JP2005288366A - リン含有排水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リン含有排水中のリン酸イオンを効率よく除去することができ、さらに、リン酸イオンを緩効性化成肥料として利用可能なリン酸マグネシウムカリウムの固体粒子として回収できるリン含有排水のリン処理方法を提供する。
【解決手段】 リン含有排水1をリン吸着剤の充填層3に供給してリン含有排水1中のリン酸イオンを吸着させた後、水酸化カリウム溶液4を用いてリン吸着剤からリン酸を脱離させ、次いで、リン酸を含む脱離液5に〔Mg〕/〔PO4 3-〕が1以上となるようにマグネシウム化合物8を添加し、撹拌混合することによりリン酸マグネシウムカリウム10を生成させ、その固体粒子を回収することを特徴とするリン含有排水の処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リン含有排水の処理方法に関するものである。
近年、閉鎖性水域で特に問題となっている富栄養化の一因子であるリンの除去技術にはアルミニウム塩や鉄塩等の金属塩とリンを反応させる凝集分離法、リン鉱石や骨炭等の種晶にヒドロキシアパタイトの形でリンを析出させる晶析法(接触脱リン法)、アンモニア性窒素の存在下でリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の形で析出させる造粒脱リン法(MAP法)、微生物のリン過剰摂取作用を利用した生物学的脱リン法、活性アルミナ等のリン吸着剤に吸着除去する方法などがある。
これらの中で、処理水中のリン濃度を安定して低濃度にまで低下でき、さらに廃棄物発生の少ない方法としてリン吸着剤による吸着除去法があり、近年、活性アルミナやジルコニウムフェライト系に代表されるリン吸着容量の大きい種々の吸着剤が開発されてきている。この方法においては、リン吸着剤の吸着能を維持するためには、定期的なリンの脱離操作が必要とされる。リン吸着剤の多くはpH7付近かそれ以下の酸性域でリン吸着能は最大を示し、その範囲外では極端に低下するため、アルカリ性溶液を用いてリン吸着剤からのリン酸の脱離が行われているが、その際、高濃度のリン酸イオンを含有する脱離液が発生し、その処分方法および有効なリン回収方法が課題となっている。
従来、リン吸着剤脱離液中のリン酸の処理方法として、脱離液に塩化カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシウム化合物を添加してリン酸カルシウム、過リン酸石灰等の沈殿物として分離回収する方法(例えば、非特許文献1参照)や、ジルコニウムフェライト系のリン吸着剤から水酸化ナトリウム溶液で脱離し、脱離液に更に水酸化ナトリウムを添加することにより、リン酸ナトリウムの過飽和溶液として析出させる方法(例えば、非特許文献2参照)が知られていた。
浦野紘平、立川裕隆著,「アルミナ系新吸着剤による排水からのリンの除去・回収」,表面,vol.26,No.6,p.414−424(1988) 高井智丈、岩島良憲、大島純治、村澤崇、西田克範、小松央子著,「ジルコニウム系吸着剤による脱リンと資源化技術」,資源環境対策,vol.37,No.2,p.157−163(2001)
しかしながら、上記したカルシウム化合物を添加してリン酸カルシウムや過リン酸石灰等の沈殿物として分離回収する方法では、沈殿反応には過剰のカルシウムが必要であり、生成した沈殿はスラリー状であり、ハンドリングが困難であるという問題があった。また、リン酸ナトリウムを析出させる方法では、リン酸ナトリウムの析出に過剰の水酸化ナトリウム溶液が必要となり、また回収したリン酸ナトリウムそれ自身では有効利用できないという問題があった。
本発明は、リン吸着剤脱離液中のリン酸イオンを効率よく除去でき、また取り扱いが容易であり、さらに得られたものが肥効を持続する緩効性の化成肥料として有効利用できるリン処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、リン酸イオンを吸着したリン吸着剤を水酸化カリウム溶液で脱離し、脱離液にマグネシウム化合物を添加し、撹拌混合することで脱離液中のリン酸イオンをリン酸マグネシウムカリウムの固体粒子として、除去し回収するという事実を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、リン含有排水をリン吸着剤の充填層に供給してリン含有排水中のリン酸イオンを吸着させた後、水酸化カリウム溶液を用いてリン吸着剤からリン酸を脱離させ、次いで、リン酸を含む脱離液にマグネシウム化合物を添加し、撹拌混合することによりリン酸マグネシウムカリウムを生成させ、その固体粒子を回収することを特徴とするリン含有排水の処理方法を要旨とするものである。
