JP2005297567A - 改善された画像耐久性をもたらすインクジェット印刷方法及びシステム - Google Patents

改善された画像耐久性をもたらすインクジェット印刷方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】
スマッジ耐性等、画像耐久性の改善された画像、並びにそれを形成するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】
耐久性のあるインクジェット画像を印刷するためのシステムは、帯電した定着剤成分を含む定着剤組成物を収容する第1印刷ヘッドを含み、当該第1印刷ヘッドは基材上に定着剤組成物をインクジェット印刷するよう構成されている。当該システムはさらに、前記帯電した定着剤成分とは逆の電荷を有する着色剤を含むインクジェットインクを収容する第2印刷ヘッドを含み、当該第2印刷ヘッドは定着剤組成物上にインクジェットインク組成物をインクジェット印刷するよう構成されている。前記帯電した定着剤成分とは逆の電荷を有するポリマーを含むポリマーオーバーコート組成物を収容する第3印刷ヘッドも含むことができ、それはインクジェットインク組成物上にポリマーオーバーコート組成物をインクジェット印刷するよう構成されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット画像形成の領域に関する。より詳細には、本発明は、耐久性のある画像に関すると共に、画像耐久性が改善された画像を生成するための方法及びシステムに関する。
インクジェット印刷が、種々の媒体表面、特に紙の上に画像を記録するための主要な方法となったのには理由が幾つかある。それら幾つかの理由として、プリンタ騒音の低さ、高速記録できること、並びに多色記録できること、が挙げられる。また、これらの利点が、使用者にとって比較的低コストでもたらされること、も挙げられる。大きく改善されてきたインクジェット印刷分野ではあるが、この改善につれて、例えば、より高速、より高分解能、フルカラー画像形成、高い安定性、高い画像耐久性などを求める要求もまた、当該領域の使用者の間で高まっている。
一般に、インクジェットインクは、染料系又は顔料系インクの何れかである。両方とも、典型的には、染料及び/又は顔料を含有する液体ビヒクルとして調製される。染料系インクジェットインクは、一般に、水溶性である液体着色剤を用い、顔料系インクは、典型的に、固体着色剤又は分散性着色剤を用いて色を得るものである。多くのシステムにおいて、インクジェットインクで印刷された画像は、レーザーで印刷された画像ほど耐久性は高くない。そのようなわけで、改善されたスマッジ(にじみ汚れ)耐性、耐水性、耐湿性等をはじめとする画像耐久性に関して、レーザー印刷技術と有利に競合できるシステム及び調合物について研究が続けられている。
層にある種の成分を適用することで良好な画像永続性並びにスマッジ耐性をもたらし得ることを確認した。詳細には、耐久性のあるインクジェットインク画像を印刷するシステムは、種々の液体物質を収容する複数の印刷ヘッドを具備することができる。当該システムは、帯電した定着剤成分を含有している定着剤組成物を収容する第1印刷ヘッドを具備することができ、この場合、当該第1印刷ヘッドは、基材上に定着剤組成物をインクジェット印刷できるよう構成される。当該システムはまた、インクジェットインクを収容する第2印刷ヘッドも具備することができ、この場合、当該第2印刷ヘッドは、定着剤組成物上にインクジェットインク組成物をインクジェット印刷できるよう構成されており、且つそのインクジェットインクは、帯電した定着剤成分とは逆の電荷を帯びた着色剤を含有している。第3印刷ヘッドは、ポリマーオーバーコート組成物を収容することができ、且つインクジェットインク組成物上にポリマーオーバーコート組成物をインクジェット印刷できるよう構成することができる。ポリマーオーバーコート組成物のポリマーも、帯電した定着剤成分に対して逆の電荷を帯びている。
他の実施形態では、耐久性のあるインクジェットインク画像を印刷する方法は、媒体基材上にカチオン性定着剤組成物を適用するステップと、媒体基材に適用された定着剤組成物の上にアニオン性着色剤含有インクジェットインクを噴射するステップと、定着剤組成物上に噴射されたインクジェットインク組成物の上にアニオン性ポリマーオーバーコート組成物を噴射するステップとを包含することができる。代替実施形態では、媒体基材上にアニオン性定着剤組成物を適用するステップと、媒体基材に適用された定着剤組成物の上にカチオン性着色剤含有インクジェットインクを噴射するステップと、定着剤組成物上に噴射されたインクジェットインク組成物の上にカチオン性ポリマーオーバーコート組成物を噴射するステップとを包含することもできる。
さらに別の実施形態では、耐久性のある印刷画像は、カチオン性定着剤組成物と、インクジェットインク組成物と、アニオン性ポリマーオーバーコート組成物とがその上に印刷された媒体基材から構成することができる。先に印刷した層が乾燥する前に層を連続して印刷する場合、ある種の液体混合が起こり得る。カチオン性定着剤組成物は、第1印刷層として媒体基材上に噴射させることができる。アニオン性着色剤を含有するインクジェットインク組成物は、第2印刷層として定着剤組成物上に噴射させることができる。アニオン性ポリマーオーバーコート組成物は、第3印刷層としてインクジェットインク組成物の上に噴射させることができる。代替実施形態では、耐久性のある印刷画像は、アニオン性定着剤組成物と、インクジェットインク組成物と、カチオン性ポリマーオーバーコート組成物とがその上に印刷された媒体基材から構成することができる。先の層が乾燥する前に層を順次印刷すると、ある種の液体混合が起こり得る。アニオン性定着剤組成物は、第1印刷層として媒体基材上に噴射させることができる。カチオン性着色剤を含有するインクジェットインク組成物は、第2印刷層として定着剤組成物の上に噴射させることができる。カチオン性ポリマーオーバーコート組成物は、第3印刷層としてインクジェットインク組成物の上に噴射させることができる。
