JP2006010920A - 有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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義明 澤下
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Abstract

【課題】 本発明は、オゾンや窒素酸化物の発生量が少ない接触帯電方式を用いて、長期的に安定した画像形成を行うことが出来る有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
【解決手段】 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いる有機感光体において、表面層が下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有することを特徴とする有機感光体。
【化1】
Figure 2006010920

【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる有機感光体(以後、単に感光体とも云う)、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置関し、更に詳しくは、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いる有機感光体、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
有機感光体はセレン系感光体、アモルファスシリコン感光体のような無機感光体に比して素材の選択の幅が広いこと、環境適性に優れていること、生産コストが安いこと等の大きなメリットがあり、近年無機感光体に代わって電子写真感光体の主流となっている。
他方カールソン法に基づく画像形成方法においては、有機感光体上に帯電、静電潜像を形成し、トナー画像を形成した後、該トナー画像を転写紙に転写し、これを定着して最終画像が形成される。
上記帯電手段の部材として従来代表的に用いられている帯電部材はコロナ放電器が最もよく知られている。コロナ放電器は安定した帯電を行えるという利点を有する。しかし、コロナ放電器は高電圧を印加しなければならないため、イオン化された酸素、オゾン、水分、酸化窒素化合物等の発生量が多いため、有機感光体(以後感光体とも云う)の劣化を招いたり、人体に悪影響を及ぼす等の問題点を有している。
そこで、近年、コロナ放電器を利用しない接触帯電方式を利用することが検討されている。具体的には帯電部材である磁気ブラシや導電性ローラに電圧を印加して、被帯電体である感光体に接触させ、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。このような接触帯電方式を用いればコロナ放電器を用いた非接触帯電方式と比較して低電圧化がはかれ、オゾン発生量も減少する。
接触帯電方式は、感光体に102〜1010Ω・cm程度の抵抗を持つ帯電部材に、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加し、感光体に加圧当接させ、電荷を付与する方法である。この帯電方法は、パッシェンの法則に従い、帯電部材から被帯電体への放電によって行われるため、あるしきい値以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。この接触帯電方式は、コロナ帯電方法と比較すると、帯電部材への印加電圧が低くなり、オゾン及び窒素酸化物の発生量が減少する。
一方、近年の画像形成方法はデジタル化が進展し、有機感光体の静電潜像の形成にはレーザ光を露光光源とした画像形成方法が多く用いられている。
しかしながら、帯電ローラ等との接触帯電方式では、レーザ光露光による干渉縞(以下、モアレとも云う)を防止するために加工された有機感光体の支持体、即ち、表面を切削加工等で粗面化したアルミニウム支持体等を用いると、切削加工面の凸部が接触帯電では絶縁破壊を発生しやすいという問題が発生している。又、有機感光体表面に繰り返し帯電を行なうと、有機感光体に発生した亀裂や汚染等が発生し、その結果、該亀裂や汚染等の部分に電荷が集中し、絶縁破壊や黒ポチ等の画像欠陥の発生を引き起こしやすく、画像ボケも発生しやすい。特に高温高湿、低温低湿等の厳しい条件下でこれらの問題が発生しやすい。
又、有機感光体は接触帯電部材やクリーニング手段との摩擦により、表面が摩耗しやすいという問題を有している。この表面層の摩耗劣化を防止するために、電荷輸送層のバインダーに耐摩耗性が高いポリカーボネート樹脂、即ち、中心炭素原子がシクロヘキシレン基のポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートZ(単に、BPZとも云う)として知られている)を用いる感光体が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、上記バインダーを用いて有機感光体の耐摩耗特性を改良すると、耐摩耗特性は改善されるが、現像剤中のシリカ等の無機外添剤が接触帯電部材の押圧により有機感光体の表面に埋め込まれ、有機感光体の表面がこれら外添剤成分で汚染されやすく、その結果、ダッシュマーク(彗星状の小さなすじ画像)や絶縁破壊が発生しやすい。
前記した絶縁破壊や黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止する為に、導電性支持体のアルミ基体表面をアルマイト加工処理し、有機感光体の電荷リークに対する抵抗力を強め、例え感光層に発生した亀裂や汚染等が発生しても、導電性支持体からの電荷リークを防止することが提案されている(特許文献2)。
しかしながらアルマイト加工処理のアルミ基体を用いた有機感光体はアルマイト加工処理とその後の経時条件のわずかな変動でアルマイト層が変質し、前記した電荷リークの防止効果が安定して得られにくいと云う問題の他に、アルマイト層と感光層との間が電荷トラップサイトとなりやすく、長期的な使用により、徐々に残留電位が蓄積したり、転写メモリー(感光体上のトナー画像を記録材へ転写する時に、感光体にかかる転写帯電が均一に消去されず、次のハーフトーン画像に模様となって発生する現象)が発生しやすい。
特開昭60−172044号公報 特開平5−80567号公報
本発明は、オゾンや窒素酸化物の発生量が少なく、低電力である帯電方法を用いても、さらに長期的に安定した画像形成を行うことが出来る有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
又、本発明の目的は、接触帯電方式の画像形成装置に用いられる有機感光体において、繰り返し使用中に発生しやすい電子写真特性(感度や残留電位等)の劣化を防止し、絶縁破壊や黒ポチ或いはダッシュマーク等の画像欠陥の発生を防止し、鮮鋭性が良好な長期的に安定した画像形成を行うことが出来る有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するために、接触帯電方式に適した有機感光体の要件について詳細に検討した結果、前記した絶縁破壊や黒ポチ或いはダッシュマークの発生を防止するには、有機感光体の表面層を形成する電荷輸送層にエーテル結合のポリカーボネートを用いことが有効であることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の目的は以下のような構成を有することにより達成することができる。