本発明によれば、リン吸着剤脱離液中のリン酸イオンを効率よく除去することができ、さらに除去されたリン酸イオンはリン酸マグネシウムカリウムの固体粒子として回収され、高品質の緩効性化成肥料として有効利用することができる。
本発明で用いられるリン吸着剤としては、pH7付近かそれ以下の酸性域でリン吸着能が最大を示し、アルカリ性溶液を用いてリン吸着剤からのリン酸の脱離を行うことができるものであれば限定されないが、具体的には活性アルミナ系、ジルコニウム系、塩基性炭酸イットリウム、キレート樹脂系、パトライト系およびハイドロサルタイト系などがあげられる。特に、リン吸着容量が大きい吸着剤としては、Al2O3の含有率60〜90%、粒子径が0.5〜5mm程度の活性アルミナ系やジルコニウムフェライト(ZrFe2(OH)8)を主成分とし、有効径0.7mm、均等係数1.6以下のジルコニウム系の市販品を用いることができる。市販品として、例えば、「ネオビードD」や「ネオビードDS−5」(水澤化学工業社製)等があげられる。
本発明においては、まず上記したリン吸着剤を充填した充填層にリン含有排水を供給してリン酸イオンを吸着させる。充填層への供給は、上向流でも下向流でもよい。空間速度(流量/吸着剤充填体積)は、特に限定されないが、通常は0.5〜20(1/h)の範囲、好ましくは2〜15(1/h)の範囲、さらに好ましくは5〜10(1/h)の範囲で供給される。
リン吸着剤の吸着能を維持するためには、リン含有排水中のリン濃度にもよるが、充填体積の100〜3000倍程度のリン含有排水を通水した時点でリン酸の脱離操作を行う必要がある。本発明においてはこの脱離操作において水酸化カリウム溶液を使用することが必要である。ここで用いられる水酸化カリウム溶液としては、特に限定されないが、0.01規定以上が好ましく、0.1〜2規定がさらに好ましい。水酸化カリウム溶液の使用量としては、リン吸着剤充填層の体積の1〜500倍、好ましくは2〜100倍、さらに好ましくは3〜30倍である。水酸化カリウム溶液の供給の方法は上向流でも下向流でも構わない。この水酸化カリウム溶液を用いた脱離操作により、リン吸着剤充填層に吸着されたリン酸がほとんど脱離され、得られた脱離液のリン酸態リン濃度は100〜5000mg/リットルと高濃度を示し、pHは11〜13程度になる。
本発明においては次いで、得られた脱離液にマグネシウム化合物を添加し、攪拌混合する。ここで用いられるマグネシウム化合物としては、特に限定されるものではなく、マグネシウムイオンを含有した海水なども使用できるが、水酸化マグネシウム溶液や塩化マグネシウム溶液を用いることが好ましい。水酸化マグネシウムの濃度は1〜50%が好ましく、さらに好ましくは3〜35%である。塩化マグネシウムの濃度は1〜50%が好ましく、さらに好ましくは10〜30%である。
マグネシウム化合物の添加量としては、〔Mg〕/〔PO4 3-〕が1以上となるように添加されることが好ましく、〔Mg〕/〔PO4 3-〕が1〜2がさらに好ましい。
脱離液にマグネシウム化合物を添加した液を攪拌混合する方法としては、撹拌翼により機械的に撹拌する方法や反応槽に導入して撹拌用空気を反応槽の底部より供給する方法などがあげられる。
以上の操作により、次の反応が起こる。
PO4 3-+K++Mg2++6H2O→MgKPO4・6H2O↓ (1)
生成したリン酸マグネシウムカリウムは固体粒子として回収除去される。
以下、図面を参照しつつ、本発明を説明する。
図1は、本発明の処理方法の一例を示すフロー概略図である。図1において、リン含有排水1はリン吸着剤充填層3に上向流で供給される。リン含有排水1中のリン酸イオンはリン吸着剤充填層3に吸着され、リン酸イオンが除去されたリン吸着処理水2が得られる。
一定のリン含有排水を供給した後、リン吸着剤からリン酸を脱離する。脱離液として水酸化カリウム溶液4を下降流で供給し、リン吸着剤充填層3に吸着されたリン酸を脱離し脱離液5が得られる。このリン酸が脱離した脱離液5は、脱離液貯槽6を経てリン酸マグネシウムカリウム反応槽7での滞留時間が10分以上となるように一定量供給される。
そして、リン酸マグネシウムカリウム反応槽7にマグネシウム化合物8が添加され、反応槽7の底部からの攪拌用空気9の供給により常時攪拌混合され、リン酸マグネシウムカリウムが生成する。リン酸マグネシウムカリウム反応槽7内部でpHは8.5以上に保つ必要があるが、脱離液5は高アルカリ性であるため、アルカリ剤の添加はほとんど必要ない。リン酸マグネシウムカリウムの結晶は粒子状に成長してくるので、リン酸マグネシウムカリウム反応槽7の底部より一定間隔で引き抜く。脱離液5中のリン酸イオンが除去された脱離液処理水11はリン酸マグネシウムカリウム反応槽7上部より溢流する。このようにして、リン吸着剤脱離液5中のリン酸イオンの80%以上を除去することが可能となる。
