JP2005298719A - 水系インク及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実用上充分な保存安定性を確保しつつ、高印字濃度を発現できるインクジェット記録用水系インクを提供すること。
【解決手段】 水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を配合又は含有してなるインクジェット記録用水系インク、及び前記アニオン性基を有する水不溶性ポリマーと、水溶性の塩基性化合物とを混合して得られた混合物と、水難溶性のアミン又はその塩とを混合する工程を有するインクジェット記録用水系インクの製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録用に好適に使用しうる水系インク及びその製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、被記録部材として普通紙が使用可能であって、さらに被記録部材に対して非接触である、という数多くの利点があるため、普及が著しい。
これらインクジェット記録用として用いられるインクでは、一般に、耐光性に優れるとの理由から、インクの着色剤として、顔料が用いられる(例えば特許文献1参照)。そして、印字濃度を高めるためには、インク中の顔料の含有量を増加させる方法がとられるが、インクの安定性に影響する傾向があるため、安定性を保持しつつ、更に印字濃度を高めることが求められている。
本発明者らは、耐光性に優れ、高印字濃度を付与し得るインクジェット用水系インクとして、塩生成基含有モノマー、マクロマー、及びこれらと共重合可能なモノマーを含むモノマー混合物を共重合させたビニルポリマー粒子の水分散体を含有する水系インクを提供した(特許文献2、特許請求の範囲参照)。本発明はこれをさらに改良するものである。
特開平8−183920号公報 国際公開WO00/39226公報
本発明は、インクジェット記録用水系インクにおいて、実用上充分な保存安定性を確保しつつ、高印字濃度を発現できるインクジェット記録用水系インクを提供することを課題とするものである。
本発明は、水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を配合してなるインクジェット記録用水系インク;水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を含有するインクジェット記録用水系インク;並びにアニオン性基を有する水不溶性ポリマーと、水溶性の塩基性化合物とを混合して得られた混合物と、水難溶性のアミン又はその塩とを混合する工程を有する前記インクジェット記録用水系インクの製造方法に関する。
本発明の水系インクは、実用上の保存安定性に優れるとともに、普通紙に印字した際に高い印字濃度を得ることができる。また本発明の製造方法によれば、効率的に本発明の水系インクを製造することができる。
本発明は、水難溶性のアミン又はその塩を、インクジェット記録用水系インクに用いる点に大きな特徴がある。
本発明の水系インクおける各構成要素について、以下詳細に説明する。
(アニオン性基を有する水不溶性ポリマー)
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーは、後に詳述する顔料や疎水性染料等の着色剤の水系インク中での分散性を高める機能を果たすものである。
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの構造や組成については、上述の機能を果たすものであれば、特に制限はないが、エチレン性不飽和結合を有するモノマーから得られるビニルポリマーが好ましい。さらに具体的には、水分散体として安定であるために、(A)アニオン性基含有モノマー〔以下、(A)成分という〕と、(B)疎水性モノマー〔以下、(B)成分という〕とを含有するモノマーの混合物を重合させてなるビニルポリマーが挙げられる。
(A)成分のアニオン性基含有モノマーの例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられ、これらのうち不飽和基がビニル基であるモノマーが好適に用いられる。
これらのモノマーを用いることにより、アニオン性基がカルボキシル基であるポリマー、スルホン酸基であるポリマー、リン酸基であるポリマーをそれぞれ得ることができる。これらのモノマーはそれぞれ単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、(メタ)アクリル酸が好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味する。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好ましい。
不飽和リン酸モノマーとしては、アシッドホスホオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
(B)成分の疎水性モノマーとしては、アニオン性基含有モノマーと共重合可能な疎水性モノマーであれば任意のものが使用可能であり、アルキル(メタ)アクリレート、芳香環含有モノマー、マクロマー等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のエステル部分が炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、本明細書にいう「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、「イソ」又は「ターシャリー」で表される枝分かれ構造が存在している場合と存在しない場合(ノルマル)の両者を示すものである。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを示す。
芳香環含有モノマーとしては、耐水性の観点から、スチレン、α―メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸及びネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。これらの中ではスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた1種以上が、印字濃度向上性、耐水性及び耐擦過性の観点からより好ましい。
マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500〜500,000、より好ましくは1,000〜10,000 であるマクロマーが挙げられる。
なお、マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
マクロマーの具体例としては、それぞれ片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー、シリコーン系マクロマー、メチルメタクリレート系マクロマー、スチレン・アクリロニトリル系マクロマー、ブチルアクリレート系マクロマー、イソブチルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。これらの中では、水不溶性ポリマーに顔料などの着色剤を十分に内包させる観点から、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー及びシリコーン系マクロマーが好ましく、特にスチレン系マクロマーが好ましい。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有するスチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
片末端に重合性官能基を有するスチレンと、他のモノマーとの共重合体において、他のモノマーとしては、特に制限されず、例えばアクリロニトリル等が挙げられる。また、該共重合体におけるスチレンの含有量は、顔料などの着色剤が十分に水不溶性ポリマーに内包されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS−6,AS−6S,AN−6,AN−6S,HS−6,HS−6S等が挙げられる。
シリコーン系マクロマーの中では、一般式(2):
X(Y)qSi(R43-r(Z)r ・・・(2)
(式中、Xは重合可能な不飽和基、Yは2価の結合基、R4は水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基であって、R4が複数ある場合にはこれらは同一であっても、異なっていてもよい。Zは500以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基、qは0又は1、rは1〜3の整数を示す。)
で表されるシリコーン系マクロマーが、インクジェットプリンターのヘッドの焦げ付きを防止する観点から好ましい。
更に、(A)成分と(B)成分を含有するモノマーの混合物には、(C)成分として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、又は下記一般式(3)で示されるポリオキシアルキレン単位を有するモノマー等のノニオン性の親水性モノマーを用いることができる。
CH2=CR5COO(AO)p6 ・・・(3)
〔式中、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン単位(但し、p個のオキシアルキレン単位は、同一でも異なっていてもよい。)であり、オキシアルキレン単位が異なる場合は、ブロック付加、ランダム付加、及び交互付加のいずれでもよい。R5は水素原子又はメチル基、pは1〜50の数、R6は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。〕
具体的には、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーは、(A)成分と(B)成分、更に必要により(C)成分を任意に組み合わせて混合したモノマーを重合して得ることができる。各成分の連鎖の様式については特に制限は無く、ランダム、ブロック、グラフト、およびこれらの組み合わせからなるすべての様式が有効である。
本発明で用いるアニオン性基を有する水不溶性ポリマーにおける(A)成分の含量(原料モノマー基準)は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜40重量%である。
(B)成分の含量(原料モノマー基準)は、印字濃度及び分散安定性の観点から、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは60〜98重量%である。また、(B)成分としてマクロマーを使用する場合、(B)成分におけるマクロマーの含量(原料基準)は、耐水性及び耐擦過性を向上させる観点から、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
さらに、(C)成分の含量(原料基準)は、吐出安定性の観点から、好ましくは0〜45重量%、より好ましくは0〜30重量%である。
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー(混合物)を(共)重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が重合の簡便さの点で好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。また、極性有機溶媒を水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。
なお、重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物が好適である。また、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもできる。
ラジカル重合開始剤の量は、モノマー(混合物)に対して、好ましくは0.001〜5モル%、より好ましくは0.01〜2モル%である。