(請求項1)
有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いる有機感光体において、表面層が下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有することを特徴とする有機感光体。
Figure 2006010920
(式中、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
(請求項2)
有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いる有機感光体において、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有し、前記電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有し、表面層を形成していることを特徴とする有機感光体。
(請求項3)
前記ポリカーボネートが前記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される構造単位を有する共重合ポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機感光体。
Figure 2006010920
(式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或は環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、及びアリーレン基を示し、R9〜R16は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
(請求項4)
前記表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項5)
前記酸化防止剤がヒンダードフェノール基を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項6)
前記酸化防止剤がヒンダードアミン基を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項7)
前記有機感光体が導電性支持体上と電荷発生層の間にN型半導性粒子を含有する中間層を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項8)
前記N型半導性粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項7に記載の有機感光体。
(請求項9)
前記N型半導性粒子が酸化チタン又は酸化亜鉛であることを特徴とする請求項8に記載の有機感光体。
(請求項10)
前記N型半導性粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項9に記載の有機感光体。
(請求項11)
前記酸化チタンがアナターゼ形酸化チタン又はルチル形酸化チタンであることを特徴とする請求項10に記載の有機感光体。
(請求項12)
前記N型半導性粒子が表面処理を施されていることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項13)
前記中間層にポリアミド樹脂のバインダーを含有することを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項14)
前記ポリアミド樹脂が融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下のポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項13に記載の有機感光体。
(請求項15)
有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、該有機感光体が、前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有する表面層を有し、該有機感光体と有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段、有機感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び有機感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段の少なくとも1つとが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(請求項16)
有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有する表面層を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明の有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を用いることにより、接触帯電方式で発生しやすい絶縁破壊や黒ポチ或いはダッシュマーク等の画像欠陥を防止し、鮮鋭性が良好な電子写真画像を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機感光体は、有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いる有機感光体であり、表面層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有することを特徴とする。
又、本発明の有機感光体は、有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いる有機感光体であり、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有し、前記電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有し、表面層を形成していることを特徴とする。
本発明の有機感光体は、上記構成を有することにより、接触帯電方式で発生しやすい絶縁破壊や黒ポチ或いはダッシュマークの発生を防止し、長期的に良好な電子写真画像を作製できる。
以下、本発明の有機感光体の構成について説明する。
本発明の有機感光体の表面層は前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有する。該ポリカーボネートを表面層に用いた有機感光体は、接触帯電の帯電手段等で感光体が擦過され、摩耗しても、表面に傷跡が残りにくく、表面に大きな凹凸ができにくいので、絶縁破壊や黒ポチの発生が防止される。
前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートとしては繰り返し単位構造が同一の化学構造を有するポリカーボネートでもよいが、より好ましくは、前記一般式(1)及び一般式(2)の構造単位を有する共重合ポリカーボネートがより好ましい。以下に、本発明に好ましく用いられるポリカーボネートを例示するが、本発明はこれら例示構造のポリカーボネートに限定されるものではない。
