JP2005290612A - 機能性繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】
光酸化触媒を定着させても繊維素材やバインダーが酸化されず、肌触りも極めて良好な繊維製品を提供する。
【解決手段】
水を主成分とする溶液(5)中にコラーゲン(6)及びアミノ酸(7)のいずれか一方又は双方を含有するアルカリ解溶型親水性高分子材(8)を分散させたエマルジョン(9)を分散媒とし、光酸化触媒(3)を分散質とする処理液(2)を付着乾燥させることにより光酸化触媒(3)を繊維素材(4)に定着させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒を素材に定着させることにより抗菌・防汚・消臭機能を持たせた機能性繊維製品に関し、特に肌着などに用いて好適な機能性繊維製品に関する。
近年、二酸化チタンが、紫外線照射下において大気中の有機化合物等の汚染物質を分解するという触媒機能を有することから光酸化触媒として注目を集め、同時に、脱臭抗菌作用を有することも報告されている。
具体的には、二酸化チタンに紫外線を照射すると、空気中に含まれる水や酸素の分解が引き起こされて、その表面に活性酸素(OH、O2−)が生成される。
そして、この活性酸素の作用により、大気中の汚染物質を酸化分解したり、臭気成分を分解して脱臭したり、細菌を死滅させることができる。
このような二酸化チタンの光酸化触媒機能に着目して、二酸化チタンを繊維製品に定着させることにより、抗菌・防汚・消臭機能を付与することが試みられている。
まず、特許文献1では銀を担持させた二酸化チタンを、染色時にバインダーを使用せずに繊維表面に定着させることにより、繊維の風合いを損ねることなく、光酸化触媒機能を持たせようとしている。
特開平10−280270号公報
また、特許文献2に示されているように、無機系バインダーに二酸化チタンを含有させた塗料で繊維表面を被覆することにより、二酸化チタンを繊維に強固に定着させることも試みられている。
特開平11−61652号公報
しかしながら、二酸化チタンの光酸化触媒機能は極めて強いため、繊維製品に付着した細菌・汚れ・臭いを分解するだけでなく、その繊維製品や樹脂自体を酸化分解してしまうという問題点があった。
また、二酸化チタンを含む白色塗料を壁面に直接塗布する場合、その壁面が白亜化してボロボロになるいわゆるチョーキングを起こすため、粒子表面にAl、SiOなどの水和物でノンチョーキング処理を施す技術が知られている。
特許文献3ではこの技術を繊維製品に応用し、二酸化チタン粒子をアルミノ珪酸塩粒子に含有させることにより、樹脂及び繊維の酸化を防止することが提案されているが、このようにノンチョーキング処理を施された二酸化チタンの光触媒としての機能は極めて弱くなってしまう。
特開平11−76835号公報
すなわち、二酸化チタンを繊維製品に定着させようとする場合に、直接定着させたのでは繊維製品自体が酸化し、バインダーに混合させた場合はそのバインダーが酸化してしまうだけでなくバインダーの被膜により繊維製品の風合いが損なわれて肌触りが悪くなり、ノンチョーキング処理を施した場合にはすでに光触媒として機能しなくなるという問題がある。
そこで本発明は、光酸化触媒を定着させても繊維素材やバインダーが酸化されず、肌触りも極めて良好な繊維製品を提供することを技術的課題としている。
この課題を解決するために、本発明に係る機能性繊維製品は、水を主成分とする溶液中にコラーゲン及びアミノ酸のいずれか一方又は双方を含有するアルカリ解溶型親水性高分子材を分散させたエマルジョンを分散媒とし、光酸化触媒を分散質とする処理液を付着乾燥させることにより光酸化触媒が繊維素材に定着されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えば肌着などの繊維製品に処理液を付着させて乾燥させると、エマルジョンに含まれる水分の蒸発に伴って表層側から肉やせを起こし、その表層に光酸化触媒が露出された状態で定着される。
この肌着を身に着けることにより汚れ等が付着しても、これを選択して干せば日光に曝されるので、光触媒作用により、細菌が殺され、汚れが落とされ、臭いが消されることになる。
