JP2005201730A - 原子力発電施設等の雑排水濃縮固化処理方法およびシステム - Google Patents

原子力発電施設等の雑排水濃縮固化処理方法およびシステム Download PDF

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Abstract

【課題】原子力発電プラント等の施設内で発生する雑排水を濃縮処理により容積低減させた後、粉体乾燥して固化処理する雑排水濃縮固化処理において、設備の腐食を確実かつ安全に回避しながら、雑排水の濃縮による容積低減率を最大限に高めて粉体乾燥以降の処理コストを大幅に低減させる。
【解決手段】ドレンタンク21に貯留した雑排水11を濃縮器22に移送して水分蒸発による濃縮処理を行うことにより容積低減させた後、排液タンクに移送して、排液タンク内の排液を粉体乾燥し、混合剤と混合して固化する雑排水濃縮固化処理方法において、濃縮器22は、濃縮器22内の被処理水12中に含まれる塩素イオン濃度を算出するイオン濃度検出手段22aを備える。この塩素イオン濃度のモニターにより所定値以上の塩素イオン濃度が検出されたときに、その濃縮器22内の被処理水12を排液タンク23に移送する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、原子力発電施設等の雑排水濃縮固化処理方法およびシステムに関し、とくに、原子力発電プラント等の施設内にて発生する雑排水を安全、かつ低コストで廃棄処理するための濃縮固化処理に適用して有効な技術に関する。
原子力発電プラントでの水利用は閉鎖系内での循環利用が主であって、基本的には排水を発生しないシステムとなっているが、その閉鎖系の外で結露等による雑排水が多少発生する。この雑排水はドレン水とも呼ばれ、床や機器への結露水あるいは清掃用水などが主な発生源となっている。床に発生した雑排水は床ドレン水として、また機器に発生した雑排水は機器ドレン水としてそれぞれ収集され、最終的にドレンタンクに集められる。この雑排水には、塩類を主とする通常の不純物以外に、微量の放射性物質が含まれていることも考えられる。このため、その雑排水は、図3および図4に示すように、濃縮処理により容積低減したのち、粉体乾燥により固化してから廃棄処理することが行われている。
図3は、従来における雑排水濃縮固化処理システムの概念図である。この処理システムでは、まず、収集した雑排水11をドレンタンク21に一時的に貯留する。このドレンタンク21内の雑排水11は、濃縮器22に移送されて濃縮処理されその容積が低減される。濃縮器22内の被処理水12の水位が一定となるよう、濃縮器22からの蒸発量分に等しい量が、ドレンタンク21から濃縮器22に雑排水11が常時移送される。濃縮処理により分離された分離水は、原則として再利用される。
ドレンタンク21から濃縮器22に移送された雑排水12の累計移送総量が規定量になった段階で濃縮器22内のすべての被処理水12は排液タンク23にいったん移送された後、粉体乾燥工程24で固形成分を抽出される。この固形成分は混合剤と混合して適宜な大きさおよび形状に固化されてドラム缶詰めされる(工程25)。そして、放射線検査を行った後、廃棄施設へ搬出される(工程26)。なお、21aは水質分析装置であって、ドレンタンク21に集められた雑排水11の一般水質検査のために設けられている。
ここで、濃縮器22による被処理水12の容積低減は、粉体乾燥工程24での処理負担量を少なくするためであって、従来においては、図4に示すような方法で行っていた。
図4は、従来における雑排水濃縮固化処理方法の要部を示すフローチャートである。
図4において、まず、ドレンタンク21に収集された雑排水11は、上述したように、濃縮器22での濃縮状況に合わせて、濃縮器22内の被処理水12の水位が一定となるように、濃縮器22に移送される(P1)。
濃縮器22は被処理水12を濃縮処理して容積を低減させる。このとき、その濃縮器22に移送される雑排水11の累計移送総量をモニター(管理)する(P2)。
そして、その累計移送総量が規定量に達したならば、つまり被処理水12の容積が濃縮処理により所定量以下に減じたならば、そこで濃縮完了と判定して濃縮処理を終了させる(P3)。