本発明によれば、改善されたスマッジ(擦り汚れ)耐性、耐水性、耐湿性等をはじめとする画像耐久性の改善された画像、並びに当該画像を形成するための方法及びシステムを提供することができる。本発明のその他の特徴並びに利点は、例示目的で本発明の特徴を記載する以下の詳細な説明から明らかとなろう。
本発明の特定の実施形態を開示、説明する前に、本発明が、ここに開示する特定のプロセスステップ並びに材料に限定されないことを理解されたい。何故なら、そのようなプロセスステップ及び材料はある程度変更し得るからである。また、本明細書で用いる用語は、特定の実施形態を専ら記述するだけの目的で用いていることも理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定されるものであり、当該用語は、本発明の範囲を限定する意はない。
本明細書並びに添付の特許請求の範囲で用いるとき、単数形は、別途明確に指示のない限り、複数形の意味を包含することに留意されたい。
本明細書で用いるとき、「液体ビヒクル」は、本発明による各種組成物を形成するにあたり、定着剤組成物の帯電成分、インクジェットインク組成物の帯電着色剤、又はポリマーオーバーコート組成物の帯電ポリマーをその中に溶解又は分散させるところの液体を意味する。多くの液体ビヒクル及びビヒクル成分は当分野で周知である。典型的なインクビヒクルとして、界面活性剤、共溶媒、緩衝剤、殺生物剤、金属イオン封止剤、粘度修正剤、及び水をはじめとする様々な薬剤からなる混合物を挙げることができる。カチオンあるいはアニオン成分、着色剤、又はオーバーコートポリマーに加えて、その他の固体又は材料を液体ビヒクルに保持(溶解又は分散)させてもよい。当該液体ビヒクルはまた、定着剤組成物のカチオン又はアニオン成分、インクジェットインク組成物の着色剤、又はオーバーコート組成物のポリマーと共に元々存在する液体を含むことができる。例えば、ポリマーオーバーコート組成物に関しては、当該組成物のポリマー微粒子がラテックス分散物によってもたらされる場合、そのラテックス分散物の水性相は、液体ビヒクル成分と混合されることで液体ビヒクルの一部となり得る。
定着剤組成物内の分散剤又は溶質を引用する際の「カチオン成分」とは、正に荷電しており且つ接触するとインクジェットインク内のラテックス含有コロイド懸濁液のラテックス成分を固定化するよう作用するところの、ポリマー、多価イオンもしくは塩、有機酸などを意味する。これらのカチオン成分は、インクジェットインクがアニオン性着色剤を保持し且つポリマーオーバーコート組成物がアニオン性ポリマーオーバーコート組成物である場合のシステムに使用される。
定着剤組成物内の分散剤又は溶質を引用する際の「アニオン成分」とは、負電荷を帯びている定着剤成分を意味する。これらのアニオン成分は、インクジェットインクがカチオン性着色剤を保持し且つポリマーオーバーコート組成物がカチオン性ポリマーオーバーコート組成物である場合のシステムに使用される。
「着色剤」は、本発明の実施形態に従って調製される液体ビヒクルに溶解又は分散する染料及び/又は顔料を包含する。カチオン性あるいはアニオン性染料及び/又は顔料は、当該着色剤が使用されるシステムに応じて使用することができる。アニオン性染料は、典型的に水溶性であり、それ故、多くの実施形態において使用することが望ましい。しかし、カチオン性染料も、他の実施形態において使用することができる。あるいはまた、アニオン性もしくはカチオン性顔料もまた、システムや方法に応じて使用することができる。使用し得る顔料には、自己分散性顔料及び非自己分散性顔料が含まれる。自己分散性顔料には、小分子の電荷又は高分子基によって化学的に表面修飾されたものが含まれる。この化学的修飾は、顔料が液体ビヒクル中で分散状態となり且つ/又は実質的にその状態を維持するのを支援する。当該顔料はまた、非自己分散性顔料ともし得、それは液体ビヒクル中及び/又は物理的コーティングを有する顔料中の、別個の(結合していない)分散剤(当該顔料が液体ビヒクル中で分散状態となり且つ/又は実質的にその状態を維持するのを支援する)を利用するものである。
「アニオン性ポリマー」又は「アニオン性ポリマー微粒子」は、表面アニオン基を有するポリマーを意味する。本発明の実施形態に従ってアニオン性ポリマーを液体ビヒクルに懸濁させてアニオン性ポリマーオーバーコート組成物を形成することができる。これらのアニオン性ポリマーは、カチオン性定着剤組成物及びアニオン性着色剤を保持するインクジェットインクと共に使用することができる。
「カチオン性ポリマー」又は「カチオン性ポリマー微粒子」は、表面カチオン基を有するポリマーを意味する。本発明の実施形態に従ってカチオン性ポリマーを液体ビヒクルに懸濁させてカチオン性ポリマーオーバーコート組成物を形成することができる。これらのカチオン性ポリマーは、アニオン性定着剤組成物及びカチオン性着色剤を保持するインクジェットインクと共に使用することができる。
本明細書では、濃度、量、及びその他の数値データを範囲形式で提示する場合がある。そのような範囲形式は、便利且つ簡潔のために用いるものであり、範囲の限界値として明記した数値を含むだけでなく、各数値及び副範囲があたかも明記されているようにその範囲内に包含される個別の数値又は副範囲を全て包含するものと柔軟に解釈すべきであることを理解されたい。例を示せば、「0.1wt%〜5wt%」という濃度範囲は、0.1wt%、5wt%という明記された濃度を含むだけでなく、示した範囲内の個別の濃度及び副範囲も包含するものと解釈されたい。従って、1wt%、2wt%、3wt%、及び4wt%のような個別濃度、及び0.1wt%〜1.5wt%、1wt%〜3wt%、2wt%〜4wt%、3wt%〜5wt%等のような副範囲もまた、その数値範囲に包含される。ただ1つの数値を挙げる範囲記載にも、同じ原理が適用される。例えば、「5wt%未満」と挙げた範囲は、0wt%〜5wt%の間の全ての値及び副範囲を含むものと解釈されたい。さらに、そのような解釈は、範囲の大きさ又は記述されている特性に関係なく適用すべきである。
本明細書で用いるとき、「有効量」とは、所望の効果を達成するのに十分である、材料又は薬剤の最小量を意味する。例えば、「液体ビヒクル」の有効量とは、効率的なインクジェットに必要な諸特性を維持する限りにおいて、本発明の実施形態に従って各種組成物、即ち、定着剤組成物、インクジェットインク組成物、又はポリマーオーバーコート組成物を作るのに必要となる最小の量である。
