以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。撮像装置1はデジタルカメラであるとして説明する。なお、方向を説明するために、撮像装置1において光軸LXと直交する水平方向を第1方向x、光軸LXと直交する鉛直方向を第2方向y、光軸LXと平行な水平方向を第3方向zとして説明する。なお、図5は、図4のA−A線の断面における構成図を示す。
撮像装置1の撮像に関する部分は、電源のオンオフ切り替えを行うPonボタン11、レリーズボタン13、LCDなどの表示部17、CPU21、撮像ブロック22、AE部23、AF部24、像ブレ補正部30の撮像部39a、及び撮影レンズ67から構成される。Ponボタン11の押下に対応してPonスイッチ11aのオンオフ状態が切り替えられ、これにより撮像装置1の電源のオンオフ状態が切り替えられる。被写体像は、撮像部39aを駆動する撮像ブロック22によって撮影レンズ67を介した光学像として撮像され、表示部17によって撮像された画像が表示される。また被写体像は光学ファインダ(不図示)によって光学的に観察することも可能である。
レリーズボタン13は、半押しすることにより測光SW12aがオン状態にされ測光や測距及び合焦動作が行われ、全押しすることによりレリーズSW13aがオン状態にされ撮像が行われ、撮影像がメモリされる。
CPU21は、撮像に関する各部の制御、後述する像ブレ補正に関する各部の制御を行う制御手段である。
撮像ブロック22は、撮像部39aを駆動する。AE部23は、被写体の測光動作を実行して露光値を演算し、この露光値に基づき撮影に必要となる絞り値及び露光時間を演算する。AF部24は、測距を行い、この測距結果に基づき撮影レンズ67を光軸方向に変位させ焦点調節を行う。
撮像装置1の像ブレ補正装置すなわち像ブレ補正に関する部分は、像ブレ補正ボタン14、CPU21、角速度検出部25、ドライバ回路29、像ブレ補正部30、ホール素子信号処理回路部45、撮影レンズ67、調整用端子71、及びメモリ部72から構成される。
像ブレ補正ボタン14は、押下することにより像ブレ補正SW14aがオン状態にされ、測光など他の動作と独立して、一定時間ごとに、角速度検出部25、及び像ブレ補正部30が駆動されて像ブレ補正が行われる。像ブレ補正SW14aがオン状態にされた補正モードの場合にパラメータIS=1、像ブレ補正SW14aがオフ状態にされた補正モードでない場合にパラメータIS=0と設定する。本実施形態ではこの一定時間を1msであるとして説明する。
これらのスイッチの入力信号に対応する各種の出力はCPU21によって制御される。測光SW12a、レリーズSW13a、像ブレ補正SW14aのオン/オフ情報は、それぞれ1ビットのデジタル信号としてCPU21のポートP12、P13、P14に入力される。撮像ブロック22、AE部23、及びAF部24は、それぞれポートP3、P4、P5で信号の入出力が行われる。
撮影レンズ67は、ズームレンズなど焦点距離が変更可能なレンズである。本実施形態では、撮像レンズ67は、撮影レンズ67の中で最も長い焦点距離を第1焦点距離F1とし、第1焦点距離F1を含み使用者の操作によって変更される焦点距離を第2焦点距離F2として説明する。第1焦点距離F1の値は、後述する第1、第2初期調整に用いられる。第2焦点距離F2の値に関する情報は、撮影レンズ67からコード板やエンコーダなどの図示しないレンズ位置検出装置を介してCPU21のポートP7に入力される。
なお、第1焦点距離F1の長さを、撮影レンズ67の望遠端としたのは、撮影レンズ67が第1焦点距離F1の場合の、第1、第2初期調整の結果を基準に、焦点距離の長さに応じて検出分解能を最適化させるのに最も誤差を生じさせにくいからである。
調整用端子71は、後述するホール素子部44aを使用した位置検出において、位置検出に関するアナログ信号の第1、第2検出位置信号px、pyをA/D変換する際の検出分解能を上げるための初期調整を行う調整モードに入るか否かのスイッチで、オン状態にすると調整モードに入り、オフ状態にすると調整モードが解除され通常の撮像モードに入る。メモリ部72は、調整モードにおいて求められた第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1、第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1を記録する電気的に書き換えでき、電源がオフ状態にされても内容が消去されないEEPROMなどの不揮発性メモリである。調整用端子71は、CPU21のポートP15で入出力が行われ、ポートP15にLo信号が出力されている時に初期調整を行う。メモリ部72は、ポートP6で信号の入出力が行われる。
次に、角速度検出部25、ドライバ回路29、像ブレ補正部30、ホール素子信号処理回路部45についての詳細、及びCPU21との入出力関係について説明する。
角速度検出部25は、第1、第2角速度センサ26、27とアンプ・ハイパスフィルタ回路28とを有する。第1、第2角速度センサ26、27は、撮像装置1の一定時間(1ms)ごとの第1方向x及び第2方向yの角速度を検出する。第1角速度センサ26は、第1方向xの角速度を、第2角速度センサ27は第2方向yの角速度を検出する。アンプ・ハイパスフィルタ回路28は、角速度に関する信号を増幅した後、第1、第2角速度センサ26、27のヌル電圧やパンニングをカットし、第1、第2角速度vx、vyとしてアナログ信号をCPU21のA/D0、A/D1に入力する。
CPU21は、A/D0、A/D1に入力された第1、第2角速度vx、vyをA/D変換した後、焦点距離などを考慮した変換係数によって一定時間(1ms)に生じた像ブレ量を演算する。従って、角速度検出部25とCPU21は、像ブレ量演算機能を有する。
CPU21は、演算により求められた像ブレ量に応じた撮像部39aの移動すべき位置Sを第1方向x、第2方向yごとに演算し設定する。位置Sの第1方向x成分をsx、第2方向y成分をsyとする。撮像部39aを含む可動部30aの移動は、後述する電磁力によって行われる。可動部30aをこの位置Sまで移動させるためにドライバ回路29を駆動する駆動力Dの第1方向x成分を第1PWMデューティdx、第2方向y成分を第2PWMデューティdyとする。
像ブレ補正部30は、CPU21が演算した移動すべき位置Sに撮像部39aを移動させることによって、ブレによって生じた被写体像の結像面における光軸LXのずれを無くし、被写体像と結像面位置を一定に保ち、像ブレを補正する装置であり、撮像部39aを含み移動可能領域をもつ可動部30aと、固定部30bとを有する。また、像ブレ補正部30は、コイルに流れる電流の方向と磁石の磁界の向きにより生じた電磁力により可動部30aを移動させる駆動用部分と、可動部30aの位置を検出する位置検出部分とに分けて考えることもできる。
