JP2005295810A - 建造物内への害虫侵入防止方法 - Google Patents

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英夫 河盛
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Abstract

【課題】建造物内で薬剤を噴霧しなくても、建造物内に害虫が侵入するのを継続的に安定して防止しうる方法を提供すること。
【解決手段】建造物外部の出入口または窓の近傍に薬剤蒸散装置を設置し、建造物の出入口または窓の面積1m2 あたり0.5〜80mg/hの薬剤の蒸散量で、前記薬剤蒸散装置から薬剤を蒸散させることを特徴とする建造物内への害虫侵入防止方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、建造物内への害虫侵入防止方法に関する。さらに詳しくは、例えば、コンビニエンスストア、飲食店などの店舗や、食品工場、薬品工場などの工場などの建造物の出入口や窓の付近でハエ、蚊、蛾などの害虫を駆除し、または忌避させることにより、建造物内に害虫が侵入するのを未然に防止しうる建造物内への害虫侵入防止方法に関する。
コンビニエンスストア、飲食店などの店舗においては、その扉の開閉により、外気とともにハエ、蚊などの害虫が店舗内に侵入し、来客などに不快感を与えたり、飲食物がハエなどがとまることによって不衛生となることがある。また、食品工場などでは、食品衛生上、これらの害虫が工場内に侵入するのを防止することが望まれている。
従来、こうした害虫を防除する有効な方法として、エアゾール自動噴霧装置を建物内に設置し、エアゾールから薬剤を空気中に間欠的に噴霧する飛翔害虫の防除方法が提案されており(例えば、特許文献1参照)、この方法によれば、簡易な装置で飛翔害虫を効率よく防除することができるという利点がある。
しかしながら、この方法では、エアゾールから薬剤が空気中に間欠的に噴霧されるので、継続的に一定した防除効果を得ることが難しく、また建物内での薬剤の噴霧であるため、店舗などにおいては、その店員などが長時間にわたって噴霧された薬剤を吸引することがあることから、人体に対する安全性が確認されている薬剤であるとはいえ、その薬剤が吸引により人体内に取り込まれることをできるだけ回避することが望ましい。
したがって、近年、建造物内に薬剤を噴霧しなくても、建造物内に害虫が侵入するのを未然に防止しうる建造物内への害虫侵入防止方法の開発が待ち望まれている。
特開2002−220301号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、建造物内で薬剤を噴霧しなくても、建造物内に害虫が侵入するのを継続的に安定して防止しうる方法を提供することを課題とする。
本発明は、建造物外部の出入口または窓(以下、「出入口など」という)の近傍に薬剤蒸散装置を設置し、建造物の出入口などの面積1m2 あたり0.5〜80mg/hの薬剤の蒸散量で、前記薬剤蒸散装置から薬剤を蒸散させることを特徴とする建造物内への害虫侵入防止方法に関する。
本発明によれば、建造物内で薬剤を噴霧しなくても、建造物内に害虫が侵入するのを継続的に安定して防止することができる。
害虫、そのなかでも飛翔害虫は、昼夜を問わずに屋外から飛来し、建造物内に侵入することから、建造物内の空間に絶えず殺虫剤を噴霧させておくことが考えられている。特に、人の出入りが多い建造物内には、殺虫剤の噴霧を空間内に拡散させ、できるだけ長時間存在させておくことが必要となる。しかしながら、殺虫剤の噴霧を建造物内の空間に常時拡散させておくことは難しく、また建造物内の空間に殺虫剤の噴霧を拡散させておくと、呼吸により必然的に人体内に殺虫剤が取り込まれるので、できるだけこれを回避することが望ましい。
本発明は、こうした欠点を払拭し、建造物内で殺虫剤を噴霧しなくても建造物内に害虫が侵入するのを抑制することができるという画期的な発明である。
