JP2005292516A - 脂環式構造含有重合体組成物からなる光学部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 脂環式構造含有重合体組成物を成形してなる成形体上に耐候性、耐熱性に優れた無機化合物膜を有してなる光学部品を提供すること。
【解決手段】 脂環式構造含有重合体からなる成形体の表面の少なくとも一部に少なくとも1層の無機化合物膜が成形されてなる光学部品であって、該無機化合物膜の第一層が五酸化ニオブを5〜15オングストローム/secの膜形成速度で真空蒸着してなる光学部品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂環式構造含有重合体組成物からなる基材表面に少なくとも1層の無機化合物膜を有してなる光学部品に関し、更に詳しくは、耐候性、耐熱性に優れた無機化合物膜を有してなる光学部品に関する。
脂環式構造含有重合体は、透明性に優れているため光記録媒体、光学レンズ、プリズム、導光板などの光学部品の製造に用いられている。一方、光学部品には、光学機能を付与するために、基材の表面に誘電体膜や金属膜などの無機化合物膜を形成し、レンズやミラーなどに用いられることが知られている。脂環式構造含有重合体に対しても同様に、光学特性を付与するために各種無機化合物膜を形成させることが知られている。
特許文献1には、脂環式構造含有重合体組成物を成形してなる成形体の表面に五酸化タンタル、五酸化ニオブなどの高屈折率層を第一層、酸化ケイ素からなる低屈折率層を第二層、高屈折率層を第三層、低屈折率層を第四層とする反射防止層を有してなる成形体が開示されている。
また特許文献2には、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材表面に、五酸化タンタル及び五酸化ニオブを含有しかつ五酸化タンタルが50重量%以上含有してなる層を真空蒸着法により蒸着させてなる光学部材が開示されている。
一方、特許文献3には、二酸化チタン、五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムの群から選ばれる高屈折材料を真空蒸着によって石英基板に堆積させる際に、膜材料の堆積速度を15オングストローム/sec以下、最適には5オングストローム/sec以下で作成すると薄膜の割れや剥離のない波長250nm以下の光に用いる光学素子が得られることが開示されている。
特開2002−228845号公報 特開平6−312467号公報 特開2003−149404号公報
しかしながら特許文献1及び2記載の無機化合物膜は、80℃以上の高温下に曝した後の膜の密着強度が弱かったり、クラックが入ったりする問題があった。
また本発明者らは特許文献3を参照して、脂環式構造含有重合体組成物を成形してなる成形体上に五酸化タンタルを堆積速度5オングストローム/sec以下で真空蒸着によって積層させたが、高温下に曝されていると薄膜の割れや剥離が発生した。
従って、本発明の課題は、脂環式構造含有重合体組成物を成形してなる成形体上に耐候性、耐熱性に優れた無機化合物膜を有してなる光学部品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決す
べく、脂環式構造含有重合体組成物を成形してなる成形体に対し、種々の無機化合物を種々の条件で堆積させ、耐候性、耐熱性について検討をおこなったところ、脂環式構造含有重合体を成形してなる成形体に対し特定の無機化合物を特定の膜成形速度で堆積した無機化合物膜は、著しく膜の耐候性、耐熱性に優れていることを見出し、この知見によって本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、脂環式構造含有重合体組成物からなる成形体の表面の少なくとも一部に少なくとも1層の無機化合物膜が成形されてなる光学部品であって、該無機化合物膜の第一層が五酸化ニオブを5〜15オングストローム/secの膜形成速度で真空蒸着してなる光学部品が提供される。
前記光学部品の無機化合物膜は多層であって、第二層が低屈折率層であると好ましく、第三層が五酸化ニオブでありかつ第四層が低屈折率層であるとより好ましく、低屈折率層が二酸化ケイ素であると特に好ましい。
本発明により、脂環式構造含有重合体組成物を成形してなる成形体上に耐候性、耐熱性に優れた無機化合物膜を有してなる光学部品が提供される。
本発明の光学部品は、脂環式構造含有重合体からなる成形体の表面の少なくとも一部に少なくとも1層の無機化合物膜が成形されてなり、該無機化合物膜の第一層が五酸化ニオブを5〜15オングストローム/secの膜形成速度で真空蒸着してなっている。
本発明に用いる脂環式構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられる。
脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
脂環式構造含有重合体としては、ノルボルネン系重合体、単環シクロアルケン重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。
ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体と必要に応じてこれと共重合可能な単量体との開環(共)重合体;ノルボルネン系単量体と必要に応じてこれと共重合可能な単量体との付加(共)重合体;及びこれらの水素化物などが挙げられる。
