JP2005201812A - 基準バイオ分子配列素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光放出作用に基づくハイブリダイゼーションを効率的に行うことができ、しかも光消失作用をもハイブリダイゼーションに生かすことができるような基準バイオ分子配列素子の構成を提供すること。
【解決手段】 光放出機能、光消失機能の何れか一方又は双方を有している化学結合基を構成部分としている基準バイオ分子を所定の順序にて配列したことに基づき、前記課題を達成することができるバイオチップ又はマイクロプレート、又はマイクロビーズなどの基準バイオ分子配列素子。
【選択図】 図3

Description

本発明は、DNA、RNA、PNAなどの人工核酸、タンパク質、ペプチドなどのバイオ分子の配列関係を特定し、ひいては種類を明らかにするために使用するバイオチップ又はマイクロプレート、又はマイクロビーズなどの基準バイオ分子配列素子、更には当該基準バイオ分子配列素子を使用したハイブリダイゼーションの確認システムに関するものである。
バイオ分子におけるハイブリダイゼーションの確認システムは、所定の形状を有しているバイオチップ又はマイクロプレート、又はマイクロビーズなどの基準バイオ分子配列素子に対し、基準となるバイオ分子を所定の規則に従って配列したうえで、検査の対象となっている標的バイオ分子を端部において光放出機能を有する結合基を構成部分とすることによって、発光可能な状態にて投与し、その結果、各標的バイオ分子における発光の有無に基づき、基準バイオ分子との間にて結合、即ちDNA、RNA、人工核酸の場合の相補結合、及びタンパク質の場合の親和結合の有無によって、基準バイオ分子と結合し得る標的バイオ分子の配列を特定し、かつその種類を明らかにするという方法を採用している。
前記バイオチップは、通常ガラス又はプラスチックによる平板形状の素材が採用されているが、近年、中空繊維を並列状に配列したことによる立体型のバイオチップも採用されるに至っている。
前記マイクロプレート、又はマイクロビーズは、1枚のプレート、又は一個のビーズに、バイオ分子による反応を行うための容器(ウエル)を複数個所定の順序にて配列した構成を採用しており、通常ポリスチレンを素材として採用する場合が多い。
前記光学的手法においては、通常図1に示すように、反射機能と透過機能とを有しているビームスプリッター12、及び対物用レンズ11を介してレーザービームを入射光としてバイオチップ又はマイクロプレート、又はマイクロビーズ2において、予め端部に光放出機能を有する結合基を結合させた状態とした標的バイオ分子を照射することによって、基準バイオ分子と相補結合又は親和結合によって励起されたことによる発光は、当該対物用レンズ11、ビームスプリッター12を通過したうえで、フィルター14、更には検出用レンズ15を通過することによって、前記結合の検出を伴う確認作業が行われている(尚、図1においては、基準バイオ分子配列素子2として、バイオチップ又はマイクロプレートの場合を示しており、マイクロビーズの場合を示している訳ではない。)。
一般的には、標的となるバイオ分子の数の方が基準バイオ分子の数よりも多いという傾向にある。
にも拘らず、標的バイオ分子の各端部に対し、光放出機能を有している結合基を結合した状態とすることは、相当煩雑である。
特に、基準バイオ分子が1個であり、当該基準バイオ分子と結合し得る標的バイオ分子の存否を検査する場合には、単に1個の基準バイオ分子と結合関係にある標的バイオ分子の存否を検査するために、多数の標的バイオ分子に対し、発光作用を有するように工作することは、極めて無駄な作業が多いことにならざるを得ない。
近年、光消失機能を有している結合基をバイオ分子の構成部分とする技術が提唱されているが、標的バイオ分子に対し、光消失機能を有している結合基を構成部分にしたとしても、従来技術のように、基準バイオ分子側に格別の工作を行っていない場合には、基準バイオ分子と結合関係にある標的バイオ分子の存否を検査することができない。
即ち、光消失機能を有している結合基による結合をハイブリダイゼーションの確認システムとして生かすことができない。
特開2000−235035号公報。
特開2002−330768号公報。
特表2002−521066号公報。
特表2002−544488号公報。
