JP2005238043A - 純水の電気分解装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】
従来の水の電気分解は、電解質を添加する必要があり、このため、得られるアルカリ水と酸性水には、電解質が不純物として残留する。さらに、使用排水中には電解質が残留し、環境汚染を生じる。この環境汚染を防ぐために、排水中から電解質を除去する設備が必要であった。
【課題解決手段】
電解槽の内部を縦型の隔膜により仕切り、前記隔膜を挟んで陰極と陽極を対向させて配置し、前記電解槽の該陰極側の下側に給水口を備えると共に上側に槽内生成のアルカリ水と水素ガスの取水口を備えてこの取水口に気液分離部を連通設置し、一方前記電解槽の該陽極側の下側に給水口を備えると共に上側に槽内生成の酸性水と酸素ガスの取水口を備えてこの取水口に気液分離部を連通設置した純水の電気分解装置。
【選択図】 図1

Description

純水を電気分解する方法に関する。
水を電気分解することにより酸性水とアルカリ水とを作ることは広く行われている。水を電気分解する電解槽には、2槽式と3槽式がある。
陰極と陽極が2つの電解槽に分けられている2槽式の場合には、電解質のために、抵抗率は低下して電気分解が容易になるが、得られる酸性水とアルカリ水は電解質成分を不純物として含むことになる。
陰極と陽極を入れる2つの電解槽の他に、中間室をもつ3槽式の電解槽の場合には、中央の中間槽内に電解質を入れるので、得られる酸性水とアルカリ水には電解質が含まれないという利点がある。(たとえば特許文献1参照。)。
従来、半導体基板の洗浄水をつくるために、高純度の白金(Pt)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)などの白金族元素の電極、又は炭素電極、又はグラファイト電極又はグラッシーカーボン電極などのような溶出の少ない電極材が用いられている。(たとえば、特許文献2参照。)。
水の理論分解電圧は25℃で1.23Vであるが、陽極と陰極における過電圧や電解液の抵抗による電圧損失などのために、印加電圧2V前後で電解が行われている。(たとえば、非特許文献1参照。)。
特許公開平7-75784 特許公開2001-96273 電気化学、米山宏、大日本図書(株)、1986年、p135
従来の水の電気分解においては、電解質を添加する必要があるという問題があった。このため、得られるアルカリ水と酸性水には、電解質が不純物として残留するという問題があった。または、使用排水中に電解質が残留し、環境汚染を生じるという問題があった。この環境汚染を防ぐために、排水中から電解質を除去する設備が必要であるという問題があった。
電解質を添加しないで、純水を電気分解する。
本発明の構成は、アルカリ水とこれを中和できる量の酸性水をつくる方法又は装置において、電解槽の内部に、隔膜を配置し、該隔膜を挟んで陰極と陽極とを備え、該陰極と該陽極とを対向させ、かつ近接させて配置し、該陰極と該陽極に接続された電源を備え、該隔膜とともに該陰極を取り囲んでいる該電解槽において、該電解槽の下側に給水口を備え、該電解槽の上側に取水口を備え、該取水口に連結された気液分離部を備え、該隔膜とともに該陽極を取り囲んでいる該電解槽において、該電解槽の下側に給水口を備え、該電解槽の上側に取水口を備え、該取水口に連結された気液分離部を備えていることを特徴とする純水の電気分解の方法及び装置である。
その動作について、以下に説明する。電解槽の内部において、電極の下側にある給水口から電極の近傍に純水を供給し、電極に接触する純水が電気分解されてイオンと気体を生じ、気体は水面に向かって急速に上昇する。気体の上昇に伴い、イオンは気体に連行されて水面に向かって上昇する。電極の上側にある取水口から気体とアルカリ水と酸性水を取り出し、取水口に連結している気液分離部により、気体と液体とを分離回収する。