単環シクロアルケン重合体としては、単環シクロアルケン単量体と必要に応じてこれと共重合可能な単量体との付加(共)重合体;脂環式共役ジエン単量体と必要に応じてこれと共重合可能な単量体との付加(共)重合体を必要に応じてそれらの不飽和結合部分を水素化したものなどが挙げられる。
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、ビニルシクロアルカンと必要に応じてこれと共重合可能な単量体との(共)重合体;ビニルシクロアルケンと必要に応じてこれと共重合可能な他の単量体(但し、ビニルシクロアルカンを除く)との(共)重合体の不飽和結合部分の水素化物;芳香族ビニル単量体と必要に応じてこれと共重合可能な単量体との(共)重合体の芳香環及びオレフィン性不飽和結合部分の水素化物;などが挙げられる。
これらの中で、ノルボルネン系単量体の開環(共)重合体及びその水素化物、ビニルシクロアルカンの重合体が好ましく、芳香族ビニル単量体と必要に応じてこれと共重合可能な単量体との(共)重合体の芳香環及びオレフィン性不飽和結合部分の水素化物がより好ましく、芳香族ビニル単量体単位の割合が50重量%以上である芳香族ビニル重合体を水素化したものが特に好ましい。
なお、本発明において、ノルボルネン系単量体、単環シクロアルケン、脂環式共役ジエン、ビニルシクロアルカン及びビニルシクロアルケンを「脂環式構造含有単量体」と称することがある。
脂環式構造含有単量体としては、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3−エン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3−エン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔8.4.0.111,14.02,8〕テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン)、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体などのノルボルネン系単量体;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテンなどの単環シクロアルケン;
シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの脂環式共役ジエン;
ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセンなどのビニルシクロアルケン;ビニルシクロペンタン、2−メチル−4−ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロオクタンなどのビニルシクロアルカン;
などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
前記脂環式構造含有単量体及び芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせても用いることができる。
脂環式構造含有単量体または芳香族ビニル単量体と付加重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテンなどの鎖状オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエンなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
脂環式構造含有重合体は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、酸無水物基などの極性基を含有していてもよい。
脂環式構造含有単量体や芳香族ビニル単量体の重合方法、及び得られた脂環式構造含有重合体への必要に応じて行われる水素添加の方法に格別な制限はなく、公知の方法に従って行なうことができる。
前記ノルボルネン系単量体の開環(共)重合反応は、開環重合触媒を用い、通常、溶媒中で温度−50〜100℃、圧力0〜5MPaで行ことができる。
開環重合触媒としては、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、助触媒の有機アルミニウム化合物とからなる触媒等が挙げられる。
ノルボルネン系単量体及び単環シクロアルケン、又はこれらと共重合可能な単量体との付加(共)重合反応は、付加重合触媒を用いて通常、温度−50℃〜100℃、圧力0〜5MPaで行なうことができる。
付加重合触媒としては、チタン、ジルコニウム、又はバナジウム化合物と助触媒の有機アルミニウム化合物とからなる触媒等が挙げられる。
芳香族ビニル単量体、ビニルシクロアルケン又はビニルシクロアルカンの重合反応は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合など公知の方法の、いずれでもよいが、カチオン重合では重合体の分子量が小さくなり、ラジカル重合では分子量分布が広くなって成形体の機械的強度が低下する傾向があるので、アニオン重合が好ましい。また、懸濁重合、溶液重合、塊状重合等のいずれでもよい。
芳香族ビニル単量体、ビニルシクロアルケン又はビニルシクロアルカンのアニオン重合反応は、有機溶媒中で重合触媒を用いて通常−70〜150℃、好ましくは−50〜120℃の反応温度で、通常0.01〜20時間、好ましくは0.1〜10時間の反応時間で行なうことができる。
