JP2005298719A - 水系インク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を配合又は含有してなるインクジェット記録用水系インク、及び前記アニオン性基を有する水不溶性ポリマーと、水溶性の塩基性化合物とを混合して得られた混合物と、水難溶性のアミン又はその塩とを混合する工程を有するインクジェット記録用水系インクの製造方法である。
【選択図】 なし
Description
これらインクジェット記録用として用いられるインクでは、一般に、耐光性に優れるとの理由から、インクの着色剤として、顔料が用いられる(例えば特許文献1参照)。そして、印字濃度を高めるためには、インク中の顔料の含有量を増加させる方法がとられるが、インクの安定性に影響する傾向があるため、安定性を保持しつつ、更に印字濃度を高めることが求められている。
本発明者らは、耐光性に優れ、高印字濃度を付与し得るインクジェット用水系インクとして、塩生成基含有モノマー、マクロマー、及びこれらと共重合可能なモノマーを含むモノマー混合物を共重合させたビニルポリマー粒子の水分散体を含有する水系インクを提供した(特許文献2、特許請求の範囲参照)。本発明はこれをさらに改良するものである。
本発明の水系インクおける各構成要素について、以下詳細に説明する。
(アニオン性基を有する水不溶性ポリマー)
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーは、後に詳述する顔料や疎水性染料等の着色剤の水系インク中での分散性を高める機能を果たすものである。
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの構造や組成については、上述の機能を果たすものであれば、特に制限はないが、エチレン性不飽和結合を有するモノマーから得られるビニルポリマーが好ましい。さらに具体的には、水分散体として安定であるために、(A)アニオン性基含有モノマー〔以下、(A)成分という〕と、(B)疎水性モノマー〔以下、(B)成分という〕とを含有するモノマーの混合物を重合させてなるビニルポリマーが挙げられる。
(A)成分のアニオン性基含有モノマーの例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられ、これらのうち不飽和基がビニル基であるモノマーが好適に用いられる。
これらのモノマーを用いることにより、アニオン性基がカルボキシル基であるポリマー、スルホン酸基であるポリマー、リン酸基であるポリマーをそれぞれ得ることができる。これらのモノマーはそれぞれ単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好ましい。
不飽和リン酸モノマーとしては、アシッドホスホオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のエステル部分が炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、本明細書にいう「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、「イソ」又は「ターシャリー」で表される枝分かれ構造が存在している場合と存在しない場合(ノルマル)の両者を示すものである。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを示す。
なお、マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
マクロマーの具体例としては、それぞれ片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー、シリコーン系マクロマー、メチルメタクリレート系マクロマー、スチレン・アクリロニトリル系マクロマー、ブチルアクリレート系マクロマー、イソブチルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。これらの中では、水不溶性ポリマーに顔料などの着色剤を十分に内包させる観点から、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー及びシリコーン系マクロマーが好ましく、特にスチレン系マクロマーが好ましい。
片末端に重合性官能基を有するスチレンと、他のモノマーとの共重合体において、他のモノマーとしては、特に制限されず、例えばアクリロニトリル等が挙げられる。また、該共重合体におけるスチレンの含有量は、顔料などの着色剤が十分に水不溶性ポリマーに内包されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS−6,AS−6S,AN−6,AN−6S,HS−6,HS−6S等が挙げられる。
X(Y)qSi(R4)3-r(Z)r ・・・(2)
(式中、Xは重合可能な不飽和基、Yは2価の結合基、R4は水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基であって、R4が複数ある場合にはこれらは同一であっても、異なっていてもよい。Zは500以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基、qは0又は1、rは1〜3の整数を示す。)
で表されるシリコーン系マクロマーが、インクジェットプリンターのヘッドの焦げ付きを防止する観点から好ましい。
〔式中、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン単位(但し、p個のオキシアルキレン単位は、同一でも異なっていてもよい。)であり、オキシアルキレン単位が異なる場合は、ブロック付加、ランダム付加、及び交互付加のいずれでもよい。R5は水素原子又はメチル基、pは1〜50の数、R6は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。〕
具体的には、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)成分の含量(原料モノマー基準)は、印字濃度及び分散安定性の観点から、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは60〜98重量%である。また、(B)成分としてマクロマーを使用する場合、(B)成分におけるマクロマーの含量(原料基準)は、耐水性及び耐擦過性を向上させる観点から、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