像ブレ補正部30の可動部30aの駆動は、CPU21のPWM0から第1PWMデューティdx、PWM1から第2PWMデューティdyの出力を受けたドライバ回路29により行われる。ドライバ回路29の駆動により移動した可動部30aの移動前または移動後の位置Pはホール素子部44a、ホール素子信号処理回路部45によって検出される。検出された位置Pの情報は、第1検出位置信号pxが第1方向x成分として、第2検出位置信号pyが第2方向y成分としてそれぞれCPU21のA/D2、A/D3に入力される。第1、第2検出位置信号px、pyはA/D2、A/D3を介してA/D変換される。第1、第2検出位置信号px、pyに対してA/D変換後の位置Pの第1方向x成分、第2方向y成分をそれぞれpdx、pdyとする。検出された位置P(pdx、pdy)のデータと移動すべき位置S(sx、sy)のデータによりPID制御が行われる。
可動部30aは、第1、第2駆動用コイル31a、32a、撮像部39a、ホール素子部44a、可動基板49a、移動用シャフト50a、第1〜第3水平移動用軸受け部51a〜53a、プレート64aとを有する。
固定部30bは、位置検出用磁石部として2つの第1、第2位置検出及び駆動用磁石411b、412b、第1、第2位置検出及び駆動用ヨーク431b、432b、第1〜第4鉛直移動用軸受け部54b〜57b、ベース板65bとを有する。
可動部30aの第3方向zから見てコの字型をした移動用シャフト50aは、固定部30bのベース板65bに取り付けられた第1〜第4鉛直移動用軸受け部54b〜57bと鉛直方向(第2方向y)に移動自在に支持される。第1、第2鉛直移動用軸受け部54b、55bは、第1方向xからみて第2方向yに延びる長穴形状を有している。これにより、可動部30aは、固定部30bに対して鉛直方向に移動が可能になる。
また移動用シャフト50aは、可動部30aの第1〜第3水平移動用軸受け部51a〜53aと水平方向(第1方向x)に移動自在に支持される。これにより、移動用シャフト50aを除く可動部30aは、移動用シャフト50a及び固定部30bに対して水平方向に移動が可能になる。
可動部30aの第1方向x、第2方向yの適正な移動範囲は、焦点距離の長さによって異なる。図6のように、撮影レンズ67の焦点距離が第1焦点距離F1の場合の可動部30aの第1方向xの移動範囲は第1水平方向移動範囲Rx1に設定され、第2方向yの移動範囲は第1鉛直方向移動範囲Ry1に設定される。第1水平方向移動範囲Rx1は、可動部30aが第1方向xに移動できる最大の範囲で、第1鉛直方向移動範囲Ry1は、可動部30aが第2方向yに移動できる最大の範囲である。ここでいう可動部30aの移動範囲とは、可動部30aの中心点が移動しうる範囲をいう。なお、図6は、可動部30a、固定部30bの形状を簡略化している。
撮影レンズ67の焦点距離が第2焦点距離F2の場合の可動部30aの第1方向xの移動範囲は第2水平方向移動範囲Rx2に設定され、第2方向yの移動範囲は、第2鉛直方向移動範囲Ry2に設定される。第2水平方向移動範囲Rx2は、第1水平方向移動範囲Rx1を最大とする使用者の操作により変更される焦点距離の長さに比例して変動する範囲で、第2鉛直方向移動範囲Ry2は、第1鉛直方向移動範囲Ry1を最大とする使用者の操作により変更される焦点距離の長さに比例して変動する範囲である。
像ブレの角度は通常約±0.7°の範囲内であり、第2水平方向移動範囲Rx2、第2鉛直方向移動範囲Ry2の値は、第2焦点距離F2の値と、2×tan(0.7°)との積から求められる。
第1水平方向移動範囲Rx1の一方の端点をrx11、他方の端点をrx12とし、第1鉛直方向移動範囲Ry1の一方の端点をry11、他方の端点をry12とし、第2水平方向移動範囲Rx2の一方の端点をrx21、他方の端点をrx22とし、第2鉛直方向移動範囲Ry2の一方の端点をry21、他方の端点をry22とする。
撮像素子39a1の撮像範囲を最大限活用するために、撮影レンズ67の光軸LXが撮像素子39a1の中心近傍を通る位置関係にある時に、第1方向x、第2方向yともに可動部30aが移動範囲の中心に位置する(移動中心位置にある)ように可動部30aと固定部30bの位置関係を設定する。撮像素子39a1の中心とは、撮像素子39a1の撮像面を形成する矩形が有する2つの対角線の交点をいう。
可動部30aは、撮影レンズ67の方向からみて光軸方向に撮像部39a、プレート64a、可動基板49aが取り付けられる。撮像部39aは、撮像素子39a1、ステージ39a2、押さえ部39a3、光学ローパスフィルタ39a4とを有し、ステージ39a2とプレート64aとで撮像素子39a1、押さえ部39a3、光学ローパスフィルタ39a4を挟み付勢する。第1〜第3水平移動用軸受け部51a〜53aは、ステージ39a2に取り付けられる。プレート64aは、撮像素子39a1が取り付けられることにより、撮像素子39a1が撮影レンズ67の光軸LXに垂直になるように位置決めを行う。またプレート64aが金属材料で出来ている場合には、撮像素子39a1と接触することによりさらに放熱効果も有する。
可動基板49aは、シート状でかつ渦巻き状のコイルパターンが形成された第1、第2駆動用コイル31a、32a、及びホール素子部44aとが取り付けられている。第1駆動用コイル31aは、第1駆動用コイル31aの電流の方向と第1位置検出及び駆動用磁石411bの磁界の向きから生じる電磁力により第1駆動用コイル31aを含む可動部30aを第1方向xに移動させるべく、第1方向x、第2方向yのいずれか一方と平行な線で形成されるコイルパターンを有する。第2駆動用コイル32aは、第2駆動用コイル32aの電流の方向と第2位置検出及び駆動用磁石412bの磁界の向きから生じる電磁力により第2駆動用コイル32aを含む可動部30aを第2方向yに移動させるべく、第1方向x、第2方向yのいずれか一方と平行な線で形成されるコイルパターンを有する。ホール素子部44aについては後述する。
第1、第2駆動用コイル31a、32aは、フレキシブル基板(不図示)を介してこれらを駆動するドライバ回路29と接続される。ドライバ回路29は、CPU21のPWM0、PWM1から第1、第2PWMデューティdx、dyのそれぞれが入力される。ドライバ回路29は、入力された第1、第2PWMデューティdx、dyの値に応じて第1、第2駆動用コイル31a、32aに電力を供給し、可動部30aを駆動する。
第1位置検出及び駆動用磁石411bは、第1駆動用コイル31a及び水平方向ホール素子hh10と対向するように固定部30bの可動部30a側に取り付けられる。第2位置検出及び駆動用磁石412bは、第2駆動用コイル32a及び鉛直方向ホール素子hv10と対向するように固定部30bの可動部30a側に取り付けられる。
第1位置検出及び駆動用磁石411bは、第3方向zにおいて固定部30bのベース板65b上で且つ可動部30a側に取り付けられた第1位置検出及び駆動用ヨーク431bの上であって、第1方向xにN極とS極が並べて取り付けられる。第1位置検出及び駆動用磁石411bの第2方向yの長さは、可動部30aが第2方向yに移動した際に第1駆動用コイル31a及び水平方向ホール素子hh10に及ぼす磁界が変化しない程度に第1駆動用コイル31aの第2方向yの第1有効長L1に比べて長めに設定される。