Figure 2006010920
Figure 2006010920
Figure 2006010920
一般式(1)及び一般式(2)の構造単位を有する共重合ポリカーボネートの中では、一般式(1)の構造単位を全体の構造体中で30〜70モル%含有する共重合ポリカーボネートが好ましく、50〜70モル%含有する共重合ポリカーボネートがより好ましい。
本発明に用いられる上記ポリカーボネート樹脂は各構造単位を有するジオール化合物を用いてホスゲン法等の一般的なポリカーボネート合成法により得ることができる。
本発明のポリカーボネートの分子量としては、耐ダッシュマーク性や耐摩耗性などの点を考慮すれば、粘度平均分子量(Mv)が10,000から150,000の範囲であることが好ましく、特には15,000〜100,000の範囲であることが好ましい。
本発明の表面層には、前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートと共に酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤と共存させることにより、前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートの劣化(分子量の低下等)を防止でき、表面層の耐摩耗特性が長期に亘り維持される。
本発明の酸化防止剤とは、感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系)
・アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリルジアミン系、ジアリルアミン系)
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)
・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでも良い。
前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。
ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の表面層中の含有量は0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満だとポチが発生しやすく、20質量%より多い含有量では表面層中の電荷輸送能の低下がおこり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下し、筋傷が発生しやすい。
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い。)。
ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が好ましい。
Figure 2006010920
式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
有機リン化合物としては、例えば、一般式:RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
有機硫黄系化合物としては、例えば、一般式:R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙げる。
Figure 2006010920
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Figure 2006010920
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えばヒンダードフェノール系として「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」、ヒンダードアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」が挙げられ、チオエーテル系として「スミライザ−TPS」、「スミライザーTP−D」が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」が挙げられる。
次に、感光層の表面層が電荷輸送層であり、本発明のポリカーボネートを該電荷輸送層に用いた構成について説明する。
電荷輸送層に上記ポリカーボネート樹脂を用いる場合は、電荷輸送層中に占める上記バインダー樹脂の比率が20〜80質量%、好ましくは30〜60質量%である。又、電荷輸送層では上記ポリカーボネート共重合の他に例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂等を併用して用いてもよい。
又、電荷輸送層には電荷輸送物質として、下記一般式(3)で表される化合物をキャリア輸送物質として用いることが好ましい。
Figure 2006010920
〔但し、式中Ar5,Ar6及びAr7は置換又は無置換の芳香族炭化水素又は複素環基を表し、R3は水素原子もしくは置換又は無置換の芳香族炭化水素基又は複素環基を表す。nは2もしくは3である。〕
前記一般式(3)の電荷輸送物質は前記した一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネートとの相溶性が良好であり、これらの電荷輸送物質とポリカーボネートを併用することにより、ミクロな相分離がない均一で異物付着がしにくい電荷輸送層を形成し、ダッシュマークや擦り傷の発生を防止し、ハーフトーン画像の劣化を防止し、且つポチの発生を防止し安定して良好な電子写真画像を形成することができる。
前記一般式(3)の化合物の具体例を下記にあげるが、本発明は該具体例に限定されない。
Figure 2006010920
Figure 2006010920
Figure 2006010920
Figure 2006010920
Figure 2006010920
Figure 2006010920
前記一般式(3)の中でも、Ar5が置換基にメチル基を有するフェニル基であることが好ましく、Ar6は無置換のフェニレン基が好ましく、Ar7は置換又は無置換のフェニル基、R3はフェニル基、特に置換基にメチル基を有するフェニル基が好ましい。
又、前記一般式(3)の化合物中、nが2の化合物が、本発明のポリカーボネートとの相溶性が特に優れ、本発明の効果が顕著に達成できる。
電荷輸送層には前記一般式(3)の電荷輸送物質の他に、他の電荷輸送物質(CTM)としては、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを併用して用いることができる。これら電荷輸送物質の併用では、主たる電荷輸送物質が一般式(3)であることが好ましい。
電荷輸送層中の前記ポリカーボネートを用いたバインダー樹脂と電荷輸送物質の質量比はバインダー100質量部に対し、電荷輸送物質30〜200質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、10〜40μmが好ましい。該膜厚が10μm未満では、ハーフトーン画像の劣化が現れやすく、40μmを超えると残電上昇が起こりやすく、鮮鋭性も劣化しやすい。
又、前記電荷輸送層は2層で構成し、表面層となる電荷輸送層に本発明のポリカーボネートを用いた構成にしてもよい。
次に、上記のような表面層を有する有機感光体の層構成について記載する。