隔膜は、耐酸、耐アルカリ性能に優れており、耐熱温度も高く、コストも安く加工もしやすい材料で構成すればよく、具体的には、セルロース(綿100%)の布等で構成することが望ましい。
電解槽は、100℃の温度や酸やアルカリに耐え、加工が容易で価格が安い材料で構成すればよく、具体的にはポリプロピレン等で構成することが望ましい。
陽極は酸性雰囲気で溶出しにくい電極材料で構成すればよく、具体的には白金又はイリジウム(Ir)又はオスミウム(Os)などの白金族元素の電極、又は炭素電極、又はグラファイト電極又はグラッシーカーボン電極又は白金めっきチタン電極又はゴム電極等で構成することが望ましい。
陰極はアルカリ性雰囲気で溶出しにくい電極材料で構成すればよく、具体的には白金又はイリジウム(Ir)又はオスミウム(Os)などの白金族元素の電極、又は炭素電極、又はグラファイト電極又はグラッシーカーボン電極又は又は白金めっきチタン電極又はチタン電極又はステンレス電極又はゴム電極等で構成することが望ましい。
陰極物質の溶出を少なくするために、電気分解を停止してから、排水を終了する迄の間、電極電圧を0.5Vから1.0Vまでに保持することが望ましい。
陰極と陽極との間にかける電圧が低いほど、電気分解の効率は高くなるので望ましい。しかし、水の理論分解電圧は1.23Vであり、1.23Vよりも小さな電圧では水の電気分解が起きない。また2Vよりも小さいと実用的な大きさで水の電気分解が生じない。従って、実用的な大きさで水の電気分解を起こすために2V以上の電圧を加える必要がある。
一方、陰極と陽極との間にかける電圧が高いほど、電流は大きくなり、電気分解反応は早く進み、流す純水の量を多くして、処理時間を短くすることができる。しかし、電圧を高くするとしても実用的には100Vまたは200Vまでが使用しやすい。特に200V以上の電圧を得るには特別な装置を必要とし、コストが高くなるので、実用的ではない。
また、電圧の増加に比例して電流が増すけれども、さらに電流の2乗に比例してジュール熱も増大するので、電気分解の効率は低下する。
従って、陰極と陽極との間にかける電圧は、2Vから200Vであればよく、2.8Vから142Vが望ましく、4Vから100Vがさらに望ましい。
白金線陰極と白金線陽極を隔膜に押し付ける構造の電解槽においては、220Vの電圧を加えたときに、電極間隔が約0.1mmの部分で短絡事故が起きた。これは、陰極と陽極との間に加わる電界強度が2200V/mmに相当するので、陰極と陽極との間に加わる電界強度は、電界強度は2000V/m以下が望ましい。
直径0.3mmで長さが70cm(純水と接触する部分の長さは約65cm)の白金線を陽極に用いて、電極間隔が0.22mmであったときに、電圧50Vで電流0.35A(電流密度は54mA/cm2、電界強度は227V/mm)から100Vで0.66A(101mA/cm2、454V/mm)の範囲では、電気分解が効率的に生じた。電流が1A(154mA/cm2、681V/mm)を超えると電流の2乗に比例するジュール熱が大きくなり、電解効率が低下した。電流が0.05A(7mA/cm2、32V/mm)では電気分解の反応速度が遅くて実用的でなかった。
従って、陽極から陰極に流れる電流の電流密度(及び、陰極と陽極との間に加わる電界強度)は、水と接触する陽極の表面積で電流値を割って、7mA/cm2(32V/mm)から150mA/cm2(681V/mm)であればよく、25mA/cm2(113V/mm)から120mA/cm2(544V/m)が望ましく、50mA/cm2(227V/mm)から100mA/cm2(454V/mm)がさらに望ましい。
電極間距離は短いほど、電気抵抗は低下してよいが、0.1mmよりも短かいと短絡事故がおきる危険性が高くなる。