第2位置検出及び駆動用磁石412bは、第3方向zにおいて固定部30bのベース板65b上で且つ可動部30a側に取り付けられた第2位置検出及び駆動用ヨーク432bの上であって、第2方向yにN極とS極が並べて取り付けられる。第2位置検出及び駆動用磁石412bの第1方向xの長さは、可動部30aが第1方向xに移動した際に第2駆動用コイル32a及び鉛直方向ホール素子hv10に及ぼす磁界が変化しない程度に第2駆動用コイル32aの第1方向xの第2有効長L2に比べて長めに設定される。
第1位置検出及び駆動用ヨーク431bは、第2方向yから見てコの字型形状を有する多角柱の軟磁性体材料で構成され、第1位置検出及び駆動用磁石411b、第1駆動用コイル31a、及び水平方向ホール素子hh10を第3方向zで挟む形で、固定部30bのベース板65b上に取り付けられる。第1位置検出及び駆動用ヨーク431bにおける第1位置検出及び駆動用磁石411bと接する側の部分は、第1位置検出及び駆動用磁石411bの磁界が周囲に漏れないようにする役目を果たす。第1位置検出及び駆動用ヨーク431bにおける第1位置検出及び駆動用磁石411b、第1駆動用コイル31a、及び可動基板49aと対向する側の部分は、第1位置検出及び駆動用磁石411bと第1駆動用コイル31a、及び第1位置検出及び駆動用磁石411bと水平方向ホール素子hh10との間の磁束密度を高める役目を果たす。
第2位置検出及び駆動用ヨーク432bは、第1方向xから見てコの字型形状を有する多角柱の軟磁性体材料で構成され、第2位置検出及び駆動用磁石412b、第2駆動用コイル32a、及び鉛直方向ホール素子hv10を第3方向zで挟む形で、固定部30bのベース板65b上に取り付けられる。第2位置検出及び駆動用ヨーク432bにおける第2位置検出及び駆動用磁石412bと接する側の部分は、第2位置検出及び駆動用磁石412bの磁界が周囲に漏れないようにする役目を果たす。第2位置検出及び駆動用ヨーク432bにおける第2位置検出及び駆動用磁石412b、第2駆動用コイル32a、及び可動基板49aと対向する側の部分は、第2位置検出及び駆動用磁石412bと第2駆動用コイル32a、及び第2位置検出及び駆動用磁石412bと鉛直方向ホール素子hv10との間の磁束密度を高める役目を果たす。
ホール素子部44aは、ホール効果を利用した磁電変換素子(磁界変化検出素子)であるホール素子を2つ有し、可動部30aの第1方向x、第2方向yの現在位置P(第1検出位置信号px、第2検出位置信号py)を検出する1軸ホール素子である。2つのホール素子のうち第1方向xの位置検出用のホール素子を水平方向ホール素子hh10、第2方向yの位置検出用のホール素子を鉛直方向ホール素子hv10とする。
水平方向ホール素子hh10は、第3方向zから見て可動部30aの可動基板49a上であって、固定部30bの第1位置検出及び駆動用磁石411bと対向する位置に取り付けられる。鉛直方向ホール素子hv10は、第3方向zから見て可動部30aの可動基板49a上であって、固定部30bの第2位置検出及び駆動用磁石412bと対向する位置に取り付けられる。
ベース板65bは、固定部30bにおいて第1、第2位置検出及び駆動用ヨーク431b、432bなどを取り付けるベースとなる板状部材で、撮像素子39a1の撮像面と平行に配置される。本実施形態では、ベース板65bは、第3方向zにおいて、可動基板49aよりも撮影レンズ67に近い側にあるが、可動基板49aの方が撮影レンズ67に近い側にあるような位置関係であってもよい。この場合、第1、第2駆動用コイル31a、32a、ホール素子部44aは可動基板49aの撮影レンズ67がある側と逆側に、第1、第2位置検出及び駆動用磁石411b、412bはベース板65bの撮影レンズ67がある側に配置される。
ホール素子信号処理回路部45は、水平方向ホール素子hh10の出力信号から水平方向ホール素子hh10における出力端子間の水平方向電位差x10を検出し、これから第1方向xの位置を特定する第1検出位置信号pxをCPU21のA/D2に出力する第1ホール素子信号処理回路450と、鉛直方向ホール素子hv10の出力信号から、鉛直方向ホール素子hv10における出力端子間の鉛直方向電位差y10を検出し、これから第2方向yの位置を特定する第2検出位置信号pyをCPU21のA/D3に出力する第2ホール素子信号処理回路460とを有する。
第1、第2初期調整は、撮影レンズ67が第1焦点距離F1である場合に、ホール素子信号処理回路部45から出力される第1、第2検出位置信号px、pyを、それぞれCPU21のA/D2、A/D3を介してA/D変換される際に第1の検出分解能、第2の検出分解能を上げる、すなわち可動部30aの移動範囲内(第1水平方向移動範囲Rx1、第1鉛直方向移動範囲Ry1)で且つCPU21がA/D変換できる範囲内で第1、第2検出位置信号px、pyそれぞれの出力値の幅を最大にする。
第1初期調整によって、撮影レンズ67の焦点距離が第1焦点距離F1と等しい場合の位置検出において水平方向ホール素子hh10の入力端子に流す電流値(第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1)が求められる。第2初期調整によって、撮影レンズ67の焦点距離が第1焦点距離F1と等しい場合の位置検出において鉛直方向ホール素子hv10の入力端子に流す電流値(第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1)が求められる。
撮影レンズ67が第2焦点距離F2である場合に位置検出時において、水平方向ホール素子hh10の入力端子に流す電流値(第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2)は第1初期調整で求めた第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1に第1、第2焦点距離F1、F2の値から算出される所定の係数を乗算することによって求められる。鉛直方向ホール素子hv10の入力端子に流す電流値(第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2)は、第2初期調整で求めた第1最適水平方向ホール素子電流値ysDi1に第1、第2焦点距離F1、F2の値から算出される所定の係数を乗算することによって求められる。
本実施形態では、これら第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1、第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1から、第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2、第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2を算出する手順を焦点距離に関する調整とする。
第1、第2初期調整は、調整用端子71からCPU21へLo信号出力がされている時の調整モード時に行われる。焦点距離に関する調整は、調整モードが解除された通常の撮像モード時に随時行われる。