本発明の有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
以下に本発明に用いられる有機感光体の構成について記載する。
導電性支持体
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。本発明の導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に用いられる中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
ここで、N型半導性粒子の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
N型半導性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒子径が3.0〜200nmの範囲の微粒子が好ましい。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなってポチが発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通してハーフトーン画像の劣化が発生しやすい。又、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすく、これもハーフトーン画像の劣化を増大させる。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもアナターゼ形酸化チタン顔料又はルチル形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、ポチの発生を防止することができ、本発明のN型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、又、良好なハーフトーン画像の作製に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH3)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
又、N型半導性粒子は下記一般式(4)で表される反応性有機ケイ素化合物で表面処理したものでもよい。
一般式(4)
(R)n−Si−(X)4-n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(4)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(4)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、一般式(4)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(4)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
また、前記メチルハイドロジェンシロキサン共重合体や反応性有機ケイ素化合物の表面処理に先立ちN型半導性粒子をアルミナ、シリカ等の無機の表面処理を行ってもよい。
なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
前記酸化チタン等のN型半導性微粒子のアルミナ、シリカ或いはジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったN型半導性粒子は以下の様に作製することができる。
N型半導性粒子として酸化チタン粒子を用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で0.5〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇やポチが発生せず、黒ポチを効果的に防止でき、電位変動が小さい良好なハーフトーン画像を作製できる有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を50〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
即ち、中間層にはバインダー樹脂に融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下のポリアミド樹脂が好ましい。該融解熱は0〜30J/gがより好ましく、0〜20J/gが最も好ましい。一方、前記吸水率が5質量%を超えると、中間層中の含水率が上昇し、中間層の整流性が低下し、黒ポチが発生しやすく、ハーフトン画像が劣化しやすい。該吸水率は4質量%以下がより好ましい。
上記樹脂の融解熱はDSC(示差走査熱量測定:Differential Scanning Calorimetory)にて測定する。但し、DSCの測定値と同じ測定値が得られれば、DSC測定法にこだわらない。該融解熱はDSC昇温時の吸熱ピーク面積から求める。
一方、樹脂の吸水率は水中浸漬法による質量変化又はカールフィッシャー法により求める。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これらの樹脂は吸水率が高く、このようなポリアミドを用いた中間層は環境依存性が高くなる傾向にあり、その結果、たとえば高温高湿や低温低湿下の帯電特性や感度等が変化しやすく、黒ポチの発生やハーフトン画像の劣化を起しやすい。
アルコール可溶性ポリアミド樹脂には、上記のような欠点を改良し、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を与えることにより、従来のアルコール可溶性ポリアミド樹脂の欠点を改良し、外部環境が変化しても、又有機感光体の長時間連続使用を行っても、良好な電子写真画像を得ることができる。
以下、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を有するアルコール可溶性ポリアミド樹脂について説明する。
前記アルコール可溶性ポリアミド樹脂としては、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造を全繰り返し単位構造の40〜100モル%含有するポリアミド樹脂が好ましい。
ここで、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造について説明する。前記繰り返し単位構造とはポリアミド樹脂を形成するアミド結合単位を意味する。このことを、繰り返し単位構造がアミノ基とカルボン酸基の両方を持つ化合物の縮合により形成されるポリアミド樹脂(タイプA)と、ジアミノ化合物とジカルボン酸化合物の縮合で形成されるポリアミド樹脂(タイプB)の両方の例で説明する。
即ち、タイプAの繰り返し単位構造は一般式(5)で表され、Xに含まれる炭素数が繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。一方タイプBの繰り返し単位構造は一般式(6)で表され、Yに含まれる炭素数もZに含まれる炭素数も、各々繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。
Figure 2006010920
一般式(5)中、R1は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Xは置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、lは自然数を示す。
