JP2005288902A - 熱可塑性樹脂発泡シートの成形装置及び成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトディスク保持体のように、先端部外周にアンダーカット部を有する凸形成形部分を含む成形品を、寸法精度よく且つ効率的に成形できる成形装置及び成形方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂発泡シートAからアンダーカット部を有する凸形成形部分2を含む成形品1を成形する際、凸形成形部分2の外形に対応するキャビティ12を有する雌型10と、先端部がゴム状弾性材25により構成されかつキャビティ12に挿入されるプラグ22を有する雄型20とを用い、両型間に発泡シートAを介在させた状態で型締めする際、キャビティ12内においてゴム状弾性材25を型締め方向に圧縮して外方へ拡張させ、発泡シートAをキャビティ12内のアンダーカット部分にも確実に沿わせるようにして成形する。
【選択図】 図1
【解決手段】熱可塑性樹脂発泡シートAからアンダーカット部を有する凸形成形部分2を含む成形品1を成形する際、凸形成形部分2の外形に対応するキャビティ12を有する雌型10と、先端部がゴム状弾性材25により構成されかつキャビティ12に挿入されるプラグ22を有する雄型20とを用い、両型間に発泡シートAを介在させた状態で型締めする際、キャビティ12内においてゴム状弾性材25を型締め方向に圧縮して外方へ拡張させ、発泡シートAをキャビティ12内のアンダーカット部分にも確実に沿わせるようにして成形する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱可塑性樹脂発泡シートからアンダーカット部を有する凸形成形部分を含む成形品を成形するための成形装置及び成形方法に関し、特にはアンダーカット部の形状が細かく寸法精度も要求される成形品を成形するための成形装置と成形方法に関する。
熱可塑性樹脂シートの成形品で、アンダーカット部を有する凸形成形部分2を含む成形品1は、図8のように、前記凸形成形部分2に対応するキャビティ112を有する雌型110と、キャビティ112に挿入されるプラグ122を有する雄型120とを用い、良型間に素材の熱可塑性樹脂発泡シートAを介在させた状態で型締めして成形するが、この成形において、発泡シートの場合には前記キャビティ112のアンダーカットの面を含む側壁面(成形面)に沿わせるのが難しく、特に雌型110側から真空吸引しても前記アンダーカットになる部分の面には正確に沿わせることができないものであり、前記凸部を精度高く成形することができない。
従来より、発泡あるいは非発泡の熱可塑性合成樹脂シートからの成形において、アンダーカット部を有する成形品を成形する方法としては、前記アンダーカット部を成形する部分にOリングを使用し、そのOリングを径方向に広げてアンダーカット部を有する成形品を成形するようにした成形方法が知られている。
例えば、下記の特許文献1には、側壁等の立ち上がり部の内周面に凹陥溝を持つ合成樹脂シート製容器を雄金型及び雌金型とからなる成形型を用いて製造する方法であって、雄金型として前記成形すべき凹陥溝に相当する位置に径方向に押出し可能な弾性部材を配置したものを用い、加熱され軟化した合成樹脂シートを雄金型と雌金型との間に型合わせして成形する過程において、成形中の容器の側壁等の立ち上がり部の内周面に凹陥部を形成すべく前記弾性部材を押し出し、その状態を所定時間保持した後、前記弾性部材の押出し状態を解除して原位置に復帰させ、しかる後に、雄金型の型抜きを行い、金型から成形容器を取り出すことを特徴する合成樹脂シート製容器の製造方法が開示されている。
また、下記の特許文献2には、Oリング等のゴム状弾性体の圧縮変形性を利用して、側辺に嵌合溝等のアンダーカット部を有する成形品を形成できるようにした射出成形、圧縮成形、トランスファー成形などに好適な金型が開示されている。
特開平8−127062号公報
特開平2−258218号公報
特許文献1、特許文献2のいずれも、型締めによる押圧力を利用して前記Oリングを変形させることにより、該Oリングと接する側に凹溝状のアンダーカット部を成形するものであるが、Oリングは、長期の使用によっては径が拡大することがあり、耐久性に問題があった。