重合触媒としては、n−ブチルリチウム、1,4−ジリチオブタンなどの有機アルカリ金属等が挙げられ、ジブチルエーテル、トリエチルアミンなどのルイス塩基を添加すると、分子量分布の狭い重合体が得られるので、機械的強度や耐熱性の確保などの点で好ましい。
前記有機溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、単量体濃度が、1〜40重量%になる量であると好ましく、10〜30重量%になる量であるとより好ましい。
重合体は、ランダム又はブロック共重合体のいずれでも良いが、ランダム共重合体であると好ましい。
又、重合体は、アイソタクチック、シンジオタクチック及びアタクチックのいずれでも良い。
脂環式共役ジエンの重合は、例えば特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報に記載された公知の方法によって行なうことができる。
脂環式構造含有重合体の重合転化率は、95重量%以上であると好ましく、97重量%以上であるとより好ましく、99重量%以上であると特に好ましい。重合転化率が高いと、放出有機物量の少ない成形体が得られるので好ましい。
本発明において、重合転化率は、用いた単量体の重量から未反応の単量体の重量を引いた値を、用いた単量体の重量で除した値である。
脂環式構造含有重合体は、重合反応後に、環や主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化することができる。
脂環式構造含有重合体は、該重合体中の全炭素−炭素結合数に対する炭素−炭素二重結合数の割合が、0.15%以下であると好ましく、0.07%以下であるとより好ましく、0.02%以下であると特に好ましい。炭素−炭素二重結合数の割合が少ないと、放出有機物量の少ない成形体が得られるので好ましい。
水素化反応は、水素化する重合体の種類により、水素化触媒の使用量、反応温度、水素分圧、反応時間及び反応溶液濃度を適宜に最適な範囲に設定することができる。
水素化触媒としては、特に限定されないが、ニッケル、コバルトなどの金属化合物と有機アルミニウムや有機リチウムと組み合わせてなる均一系触媒が好ましい。
また、前記水素化触媒には、必要に応じて活性炭、ケイソウ土、マグネシアなどの担体を用いることができる。
水素化触媒の使用量としては重合体100重量部当たり0.01〜50重量部、反応温度としては25〜300℃、水素分圧としては0.5〜10MPa、反応時間としては0.5〜20時間であることが好ましい。
水素化された脂環式構造含有重合体は、水素化反応溶液を濾過して水素添加触媒を濾別した溶液から溶媒などを除去することによって得ることができる。
溶媒などを除去する方法としては、凝固法や直接乾燥法などが挙げられる。
凝固法は、重合体溶液を重合体の貧溶媒と混合することにより、重合体を析出させる方法である。析出した小塊状の重合体(クラム)を固液分離し、該重合体を加熱乾燥して溶媒を除去する。
貧溶媒としては、たとえばエチルアルコール、n−プロピルアルコールもしくはイソプロピルアルコールなどのアルコール類;アセトンもしくはメチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類などの極性溶媒を挙げることができる。
直接乾燥法は、重合体溶液を減圧下で加熱して溶媒を除去する方法であり、遠心薄膜連続蒸発乾燥機、掻面熱交換型連続反応器型乾燥機、高粘度リアクタ装置などの公知の装置を用いて行なうことができる。真空度や温度はその装置によって適宜選択することができる。
脂環式構造含有重合体の揮発成分含有量は、0.5重量%以下であると好ましい。揮発成分含有量がこの範囲であると、放出水分量や放出有機物量のような揮発成分の少ない成形体が得られるので好ましい。
本発明において、揮発成分含有量とは、示差熱重量測定装置(セイコー・インスツルメンツ社製、「TG/DTA200」)を用いて、30℃から350℃まで10℃/分で加熱したときに揮発する成分の量である。
揮発成分の低減方法としては、特に限定されないが、前述した凝固法や直接乾燥法によって重合体溶液から溶媒と同時に他の放出水分や放出有機物を除去する方法の他、スチームストリッピング法、減圧ストリッピング法、窒素ストリッピング法などによる方法等が挙げられる。中でも、凝固法と直接乾燥法は生産性に優れているので好ましい。
脂環式構造含有重合体は、凝固や直接乾燥により溶媒を除去した後、更に減圧下で加熱して乾燥すると、放出水分量及び放出有機物量のより少ない成形体が得られるので好ましい。
乾燥の際の圧力としては、10kPa以下であると好ましく、3kPa以下であるとより好ましい。
加熱温度としては、260℃以上であると好ましく、280℃以上であるとより好ましい。
脂環式構造含有重合体のガラス転移温度(以下、Tgということがある。ブロック共重合体でTgが2個以上あるものは高い値の方を指す。)は、60〜200℃の範囲であると好ましく、70〜180℃の範囲であるとより好ましく、90〜160℃の範囲であると特に好ましい。Tgがこの範囲にあると、耐熱性、加工性の点で好ましい。
本発明においてTgは示差走査熱量計を用いて測定した値である。
