹敵するものである。これらの変形例は、チェーンに高強度が要求された場合に適切なものである。
これらのチェーン配列のいずれもが、具体的なチェーン設計の要求に応じてそのようなチェーン設計に適しているが、その他の変形例も可能である。示されたすべての変形例において、要求された強度および幅を得るのに必要なように、異なる量または厚みのリンクが任意の位置で代用される。
図9Aにおいて、ガイドリンク22はスプロケット歯と噛み合わない。内側リンク32,34は、内向き歯付リンクであり、スプロケット歯と噛み合う。内側リンク32のいくつかはチェーンのノンガイド列に配置されており、その他の内側リンク34はガイド列に配置されている。ピン30はチェーンを幅方向に挿通している。各ピン30には、二つのブシュ28が取り付けられている。
この実施例は、図3に示された実施例の実質的に二重列仕様または二重幅仕様である。このタイプの「二重列」配列は、「単一列」配列で得ることができる強度よりも高強度が要求される個所に設けられている。図9Bは、図9Aに示されたリンク32よりも薄い内側リンク32がリンク対として用いられている点を除いて、図9Aと同一である。
図10は、チェーン配列の中央にガイドリンク22が設けられていない本発明の好ましい実施例を示している。図9Aと同様に、チェーンは、ノンガイド列内側リンク32と、ガイド列内側リンク34とを有している。中央のリンク36はガイド列に配置されているが、内向き歯付リンクである。
このような設計は、ガイドリンクのみがチェーンの外側に配置されていることにより、単純なスプロケット上で運転される。また、この設計では、ノンガイド列内側リンク32がブシュ28の外径に強固に(つまりしまりばめで)嵌合しており、ガイド列内側リンク34がブシュ28に対して関節運動可能なようにブシュ28の外径にすきまを介して(つまりすきまばめで)係合しており、中央のリンク36はピン30に嵌合している。
なお、中央のガイド列内側リンク36は、具体的な設計要求に応じて、ピン30に圧入されていてもよく、あるいは、すきまを介してピン30に係合していてもよい。チェーン組立体における具体的な設計要求および性能要求に応じて、この実施例における内側リンク32,34,36よりも多数または少数の内側リンクを使用するようにしてもよい。
図11は、図10に類似した配列を示しており、ここでは、中央のガイド列内側リンク36およびノンガイド列内側リンク32の枚数が少ないものが示されている。
図12は、ブシュ28がチェーンの幅方向中央まで突出している配列を示している。このような設計は、ガイドリンク22、ノンガイド列内側リンク32およびガイド列内側リンク34という3種類のリンクのみを要求する点で、図9Aないし図11に示した実施例に対して利点を有している。
図12は、ブシュ28がチェーンの幅方向中央まで突出している配列を示している。このような設計は、ガイドリンク22、ノンガイド列内側リンク32およびガイド列内側リンク34という3種類のリンクのみを要求する点で、図9Aないし図11に示した実施例に対して利点を有している。
すべてのガイド列内側リンク34はブシュ28の外径に嵌合しており、これにより、摩耗抵抗のための追加されたベアリング面積が提供されている。この変形例は、与えられたチェーン幅に対して最大のベアリング面積を提供している。また、リンク枚数は、具体的な設計要求に応じて変化する。
本発明の最終の実施例の組においては、横方向荷重支持部材が、ノンガイド列内側リンクに装着される突出部を有している。これらの実施例は、別個の部材として、ブシュを有してはいない。
図13Aは、別個の構成要素としてのブシュ28を省略しており、内側リンク42に突出部43を設けることによってブシュ28の機能を提供している。このリンク突出部43は、図13Bおよび図13Cにおいてより明確に示されている。これは、突出部43の内外径の双方がベアリング面として用いられている点で、サイトウによる米国特許第 6,540,911号の改良である。
突出部43がブシュ28の機能を提供しているという点を除いて、ベアリング面のためにブシュ28の内外径の双方を使用することの同じ利点のすべてがこの実施例に適用される。図13Bおよび図13Cに示すように、ノンガイド列内側リンク42の各々はいずれの方向に配向されていてもよい。
図14は、図13Aに示された変形例の「二重列」配列を示している。この実施例に示された中央のガイドリンク22もまた、図9Aから図10でなされた変更と同様にして、内側リンク36に置き換えることが可能である。
要約すると、本発明は、幅広で高強度のチェーンを提供する。一実施例においては、チェーンは、配列の中央にガイドリンクを有している。本発明の他の実施例においては、チェーンは、配列の中央に内側リンクを有している。
本発明の一実施例においては、ブシュの外径に圧入されるリンクに対して非対称でかつ突出した片持ち支持のブシュが用いられている。最後に、ベアリング面が摩耗に耐えるためにリンク突出部の内外径の双方を依然として利用しつつ、ブシュを置換するためにリンク突出部を使用するという考え方が示されている。
本明細書中で記述された発明の実施例が本発明の原理の適用の単なる例示にすぎないということが注目されるべきである。例示された実施例の詳細にここで言及することは、特許請求の範囲を限定する意図ではない。
22: 外側ガイドリンク
26: 外面
28: ブシュ(横方向荷重支持部材)
30: ピン
32,34: 内側リンク
33: ベアリング面
40: 内面
26: 外面
28: ブシュ(横方向荷重支持部材)
30: ピン
32,34: 内側リンク
33: ベアリング面
40: 内面
Claims (26)
- チェーンであって、
各々一対のリンク開孔を有する複数のリンクと、
それぞれリンクの少なくとも一つのリンク開孔を挿通するとともに、部材開孔を有する複数の横方向荷重支持部材と、
それぞれリンクの少なくとも一つのリンク開孔を挿通しかつ横方向荷重支持部材の少なくとも一つの部材開孔を挿通する複数の丸ピンとを備え、
丸ピンの外周面が横方向荷重支持部材の部材の内周面に対して相対運動可能なように、丸ピンの外径が横方向荷重支持部材の部材開孔の内径よりも小さくなっており、
横方向荷重支持部材の外周面がリンクのリンク開孔の内周面に対して相対運動可能なように、少なくとも一つのリンクのリンク開孔の開孔径が横方向荷重支持部材の外径よりも大きくなっており、
これにより、丸ピンの外周面が横方向荷重支持部材の部材開孔の内周面に当接するとともに、横方向荷重支持部材が挿通するリンク開孔の内周面が横方向荷重支持部材の外周面に当接しており、リンクの平面内で荷重を支持するために横方向荷重支持部材の内外周面の双方を使用することが一定のチェーン幅に対してベアリング面積を増加させている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項1において、
横方向荷重支持部材がブシュである、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項1において、
複数のリンクが、複数の第1のリンクと、複数の第2のリンクと、複数の外側リンクとから構成されており、
各横方向荷重支持部材が、第2のリンクにおける少なくとも一つのリンク開孔を挿通しており、
各丸ピンが、外側リンクにおける少なくとも一つのリンク開孔を挿通しており、