その上、断面が略円形のOリングであるために、成形品のアンダーカット部の位置や形状によっては、前記Oリングの取り付けが難しい上に、細かな形状の成形は困難であり、アンダーカット部の形状に高い寸法精度が要求される成形品の成形には、必ずしも適当でない場合があった。
例えば、熱可塑性樹脂発泡シートよりなるコンパクトディスク保持体50は、コンパクトディスクを収容する部分51の中央部に、該コンパクトディスのセンター孔を嵌合して保持するための略円柱状の凸部52を有するもので、該凸部52は、前記センター孔の嵌合によりコンパクトディスクを安定性よく保持できて、しかもある程度の力を加えることでコンパクトディスクを着脱できるようにするために、その先端部外周に僅かに拡径した側面部55が形成されて外形がアンダーカット部を有する形状をなし、かつ高い寸法精度が要求されている。
このコンパクトディスク保持体50の成形において、外形形状および寸法に高い精度が要求される前記凸部52のアンダーカット部になる前記拡径側面部55に、前記の断面略円形のOリングを適用しても、求められる精度を得ることができないものであった。
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、その目的は、熱可塑性樹脂発泡シートからの成形装置として、例えば前記コンパクトディスク保持体のように、先端部外周にアンダーカット部となる拡径側面部を有する凸部等の凸形成形部分を含む成形品を、寸法精度よく且つ効率的に成形でき、しかも耐久性にも優れる成形装置を提供しようとするものであり、さらには、該成形装置を用いて前記成形品を効率良く成形できる成形方法を提供するものである。
上記の課題を解決する本発明は、熱可塑性樹脂発泡シートからアンダーカット部を有する凸形成形部分を含む成形品を成形する成形装置であって、前記凸形成形部分に対応するキャビティを有する雌型と、前記キャビティに挿入されるプラグを有する雄型とを有し、前記プラグの少なくとも先端部がゴム状弾性材により構成され、該ゴム状弾性材が型締めにより外方へ拡張変形可能に設けられてなることを特徴とする。
この成形装置によれば、前記雌型と雄型の型締めにより、両型間の熱可塑性樹脂発泡シートを雌型のキャビティの形状に沿わせるように成形するが、この際、前記プラグの先端部に有するゴム状弾性材が、型締め方向に圧縮されて外方へ拡張変形することで、前記発泡シートをキャビティの内奥側で外方へ押圧でき、そのため雌型側から真空吸引しても前記発泡シートを雌型のキャビティの形状にうまく沿わせない部分においても、該キャビティの形状に正確に沿わせることができる。これにより、キャビティの形状をアンダーカット部を含めて正確に成形品の凸形成形部分の外形に再現でき、精度よく成形することができる。
前記の成形装置において、前記ゴム状弾性材が略円柱状をなしているものがよく、これにより、該ゴム状弾性材は型締め方向に圧縮されることで外方へ略均一に拡張変形することになり、前記雌型のキャビティの形状、特には真空吸引しても沿わせることができないアンダーカットの部分にも、前記熱可塑性樹脂発泡シートを均一にかつ正確に沿わせることができる。また前記ゴム状弾性材は略円柱状のために耐久性も良好に保持される。
前記の成形装置において、前記ゴム状弾性材は先端ほど径大の逆テーパによる略円錐台形をなし、外周側面が先端に向かって外方へ傾斜しているものが好ましい。これにより、前記ゴム状弾性材は型締めにより圧縮されることで外方へなめらかに容易に拡張変形でき、前記雌型のキャビティの形状、特には凸形成形部分の先端部外周の拡径側面部等の真空吸引しても前記熱可塑性樹脂発泡シートを正確に沿わせることができないアンダーカットの部分にも、前記熱可塑性樹脂発泡シートを所定の圧力で確実に沿わせることができる。
前記ゴム状弾性材は、その先端に凹部が形成されているのがよく、これにより、前記ゴム状弾性材は型締めにより圧縮で外方へなめらかに拡張変形でき、前記雌型のキャビティの形状、特には真空吸引しても沿わせることができないアンダーカットの部分にも、前記熱可塑性樹脂発泡シートを確実に沿わせることができる。
さらに前記の各発明の成形装置において、前記雌型のキャビティの側壁面の内奥側端部に周方向に連続した凹溝部が形成され、前記ゴム状弾性材の拡張変形により、前記発泡シートが前記凹溝部の内周面に沿って成形されるように構成されているものとすることができる。