ここで、光酸化触媒と繊維製品との間にはアルカリ解溶型親水性高分子材の皮膜が形成され、個々の光酸化触媒粒子は繊維製品に直接接触されることがない。しかも、エマルジョンに含まれる水分が蒸発して形成されたアルカリ解溶型親水性高分子材の皮膜は強固で耐酸性を有するので、光酸化触媒により生成された活性酸素により酸化されることがないので、皮膜が容易に剥離することもなく長持ちし、耐洗濯性にも優れ、50回以上選択しても効果を維持することができた。
特に、アルカリ解溶型親水性高分子材として有機物が含有されている場合は、水分が蒸発したときにより強固な樹脂皮膜が形成される。
さらに、エマルジョンにはコラーゲン及びアミノ酸のいずれか一方又は双方が含有されているので、保湿性が極めて高く、しっとりしたとても心地よい肌触りを呈する。
本例では、光酸化触媒を定着させても繊維素材やバインダーが酸化されず、肌触りも極めて良好な繊維製品を提供するという課題を、コラーゲン及びアミノ酸のいずれか一方又は双方を含有するアルカリ解溶型親水性高分子材の被膜に光酸化触媒と繊維製品の間に形成することにより実現した。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る機能性繊維製品を示す説明図である。
図1に示す機能性繊維製品1は肌に直接触れる肌着として使用されるもので、縫製が完了した後、これを処理液2に浸漬する後加工により光酸化触媒となる二酸化チタン3がその繊維素材4に定着されている。
処理液2は、水を主成分とする溶液5中にコラーゲン6及びアミノ酸7のいずれか一方又は双方を含有するアルカリ解溶型親水性高分子材8を分散させたエマルジョン9を分散媒とし、これに粉末又は液状の二酸化チタン3が10%程度の濃度で分散されて成る。
エマルジョン9に使用される溶液5は、水を主成分とし、水だけを用いる場合であっても、また、水溶性添加剤等を溶解した水溶液を用いる場合であっても良い。
そして、この溶液5に分散されるアルカリ解溶型親水性高分子材8としては、アルカリ解溶型親水性有機高分子材及びアルカリ解溶型親水性無機高分子材のいずれか一方又は双方が用いられる。
アルカリ解溶型親水性有機高分子材としては、カルボキシル基などの親水基を導入して水性化した水性ポリエステル樹脂の他、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂など任意の有機高分子材を水性化して用いることができる。
また、アルカリ解溶型親水性無機高分子材としては、海藻抽出物をはじめとする天然高分子の他、天然高分子誘導体、合成高分子等の一般に安定剤として用いられる物質を使用し得る。
前記天然高分子には、寒天、カラギーナン、ファーセラン、アルギン酸などの海藻抽出物、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビノガラクタン、大豆タンパク、小麦タンパク、生澱粉、大豆レシチン、キサンタンガム、プルラン、デキストラン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、卵黄レシチンなどの脂質を使用できる。
さらに、前記天然高分子誘導体としては、リンサン澱粉、カルボキシルメチル化澱粉などの澱粉系、マイクロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースなどのセルロース系を使用しうる。
またさらに、前記合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコールなどを使用しうる。
表1は処理液2(2A〜2E)に使用する光酸化触媒分散媒となるエマルジョン9の組成例を示す。
本例の場合、処理液2A〜2Eは、純水と、添加剤であるエチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル(CHC(CHO・CHCHOH)と、アルカリ解溶型親水性有機高分子材である水性ポリエステル樹脂と、アルカリ解溶型親水性無機高分子材であるカラギーナンと、コラーゲンと、アミノ酸(本例ではグリシン)を下記の割合で混合して、ガラス転移点が−10℃以下(本例では−25℃)のエマルジョン9を精製した。
Figure 2005290612
そして、各処理液2A〜2Eは、これらのエマルジョン9を分散媒として、これに分散質となる粒径5nm以上50nm以下の二酸化チタン3を10%程度混入させ、十分に攪拌して製造したものを用いた。