本発明は、前記の如き従来技術の問題点を克服し、光放出作用に基づくハイブリダイゼーションを効率的に行うことができ、しかも光消失作用をもハイブリダイゼーションに生かすことができるような基準バイオ分子配列素子の構成を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明の構成は、光放出機能、光消失機能の何れか一方又は双方を有している化学結合基を構成部分としている基準バイオ分子を所定の順序にて配列したことに基づくバイオチップ又はマイクロプレート、又はマイクロビーズなどの基準バイオ分子配列素子からなる。
本発明の基準バイオ分子の配列素子によって、光放出作用によるハイブリダイゼーションを効率的に実現でき、しかも光消失作用をもハイブリダイゼーションに生かすことができ、特に、光放出機能、及び光消失機能の双方を有している場合には、双方の軌道に基づいて数個の基準バイオ分子の存否を明らかにするハイブリダイゼーションを行うことができる。
前記の構成からも明らかなように、本発明は、基準バイオ分子側において光放出機能、光消失機能の何れか一方又は双方を有している結合基を構成部分としていることを基本構成としており、これによって前記効果を発揮させている。
ペプチド核酸(Peptide Nucleic Acid:以下「PNA」と略称する。)は、図2に示すように、2−アミノエチレングリシンを骨格体として、トリメチレンカルボン酸を介して核酸塩基を結合させた構造を有する化合物であり、かつ前記塩基配列における相補性に基づき、特定の塩基配列を有しているDNAを構成している一部の配列部分と結合することによって、相補関係にあるDNAを認識する機能を有している。
このような認識機能を有しているPNAは、DNAやRNAに比し、以下のような長所を有している。
a:DNA、RNAのような糖燐酸骨格のような整然的反発を生じないため、ハイブリダイゼーション時のpH値や塩の濃度の影響を受けにくい、
b:対酵素耐性を有しており、細胞内において保存性が良好であり、
c:DNA、RNAに比し、融解温度(Tm)が高いため、非相補的な塩基がたとえ僅か存在したとしても、当該融解温度が大きく低下することによって、優れた塩基特異性を発揮することができる。
このようなPNAの特質を考慮するならば、PNAは、前記の構成において、最も好適な基準バイオ分子に該当する。
基準バイオ分子であるPNAによる配列による標識(PNA Molecular Beacon:以下、「PMB」と略称する。)を、基準バイオ分子配列素子2において配列し、かつ当該PMBの各核酸に基づく配列が、例えばCATGTCTAAGCATGである場合には、図3に示すように、当該PMB中において、相互に相補関係にある分子の構成部分は、所謂自己相補関係によって結合し、安定した状態と化している(尚、図3の○及び●は、それぞれ光放出機能又は光消失機能を有している結合基との結合状態を示している。)。
そして、標的となるDNA、RNA、又はPNAにおいて、
(1)GTACAGATTCGTAC
のように、一対一の対応関係による相補関係にある場合、
(2)AGATTCGT
のように、PMBの配列の一部との間で相補関係がある場合、
(3)ATGTCTTGTACAGATTCGTACGACCC
のように、PMBの構成を含むような配列状態である場合、
には、何れも前記自己相補関係による結合が開放され、標的となるDNA、RNA、PNAによるバイオ分子との相補結合が生ずることによって、PMBにおいて、光放出機能、又は光消失機能を有している結合基の作用によって、前記相補関係にある標的バイオ分子の存在を検出することになる。
基準バイオ分子として、前記光放出機能、光消失機能の何れか一方を発揮する場合には、通常、これらの機能を有している結合基を構成部分として基準バイオ分子の配列の端部に結合させることによって、端部以外のバイオ分子としての配列を特定し、かつ当該配列に基づく前記検出を行うことができる。
前記各結合基を基準バイオ分子の端部ではなく、中途部位において結合したとしても、当該中途部位以外の複数個の配列部分(例えば、1箇所の中途部位に結合させた場合には、2個の配列部分であり、2箇所の中途部位に結合させた場合には、3個の配列部分である。)における配列の順序を特定することによって、標的バイオ分子において、前記複数個の配列部分の内の何れかがと相補関係又は親和関係にある配列又は配列部分の存否を検出することができる。