この場合、前記ゴム状弾性材は型締め方向の圧縮による外方への拡張変形により、前記キャビティの内奥側端部の凹溝部にも前記熱可塑性樹脂発泡シートを確実に沿わせることができ、以て先端部外周に拡径側面部を有する凸形成形部分の外形を精度よく成形することができる。
本発明は、熱可塑性樹脂発泡シートからアンダーカット部を有する凸形成形部分を含む成形品を成形する成形方法であって、前記凸形成形部分の外形に対応するキャビティを有する雌型と、少なくとも先端部がゴム状弾性材により構成されかつ前記キャビティに挿入されるプラグを有する雄型とを、両型間に前記熱可塑性樹脂発泡シートを介在させた状態で型締めして成形する方法において、前記型締めの際、前記キャビティ内において前記ゴム状弾性材を型締め方向に圧縮することにより、該ゴム状弾性材を型締め方向と直交する外方向へ拡張させて、熱可塑性樹脂発泡シートによる凸形成形部分にアンダーカット部を形成することを特徴とする。
これにより、先端部外周にアンダーカット部となる拡径側面部を有する凸部等の凸形成形部分を含む成形品を、精度よくかつ効率よく成形できる。
上記したように本発明の成形装置および該成形装置を用いる成形方法によれば、例えばコンパクトディスク保持体のように、先端部外周にアンダーカット部となる拡径側面部を有する凸部等の凸形成形部分を含む成形品を、寸法精度よく且つ効率的に成形できる。
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照して説明する。
図1(a)〜(c)は本発明に係る成形装置による成形状態を説明するための概略断面図であり、図2及び図3はゴム状弾性材の部分の拡大断面図と下面図である。図4(a)(b)は他の実施例の要部の断面図である。図5は本発明の成形装置を使用する成形方法の1実施例の成形工程の概略図である。
まず、本発明に係る成形装置の基本的な構成及び特徴となる構成について説明する。
本発明による成形対象の熱可塑性樹脂発泡シートの成形品1は、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の各種の熱可塑性樹脂の発泡シートから成形されるものであって、少なくとも一部にアンダーカット部を有する凸部等の凸形成形部分2を含むものよりなる。この図1〜図3の例では、前記凸形成形部分2は、略円筒状をなし、その先端部のほうが基部側よりも拡径した形状、所謂逆テーパ状をなしており、全体としてアンダーカット形状をなしている。
前記の成形品1を熱可塑性樹脂発泡シートAから成形する本発明の成形装置は、前記凸形成形部分2に対応する例えば逆テーパ状のキャビティ12を有する雌型10と、前記キャビティ12に挿入されるプラグ、例えば図のように実質的にストレートの略円筒状をなすプラグ22を有する雄型20とを組み合わせた一対の成形型よりなり、前記雌型10と前記雄型20とを、両型間に加熱軟化した前記熱可塑性樹脂発泡シートAを介在させた状態で型締めすることにより、前記熱可塑性樹脂発泡シートAを、前記雌型10の前記キャビティ12の内面(成形面)と前記雄型20のプラグ22との間に挟み込むようにして、前記凸形成形部分2を含む成形品1を所定の形状に成形できるようになっている。
本発明の成形装置においては、前記雄型20のプラグ22の少なくとも先端部(下端部)が、その基部側の金属部分22aに取設されたゴム状弾性材25により構成されており、該ゴム状弾性材25が型締めにより圧縮されることで図1(b)のように外方へ拡張変形可能に構成されており、これにより、前記熱可塑性樹脂発泡シートAによる前記凸形成形部分2の先端部を型締め方向と直交する外方へ押圧し、該発泡シートAを前記キャビティ12の逆テーパ状等のアンダーカット部を含む側壁面(成形面)に沿わせることができるようになっている。
前記ゴム状弾性材25としては、シリコンゴム等の耐熱ゴムで、硬度が40〜60のゴム材が用いられる。このゴム状弾性材25は、型締めにより全周に渡って略均一に拡張変形できるように、略円筒状の前記プラグ22の形状に対応した略円筒状をなすものとすることもできるが、図の場合は、先端ほど径大の逆テーパによる略円錐台形をなし、その外周側面25aが先端に向かって外方へ傾斜せしめられている。この場合、前記ゴム状弾性材25は、型締めによる圧縮で全周に渡って略均一に外方へなめらかにかつ容易に拡張変形できることになり特に好ましい。