粒径は、小さければ小さいほど良いが、生産技術及び製造コストの問題があるだけでなく、粉末としての取扱が困難になることから、5nm以上が好ましい。
また、50nmを超えると、分散状態によっては形成された被膜10にざらつき感が生じることがあるため、50nm以下が好ましい。
そして、各処理液2A〜2Eに未処理状態の繊維素材4に処理液2A〜2Eを付着させて十分に乾燥させると、表面にアルカリ解溶型親水性高分子材8をバインダーとする被膜10が形成された繊維製品1となる。
以上が本発明に係るコーティング材とそれに用いる光酸化触媒用溶液の構成例であって、次にその作用について説明する。
被膜10は、乾燥状態では、水分の蒸発により肉やせを起こし、図1に示すように、その表層に二酸化チタン3の粒子が表層に露出した皮膜が形成される。
被膜10中には、コラーゲン6…やアミノ酸7…が分散されており、これらは高い保湿効果を有することからしっとりとした心地よい肌触りを呈し、肌着など直接肌に触れる繊維製品に用いて最適である。
そして、着用後これを洗濯して紫外線が含まれる太陽光や照明光の照射に曝すことにより、空気中に含まれる水分HOや酸素Oがコーティング層8から露出している二酸化チタン3に触れると、これらが光触媒作用により分解されて、その表層に活性酸素OHやO2−が生成される。
したがって、表層に付着して洗濯では落ちなかった細菌類、汚れ、臭気成分などの汚染物質は、酸化能力の高い活性酸素により水と二酸化炭素に酸化分解されて、細菌類は滅菌され、汚れ及び臭気成分は分解されて消臭される。
このとき、二酸化チタン3は、耐酸性に優れたアルカリ解溶型親水性高分子8に分散保持されており、繊維素材4に直接触れていないので、繊維製品1が酸化されることもなく、また、被膜10を形成するアルカリ解溶型親水性高分子8が酸化されることもない。
なお、アルカリ解溶型親水性高分子8からなる被膜10は強固であるため、洗濯により繊維素材より剥離脱落することがなく、50回の洗濯試験後であっても洗濯前と同等の効果が認められ、特に、水性ポリエステルを含有したアルカリ解溶型親水性高分子8からなる被膜は強固で100回の洗濯試験後であって洗濯前と同等の効果が認められた。
また、上述した肌触りの良さ、抗菌・防汚・消臭効果、耐洗濯性は、どの処理液2A〜2Eを用いた場合でも同等であった。
以上述べたように、本発明によれば、光酸化触媒を定着させても繊維素材やバインダーが酸化されず、肌触りも極めて良好な繊維製品を提供することができるという大変優れた効果を奏する。
なお、本発明は、肌着に適用する場合に限らず、繊維製品一般に広く提供することができることはもちろんである。
以上述べたように、本発明は、抗菌・防汚・消臭機能だけでなく、肌触りの良さが要求される肌着などの用途に最適である。
本発明に係る繊維製品を示す説明図。
符号の説明
1 機能性繊維製品
2 処理液
3 二酸化チタン
4 繊維素材
5 溶液
6 コラーゲン
7 アミノ酸
8 アルカリ解溶型親水性高分子材
9 エマルジョン
10 被膜


Claims (4)

  1. 水を主成分とする溶液中にコラーゲン及びアミノ酸のいずれか一方又は双方を含有するアルカリ解溶型親水性高分子材を分散させたエマルジョンを分散媒とし、光酸化触媒を分散質とする処理液を付着乾燥させることにより光酸化触媒が繊維素材に定着されていることを特徴とする機能性繊維製品。
  2. 前記光酸化触媒が二酸化チタンである請求項1記載の機能性繊維製品。
  3. 前記二酸化チタンの粒径が、5nm以上50nm以下である請求項2記載の機能性繊維製品。
  4. 前記エマルジョンのガラス転移点が、−10℃以下、好ましくは−20℃以下である請求項1記載の機能性繊維製品。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017193793A (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 株式会社シナネンゼオミック 繊維製品加工用組成物、繊維製品およびその製造方法
CN115961472A (zh) * 2022-10-12 2023-04-14 江南大学 一种明胶/二氧化钛超亲水涤纶织物涂覆改性的方法

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