数値又は範囲を引用する際の用語「約」は、測定実施時に起こり得る実験誤差から生ずる値も包含する意がある。
これらを銘記して、本発明は、インクジェット画像形成の分野に関する。より詳細には、本発明は、良好なスマッジ耐性をもたらし、それ故、より永続性のある画像をもたらし得る印刷画像、印刷システム及び方法に関する。一実施形態では、耐久性のあるインクジェットインク画像を印刷するためのシステムは、種々の液体物質を収容する複数の印刷ヘッドを具備することができる。詳細には、当該システムは、帯電した定着剤成分を含有している定着剤組成物を収容する第1印刷ヘッドを具備することができ、この場合、当該第1印刷ヘッドは、基材上に定着剤組成物をインクジェット印刷できるように構成される。当該システムはまた、帯電した定着剤成分とは逆の電荷を帯びた着色剤を含有しているインクジェットインクを収容する第2印刷ヘッドも具備することができ、この場合、当該第2印刷ヘッドは、定着剤組成物上にインクジェットインク組成物をインクジェット印刷できるよう構成される。第3印刷ヘッドは、ポリマーオーバーコート組成物を収容することができ、且つインクジェットインク組成物の上にポリマーオーバーコート組成物をインクジェット印刷できるよう構成することができる。ポリマーオーバーコート組成物のポリマーも、帯電した定着剤成分とは逆の電荷を帯びている。3つの印刷ヘッドの各々が同じインクジェットペンに存在しても、2つが同じインクジェットペンに存在しても、又は各々が個別のインクジェットペンに存在してもよい。
別の実施形態では、耐久性のあるインクジェットインク画像を印刷する方法は、媒体基材上にカチオン性定着剤組成物を適用するステップと、媒体基材に適用された定着剤組成物の上にアニオン性着色剤含有インクジェットインクを噴射するステップと、定着剤組成物上に噴射されたインクジェットインク組成物の上にアニオン性ポリマーオーバーコート組成物を噴射するステップとを包含することができる。カチオン性定着剤組成物を適用するステップは、噴射によるか、ローラーコーティングのような別のコーティング工程によるか、又は製造工程中に媒体基材を形成しながら定着剤組成物を付加することによって実施することができる。あるいはまた、当該方法は、アニオン性定着剤組成物、カチオン性着色剤含有インクジェットインク、及びカチオン性ポリマーオーバーコート組成物を使用することもできる。
さらに別の実施形態では、耐久性のある印刷画像は、カチオン性定着剤組成物と、インクジェットインク組成物と、アニオン性ポリマーオーバーコート組成物とがその上に印刷された媒体基材から構成することができる。カチオン性定着剤組成物は、第1印刷層として媒体基材上に噴射させることができる。アニオン性着色剤を含有するインクジェットインク組成物は、第2印刷層として定着剤組成物上に噴射させることができる。アニオン性ポリマーオーバーコート組成物は、第3印刷層としてインクジェットインク組成物の上に噴射させることができる。あるいはまた、耐久性のある印刷画像は、アニオン性定着剤組成物、カチオン性着色剤含有インクジェットインク、及びカチオン性ポリマーオーバーコート組成物を用いて形成することができる。
本発明は、概して、後に適用される着色剤及びコーティング組成物とは大体において逆の電荷を有する定着剤組成物を媒体基材に適用するものであることを理解されたい。従って、好ましい実施形態では、定着剤組成物はカチオン成分を含有する定着剤組成物からなり、インクジェットインク組成物はアニオン性着色剤を含み、そしてポリマーオーバーコーティング組成物はアニオン性ポリマーを含む。当該実施形態に関して詳細に説明することとする。しかしながら、それもまた本発明の範囲内であるところの代替実施形態では、アニオン成分を有する定着剤組成物、カチオン性着色剤を含むインクジェットインク、及びカチオン性ポリマーポリマーを含むポリマーオーバーコーティング組成物を包含してもよい。従って、カチオン性定着剤組成物、アニオン性着色剤含有インクジェットインク、及びアニオン性ポリマー組成物を使用する実施形態を参照する際は、同様の議論が、先の代替実施形態、即ち、カチオン性定着剤組成物、アニオン性着色剤含有インクジェットインク、及びアニオン性ポリマー組成物を使用する実施形態にも適用することができることを理解されたい。
本明細書に記載する実施形態の各々において、カチオン性定着剤組成物は、インクジェットインクのアニオン性染料及び/又はアニオン性分散顔料と反応し、沈殿し、且つ/又は凝集するよう構成されたカチオン成分を含むことができる。代替的に又は追加的に、カチオン成分は、アニオン性ポリマーオーバーコート組成物のアニオン性ポリマーと反応し、沈殿し、且つ/又は凝集するよう構成することができる。従って、一実施形態では、定着剤組成物、インクジェットインク組成物、及びアニオン性ポリマーオーバーコート組成物を、後の層を付加する際に各層が未だ濡れているように順次印刷して層状にすることができる。この方法では、各層の界面における液体混合によって異なる層を形成することができる。さらに、この方法では、層に適用されても、アニオン性ポリマーオーバーコートは、カチオン性定着剤組成物と混合し且つ反応することができる。
各成分の量に関して説明する。カチオン成分は、カチオン性ポリマー、多価イオン、有機酸などとし得る。カチオン性、アニオン性にかかわらず、定着剤組成物の帯電成分は、全インクジェット組成物の0.2wt%〜15wt%となるよう液体ビヒクル中に存在させ得る。インクジェットインクは、有効量の液体ビヒクルと、0.1wt%〜10wt%の染料又は顔料着色剤を含むことができる。アニオン(又はカチオン)性ポリマーオーバーコート組成物は、有効量の液体ビヒクルと、1wt%〜8wt%の高分子微粒子を含むことができる。高分子微粒子としては、一実施形態では、ラテックス分散物によってポリマーオーバーコート組成物にもたらされるところのラテックス微粒子を用いることができる。
定着剤組成物