水平方向ホール素子hh10、鉛直方向ホール素子hv10それぞれの入力端子に流れる電流値を、第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2、第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2とする。これにより、ホール素子信号処理回路部45から出力された第1、第2検出位置信号px、pyが、それぞれCPU21のA/D2、A/D3を介してA/D変換される際の第1の検出分解能、第2の検出分解能は、焦点距離の長さに応じて最適化される。すなわち可動部30aの移動範囲内(第2水平方向移動範囲Rx2、第2鉛直方向移動範囲Ry2)で且つCPU21がA/D変換出来る範囲内で第1、第2検出位置信号px、pyの出力値の幅が最大にされる。
具体的に、第1初期調整は、可動部30aが第1水平方向移動範囲Rx1の一方の端点rx11にあって、第1検出位置信号pxの出力値がCPU21でA/D変換が可能な範囲内で最大(MAX)値となる時の水平方向ホール素子hh10の入力端子に流れる第1水平方向ホール素子電流値xDi1、及び可動部30aが第1水平方向移動範囲Rx1の他方の端点rx12にあって、第1検出位置信号pxの出力値がCPU21でA/D変換が可能な範囲内で最小(MIN)値となる時の水平方向ホール素子hh10の入力端子に流れる第2水平方向ホール素子電流値xDi2を求め、第1、第2水平方向ホール素子電流値xDi1、xDi2のうち小さい方の値を第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1として、メモリ部72に記録する。
第2初期調整は、可動部30aが第1鉛直方向移動範囲Ry1の一方の端点ry11にあって、第2検出位置信号pyの出力値がCPU21でA/D変換が可能な範囲内で最大(MAX)値となる時の鉛直方向ホール素子hv10の入力端子に流れる第1鉛直方向ホール素子電流値yDi1、及び可動部30aが第1鉛直方向移動範囲Ry1の他方の端点ry12にあって、第2検出位置信号pyの出力値がCPU21でA/D変換が可能な範囲内で最小(MIN)値となる時の鉛直方向ホール素子hv10の入力端子に流れる第2鉛直方向ホール素子電流値yDi2を求め、第1、第2鉛直方向ホール素子電流値yDi1、yDi2のうち小さい方の値を第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1として、メモリ部72に記録する。
第1ホール素子信号処理回路450は、CPU21のD/A0から第2最適水平方向電流値xsDi2に対応した水平方向電圧XVfの印加を受ける。第2ホール素子信号処理回路460は、CPU21のD/A1から第2最適鉛直方向電流値ysDi2に対応した鉛直方向電圧YVfの印加を受ける。
第1、第2ホール素子信号処理回路450、460における水平方向ホール素子hh10、鉛直方向ホール素子hv10それぞれの入出力信号に関する回路構成を説明する。
第1ホール素子信号処理回路450における水平方向ホール素子hh10の出力部は第101回路451、第103回路453を有し、入力部は第106回路456を有する。第2ホール素子信号処理回路460における鉛直方向ホール素子hv10の出力部は第111回路461、第113回路463を有し、入力部は第116回路466を有する。
水平方向ホール素子hh10の出力端子は、第101回路451と接続され、第101回路451は、第103回路453と接続される。第101回路451は、水平方向ホール素子hh10の出力端子間における信号差を増幅する差動増幅回路である。第103回路453は増幅した信号差と基準電圧Vrefとの差異から水平方向ホール素子hh10における出力端子間の水平方向電位差x10(ホール出力電圧)を求め、これに一定の第1増幅率AA1を乗算して第1検出位置信号pxを求める減算増幅回路である。
第101回路451は、第101〜第103抵抗R101〜R103、第101、第102オペアンプA101、A102とを有する。水平方向ホール素子hh10の出力端子の一方は、第101オペアンプA101の非反転入力端子と接続され、もう一方の端子は、第102オペアンプA102の非反転入力端子と接続される。第101オペアンプA101の反転入力端子は第101、第102抵抗R101、R102と接続され、第102オペアンプA102の反転入力端子は第101、第103抵抗R101、R103と接続される。第101オペアンプA101の出力端子は第102抵抗R102及び第103回路453の第107抵抗R107と接続される。第102オペアンプA102の出力端子は第103抵抗R103及び第103回路453の第109抵抗R109と接続される。
第103回路453は、第107〜第110抵抗R107〜R110、第105オペアンプA105とを有する。第105オペアンプA105の反転入力端子は第107抵抗R107及び第108抵抗R108と接続され、非反転入力端子は第109抵抗R109及び第110抵抗R110と接続され、出力端子は第108抵抗R108と接続され、水平方向電位差x10に一定の第1増幅率AA1を乗算した第1検出位置信号pxが出力される。第110抵抗R110の一方の端子は基準電圧Vrefの電源に接続される。
第102、第103抵抗R102、R103は同じ抵抗値、第107、第109抵抗R107、R109は同じ抵抗値、第108、第110抵抗R108、R110は同じ抵抗値に設定される。第1増幅率AA1の値は、第108抵抗R108と、第107抵抗R107の抵抗値の割合から算出される。
第106回路456は、第119抵抗R119、第108オペアンプA108とを有する。第108オペアンプA108の反転入力端子は第119抵抗R119及び水平方向ホール素子hh10の入力端子の一方と接続される。第108オペアンプA108の非反転入力端子の電位は水平方向ホール素子hh10の入力端子における電流値(第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2)に対応した水平方向電圧XVfに設定される。水平方向電圧XVfの値は、第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2に第119抵抗R119の抵抗値を乗算して求められる。従って、水平方向電圧XVfの値は、撮影レンズ67の焦点距離の関数である。第108オペアンプA108の出力端子は水平方向ホール素子hh10の入力端子の一方と接続される。第119抵抗R119の一方の端子は接地される。
鉛直方向ホール素子hv10の出力端子は、第111回路461と接続され、第111回路461は、第113回路463と接続される。第111回路461は、鉛直方向ホール素子hv10の出力端子間における信号差を増幅する差動増幅回路である。第113回路463は増幅した信号差と基準電圧Vrefとの差異から鉛直方向ホール素子hv10における出力端子間の鉛直方向電位差y10(ホール出力電圧)を求め、これに一定の第2増幅率AA2を乗算して第2検出位置信号pyを求める減算増幅回路である。