脂環式構造含有重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、重合体がブロック共重合体である場合には、重量平均分子量(Mw)が50,000〜300,000の範囲であると好ましく、55,000〜200,000の範囲であるとより好ましく、60,000〜150,000の範囲であると特に好ましい。また、重合体がランダム共重合体あるいは単独重合体である場合には、重量平均分子量(Mw)が5,000〜500,000の範囲であると好ましく、10,000〜200,000の範囲であるとより好ましい。Mwがこの範囲にあると、機械的強度が高く、成形時間を短くすることができるので重合体の熱分解が起こりづらく有機物放出量が少なくなるので好ましい。
脂環式構造含有重合体の分子量分布(Mw/Mn)(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比)は、1〜2の範囲であると好ましく、1〜1.5の範囲であるとより好ましく、1〜1.2の範囲であると特に好ましい。Mw/Mnがこの範囲にあると、機械強度と耐熱性が高度にバランスされるので好ましい。
脂環式構造含有重合体は、必要に応じて公知の添加剤を発明の効果が損なわれない範囲で含有させ脂環式構造含有重合体組成物とすることができる。
公知の添加剤としては、その他の重合体、充填材、酸化防止剤、離型材、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シリコンオイル、発泡剤、界面活性剤、光安定剤、滑剤や分散助剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、結晶化核剤、防曇剤、有機物充填材、中和剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
その他の重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の主鎖水素化物(=スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体〔SEBS〕)や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の主鎖水素化物(=スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体〔SEPS〕)などが挙げられる。
このようなその他の重合体成分を添加すると高温高湿下において白濁しにくくなるので好ましい。このようなその他の重合体成分の金属含量は、50ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることが特に好ましい。その他の重合体成分の量は、脂環式構造含有重合体100重量部に対して0.5〜70重量部の範囲であると好ましく、0.1〜50重量部の範囲であるとより好ましい。
充填材としては、機械的性質を向上させる目的で、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、金属フレーク、ガラスビーズ、ワラストナイト、ロックフィラー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、マイカ、ガラスフレーク、ミルドファイバー、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカーなどが挙げられる。
脂環式構造含有重合体組成物を製造する方法としては、脂環式構造含有重合体及び必要に応じて添加する添加剤等とを混練りすることによりペレット状の樹脂組成物を得る方法;適当な溶媒中で脂環式構造含有重合体及び必要に応じて添加する添加剤等を混合し、溶媒を除去することにより樹脂組成物を得る方法などが挙げられる。
混練は、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、フィーダールーダーなどの溶融混練機等を用いることができる。混練り温度は、200〜400℃の範囲であると好ましく、240〜350℃の範囲であるとより好ましい。また、混練りするに際しては、各成分を一括添加して混練りしても、数回に分けて添加しながら混練りしてもよい。
脂環式構造含有重合体組成物は、公知の成形手段、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法などを用いて成形体にすることができる。成形体の形状は用途に応じて適宜選択できる。
成形条件は、特に制限はないが、たとえば、成形時の樹脂温度は通常200℃〜400℃、好ましくは210℃〜350℃で行われる。また金型を使用する場合の金型温度t℃は、使用する脂環式構造含有重合体のガラス転移温度をt1℃とすると、通常、室温<t<(t+15)℃、好ましくは(t−30)<t<(t+10)℃、より好ましくは(t−20)<t<(t+5)℃で行われる。(ただし、(t−30)<室温、あるいは(t−20)℃<室温である場合は、室温<t℃とする。)成形時の樹脂温度、金型温度がこの範囲であると、離型性の点で好ましい。
(無機化合物膜)
本発明の光学製品は、無機化合物膜の第一層が、五酸化ニオブからなっている。
五酸化ニオブの純度は、90%以上であると好ましく、95%以上であるとより好ましく、97%以上であると特に好ましい。五酸化ニオブの純度がこの範囲にあると光学特性や密着性の点で好ましい。
前記五酸化ニオブからなる膜は、前記脂環式構造含有重合体からなる成形体の表面に、五酸化ニオブを5〜15オングストローム/secの膜形成速度で真空蒸着してなる。
