本発明において、上記第一のカルド型ポリマーを含有する絶縁層を接着により形成する工程は、第一のカルド型ポリマーを含有する材料フィルムを両面プレスにより接着する工程を含んでもよく、上記第二のカルド型ポリマーを含有する絶縁層を接着により形成する工程は、第二のカルド型ポリマーを含有する材料フィルムを両面プレスにより接着する工程を含んでもよい。
この方法によれば、接着工程が一回で済むため、製造工程が簡便になる。また、カルド型ポリマーを含有する絶縁層と、他の絶縁層などとの層間密着性が向上する。
また、上記第一のカルド型ポリマーを含有する絶縁層を接着により形成する工程は、第一のカルド型ポリマーを含有する材料フィルムを接着することによりソルダーレジスト層を形成する工程を含んでもよく、上記第二のカルド型ポリマーを含有する絶縁層を接着により形成する工程は、第二のカルド型ポリマーを含有する材料フィルムを接着することによりソルダーレジスト層を形成する工程を含んでもよい。
カルド型ポリマーは、後述するように解像度が優れるため、ソルダーレジスト膜として好適に用いることができる。すなわち、半田ボールを設ける際の半田ボール形成孔の位置精度を良好に維持できる。
また、上記第一のカルド型ポリマーを含有する絶縁層を接着により形成する工程および上記第二のカルド型ポリマーを含有する絶縁層を接着により形成する工程は、第一のカルド型ポリマーを含有する材料フィルムおよび第二のカルド型ポリマーを含有する材料フィルムを両面プレスにより同時に接着する工程を含んでもよい。
この方法によれば、接着工程が一回で済むため、製造工程が簡便になる。また、カルド型ポリマーを含有する絶縁層と、他の絶縁層などとの層間密着性が向上する。さらに、上面の第一の積層膜と、下面の第二の積層膜と、の熱履歴が同一となるため、素子搭載基板の反りが抑制される。
また、上記カルド型ポリマーは、カルボン酸基とアクリレート基とを同一分子鎖内に有するポリマーが架橋してなるポリマーであってもよい。
この構成によれば、上記カルド型ポリマーは、現像性を持つカルボン酸基と、架橋基であるアクリレート基とを同一分子鎖中に有する化学架橋型のポリマーであって、さらに主鎖に嵩高い置換基を持ちラジカル拡散し難いため、高解像度を有する光硬化型ポリマーとなる。この場合、ポリマーに紫外線(UV)または熱が加わると、アクリレート基が架橋してアクリル基を形成する。
また、上記カルド型ポリマーを含有する絶縁層は、ガラス転移温度が180℃以上220℃以下であってもよい。
この構成によれば、耐熱性に優れる絶縁膜が安定的に得られるため、高温条件下における信頼性に優れる半導体装置が得られる。
また、上記カルド型ポリマーを含有する絶縁層は、線膨張係数が50ppm/℃以上80ppm/℃以下であってもよい。
ここで、上記カルド型ポリマーを含有する絶縁層には、フィラーまたは繊維等の充填材を含めることができる。フィラーとしては、たとえば粒子状または繊維状のSiO2やSiNを用いることができる。この場合、熱膨張係数が20ppm/K以下の樹脂組成物からなる絶縁層を得ることもできる。
この構成によれば、ヒートサイクルによる他の部材との密着性の低下が抑制された絶縁膜が安定して得られるので、信頼性および製造安定性に優れる半導体装置が得られる。
また、上記カルド型ポリマーを含有する絶縁層は、周波数1MHzの交流電界を印加した場合の誘電正接が0.001以上0.04以下であってもよい。
この構成によれば、絶縁膜の高周波特性をはじめとする誘電特性が優れるため、全体としても誘電特性に優れる半導体装置を得ることができる。
また、本発明においては、素子搭載基板と、素子搭載基板に搭載されている半導体素子と、を備える半導体装置も提供される。
この構成によれば、信頼性および耐熱性に優れる素子搭載基板上に、フリップチップ接続やワイヤーボンディング接続などにより半導体素子を接続するため、半導体素子を搭載する際の信頼性が向上する。
なお、上記カルド型ポリマーを含有する絶縁層は、カルド型ポリマーを母材として含有する絶縁層であることが好ましく、例えば、カルド型ポリマーを30質量%以上含有してもよく、特に好ましくは、カルド型ポリマーを50質量%以上含有する。この範囲の含有量であれば、上記諸特性を安定して実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
はじめに、後述する各実施形態の半導体装置に用いるISB構造について説明する。ISB(Integrated System in Board;登録商標)は、本出願人の従業者等により開発された独自のパッケージである。ISBは、半導体ベアチップを中心とする電子回路のパッケージングにおいて、銅による配線パターンを持ちながら回路部品を支持するためのコア(基材)を使用しない独自のコアレスシステム・イン・パッケージである。
図1はISBの一例を示す概略構成図である。ここではISBの全体構造をわかりやすくするため、単一の配線層のみ示しているが、実際には、複数の配線層が積層した構造となっている。このISBでは、LSIベアチップ201、Trベアチップ202およびチップCR203が銅パターン205からなる配線により結線された構造となっている。LSIベアチップ201は、引き出し電極や配線に対し、金線ボンディング204により導通されている。LSIベアチップ201の直下には、導電性ペースト206が設けられ、これを介してISBがプリント配線基板に実装される。ISB全体はエポキシ樹脂などからなる樹脂パッケージ207により封止された構造となっている。
このパッケージによれば、以下の利点が得られる。
(i)コアレスで実装できるため、トランジスタ、IC、LSIの小型・薄型化を実現できる。
(ii)トランジスタからシステムLSI、さらにチップタイプのコンデンサや抵抗を回路形成し、パッケージングすることができるため、高度なSIP(System in Package)を実現できる。
(iii)現有の半導体素子を組合せできるため、システムLSIを短期間に開発できる。
(iv)半導体ベアチップが直下の銅材に直接マウントされており、良好な放熱性を得ることができる。