一方、電極間距離が長いほど高い電圧を加えて、電流を大きくすることができるが、電解効率は低下する。また、200Vの電圧を加えても、電界強度が32V/mmとなるのは、電極間距離が6mmのときである。
従って、電極間距離は0.1mmから6mmであればよく、0.14mmから4mmが望ましく、0.2mmから3mmがさらに望ましい。
3リットルの水道水を0.1x100x100mmの白金板2枚を用いて電極間隔5cmとして200V1Aで電気分解中に、万能試験紙で測定すると、水面のpHはpH14とpH0であり、水中は10pHであった。これは、イオンが泡とともに水面に急速に上昇することを示している。従って、イオンの濃度を高めるために、電解槽の下側から給水し、電解槽の上側から取水することが望ましい。
また、酸性水とアルカリ水の濃度を高めるために、取水部分の面積を小さくすることが望ましい。このため取水部分にパイプを取り付けることが望ましい。パイプの先には、一部分岐部を設けて、気液分離することが望ましい。酸とアルカリの取水部で水位のバランスをとり、アルカリ水と酸性水の量が等しくなるように調節しながら、取水することが望ましい。給水部に3方活栓を設けることで、電解槽の下から排水も行うことができる構造にすることが望ましい。
この方法で得られた酸性水とアルカリ水を再び、給水容器にいれて、電気分解を行うことにより、強い酸性水または強いアルカリ水を得ることができる。さらに望みのpH値まで、この工程を繰り返し行うことも望ましい。
本発明によれば、電解質の添加が不要となる。このため、コストが安くなる。また、電解質が含まれていないために、純度の高いアルカリ水と酸性水が得られる。さらに使用排水中に電解質は含まれないから、電解質による環境汚染を生じない。または、環境汚染を防ぐために設けるべき、電解質成分の除去設備も不要となり、コストも安くなる。
陰極と陽極とを近付け、電圧を限定し、電流密度と電界強度を限定することによって、電解質を添加することなく、純水を電気分解することを実現できた。
図1は純水の電気分解装置の説明図である。給水容器1に純水を満たして、給水弁2を開く。給水と共用の排水弁3を開いて電解槽4に純水を供給する。純水は取水口5を通り、密閉部6を過ぎて、水素ガスは水素ガス回収口7に進み、液体は下側に進む。液体は密閉弁8により、密閉されて、空気抜き9と10を経て、取水弁11を通り、pHセンサー12を経て、取水容器13に入る。酸素ガスは、反対側にある酸素ガス回収口14から取り出される。
図1のような電気分解装置を作成し、純水を電気分解した。ただし、陽極は直径0.3mm、長さ70cmの白金線で、陰極は直径0.3mm、長さ1mの鉄線であり、隔膜には、厚さ0.225mmの綿100%の布を用いた。ポリプロピレンの1x2x5mmの板を2cm間隔で布に熔着することにより電極を固定した。純水は16cc/分で供給した。
電圧をかけると50Vで0.35Aの電流が流れた。時間と共にpH値が変化し、8分後に9.50pH及び、5.00pHとなった。27分後には、電圧を上昇させて100Vにしたら電流値は0.66Aとなったが、pH値は以前とほぼ同じ9.58pH及び、4.61pHとなった。
およそ1時間で酸性水及びアルカリ水の取水容器が満水になったので、電気分解を停止した。
得られた1リットルの酸性水を煮沸風乾して蒸発残留物の重さを測定し、不純物の重さとみなした。酸性水1リットル当たり蒸発残留物の重さは、5mg+-3mgであった。同様にして、得られたアルカリ水1リットル当たりの蒸発残留物の重さは、7mg+-3mgであった。給水に用いた精製水(純水)1リットル当たりの蒸発残留物の重さは、0+-3mgであった。参考のために、水道水1リットル当たりの蒸発残留物の重さは、175mg+-3mgまたは、194mg+-3mgまたは、180mg+-6mgであった。