本発明の実施形態に従って定着剤組成物を用いることができる。典型的には、定着剤組成物は、インクジェットインク及びアニオン性ポリマー組成物の適用に先立って媒体基材に適用される。定着剤組成物の媒体基材への適用は、インクジェットインクの望ましくない浸透を防ぐことができ且つインクジェットインクの着色剤と反応してフェザリング及びブリードを防止することができる。しかし、在来のインクジェットインクシステムに使用する際は、定着剤だけでは十分な程度の耐久性はもたらされない。以下に記述するように、アニオン性ポリマーオーバーコート組成物を組合せて使用することによって、定着剤組成物は、インクジェットインク組成物の着色剤及び/又はアニオン性ポリマーオーバーコート組成物のアニオン性ポリマーと相互作用して、十分な色強度を維持しつつ、スマッジ耐性及びスミア(擦り汚れ)耐性を改善することができる。このような十分な色強度の維持、並びに高いスマッジ耐性及びスミア耐性は、本発明のシステム及び方法を用いて画像を生成する際、ある程度画像が乾燥した後に、顕著となる。
多くの場合、噴射プロセスによって定着剤組成物を適用することが好まれるとはいえ、定着剤組成物の適用するための他の方法もまた本発明の範囲内である。例えば、媒体基材を定着剤組成物で前処理してもよい。例を示せば、定着剤による前処理は、定着剤組成物を用紙製造工程に導入することによって実施するか、あるいはまた、定着剤組成物を噴射プロセス以外の方法(例えば、ローラー適用)等によって媒体基材上にコーティングすることができる。
本発明の実施形態によるカチオン性定着剤組成物に用い得るカチオン成分の例として、カチオン性ポリマー、有機酸、及び/又は多価塩が挙げられる。本発明の実施形態に従って十分に機能するカチオン性ポリマーの例には、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリ(グルコサミン)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、ポリヘキシメチレングアニド、及び/又はポリグアニドが含まれる。有機酸又は多価塩もまた、単独で又は相互に組合せて、又はカチオン性ポリマーと組合せて用いることができる。一実施形態では、定着剤組成物は、カチオン性ポリマーを含み、且つインクジェットインク組成物又はアニオン性ポリマーオーバーコート組成物の定着を支援し得るイオン又はその他の成分を含有するよう調製することができる。例えば、当該定着剤に含有させ得るカチオン性ポリマー成分に加えて、多価塩も含有させ得る。その例には、多価金属硝酸塩、EDTA塩、ハロゲン化ホスホニウム塩、有機酸(グリコール酸、コハク酸、クエン酸、酢酸など)、及びそれらの組合せが含まれる。一実施形態では、カチオン性ポリマーと共に、カルシウムイオンを定着剤組成物中に存在させ得る。
あるいはまた、インクジェットインク組成物の着色剤と、ポリマーオーバーコート組成物のポリマーとが両方ともアニオン性である実施形態においては、アニオン性定着剤組成物に使用し得るアニオン成分としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸塩等が挙げられる。カルボン酸、スルホン酸塩、及びスルホコハク酸塩をはじめとする、他のアニオン置換基を有するポリマーを用いることもできる。
インクジェットインク組成物
本発明において用いるためのインクジェットインク組成物は、典型的に、液体ビヒクルと、システムに応じて、アニオン性染料及び/又はアニオン性顔料、又は、カチオン性染料及び/又はカチオン性顔料などの耐電着色剤とを含有する。任意に、当該液体ビヒクルは、分散ポリマー等のような、着色剤以外の他の成分を保持することができる。本発明の実施形態に従って、染料、顔料、又は染料と顔料の両方、を含むインクジェットインクを用いることができる。
自己分散性顔料及び/又はポリマー分散性顔料のような、各種の顔料を用いることができる。自己分散性顔料は、典型的に、その表面に小分子又は高分子分散剤が結合した顔料微粒子からなる。非自己分散性顔料を用いる場合、液体ビヒクルは、顔料と会合する分散剤をさらに含有したり、顔料を分散剤で物理的にコーティングすることができる。当該分散剤には、ポリマー、オリゴマー、表面活性剤、小分子等を用いることができる。定着剤組成物がカチオン成分を含み、且つポリマーオーバーコート組成物がアニオン性ポリマーオーバーコート組成物である実施形態では、用い得るアニオン性顔料の例として、アニオン性の自己分散性顔料又はアニオン性ポリマー分散剤で安定化された顔料が挙げられる。逆に、定着剤組成物がアニオン成分を含み、且つポリマーオーバーコート組成物がカチオン性ポリマーオーバーコート組成物である実施形態では、用い得るカチオン性顔料の例として、カチオン性の自己分散性顔料又はカチオン性ポリマー分散剤で安定化された顔料が挙げられる。
カチオン性定着剤組成物及びアニオン性ポリマーオーバーコート組成物と共に用い得るアニオン染料に関しては、当該アニオン性染料には、ペンダントアニオン基を有する発色団、又はその他のアニオン性帯電染料を用いることができる。適切なアニオン性染料の例として、多数の水溶性の酸性染料及び直接染料が挙げられる。アニオン性染料の具体例には、Direct Yellow 86、Acid Red 249、Direct Blue 199、Direct Black 168、Reactive Black 31、Direct Yellow 157、Reactive Yellow 37、Acid Yellow 23、Reactive Red 180、Acid Red 52、Acid Blue 9、Direct Red 227、Acid Yellow 17、Direct Blue 86、Reactive Red 4、Reactive Red 56、Reactive Red 31、及びDirect Yellow 132;Aminyl Brilliant Red F−B(住友化学社);ヘキスト(Hoechst)社から入手できる「塩を含まない」染料であるDuasynシリーズが含まれる。さらに他の例としては、Bernacid Red 2BMN、Pontamine Brilliant Bond Blue A、BASF X−34、Pontamine、Food Black 2、Levafix Brilliant Red E−4B(モバイケミカル社)、Levafix Brilliant Red E−6BA(モバイケミカル社)、Pylam Certified D&C Red#28(Acid Red 92、パイラム社)、Direct Brill Pink B Ground Crude(クロンプトン アンド ノールズ(Crompton&Knowles)社)、Cartasol Yellow GTF Presscake(サンド社)、Tartrazine Extra Conc.