ポリマーの重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるが、通常、重合温度は30〜100℃、好ましくは50〜80℃であり、重合時間は1〜20時間程度である。また、重合雰囲気は窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。重合反応の終了後、再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、反応溶液からアニオン性基を有する水不溶性ポリマーを単離することができる。また、得られたアニオン性基を有する水不溶性ポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
本発明で用いられるアニオン性基を有する水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、調製方法の簡便さ及び水性インクの要求性能の観点から、1万〜100万の範囲内であるものが好ましく、1万5千〜50万であるものが更に好ましい。ここで、重量平均分子量は、標準物質としてポリスチレン、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量を意味する。
分子量の調整には、公知の連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤の具体例としては、メルカプトエタノール、チオグリセロール、ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ステアリルメルカプタンなどのメルカプト化合物;四塩化炭素、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素化合物;ジチオエタノール、ジチオフェノールなどのジチオ化合物等が挙げられる。
本発明で用いられるアニオン性基を有する水不溶性ポリマーの酸価(KOHmg/g)は、安定な分散体とするために、10〜200が好ましく、30〜130が更に好ましい。
(水溶性の塩基性化合物)
水溶性の塩基性化合物は、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーのアニオン性基の一部又は全部を中和するのに用いられる。本発明において水溶性とは、20℃の水100gに溶解させたときに、その溶解度が50g以上であることをいう。
水溶性の塩基性化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのような金属の炭酸塩および炭酸水素塩;トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン;アンモニア等が挙げられる。
これらのうち、本発明の水系インクの安定性を確保する観点から、アルカリ金属の水酸化物が好ましい。
(着色剤)
本発明における着色剤は、任意の顔料及び染料が使用できるが、耐光性が高い、耐水性が高いという観点から顔料及び疎水性染料が好ましく、特に顔料が好ましい。また、必要により、顔料と染料を併用してもよい。
顔料の具体例としては、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物等の無機顔料、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等の有機顔料が挙げられるが、その中でも塩基性基を有する顔料誘導体を含まないものが好ましい。
ここで顔料誘導体とは、顔料骨格に特定の構造の置換基を導入したもので、顔料の種々の特性を調整するために、微量添加されるものを意味する。また、塩基性基とは、アミノ基などの塩基性を示す置換基を意味する。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー 13,17,74,83, 97,109,110,120,128,139,151,154,155,174,180、C.I.ピグメント・レッド 48,57:1,122,146,176,184,185,188,202、C.I.ピグメント・バイオレット 19,23、C.I.ピグメント・ブルー 15, 15:1,15:2,15:3,15:4,16,60、C.I.ピグメント・グリーン 7,36等が挙げられる。
疎水性染料は、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー粒子で被覆又は該ポリマー中に内包させることができるものであれば、その種類には特に制限がない。疎水性染料の例としては、油性染料、分散染料等が挙げられる。疎水性染料の溶解度は、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー粒子に効率よく内包させる観点から、水分散体の製造時に疎水性染料を溶解させるために使用される有機溶媒に対して、2g/L以上が好ましく、20〜500g/Lがより好ましい。
油性染料としては、特に限定されるものではないが、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29,34,45、C.I.ソルベント・イエロー 14,16,29,56, 82,83:1、C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73、C.I.ソルベント・バイオレット 3、C.I.ソルベント・ブルー 2,4,11, 44,64,70、C.I.ソルベント・グリーン 3,7、C.I.ソルベント・オレンジ 2等が挙げられる。
分散染料としては、特に限定されるものではないが、好ましい例としては、C.I.ディスパーズ・イエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124, 126,160,184:1,186,198,199,204,224,237、C.I.ディスパーズ・オレンジ13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119,163、C.I.ディスパーズ・レッド54,60,72,73,86,88,91,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356,362、C.I.ディスパーズ・バイオレット33、C.I.ディスパーズ・ブルー56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197, 198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365,368、C.I.ディスパーズ・グリーン6:1,9等が挙げられる。これらの中では、イエローとしてC.I.ソルベント・イエロー29及び30、シアンとしてC.I.ソルベント・ブルー70、マゼンタとしてC.I.ソルベント・レッド18及び49、ブラックとしてC.I.ソルベント・ブラック3、7及びニグロシン系の黒色染料が好ましい。