本発明では、このように建造物内で殺虫剤を噴霧することを要しないのは、本発明においては、従来のようにエアゾールを用いるのではなく、薬剤を散布させる手段として、薬剤蒸散装置を用い、建造物外部の出入口などの近傍に薬剤蒸散装置を設置するとともに、該薬剤蒸散装置から薬剤を蒸散させるという方法が採られていることに基づく。そして、本発明では、かかる方法が採られていることにより、建造物内ではなく建造物外で、ハエ、蚊、蛾などの害虫を駆除したり、忌避させることができるので、建造物内に害虫が侵入するのを未然に防止することができ、ひいては害虫が店舗内に侵入することにより、来客などに不快感を与えたり、飲食物がハエなどがとまることによって不衛生となることや、食品工場などに害虫が侵入することにより食品衛生面で支障を来すことを未然に防止することができる。
また、本発明で用いられている薬剤蒸散装置は、構造的に複雑でなく、嵩ばらずに非常にコンパクトにすることができるので、設置場所をほとんど選ばず、また、特殊な技術を要しなくても容易に設置することができるので、建造物外部の出入口などの付近に容易に設置することができる。
このように、本発明の害虫侵入防止方法は、種々の利点を有するので、例えば、コンビニエンスストア、飲食店などの店舗や、食品工場、薬品工場などの工場をはじめ、一般家屋、病院などの医療施設、各種学校などの校舎、体育館、博物館、美術館などの公共施設、公衆浴場、バンガロー、キャビンなどのキャンピング施設などの建造物に広範囲に使用することができる。
本発明の方法によれば、建造物外部の出入口などの近傍に薬剤蒸散装置を設置し、該薬剤蒸散装置から薬剤を蒸散させることにより、種々の害虫が建造物内に侵入することを未然に防止することができる。
害虫としては、例えば、ハエ、アブ、蚊、チョウバエ、ユスリカ、ノミバエ、キノコバエなどの双翅目昆虫、ハチ、アリなどの膜翅目昆虫、ハムシ、コガネムシ、ハネカクシ、カナブン、カミキリモドキなどの鞘翅目昆虫、メイガ、スズメガなどの鱗翅目昆虫、ウンカ、アブラムシ、カメムシなどの半翅目昆虫、ジョロウグモ、ハエトリグモなどのクモ類などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
薬剤蒸散装置は、建造物外部の出入口などの近傍に設置することができる。建造物の出入口は、例えば、店舗においては、その来客などが出入りする出入口などを意味し、また工場においては、人間が出入りする出入口や、資材や製品などの搬入・搬出口を意味する。また、建造物の窓は、一般に建造物に設けられている窓を意味し、例えば、換気や太陽光線を建造物内に入射させるための窓などが挙げられる。
また、建造物外部の出入口などの近傍とは、建造物外部の出入口などの近くであればよいことを意味し、その出入口などの近傍の範囲は、建造物の種類などによって異なるので、一概には決定することができない。通常、薬剤蒸散装置が設置される建造物外部の出入口などの近傍は、薬剤蒸散装置から蒸散される薬剤によって害虫が建造物内に侵入するのを充分に抑制する観点から、建造物外部の出入口などの端部からその外部に向かって直線距離で約2m以内の範囲内、好ましくは約1m以内の範囲内、より好ましくは0.5m以内の範囲内、さらに好ましくは0.3m以内の範囲内にあることが好ましい。また、薬剤蒸散装置は、建造物外部の出入口などに隣接するように設置してもよい。
薬剤蒸散装置としては、例えば、蒸散した薬剤を蒸散させるためのファンおよび薬剤担持体を有するものが挙げられる。
ファンは、例えば、薬剤蒸散装置内に収納された乾電池などの電池の起電力を利用してモータを駆動させたり、一般家庭用電源による電力によってモータを駆動させ、その駆動力を利用して回転させることができる。