図2は、本発明の処理方法の他の一例を示すフロー概略図である。図2においては、リン酸マグネシウムカリウム反応槽7上部より溢流する脱離液処理水11を脱離液として再利用するクローズドシステムの一例である。大部分のリン酸イオンを除去された脱離液処理水11中には水酸化物イオンとカリウムイオンが多量に残存するため再度、リン吸着剤に吸着したリン酸を脱離するためのアルカリ剤として利用することが可能である。
リン酸マグネシウムカリウム反応槽7から流出した脱離液処理水11に、消費された水酸化物イオンとカリウムイオンを補充するために補充用の水酸化カリウム溶液12を添加し、リン吸着剤の脱離操作を行うことにより、使用する水酸化カリウム溶液量を低減することができ、高濃度のアルカリ廃液の発生量も少なくすることができる。
以上のようにして、本発明の処理方法により得られたリン酸マグネシウムカリウムの固体粒子は、緩効性化成肥料として有効利用される。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1
直径32mm、長さ450mmのガラス製カラムに、活性アルミナとしてネオビードD(Al2O3 80.57%、粒度4〜5メッシュ91.0%、水澤化学工業社製)を吸着剤層が400mmとなるように充填し、この充填層にリン酸態リン濃度が2.0mg/リットルの合併処理浄化槽処理水を空間速度5(1/h)で通水して処理したところ、活性アルミナ充填体積の3000倍の通水まで、処理水のリン酸態リン濃度は0.5mg/リットル以下に維持された。
その後、脱離操作として、充填体積の10倍量の7%水酸化カリウム溶液を活性アルミナ充填層に添加して活性アルミナに吸着したリン酸を脱離し、リン酸態リン濃度400mg/リットル、pH13の脱離液を得た。活性アルミナに吸着したリン酸の約90%が脱離したことになる。
この脱離液をリン酸マグネシウムカリウム反応槽に導入し、ここで30%塩化マグネシウムを〔Mg〕/〔PO4 3-〕=1となるように添加し、空気撹拌しながら、25分間反応させることにより、脱離液中のリン酸イオンは80%以上除去され、沈降性の良い白色固体粒子が得られた。この白色固体粒子はX線回折の結果、リン酸マグネシウムカリウム(MgKPO4・6H2O)であることが判明した。
比較例1
実施例1で塩化マグネシウムを添加したことに代え、2Mの塩化カルシウム溶液を
〔Ca2+〕/〔PO4 3-〕=3となるように添加した以外は実施例1と同様に処理した。実施例1と同様に脱離液中のリン酸イオンは80%以上除去されたが、非常に沈降性の悪いCa2(OH)PO4と炭酸カルシウムのスラリー状汚泥が多量に発生した。
本発明のリン含有排水の処理方法の一例を示すフロー概略図である。 本発明のリン含有排水の処理方法の他の例を示すフロー概略図である。
符号の説明
1 リン含有排水
2 リン吸着処理水
3 リン吸着剤充填層
4 水酸化カリウム溶液
5 脱離液
6 脱離液貯槽
7 リン酸マグネシウムカリウム反応槽
8 マグネシウム化合物
9 撹拌用空気
10 リン酸マグネシウムカリウム固体粒子
11 脱離液処理水
12 補充用水酸化カリウム溶液

Claims (1)

  1. リン含有排水をリン吸着剤の充填層に供給してリン含有排水中のリン酸イオンを吸着させた後、水酸化カリウム溶液を用いてリン吸着剤からリン酸を脱離させ、次いで、リン酸を含む脱離液にマグネシウム化合物を添加し、撹拌混合することによりリン酸マグネシウムカリウムを生成させ、その固体粒子を回収することを特徴とするリン含有排水の処理方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7901582B2 (en) 2008-03-19 2011-03-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Phosphorus recovery method and phosphorus recovery system
US8258076B2 (en) * 2007-08-03 2012-09-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Phosphorus compound adsorbent, phosphorus compound adsorption system, and method of using phosphorus compound adsorbent
JP2015123434A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 旭化成ケミカルズ株式会社 イオン処理装置、及びイオン処理方法
CN109835966A (zh) * 2019-04-02 2019-06-04 生态环境部南京环境科学研究所 一种原位治理河道底泥和水体中磷的吸附装置
CN113731363A (zh) * 2021-09-16 2021-12-03 河北科技大学 一种吸附剂及其制备方法和应用

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