商業的に入手しうる油性染料としては、例えば、Nubian Black PC-0850、Oil Black HBB 、Oil Black 860 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B 、Oil Scarlet 308 、Vali Fast Blue 2606 、Oil Blue BOS〔以上、オリエント化学(株)製、商品名〕、Neopen Yellow 075 、Neopen Mazenta SE1378 、Neopen Blue808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238〔以上、BASF社製、商品名〕等が挙げられる。
(水難溶性のアミン又はその塩)
本発明における水難溶性のアミン又はその塩としては、水への難溶性を示すものであれば、特に限定されず、任意のものを用いることができる。より具体的には、20℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が20g以下であることが好ましく、その溶解量が2g以下であることが更に好ましい。なお、アミンは、塩となっていてもよいが、溶解度は塩を形成していないアミンとして測定する。
本発明の水難溶性のアミンとしては、炭素数6〜44の脂肪族アミン、炭素数6〜36の芳香族アミン、及び下記一般式(1)で表わされるアミンが好ましく挙げられる。
Figure 2005298719
(式中、R1、R2及びR3の内、少なくとも1つは、エーテル結合又はアミド結合を有する炭素数4〜22の炭化水素基を示し、残余のR1、R2及びR3は、同一又は異なって、炭素数1〜22の炭化水素基又は水素原子を示す。)
これらの水難溶性のアミンは、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
炭素数6〜44の脂肪族アミンは、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を1〜3個有する、第一級、第二級及び第三級のいずれのアミンであっても良い。第一級アミンとしては、炭素数6〜24、更には炭素数6〜22、特には炭素数8〜18のアルキルアミンが好ましく、具体例として、ヘキシルアミン(1.9g/100g)、n−オクチルアミン(0.02g/100g)、2−エチルへキシルアミン(0.25g/100g)、t−オクチルアミン、デシルアミン、イソデシルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン等が挙げられる。ここで、()内は、20℃の水100gに溶解させたときの溶解を示し、以下も同様である。
第二級アミンとしては、総炭素数6〜44、更には総炭素数8〜36、特には総炭素数8〜24のジアルキルアミンが好ましく、具体例として、ジブチルアミン(0.3g/100g)、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−2−エチルへキシルアミン、ジデシルアミン等が挙げられる。
また、第三級アミンとしては、総炭素数6〜44、更には総炭素数8〜36、特には総炭素数8〜24のトリアルキルアミンが好ましく、具体例として、トリエチルアミン(17g/100g)、トリプロピルアミン(0.25g/100g)、トリブチルアミン(0.0386g/100g)、トリアミルアミン、トリへキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリドデシルアミン、ジメチル−n−オクチルアミン、ジメチル−2−エチルヘキシルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジメチルステアリルアミン等が挙げられる。
本発明における炭素数6〜36の芳香族アミンは、窒素原子に結合する置換基が、脂肪族炭化水素基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基であり、また芳香環構造の中に窒素原子が組み入れられた、いわゆる窒素原子を含む複素環化合物をも包含するものである。なお、複素環化合物においても、脂肪族炭化水素基を置換基として有していてもよい。
芳香族アミンの具体例としては、2−エチルピリジン(4.5g/100g)、4−エチルピリジン(4.7g/100g)、アニリン(3.6g/100g)、N,N−ジメチルアニリン等の炭素数6〜22のアリール基(アルキルアリール基、アリールアルキル基を含む)を有するアミン、フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
また本発明の脂肪族アミンおよび芳香族アミンは、ジアミン、トリアミンなどの多価アミンであってもよい。具体的にはデカンジアミン、フェニレンジアミンなどが挙げられる。
上記一般式(1)で表されるアミンにおいて、R1、R2及びR3の内、少なくとも1つは、炭素数4〜22のエーテル結合又はアミド結合を有する炭化水素基であり、好ましくは炭素数6〜22、更に好ましくは炭素数6〜18の、エーテル結合又はアミド結合を有する炭化水素基である。
本発明においてエーテル結合を有する置換基としては、エトキシプロピル、ブトキシプロピル、2−エチルヘキシルオキシプロピル、ラウリルオキシプロピル基等が挙げられる。また、本発明においてアミド結合を有する置換基としては、2−アセトアミノ−2−メチル−エチル基などが挙げられる。
残余のR1、R2及びR3は、同一又は異なって、炭素数1〜22の炭化水素基又は水素原子であるが、インクの保存安定性の点より、炭素数1〜3のアルキル基、又は水素原子が好ましい。炭素数1〜3のアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