第111回路461は、第121〜第123抵抗R121〜R123、第121、第122オペアンプA121、A122とを有する。鉛直方向ホール素子hv10の出力端子の一方は、第121オペアンプA121の非反転入力端子と接続され、もう一方の端子は、第122オペアンプA122の非反転入力端子と接続される。第121オペアンプA121の反転入力端子は第121、第122抵抗R121、R122と接続され、第122オペアンプA122の反転入力端子は第121、第123抵抗R121、R123と接続される。第121オペアンプA121の出力端子は第122抵抗R122及び第113回路463の第127抵抗R127と接続される。第122オペアンプA122の出力端子は第123抵抗R123及び第113回路463の第129抵抗R129と接続される。
第113回路463は、第127〜第130抵抗R127〜R130、第125オペアンプA125とを有する。第125オペアンプA125の反転入力端子は第127抵抗R127及び第128抵抗R128と接続され、非反転入力端子は第129抵抗R129及び第130抵抗R130と接続され、出力端子は第128抵抗R128と接続され、鉛直方向電位差y10に一定の第2増幅率AA2を乗算した第2検出位置信号pyが出力される。第130抵抗R130の一方の端子は基準電圧Vrefの電源に接続される。
第122、第123抵抗R122、R123は同じ抵抗値、第127、第129抵抗R127、R129は同じ抵抗値、第128、第130抵抗R128、R130は同じ抵抗値に設定される。第2増幅率AA2の値は、第128抵抗R128と、第127抵抗R127の抵抗値の割合から算出される。
第116回路466は、第139抵抗R139、第128オペアンプA128とを有する。第128オペアンプA128の反転入力端子は第139抵抗R139及び鉛直方向ホール素子hv10の入力端子の一方と接続される。第128オペアンプA128の非反転入力端子の電位は鉛直方向ホール素子hv10の入力端子における電流値(第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2)に対応した鉛直方向電圧YVfに設定される。鉛直方向電圧YVfの値は、第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2に第139抵抗R139の抵抗値を乗算して求められる。従って、鉛直方向電圧YVfの値は、撮影レンズ67の焦点距離の関数である。第128オペアンプA128の出力端子は鉛直方向ホール素子hv10の入力端子の一方と接続される。第139抵抗R139の一方の端子は接地される。
従来の技術では、ホール素子信号処理回路部45から第1、第2検出位置信号px、pyがCPU21のA/D2、A/D3に入力されてA/D変換される際の第1、第2の検出分解能を上げる第1、第2初期調整、すなわち可動部30aの移動範囲内(第1水平方向移動範囲Rx1、第1鉛直方向移動範囲Ry1)で且つCPU21がA/D変換出来る範囲内で第1、第2検出位置信号px、pyそれぞれの出力値の幅を最大にする第1、第2初期調整で得られた調整値(本実施形態では第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1、第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1に相当)に焦点距離の長さの変更に応じた最適化をせずに、位置検出を行っていた。
しかし、撮影レンズ67の焦点距離が比較的短い場合には、像ブレ補正のための可動部30aの移動範囲は比較的狭くてよい。そのため狭い移動範囲の中で、第1、第2検出位置信号px、pyそれぞれの出力値の幅をCPU21のA/D変換できる範囲内で最大にした方が、より精度の高い位置検出が可能になる。
本実施形態では、第1、第2初期調整で行われた調整値(第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1、第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1)をさらに撮影レンズ67の焦点距離の長さに合わせて調整する。すなわち、撮影レンズ67が最も長い焦点距離(第1焦点距離F1)の時に行った第1、第2初期調整により求められた第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1、第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1に所定の係数を乗算して、撮影レンズ67が使用者の操作によって変更される第2焦点距離F2の時の第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2、第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2を求める。
撮影レンズ67の第2焦点距離F2の値に応じて、第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2、第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2が流れるように水平方向電圧XVf、鉛直方向電圧YVfは印加される。
これにより、焦点距離の長さに応じてホール素子信号処理回路部45からの第1、第2検出位置信号px、pyをCPU21のA/D2、A/D3でA/D変換する際の検出分解能を上げる最適化をすることができる。特に、焦点距離が短い場合は、焦点距離の長い場合に比べて検出分解能を上げてより精度の高い位置検出を行うことが可能になる。
具体的に第1初期調整を、図8、図9を使って説明する。図8は、可動部30aの第1方向xの位置が第1水平方向移動範囲Rx1の一方の端点rx11にある場合の第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できる最大(MAX)値と一致するよう水平方向ホール素子hh10の入力端子に流れる電流値が調整された時の、可動部30aの第1方向xの変位と第1検出位置信号pxの出力値の関係を示す。このときの電流値を第1水平方向ホール素子電流値xDi1とする。また、図8のグラフ上の太線と破線で構成される線を第1線pfx(1)とする。第1線pfx(1)の破線部分は、可動部30aの第1方向xの位置が第1方向移動範囲Rx1の他方の端点rx12にある時の第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できる最小(MIN)値を下方に超えて正確な位置検出が行えない状態を示す。
図9は、可動部30aの第1方向xの位置が第1水平方向移動範囲Rx1の他方の端点rx12にある場合の第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できる最小(MIN)値と一致するよう水平方向ホール素子hh10の入力端子に流れる電流値が調整された時の、可動部30aの第1方向xの変位と第1検出位置信号pxの出力値の関係を示す。このときの電流値を第2水平方向ホール素子電流値xDi2とする。また、このとき、図9のグラフ上の太線を第2線pfx(2)とする。第2線pfx(2)は、可動部30aの第1方向xの位置が第1水平方向移動範囲Rx1の一方の端点rx11にある時の第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できる最大(MAX)値を上方に超えておらず正確な位置検出が行える状態を示す。従って、第1水平方向移動範囲Rx1の範囲内では正確な位置検出が行える。