電解質を添加せずに、純水の電気分解により得られたアルカリ水と酸性水は、水道水に比べて、不純物が少なく、その排水も環境を汚染しないことがわかった。
50Vx0.35A=17Wから100Vx0.66A=66WまでおよそpH9とpH5程度であった。ここで平均50Wと仮定して1時間で1リットルが得られるものと仮定する。1kWHで30円であると仮定すれば、1リットルに1.5円かかる。市販されている純水(アズワン(株)、精製水、抵抗率=5MΩcm)は20リットルで3000円であったので、1リットルで157円(消費税込)である。ポリプロピレンの蓋付きで、850ccのガラス瓶((株)大創産業、ガラスポット、No.110)が105円(消費税込)で市販されている。水位を調節する必要があるので、人件費として時給700円を仮定すると、全体として850ccガラス瓶入り酸性水またはアルカリ水は1本で963円の原価である。調整部分を自動化することで安価にできるので、産業化の可能性が大きい。
純水の電気分解装置の説明図
符号の説明
1 給水容器
2 給水弁
3 排水弁
4 電解槽
5 取水口
6 密閉部
7 水素ガス回収口
8 密閉弁
9 空気抜き
10 空気抜き
11 取水弁
12 pHセンサー
13 取水容器
14 酸素ガス回収パイプ
本発明は、例えばアルカリ水とこれを中和できる量の酸性水をつくる純水の電気分解装置に関するものである。
水を電気分解することにより酸性水とアルカリ水とを作ることは広く行われている。水を電気分解する電解槽には、2槽式と3槽式がある。
陰極と陽極が2つの電解槽に分けられている2槽式の場合には、電解質を添加するために、抵抗率は低下して電気分解が容易になるが、得られる酸性水とアルカリ水は電解質成分を不純物として含むことになる。
3槽式の電解槽の場合には、陰極と陽極を入れる2つの電解槽の他に、中間室をもつ、中央の中間槽内に電解質を入れるので、得られる酸性水とアルカリ水には電解質が含まれないという利点があるが装置的に複雑となる。(たとえば特許文献1参照。)。
電極については、半導体基板の洗浄水をつくるために、高純度の白金(Pt)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)などの白金族元素の電極、又は炭素電極、又はグラファイト電極又はグラッシーカーボン電極などのような溶出の少ない電極材が用いられている。(たとえば、特許文献2参照。)。
水の電気分解において、水の理論分解電圧は25℃で1.23Vであるが、陽極と陰極における過電圧や電解液の抵抗による電圧損失などのために、印加電圧は、2V前後で電解が行われている。(たとえば、非特許文献1参照。)。
特許公開平7-75784 特許公開2001-96273 電気化学、米山宏、大日本図書(株)、1986年、p135
従来の水の電気分解においては、電解質を添加する必要がある。このため、得られるアルカリ水と酸性水には、電解質が不純物として残留する。そして、使用排水中に電解質が残留するから環境汚染を生じる。この環境汚染を防ぐために、排水中から電解質を除去する設備が必要となる。
本発明は、電解質を添加しないで、純水を電気分解する装置を提供するものであり、その特徴とする構成は、次の(1)〜(3)の通りである。
(1)、電解槽の内部を縦型の隔膜により仕切り、前記隔膜を挟んで陰極と陽極を対向させて配置し、前記電解槽の該陰極側の下側に給水口を備えると共に上側に槽内生成のアルカリ水と水素ガスの取水口を備えてこの取水口に気液分離部を連通設置し、一方前記電解槽の該陽極側の下側に給水口を備えると共に上側に槽内生成の酸性水と酸素ガスの取水口を備えてこの取水口に気液分離部を連通設置したことを特徴とする純水の電気分解装置。