但し、基準バイオ分子における複数の配列部分のうち、何れの配列部分と相補関係又は親和関係にあるかを特定する為には、光放出機能を維持する結合基、及び光消失機能を有している結合基の双方を採用したうえで、基準バイオ分子において何れの結合基の一方に隣接している配列部分、双方に隣接している配列部分を夫々特定したうえで、標的バイオ分子と共存した際、新たな発光現象の出現、又は光の消失現象の出現、又は双方の出現の何れかによって、何れの配列部分に該当するかを特定するとよい。
光放出機能、又は光消失機能を有している結合基を構成部分とするためには、特願2002−121667号発明記載の方法のように、機能性分子として光放出機能を有している結合基を選択したうえで、PNAを合成する際、図2に示すようなA、G、C、Tによる核酸と同一の位置に前記機能性分子を結合させること、即ち、下記の一般式によって表わされるペプチドによる前駆体を核酸とトリメチレンカルボン酸との結合によるPNAの構成部分と化学結合させると良い。
Figure 2005201812
(Rは、光放出性機能分子、又は光消失性機能分子であり、fは0〜10の整数であり、xは1以上の整数である。)
具体的な製造方法としては、保護基によって保護されたA、G、C、T及び前記Rによる分子による機能性分子を有している結合基を構成部分としているPNAモノマーユニットを、Fmoc−ω−アミノ酸−BocPNA−OHと反応させてPNAオリゴマーを合成した後、ピペリジン処理によってFmoc−ω−アミノ酸部位の脱保護を行って末端アミノ基を有するω−アミノ酸へと変換し、該PNAオリゴマーに遊離カルボン酸を有する機能性分子を縮合導入し、さらに前記保護基の脱保護を超強酸処理によって行うことによって、光放出性、又は光消失性のPMBを製造すると良い。
前記〔化1〕の結合基を基準バイオ分子の端部に結合させる場合には、前記〔化1〕の左側の窒素(N)原子、及び右側の炭素(C)と結合する原子又は原子団は、通常のPNAの構成の場合と同じように、水素原子、又はアミノ酸誘導体、又は機能性カルボン酸誘導体である。
光放出性機能分子としては、FITC、Naphthalimide、Flavin、FAM、Rhodamine、TAMRA、ROX、Pyrene及びCoumarineなどが好適な実施形態に該当し、光消失性機能分子としては、Dabcyl、HABA、NDI、Azoなどが好適な実施形態に該当する。
実施例においては、本発明の基準バイオ分子配列素子2を使用したことによるハイブリダイゼーションの確認システムについて説明する。
実施例1においては、ハイブリダイゼーションの確認システムとして、光放出機能を有している結合基を構成部分としている本発明の基準バイオ分子配列素子2上に配列されている基準バイオ分子に対し、標的バイオ分子を投与し、基準バイオ分子と標的バイオ分子との結合による発光の有無によって、前記基準バイオ分子と相補結合又は親和結合を行い得るバイオ分子の存否を検出している。
このような確認システムにおいては、目標とする基準バイオ分子に光放出機能を有する状態とすることによって、標的バイオ分子に対し、特に光放出機能を有している結合基を端部における構成部分とするような工作を行わずとも、当該基準バイオ分子と相補関係又は親和関係にあるバイオ分子の存否を検出することが可能となる。
例えば、1個の基準バイオ分子と相補関係又は親和関係にあるバイオ分子の存否を結合する場合には、当該1個の基準バイオ分子に対し、光放出機能を有するような状態とすれば良く、効率的なハイブリダイゼーションを実現することができる。
光放出機能を有している結合基を励起する入射光として、紫外線を採用した場合には、大抵の当該結合基を励起することが可能となることから、極めて好都合である。
実施例2においては、ハイブリダイゼーションの確認システムとして、光消失機能を有している結合基を構成部分としている本発明の基準バイオ分子配列素子2上に配列されている基準バイオ分子に対し、光放出機能を有している結合基を端部における構成部分としたことによる標的バイオ分子を投与し、基準バイオ分子と標的バイオ分子との結合による光の消失の有無によって、前記基準バイオ分子と相補結合又は親和結合を行い得るバイオ分子の存否を検出している。
即ち、本発明の基準バイオ分子配列素子2において、光消失性機能分子を結合部分とすることによっても、前記結合を行い得る標的バイオ分子の存否の検出を行うことができ、この点において、基準バイオ分子配列素子2に格別の工作を行っていないために、光消失機能を有している結合基を前記検出に生かすことができなかった従来技術と明らかに相違している。