第1検出位置信号pxは、水平方向ホール素子hh10と第1位置検出及び駆動用磁石411bとの間の第1磁束密度B1、及び水平方向ホール素子hh10の入力端子に流れる電流値の関数である。第2検出位置信号pyは、鉛直方向ホール素子hv10と第2位置検出及び駆動用磁石412bとの間の第2磁束密度B2、及び鉛直方向ホール素子hv10の入力端子に流れる電流値の関数である。
第1、第2水平方向ホール素子電流値xDi1、xDi2を比較し低い方の電流値を第1最適水平方向電流値xsDi1とする。図8、図9の例では、第2水平方向ホール素子電流値xDi2の方が、第1水平方向ホール素子電流値xDi1よりも低くなるので、第2水平方向ホール素子電流値xDi2を第1最適水平方向電流値xsDi1とする。第2方向yの初期調整、すなわち第2初期調整も、同様に行い第1最適鉛直方向電流値ysDi1を求める(不図示)。
第1、第2初期調整で求めた第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1、第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1に、所定の係数を乗算して、第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2、第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2を求める。
所定の係数は、第1、第2焦点距離F1、F2の値の割合に基づく。すなわち第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2の値は、第1水平方向ホール素子電流値xsDi1の値に、第1焦点距離F1の値を第2焦点距離F2の値で除算したものを乗算することにより求められる。同様に、第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2の値は、第1鉛直方向ホール素子電流値ysDi1の値に、第1焦点距離F1の値を第2焦点距離F2の値で除算したものを乗算することにより求められる。
図10は、水平方向ホール素子hh10の入力端子に流れる電流値を第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2とした時の、可動部30aの第1方向xの変位と第1検出位置信号pxの出力値の関係を示す。図10のグラフ上の破線と太線で構成される線を第3線pfx(3)とする。点線は、図9の第2線pfx(2)と同じである。
第3線pfx(3)は、可動部30aの第1方向xの位置が第2方向移動範囲Rx2の一方の端点rx21にある時の第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できる最大(MAX)値を上方に超えておらず正確な位置検出が行える状態を示す。また、第3線pfx(3)は、可動部30aの第1方向xの位置が第2方向移動範囲Rx2の他方の端点rx22にある時の第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できる最小(MIN)値を下方に超えておらず正確な位置検出が行える状態を示す。従って、第2水平方向移動範囲Rx2の範囲内の総てで正確な位置検出が行えると言える。
第3線pfx(3)は、可動部30aの第1方向xの位置が第1方向移動範囲Rx1の一方の端点rx11にある時の第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できる最大(MAX)値を上方に超える。また、第3線pfx(3)は、可動部30aの第1方向xの位置が第1方向移動範囲Rx1の他方の端点rx12にある時の第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できる最小(MIN)値を下方に超える。しかし、撮影レンズ67が第2焦点距離F2である場合には、可動部30aは第2水平方向移動範囲Rx2内しか移動しなくてよいので、この範囲外での正確な位置検出が出来るか否かを考慮する必要はない。
可動部30aが移動中心位置にある時に、第1検出位置信号pxが基準電圧Vrefと一致する場合は、第1、第2水平方向ホール素子電流値xDi1、xDi2の値は一致する。すなわち、可動部30aの第1方向xの位置がrx11にある時の第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できる最大(MAX)値と一致するような電流値が水平方向ホール素子hh10の入力端子に流れる時に、可動部30aの第1方向xの位置がrx12にある時の第1検出位置信号pxの出力値はCPU21のA/D変換できる最小(MIN)値と一致する。しかし、可動部30aが移動中心位置にある時に、第1検出位置信号pxが基準電圧Vrefと厳密に一致させるには、像ブレ補正部30の機構のズレやホール素子信号処理回路部45の抵抗値の誤差を考慮した調整を別途行わなければならない。第2検出位置信号pyと、第1、第2鉛直方向ホール素子電流値yDi1、yDi2の関係も同様である。
本実施形態では、このような調整を行って可動部30aが移動中心位置にある時に、第1検出位置信号pxが基準電圧Vrefと一致させる必要はなく、撮影レンズ67の焦点距離に合わせて第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2を算出することが可能であり、第2検出位置信号pyと基準電圧Vrefと一致させる必要はなく、撮影レンズ67の焦点距離に合わせて第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2を算出することが可能である。
なお、本実施形態では、水平方向ホール素子hh10、鉛直方向ホール素子hv10それぞれの入力端子間に流れる電流値を変化させることで第1、第2検出位置信号px、pyの出力値を変化させる初期調整を説明したが、他の方法であってもよい。第1、第2磁束密度B1、B2や、第1、第2増幅率AA1、AA2の値を変化させることによっても、第1、第2検出位置信号px、pyそれぞれの値を変化させることができるからである。
例えば、ホール素子信号処理回路部45の抵抗値を変化させることで水平方向電位差x10から第1検出位置信号pxを検出する際の第1増幅率AA1、及び鉛直方向電位差y10から第2検出位置信号pyを検出する際の第2増幅率AA2を変化させることでも第1、第2検出位置信号px、pyの出力値を変化させる初期調整は可能である。
また、本実施形態では第1、第2位置検出及び駆動用磁石411b、412bに相当する位置検出に使用される磁石をコイルや電磁石とし、コイルや電磁石に流れる電流値を変化させて水平方向ホール素子hh10、鉛直方向ホール素子hv10との間の第1、第2磁束密度B1、B2を変化させることによっても第1、第2検出位置信号px、pyの出力値を変化させる初期調整は可能である。