(v)回路配線が銅材でありコア材がないため、低誘電率の回路配線となり、高速データ転送や高周波回路で優れた特性を発揮する。
(vi)電極がパッケージの内部に埋め込まれる構造のため、電極材料のパーティクルコンタミの発生を抑制できる。
(vii)パッケージサイズはフリーであり、1個あたりの廃材を64ピンのSQFPパッケージと比較すると、約1/10の量となるため、環境負荷を低減できる。
(viii)部品を載せるプリント回路基板から、機能の入った回路基板へと、新しい概念のシステム構成を実現できる。
(ix)ISBのパターン設計は、プリント回路基板のパターン設計と同じように容易であり、セットメーカーのエンジニアが自ら設計できる。
次にISBの製造プロセス上のメリットについて説明する。図2は、従来のCSPおよび本発明に係るISBの製造プロセスの対比図である。
図2(B)は、従来のCSPの製造プロセスを示す。はじめにベース基板上にフレーム132を形成し、各フレームに区画された素子形成領域にチップ134が実装される。その後、各素子について熱硬化性樹脂によりパッケージが設けられ、その後、素子毎に金型を利用して打ち抜きを行うことにより製品138を得る。最終工程の打ち抜きでは、モールド樹脂およびベース基板が同時に切断されるようになっており、切断面における表面荒れなどが生じる場合がある。また打ち抜きを終わった後の廃材136が多量に生じる場合もあるため、環境負荷の点で課題を有していた。
一方、図2(A)は、ISBの製造プロセスを示す図である。はじめに、金属箔の上にフレーム122を設け、各モジュール形成領域に、配線パターンを形成し、その上にLSIなどの回路素子を搭載する。続いて各モジュール毎にパッケージを施し、ISB基本ブロック126を複数備えるフレーム122を得る。次いで、スクライブ領域に沿ってフレームのダイシングを行い、製品130を得る。パッケージ終了後、スクライブ工程の前に、下地となる金属箔を除去するので、スクライブ工程におけるダイシングでは、樹脂層のみの切断となる。このため、切断面の荒れを抑制し、ダイシングの正確性を向上させることが可能となる。また、ISBの製造プロセスでは、廃材128は少量しか生じないため、環境負荷の点で有利である。
<実施形態1>
図10(b)は、本実施形態に係る4層ISB構造を備える素子搭載基板を示す断面図である。
本実施形態に係る素子搭載基板は、基材302の上面に、絶縁樹脂膜312、フォトソルダーレジスト膜328を順に積層してなる構造を有する。また、基材302の下面に、絶縁樹脂膜312、フォトソルダーレジスト膜328を順に積層してなる構造を有する。
また、これらの基材302、絶縁樹脂膜312、フォトソルダーレジスト膜328を貫通する貫通孔327が設けられている。
また、基材302には、銅膜308からなる配線の一部、銅膜320からなる配線の一部、ビア311の一部などが埋め込まれている。絶縁樹脂膜312には、銅膜308からなる配線の一部、銅膜320からなる配線の一部、配線309、ビア311の一部、ビア323の一部などが埋め込まれている。フォトソルダーレジスト膜328には、銅膜320からなる配線の一部、ビア323の一部などが埋め込まれている。また、フォトソルダーレジスト膜328には、開口部326が設けられている。
ここで、基材302に用いる材料としては、特にガラスエポキシ基板に限定されず、適度な剛性を有する材料であれば使用可能である。例えば、基材302として、樹脂基板やセラミック基板などを用いることができる。より具体的には、低誘電率であるため高周波特性に優れた基材を用いることができる。すなわち、ポリフェニールエチレン(PPE)、ビスマレイドトリアジン(BT−resin)、ポリテトラフルオロエチレン(商標名テフロン(R))、ポリイミド、液晶ポリマー(LCP)、ポリノルボルネン(PNB)、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、セラミックあるいはセラミックと有機基材の混合体などを用いることができる。
絶縁樹脂膜312に用いる材料としては、加熱により軟化する樹脂材料であり、絶縁樹脂膜312をある程度薄膜化させることができる樹脂材料が用いられる。特に、低誘電率であり高周波特性に優れた樹脂材料を好適に用い得る。
ここで、絶縁樹脂膜312には、フィラーまたは繊維等の充填材を含めることができる。フィラーとしては、たとえば粒子状または繊維状のSiO2やSiNを用いることができる。
また、フォトソルダーレジスト膜328は、カルド型ポリマーを含有している。また、フォトソルダーレジスト膜328は、絶縁樹脂膜312よりも層厚が大きい。
ここで、カルド型ポリマーは、嵩高い置換基が主鎖の運動を阻害することにより、優れた機械的強度、耐熱性および低い線膨張率を有する。よって、ヒートサイクルにおいて、基材302、絶縁樹脂膜312、フォトソルダーレジスト膜328間の密着性の低下または層間剥離などが抑制される。このため、本実施形態に係る素子搭載基板の信頼性および耐熱性が良好となる。
また、カルド型ポリマーを含有するフォトソルダーレジスト膜328が、後述するようにカルド型ポリマーを含有する材料フィルムを接着してなるため、接着の際に空気を巻き込むことが少なく、耐熱性および機械的強度に優れ、ボイドや凹凸などが少ないフォトソルダーレジスト膜328を安定的に得ることができる。このため、本実施形態に係る素子搭載基板に半導体素子を搭載する際の信頼性が良好となる。
また、カルド型ポリマーは、後述するように解像度が優れるため、フォトソルダーレジスト膜328の解像度が向上し、ソルダーレジスト膜として好適に用いることができる。すなわち、フォトソルダーレジスト膜328に半田ボールを設ける際、半田ボール形成孔として用い得る開口部326の位置精度を良好に維持できる。
また、上記の銅膜308からなる配線、銅膜320からなる配線、配線309、ビア311、ビア323などからなる多層配線構造としては、例えば銅配線などに限定されず、アルミニウム配線、アルミニウム合金配線、銅合金配線、ワイヤーボンディングされた金配線、金合金配線、またはこれらの混合配線などを用いることもできる。