中でも、膜形成速度が6〜13オングストローム/secの範囲であると好ましく、7〜11オングストローム/secの範囲であるとより好ましい。
膜形成速度が遅すぎると、高温や高温高湿条件下に放置された後の密着性や耐クラック性が低下し、速すぎると光学特性の制御が難しくなる。
膜形成速度の調整方法としては、格別の制限がないが、水晶発振式の成膜コントローラを蒸着装置に装備し調整する方法や、モニタ基板に投光しその基板に成膜したときの反射率の変化で、膜厚の制御を行う光学式膜厚計、モニタ基板への蒸着時間と得られた膜厚との比較で計算しながらコントロールする方法などが挙げられ、蒸着中に膜形成速度の調整が可能な点で、水晶発振式の成膜コントローラを用いる方法が好ましい。
また、前記五酸化ニオブからなる膜の厚さは、10〜10,000オングストロームの範囲であると好ましく、20~5,000オングストロームの範囲であるとより好ましく、30~3,000オングストロームの範囲であると特に好ましい。
五酸化ニオブからなる膜の厚さがこの範囲にあると密着力と耐クラック性の点で好ましい。
その他の蒸着条件には特に制限はないが、油回転ポンプ、油拡散ポンプ、クライオポンプなどを用いて真空チャンバー内を、10−4〜10−2Paまで真空排気したのち、必要に応じて蒸着時に酸素を2.0×10−3〜1.0×10−1Pa程度真空チャンバーに導入して酸素雰囲気下で蒸着することができる。
蒸着膜用材料の蒸発方法には格別の制限はないが通常、電子ビーム加熱法、抵抗加熱法などの方法が用いられ、膜形成速度を調整しやすい電子ビーム法が好ましい。
本発明の光学部品には、第1層の五酸化ニオブ膜上に更に第2層以降を積層することができる。
第2層以降に積層される膜組成物としては、金属酸化物、無機酸化物、金属硫化物、及び金属弗化物などの誘電体や金属などの無機化合物;有機化合物;またはそれらの混合物もしくはハイブリッドが挙げられる。これらの膜を1層から7層程度積層することにより膜全体の密着性をより高められる。
中でも無機化合物が好ましく、隣接する膜との密着性に優れ、大気中及び水中で安定な物質であることが好ましい。
金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化セリウム、酸化クロム、酸化ユーロピウム、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化ランタン、酸化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化ネオジミウム、酸化鉛、酸化プラセオジミウム、酸化サマリウム、酸化アンチモン、酸化スカンプジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ニオブなどの酸価が違う金属酸化物や、これらの混合物などが挙げられる。
無機酸化物としては、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素などや、これらの配合物などが挙げられる。
金属硫化物としては、硫化亜鉛などが挙げられる。
金属弗化物としては、弗化アルミニウム、弗化バリウム、弗化セリウム、弗化カルシウム、弗化ランタン、弗化リチウム、弗化マグネシウム、クリオライト、チオライト、弗化ネオジミウム、弗化ナトリウム、弗化鉛、弗化サマリウム、弗化ストロンチウムなどや、これらの混合物などが挙げられる。
金属としては、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、クロム、などやこれらの配合物(合金)が挙げられる。中でも反射機能を高めるためには金や銀、アルミニウムなどが好ましい。
有機化合物としては、シランカップリング剤などの有機シリコン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
又、膜が反射防止膜である場合、高屈折層と低屈折層を組み合わせて多層膜を形成すると好ましい。
高屈折層の組成物としては、酸化チタン、五酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、五酸化ニオブなどが挙げられ、低屈折層の組成物としては、二酸化ケイ素、弗化マグネシウムなどが挙げられる。中でも、高屈折層の組成物として五酸化ニオブを用い、低屈折層の組成物二酸化ケイ素を用いて、交互に積層させた多層膜であると好ましい。
本発明の光学部品に第二層以降の膜を形成する方法としては、熱硬化法、紫外線硬化法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の方法を挙げることができる。
中でも、真空蒸着法が好ましく、第二層以降の膜形成速度は、5〜15オングストローム/secの範囲であるとより好ましく、6〜14オングストローム/secの範囲であると特に好ましく、7〜13オングストローム/secの範囲であると最も好ましい。
また、第二層以降の膜の厚さは、それぞれ、10~10,000オングストロームの範囲であると好ましく、20~5,000オングストロームの範囲であるとより好ましく、30~3,000オングストロームの範囲であると特に好ましい。
膜の厚さがこの範囲にあると密着力と耐クラック性の点で好ましい。
また、膜全体の厚さは、20~20,000オングストロームの範囲であると好ましく、40~10,000オングストロームの範囲であるとより好ましく、60~5,000オングストロームの範囲であると特に好ましい。