また、第1、第2初期調整によって求められ、メモリ部72に記録された第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1、第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1は電源をオフ状態にしても消去されないため、一度第1、第2初期調整するだけで第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1、第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1を何度も読み出しすることが可能になる。
次に、第1、第2初期調整の手順を図11、図12のフローチャートで説明する。ステップS101で、調整用端子71がオン状態にされることにより撮像装置1が調整モードに入り第1、第2初期調整が開始されると、撮影レンズ67の焦点距離が第1焦点距離F1にされ、ステップS102で、CPU21のPWM0より第1PWMデューティdxがドライバ回路29に出力され、可動部30aを第1方向xの一方の端点rx11に移動させる。ステップS103で、このときの第1検出位置信号pxを検出し、CPU21のA/D2に入力する。ステップS104で、CPU21に入力された第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できるMAX値と一致するか否かを判断する。一致していない場合はステップS105で、ホール素子信号処理回路部45に出力するCPU21のD/A0の出力値を変更して、ステップS103に戻る。一致している場合はステップS106で、このときの水平方向ホール素子hh10の入力端子に流れる電流値(第1水平方向ホール素子電流値xDi1をCPU21などで一時記録(ストア)する。
ステップS107で、CPU21のPWM0より第1PWMデューティdxがドライバ回路29に出力され、可動部30aを第1方向xの他方の端点rx12に移動させる。ステップS108で、このときの第1検出位置信号pxを検出し、CPU21のA/D2に入力する。ステップS109で、CPU21に入力された第1検出位置信号pxの出力値がCPU21のA/D変換できるMIN値と一致するか否かを判断する。一致していない場合はステップS110で、ホール素子信号処理回路部45に出力するCPU21のD/A0の出力値を変更して、ステップS108に戻る。一致している場合はステップS111で、このときの水平方向ホール素子hh10の入力端子に流れる電流値(第2水平方向ホール素子電流値xDi2)をCPU21などで一時記録(ストア)する。
ステップS112で、CPU21のPWM1より第2PWMデューティdyがドライバ回路29に出力され、可動部30aを第2方向yの一方の端点ry11に移動させる。ステップS113で、このときの第2検出位置信号pyを検出し、CPU21のA/D3に入力する。ステップS114で、CPU21に入力された第2検出位置信号pyの出力値がCPU21のA/D変換できるMAX値と一致するか否かを判断する。一致していない場合はステップS115で、ホール素子信号処理回路部45に出力するCPU21のD/A1の出力値を変更して、ステップS113に戻る。一致している場合はステップS116で、このときの鉛直方向ホール素子hv10の入力端子に流れる電流値(第1鉛直方向ホール素子電流値yDi1)をCPU21などで一時記録(ストア)する。
ステップS117で、CPU21のPWM1より第2PWMデューティdyがドライバ回路29に出力され、可動部30aを第2方向yの他方の端点ry12に移動させる。ステップS118で、このときの第2検出位置信号pyを検出し、CPU21のA/D3に入力する。ステップS119で、CPU21に入力された第2検出位置信号pyの出力値がCPU21のA/D変換できるMIN値と一致するか否かを判断する。一致していない場合はステップS120で、ホール素子信号処理回路部45に出力するCPU21のD/A1の出力値を変更して、ステップS118に戻る。一致している場合はステップS121で、このときの鉛直方向ホール素子hv10の入力端子に流れる電流値(第2鉛直方向ホール素子電流値yDi2)をCPU21などで一時記録(ストア)する。
ステップS122で、第1水平方向ホール素子電流値xDi1が、第2水平方向ホール素子電流値xDi2よりも大きいか否かを判断する。大きくない場合は、ステップS123で、第1水平方向ホール素子電流値xDi1を第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1とし、ステップS125でこれをメモリ部72に記録して、第1初期調整を終了する。大きい場合は、ステップS124で、第2水平方向ホール素子電流値xDi2を第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1とし、ステップS125でこれをメモリ部72に記録して、第1初期調整を終了する。
ステップS126で、第1鉛直方向ホール素子電流値yDi1が、第2鉛直方向ホール素子電流値yDi2よりも大きいか否かを判断する。大きくない場合は、ステップS127で、第1鉛直方向ホール素子電流値yDi1を第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1とし、ステップS129でこれをメモリ部72に記録して、ステップS130で第2初期調整を終了する。大きい場合は、ステップS128で、第2鉛直方向ホール素子電流値yDi2を第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1とし、ステップS129でこれをメモリ部72に記録して、ステップS130で第2初期調整を終了する。
次に、一定時間(1ms)ごとに割り込み処理として他の動作と独立して行われる像ブレ補正処理について手順を図13のフローチャートで説明する。
ステップS11で、像ブレ補正処理の割り込み動作が始まると、ステップS12で、角速度検出部25から出力された第1、第2角速度vx、vyが、CPU21のA/D0、A/D1を介しA/D変換され入力される。ステップS13で、ホール素子部44aで位置検出され、ホール素子信号処理回路部45で演算された第1、第2検出位置信号px、pyがCPU21のA/D2、A/D3を介しA/D変換され入力され、現在位置P(pdx、pdy)が求められる。このときのホール素子部44aの水平方向ホール素子hh10の入力端子には、焦点距離の長さに応じて変動する第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2が流れる。また、鉛直方向ホール素子hv10の入力端子には、焦点距離の長さに応じて変動する第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2が流れる。