また、上記の4層ISB構造の表面または内部には、トランジスタやダイオードなどの能動素子、キャパシタや抵抗などの受動素子が設けられていてもよい。これらの能動素子または受動素子は、4層ISB中の多層配線構造に接続し、ビア323などを通じて外部の導電部材と接続可能としてもよい。
図3から図10は、本実施形態に係る4層ISB構造を備える素子搭載基板の製造手順を示す工程断面図である。
本実施形態に係る4層ISB構造を備える素子搭載基板を製造するには、まず、図3(a)に示すように、ドリルで直径150nm程度の孔を開口した銅箔304が接着されたガラスエポキシ基板などからなる基材302を用意する。ここで、基材302の厚さは、たとえば、37.5μmから42.5μm程度とし、銅箔304の厚さは、たとえば、10μmから15μm程度とする。
また、銅箔304の代わりに、アルミニウム箔を用いてもよい。あるいは、銅合金箔またはアルミニウム合金箔なども用いることができる。なお、銅含有導電部材の代わりにアルミニウムなどの他の金属またはその合金を含有する導電部材を用いてもよい。
次いで、図3(b)に示すように、銅箔304の上面に、フォトエッチングレジスト層306をラミネートする。
ついで、ガラスをマスクとして露光することでフォトエッチングレジスト層306をパターニングする。その後、図4(a)および(b)に示すように、フォトエッチングレジスト層306をマスクとして、たとえば、薬液による化学エッチング加工によって、直径100nm程度のビアホール307を形成する。
ビアホール307を形成する方法として、本実施形態では薬液による化学エッチング加工によったが、そのほか、機械加工、プラズマを用いたドライエッチング法、レーザ加工などを用いることもできる。なお、エッチング後にはフォトエッチングレジスト層306を除去する。
その後、ビアホール307内をウェット処理により粗化および洗浄する。つづいて、図4(c)に示すように、高アスペクト比対応の無電解めっき、次いで電解めっきにより、ビアホール307内を導電性材料で埋め込み、ビア311を形成した後に、全面に銅膜308を形成する。
ビア311は、たとえば以下のようにして形成することができる。まず、無電解銅めっきにより全面に0.5〜1μm程度の薄膜を形成した後、電解めっきにより約20μm程度の膜を形成する。無電解めっき用触媒は、通常パラジウムを用いることが多く、可とう性の絶縁樹脂に無電解用めっき用触媒を付着させるには、パラジウムを錯体の状態で水溶液に含ませ、可とう性の絶縁基材を浸漬して表面にパラジウム錯体を付着させ、そのまま、還元剤を用いて、金属パラジウムに還元することによって可とう性の絶縁基材表面にめっきを開始するための核を形成することができる。
次いで、図5(a)に示すように、銅膜308の上下の表面にフォトエッチングレジスト層310をラミネートする。つづいて、図示しないが、遮光領域を有するガラスをマスクとして露光することでフォトエッチングレジスト層310をパターニングする。
その後、図5(b)に示すように、フォトエッチングレジスト層310をマスクとして銅めっき層からなる銅膜308をエッチングすることにより、銅からなる配線309を形成する。たとえば、レジストから露出した箇所に、化学エッチング液をスプレー噴霧して不要な銅めっきをエッチング除去し、配線パターンを形成することができる。なお、エッチング後にフォトエッチングレジスト層310を除去する。
次いで、図6(a)に示すように、絶縁樹脂膜312を形成するために、銅箔314付きの樹脂フィルムを、配線309の上下から接着する。ここで、絶縁樹脂膜312を形成するための樹脂フィルムの厚さは、たとえば、22.5μm〜27.5μm程度とし、銅箔314の厚さは、たとえば、10μm〜15μm程度とする。
接着の方法としては、銅箔付き絶縁樹脂膜312を基材302および配線309に当接し、絶縁樹脂膜312内に基材302および配線309を嵌入する。次に、図6(b)に示すように、絶縁樹脂膜312を真空下または減圧下で加熱して基材302および配線309に接着する。
なお、絶縁樹脂膜312は、接着により形成される必要はなく、例えば、液状の樹脂組成物を塗布、乾燥して形成してもよい。すなわち、塗布均一性、厚み制御性などに優れるスピンコート法、カーテンコート法、ロールコート法、あるいはディップコート法などを用いて形成してもよい。この場合、銅箔は、絶縁樹脂膜312形成後に別途形成することができる。
つづいて、図6(c)に示すように、銅箔314にX線を照射することで、銅箔314、絶縁樹脂膜312、配線309、基材302を貫通する孔315を開口する。あるいはレーザ照射またはドリル穿孔により孔315を開口してもよい。
その後、図7(a)に示すように、銅箔314の上下の表面にフォトエッチングレジスト層316をラミネートする。つづいて、図示しないが、遮光領域を有するガラスをマスクとして露光することでフォトエッチングレジスト層316をパターニングする。
そして、図7(b)に示すように、フォトエッチングレジスト層316をマスクとして、銅箔314をエッチングすることにより、銅からなる配線319を形成する。たとえば、レジストから露出した箇所に、化学エッチング液をスプレー噴霧して不要な銅箔をエッチング除去し、配線パターンを形成することができる。なお、エッチング後にフォトエッチングレジスト層316を除去する。
次いで、図8(a)に示すように、配線319の上下の表面にフォトエッチングレジスト層317をラミネートする。つづいて、図示しないが、遮光領域を有するガラスをマスクとして露光することでフォトエッチングレジスト層317をパターニングする。
その後、図8(b)に示すように、フォトエッチングレジスト層317をマスクとして、配線319および絶縁樹脂膜312をパターニングし、たとえば、直径150nm程度のビアホール322を形成する。なお、パターニング後、フォトエッチングレジスト層317を除去する。
ビアホール322を形成する方法として、本実施形態では薬液による化学エッチング加工によったが、そのほか、機械加工、プラズマを用いたドライエッチング法、レーザ加工などを用いることもできる。