本発明における一般式(1)で表わされる水難溶性のアミンの具体的例としては、ブトキシプロピルアミン、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン(1.5g/100g)、ラウロキシプロピルアミン(0.1g/100g)などが挙げられる。
なお、本発明において、水難溶性のアミン又はその塩は、2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
水難溶性のアミン塩を生成するには、水難溶性のアミンと塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、スルファミン酸、トルエンスルホン酸、乳酸、ピロリドン−2−カルボン酸、コハク酸などで酸中和物とすることにより得ることができる。
水難溶性のアミン塩は、本発明のインク中、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーのアニオン性基によって形成されても良い。
(水系インク及びその製法)
本発明の水系インクは、水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を配合又は含有してなるものである。またこれらの成分を含有し、アニオン性基の少なくとも一部が、水溶性の塩基性化合物及び/又は水難溶性のアミンで中和されてなる。
水系インク中における着色剤の含有率は、印字濃度を高める点から、1〜20重量%が好ましく、2〜10重量%がさらに好ましい。
また、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの配合量又は含有量は、着色剤の分散性の点から、インク全体を基準として1〜20重量%が好ましく、2〜10重量%がさらに好ましい。
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーと着色剤の量比(混合時)については、印字濃度を高める観点から、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの固形分100重量部に対して、好ましくは20〜1000重量部、より好ましくは40〜800重量部、更に好ましくは60〜600重量部である。
水系インク中、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの量にもよるが、一般に水難溶性のアミン又はその塩の配合量又は含有量は、0.0001〜10重量%が好ましく、0.001〜1重量%が更に好ましく、水溶性の塩基性化合物は、0.0001〜10重量%が好ましく、0.001〜1重量%が更に好ましい。
本発明の水系インクの製造方法について制限はないが、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーと水溶性の塩基性化合物とを混合して得られた混合物と、水難溶性のアミン又はその塩とを混合する工程を有することが好ましい。この工程を有することによって、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの水分散性を損なうことなく、かつ、これを用いてなる本発明の水系インクに高印字濃度発現性を付与することができる。
具体的には、着色剤が顔料又は疎水性の染料の場合、まずアニオン性基を有する水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させる。ここで、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーは、有機溶媒に完全に溶解する必要はない。次いで、この溶液に、水、水溶性の塩基性化合物、及び必要に応じて界面活性剤を加えて乳化させ、分散体を得る(以下、単に「分散体」という)。分散体への着色剤の混合時期については特に限定されない。具体例としては、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させた後や、水溶性の塩基性化合物を加えて水不溶性ポリマーを中和させた後などが挙げられるが、これに限定されるわけではない。さらには分散体と着色剤を混合した後、さらなる混合/分散をさせる工程を有していても良い。
前記分散体を得た後、有機溶媒を留去して水系に転相し、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体を製造する(以下、「水分散体」という)。ここで着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子としては、着色剤と水不溶性ポリマーにより粒子が形成されていれば、その粒子形態は特に限定されるものではなく、例えば、水不溶性ポリマーに着色剤が内包された粒子形態、水不溶性ポリマーに着色剤が均一に分散した粒子形態、水不溶性ポリマーに着色剤の一部が包含されてはいるが、粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等が挙げられる。
水難溶性のアミン又はその塩を混合する前及び水系インク中の、水分散体における着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒径は、50〜200nmであることが、本発明の水系インクの安定性を確保する観点から好ましく、75〜150nmであることが更に好ましい。
次いで、水分散体と水難溶性のアミン又はその塩とを混合することで本発明の水系インクを得ることができる。
水不溶性ポリマーを溶解させるための有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの中では、親水性を有するものが好ましく、アセトン及びメチルエチルケトンがより好ましい。
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーは、分散体において水溶性の塩基性化合物によって中和され、さらにその後添加される水難溶性のアミンによって中和される。
本発明の水系インク中での、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの中和度は、水系インクの保存安定性の点から、10〜200%であることが好ましく、さらには20〜150%、特には50〜150%であることが好ましい。なお、中和度(%)は下記式により算出した。