(2)、電解槽の内部を縦型の隔膜により仕切り、前記隔膜を挟んで陰極と陽極を対向させて配置し、前記電解槽の該陰極側の下側に給水口を備えると共に上側に槽内生成のアルカリ水と水素ガスの取水口を備えてこの取水口に気液分離部を連通設置しこの気液分離部からの分離アルカリ水を前記給水口に供給可能にし、一方前記電解槽の該陽極側の下側に給水口を備えると共に上側に槽内生成の酸性水と酸素ガスの取水口を備えてこの取水口に気液分離部を連通設置しこの気液分離部からの分離酸性水を前記給水口に供給可能にしたことを特徴とする純水の電気分解装置。
(3)、前記隔膜を、セルロース布製にしたことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の純水の電気分解装置。
本発明の純水の電気分解装置は、上記構成によって、陰極と陽極とを近付け、電圧を所定値にし、電流密度と電界強度を所定値にすることによって、電解質を添加することなく、純水を電気分解することを実現したものである。このため、コストが安くなる。また、電解質が含まれていないために、純度の高いアルカリ水と酸性水が得られる。さらに使用排水中に電解質は含まれないから、電解質による環境汚染を生じない。従って環境汚染を防ぐために通常設けるべき、電解質成分の除去設備を不要とし、製造コストを低廉なものとするものである。
本発明の純水の電気分解装置における最良の作用について、以下に説明する。
電解槽にける陰極側の内部おいて、陰極の下側にある給水口から陰極の近傍に純水を供給し、陰極に接触する純水が電気分解されてアルカリイオン水(以下アルカリ水と言う)と水素ガスを生じ、水素ガスは取水口向かって急速に上昇する。水素ガスの上昇に伴い、アルカリ水は水素ガスに連行されて取水口に向かって上昇する。これにより陰極の上側にある取水口から水素ガスとアルカリ水とを取り出し、取水口に連結している気液分離部により、水素ガスとアルカリ水とを連続的に分離回収する。
これと併行して、電解槽にける陽極側の内部おいて、陽極の下側にある給水口から陽極の近傍に純水を供給し、陽極に接触する純水が電気分解されて酸性イオン水(以下酸性水と言う)と酸素ガスを生じ、酸素ガスは取水口向かって急速に上昇する。酸素ガスの上昇に伴い、酸性水は酸素ガスに連行されて取水口に向かって上昇する。これにより陽極の上側にある取水口から酸素ガスと酸性水とを取り出し、取水口に連結している気液分離部により、酸素ガスと酸性水とを連続的に分離回収する。
次に本発明の純水の電気分解装置において主要構成部分および操作に必要な電気条件などの最良の具体例にいついて述べる。
前記電解槽内を例えば2分する隔膜は、耐酸、耐アルカリ性能に優れ、且つ耐熱温度も高く、コストも安く加工もしやすい材料で構成すればよく、具体的には、セルロース(綿100%)の布等で構成することが望ましい。
また電解槽は、100℃の温度や酸やアルカリに耐え、加工が容易で価格が安い材料で構成すればよく、具体的にはポリプロピレン等で構成することが望ましい。
陽極は、酸性雰囲気で溶出しにくい電極材料で構成すればよく、具体的には白金又はイリジウム(Ir)又はオスミウム(Os)などの白金族元素の電極、又は炭素電極、又はグラファイト電極又はグラッシーカーボン電極又は白金めっきチタン電極又はゴム電極等で構成することが望ましい。
陰極は、アルカリ性雰囲気で溶出しにくい電極材料で構成すればよく、具体的には白金又はイリジウム(Ir)又はオスミウム(Os)などの白金族元素の電極、又は炭素電極、又はグラファイト電極又はグラッシーカーボン電極又は又は白金めっきチタン電極又はチタン電極又はステンレス電極又はゴム電極等ましい。
陰極物質の溶出を少なくするために、電気分解を停止してから、排水を終了する迄の間、電極間の電圧を0.5Vから1.0Vまでに保持することが望ましい。