その後、図8(c)に示すように、ビアホール322内をウェット処理により粗化および洗浄する。つづいて、高アスペクト比対応の無電解めっき、次いで電解めっきにより、ビアホール322内を導電性材料で埋め込み、ビア323を形成した後に、全面に銅膜320を形成する。
ビア323は、たとえば以下のようにして形成することができる。まず、無電解銅めっきにより全面に0.5〜1μm程度の薄膜を形成した後、電解めっきにより約20μm程度の膜を形成する。無電解めっき用触媒は、通常パラジウムを用いることが多く、可とう性の絶縁樹脂に無電解用めっき用触媒を付着させるには、パラジウムを錯体の状態で水溶液に含ませ、可とう性の絶縁基材を浸漬して表面にパラジウム錯体を付着させ、そのまま、還元剤を用いて、金属パラジウムに還元することによって可とう性の絶縁基材表面にめっきを開始するための核を形成することができる。
図9(a)に示すように、銅膜320の上下の表面に、フォトエッチングレジスト層318をラミネートする。つづいて、図示しないが、遮光領域を有するガラスをマスクとして露光することでフォトエッチングレジスト層318をパターニングする。
その後、図9(b)に示すように、フォトエッチングレジスト層318をマスクとして、銅膜320をエッチングすることにより、銅からなる配線324を形成する。たとえば、レジストから露出した箇所に、化学エッチング液をスプレー噴霧して不要な銅箔をエッチング除去し、配線パターンを形成することができる。
そして、図10(a)に示すように、配線324の上下の表面に、カルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を後述する接着方法によりラミネートする。
つづいて、図10(b)に示すように、遮光領域を有するガラスをマスクとして露光することでフォトソルダーレジスト層328をパターニングする。その後、フォトソルダーレジスト層328をマスクとして、ビアホール322内に形成されたビア323を露出するように、配線324をエッチングして、たとえば、直径150nm程度の開口部326を形成する。
開口部326を形成する方法として、本実施形態では薬液による化学エッチング加工によったが、そのほか、機械加工、プラズマを用いたドライエッチング法、レーザ加工などを用いることもできる。その後、露出されたビア323に金メッキを施す(不図示)。あるいは露出されたビア323に直接半田ボールを形成してもよい。
なお、説明の便宜のために半導体素子についての記載は省略したが、一般的には、こうして得られた4層ISB構造の表面には、LSIチップ、ICチップをはじめとする半導体素子がフリップチップ接続またはワイヤーボンディング接続により搭載される。
以下、図10(a)に示した配線324の上下の表面に、カルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を接着する方法を、より詳しく説明する。配線324の上下の表面に、カルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を接着する方法としては、特に限定されず、一定の圧力を加えて接着する任意の方法を用いることができる。例えば、両面プレスを用いて両面同時に接着する方法や、両面プレスを用いて片面ずつ順に接着する方法などが挙げられる。
図11は、実施の形態における素子搭載基板の製造手順のうち、両面プレスを両面同時に行う工程をより詳細に示す工程断面図である。
この場合には、まず、4層ISB基板の両面に、カルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を配置する。次いで、これらを両面プレス802a、802bを用いて、上下から同時に接着することにより、4層ISB基板の両面に設けられている配線324の上下の表面に、両面同時にカルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を接着する。
このとき、接着の条件としては、4層ISB基板およびフォトソルダーレジスト層328の組成および構造により適宜調整する必要はあるが、例えば、温度は110℃、時間は1分〜2分、圧力は2気圧程度とすることができる。
この方法によれば、カルド型ポリマーは、嵩高い置換基が主鎖の運動を阻害することにより、耐熱性および機械的強度に優れる。また、カルド型ポリマーを含有する材料は、ガラス転移温度の高いカルド型ポリマーを含有しているため、流動性の高い他成分を多く含むことが可能である。このため、カルド型ポリマーを含有する材料は、加熱することにより適度な柔軟性を有するようになる特性がある。そのため、カルド型ポリマーを含有するフィルムを接着してフォトソルダーレジスト層328を形成すると、接着の際に空気を巻き込むことが少ないため、耐熱性および機械的強度に優れ、ボイドや凹凸などが少ないフォトソルダーレジスト層328を安定的に形成できる。よって、この方法によれば、信頼性および耐熱性に優れる素子搭載基板を安定的に製造できる。
また、両面同時にカルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を接着するため、接着工程が一回で済み、製造工程が簡便になる。また、カルド型ポリマーを含有するフォトソルダーレジスト層328と、他の絶縁樹脂膜312などとの層間密着性が向上する。さらに、この場合には、上面の絶縁樹脂膜312およびフォトソルダーレジスト層328と、下面の絶縁樹脂膜312およびフォトソルダーレジスト層328と、の熱履歴が同一となるため、素子搭載基板の反りが抑制される。
図12および図13は、実施の形態における素子搭載基板の製造手順のうち、両面プレスを片面ずつ行う工程をより詳細に示す工程断面図である。
この場合には、まず、4層ISB基板の一方の片面に、カルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を配置する。次いで、これらを両面プレス802a、802bを用いて、上下から同時に接着することにより、4層ISB基板の一方の片面に設けられている配線324の表面に、カルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を接着する。