濃縮完了と判定された濃縮器22内の被処理水12は、いったん排液タンク23に移送された後、粉体乾燥、固化、ドラム缶詰め、放射線検査等の各工程を順次経て廃棄施設へ搬出される(P4,P5)。
上述の工程(P1〜P5)によれば、排水13の容積を所定量まで低減させることにより、粉体乾燥の処理負担を軽減させることができる。
しかしながら、上述した従来技術には次のような問題のあることが判明した。すなわち、上述した雑排水濃縮固化処理では粉体乾燥の処理コストが比較的大きな割合を占める。その処理量を減らすことは、全体の処理コスト低減に有効である。このため、上述したように、雑排水を容積低減させるための濃縮処理が行われる。
この場合、雑排水を高濃度に濃縮するほど容積が低減して粉体乾燥工程での処理負担を軽減させることができるが、その反面、その濃縮度が高くなると、排水中に不純物として含まれている塩類のイオン濃度が高くなって設備の腐食が生じやすくなる。これが生じると、設備の損傷あるいは耐久寿命短縮といった問題が生じる。
従来は、濃縮器へ移送する雑排水の累計移送総量をモニターして、ある規定量になった段階で濃縮処理を終了させていたが、この終了段階での濃縮度は、設備を腐食させるレベルにはほど遠く、まだ十分な余裕があった。したがって、塩類やイオンの高濃度化による設備腐食については、とくに問題となることはなかった。
ここで、本発明者は、処理コストをさらに低減させるために、雑排水の濃縮処理による容積低減率をさらに高めることを検討した。具体的には、イオンの高濃度化による設備腐食が生じない範囲で、濃縮完了の判定基準である容積低減率をできるだけ高く設定するという最適化を検討した。
しかし、処理前の雑排水中に不純物として含まれる塩類の濃度は一定ではなく、不規則に変動し、しかも予測不能である。このため、濃縮完了の判定基準である容積低減率を高く設定すると、濃縮処理後の排水(排液)に含まれるイオンの濃度が、設備腐食を生じさせるレベルまで高濃度化されてしまう場合が度々生じるようになってしまう。
このように、従来の技術では、粉体乾燥以降の処理コストを低減させようとすると、設備の腐食が生じやすくなってしまうという、背反する問題があった。
本発明は以上のような問題を鑑みたものであって、その目的は、設備の腐食を確実かつ安全に回避しながら、雑排水の濃縮による容積低減率を最大限に高めて粉体乾燥以降の処理コストを大幅に低減させることができる雑排水濃縮固化処理技術を提供することにある。
本発明の手段は、原子力発電プラント等の施設内で発生する雑排水をタンクに収集し、この雑排水を濃縮器に移送して、濃縮器内にて被処理水が水分蒸発により濃縮処理された後に、この濃縮処理した被処理水を排液タンクに移送して、排液タンク内の排液を粉体乾燥して混合剤と混合して固化する雑排水濃縮固化処理方法において、上記濃縮器内の被処理水中に含まれるイオン濃度を算出するイオン濃度検出手段を備え、このイオン濃度のモニターにより所定以上のイオン濃度が検出されたときに、その濃縮器内の被処理水を排水タンクに移送することを特徴とする。
上記手段により、設備の腐食を確実かつ安全に回避しながら、雑排水の濃縮による容積低減率を最大限に高めて粉体乾燥以降の処理コストを大幅に低減させることができる。
上記手段において、濃縮器による濃縮処理の完了はイオン濃度を基準にして判定されるが、その判定基準であるイオン濃度は、マイナスイオン濃度とくに塩素イオン濃度が適している。また、その判定基準であるイオン濃度は、プラスイオン濃度であってもよく、この場合は、ナトリウムイオン濃度が適している。
また、上記手段を実施するための処理システムについて、本発明の手段は、上記濃縮器に移送される前の非処理水にあらかじめ含まれるイオンの濃度を算出する第1のイオン濃度検出手段と、この第1のイオン濃度検出手段が検出するイオンと同一のイオンの濃度を上記濃縮器内の非処理水にて算出する第2のイオン濃度検出手段とを備えたことを特徴とする。
この処理システムを使えば、濃縮器における濃縮処理時間や濃縮による容積低減率などを、第1のイオン濃度検出手段の測定結果からほぼ予測して見積もることができるため、処理のスケジュールを立てたりする上で大きな便宜が得られる。
本発明によれば、原子力発電施設等において雑排水を濃縮処理後に粉体乾燥して固化するに際し、設備の腐食を確実かつ安全に回避しながら、雑排水の濃縮による容積低減率を最大限に高めて粉体乾燥以降の処理コストを大幅に低減させることができる。