膜全体の厚さがこの範囲にあると密着力と耐クラック性の点で好ましい。
本発明の光学部品は、特定波長の反射防止膜、波長選択性をもつ半透過膜、全反射膜などの機能を有しており、膜の耐候性、耐熱性に優れている。
本発明の光学部品の用途としては、特に制限はないが、回折格子;ピックアップ対物レンズ、コリメータレンズ、カメラ用撮像レンズ、望遠鏡レンズ、レーザービーム用fθレンズ、セルフォックレンズなどのレンズ類;fθミラー、ポリゴンミラーなどの反射デバイス類;ファインダープリズム、レンズ機能付きプリズムなどのプリズム類;光学式ビデオディスク、オーディオディスク、文書ファイルディスク、メモリディスクなどの光ディスク類;OHPフィルム等の光学フィルムなどの光学材料;フォトインタラプター、フォトカプラー、LEDランプ等の光半導体封止材;ICカードなどのICメモリーの封止材;液晶表示装置用の位相差板、タッチパネル、光拡散板、導光板、偏光板保護膜、集光シート、プリズムシート、レンティキュラーレンズなどフラットパネルディスプレイ用の光学部品;光ファイバー;光コネクター;表面装飾などの光学成形体;などに使用できる。
特に、ピックアップレンズやレーザービーム用fθレンズ、撮像レンズなどのレンズ類、ミラーなどの反射デバイスに好適である。
以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。また本発明がこれらによって制限されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。また、圧力は特に断りのない限りゲージ圧である。
各種の物性の測定は、下記の方法に従って行った。
(1)膜の耐候性試験(クラック)
耐クラック性は以下の方法により評価した。成形直後の光学部品を85℃の条件で100時間放置した物の膜部分を、光学顕微鏡(オリンパス製)を用いて倍率100倍で観察し、クラックの無いものを良好(○)、クラックのあるものを不良(×)と評価した。
(2)膜の耐候性試験(密着性)
成形直後の光学部品を85℃の条件で100時間放置し、次いで常温で1時間放置した物の膜部分に粘着テープ(スリーエム製、No.3305、粘着力9.41N/cmのもの)を貼り付け、テープを蒸着膜に完全に付着させた。テープを付着させてから2分後に、テープの一方の端を持って、蒸着面に直角に保ち、瞬間的に引きはがし、以下の評価基準による密着性の評価を行った。
(評価基準)
剥離試験を6回試行し剥離が起きなかったものを(○)、
6回以内に剥離の起きたものを(×)とした。
(3)水素添加率
脂環式構造含有重合体の不飽和結合への水素転化率は、H−NMRにより測定した。
(4)ガラス転移温度(Tg)
脂環式構造含有重合体のTgは、JIS K7121に基づいて示差走査型熱量計により昇温速度10℃/分の条件で測定した。
(5)分子量
脂環式構造含有重合体の分子量は、シクロヘキサンを溶媒にして、40℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリイソプレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を求めた。
[製造例1]
乾燥し窒素置換した、攪拌装置を備えたステンレス鋼製反応器に、脱水シクロヘキサン300部、スチレン25部及びジブチルエーテル0.20部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.45部を添加して重合反応を開始し、1時間重合反応を行った。次いで、反応溶液中に、スチレン15部を添加し、さらに1時間重合反応を行った。次いで反応溶液中にイソプレン20部を添加して、さらに1時間重合反応を行った。次いで反応溶液中にスチレン40部を1時間に渡って連続的に添加し、引き続き1時間重合反応を行った。次いで、反応溶液にイソプロピルアルコール0.2部を添加して反応を停止させた。
前記重合反応溶液400部を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、ケイソウ土担持型ニッケル触媒(日揮化学社製;E22U)3部を添加して混合した。次いで反応器内部の気相部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて5時間水素化反応を行い、水素化重合体溶液を得た。水素化反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した後、酸化防止剤イルガノックス1010(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)0.1部を添加、溶解させ、薄膜乾燥機(Buss社製、フィルムトルーダー)を使用して、260℃、9.33×10−4MPa(絶対圧力)、滞留時間1.2時間の条件で溶媒及び揮発成分の除去を行い、溶融状態の重合体をダイからストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーでカッティングしてペレットを得た。
得られた水素化重合体は、スチレン由来の繰り返し単位を含有するブロック、及び、イソプレン由来の繰り返し単位を含有するブロック、及び、スチレン由来の繰り返し単位を含有するブロックとからなる水素化3元ブロック共重合体樹脂である。
得られた水素化重合体のMwは82,000、Mw/Mnは1.20、主鎖及び芳香環の水素化率は99.9%、Tgは128℃であった。