このとき、接着の条件としては、4層ISB基板およびフォトソルダーレジスト層328の組成および構造により適宜調整する必要はあるが、例えば、温度は110℃、時間は1分〜2分、圧力は2気圧程度とすることができる。
次いで、4層ISB基板の他方の片面に、カルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を配置する。次いで、これらを両面プレス802a、802bを用いて、上下から同時に接着することにより、4層ISB基板の他方の片面に設けられている配線324の表面に、カルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を接着する。
この方法によっても、カルド型ポリマーを含有するフィルムを接着してフォトソルダーレジスト層328を形成すると、いずれの面における接着の際にも空気を巻き込むことが少ないため、耐熱性および機械的強度に優れ、ボイドや凹凸などが少ないフォトソルダーレジスト層328を安定的に形成できる。よって、この方法によっても、信頼性および耐熱性に優れる素子搭載基板を安定的に製造できる。
また、片面ずつカルド型ポリマーを含むフォトソルダーレジスト層328を接着するため、接着工程が二回で済み、製造工程が簡便になる。また、カルド型ポリマーを含有するフォトソルダーレジスト層328と、他の絶縁樹脂膜312などとの層間密着性が向上する。
以下、通常のフォトソルダーレジスト膜を用いる場合の製造手順を、比較のために説明する。通常のフォトソルダーレジスト膜を用いる場合には、図3から図9に示した製造手順の後に、図14に示す製造手順を行う。
すなわち、通常のフォトソルダーレジスト膜を用いる場合には、図9(b)に示した製造工程の後に、図14(a)に示すように、配線324の上下の表面に、通常の液状のフォトソルダーレジスト液をスピンコート法などにより塗布、乾燥してフォトソルダーレジスト層340を形成する。
つづいて、図11(b)に示すように、遮光領域を有するガラスをマスクとして露光することで通常のフォトソルダーレジスト層340をパターニングする。その後、通常のフォトソルダーレジスト層340をマスクとして、ビアホール322内に形成されたビア323を露出するように、配線324をエッチングして、たとえば、直径150nm程度の開口部326を形成する。
開口部326を形成する方法として、この製造手順では、薬液による化学エッチング加工によったが、そのほか、機械加工、プラズマを用いたドライエッチング法、レーザ加工などを用いることもできる。その後、露出されたビア323に金メッキを施す(不図示)。あるいは露出されたビア323に直接半田ボールを形成してもよい。
この場合、配線324の上下の表面に、通常の液状のフォトソルダーレジスト液をスピンコート法などにより塗布、乾燥してフォトソルダーレジスト層340を形成するため、スピンコート法などによる塗布、乾燥の際に空気を巻き込む場合があり、フォトソルダーレジスト層328にボイド804や凹凸806などが生じる場合がある。
これに対して、本実施形態のように、カルド型ポリマーを含有するフィルムを接着してフォトソルダーレジスト層328を形成すると、図10(a)および図10(b)に示すように、いずれの面における接着の際にも空気を巻き込むことが少ないため、耐熱性および機械的強度に優れ、ボイドや凹凸などが少ないフォトソルダーレジスト層328を安定的に形成できる。
以下、本実施形態において、カルド型ポリマーを含み、所定の改質剤を添加することにより得られる樹脂材料からなる絶縁樹脂膜を用いることの効果について説明する。
本実施形態では、上記フォトソルダーレジスト膜328は、ネガ型であってもポジ型であってもよい。もっとも、上記カルド型ポリマーが、カルボン酸基とアクリレート基とを同一分子鎖内に有する場合には、フォトソルダーレジスト膜328は、一般にはネガ型として用いられる。
ネガ型のフォトソルダーレジスト膜328とは、具体的には、感光した部分だけを構造変化させ、溶媒に溶けなくする感光性樹脂を使った絶縁用被膜を意味する。
ここで、フォトソルダーレジスト膜328は、ハンダ付けの際に用いられるため、耐熱性や高弾性などの優れた耐久性が求められる。本実施形態では、後述する特定のポリマーを含有するネガ型のフォトソルダーレジスト膜328を用いているため、耐熱性や高弾性などの優れた耐久性を有する。
なお、本実施形態に用いるラミネートタイプのフォトソルダーレジスト膜328とは、通常の液状の原液を塗布してなるフォトソルダーレジスト膜とは異なり、薄膜状のフォトソルダーレジスト膜を接着してなるラミネートタイプのフォトソルダーレジスト膜328である。この際、フォトソルダーレジスト膜328はある程度軟化した状態で適当な温度、圧力条件下で半導体基板などに接着される。
また、ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の接着前の材料フィルムの膜厚は、特に限定するものではないが、例えば10μm以上とすることができ、特に好ましくは20μm以上である。また、材料フィルムを接着して得られるラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の膜厚は、例えば15μm以上とすることができ、特に好ましくは25μm以上である。材料フィルムまたはラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の膜厚がこれらの範囲であれば、機械的強度、信頼性、および生産性が向上する。