前記略円錐台形のゴム状弾性材25は、その外周側面25aの先端側の最大外径部分と最小外径の基部側部分との半径の差、つまり前記最大外径部分と基部側部分つまりプラグ22の外形部との寸法差αは、0.3〜1.0mmの範囲とするのが好ましい。すなわち、前記寸法差αが1.0mmであると、キャビティ12の内面と緩衝するおそれがあり、また0.3mm未満では、拡張変形の度合いが小さくなる。
前記ゴム状弾性材25は、円柱状及び逆テーパの略円錐台形のいずれの場合も、先端部の中央部に凹部26が形成されてなるものが好ましい。すなわち、前記のように凹部26が形成されていると、残余のゴム状弾性材25の部分が略環状をなすために、前記型締めによる圧縮で外方へなめらかにかつ容易に拡張変形できることになる。特に前記凹部26の側面26aが、先端ほど外方へ所要の角度傾斜して拡径したテーパ状をなしていると、前記型締めによる圧縮で該ゴム状弾性材25はさらに外方へ拡張変形し易くなり、より好ましい。
前記側面26aの傾斜角度β1、及び逆テーパの略円錐台形の場合の外周側面25aの傾斜角度β2は、ゴム状弾性材25の厚み等によっても異なるが、例えば1〜30°程度の範囲に設定される。もちろん前記範囲外の傾斜角度にすることもできる。図示する実施例のゴム状弾性材25の内側の側面26aの傾斜角度β1は約5°、外周側面25aの傾斜角度β2は約3°である。実施上は、前記傾斜角度がβ1>β2に設定しておくのが、厚み方向の圧縮によりなめらかに拡張できることになり、特に好ましい。
また、前記ゴム状弾性材25の前記先端中央部の凹部26の部分は、全体面積の約2/3以上を有し、かつゴム状弾性材25の先端には先端面25bを有するように設定するのが好ましい。
前記のいずれの場合も、前記ゴム状弾性材25のプラグ突出方向のゴム厚については、3.0〜5.0mmのものとするのがよい。すなわち、ゴム硬度や形状等によっても異なるが、前記ゴム厚が3.0mm未満の場合、該ゴム状弾性材25を拡張変形させるのにかなり大きいプレス圧が必要になり、また、前記ゴム厚が5.0mmを越えると、スムーズに拡張変形できず拡張方向が不均一になる虞があり、また繰り返し使用による耐久性が損なわれるおそれがある。そのため、実施上は前記範囲とするのが好ましい。
前記のゴム状弾性材25は、前記プラグ22における金属部分22aに対する取設手段としては、例えば、該金属部分22aの先端面に十字状の凹溝23を形成しておき、該凹溝23の部分を含めてシリコンゴム等のゴム材料を流し込んで固化させることにより前記金属部分22aの先端面に強固に接着一体化させる。その後、必要に応じて先端中央部を切削加工して前記凹部26を形成する。前記凹部26を形成する場合、図2のように、前記凹部26の底面にゴム状弾性材25の層を僅かに残存させておくのが、強度保持上好ましい。前記のほか、別形成したゴム状弾性材を金属部分に接着固定することも可能であるが、取付強度や耐久性の点からは前記のようにして取設するのが望ましい。
なお、上記の例では、成形品1の凸形成形部分2が先端部側ほど径大の逆テーパ状をなし、これを成形する成形装置の雌型10のキャビティ12も、前記凸部成形部分2に対応して内奥側ほど径大の逆テーパ状をなす場合について説明したが、これに限らず、本発明は、前記凸型成形部分2の外形の一部、例えば先端部外周に、アンダーカット部になる拡径した側面部55を有する成形品においても、上記同様に実施できる。
すなわち、図6及び図7に示すコンパクトディスク保持体50のように、先端部外周に拡径側面部55を有する凸部52を凸型成形部分2として含む成形品を成形する場合、図4に示すように、雌型10のキャビティ12には、前記凸型成形部分2となる前記凸部52の外形に対応して、側壁面の内奥側の端部に前記拡径側面部55に対応する周方向に連続した凹溝部15が形成される。この場合においても、前記キャビティ12に挿入される雄型20のプラグ22の先端部に、上記した実施例と同様の構成よりなるゴム状弾性材25を金属部分22aに取設し、型締めにより型締め方向に圧縮されることで外方へ拡張変形するように構成して実施できる。この場合も、前記熱可塑性樹脂発泡シートAが前記ゴム状弾性材25の拡張変形により前記キャビティ12の内奥側の凹溝部15の部分に押しつけられることになって、該凹溝部15の面にも確実に沿わせることができ、先端部外周にアンダーカット部となる拡径側面部55を有する凸型成形部分としての凸部52を、寸法精度よく確実に成形できることになる。