さらに、(C)成分の含量(原料基準)は、吐出安定性の観点から、好ましくは0〜45重量%、より好ましくは0〜30重量%である。
溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。また、極性有機溶媒を水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。
ラジカル重合開始剤の量は、モノマー(混合物)に対して、好ましくは0.001〜5モル%、より好ましくは0.01〜2モル%である。
分子量の調整には、公知の連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤の具体例としては、メルカプトエタノール、チオグリセロール、ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ステアリルメルカプタンなどのメルカプト化合物;四塩化炭素、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素化合物;ジチオエタノール、ジチオフェノールなどのジチオ化合物等が挙げられる。
本発明で用いられるアニオン性基を有する水不溶性ポリマーの酸価(KOHmg/g)は、安定な分散体とするために、10〜200が好ましく、30〜130が更に好ましい。
水溶性の塩基性化合物は、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーのアニオン性基の一部又は全部を中和するのに用いられる。本発明において水溶性とは、20℃の水100gに溶解させたときに、その溶解度が50g以上であることをいう。
水溶性の塩基性化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのような金属の炭酸塩および炭酸水素塩;トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン;アンモニア等が挙げられる。
これらのうち、本発明の水系インクの安定性を確保する観点から、アルカリ金属の水酸化物が好ましい。
本発明における着色剤は、任意の顔料及び染料が使用できるが、耐光性が高い、耐水性が高いという観点から顔料及び疎水性染料が好ましく、特に顔料が好ましい。また、必要により、顔料と染料を併用してもよい。
顔料の具体例としては、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物等の無機顔料、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等の有機顔料が挙げられるが、その中でも塩基性基を有する顔料誘導体を含まないものが好ましい。
ここで顔料誘導体とは、顔料骨格に特定の構造の置換基を導入したもので、顔料の種々の特性を調整するために、微量添加されるものを意味する。また、塩基性基とは、アミノ基などの塩基性を示す置換基を意味する。
有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー 13,17,74,83, 97,109,110,120,128,139,151,154,155,174,180、C.I.ピグメント・レッド 48,57:1,122,146,176,184,185,188,202、C.I.ピグメント・バイオレット 19,23、C.I.ピグメント・ブルー 15, 15:1,15:2,15:3,15:4,16,60、C.I.ピグメント・グリーン 7,36等が挙げられる。
油性染料としては、特に限定されるものではないが、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29,34,45、C.I.ソルベント・イエロー 14,16,29,56, 82,83:1、C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73、C.I.ソルベント・バイオレット 3、C.I.ソルベント・ブルー 2,4,11, 44,64,70、C.I.ソルベント・グリーン 3,7、C.I.ソルベント・オレンジ 2等が挙げられる。
商業的に入手しうる油性染料としては、例えば、Nubian Black PC-0850、Oil Black HBB 、Oil Black 860 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B 、Oil Scarlet 308 、Vali Fast Blue 2606 、Oil Blue BOS〔以上、オリエント化学(株)製、商品名〕、Neopen Yellow 075 、Neopen Mazenta SE1378 、Neopen Blue808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238〔以上、BASF社製、商品名〕等が挙げられる。
本発明における水難溶性のアミン又はその塩としては、水への難溶性を示すものであれば、特に限定されず、任意のものを用いることができる。より具体的には、20℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が20g以下であることが好ましく、その溶解量が2g以下であることが更に好ましい。なお、アミンは、塩となっていてもよいが、溶解度は塩を形成していないアミンとして測定する。
これらの水難溶性のアミンは、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
第二級アミンとしては、総炭素数6〜44、更には総炭素数8〜36、特には総炭素数8〜24のジアルキルアミンが好ましく、具体例として、ジブチルアミン(0.3g/100g)、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−2−エチルへキシルアミン、ジデシルアミン等が挙げられる。
また、第三級アミンとしては、総炭素数6〜44、更には総炭素数8〜36、特には総炭素数8〜24のトリアルキルアミンが好ましく、具体例として、トリエチルアミン(17g/100g)、トリプロピルアミン(0.25g/100g)、トリブチルアミン(0.0386g/100g)、トリアミルアミン、トリへキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリドデシルアミン、ジメチル−n−オクチルアミン、ジメチル−2−エチルヘキシルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジメチルステアリルアミン等が挙げられる。