[製造例2]
窒素雰囲気下、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン(以下ETCDと略す)100重量部を公知のメタセシス開環重合触媒系で重合し、次いで公知の方法で水素添加しETCD開環重合体水素添加物を得た。水素化反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した後、260℃、9.33×10−4MPa(絶対圧力)、滞留時間1.2時間の条件で溶媒及び揮発成分の除去を行い、溶融状態の重合体をダイからストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーでカッティングしてペレットを得た。
得られた水素化重合体の数平均分子量Mnは28,000、水素添加率は99.8%以上、Tgは138℃であった。
このペレット100重量部に対して0.2重量部のフェノール系老化防止剤ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)と0.4重量部の水添スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体(旭化成工業株式会社製タフテックH1051、クラム状、30°Cにおける屈折率1.52)を混合し、二軸混練機で混練、ストランド(棒状の溶融樹脂)を押出し、カッティングしてペレットを得た。
[製造例3]
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン250部と、1−ヘキセン41部と、トルエン750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/l)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、次いで80℃で3時間加熱攪拌して開環重合体溶液を得た。重合転化率は97%であった。得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、RuHCl(CO)[P(C 0.48部を添加し、水素圧100kg/cm、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌して水素添加重合体溶液を得た。
水素化反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した後、酸化防止剤イルガノックス1010(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)0.1部を添加、溶解させ、薄膜乾燥機(Buss社製、フィルムトルーダー)を使用して、260℃、7Torr(9.33×10−4MPa;絶対圧力)、滞留時間1.2時間の条件で溶媒及び揮発成分の除去を行い、溶融状態の重合体をダイからストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーでカッティングしてペレットを得た。
得られた水素化重合体の水素添加率は実質上100%であった。
[製造例4]
減圧乾燥および窒素置換した15リットルのオートクレーブに、常温でノルボルネン887g、スチレン1100ml、シクロヘキサン777ml、トリイソブチルルミニウムの1ミリモル/mlシクロヘキサン溶液を3ml加え、続いて攪拌下、エチレンににて内圧を6kg/cmに加圧した後、脱圧し、この加圧脱圧操作を3回繰り返した。その後、系内をエチレンにて内圧を1.5kg/cmに加圧し、昇温を開始し70℃に到達させた。その後エチレンにて内圧が6kg/cmとなるように加圧した。15分間攪拌した後、先に用意した触媒溶液から13.7mlを系内に添加することによって、エチレンとノルボルネンとの共重合を開始させた。このときの触媒濃度は、全系に対してイソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドが0.0123ミリモル/リットル、メチルアルミノキサンが7.5ミリモル/リットルであった。重合中、エチレンを連続的に供給することにより内圧を6kg/cmに保持した。60分後、イソプロピルアルコールを添加することにより重合反応を停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液と1:1の割合で用いて洗浄し触媒残を水相に移行させた。この接触混合溶液を静置した後、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回水洗し、重合液相を油水分離した。次いで油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強攪拌下に接触させ、重合体を析出させた後、アセトンで充分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取し、窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
得られた重合体の135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]は0.8dl/g、Tgは142℃、ノルボルネン含量は41.1モル%、スチレン含量は9.8モル%であった。
[実施例1]