陰極と陽極との間にかける電圧は、低いほど、電気分解の効率は高くなるので望ましい。しかし、水の理論分解電圧は1.23Vであり、1.23Vよりも小さな電圧では水の電気分解が起きない。また2Vよりも小さいと実用的な大きさで水の電気分解が生じない。従って、実用的な大きさで水の電気分解を起こすために2V以上の電圧を加える必要がある。
一方、陰極と陽極との間にかける電圧は、高いほど電流は大きくなり、電気分解反応は早く進み、流す純水の量を多くして、処理時間を短くすることができる。しかし、電圧を高くするとしても実用的には100Vまたは200Vまでが使用しやすい。特に200V以上の電圧を得るには特別な装置を必要とし、コストが高くなるので、実用的ではない。
また、電圧の増加に比例して電流が増すけれども、さらに電流の2乗に比例してジュール熱も増大するので、電気分解の効率は低下する。
従って、陰極と陽極との間にかける電圧は、2Vから200Vであればよく、2.8Vから142Vが望ましく、4Vから100Vがさらに望ましい。
白金線陰極と白金線陽極を隔膜に押し付ける構造の電解槽においては、220Vの電圧を加えたときに、電極間隔が約0.1mmの部分で短絡事故が起きた。これは、陰極と陽極との間に加わる電界強度が2200V/mmに相当するので、陰極と陽極との間に加わる電界強度は、2000V/mm以下が望ましい。
直径0.3mmで長さが70cm(純水と接触する部分の長さは約65cm)の白金線を陽極に用いて、陰極と陽極との電極間隔が0.22mmであったときに、電圧50Vで電流0.35A(電流密度は54mA/cm2、電界強度は227V/mm)から100Vで0.66A(101mA/cm2、454V/mm)の範囲では、電気分解が効率的に生じた。電流が1A(154mA/cm2、681V/mm)を超えると電流の2乗に比例するジュール熱が大きくなり、電解効率が低下した。電流が0.05A(7mA/cm2、32V/mm)では電気分解の反応速度が遅くて実用的でなかった。
従って、陽極から陰極に流れる電流の電流密度(及び、陰極と陽極との間に加わる電界強度)は、水と接触する陽極の表面積で電流値を割って、7mA/cm2(32V/mm)から150mA/cm2(681V/mm)であればよく、25mA/cm2(113V/mm)から120mA/cm2(544V/m)が望ましく、50mA/cm2(227V/mm)から100mA/cm2(454V/mm)がさらに望ましい。
電極間距離は短いほど、電気抵抗は低下してよいが、0.1mmよりも短かいと短絡事故がおきる危険性が高くなる。
一方、電極間距離が長いほど高い電圧を加えて、電流を大きくすることができるが、電解効率は低下する。また、200Vの電圧を加えても、電界強度が32V/mmとなるのは、電極間距離が6mmのときである。
従って、電極間距離は0.1mmから6mmであればよく、0.14mmから4mmが望ましく、0.2mmから3mmがさらに望ましい。
本発明では、電解槽の各電極の下側から給水し、電解槽の各電極の上側から取水することを一つの特徴としているが、これは、かつて行った予備実験において見出された事実、すなわち、イオンが泡と水に連行されて、水面に運ばれるという事実に基づいている。この予備実験は次のようなものである。3リットルの水道水を0.1x100x100mmの白金板2枚を用いて電極間隔を5cmにして200V1Aで電気分解中に、万能試験紙で測定すると、水面のpHは、陰極側で14pHと陽極側で0pHであり、pHセンサーで測定した水中のpHは、10pHであった。これは、電気分解により電極表面で、イオンと泡が発生すると、泡は水面に向かって上昇し、泡に押されて水が水面に上昇し、イオンが泡と水に連行されて、水面に向かって上昇することを示している。従って、電気分解された酸性水とアルカリ水のイオンの濃度を高めるために、電解槽の各電極の下側から給水し、電解槽の各電極の上側から取水するのである。