(FD&C Yellow#5、Acid Yellow 23、サンド社)、Cartasol Yellow GTF Liquid Special 110(サンド社)、D&C Yellow #10(Yellow 3、トリコン社)、Yellow Shade 16948(トリコン社)、Basacid Black X34(バスフ社)、Carta Black 2GT(サンド社)、Neozapon Red 492(バスフ社)、Orasol Red G(チバガイギー社)、Direct Brilliant Pink B(クロンプトン アンド ノールズ社)、Aizen Spilon Red C−BH(保土ヶ谷化学社)、Kayanol Red 3BL(日本化薬社)、Levanol Brilliant Red 3BW(モバイケミカル社)、Levaderm Lemon Yellow(モバイケミカル社)、Aizen Spilon Yellow C−GNH(保土ヶ谷化学社)、Spirit Fast Yellow 3G、Sirius Supra Yellow GD 167、Cartasol Brilliant Yellow 4GF(サンド社)、Pergasol Yellow CGP(チバガイギー社)、Orasol Black RL(チバガイギー社)、Orasol Black RLP(チバガイギー社)、Savinyl Black RLS(サンド社)、Dermacarbon 2GT(サンド社)、Pyrazol Black BG(アイシーアイ アメリカ社)、Morfast Black Conc A(モートン・チオコール社)、Diazol Black RN Quad(アイシーアイ アメリカ社)、Orasol Blue GN(チバガイギー社)、Savinyl Blue GLS(サンド社)、Luxol Blue MBSN(モートン・チオコール社)、Sevron Blue 5GMF(アイシーアイ アメリカ社)、及びBasacid Blue 750(バスフ社);全てバイエル社から入手可能な、Levafix Brilliant Yellow E−GA、Levafix Yellow E2RA、Levafix Black EB、Levafix Black E−2G、Levafix Black P−36A、Levafix Black PN−L、Levafix Brilliant Red E6BA、及びLevafix Brilliant Blue EFFA;全てアイシーアイ アメリカ社から入手可能な、Procion Turquoise PA、Procion Turquoise HA、Procion Turquoise Ho5G、Procion Turquoise H−7G、Procion Red MX−5B、Procion Red MX 8B GNS、Procion Red G、Procion Yellow MX−8G、Procion Black H−EXL、Procion Black P−N、Procion Blue MX−R、Procion Blue MX−4GD、Procion Blue MX−G、及びProcion Blue MX−2GN;全てチバガイギー社から入手可能な、Cibacron Red F−B、Cibacron Black BG、Lanasol Black B、Lanasol Red 5B、Lanasol Red B、及びLanasol Yellow 46;全てバスフ社から入手可能な、Baslien Black P−BR、Baslien Yellow EG、Baslien Brilliant Yellow P−3GN、Baslien Yellow M−6GD、Baslien Brilliant Red P−3B、Baslien Scarlet E−2G、Baslien Red E−B、Baslien Red E−7B、Baslien Red M−5B、Baslien Blue E−R、Baslien Brilliant Blue P−3R、Baslien Black P−BR、Baslien Turquoise Blue P−GR、Baslien Turquoise M−2G、Baslien Turquoise E−G、及びBaslien Green E−6B;全て住友化学社から入手可能な、Sumifix Turquoise Blue G、Sumifix Turquoise Blue H−GF、Sumifix Black B、Sumifix Black H−BG、Sumifix Yellow 2GC、Sumifix Supra Scarlet 2GF、及びSumifix Brilliant Red 5BF;全てクロンプトン アンド ノールズ社の染料・化成品部門から入手可能な、Intracron Yellow C−8G、Intracron Red C−8B、Intracron Turquoise Blue GE、Intracron Turquoise HA、及びIntracron Black RL;Pro−Jet485(銅フタロシアニン);Magenta377;及びそれらの混合物等が挙げられる。このリストは、単なる例示であって、本発明の範囲を限定する意はない。
定着剤組成物がアニオン成分を含み且つポリマーオーバーコート組成物がカチオン性ポリマーオーバーコート組成物である実施形態においては、用い得るカチオン染料の例には、Auramine O、Yellow 4G、Yellow 8GL、Yellow X−2RL、Yellow 7GLL、Yellow 7GL、Yellow GL、Yellow 10GFF、Yellow 49、Yellow 5GL、Yellow 62、Yellow 4GL、Chrysoidine、Orange GL、Rhodamine 6GDN、Red B、Red 9、Pink X−FG、Brilliant Red 5GN、Red GTL、Red F3BL、Red 2GL、Red GRL、Red M−RL、Methyl Violet 2B、Methyl Violet 5BN、Red 6B、Violet 8、Rhodamine B、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Truquoise Blue GB、Victory Pure Blue BO、Methylene Blue 2B、Victory Blue R、Victory Blue B、Basic GRL/GRRL、Violet Blue 3BL、Brilliant Blue RL、Blue FBL、Blue FRL、Brilliant Green、Malachite Green、Bismark Brown G、Bismark Brown R等がある。