Figure 2005298719
ここでNk(g)は、水系インクに配合又は含有される水溶性の塩基性化合物と水難溶性のアミンの各々の重量を意味し、Nkの当量は、前記水溶性の塩基性化合物と水難溶性のアミンの各々の当量を意味する。nは、整数で、前記水溶性の塩基性化合物と水難溶性のアミンの種類の合計数を意味する。
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーのアニオン性基は、上述のように、水溶性の塩基性化合物で中和されていても、水難溶性のアミンで中和されていてもよいが、水溶性の塩基性化合物による中和度は、本発明の水系インクの安定性を確保する観点から、5〜100%が好ましく、10〜75%であることが更に好ましく、25〜75%が特に好ましい。一方、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの水難溶性のアミンによる中和度は、本発明の水系インクに高印字濃度発現性を付与する観点から、5〜100%が好ましく、10〜75%であることが更に好ましく、25〜75%が特に好ましい。
水溶性の塩基性化合物と水難溶性のアミン又はその塩の重量比は、本発明の水系インクの安定性と印字濃度の点から、1/10〜10/1が好ましく、1/5 〜5/1が更に好ましい。
また、アニオン性基が水酸化ナトリウムで100%中和された水不溶性ポリマーの25℃での水に対する溶解度は、水分散体の安定性の点から、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、1重量%以下であることが更に好ましい。
分散体を製造する際には、例えば、ディスパーやバタフライミキサー等の混合装置を用いることができる。得られた混合物の分散の際に用いられる分散装置としては、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速撹拌型分散機等が挙げられる。
分散体から有機溶媒を蒸発除去して水分散体とする際の条件としては、分散体の熱的劣化を抑制する観点から、20〜80℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
なお、水系インク中、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒径は、大塚電子(株)製の光散乱光度計「ELS-8000」を用いて測定した値である。測定条件は、温度が25℃、入射光と検出器との角度が90°、積算回数が100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333) を入力した。また標準物質としてセラディン(Seradyn) 社製のユニフォーム・マイクロパーティクルズ (平均粒径204nm)を用いた。
本発明の水系インクのpHは、4〜10が好ましい。また、本発明の水系インクには、水が好ましくは40〜90重量%、更に好ましくは50〜80重量%含有されている。更に、各種添加剤、例えば、多価アルコール等の湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤、pH調整剤等を必要により含有する。
以下、実施例を用いて詳細に説明する。部は、重量部、%は、重量%を示す。
各実施例及び比較例にて調製した水性インクの性能は下記方法に基づいて評価した。
(保存安定性)
各実施例及び比較例にて調製したインク各1gをガラスカップにとり、圧力0.02MPa、温度40℃の条件で12時間保持し、その前後で着色剤粒子の平均粒径を計測し、以下の式で示される平均粒径の増大率を、以下の評価基準に基づいて評価した。
平均粒径の増大率=(12時間保持後の粒径/12時間保持前の粒径)×100
○:250未満、実用上の支障全く無し
△:250以上350未満、実用上支障無し
×:350以上、実用上支障あり
(印字濃度)
セイコーエプソン社製プリンター(型番:EM-930C )を用い、各実施例及び比較例にて調製したインクを用いて市販の普通紙(XEROX4200)にベタ印字し、25℃で1時間放置後、印字濃度をマクベス濃度計(マクベス社製、品番:RD914) で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:印字濃度が1.2 以上
○:印字濃度が1.1以上1.2未満
△:印字濃度が1.0以上1.1未満
×:印字濃度が1.0未満
(中和度の測定方法)
前述した方法によって測定した。
合成例1(アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの合成 酸価 91KOHmg/g)
反応容器内に、メチルエチルケトン10部、2−メルカプトエタノール0.03部、スチレンマクロモノマー溶液3部、スチレンモノマー7.1部、メタクリル酸1.4部を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、2−メルカプトエタノール0.27部、スチレンマクロモノマー溶液27部、スチレンモノマー63.5部、メタクリル酸12.6部、メチルエチルケトン50部及び2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後、2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)0.3 部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に75℃で2時間、またさらに2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え80℃で1時間熟成させることで、アニオン性基がカルボキシル基であるポリマーを得た。
得られたアニオン性基を有する水不溶性ポリマーを、標準物質としてポリスチレン、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定した。その結果、重量平均分子量は35000であった。
なお、アニオン性基を有する水不溶性ポリマーに用いる化合物の詳細は、以下のとおりである。
メチルエチルケトンおよび2−メルカプトエタノール:和光純薬社製試薬 一級