製造例1で得られたペレットを100℃、4時間で加熱予備乾燥を行った後、射出成形装置(ファナック株式会社製の製品番号:α−100B)を用いて、射出成形により、厚さ3mm、縦横65mmの基材を成形した。成形条件は、金型温度100℃、シリンダー温度250℃とした。
真空蒸着装置((株)シンクロン製、BMC850)の蒸発源(1)に高屈折率蒸着膜用材料として五酸化ニオブを、蒸発源(2)に低屈折率蒸着膜用材料として酸化ケイ素をセットした。その上方の基材固定用治具に、前記の方法により作製した基材をセットした。また、蒸着速度、膜厚の監視には、水晶発振式成膜コントローラ(XTC蒸着制御器、INFICON製)を使用した。真空槽を排気し、真空度が10−3Pa以下となった後、電子ビームを高屈折率蒸着膜用材料に照射、これを溶解し、第1層目の五酸化ニオブ膜を、蒸着速度5.3オングストローム/secで、厚さ1061オングストローム形成した。次いで低屈折率材料も同様に溶解させ、蒸着速度10オングストローム/secで、厚さ391オングストロームの膜を前記五酸化ニオブ上に形成した。続いて同様に五酸化ニオブ膜を蒸着速度5.3オングストローム/secで、厚さ1217オングストローム形成、酸化ケイ素膜を蒸着速度10オングストローム/secで、厚さ845オングストローム形成し、合計4層の反射防止膜を作製し、光反射防止膜を有する光学部品1を得た。
得られた光学部品1の膜の耐候性について評価を行った。結果を表1に記載する。
[実施例2]
製造例1で得られた重合体に代えて、製造例2によって得られた重合体を用い射出成形時のシリンダー温度を270℃に変えた以外は、実施例1と同様に基材を成形し、同様の膜形成速度で光反射防止膜を形成して光学部品2を得た。
得られた光学部品2の膜の耐候性について評価を行った。結果を表1に記載する。
[実施例3]
製造例1で得られた重合体に代えて、製造例3によって得られた重合体を用い射出成形時のシリンダー温度を270℃に変えた以外は、実施例1と同様に基材を成形し、同様の膜形成速度で光反射防止膜を形成して光学部品3を得た。
得られた光学部品2の膜の耐候性について評価を行った。結果を表1に記載する。
[実施例4]
製造例1で得られた重合体に代えて、製造例4によって得られた重合体を用い射出成形時のシリンダー温度を250℃に変えた以外は、実施例1と同様に基材を成形し、同様の膜形成速度で光反射防止膜を形成して光学部品4を得た。
得られた光学部品4の膜の耐候性について評価を行った。結果を表1に記載する。
[実施例5]
五酸化ニオブの成膜時の膜形成速度をそれぞれ10.5(オングストローム/sec)に変えた以外は実施例1と同様に基材を成形してそれぞれの膜形成速度で光反射防止膜を形成して光学部品5を得た。
得られた光学部品5の膜の耐候性について評価を行った。結果を表1に記載する。
[比較例1]
一層目と三層目に五酸化タンタルを成膜したこと以外は実施例1と同様に基材を成形し、同様の膜形成速度で光反射防止膜を形成して光学部品6を得た。
得られた光学部品6の膜の耐候性について評価を行った。結果を表1に記載する。
[比較例2]
五酸化タンタルの成膜時の膜形成速度をそれぞれ3.0(オングストローム/sec)に変えた以外は比較例1と同様に基材を成形し、同様の膜形成速度で光反射防止膜を形成して光学部品7を得た。
得られた光学部品7の膜の耐候性について評価を行った。結果を表1に記載する。
[比較例3]
五酸化ニオブの成膜時の膜形成速度をそれぞれ3.0(オングストローム/sec)に変えた以外は実施例1と同様に基材を成形してそれぞれの膜形成速度で光反射防止膜を形成して光学部品8を得た。
得られた光学部品8の膜の耐候性について評価を行った。結果を表1に記載する。
[比較例4]
五酸化ニオブの成膜時の膜形成速度をそれぞれ2.4(オングストローム/sec)に変えた以外は実施例1と同様に基材を成形してそれぞれの膜形成速度で光反射防止膜を形成して光学部品9を得た。
得られた光学部品9の膜の耐候性について評価を行った。結果を表1に記載する。
表1から以下のことがわかる。
脂環式構造含有重合体からなる成形体の表面の少なくとも一部に少なくとも1層の無機化合物膜が成形されてなる光学部品であって、該無機化合物膜の第一層が五酸化ニオブを5〜15オングストローム/secの膜形成速度で真空蒸着してなる光学部品は、耐候性が非常に良好である。それに対し、第一層が五酸化タンタルである光学部品は耐候性に劣る(比較例1及び2)。また、膜形成速度が5〜15オングストローム/secから外れた条件で蒸着した五酸化ニオブの膜は、耐候性に劣る。
本発明の光学部品は、脂環式構造含有重合体組成物を成形してなる成形体上に耐候性、耐熱性に優れた無機化合物膜を有しているので、ピックアップレンズやレーザービーム用fθレンズ、撮像レンズなどのレンズ類、ミラーなどの反射デバイスに好適である。

Claims (4)

  1. 脂環式構造含有重合体組成物からなる成形体の表面の少なくとも一部に少なくとも1層の無機化合物膜が成形されてなる光学部品であって、該無機化合物膜の第一層が五酸化ニオブを5〜15オングストローム/secの膜形成速度で真空蒸着してなる光学部品。
  2. 無機化合物膜が多層であって、第二層が低屈折率層である請求項1記載の光学部品。
  3. 第三層が五酸化ニオブでありかつ第四層が低屈折率層である請求項2記載の光学部品。
  4. 低屈折率層が二酸化ケイ素である請求項3記載の光学部品。
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