また、ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の接着前の材料フィルムの膜厚は、例えば150μm以下とすることができ、特に好ましくは100μm以下である。また、材料フィルムを接着して得られるラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の膜厚は、例えば150μm以下とすることができ、特に好ましくは100μm以下である。材料フィルムまたはラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の膜厚がこれらの範囲であれば、ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の絶縁性と基板表面の平坦性とが向上する。
また、ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の膜厚が厚くても、これらの範囲であれば、後述する解像度の優れるカルド型ポリマーを含む材料フィルムを用いることにより、フォトソルダーレジスト膜328のUV照射による光硬化処理などの際の加工性が良好となる。
また、フォトソルダーレジスト層328の厚さは、素子搭載基板全体の厚さに対して、例えば5%以上とすることができ、特に好ましくは10%以上である。ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の相対的な厚さがこれらの範囲であれば、絶縁性および機械的強度が向上する。
また、フォトソルダーレジスト層328の厚さは、素子搭載基板全体の厚さに対して、例えば50%以下とすることができ、特に好ましくは40%以下である。ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の相対的な厚さがこれらの範囲であれば、ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の接着の際の圧力も小さくてすみ、素子搭載基板全体にかかるストレスも抑制できる。
また、ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の膜厚が厚くても、これらの範囲であれば、後述する解像度の優れるカルド型ポリマーを含む材料フィルムを用いることにより、フォトソルダーレジスト膜328のUV照射による光硬化処理などの際の加工性が良好となる。
なお、カルド型ポリマーを含有するラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328は、一般的に、上記露光・現像工程とは別に、適当な条件によるアフターベーク工程により硬化させることにより、後述する望ましい諸特性を備えるようになる。
なお、このような通常のラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜よりも厚いラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328を実現するためには、後述する特定の構造を有するカルド型ポリマーを用いることが有効である。後述するカルド型ポリマーは加工性が良好であるため、優れた絶縁性を有する材料フィルムを通常よりも厚く形成可能だからである。
そして、上記ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328は、カルド型ポリマーを含有してもよい。カルド型ポリマーとは、式(I)に示すように、環状の基がポリマー主鎖に直接結合した構造を有するポリマーの総称である。
なお、式(I)において、R1、R2はアルキレン基、芳香環を含む基などの二価の基を表す。
すなわち、このカルド型ポリマーとは、四級炭素を有する嵩高い置換基が、主鎖に対して、ほぼ直角に存在する構造を有しているポリマーのことである。
ここで、環状部は、飽和結合でも不飽和結合を含んでいてもよく、炭素の他、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子等の原子を含んでいてもよい。また、環状部は多環であってもよく、縮合環であってもよい。また、環状部は、他の炭素鎖と結合していても、更には、架橋していてもよい。
なお、嵩高い置換基としては、たとえば、式(II)に示すように、五員環の両側に六員環が結合し、五員環の残り一つの炭素原子が主鎖と結合した構造を有する縮合環を有するフルオレニル基などの環状の基が挙げられる。
フルオレニル基とは、フルオレンの9位の炭素原子が脱水素化された基であり、カルド型ポリマーにおいては、式(I)に示すように、脱水素化された炭素原子の位置で、主鎖であるアルキル基の炭素原子と結合している。
カルド型ポリマーは、上記構造を有するポリマーであるため、
(1)ポリマー主鎖の回転拘束
(2)主鎖及び側鎖のコンフォメーション規制
(3)分子間パッキングの阻害
(4)側鎖の芳香族置換基導入等による芳香族性の増加
といった効果を奏する。
したがって、カルド型ポリマーは、高耐熱性、溶剤溶解性、高透明性、高屈折率、低複屈折率、更には、より高い気体透過性といった特徴を有する。
ここで、ラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328の接着前の材料フィルムは、カルド型ポリマーと所定の添加剤とを用いて、ボイドや凹凸などの発生が抑制された状態で厚膜として成形可能である。また、カルド型ポリマーを含む材料フィルムは、加熱することにより材料を軟化することが容易なため、埋め込み性が良く、接着された素子搭載基板のラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328にもボイドや凹凸は少ない。そして、ボイドが少ないラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328によれば、膜厚が保障できる。
なお、上記カルド型ポリマーは、カルボン酸基とアクリレート基とを同一分子鎖内に有するポリマーが架橋してなるポリマーであってもよい。従来の一般的な感光性ワニスとしては、現像性を持つカルボン酸基オリゴマーと多官能アクリルとのブレンドが用いられているが、解像度の面でさらなる改善の余地があった。一般的な感光ワニスの代わりに、カルボン酸基とアクリレート基とを同一分子鎖内に有するポリマーが架橋してなるカルド型ポリマーを用いると、現像性を持つカルボン酸と架橋基であるアクリレート基とを同一分子鎖中に有し、主鎖に嵩高い置換基を持ちラジカル拡散し難いため、カルド型ポリマーを含有するフォトソルダーレジスト膜328の解像度が向上する利点がある。