上記の成形装置を使用する成形方法の1実施例の成形工程について図5に基づいて説明する。
図5は、本発明の1実施例として、成形対象の熱可塑性樹脂発泡シートAが、ポリエチレンテレフタレート樹脂の発泡シートの場合の成形工程を示しており、該発泡シートAを成形可能な状態に加熱軟化する加熱ゾーンZ1と、加熱ゾーンZ1で加熱軟化された前記発泡シートAを成形する成形ゾーンZ2とを有する。そして、各ゾーンにおいては、図示していないが、精度の良い送り機構を用いて誤差なく各ゾーンへ前記発泡シートAが送られる。
加熱ゾーンZ1は、原反から繰り出された前記ポリエチレンテレフタレート樹脂の発泡シートAを加熱するオーブン30が備えられている。このオーブン30の形態は、前記発泡シートAの入口と出口を除く密閉形状をしたものである。
オーブン30内には、前記発泡シートAと非接触状態にされたヒーター32が備えられている。ヒーター32は、例えば、遠赤外線ヒーター等が使用され、前記発泡シートAの上下にそれぞれ配置されている。前記ポリエチレンテレフタレート樹脂の発泡シートAは、このヒーター32からの輻射熱によって成形可能な状態に加熱軟化される。このときのヒーター温度としては、前記発泡シートAの表面温度が105〜135℃となるように調整する。135℃より高くなると、ポリエチレンテレフタレート樹脂の発泡シートの結晶化度が高くなるため、シャープな成形ができなかったり成形品が割れやすくなる。
この加熱ソーンZ1で加熱軟化されたポリエチレンテレフタレート樹脂の発泡シートAは、次に成形ゾーンZ2に搬送される。
成形ゾーンZ2には、上記加熱ゾーンZ1で加熱軟化されたポリエチレンテレフタレート樹脂発泡シートAを成形する成形装置として、上記した構成の雌型10と雄型20とを上下に対向配置した成形装置を備える。上述したように、雌型10は成形品1の凸形成形部分2に対応するキャビティ12を有し、また雄型20は前記キャビティ12に挿入されるプラグ22を有している。本発明の成形装置の場合は、特に前記プラグ22の先端部が上記したようにゴム状弾性材25により構成されている。図5の例では同形の2つの型を備えてなる。
前記雌型10及び雄型20とも、型が取り付けられている成形プレス盤41、42内に内装されたパイプ中に18〜30℃の冷却水を流して冷却する。すなわち、冷却水の温度が18℃未満では冷却水の凍結や結露の問題がある。冷却水の温度が30℃を超えると連続生産時に熱が型に蓄積されて型の温度が上昇するため、アンダーカット部の離型が悪くなったり、アンダーカット部が型通りの形状にならず変形したりする。
この成形装置は、コールドプレス用の金型であり、金型温度は、ポリエチレンテレフタレート樹脂発泡シートの融点以下の温度に保てばよい。この温度は熱可塑性樹脂発泡シートの種類に応じて適宜設定する。
前記成形装置は、雌型10と雄型20とが前記のポリエチレンテレフタレート樹脂発泡シートAに接触または接圧するマッチモールド型である。これら雌型10と雄型20とは、それぞれ進退自在なシリンダ機構43,44が取付けられた成形プレス盤41,42に固定されている。成形装置は、シリンダ機構43,44を駆動させることで、互いに対向する雌型10と雄型20が上下動されて、型締めまたは離形される。なお、雌型10は真空吸引機能を有しており、真空吸引管45が取付けられている。図示していないが、この真空吸引管45は真空ポンプと連結されている。この真空ポンプを作動させることで、軟化されたポリエチレンテレフタレート樹脂発泡シートAは雌型10に真空吸引されながら、前記プラグ22により押さえられてキャビティ12の成形面となる内面に沿って密着する。
この成形装置の動作としては、まず、加熱ソーンZ1で加熱軟化されたポリエチレンテレフタレート樹脂の発泡シートAを両型間に挟んだ状態〔図1(a)〕で、前記雌型10を上昇させると同時に雄型20も下降させて両型をある程度閉じた状態にした後、雌型10側から真空吸引して前記発泡シートAを雌型10のキャビティ12の内面側に引き寄せると同時に、あるいは時間的に少し遅らせて両型をさらに閉じて完全に型締めする〔図1(b)〕。これにより、前記雄型20のプラグ22の先端部に設けたゴム状弾性材25を型締め方向に圧縮して、型締め方向と直交する外方へ拡張変形させ、ポリエチレンテレフタレート樹脂の発泡シートAをキャビティの内奥部で外方へ押圧するように外力を作用させ、前記雌型10の前記キャビティ12内の側壁面の形状、例えば図1(b)のように逆テーパ状のキャビティ12の側壁面の形状に前記発泡シートAを沿わせることができ、こうしてキャビティ12の内面形状の通りに成形できる。