その内部に乾電池などの電池が収納され、その電池の起電力を利用してモータを駆動させ、その駆動力を利用してファンが回転するようにファンが配設された薬剤蒸散装置は、薬剤蒸散装置と電源とを接続するための電気コードを必要としないので、面倒な配線工事などが不要であり、しかも持ち運びが容易であるとともに、屋外の種々の場所で設置しやすく、また漏電や感電などのおそれがほとんどないので、万一、雨水などが薬剤蒸散装置にかかったとしても安全であることから、屋外で好適に使用することができるという利点がある。
薬剤担持体は、薬剤を担体に担持させたものである。薬剤担持体としては、例えば、薬剤を粒子に付着ないし含浸させた薬剤担持粒子、薬剤を溶媒に溶解させた溶液に担体として吸液芯の一端を浸漬することにより、該溶液を吸液させ、吸液芯の他端を大気中に開放した薬剤吸液芯などが挙げられる。
薬剤担持体に用いられる材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリサルフォン、アクリル系樹脂、高吸油性ポリマーなどの合成樹脂、ガラス繊維などの無機繊維、パルプ、リンター、レーヨンその他天然または合成セルロースを主成分とする素材、綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維を布、不織布、紙、粒子などに加工したものなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのなかでは、非油溶性であることから、パルプ、リンター、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレンなどを紙、布、不織布、粒子に加工したもの、天然または合成セルロースを粒子に加工したもの(例えば、セルロースビーズなど)などが好ましい。
前記薬剤担持体の形状は、薬剤カートリッジの通風孔から抜け落ちず、かつ通気性を確保することができるものであれば特に制限されない。その例としては、糸状、繊維状、シート状物を折り畳んだもの、粒子、ペレットなどが挙げられる。
粒子の場合、その直径は、通風孔から抜け落ちるのを防ぐとともに、細密に充填されるのを回避して通気性を確保する観点、および充填効率を高めるとともに、比表面積を大きくし、薬剤の蒸散効率を高める観点から、好ましくは2〜15mm、より好ましくは3〜10mmである。なお、前記粒子は、必要により、薬剤担持粒子の薬剤の残存量を知るためのインジケーターとして直接または間接的に用いることができる。粒子にインジケーター機能を持たせるためには、例えば、粒子の色を変化させるために、アリルアミノアントラキノン、1,4−ジイソプロピルアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、1,4−ジブチルアミノアントラキノン、1−アミノ−4−アニリノアントラキノンなどの色素を用いることができる。
薬剤担持粒子には、前記粒子に薬剤を塗布または含浸させることによって薬剤が担持されていてもよく、粒子を製造する前の原料樹脂に薬剤を添加し、混練することにより、薬剤担持粒子内に取り込まれていてもよい。これらのなかでは、薬剤を効率よく蒸散させる観点から、薬剤を含浸させることによって薬剤が担持された薬剤担持粒子が好ましい。
なお、薬剤担持粒子における薬剤量は、薬剤担持粒子の大きさおよびその使用量、薬剤の種類、薬剤蒸散装置の使用期間などによって大きく異なるので一概には決定することができないため、これらに応じて適宜決定することが好ましい。
薬剤担持粒子は、例えば、通気性を有するが、薬剤担持粒子が通過しない孔が配設された側面を有するカートリッジ内に充填することができる。このように、カートリッジを用いた場合、使用済みのカートリッジを新しいカートリッジと交換するだけで、新しい薬剤担持粒子を薬剤蒸散装置内に装着することができるという利点がある。