図1は、本発明の技術が適用された雑排水濃縮固化処理システムの概念図である。図1に示す実施例の処理システムは、原子力発電プラント内で発生する雑排水(ドレン水)を濃縮処理した後、粉体乾燥して固化するものであって、基本的な設備構成についは、前述した従来のシステムとほぼ同様である。
すなわち、実施例のシステムでは、まず、収集した雑排水11をドレンタンク21に一時的に貯留する。このドレンタンク21内の雑排水11は、濃縮状況に合わせて、濃縮器22内の被処理水12の水位が一定となるように濃縮器22に移送する。濃縮器22では、加熱蒸発による濃縮処理により被処理水12の容積を低減される。濃縮処理により分離された分離水は、原則として再利用される。
容積低減された被処理水12を排液タンク23に移送し、廃液タンク23内の排水13量が所定量になった段階で、排液13は粉体乾燥24される(工程24)。
そして、粉体乾燥24された固形成分は、混合剤と混合して適宜な大きさおよび形状に固化されてドラム缶詰めされる(工程25)。
それから、放射線検査を行った後、廃棄施設へ搬出される(工程26)。
ここで、実施例のシステムでは、ドレンタンク21と濃縮器22にそれぞれイオン濃度検出手段21b、22a、例えばイオン濃度計が取り付けられている。ドレンタンク21のイオン濃度検出手段21bは、ドレンタンク21に貯留される雑排水11の塩素イオン濃度を測定するために設けられている。
また、濃縮器22のイオン濃度検出手段22aは、濃縮器22内で濃縮処理される被処理水12の塩素イオン濃度を実時間で測定するために設けられている。
なお、上記の処理システムを現在稼働中の設備に付加することは保安上難しいので、現存の設備を使用する場合においては、ドレンタンク21から雑排水11を採取し、滴定法やイオンクロマトグラフ法等の測定方法にて塩素イオン濃度を測定することも可能である。
そして、ドレンタンク21内の雑排水11の塩素イオン濃度および濃縮器22への雑排水11の移送量から濃縮器22内の被処理水12の塩素イオン濃度を算出する。
濃縮器22内の被処理水12の塩素イオン濃度を算出した結果と実際の塩素イオン濃度と誤差が生じた場合、濃縮器22の保護のために濃縮器22の処理許容値の約半分の塩素イオン濃度に達したら、濃縮器22内の被処理水12を排液タンク23に移送する。
図2は、本発明による雑排水濃縮固化処理方法の要部を示すフローチャートである。この処理方法は上記処理システムを利用して実施される。
図2において、まず、ドレンタンク21に収集された雑排水(ドレイン水)11は、濃縮状況に合わせて、濃縮器22内の被処理水12の水位が一定となるように、濃縮器22に移送される(P1)。
濃縮器22は被処理水12を濃縮処理して容積を低減させる。このとき、濃縮器22内の被処理水12の塩素イオン濃度を濃度検出手段22aを使ってモニターする。
濃縮器22内の被処理水12には種々雑多な不純物が含まれている。その中で、たとえば塩化ナトリウム等の塩類は、純水以外の自然の水には必ず含まれていると言ってよい、典型的な溶融不純物である。排水中には不純物として、いろいろいな塩類がイオンの形で存在する。そのイオンでとくに多いのが塩素イオンである。したがって、この実施例では、その塩素イオンの濃度をイオン濃度検出手段22aを使ってモニターする(P2)。
ここで、上記塩素イオン濃度が所定値に達したならば、そこで濃縮完了と判定して濃縮処理を終了させる(P3)。つまり、濃縮器22による被処理水12の濃縮処理は塩素イオン濃度を基準にして行われ、塩素イオン濃度が所定値に達したときに濃縮処理を終了される。
上記により濃縮完了と判定された濃縮器22内の被処理水12は、従来と同様、いったん排液タンク23に移送された後、粉体乾燥、固化、ドラム缶詰め、放射線検査等の各工程を順次経て廃棄施設へ搬出される(P4,P5)。
上記方法では、濃縮器22内の被処理水12が、その被処理水12に含まれる塩素イオン濃度が所定値になるまで濃縮処理されて容積低減される。したがって、その所定値をあらかじめ適性濃度に設定しておけば、排水中に不純物として含まれる塩素イオンの濃度が一定でなくても、また不規則に変動することがあっても、濃縮処理による被処理水12の容積低減は、その設備腐食を生じさせない範囲で常に最大率で行うことが可能である。
さらに、濃縮処理後の排液13に含まれるイオンの濃度は、設備腐食を生じさせるレベル内に確実に抑えることが可能である。
