JP2005283703A - 吸音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みを増大させることなく、1〜3KHz付近の吸音性を向上させることができ、しかも軽量で安価な吸音材を提供する。
【解決手段】ポリウレタンフォーム等からなる平板の多孔質弾性発泡体の表面にプロファイル加工による複数の凹凸が形成された基材11と、前記凸部15の頂部15a間に張設されて前記凸部15の頂部15aと接合した被膜21とによって自動車の車内等に好適な吸音材を形成した。被膜21は、ポリウレタンフィルム等からなる厚み10〜1000μmのプラスチックフィルム、凸部15の間隔は5〜200mm、凸部と凹部の高低差は3〜70mmであるのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸音材に関する。
例えば、自動車内には、フェルトや発泡体、ガラスウール等からなる吸音材が多用されている。また、自動車用の吸音材は燃費の改善等のため、軽量な吸音材が求められている。さらに、ディーゼルエンジン車においては、1〜3KHz付近の吸音性向上が求められている。
従来のフェルトやガラスウールなどの繊維体からなる吸音材は、一般的に300g/m〜1600g/mの重量範囲で用いられている。また、表面を凹凸に賦形したグラスウール、ロックウール、多孔質ボード等に樹脂フィルムを張り、外枠材に収納することが提案されているが、その場合、繊維体に凹凸を形成するためのバインダーや成形型が必要となり、コストや手間がかかる。さらに吸音材が圧縮された場合には、凸部が潰れて圧縮解除後も復元しなくなり、繊維体の表面と樹脂フィルムが略全体で接触して樹脂フィルムの振動が制限され、良好な吸音性が得られなくなる。
また、多孔質材料からなる吸音材において、1〜3KHz付近の吸音性を改善する方法として、厚みを増大させることや、全面にフィルムを張ることが行われている。しかし、厚みを増大させると吸音材の重量が増大する問題や、設置空間が制限される設置場所に吸音材を設置できなくなる問題が発生する。それに対して全面にフィルムを張る場合には、フィルムの膜振動によって1〜3KHz付近の吸音性を向上させることが可能なものの、全体的な吸音性については低下する傾向にある。
さらに、空気が封入された多数の凸部を表面に有する樹脂フィルムを、多孔質材料の表面に貼り合わせたものも提案されているが、表面側に凹凸が現れるため、使用時に表面にごみが溜まりやすい問題や、施工時に空気封入凸部が破損し易い問題がある。
特開2000−144968号公報 特開平7−261768号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたもので、厚みを増大させることなく、1〜3KHz付近の吸音性を向上させることができ、しかも軽量で安価な吸音材の提供を目的とする。
請求項1の発明は、平板の多孔質弾性発泡体の表面に複数の凹凸が形成された基材と、前記凸部の頂部間に張設されて前記凸部の頂部と接合した被膜とよりなる吸音材に係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記多孔質弾性発泡体の凹凸が、プロファイル加工により形成されたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記被膜が厚み10〜1000μmのプラスチックフィルムであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記凸部の間隔が5〜200mmであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記基材における凸部と凹部の高低差が3〜70mmであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から5の何れか一項において、前記基材における凹部位置の厚みH2が1〜20mmであることを特徴とする。
本発明によれば、吸音材は、平板の多孔質弾性発泡体の表面に複数の凹凸部が形成された基材と、前記凸部の頂部間に張設されて前記凸部の頂部と接合した被膜とよりなるため、被膜の膜振動による吸音性向上作用、特には1〜3KHz付近の吸音性を向上することができ、吸音材の厚みを増大することなく吸音性を向上させることができる。しかも、前記被膜が基材の凸部の頂部と接合されているため、被膜の膜振動を凸部間で確実に行わせることができ、吸音性の向上がより良好となる。