カートリッジは、側面に通気孔を有し、その内側に空間が設けられた凹型の内容器と、側面に通気孔を有する凹型の外容器とを重ね合わせ、両容器間の間隙に薬剤担持粒子を充填することによって構成されていることが、内容器の内側の空間をファンで吸気することにより、外容器の通気孔から空気を取り込み、この取り込まれた空気を強制的に各薬剤担粒子間の間隙および内容器の通気孔に順次通過させることにより、薬剤を効率よく蒸散させることができるので、好ましい。
薬剤担持体として、薬剤を溶媒に溶解させた溶液に吸液芯の一端を浸漬させることにより、吸液芯に該溶液を吸液させ、吸液芯の他端を大気中に開放した薬剤吸液芯を用いる場合、例えば、モータを駆動源としてファンを回転させることによって前記吸液芯の他端に送風するかまたはこれに通気することにより、この他端から薬剤を蒸散させ、蒸散した薬剤を薬剤蒸散装置内部から外部に排出させることができる。
薬剤を溶媒に溶解させた溶液に用いられる溶媒としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;ケロシン(灯油)、n−ペンタン、イソペンタンなどの脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、流動パラフィン、水などが挙げられる。これらの溶媒の種類は、本発明の飛翔害虫の防除方法の適用場所、殺虫剤などの薬剤との相溶性などに応じて適宜選択して使用することが好ましい。
前記溶液における薬剤濃度は、薬剤の溶解性、吸液芯の吸い上げ能力、揮散性および安全性の観点から、0.1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%であることが望ましい。
吸液芯としては、薬剤溶液を吸い上げることができるものであればよい。吸液芯の例としては、無機粉末や有機粉末を糊剤で粘結させたものや、熱可塑性樹脂粒子を焼結させたものなどが挙げられる。
吸液芯の大きさおよび形状は、任意である。その一例として、直径3〜15mm程度、長さ10〜100mm程度の棒状体などが挙げられる。なお、吸液芯には、必要に応じて、例えば、ジブチルヒドロキシトルエンなどの蒸散量調整剤を含有させてもよい。
薬剤担持体に用いられる薬剤としては、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、天然精油系殺虫剤などと対比して、即効性および忌避性があるとともに、比較的人体や食品に対する安全性に優れ、環境に対する負荷が小さく、無臭であるとともに汚染性が小さいことから、ピレスロイド系殺虫剤が好ましい。そのなかでは、効率よく薬剤を蒸散させる観点から、常温蒸散性のピレスロイド系殺虫剤が好ましい。
常温蒸散性を有するピレスロイド系殺虫剤の代表例としては、メトフルトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、アレスリン、dl・d−T80−アレスリン、dl・d−T−アレスリン、d・d−T−アレスリン、d・d−T80−プラレトリン、レスメトリン、d・T80−レスメトリン、エムペントリン、テラレトリン、フラメトリン、フェノトリン、エトフェンプロックス、テフルスリン、フェンフルスリンなどが挙げられる。これらの中では、ハエ、蚊、羽蟻などに対する殺虫効果に優れ、低汚染性であり、薬効の持続性に優れるとともに、安全性にも優れていることから、メトフルトリン、トランスフルトリンおよびプロフルトリンが好ましい。
なお、薬剤は、通常用いられている害虫防除剤、忌避剤、効力増強剤、界面活性剤、防錆剤、酸化防止剤、着色剤、香料、消臭剤、紫外線吸収剤、除菌剤などと、本発明の目的が阻害されない範囲内で適量で併用してもよい。
次に、本発明に用いられる薬剤蒸散装置を図面に基づいて説明するが、本発明は、かかる図面に記載の薬剤蒸散装置のみに限定されるものではない。
図1は、本発明に用いられる薬剤蒸散装置の一実施態様を示す概略説明図である。図1において、蒸散装置本体1には、蒸散した薬剤を蒸散させるためのファン(図示せず)および該ファンと接続され、該ファンを回転させるためのモータ(図示せず)が内蔵された薬剤蒸散部2が配設されている。薬剤の蒸散量は、ファンの回転速度を可変させたり、ファンを間欠運転することにより、任意に制御することができる。