ポリマーオーバーコート組成物
本明細書において説明する方法、システム、又は印刷画像に関連して、ポリマーオーバーコート組成物は、ラテックス微粒子を含有するラテックス分散物を含むか、又は単に液体ビヒクル中に分散している高分子微粒子を含むことができる。カチオン性定着剤組成物とアニオン性着色剤含有インクジェットインクを利用するシステムにおいては、アニオン性ポリマーオーバーコート組成物を使用することができる。アニオン性定着剤組成物とカチオン性着色剤含有インクジェットインクを利用するシステムにおいては、カチオン性ポリマーオーバーコート組成物を使用することができる。いずれの場合においても、高分子微粒子の粒径は、約20nm〜500nmの範囲とし得、一実施形態では、約100nm〜300nmとし得る。ポリマーオーバーコート組成物は、典型的に、印刷画像の着色部分を形成するために用いられるインクジェットインクに関して上刷りされる故、好ましくは、ポリマーオーバーコート組成物は無色又はほぼ無色とし得る。
ラテックス微粒子の表面電荷は、典型的に、ラテックス微粒子を形成すべく、他のモノマーと共に又は他のモノマーが無い状態で酸モノマーを乳化重合することによって生成される。当該プロセスは、当分野において広く知られている。ランダム重合モノマーをはじめ、ラテックス分散物の高分子微粒子を作ることができる成分は多数あり、この場合、高分子微粒子の重量平均分子量は、全体として、約10,000Mw〜2,000,000Mwであり、一実施形態では、約40,000Mw〜100,000Mwである。さらに、ラテックス分散物の高分子微粒子のガラス転移温度は、25℃〜100℃とし得る。用い得る格好のラテックスとして、NM 3266−B及びNM 3270−Bが挙げられ、両方ともローム アンド ハース社から入手できる。
アニオン性ポリマーオーバーコート組成物が、ラテックス分散物ではなく、単に液体ビヒクルに分散しているアニオン性の高分子微粒子である場合には、用い得る当該成分の例として、Joncryl 74及びJoncryl 624(両方ともジョンソンポリマー社から入手できる)が挙げられる。ポリマーオーバーコート組成物がカチオン性ポリマーオーバーコート組成物である場合は、用い得る典型的な組成物として、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリ(グルコサミン)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、ポリヘキシメチレングアニジン、ポリグアニド等が挙げられる。
液体ビヒクル及びその他の印刷要件
定着剤組成物、インクジェットインク組成物、及びポリマーオーバーコート組成物に関して、各組成物は、典型的に液体ビヒクルを含有する。サーマル又は圧電式インクジェットインク技術に使用するのが有効であるところの多数の成分の何れかを含有させることもできる。例えば、定着剤組成物、インクジェットインク組成物、又はポリマーオーバーコート組成物の液体ビヒクルは、有効量の水と、0wt%〜5wt%の界面活性剤と、5wt%〜50wt%の溶媒と、0wt%〜2wt%の殺生物剤とを含むことができる。本開示の検討により当業者には理解されるであろうように、その他の成分も存在させることができる。さらに、複数の溶媒、複数の界面活性剤等のように、単一種の液体ビヒクル成分を複数存在させることができる。一実施形態では、本明細書に記載するラテックス又はポリマーと共に用いることのできる典型的な液体ビヒクル調合物は、水と、任意に、インクジェット機器に応じて、全体で5wt%〜30wt%存在する1つ以上の共溶媒とを含むことができる。さらに、0.1wt%〜5wt%の範囲の、1つ以上の非イオン性、カチオン性、アニオン性、又は両性の界面活性剤(単数又は複数)を含有させることもできる。当該調合物の残部は、純水であるか、又は殺生物剤、粘度修正剤、pH調節用材料、金属イオン封鎖剤、防腐剤等のような、当分野で周知の他のビヒクル成分とし得る。典型的には、液体ビヒクルは、主として水からなる。
液体ビヒクルに用い得る共溶媒の種類としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、ジオール、グリコールエーテル、ポリグリコールエーテル、カプロラクタム、ホルムアミド、アセトアミド、及び長鎖アルコールが挙げられる。当該化合物の例としては、第1脂肪族アルコール、第2脂肪族アルコール、1,2−アルコール、1,3−アルコール、1,5−アルコール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの高次の同族体、N−アルキルカプロラクタム、未置換カプロラクタム、置換及び未置換の両ホルムアミド、置換及び未置換の両アセトアミド等がある。用い得る溶媒の具体例としては、トリメチロールプロパン、2−ピロリジノン、及び1,5−ペンタンジオールがある。
インク調合分野の当業者に周知のように、アルキルポリエチレンオキシド、アルキルフェニルポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、アセチレン系ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(ジ)エステル、ポリエチレンオキシドアミン、プロトン化ポリエチレンオキシドアミン、プロトン化ポリエチレンオキシドアミド、ジメチコンコポリオール、置換アミンオキシド等の多数の界面活性剤の1つ又は複数を用いることもできる。