芳香族アミンの具体例としては、2−エチルピリジン(4.5g/100g)、4−エチルピリジン(4.7g/100g)、アニリン(3.6g/100g)、N,N−ジメチルアニリン等の炭素数6〜22のアリール基(アルキルアリール基、アリールアルキル基を含む)を有するアミン、フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
また本発明の脂肪族アミンおよび芳香族アミンは、ジアミン、トリアミンなどの多価アミンであってもよい。具体的にはデカンジアミン、フェニレンジアミンなどが挙げられる。
本発明においてエーテル結合を有する置換基としては、エトキシプロピル、ブトキシプロピル、2−エチルヘキシルオキシプロピル、ラウリルオキシプロピル基等が挙げられる。また、本発明においてアミド結合を有する置換基としては、2−アセトアミノ−2−メチル−エチル基などが挙げられる。
残余のR1、R2及びR3は、同一又は異なって、炭素数1〜22の炭化水素基又は水素原子であるが、インクの保存安定性の点より、炭素数1〜3のアルキル基、又は水素原子が好ましい。炭素数1〜3のアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
なお、本発明において、水難溶性のアミン又はその塩は、2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
水難溶性のアミン塩は、本発明のインク中、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーのアニオン性基によって形成されても良い。
本発明の水系インクは、水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を配合又は含有してなるものである。またこれらの成分を含有し、アニオン性基の少なくとも一部が、水溶性の塩基性化合物及び/又は水難溶性のアミンで中和されてなる。
水系インク中における着色剤の含有率は、印字濃度を高める点から、1〜20重量%が好ましく、2〜10重量%がさらに好ましい。
また、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの配合量又は含有量は、着色剤の分散性の点から、インク全体を基準として1〜20重量%が好ましく、2〜10重量%がさらに好ましい。
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーと着色剤の量比(混合時)については、印字濃度を高める観点から、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの固形分100重量部に対して、好ましくは20〜1000重量部、より好ましくは40〜800重量部、更に好ましくは60〜600重量部である。
水系インク中、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの量にもよるが、一般に水難溶性のアミン又はその塩の配合量又は含有量は、0.0001〜10重量%が好ましく、0.001〜1重量%が更に好ましく、水溶性の塩基性化合物は、0.0001〜10重量%が好ましく、0.001〜1重量%が更に好ましい。
具体的には、着色剤が顔料又は疎水性の染料の場合、まずアニオン性基を有する水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させる。ここで、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーは、有機溶媒に完全に溶解する必要はない。次いで、この溶液に、水、水溶性の塩基性化合物、及び必要に応じて界面活性剤を加えて乳化させ、分散体を得る(以下、単に「分散体」という)。分散体への着色剤の混合時期については特に限定されない。具体例としては、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させた後や、水溶性の塩基性化合物を加えて水不溶性ポリマーを中和させた後などが挙げられるが、これに限定されるわけではない。さらには分散体と着色剤を混合した後、さらなる混合/分散をさせる工程を有していても良い。
水難溶性のアミン又はその塩を混合する前及び水系インク中の、水分散体における着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒径は、50〜200nmであることが、本発明の水系インクの安定性を確保する観点から好ましく、75〜150nmであることが更に好ましい。
次いで、水分散体と水難溶性のアミン又はその塩とを混合することで本発明の水系インクを得ることができる。
本発明の水系インク中での、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの中和度は、水系インクの保存安定性の点から、10〜200%であることが好ましく、さらには20〜150%、特には50〜150%であることが好ましい。なお、中和度(%)は下記式により算出した。
水溶性の塩基性化合物と水難溶性のアミン又はその塩の重量比は、本発明の水系インクの安定性と印字濃度の点から、1/10〜10/1が好ましく、1/5 〜5/1が更に好ましい。
また、アニオン性基が水酸化ナトリウムで100%中和された水不溶性ポリマーの25℃での水に対する溶解度は、水分散体の安定性の点から、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、1重量%以下であることが更に好ましい。
分散体から有機溶媒を蒸発除去して水分散体とする際の条件としては、分散体の熱的劣化を抑制する観点から、20〜80℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
各実施例及び比較例にて調製した水性インクの性能は下記方法に基づいて評価した。
(保存安定性)
各実施例及び比較例にて調製したインク各1gをガラスカップにとり、圧力0.02MPa、温度40℃の条件で12時間保持し、その前後で着色剤粒子の平均粒径を計測し、以下の式で示される平均粒径の増大率を、以下の評価基準に基づいて評価した。
平均粒径の増大率=(12時間保持後の粒径/12時間保持前の粒径)×100
○:250未満、実用上の支障全く無し
△:250以上350未満、実用上支障無し
×:350以上、実用上支障あり