2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル):和光純薬社製、商品名「V−65」
スチレンマクロモノマー溶液:東亜合成(株)製、商品名「AS−6S(スチレンマクロモノマー)、固形分50%、数平均分子量:6000
スチレンモノマー:和光純薬工業社製試薬 特級
メタクリル酸:和光純薬工業社製試薬 特級
合成例2(アニオン性基を有する水不溶性ポリマーの合成 酸価 33KOHmg/g)
メタクリル酸の代わりに、アシッドホスホオキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート[ユニケミカル社製、商品名「ホスマーPP」酸価238.0KOHmg/g]を用いたこと以外は、合成例1と同様にして、アニオン性基がリン酸基であるポリマーを得た。重量平均分子量は30000であった。
製造例1
合成例1で得られたアニオン性基を有する水不溶性ポリマー15部(固形分)を、メチルエチルケトン25部に溶かし、その中に中和剤として、5N水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬社製、容量分析用)3.48部を加え、更に着色剤としてカーボンブラック[キャボット社製、商品名「モナーク800」]35部を加えた。これにイオン交換水300部を加えて攪拌した後、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)を用いて、30分間乳化した。
得られた混合物にイオン交換水120部を加えて攪拌した後、減圧下、70℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、固形分濃度が20%のカーボンブラック水分散体1を得た。
製造例2
アニオン性基を有する水不溶性ポリマーとして合成例2で得られたポリマーを用い、5N水酸化ナトリウム水溶液を1.27部用いた以外はすべて製造例1と同様にして、カーボンブラック水分散体2を得た。
製造例3
着色剤としてカーボンブラックの代わりに、シアン顔料として大日本インキ工業(株)、商品名「Fastogen Blue TGR-SD」を用いたこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度が15%のシアン顔料水分散体3を得た。
実施例1
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部、グリセリン(和光純薬社製試薬 特級)10部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(和光純薬社製試薬 特級)7部、界面活性剤[エアプロダクツ社製、商品名「サーフィノール465」]1部、n−オクチルアミン(溶解度0.02g/100g)(和光純薬社製試薬 特級)0.125部、防腐剤[ZENECA社製、商品名「プロキセルXL2(S)」]0.3部を混合し、イオン交換水を加えて計100部とし、5μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム(株)製〕を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過して粗大粒子を除去し、水系インク1を得た。 水系インク1について、上記方法にて評価した。結果を第1表に示す。
実施例2
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部の代わりに、製造例2で得られたカーボンブラック水分散体2(固形分20%)24.7部を用い、n−オクチルアミン0.045部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、水系インク2を得た。水系インク2について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例3
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部の代わりに、製造例3で得られたシアン顔料水分散体3(固形分20%)24.7部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、水系インク3を得た。水系インク3について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例4
n−オクチルアミン(溶解度0.02g/100g)(和光純薬社製試薬 特級)0.125部の代わりに、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン(溶解度1.5g/100g)(和光純薬社製試薬 特級)0.188部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、水系インク4を得た。水系インク4について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例5
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部の代わりに、製造例2で得られたカーボンブラック水分散体2(固形分20%)24.7部を用い、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン0.188部の代わりに0.066部を用いたこと以外は実施例4と同様にして、水系インク5を得た。水系インク5について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例6
実施例5において、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン0.066部の代わりにアニリン(溶解度3.6g/100g)0.033部(シグマアルドリッチジャパン(株)製試薬)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、水系インク6
を得た。水系インク6について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例7