また、酸性水とアルカリ水のイオンの濃度を高めるために、取水部分の面積を小さくすることが望ましい。このため取水部分にパイプを取り付けることが望ましい。パイプの先には、一部分岐部を設けて、気液分離部を構成する。酸性水とアルカリ水の取水部で水位のバランスをとり、アルカリ水と酸性水の量が等しくなるように調節しながら、取水することが望ましい。給水部に3方活栓を設けることで、電解槽の下から排水も行うことができる構造にすることが望ましい。
この装置で得られた酸性水とアルカリ水各々を再び、別々の給水容器にいれて当該槽部に給水して、再び電気分解を行うことにより、強い酸性水または強いアルカリ水を得ることができる。さらに望みのpH値になるまで、この工程を繰り返し行うこともできる。
図1は純水の電気分解装置例の説明図である。
本例の純水の電気分解装置において、電解槽1は、内部を縦型の隔膜2により2等分1a、1bに仕切り、前記隔膜2を挟んで陰極3aと陽極3bを対向させて近接配置し、前記電解槽1の該陰極側1aは、下側に給水口4aを備えると共に上側に槽内生成のアルカリ水と水素ガスの取水口5aを備えてこの取水口5aに気液分離部6aを連通設置する。一方前記電解槽1の該陽極側1bは、下側に給水口4bを備えると共に上側に槽内生成の酸性水と酸素ガスの取水口5bを備えてこの取水口5bに気液分離部6bを連通設置してある。
給水容器14a、14bに純水を満たして、給水弁20a、20b、21a、21bを開く。給水と共用の排水弁30a、30bを開いて電解槽1の陰極側1aと陽極側1bに純水を供給する。純水は陰極側1aと陽極側1bで電気分解され、陰極側1aではアルカリ水と水素ガスが生成し、陽極側1bでは酸性水と酸素ガスが生成し、これらは各々前記取水口5a、5bから密閉部a、bを通り、当該気液分離部6a、気液分離部6bに入る。
気液分離部6aにおいて、水素ガスは水素ガス回収口7aに進み、アルカリ水は下側に進む。アルカリ水は密閉弁8aにより、密閉されて、ガス抜き9aと10aを経て、取水弁11aを通り、pHセンサー12aを経て、取水容器13aに入る。
また気液分離部6bにおいて、酸素ガスは酸素ガス回収口7bに進み、酸性水は下側に進む。酸性水は密閉弁8bにより、密閉されて、ガス抜き管9bと10bを経て、取水弁11bを通り、pHセンサー12bを経て、取水容器13bに入る。
さらに、純水に代えて、取水容器13aで得られたアルカリ水を、給水容器14a又は14bに注入し、当該槽部1aまたは1bに給水して、再び電気分解を行うことにより、陰極側の取水口において、より強いアルカリ水を得ることができる。
同様に、純水に代えて、取水容器13bで得られた酸性水を、給水容器14aまたは14bに注入し、当該槽部1aまたは1bに給水して、再び電気分解を行うことにより、陽極側の取水口において、より強い酸性水を得ることができる。
これらの工程を繰り返すことにより、望みのpH値にすることができる。
陽極3bは直径0.3mm、長さ70cmの白金線で、陰極3aは直径0.3mm、長さ1mの鉄線であり、隔膜2には、厚さ0.225mmの綿100%の布を用いた。
電極1a、1bは1x2x5mmのポリプロピレン板を2cm間隔で布に熔着して固定した。給水口4a、4bから電解槽1内への純水の供給量は16cc/分で供給した。
電極1a、1bに50Vの電圧をかけると0.35Aの電流が流れた。pHセンサー12aと12bでのpH測定値は、時間と共にpH値が変化し、8分後にpHセンサー12aでは9.50pH及び、pHセンサー12bでは5.00pHとなった。27分後には、電圧を100Vに上昇させたら電流値は0.66Aとなったが、pH値はpHセンサー12aで9.58pH及びpHセンサー12bで4.61pHで以前とほぼ同じとなった。
およそ1時間でアルカリ水の取水容器13a及び酸性水の取水容器13bが満水になったので、電気分解を停止した。