(印字濃度)
セイコーエプソン社製プリンター(型番:EM-930C )を用い、各実施例及び比較例にて調製したインクを用いて市販の普通紙(XEROX4200)にベタ印字し、25℃で1時間放置後、印字濃度をマクベス濃度計(マクベス社製、品番:RD914) で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:印字濃度が1.2 以上
○:印字濃度が1.1以上1.2未満
△:印字濃度が1.0以上1.1未満
×:印字濃度が1.0未満
(中和度の測定方法)
前述した方法によって測定した。
反応容器内に、メチルエチルケトン10部、2−メルカプトエタノール0.03部、スチレンマクロモノマー溶液3部、スチレンモノマー7.1部、メタクリル酸1.4部を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、2−メルカプトエタノール0.27部、スチレンマクロモノマー溶液27部、スチレンモノマー63.5部、メタクリル酸12.6部、メチルエチルケトン50部及び2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後、2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)0.3 部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に75℃で2時間、またさらに2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え80℃で1時間熟成させることで、アニオン性基がカルボキシル基であるポリマーを得た。
得られたアニオン性基を有する水不溶性ポリマーを、標準物質としてポリスチレン、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定した。その結果、重量平均分子量は35000であった。
なお、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーに用いる化合物の詳細は、以下のとおりである。
メチルエチルケトンおよび2−メルカプトエタノール:和光純薬社製試薬 一級
2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル):和光純薬社製、商品名「V−65」
スチレンマクロモノマー溶液:東亜合成(株)製、商品名「AS−6S(スチレンマクロモノマー)、固形分50%、数平均分子量:6000
スチレンモノマー:和光純薬工業社製試薬 特級
メタクリル酸:和光純薬工業社製試薬 特級
メタクリル酸の代わりに、アシッドホスホオキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート[ユニケミカル社製、商品名「ホスマーPP」酸価238.0KOHmg/g]を用いたこと以外は、合成例1と同様にして、アニオン性基がリン酸基であるポリマーを得た。重量平均分子量は30000であった。
合成例1で得られたアニオン性基を有する水不溶性ポリマー15部(固形分)を、メチルエチルケトン25部に溶かし、その中に中和剤として、5N水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬社製、容量分析用)3.48部を加え、更に着色剤としてカーボンブラック[キャボット社製、商品名「モナーク800」]35部を加えた。これにイオン交換水300部を加えて攪拌した後、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)を用いて、30分間乳化した。
得られた混合物にイオン交換水120部を加えて攪拌した後、減圧下、70℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、固形分濃度が20%のカーボンブラック水分散体1を得た。
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーとして合成例2で得られたポリマーを用い、5N水酸化ナトリウム水溶液を1.27部用いた以外はすべて製造例1と同様にして、カーボンブラック水分散体2を得た。
着色剤としてカーボンブラックの代わりに、シアン顔料として大日本インキ工業(株)、商品名「Fastogen Blue TGR-SD」を用いたこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度が15%のシアン顔料水分散体3を得た。
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部、グリセリン(和光純薬社製試薬 特級)10部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(和光純薬社製試薬 特級)7部、界面活性剤[エアプロダクツ社製、商品名「サーフィノール465」]1部、n−オクチルアミン(溶解度0.02g/100g)(和光純薬社製試薬 特級)0.125部、防腐剤[ZENECA社製、商品名「プロキセルXL2(S)」]0.3部を混合し、イオン交換水を加えて計100部とし、5μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム(株)製〕を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過して粗大粒子を除去し、水系インク1を得た。 水系インク1について、上記方法にて評価した。結果を第1表に示す。
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部の代わりに、製造例2で得られたカーボンブラック水分散体2(固形分20%)24.7部を用い、n−オクチルアミン0.045部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、水系インク2を得た。水系インク2について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部の代わりに、製造例3で得られたシアン顔料水分散体3(固形分20%)24.7部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、水系インク3を得た。水系インク3について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