さらに、請求項2のプロファイル加工は、公知のごとく、平板状の多孔質弾性発泡体を、表面が凹凸の二本のロール間に通して圧縮すると共に、その圧縮状態の多孔質弾性発泡体の中央部を刃物で切断することにより、切断後の多孔質弾性発泡体が復元した際に前記切断面に複数の凹凸を有するものとなる加工方法であり、型を用いなくても複数の凹凸を基材の表面に形成できるため、安価な吸音材を得ることができる。また、前記基材が多孔質弾性発泡体からなるため、吸音材の設置場所によっては、設置作業時に吸音材を一旦圧縮しなければならないことがあっても、前記圧縮によって潰れた凸部が、圧縮解除後には復元するので、凸部の頂部に接合されている被膜の膜振動による吸音効果を圧縮解除後も得ることができる。
図1は本発明の一実施例における吸音材の一部切り欠き斜視図、図2は同実施例における基材の斜視図である。
図1に示す吸音材10は、基材11と被膜21とよりなる。前記基材11は、図2からよりよく理解されるように、平板の多孔質弾性発泡体の表面にプロファイル加工による複数の凹凸が形成されたものである。前記多孔質弾性発泡体としては、プロファイル加工が可能なものであれば特に限定されない。使用可能な多孔質弾性発泡体として、軟質ポリウレタンフォーム、メラミンフォーム、ゴムスポンジ、オレフィンフォームなどを挙げることができる。また、前記多孔質弾性発泡体は、密度が15〜40kg/m、通気量が10〜50cc/cm/sec(JIS L 1096)のものが、軽量性及び吸音性を良好とする上で好ましい。ただし、発泡体単体でみると、前記範囲外であっても本発明の構造とすることで、従来の吸音材よりも良好な吸音性を示す。
前記凹凸は公知のプロファイル加工によって形成されたものであり、図示の例では、前記多孔質弾性発泡体の片面に複数の凹部13と凸部15からなる凹凸が形成されているが、多孔質弾性発泡体の両面に前記凹凸を形成してもよい。
前記凸部15の間隔(頂部間隔)は、5mm〜200mmが好ましい。5mm未満の場合には、前記凸部15間で前記被膜21の自由度が低下し、被膜21の膜振動による効果的な吸音性向上を図れなくなる。また200mmを超えると、前記被膜21に撓みが発生した際に、前記被膜21が前記凹部13と接触して被膜21の膜振が効果的に行われなくなる。前記理由により、前記凸部15の間隔は5mm〜200mmが好ましく、さらには30mm〜50mmがより好ましい。
前記凸部15と前記凹部13の高低差、すなわち前記凸部15の位置における基材11の厚みH1と前記凹部13の位置における基材11の厚みH2の高低差、H1−H2の値は、3mm〜70mmが好ましい。3mm未満の場合には前記凹部13と前記被膜21の間の隙間が実質的になくなって被膜の自由度が損なわれ、良好な吸音性が得られなくなる。それに対して70mmを超えると、前記吸音材10の厚み増大によって、前記吸音材10の軽量性が損なわれるのみならず、吸音材の設置場所に制限を受けるようになる。なお、前記基材11における凹部13位置の厚みH2:凸部位置の厚みH1は、1:1.5〜1:4であるのが好ましい。凹部13の位置の厚みH2に対する凸部15の位置の厚みH1の比が1.5より小の場合には、前記被膜21の良好な膜振動が得難くなり、それに対して1.5より大の場合には軽量性が難しくなる。さらに、前記基材11における凹部13の位置の厚みH2は、1〜20mmが好ましい。1mmよりも薄いと良好な吸音性が得られなくなり、成形後、凹部の谷の底で貫通孔が形成される不具合を生じやすい。それに対して20mmより厚いと前記吸音材10の軽量性が損なわれるのみならず、吸音材の設置場所に制限を受けるようになる。
前記被膜21は、プラスチックフィルムで構成される。プラスチックフィルムの材質は限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド系、シリコン系等を挙げることができる。また、前記被膜21は、厚みが10〜1000μmのものが、膜振動性に優れ、良好な吸音性が得られるために好ましい。
前記被膜21は、前記凹部13との間に空間を残して前記凸部15間に張設され、前記基材11の凹凸側の表面を覆う。前記被膜21と前記凸部15とは、前記凸部15の頂部15aにおいて接合されている。前記接合は、接着剤によるものでも、あるいは前記凸部15の頂部15aを火炎によって溶融し、前記溶融状態の凸部15の頂部15aに前記被膜21を圧着する火炎溶着によるもの、あるいはその他の接合方法でもよい。また、前記被膜21は、前記基材11の凹凸表面を覆っていれば、用途により基材11の全面が被膜21で覆われていてもよく、その場合でも良好な吸音性が得られる。さらに、その場合には、前記基材11が被膜であるプラスチックフィルムにより覆われることにより、基材である多孔質弾性発泡体の耐久性を増大させることも期待できる。