薬剤蒸散部2は、側面に空気取入口3が配設されたカートリッジ4と接続されている。カートリッジ4内には、薬剤担持体(図示せず)が内蔵されている。ファン(図示せず)を駆動させたとき、空気取入口3から空気が取り込まれ、その空気は、各薬剤担持体間の間隙を通過することにより、薬剤が蒸散し、その蒸散した薬剤が薬剤蒸散部2から排出される。なお、空気取入口3から取り込まれる空気は、蒸散装置本体1の側面に配設されている側面空気取入口7および底面空気取入口(図示せず)から供給される。このように、カートリッジ4内への空気の取り入れから、薬剤蒸散部2で蒸散された薬剤の排出に至るまでの一連の流れを連続して効率よく進行させることができる。
蒸散された薬剤は、薬剤蒸散部2から排出された後、蓋本体5の薬剤蒸散口6から大気中に排出される。
蓋本体5には、必要により、蒸散装置本体1を固定するためのロック部8が配設されていてもよい。また、蓋本体5には、カートリッジ4の交換時期を示すパイロットランプ9が設けられているが、これも任意である。
カートリッジ4の寿命は、例えば、カートリッジ4の大きさやその内部に充填されている薬剤担持体の使用量などによって異なるので一概に決定することができないため、これらに応じて適宜決定することが好ましい。なお、ファン(図示せず)を駆動するモータ(図示せず)を連続して稼働させ、そのモータを稼働させるための通電時間が所定時間となったときにパイロットランプ9が消灯するようにしておけば、カートリッジ4の寿命を外部から容易に目視により確認することができる。また、カートリッジ4の寿命は、平均的な乾電池10の寿命とほぼ同しくなるように設計しておくことが、カートリッジ4の交換と乾電池10の交換を一度に行うことができるので好ましい。
なお、乾電池10が設置される位置は、任意である。図1に示される蒸散装置本体1においては、薬剤蒸散部2の背面に設置されている乾電池ボックス11に、乾電池10が収納される。
薬剤蒸散装置は、従来のエアゾール自動噴霧装置とは異なり、電源スイッチ12を入れることにより連続して稼働させることができるので、常時、害虫が建造物内に侵入するのを防止することができることから、例えば、24時間営業のコンビニエンスストアなどのように、出入口などの開閉が昼夜を問わず行なわれる建造物などに好適に用いることができる。
また、薬剤蒸散装置内にタイマー(図示せず)を組み込んでおいた場合には、設置する店舗、工場、事務所などの業態にあわせて、1日あたりの稼働時間を任意に可変することができる。さらに、薬剤蒸散装置を人手が届かないような高所に設置する場合には、有線または無線による遠隔操作機能(図示せず)を薬剤蒸散装置に設置することもできる。
薬剤蒸散装置から蒸散される薬剤の蒸散量は、建造物内への害虫の侵入を効率よく防止し、その害虫の侵入防止効果を持続させるとともに、人体などに対する安全性を高める観点から、建造物の出入口などの面積1m2 あたり、0.5〜80mg/h、好ましくは1〜80mg/h、より好ましくは1〜50mg/h、さらに好ましくは3〜50mg/h、より一層好ましくは5〜50mg/hである。
また、薬剤を含む空気が薬剤蒸散装置の薬剤蒸散口から蒸散されるときの流速は、建造物の出入口などの形状や大きさ、薬剤蒸散装置の設置場所などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、害虫が建造物内に侵入するのを効率よく防止する観点および長時間にわたって薬剤が蒸散されるようにする観点から、10〜1000L/min、好ましくは50〜500L/minであることが望ましい。
建造物外部の出入口などの近傍に設置された薬剤蒸散装置から薬剤を蒸散させる方向は、害虫が建造物内に侵入するのを効率よく防止する観点から、例えば、図2(a)および(b)に示されるように、蒸散された薬剤がドア面に沿って流れ、蒸散された薬剤の層がドア面に沿って形成されるように設定することが好ましい。