本発明の調合に矛盾することなく、他の種々の添加剤を使用して特定の用途に使えるようにインク組成物の諸特性を最適化することができる。これらの添加剤の例は、有害な微生物の成長を阻害するために添加されるものである。これらの添加剤には、インクの調合に日常的に使用されるところの、殺生物剤、殺菌剤、及びその他の微生物剤を用いることができる。適切な微生物剤の例として、限定はしないが、Nuosept(ヌデックス社(Nudex,Inc.))、Ucarcide(ユニオンカーバイド社)、Vancide(R.T.ヴァンダービルト社)、Proxel(アイシーアイ アメリカ社)、及びそれらの組合せが挙げられる。
EDTA(エチレンジアミン四酢酸)等のような、金属イオン封鎖剤を含有させて、重金属不純物の有害な影響を排除することもでき、緩衝剤溶液を使用してインクのpHを制御することもできる。それらは、例えば、0wt%〜2wt%にて使用することができる。粘度修正剤及び緩衝剤、並びに当業者に周知のその他の添加剤を含有させることでもまた、インクの諸性質を望ましいように修正することができる。そのような添加剤は、0wt%〜20wt%にて存在させ得る。
サーマルインクジェットシステムは、その噴射特性において圧電式インクジェットシステムとは全く異なっている。従って、圧電式インクジェットシステムにおける使用に有効であるポリマー(定着剤組成物、インクジェットインク組成物、又はポリマーオーバーコート組成物に含有されているものなど)が、サーマルインクジェットインクシステムにおける使用に必ずしも有効であるとは限らない。しかしながら、その逆は必ずしも真ではない。換言すれば、サーマルインクジェットシステムに関してよく機能するポリマーは、圧電式システムに関しても、その逆の場合(圧電式システムにおいてよく機能するポリマーをサーマルシステムに使用する場合)よりは、機能するであろう。即ち、サーマルインクジェットシステムは圧電式システムほど寛容でないので、サーマルインクジェットシステムに用いるポリマーを選択する際には、しばしば、より十分な注意を払う必要がある。従って、定着剤組成物、インクジェットインク組成物、及びアニオン性ポリマーオーバーコート組成物に関して説明した典型的なポリマー及びその他の成分は、それらが圧電式インクジェットインクに対しても同様に機能するとはいえ、サーマルインクジェットインクシステムでの使用に特に適合する。圧電式インクジェットインク印刷システムを用いる場合には、その他の成分も有効に用いることができる。
(実施例)
以下の実施例において、現在最もよく知られている本発明の実施形態を説明する。ここで、以下は、本発明の原理の応用に関し、単に例示又は説明するものに過ぎないことを理解されたい。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多数の修正及び代替の組成物、方法、並びにシステムを、当業者は案出できるであろう。添付の特許請求の範囲は、そのような修正及び変更を網羅するものとする。以上、これまで特定のものに関して本発明を説明してきたが、以下の実施例は、現時点で最も実用的であり且つ好ましい本発明の実施形態と考えられるものに関してさらに詳述するものである。
PEI/Ca 2+ 定着剤組成物の調製
以下の表1に従って、インクジェット可能なポリエチレンイミン/カルシウムイオンを含有する定着剤組成物を調製した。
Figure 2005297567
ポリビグアニド定着剤組成物の調製
以下の表2に従って、インクジェット可能なポリビグアニドを含有する定着剤組成物を調製した。
Figure 2005297567
アニオン性の顔料系インクジェットインク組成物の調製
以下の表3に従って、インクジェット可能なアニオン性の顔料系インクジェットインク組成物を調製した。
Figure 2005297567
アニオン性ポリマーオーバーコート組成物の調製
以下の表4に従って、インクジェット可能なアニオン性ポリマーオーバーコート組成物を調製した。
Figure 2005297567
湿潤時のスマッジ性能
実施例1記載の定着剤組成物をHammermill Color Copy印刷媒体上に印刷して数本のバーパターンサンプルを得た。次いで、実施例3記載のインクジェットインクを定着剤組成物の各サンプルに関して直に上刷りした。次いで、実施例4記載のアニオン性ポリマーオーバーコート組成物を、インクジェットインクの各サンプル上に直に印刷した。この印刷スキームは、以下の組成物液滴(ドロップ)重量比率に従って履行した。
比率1
定着剤組成物 1滴
インクジェットインク組成物 2滴
アニオン性ポリマーオーバーコート組成物 4滴
比率2
定着剤組成物 2滴
インクジェットインク組成物 4滴
アニオン性ポリマーオーバーコート組成物 4滴
以下の各スマッジ試験用に、各比率の3つのサンプルを調製した。種々の印刷画像を数分間乾燥させた後、(1)水滴及び指によるスマッジ試験、(2)酸性蛍光ペン(ハイライター)によるスマッジ試験、及び(3)アルカリ性蛍光ペン(ハイライター)によるスマッジ試験を含む、種々のスマッジ試験を実行した。各スマッジ試験に用いた印刷画像の各々は、初期に高い光学濃度(OD)(例えば、約1.4OD以上)を有し、各スマッジ試験の実行前には黒色に富んだ画像であった。
詳細には、スマッジ性能は、印刷後にスマッジ跡を生じさせようと、数本の印刷バーを「湿らせてにじみ汚れを生じさせる」ようにして試験した。第1の湿潤スマッジ試験(1)は、印刷したバーパターン画像を45°の角度に保持して、その画像の上に0.25ccの水を滴下し、水により形成されたスマッジ跡を観察後、湿った領域を指で汚すことによって実行した。各印刷サンプルに関して、水滴のみによって形成されたスマッジ跡は検出できず、また、水の跡を指を用いて汚そうとした際に生じたスマッジ跡は最小限であった。第2の湿潤スマッジ試験(2)は、酸性ハイライターを用いて印刷画像の各サンプルの上を2回通過させるようにして実行した。目立ったスマッジは何ら検出されなかった。第3の湿潤スマッジ試験(3)は、アルカリ性ハイライターを用いて印刷画像の他の各サンプルの上を2回通過させるようにして実行した。これに関しても、目立ったスマッジは何ら検出されなかった。本実施例では、実施例1記載の定着剤組成物を使用したが、実施例2記載の定着剤組成物を用いた場合にも、同様の結果を得ることができた。