以下、具体的な実施例を示す。実施例1の吸音材は、基材として軟質ポリウレタンフォーム(密度18kg/m、通気量30cc/cm/sec(JIS L 1096)、品番F−21、株式会社イノアックコーポレーション製)をプロファイル加工して片面に凹凸を形成したものを用いた。また、実施例1における基材は、凸部の間隔(頂部間隔)が30mm、凸部の位置における基材の厚みH1が10mm、凹部の位置における基材の厚みH2が3mm、凸部と凹部の高低差、H1−H2の値が7mm、H2:H1が1:3.3であり、基材の全体寸法は、10×300×300mmである。また、実施例1における被膜は、厚み20μmのポリウレタンフィルムを使用し、火炎溶着によって基材の凸部の頂部に接合することにより、凸部間に張設した。
実施例2の吸音材は、実施例1と同じ軟質ポリウレタンフォームを基材に用い、凸部の間隔(頂部間隔)を30mm、凸部の位置における基材の厚みH1を10mm、凹部の位置における基材の厚みH2を5mm、凸部と凹部の高低差、H1−H2の値を5mm、H2:H1を1:2とした点を除き、他は実施例1の吸音材と同様とした。
参考のため、以下に示す比較例1〜4の吸音材を製造した。比較例1の吸音材は、10×300×300mmの繊維体(3M社製、シンサレート、TAI−2047)のみで構成した。比較例2の吸音材は、実施例1で用いた軟質ポリウレタンフォームを10×300×300mmとしたフォーム単体で構成した。比較例3の吸音材は、実施例1において被膜を設けない構成とし、その他は実施例1と同様の構成とした。比較例4の吸音材は、比較例2の軟質ポリウレタンフォームの両面に厚み20μmのポリウレタンフィルムを火炎溶着により貼着したもので構成した。表1に、実施例1〜2及び比較例1〜4の吸音材について、構成、凸部間隔、H1及びH2の値、H1−H2の値、重量、厚みを示す。
Figure 2005283703
また、前記実施例1〜2と比較例1〜4について、JIS A 1405にしたがい垂直入射吸音率(%)を測定した。測定結果は図3に示すとおりである。図3から明らかなように、実施例1〜2の吸音材は、比較例1〜4の吸音材と比較すると被膜の自由度が高く、膜振動が行われることにより、1〜3KHzの吸音性が向上している。また実施例2の吸音材は、実施例1の吸音材よりも凹部の厚み(H2)が大であり、1〜3KHzにおける吸音率のピークが幾分低周波側へずれているが、1000〜3150Hzの吸音性については、実施例1の吸音材と同様に比較例1〜4の吸音材よりも優れている。
本発明の一実施例における吸音材の一部切り欠き斜視図である。 同実施例における基材の斜視図である。 実施例及び比較例の吸音材に対する垂直入射吸音率の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
10 吸音材
11 基材
13 凹部
15 凸部
15a 凸部の頂部
21 被膜
H1 凸部位置における基材の厚み
H2 凹部位置における基材の厚み

Claims (6)

  1. 平板の多孔質弾性発泡体の表面に複数の凹凸が形成された基材と、前記凸部の頂部間に張設されて前記凸部の頂部と接合した被膜とよりなる吸音材。
  2. 前記多孔質弾性発泡体の凹凸が、プロファイル加工により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記被膜が厚み10〜1000μmのプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音材。
  4. 前記凸部の間隔が5〜200mmであることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の吸音材。
  5. 前記基材における凸部と凹部の高低差が3〜70mmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の吸音材。
  6. 前記基材における凹部位置の厚みH2が1〜20mmであることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の吸音材。
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