少なくとも一つの第1のリンクからなる第1の列と、チェーンの各縁部に配置された少なくとも一つの外側リンクおよび少なくとも一つの第2のリンクからなる第2の列との間で、各リンクが列をなして配列されており、
第1のリンクおよび横方向荷重支持部材が、これらの間で何ら相対運動が生じないように固定されており、
横方向荷重支持部材の外周面が第2のリンクのリンク開孔の内周面に対して相対運動可能なように、第2のリンクのリンク開孔の開孔径が横方向荷重支持部材の外径よりも大きくなっており、
外側リンクのリンク開孔の内周面および丸ピンの外周面の間で何ら相対運動が生じないように、外側リンクのリンク開孔の開孔径および丸ピンの外径が強固に係合しており、
これにより、チェーンが、横方向荷重支持部材に強固に固定された第1のリンクからなる第1の列と、横方向荷重支持部材に対して動き得るように取り付けられた第2のリンクからなる第2の列と、ピンに固定された外側リンクとから構成されており、第1の列および第2の列がチェーンの走行方向に沿って互いに関節運動可能に連結されている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
第1のリンクが、
一対のリンク開孔を有する第1のリンク本体と、
一対の突出部からなる荷重支持部とをさらに備え、
各突出部が、第1のリンク本体の各リンク開孔において第1のリンク本体から横方向に延びており、これにより、第1のリンクのリンク開孔の内周面の長さが増加している、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
第1のリンクが内向き歯付リンクである、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
第2のリンクが内向き歯付リンクである、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
外側リンクが内向き歯付リンクである、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
外側リンクがガイドリンクである、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
第2のリンクがチェーンの中心線に沿って配置されている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項9において、
第2のリンクが、内向き歯のない中央ガイドリンクである、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
各第1の列がノンガイド列である、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
各第2の列が、チェーンの中心線に沿って対称に配置された複数の第2のリンクから構成されている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンクおよび外側リンクの順に、リンクを挿通している、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項13において、
少なくとも一つの第1のリンクの各々が、2枚の第1のリンクから構成されている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項13において、
少なくとも一つの第2のリンクが、2枚の第2のリンクから構成されている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項15において、
少なくとも一つの第1のリンクの各々が、2枚の第1のリンクから構成されている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項16において、
2枚の第2のリンクの間に配置された第3のリンクをさらに備えており、第3のリンクが第1の列にあって、内向き歯のないリンクである、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項3において、
各ピンが2本の横方向荷重支持部材を挿通していることにより、横方向荷重支持部材の内周面が各ピンに対して不連続になっている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項18において、
各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、および外側リンクの順に、リンクを挿通している、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項19において、
2本の横方向荷重支持部材が、少なくとも一つの外側リンクによってピン上で分離されている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項18において、
2本の横方向荷重支持部材が、少なくとも一つの第3のリンクによって隔てられており、各第3のリンクが第2の列に配置されるとともに一対のリンク開孔を有しており、丸ピンの外周面が第3のリンクのリンク開孔の内周面に対して相対運動可能なように、第3のリンクのリンク開孔の内径が丸ピンの外径よりも大きくなっている、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項21において、
各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第3のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、および外側リンクの順に、リンクを挿通している、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項18において、
2本の横方向荷重支持部材が、少なくとも一つの第3のリンクによって隔てられており、各第3のリンクが第2の列に配置されるとともに一対のリンク開孔を有しており、第3のリンクのリンク開孔の内周面および丸ピンの外周面の間で何ら相対運動が発生しないように、第3のリンクのリンク開孔の内径および丸ピンの外径が強固に係合している、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項23において、
各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第3のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、および外側リンクの順に、リンクを挿通している、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項18において、
各ピンが、外側リンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、少なくとも一つの第2のリンク、少なくとも一つの第1のリンク、および外側リンクの順に、リンクを挿通している、
ことを特徴とするチェーン。 - 請求項25において、
少なくとも一つの第2のリンクが2枚の第2のリンクから構成されている、
ことを特徴とするチェーン。
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