また、上記カルド型ポリマー含有樹脂膜からなるフォトソルダーレジスト膜328は、以下に示す諸物性値を満たすことが望ましい。なお、以下の物性値はフィラーなどを含まない樹脂部分についての値であり、フィラーなどを添加することにより、適宜調整可能である。
ここで、カルド型ポリマー含有樹脂膜のガラス転移温度(Tg)は、例えば180℃以上とすることができ、特に好ましくは190℃以上である。ガラス転移温度がこの範囲にあると、カルド型ポリマー含有樹脂膜の耐熱性が向上する。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜のガラス転移温度(Tg)は、例えば220℃以下とすることができ、特に好ましくは210℃以下である。ガラス転移温度がこの範囲のカルド型ポリマー含有樹脂膜であれば、通常の製法により安定的に製造可能である。ガラス転移温度は、例えばバルク試料の動的粘弾性測定(DMA)により測定可能である。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜のガラス転移温度以下の領域における線膨張係数(CTE)は、例えば80ppm/℃以下とすることができ、特に好ましくは75ppm/℃以下である。線膨張係数がこの範囲にあると、カルド型ポリマー含有樹脂膜と、他の部材などとの密着性が向上する。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜のガラス転移温度以下の領域における線膨張係数(CTE)は、例えば50ppm/℃以上とすることができ、特に好ましくは55ppm/℃以上である。また、上記カルド型ポリマー含有樹脂膜にフィラーを配合することにより、CTEを20ppm/℃以下の樹脂組成物を得ることもできる。線膨張係数がこの範囲のカルド型ポリマー含有樹脂膜であれば、通常の製法により安定的に製造可能である。線膨張係数は、例えば熱機械分析装置(TMA)による熱膨張測定により測定可能である。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の熱伝導率は、例えば0.50W/cm2・sec以下とすることができ、特に好ましくは0.35W/cm2・sec以下である。熱伝導率がこの範囲にあると、カルド型ポリマー含有樹脂膜の耐熱性が向上する。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の熱伝導率は、例えば0.10W/cm2・sec以上とすることができ、特に好ましくは0.25W/cm2・sec以上である。熱伝導率がこの範囲のカルド型ポリマー含有樹脂膜であれば、通常の製法により安定的に製造可能である。熱伝導率は、例えば円板熱流計法(ASTM E1530)により測定可能である。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の10〜100μm直径のビアにおけるビアアスペクト比は、例えば0.5以上とすることができ、特に好ましくは1以上である。ビアアスペクト比がこの範囲にあると、カルド型ポリマー含有樹脂膜の解像度が向上する。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の10〜100μm直径のビアにおけるビアアスペクト比は、例えば5以下とすることができ、特に好ましくは2以下である。ビアアスペクト比がこの範囲のカルド型ポリマー含有樹脂膜であれば、通常の製法により安定的に製造可能である。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の周波数1MHzの交流電界を印加した場合の誘電率は、例えば4以下とすることができ、特に好ましくは3以下である。誘電率がこの範囲にあると、カルド型ポリマー含有樹脂膜の高周波特性をはじめとする誘電特性が向上する。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の周波数1MHzの交流電界を印加した場合の誘電率は、例えば0.1以上とすることができ、特に好ましくは2.7以上である。誘電率がこの範囲のカルド型ポリマー含有樹脂膜であれば、通常の製法により安定的に製造可能である。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の周波数1MHzの交流電界を印加した場合の誘電正接は、例えば0.04以下とすることができ、特に好ましくは0.029以下である。誘電正接がこの範囲にあると、カルド型ポリマー含有樹脂膜の高周波特性をはじめとする誘電特性が向上する。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の周波数1MHzの交流電界を印加した場合の誘電正接は、例えば0.001以上とすることができ、特に好ましくは0.027以上である。誘電正接がこの範囲のカルド型ポリマー含有樹脂膜であれば、通常の製法により安定的に製造可能である。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の24時間吸水率(wt%)は、例えば3wt%以下とすることができ、特に好ましくは1.5wt%以下である。24時間吸水率(wt%)がこの範囲にあると、カルド型ポリマー含有樹脂膜の耐湿性が向上する。
また、カルド型ポリマー含有樹脂膜の24時間吸水率(wt%)は、例えば0.5wt%以上とすることができ、特に好ましくは1.3wt%以上である。24時間吸水率(wt%)がこの範囲のカルド型ポリマー含有樹脂膜であれば、通常の製法により安定的に製造可能である。
これら上記の複数の特性をカルド型ポリマーが満たす場合には、カルド型ポリマーを含むラミネートタイプフォトソルダーレジスト膜328に要求される、機械的強度、耐熱性、他の部材との密着性、解像度、誘電特性、耐湿性などの諸特性がバランス良く実現される。そのため、信頼性および耐熱性に優れ、半導体素子を搭載する際の位置精度に優れる素子搭載基板が安定的に提供される。