図2(a)は、薬剤蒸散装置15をドアの上部に設置した場合の一実施態様を示す概略説明図である。図2(a)に示された態様では、薬剤蒸散装置15の設置面からの薬剤の蒸散角度が約30度となるように、薬剤がドアの上部からドア面に向かって蒸散されるので、蒸散された薬剤は、ドアの上部からドア面に沿って床方向に移動することから、ドア面近傍では、薬剤濃度が高い薬剤の蒸散層が形成される。
また、図2(b)は、薬剤蒸散装置15を軒下に設置した場合の一実施態様を示す概略説明図である。図2(b)に示された態様では、薬剤蒸散装置15の設置面からの薬剤の蒸散角度が約30度となるように、薬剤が軒下に沿って蒸散され、蒸散された薬剤は、さらにドア面に沿って下方向に移動するので、ドア面近傍で薬剤濃度が高い薬剤の蒸散層が形成される。
図2(a)および(b)に示されるように、薬剤を蒸散させた場合には、薬剤濃度が高い薬剤の蒸散層がドア面近傍で形成されるため、害虫が建造物内に侵入するのを効率よく阻止することができる。このように、害虫が建造物内に侵入するのを効率よく阻止させるためには、薬剤蒸散装置15の設置面からの薬剤の蒸散角度は、0〜60度であることが好ましく、10〜45度であることがより好ましく、10〜30度であることがさらに好ましい。
次に、建造物外部の出入口などの近傍に薬剤蒸散装置を設置したときの一実施態様を図面に基づいて説明するが、本発明は、かかる態様のみによって限定されるものではない。
図3は、コンビニエンスストアの外部の出入口13の上部の軒下の外壁14に薬剤蒸散装置15が設置されているときの一実施態様を示す概略説明図である。図3において、薬剤蒸散装置15は、コンビニエンスストアの軒下の外壁14に2台設置されているが、本発明においては、かかる設置台数には、特に限定がなく、コンビニエンスストア内への害虫が侵入するのを充分に防止することができる場合には、1台であってもよい。また、コンビニエンスストア内への害虫が侵入するのを防止するのを効果的に防止する観点から、コンビニエンスストア(建造物)の出入口面積1m2 あたりの薬剤の蒸散量が前述した所望量となるように、薬剤蒸散装置15を複数台設置することが好ましい。
図3においては、薬剤蒸散装置15は、コンビニエンスストアの軒下に設置されていることから、子供の手が薬剤蒸散装置15に届かないので安全であり、あまり目立たないので美観を損ねることがほとんどなく、また、歩行時の障害になることもない。
また、薬剤蒸散装置15の設置面からの薬剤の蒸散角度が約30度となるように、薬剤が軒下に沿って蒸散され、蒸散された薬剤は、さらにドア面に沿って下方向に移動するので、ドア面で薬剤蒸気の層が形成され、床面近傍では、薬剤濃度が高い薬剤の蒸散層が形成されることから、害虫がコンビニエンスストア内に入るのを効率よく防止することができる。設置されている薬剤蒸散装置11の台数は、出入口面積が大きいことから、2台であるが、コンビニエンスストアの出入口面積がさらに大きい場合には、3台以上であってもよい。
図4は、ショッピングセンターの外部の出入口13の上部の外壁14に薬剤蒸散装置15が設置されているときの一実施態様を示す概略説明図である。図4において、薬剤蒸散装置15は、ショッピングセンターの出入口13の上部に2台設置されているが、ショッピングセンター内への害虫が侵入するのを充分に防止することができる場合には、1台であってもよい。また、ショッピングセンター内への害虫が侵入するのを効果的に防止する観点から、ショッピングセンター(建造物)の出入口面積1m2 あたりの薬剤の蒸散量が前述した所望量となるように、薬剤蒸散装置15を複数台設置することが好ましい。