特定の好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の趣旨から逸脱することなく、種々の修正、変更、省略、並びに置換をなし得ることは、当業者には明らかであろう。それ故、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。

Claims (20)

  1. 耐久性のあるインクジェットインク画像を印刷するシステムであって、
    a)帯電した定着剤成分を含む定着剤組成物を収容し、且つ基材上に前記定着剤組成物をインクジェット印刷できるよう構成されている第1印刷ヘッドと、
    b)前記帯電した定着剤成分に対して逆の電荷を帯びている着色剤を含むインクジェットインク組成物を収容し、且つ前記定着剤組成物の上に前記インクジェットインク組成物をインクジェット印刷できるよう構成されている第2印刷ヘッドと、
    c)ポリマーオーバーコート組成物を収容し、且つ前記インクジェットインク組成物の上に前記ポリマーオーバーコート組成物をインクジェット印刷できるよう構成されている第3印刷ヘッドと、
    を具備し、前記ポリマーオーバーコート組成物も前記帯電した定着剤成分に対して逆の電荷を帯びている、システム。
  2. 前記帯電した定着剤成分がカチオン性定着剤組成物であり、前記着色剤がアニオン性着色剤であり、且つ前記ポリマーオーバーコート組成物がアニオン性ポリマーオーバーコート組成物である、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記帯電した定着剤成分がアニオン性定着剤組成物であり、前記着色剤がカチオン性着色剤であり、且つ前記ポリマーオーバーコート組成物がカチオン性ポリマーオーバーコート組成物である、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記定着剤組成物が、第1液体ビヒクルと、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、ポリグアニド、及びそれらの組合せから選択される荷電ポリマーとを含む、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記定着剤組成物が、第1液体ビヒクルと、多価塩又は有機酸を含む、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記インクジェットインク組成物が、第2液体ビヒクルと、染料又は顔料の少なくとも1つとを含む、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記ポリマーオーバーコート組成物が、第3液体ビヒクルと高分子微粒子とを含む、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記ポリマーオーバーコート組成物がラテックス分散物を含み、前記ラテックス分散物が平均粒径20nm〜500nmの高分子微粒子を含む、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記高分子微粒子がアニオン性であり、100nm〜300nmの平均粒径を有し、複数のランダム重合モノマーを含み、且つ5,000Mw〜2,000,000Mwの重量平均分子量を有する、請求項7に記載のシステム。
  10. 耐久性のあるインクジェットインク画像を印刷する方法であって、
    a)カチオン性定着剤組成物を媒体基材上に適用するステップと、
    b)前記媒体基材に適用された前記定着剤組成物上にアニオン性着色剤を含んでいるインクジェットインク組成物を噴射するステップと、
    c)前記定着剤組成物上に噴射された前記インクジェットインク組成物上にアニオン性ポリマーオーバーコート組成物を噴射するステップと、
    を包含する、方法。
  11. 前記適用するステップが、噴射プロセスによる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記カチオン性定着剤組成物が、第1液体ビヒクルと、カチオン性ポリマー、多価塩、又は有機酸のうちの少なくとも1つとを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記アニオン性ポリマーオーバーコート組成物が、第3液体ビヒクルとアニオン性高分子微粒子とを含む、請求項10に記載の方法。
  14. 前記アニオン性ポリマーオーバーコート組成物が、ラテックス分散物を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記アニオン性高分子微粒子が、100nm〜300nmの平均粒径を有し、複数のランダム重合モノマーを含み、且つ5,000Mw〜2,000,000Mwの重量平均分子量を有する、請求項13に記載の方法。
  16. 耐久性のある印刷画像であって、
    a)媒体基材と、
    b)前記媒体基材上に第1印刷層として噴射されたカチオン性定着剤組成物と、
    c)前記定着剤組成物上に第2印刷層として噴射されたアニオン性着色剤含有インクジェットインク組成物と、
    d)前記インクジェットインク組成物上に第3印刷層として噴射されたアニオン性ポリマーオーバーコート組成物と、
    を含む、印刷画像。
  17. 前記カチオン性定着剤組成物が、第1液体ビヒクルと、カチオン性ポリマー、多価塩、及び有機酸のうちの少なくとも1つとを含む、請求項16に記載の耐久性のある印刷画像。
  18. 前記アニオン性ポリマーオーバーコート組成物が、第3液体ビヒクルとアニオン性高分子微粒子とを含む、請求項16に記載の耐久性のある印刷画像。
  19. 前記アニオン性ポリマーオーバーコート組成物が、ラテックス分散物を含む、請求項18に記載の耐久性のある印刷画像。
  20. 前記第1、第2及び第3印刷層を形成した当初、各々の層が未だ湿っているように、前記第1、第2及び第3印刷層が順次印刷されており、且つ層間で不完全な混合が起きている、請求項16に記載の耐久性のある印刷画像。
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