ステップS14で、IS=0か否かが判断される。IS=0すなわち補正モードでない場合は、ステップS15で、可動部30aの移動すべき位置S(sx、sy)が、可動部30aの移動中心位置と同じに設定される。IS=1すなわち補正モードの場合は、ステップS16で、ステップS12で求めた第1、第2角速度vx、vyから可動部30aの移動すべき位置S(sx、sy)が演算され設定される。
ステップS17で、ステップS15またはステップS16で設定した位置S(sx、sy)と現在位置P(pdx、pdy)より可動部30aの移動に必要な駆動力Dすなわち第1、第2駆動用コイル31a、32aを駆動するのに必要な第1、第2PWMデューティdx、dyが演算される。ステップS18で第1、第2PWMデューティdx、dyによりドライバ回路29を介し第1、第2駆動用コイル31a、32aが駆動され可動部30aが移動せしめられる。ステップS17、S18の動作は、一般的な比例、積分、微分演算を行うPID自動制御で用いられる自動制御演算である。
次に、撮像装置1の撮像動作の手順を図14のフローチャートで説明する。ステップS51で、Ponスイッチ11aがオン状態にされることにより撮像装置1の電源がオン状態にされると、ステップS52で、CPU21のポートP15への出力がLo信号か否かが判断される。Lo信号が出力されている場合にはステップS53で、図11、図12のフローチャートで説明した第1、第2初期調整が行われる。ステップS54で第1、第2初期調整は終了される。
ステップS52の判断で、Lo信号が出力されていない場合は、ステップS55で、第1最適水平方向ホール素子電流値xsDi1、第1最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi1がCPU21のポートP6を介してメモリ部72から読み出しされる。ステップS56で、第2焦点距離F2の値に関する情報が、CPU21のポートP7を介して撮影レンズ67から入力される。ステップS57で、焦点距離に関する調整が行われ、第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2、第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2が演算される。演算結果からCPU21のD/A0から第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2に対応する水平方向電圧XVfが出力され、第106回路456を介して水平方向ホール素子hh10の入力端子に印加される。また、CPU21のD/A1から第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2に対応する鉛直方向電圧YVfが出力され、第116回路466を介して鉛直方向ホール素子hv10の入力端子に印加される。ステップS58で、図13のフローチャートで説明した像ブレ補正処理が一定時間(1ms)ごとに割り込み処理として開始される。ステップS59以降の手順と独立して像ブレ補正処理は行われる。
ステップS59で、補正スイッチ14aがオン状態にされたか否かが判断される。オン状態にされている場合はステップS60で、パラメータISの値が1に設定される。オフ状態にされている場合は、ステップS61でパラメータISの値が0に設定される。
ステップS62で、第2焦点距離F2の値に関する情報が、CPU21のポートP7を介して撮影レンズ67から入力される。ステップS63で、焦点距離に関する調整が行われ、第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2、第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2が演算される。演算結果からCPU21のD/A0から第2最適水平方向ホール素子電流値xsDi2に対応する水平方向電圧XVfが出力され、第106回路456を介して水平方向ホール素子hh10の入力端子に印加される。また、CPU21のD/A1から第2最適鉛直方向ホール素子電流値ysDi2に対応する鉛直方向電圧YVfが出力され、第116回路466を介して鉛直方向ホール素子hv10の入力端子に印加される。
ステップS64で、測光SW12aがオン状態にされて、AE部23のAEセンサ駆動により測光が行われ、絞り値や露光時間が演算される。ステップS65で、AF部24のAFセンサが駆動され測距が行われ、AF部24のレンズ制御回路駆動により合焦動作が行われる。
ステップS66で、撮像素子39a1の電荷蓄積が行われる。ステップS67で、露光時間内の間撮像素子39a1に蓄積された電荷が移動せしめられる。ステップS68で、移動された電荷が撮像された画像信号として表示部17によって表示される。
ステップS69で、使用者の指示によりレリーズSW13aがオン状態にされたか否かが判断される。オン状態にされていない場合は、ステップS59に戻り撮像動作が繰り返される。オン状態にされた場合は、ステップS70で、撮像素子39a1の電荷蓄積が行われる。ステップS71で、露光時間内の間撮像素子39a1に蓄積された電荷が移動せしめられる。ステップS72で、移動された電荷が撮像された画像信号として撮像装置1内の映像メモリに記録される。ステップS73で記録された画像信号が表示部17によって表示される。その後ステップS59に戻り撮像動作が繰り返される。
なお、本実施形態では、第1方向x、第2方向yそれぞれにおいて、位置検出用の磁石と、駆動用の磁石を共用させた構成を説明したが別体であってもよい。
さらに、本実施形態では、位置検出用のホール素子部44aを可動部30aに、位置検出用の磁石(第1、第2位置検出及び駆動用磁石411b、412b)を固定部30bに配置する構成を説明したが、可動部30a、固定部30bの構成を逆、すなわち、可動部30aが位置検出用の磁石を、固定部30bがホール素子部を有する形態でもよい。
また、撮像素子39a1を含む撮像部39aが可動部30aに配置されて移動する形態を説明したが、撮像部39aは固定で、像ブレ補正レンズを可動部30aに配置して移動させる形態でも同様の効果が得られる。
また、磁界変化検出素子として、ホール素子を利用した位置検出を説明したが、磁界変化検出素子として別の検出素子を利用してもよい。具体的には、磁界の変化を検出することにより、可動部の位置検出情報を求めることが可能なMIセンサ(高周波キャリア型磁界センサ)、磁気共鳴型磁界検出素子、MR素子(磁気抵抗効果素子)が挙げられる。これらは、ホール素子を利用した本実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、可動部30aは、固定部30bに対して、第1方向x、第2方向yに移動可能であり、第1方向xの位置、第2方向yの位置を検出することによって、可動部30aの位置検出を行うこととしたが、可動部30aの移動、及び位置検出はこれに限られず、光軸LXに垂直な平面上を動く(例えば、1次元方向のみの移動)他の形態であってもよい。
また、第1、第2初期調整の後、焦点距離に比例して電流値を変化させる調整(焦点距離に比例して変化する移動範囲に応じて電流値を変化させる調整)を行う形態を説明したが、焦点距離に応じた調整は比例だけに限られない。