実施例3においては、ハイブリダイゼーションの確認システムとして、光放出機能を有する結合基を構成部分としている本発明の基準バイオ分子配列素子2上に配列されている基準バイオ分子に対し、光消失機能を有している結合基を端部における構成部分としたことによる標的バイオ分子を投与し、基準バイオ分子と標的バイオ分子との結合による光の消失の有無によって前記基準バイオ分子と相補結合又は親和結合を行い得るバイオ分子の存否を検出している。
実施例3は、実施例2の反対形相であって、光放出機能を有している結合基、及び光消失機能を有している結合基を、基準バイオ分子、標的バイオ分子の何れとするかの点において、実施例2の場合と逆転した状態としている。
そして、実施例3においても、従来技術の場合と異なり、光消失機能を有している結合基を前記検出に利用することができる点に特徴を有している。
本発明は、生体内のバイオ分子の配列、特に、遺伝子の解明などのバイオロジー工業に利用することが可能である。
従来技術及び本発明の実施形態として採用されている共焦点方式に関する基本原理図である。 PNAがDNAの配列を認識する状況を示す化学構造式である。 基準バイオ分子であるPMBが自己相補関係によって部分的な結合を行っている状況を示す模式図である。
符号の説明
1 検出装置
11 対物用レンズ
12 ビームスプリッター
13 ミラー
14 フィルター
15 検出用レンズ
16 検出器
2 バイオチップ又はマイクロプレート、又はマイクロビーズなどの基準バイオ分子配列素子


Claims (9)

  1. 光放出機能、光消失機能の何れか一方又は双方を有している化学結合基を構成部分としている基準バイオ分子を所定の順序にて配列したことに基づくバイオチップ又はマイクロプレート、又はマイクロビーズなどの基準バイオ分子配列素子。
  2. 光放出機能光消失機能の何れか一方又は双方を有している結合基が結合の端部に配列されていることを特徴とする請求項1記載の基準バイオ分子配列素子。
  3. 基準バイオ分子として、ペプチド核酸(PNA)を採用することを特徴とする請求項1記載の基準バイオ分子配列素子。
  4. 下記の一般式によって表わされるペプチドによる前駆体による結合基を構成部分としているペプチド核酸(PNA)を採用していることを特徴とする請求項2記載の基準バイオ分子配列素子。
    Figure 2005201812
    (Rは、光放出性機能分子、又は光消失性機能分子であり、fは0〜10の整数であり、xは1以上の整数である。)
  5. 光放出性機能分子が、FITC、Naphthalimide、Flavin、FAM、Rhodamine、TAMRA、ROX、Pyrene及びCoumarineであり、光消失性機能分子がDabcyl、HABA、NDI、Azoであることを特徴とする請求項4記載の基準バイオ分子配列素子。
  6. 光放出機能を有している結合基を構成部分としている請求項1記載の基準バイオ分子配列素子上に配列されている基準バイオ分子に対し、標的バイオ分子を投与し、基準バイオ分子と標的バイオ分子との結合による発光の有無によって、前記基準バイオ分子と相補結合又は親和結合を行い得るバイオ分子の存否を検出することによるバイオ分子におけるハイブリダイゼーションの確認システム。
  7. 光放出機能を有している結合基を励起する入射光として、紫外線、又は可視光線を採用することを特徴とする請求項6記載のバイオ分子におけるハイブリダイゼーションの確認システム。
  8. 光消失機能を有している結合基を構成部分としている請求項1記載の基準バイオ分子配列素子上に配列されている基準バイオ分子に対し、光放出機能を有している結合基を端部における構成部分としたことによる標的バイオ分子を投与し、基準バイオ分子と標的バイオ分子との結合による光の消失の有無によって、前記基準バイオ分子と相補結合又は親和結合を行い得るバイオ分子の存否を検出することによるバイオ分子におけるハイブリダイゼーションの確認システム。
  9. 光放出機能を有する結合基を構成部分としている請求項1記載の基準バイオ分子配列素子上に配列されている基準バイオ分子に対し、光消失機能を有している結合基を端部における構成部分としたことによる標的バイオ分子を投与し、基準バイオ分子と標的バイオ分子との結合による光の消失の有無によって前記基準バイオ分子と相補結合又は親和結合を行い得るバイオ分子の存否を検出することによるバイオ分子におけるハイブリダイゼーションの確認システム。
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