これにより、設備の腐食を確実かつ安全に回避しながら、雑排水の濃縮による容積低減率を最大限に高めて粉体乾燥以降の処理コストを大幅に低減させることができる。
以上、本発明をその代表的な実施例に基づいて説明したが、本発明は上述した以外にも種々の態様が可能である。
たとえば、濃縮完了の判定基準とするイオン濃度は必ずしも塩素イオンでなくてもよく、塩素イオン以外のマイナスイオン濃度を上記判定基準としてもよい。この場合は、そのマイナスイオンは、含有率がもっとも大きなイオンであることが望ましい。通常含まれるイオンで最も多いのは塩素イオンであるが、最大含有イオンが塩素イオン以外の場合は、その最大含有イオンの濃度を上記判定基準にするとよい。
また、上記判定基準としてのイオン濃度は、ナトリウムやカリウム等のプラスイオンの濃度とすることも可能である。とくにナトリウムは、塩素と同様に、自然界に広く分布する元素であるため、そのイオン濃度は上記判定基準に用いて好適である。
また、上述した本発明方法を実施するための設備手段としては、図1に示したように、濃縮器22に移送される前の雑排水11にあらかじめ含まれるイオンの濃度を測定する第1のイオン濃度検出手段21bと、この第1のイオン濃度検出手段21bが測定するイオンと同一のイオンの濃度を上記濃縮器22内の被処理水12にて測定する第2のイオン濃度検出手段22aとを備えた処理システムが好適である。
この処理システムを使えば、濃縮器22における濃縮処理時間や濃縮による容積低減率などを、第1のイオン濃度検出手段21bの測定結果からほぼ予測して見積もることができるため、処理のスケジュールを立てたりする上で大きな便宜が得られる。
本発明の技術が適用された雑排水濃縮固化処理システムの概念図である。 本発明による雑排水濃縮固化処理方法の要部を示すフローチャートである。 従来における雑排水濃縮固化処理システムの概念図である。 従来における雑排水濃縮固化処理方法の要部を示すフローチャートである。
符号の説明
11 雑排水
12 被処理水
13 排液
21 ドレンタンク
21a 水質分析装置
21b イオン濃度検出手段
22 濃縮器
22a イオン濃度検出手段
23 排液タンク
24 粉体乾燥工程
25 固化・ドラム缶詰め工程
26 放射線検査・産業施設への搬出工程

Claims (5)

  1. 原子力発電プラント等の施設内で発生する雑排水をタンクに収集し、この雑排水を濃縮器に移送して、濃縮器内にて被処理水が水分蒸発により濃縮処理された後に、この濃縮処理した被処理水を排液タンクに移送して、排液タンク内の排液を粉体乾燥して混合剤と混合して固化する雑排水濃縮固化処理方法において、
    上記濃縮器内の被処理水中に含まれるイオン濃度を算出するイオン濃度検出手段を備え、このイオン濃度のモニターにより所定値以上のイオン濃度が検出されたときに、その濃縮器内の被処理水を排水タンクに移送することを特徴とする原子力発電施設等の雑排水濃縮固化処理方法。
  2. 請求項1において、上記イオン濃度としてマイナスイオン濃度をモニターし、このマイナスイオン濃度を基準にして濃縮器による濃縮処理の完了を判定することを特徴とする原子力発電施設等の雑排水濃縮固化処理方法。
  3. 請求項1または2において、上記イオン濃度として塩素イオン濃度をモニターし、この塩素イオン濃度を基準にして濃縮器による濃縮処理の完了を判定することを特徴とする原子力発電施設等の雑排水濃縮固化処理方法。
  4. 請求項1において、上記イオン濃度としてプラスイオン濃度をモニターし、このプラスイオン濃度を基準にして濃縮器による濃縮処理の完了を判定することを特徴とする原子力発電施設等の雑排水濃縮固化処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法を実施するための処理システムであって、上記濃縮器に移送される前の雑排水中に含まれるイオンの濃度を算出する第1のイオン濃度検出手段と、この第1のイオン濃度検出手段が算出するイオンと同一のイオンの濃度を上記濃縮器内の被処理水にて算出する第2のイオン濃度検出手段とを備えたことを特徴とする原子力発電施設等の雑排水濃縮固化処理処理システム。
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