実施例5において、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン0.066部の代わりにL-ロイシンアミド塩酸塩0.055部(シグマアルドリッチジャパン(株)製
試薬)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、水系インク7を得た。水系インク7について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
実施例8
製造例1で得られたカーボンブラック水分散体1(固形分20%)24.7部の代わりに、製造例3で得られたシアン顔料水分散体3(固形分20%)24.7部を用いたこと以外は実施例4と同様にして、水系インク8を得た。水系インク8について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
比較例1
実施例1においてn−オクチルアミン0.125部の代わりにトリエタノールアミン(溶解度100g以上/100g)0.144部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較水系インク1を得た。比較水系インク1について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
比較例2
実施例1においてn−オクチルアミン0.125部の代わりにイオン交換水を用いたこと以外実施例1と同様にして、比較水系インク2を得た。比較水系インク2について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
比較例3
実施例2においてn−オクチルアミン0.045部の代わりにトリエタノールアミン0.052部を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較水系インク3を得た。比較水系インク3について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
比較例4
実施例2においてn−オクチルアミン0.045部の代わりにイオン交換水0.04部(イオン交換水は計58.04部)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較水系インク4を得た。比較水系インク4について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
比較例5
実施例3においてn−オクチルアミン0.125部の代わりにトリエタノールアミン0.144部を用いたこと以外は実施例3と同様にして、比較水系インク5を得た。比較水系インク5について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
比較例6
実施例3においてn−オクチルアミン0.125部の代わりにイオン交換水を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較水系インク6を得た。比較水系インク6について、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
Figure 2005298719
中和度は、アニオン性水不溶性ポリマーの水系インク中での中和度を示す。インク中、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒径は、全て75〜150nmであった。
本発明によれば、実用上の保存安定性に優れるとともに、普通紙に印字した際に高い印字濃度が得られるインクジェット記録用水系インクを提供することができる。

Claims (10)

  1. 水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を配合してなるインクジェット記録用水系インク。
  2. 水、着色剤、アニオン性基を有する水不溶性ポリマー、水溶性の塩基性化合物、及び水難溶性のアミン又はその塩を含有するインクジェット記録用水系インク。
  3. 前記アニオン性基の少なくとも一部が、水溶性の塩基性化合物及び/又は水難溶性のアミンで中和されてなる請求項2記載のインクジェット記録用水系インク。
  4. 中和度が10〜200%である請求項3に記載のインクジェット記録用水系インク。
  5. 水難溶性のアミンが、炭素数6〜44の脂肪族アミン、炭素数6〜36の芳香族アミン、及び下記一般式(1)で表わされるアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
    Figure 2005298719
    (式中、R1、R2及びR3の内、少なくとも1つは、エーテル結合又はアミド結合を有する炭素数4〜22の炭化水素基を示し、残余のR1、R2及びR3は、同一又は異なって、炭素数1〜22の炭化水素基又は水素原子を示す。)
  6. 水難溶性のアミン又はその塩の配合量又は含有量が、0.0001〜10重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  7. アニオン性基を有する水不溶性ポリマーが、(A)アニオン性基含有モノマーと、(B)疎水性モノマーとを含有するモノマー混合物を重合させて得られたビニルポリマーである請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  8. 水溶性の塩基性化合物と水難溶性のアミン又はその塩の重量比が、1/10〜10/1である請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  9. 着色剤が顔料である請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  10. アニオン性基を有する水不溶性ポリマーと水溶性の塩基性化合物とを混合して得られた混合物と、水難溶性のアミン又はその塩とを混合する工程を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。


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