特に、前記プラグ22の先端部に有するゴム状弾性材25を前記キャビティ12の内奥部で拡張変形させるため、前記発泡シートAをキャビティ12の内奥部で外方へ押圧できる。そのため、例えば雌型側から真空吸引しても前記発泡シートAをうまく沿わせることができないキャビティ12内の内奥側端部の凹溝部15の部分においても、図4(b)のようにその形状にうまく確実に沿わせることができる。
すなわち、例えば図7に示すように、先端部外周にアンダーカット部となる拡径側面部55を有しかつ高い精度が要求される凸部52を有するコンパクトディスク保持体50においても、前記凸部52の外形をキャビティ12の形状通りに精度良く成形できることになる。また、前記のように成形される成形品の凸型成形部分2は、先端部の外径を開口端側より径大にすることができるので、複数の成形品をスタックした際の重なり防止用の凸部として利用することもできる。
このようにして、ポリエチレンテレフタレート樹脂発泡シートAは、所望形状の成形品1に寸法精度良く成形される。そして、成形ゾーンZ2によって成形された成形品1は、一対のカッター6によって各々の成形品1にカットされて回収される。
なお、成形ゾーンZ2における前記成形型の成形動作としては、雌型10と雄型20とによってポリエチレンテレフタレート樹脂の発泡シートAを挟んで型締めしながら真空吸引するようにしてもよい。さらに、成形装置の型の数としては、上記実施例では2個備えているが、1個でも、また2個以上の多数を備えたものでもよい。成形方法としては、プラグアシスト成形や、雄型20にも真空吸引機能を有する両面真空成形、真空に代えて圧空成形または単なる加圧成形等その他既知の成形方法を採用することができる。
本発明は、熱可塑性樹脂発泡シートからアンダーカット部を有する凸形成形部分を含む成形品を成形するための成形装置及び成形方法に好適に利用できる。
A:熱可塑性樹脂発泡シート
1:成形品
2:凸型成形部分
10:雌型
12:キャビティ
15:凹溝部
20:雄型
22:プラグ
22a:金属部分
23:凹溝
25:ゴム状弾性材
25a:外周側面
25b:先端面
26:凹部
26a:側面
50:コンパクトディスク保持体
52:凸部
55:拡径側面部
Z1:加熱ゾーン
Z2:成形ゾーン
1:成形品
2:凸型成形部分
10:雌型
12:キャビティ
15:凹溝部
20:雄型
22:プラグ
22a:金属部分
23:凹溝
25:ゴム状弾性材
25a:外周側面
25b:先端面
26:凹部
26a:側面
50:コンパクトディスク保持体
52:凸部
55:拡径側面部
Z1:加熱ゾーン
Z2:成形ゾーン
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂発泡シートからアンダーカット部を有する凸形成形部分を含む成形品を成形する成形装置であって、
前記凸形成形部分に対応するキャビティを有する雌型と、前記キャビティに挿入されるプラグを有する雄型とを有し、前記プラグの少なくとも先端部がゴム状弾性材により構成され、該ゴム状弾性材が型締めにより外方へ拡張変形可能に設けられてなることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡シートの成形装置。 - 前記ゴム状弾性材が、略円柱状をなしている請求項1に記載の熱可塑性樹脂発泡シートの成形装置。
- 前記ゴム状弾性材が、先端ほど径大の逆テーパによる略円錐台形をなし、外周側面が先端に向かって外方へ傾斜している請求項1に記載の熱可塑性樹脂発泡シートの成形装置。
- 前記ゴム状弾性材の先端に凹部が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の熱可塑性樹脂発泡シートの成形装置。
- 前記雌型のキャビティの側壁面の内奥側端部に周方向に連続した凹溝部が形成され、前記ゴム状弾性材の拡張変形により、前記発泡シートが前記凹溝部の内周面に沿って成形されるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡シートの成形装置。
- 熱可塑性樹脂発泡シートからアンダーカット部を有する凸形成形部分を含む成形品を成形する成形方法であって、
前記凸形成形部分の外形に対応するキャビティを有する雌型と、少なくとも先端部がゴム状弾性材により構成されかつ前記キャビティに挿入されるプラグを有する雄型とを、両型間に前記熱可塑性樹脂発泡シートを介在させた状態で型締めして成形する方法において、
前記型締めの際、前記キャビティ内において前記ゴム状弾性材を型締め方向に圧縮することにより、該ゴム状弾性材を型締め方向と直交する外方向へ拡張させて、熱可塑性樹脂発泡シートによる凸形成形部分にアンダーカット部を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡シートの成形方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2004107639A JP2005288902A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 熱可塑性樹脂発泡シートの成形装置及び成形方法 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004107639A JP2005288902A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 熱可塑性樹脂発泡シートの成形装置及び成形方法 |
Publications (1)
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|---|---|
| JP2005288902A true JP2005288902A (ja) | 2005-10-20 |
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ID=35322396
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004107639A Ceased JP2005288902A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 熱可塑性樹脂発泡シートの成形装置及び成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008188904A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-08-21 | Kasai Kogyo Co Ltd | 積層成形体の成形方法並びに成形装置 |
| JP2009262418A (ja) * | 2008-04-25 | 2009-11-12 | Starlite Co Ltd | 金型装置 |
| JP2019198982A (ja) * | 2018-05-14 | 2019-11-21 | 株式会社ギンポーパック | 容器の成形装置および製造方法 |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004107639A patent/JP2005288902A/ja not_active Ceased
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008188904A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-08-21 | Kasai Kogyo Co Ltd | 積層成形体の成形方法並びに成形装置 |
| JP2009262418A (ja) * | 2008-04-25 | 2009-11-12 | Starlite Co Ltd | 金型装置 |
| JP2019198982A (ja) * | 2018-05-14 | 2019-11-21 | 株式会社ギンポーパック | 容器の成形装置および製造方法 |
| JP7100788B2 (ja) | 2018-05-14 | 2022-07-14 | 株式会社ギンポーパック | 容器の成形装置および製造方法 |
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