酸性水の取水容器13bに得られた1リットルの酸性水を煮沸風乾して蒸発残留物の重さを測定し、不純物の重さとみなした。酸性水1リットル当たり蒸発残留物の重さは、5mg+-3mgであった。同様にして、アルカリ水の取水容器13aに得られたアルカリ水1リットル当たりの蒸発残留物の重さは、7mg+-3mgであった。給水に用いた精製水(純水)1リットル当たりの蒸発残留物の重さは、0+-3mgであった。参考のために、水道水1リットル当たりの蒸発残留物の重さは、175mg+-3mgまたは、194mg+-3mgまたは、180mg+-6mgであった。
電解質を添加せずに、純水の電気分解により得られたアルカリ水と酸性水は、水道水に比べて、不純物が少なく、その排水も環境を汚染しないことがわかった。
本発明装置による製造コスト例を紹介する。消費電力例は、50Vx0.35A=17Wから100Vx0.66A=66WまでおよそpH9とpH5程度であった。ここで平均50Wと仮定して1時間で1リットルが得られるものと仮定する。1kWHで30円であると仮定すれば、1リットルに1.5円かかる。市販されている純水(アズワン(株)、精製水、抵抗率=5Mオームcm)は20リットルで3000円であったので、1リットルで157円(消費税込)である。ポリプロピレンの蓋付きで、850ccのガラス瓶((株)大創産業、ガラスポット、No.110)が105円(消費税込)で市販されている。水位を調節する必要があるので、人件費として時給700円を仮定すると、全体として850ccガラス瓶入り酸性水またはアルカリ水は1本で963円の原価である。調整部分を自動化することで安価にできるので、産業上の利用の可能性が大きい。
純水の電気分解装置例の説明図
符号の説明
a、b 密閉部
1 電解槽
1a 電解槽1の該陰極側
1b 電解槽1の該陽極側
2 隔膜
3a 陰極
3b 陽極
4a,4b 給水口
5a、5b 取水口
6a、6b 気液分離部
7a 水素ガス回収口
7b 酸素ガス回収口
8a、8b 密閉弁
9a、9b ガス抜き管
10a、10b ガス抜き管
11a、11b 取水弁
12a、12b pHセンサー
13a、13b 取水容器
14a、14b 給水容器
20a、20b1、21a、21b 給水弁
30a、30b 排水弁

Claims (3)

  1. アルカリ水とこれを中和できる量の酸性水をつくる方法において、電解槽の内部に、隔膜を配置し、該隔膜を挟んで陰極と陽極とを備え、該陰極と該陽極とを対向させ、かつ近接させて配置し、該陰極と該陽極に接続された電源を備え、該隔膜とともに該陰極を取り囲んでいる該電解槽において、該電解槽の下側に給水口を備え、該電解槽の上側に取水口を備え、該取水口に連結された気液分離部を備え、該隔膜とともに該陽極を取り囲んでいる該電解槽において、該電解槽の下側に給水口を備え、該電解槽の上側に取水口を備え、該取水口に連結された気液分離部を備えていることを特徴とする純水の電気分解の方法。
  2. アルカリ水とこれを中和できる量の酸性水をつくる装置において、電解槽の内部に、隔膜を配置し、該隔膜を挟んで陰極と陽極とを備え、該陰極と該陽極とを対向させ、かつ近接させて配置し、該陰極と該陽極に接続された電源を備え、該隔膜とともに該陰極を取り囲んでいる該電解槽において、該電解槽の下側に給水口を備え、該電解槽の上側に取水口を備え、該取水口に連結された気液分離部を備え、該隔膜とともに該陽極を取り囲んでいる該電解槽において、該電解槽の下側に給水口を備え、該電解槽の上側に取水口を備え、該取水口に連結された気液分離部を備えていることを特徴とする純水の電気分解の装置。
  3. 請求項1に記載の純水の電気分解の方法により製造された酸性水及びアルカリ水。
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