図4においては、薬剤蒸散装置15は、ショッピングセンターの出入口13の上部に設置されていることから、薬剤蒸散装置15が目立ちにくいので、ショッピングセンターの美観を損ねることがほとんどなく、歩行時の障害となることもない。また、薬剤蒸散装置15の設置面からの薬剤の蒸散角度が約30度となるように、薬剤がドアの上部からドア面に沿ってドアの下部に向かって蒸散され、薬剤蒸気の層が形成されるので、ドア面近傍では、薬剤濃度が高い薬剤の蒸散層が形成されることから、害虫がショッピングセンター内に入るのを効率よく防止することができる。
設置される薬剤蒸散装置15の台数は、図4に示されている態様では2台であるが、ショッピングセンターの出入口面積が大きい場合には、3台以上であってもよい。
かくして、建造物外部の出入口近傍に薬剤蒸散装置を設置し、該薬剤蒸散装置から薬剤を蒸散させるた場合には、従来のように建造物内でエアゾールから薬剤を噴霧しなくても、継続的に安定して建造物内への害虫の侵入を防止することができる。
さらに、本発明によれば、建造物内への害虫の侵入を防止することができるのみならず、建造物の出入口などの近傍でクモの営巣を抑制することができ、さらには、二次的効果として、カエル、ヤモリなどの発生も抑制することができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
図1に示す薬剤蒸散装置を、食品工場の敷地内の建物の入口の直上(床からの高さ:2.2m、出入口面積:約3.6m2 、薬剤:メトフルトリン、対象害虫:ユスリカ)(実験例1−1)、社内食堂の入口の扉の直上の軒下(床からの高さ:2.4m、出入口面積:約1.8m2 、薬剤:トランスフルトリン、対象害虫:ハネアリおよびユスリカ)(実験例1−2)および社内事務所の自動扉の上部(床からの高さ:2.2m、出入口面積:約3.6m2 、薬剤:プロフルトリン、対象害虫:コバエおよびユスリカ)(実験例1−3)に設置し、薬剤蒸散装置の設置面からの薬剤の蒸散角度が30度となるように設定して表1に示す蒸散量で薬剤を24時間蒸散させた。
なお、表1において、薬剤の蒸散量は、実験例1−1と実験例1−3では、0.18、0.36、1.8、3.6、18、36および180mg/hの各7段階とし、実験例1−2では、0.09、0.18、0.9、1.8、9、18および90mg/hの7段階とした。各々の蒸散量を各々の出入口面積(m2 )で除した値を、建造物の出入口面積1m2 あたりの薬剤の蒸散量(mg/h)とした。
各建造物内には、害虫を捕虫するための捕虫器を設置し、捕虫器に捕らえられた害虫の数をカウントすることにより、害虫の侵入阻止率を式:
〔侵入阻止率〕
=〔薬剤蒸散装置の設置前の害虫の侵入数−薬剤蒸散装置の作動時の害虫の侵入数〕
÷〔薬剤蒸散装置の設置前の害虫の侵入数〕
にしたがって求めた。なお、前記式において、薬剤蒸散装置の設置前の時間および薬剤蒸散装置の作動時の時間は、それぞれ等しくなるように調整した。侵入阻止率の結果を表1に示す。
Figure 2005295810
表1に示された結果から、各実験例において、一定の薬剤の蒸散量で薬剤を蒸散させた場合には、建造物内に害虫が侵入するのを効率よく安定して防止することができることがわかる。
実施例2
図1に示す薬剤蒸散装置を社内の敷地内に設置された図5に示されるシミュレーションルーム16(床面積:約13.2m2 、高さ:2.5m、出入口面積:1.8m2 )の出入口近傍Aの位置(床からの高さ:約2m)に設置し、シミュレーションルーム16内には、害虫を捕虫するための捕虫器を設置した。
シミュレーションルーム16の出入口を開放した状態で、薬剤蒸散装置の設置面からの薬剤の蒸散角度が30度となるように設定して薬剤蒸散装置から表2に示す各種薬剤を蒸散させ(建造物の出入口面積1m2 あたりの薬剤の蒸散量:5mg/h、対象害虫:ハネアリおよびユスリカ)、各経過時における害虫の侵入阻止率を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
Figure 2005295810