n−オクチルアミン(溶解度0.02g/100g)(和光純薬社製試薬 特級)0.125部の代わりに、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン(溶解度1.5g/100g)(和光純薬社製試薬 特級)0.188部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、水系インク4を得た。水系インク4について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部の代わりに、製造例2で得られたカーボンブラック水分散体2(固形分20%)24.7部を用い、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン0.188部の代わりに0.066部を用いたこと以外は実施例4と同様にして、水系インク5を得た。水系インク5について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例5において、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン0.066部の代わりにアニリン(溶解度3.6g/100g)0.033部(シグマアルドリッチジャパン(株)製試薬)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、水系インク6
を得た。水系インク6について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例5において、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン0.066部の代わりにL-ロイシンアミド塩酸塩0.055部(シグマアルドリッチジャパン(株)製
試薬)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、水系インク7を得た。水系インク7について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部の代わりに、製造例3で得られたシアン顔料水分散体3(固形分20%)24.7部を用いたこと以外は実施例4と同様にして、水系インク8を得た。水系インク8について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例1においてn−オクチルアミン0.125部の代わりにトリエタノールアミン(溶解度100g以上/100g)0.144部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較水系インク1を得た。比較水系インク1について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例1においてn−オクチルアミン0.125部の代わりにイオン交換水を用いたこと以外実施例1と同様にして、比較水系インク2を得た。比較水系インク2について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例2においてn−オクチルアミン0.045部の代わりにトリエタノールアミン0.052部を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較水系インク3を得た。比較水系インク3について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例2においてn−オクチルアミン0.045部の代わりにイオン交換水0.04部(イオン交換水は計58.04部)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較水系インク4を得た。比較水系インク4について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例3においてn−オクチルアミン0.125部の代わりにトリエタノールアミン0.144部を用いたこと以外は実施例3と同様にして、比較水系インク5を得た。比較水系インク5について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例3においてn−オクチルアミン0.125部の代わりにイオン交換水を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較水系インク6を得た。比較水系インク6について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
Claims (10)
- 水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を配合してなるインクジェット記録用水系インク。
- 水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を含有するインクジェット記録用水系インク。
- 前記アニオン性基の少なくとも一部が、水溶性の塩基性化合物及び/又は水難溶性のアミンで中和されてなる請求項2記載のインクジェット記録用水系インク。
- 中和度が10〜200%である請求項3に記載のインクジェット記録用水系インク。
- 水難溶性のアミン又はその塩の配合量又は含有量が、0.0001〜10重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
- アニオン性基を有する水不溶性ポリマーが、(A)アニオン性基含有モノマーと、(B)疎水性モノマーとを含有するモノマー混合物を重合させて得られたビニルポリマーである請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
- 水溶性の塩基性化合物と水難溶性のアミン又はその塩の重量比が、1/10〜10/1である請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
- 着色剤が顔料である請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
- アニオン性基を有する水不溶性ポリマーと水溶性の塩基性化合物とを混合して得られた混合物と、水難溶性のアミン又はその塩とを混合する工程を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
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