<実施形態2>
図16は、実施形態1において説明した素子搭載基板上に半導体素子を搭載してなる各種の半導体装置を模式的に示した断面図である。
上記の実施形態1で説明した素子搭載基板に半導体素子を搭載してなる半導体装置には、多くの形式がある。例えば、フリップチップ接続やワイヤーボンディングにより接続して搭載する形式がある。また、素子搭載基板に半導体素子をフェイスアップ構造やフェイスダウン構造により搭載する形式がある。また、素子搭載基板の片面や両面に半導体素子を搭載する形式がある。さらには、これらの各種形式を組み合わせてなる形式もある。
具体的には、例えば図16(a)に示すように、実施形態1の素子搭載基板400の上部にLSIなどの半導体素子500をフリップチップ形式で搭載し得る。このとき、素子搭載基板400上面の電極パッド402a、402bと、半導体素子500の電極パッド502a、502bとがそれぞれ互いに直接に接続する。
また、図16(b)に示すように、素子搭載基板400の上部にLSIなどの半導体素子500をフェイスアップ構造で搭載し得る。このとき、素子搭載基板400上面の電極パッド402a、402bは、半導体素子500上面の電極パッド502a、502bと、それぞれ金線504a、504bによりワイヤーボンディング接続されている。
また、図16(c)に示すように、素子搭載基板400の上部にLSIなどの半導体素子500をフリップチップ形式で搭載し、素子搭載基板400の下部にICなどの半導体素子600をフリップチップ形式で搭載し得る。このとき、素子搭載基板400上面の電極パッド402a、402bは、半導体素子500の電極パッド502a、502bとそれぞれ互いに直接に接続する。また、素子搭載基板400下面の電極パッド404a、404bは、半導体素子600の電極パッド602a、602bとそれぞれ互いに直接に接続する。
また、図16(d)に示すように、素子搭載基板400の上部にLSIなどの半導体素子500をフェースアップ構造で搭載し、素子搭載基板400を、プリント基板700の上部に搭載し得る。このとき、素子搭載基板400上面の電極パッド402a、402bは、半導体素子500上面の電極パッド502a、502bと、それぞれ金線504a、504bによりワイヤーボンディング接続される。また、素子搭載基板400下面の電極パッド404a、404bは、プリント基板700上面の電極パッド702a、702bとそれぞれ互いに直接に接続する。
上記いずれの構造からなる半導体装置においても、実施形態1で説明したように、素子搭載基板400に備わる、カルド型ポリマーを含有する両面の絶縁層と他の絶縁層との層間密着性に優れるため、素子搭載基板400の多層絶縁膜全体は寸法安定性に優れる。
このため、素子搭載基板400の上面または下面に半導体素子500、600を搭載する際の位置精度が優れる。また、プリント基板700上に素子搭載基板400を搭載する際の位置精度も優れる。このように優れた位置精度は、フリップチップ接続の場合も、ワイヤーボンディング接続の場合も同様に得られる。
以上、本発明の構成について説明したが、これらの構成を任意に組み合わせたものも本発明の態様として有効である。また、本発明の表現を他のカテゴリーに変換したものもまた本発明の態様として有効である。
たとえば、上記実施形態においては、フォトソルダーレジスト層328に、カルド型ポリマーを含み、所定の改質剤が添加された樹脂材料を用いる構成としたが、4層ISBを構成する基材302、絶縁樹脂膜312にカルド型ポリマーを含んでもよい。
また、上記の素子搭載基板としては、後述する4層ISB(登録商標)構造からなる素子搭載基板などが挙げられるが、特に限定されるわけではない。上記の素子搭載基板に備わる多層絶縁膜は、2層絶縁膜または3層絶縁膜であってもよく、5層以上の絶縁膜であってもよい。
また、4層ISB以外のISBを構成する基材、絶縁樹脂膜、フォトソルダーレジスト層などにカルド型ポリマーを用いてもよい。さらに、他の半導体パッケージの基材、絶縁樹脂膜、フォトソルダーレジスト層などにカルド型ポリマーを用いてもよい。
また、上記の多層配線構造としては、例えば銅配線に限定されず、アルミニウム配線、アルミニウム合金配線、銅合金配線、ワイヤーボンディングされた金配線、金合金配線、またはこれらの混合配線などであってもよい。
また、上記の素子搭載基板の内部または表面には、トランジスタやダイオードなどの能動素子や、キャパシタや抵抗などの受動素子が設けられていてもよい。このような素子を備えることにより、半導体装置のさらなる高集積化が可能となる。
また、上記の素子搭載基板としては、ISB構造を備える素子搭載基板を例に挙げたが、特に限定されるわけではない。例えば、本実施形態における素子搭載基板は、いわゆるプリント基板として用いることも可能である。
122 フレーム、126 ISB基本ブロック、128 廃材、130 製品、132 フレーム、134 チップ、136 廃材、138 製品、201 LSIベアチップ、202 Trベアチップ、203 チップCR、204 金線ボンディング、205 銅パターン、206 導電性ペースト、207 樹脂パッケージ、302 基材、304 銅箔、306 フォトエッチングレジスト層、307 ビアホール、308 銅膜、309 配線、310 フォトエッチングレジスト層、311 ビア、312 絶縁樹脂膜、314 銅箔、315 孔、316 フォトエッチングレジスト層、317 フォトエッチングレジスト層、318 フォトエッチングレジスト層、319 配線、320 銅膜、322 ビアホール、323 ビア、324 配線、326 開口部、327 貫通孔、328 フォトソルダーレジスト層、340 フォトソルダーレジスト層、400 素子搭載基板、402 電極パッド、404 電極パッド、500 半導体素子、502 電極パッド、504 金線、600 半導体素子、602 電極パッド、700 プリント基板、702 電極パッド、804 ボイド、806 凹凸。