表2に示された結果から、各実験例において、一定の薬剤の蒸散量で薬剤を蒸散させた場合には、建造物内に害虫が侵入するのを効率よく、継続して安定して防止することができることがわかる。また、薬剤のなかでも、トランスフルトリン、プロフルトリンまたはメトフルトリンを用いた場合には、害虫の侵入阻止率を高水準で長期間維持することができることがわかる。
実施例3
薬剤としてメトフルトリンを用い、その建造物の出入口面積1m2 あたりの薬剤の蒸散量を2.8mg/h、対象害虫をハネアリおよびユスリカとした。図1に示す薬剤蒸散装置の設置位置を図5に示されるシミュレーションルーム16のAの位置(床からの高さ:約2m)、Bの位置(床からの高さ:約1m)またはCの位置(床からの高さ:約5cm)に設置し、24時間、薬剤の蒸散を行った以外は、実施例2と同様にして害虫の侵入阻止率を調べた。
その結果、薬剤蒸散装置をシミュレーションルーム16のAの位置に設置した場合の害虫の侵入阻止率は90%、Bの位置に設置した場合の害虫の侵入阻止率は60%、Cの位置に設置した場合の害虫の侵入阻止率は50%であった。このことから、薬剤蒸散装置をシミュレーションルーム16のA〜Cのいずれの位置に設置した場合であっても、建造物内に害虫が侵入するのを効率よく防止することができることがわかる。特に、薬剤蒸散装置の設置位置をシミュレーションルーム16のAの位置(建造物外部の出入口の上部)に設置した場合、Bの位置およびCの位置に設置した場合と対比して、害虫の建造物内への侵入をより効率よく阻止することができることがわかる。
本発明に用いられる薬剤蒸散装置の一実施態様を示す概略説明図である。 (a)は、本発明における薬剤蒸散装置をドアの上部に設置した場合の一実施態様を示す概略説明図、(b)は、本発明における薬剤蒸散装置15を軒下に設置した場合の一実施態様を示す概略説明図である。 本発明に用いられる薬剤蒸散装置をコンビニエンスストアの軒下に設置したときの一実施態様を示す概略説明図である。 本発明に用いられる薬剤蒸散装置をショッピングセンターの出入口の上部に設置したときの一実施態様を示す概略説明図である。 本発明の実施例で用いられたシミュレーションルームの概略説明図である。
符号の説明
1 蒸散装置本体
2 薬剤蒸散部
3 空気取入口
4 カートリッジ
5 蓋本体
6 薬剤蒸散口
7 側面空気取入口
8 ロック部
9 パイロットランプ
10 乾電池
11 乾電池ボックス
12 電源スイッチ
13 出入口
14 外壁
15 薬剤蒸散装置
16 シミュレーションルーム

Claims (7)

  1. 建造物外部の出入口または窓の近傍に薬剤蒸散装置を設置し、建造物の出入口または窓の面積1m2 あたり0.5〜80mg/hの薬剤の蒸散量で、前記薬剤蒸散装置から薬剤を蒸散させることを特徴とする建造物内への害虫侵入防止方法。
  2. 薬剤蒸散装置が、蒸散した薬剤を蒸散させるためのファンおよび薬剤担持体を有する請求項1記載の建造物内への害虫侵入防止方法。
  3. 薬剤蒸散装置のファンを電池の起電力を利用してモータによって駆動させる請求項2記載の建造物内への害虫侵入防止方法。
  4. 薬剤がピレスロイド系殺虫剤である請求項1〜3いずれか記載の建造物内への害虫侵入防止方法。
  5. ピレスロイド系殺虫剤が常温蒸散性を有する請求項4記載の建造物内への害虫侵入防止方法。
  6. 常温蒸散性を有するピレスロイド系殺虫剤がメトフルトリン、トランスフルトリンおよびプロフルトリンからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項5記載の建造物内への害虫侵入防止方法。
  7. 薬剤蒸散装置を建造物外部の出入口または窓の上部またはその軒下に設置する請求項1〜6いずれか記載の建造物内への害虫侵入防止方法。
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