Figure 2006010920
一般式(6)中、R2、R3は各水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Y、Zは各置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、m、nは自然数を示す。
前記のごとく、炭素数が7〜30の繰り返し単位構造は置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を有する化学構造等が挙げられるが、これらの中で2価のシクロアルカンを含む基を有する化学構造が好ましい。
上記ポリアミド樹脂は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7〜30であるが、好ましくは9〜25、更には11〜20が良い。またアミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造が全繰り返し単位構造中に占める比率は40〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、更には80〜100モル%が良い。
前記炭素数が7より小だと、ポリアミド樹脂の吸湿性が大きく、電子写真特性、特に繰り返し使用時の電位の湿度依存性が大きく、更に黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすく、ハーフトン画像が劣化しやすい。30より大であるとポリアミド樹脂の塗布溶媒への溶解が悪くなり、中間層の塗布膜形成に適さない。
又、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造が全繰り返し単位構造中に占める比率が40モル%より小さいと、上記効果が小さくなる。
本発明の好ましいポリアミド樹脂としては下記一般式(7)で示される繰り返し単位構造を有するポリアミドが挙げられる。
Figure 2006010920
一般式(7)中、Y1は2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基、Z1はメチレン基、mは1〜3、nは3〜20を示す。
上記一般式(7)中、Y1の2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基は下記化学構造が好ましい。即ち、Y1が下記化学構造を有する本発明のポリアミド樹脂は、黒ポチや擦り傷によるハーフトーン画像の劣化防止の改善効果が見られる。
Figure 2006010920
上記化学構造において、Aは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R4は置換基で、アルキル基を示し、pは1〜5の自然数を示す。但し、複数のR4は同一でも、異なっていても良い。
上記ポリアミド樹脂の具体例としては下記のような例が挙げられる。
Figure 2006010920
Figure 2006010920
Figure 2006010920
上記具体例中の()内の%は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7以上の繰り返し単位構造の比率(モル%)を示す。
上記具体例の中でも、一般式(7)の繰り返し単位構造を有するN−1〜N−4のポリアミド樹脂が特に好ましい。
又、上記ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチやハーフトーン画像の劣化が発生しやすい。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)社製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
例示ポリアミド樹脂(N−1)の合成
攪拌機、窒素、窒素導入管、温度計、脱水管等を備えた重合釜にラウリルラクタム215質量部、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン112質量部、1,12−ドデカンシカルボン酸153質量部及び水2質量部を混合し、加熱加圧下、水を留出させながら9時間反応させた。重合物を取り出し、C13−NMRにより共重合組成を求めたところ、N−1の組成と一致した。尚、上記合成された共重合のメルトフローインデックス(MFI)は(230℃/2.16kg)の条件で、5g/10minであった。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.5μm未満では、黒ポチやハーフトーン画像の劣化が発生しやすく、10μmを超えると、残留電位の上昇やポチが発生しやすく、鮮鋭性が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
又、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108以上である。本発明の中間層及び保護層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる結晶構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θの7.5°、28.7°に顕著な回折ピークを有するチタニルフタロシン、同2θの12.4に最大ピークを有するビスベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜1μmが好ましい。0.01μm未満では十分な感度特性が得られず、残留電位が上昇しやすい。一方、1μmを超えても、感度が低下しやすい。
電荷輸送層
本発明の電荷輸送層としては前記した構成の電荷輸送層を用いる。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
又、これらの各層の塗布溶液は塗布工程に入る前に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。例えば、日本ポール社製のプリーツタイプ(HDC)、デプスタイプ(プロファイル)、セミデプスタイプ(プロファイルスター)等を塗布液の特性に応じて選択し、濾過をすることが好ましい。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられる。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
次に、本発明の接触帯電方式を用いた画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係る接触帯電方式を用いた画像形成装置1の断面概略図である。画像形成装置1は内部に、感光体カートリッジ2、現像カートリッジ3、外部からの画像信号に基づいて変調されたレーザビームを偏向させながら射出する露光装置4、記録紙を供給する給紙装置5、転写ローラ6、定着器7および排紙トレイ8が配設されている。
感光体カートリッジ2は、内部に円筒体の外周面に有機光導電材料の薄膜層を形成して成る感光体21、帯電ブラシ22等を備えている。現像カートリッジ3は、内部に図示せぬ現像スリーブ、攪拌ローラ、およびトナーとキャリアが収容されたトナータンクを備えており、現像スリーブには図示せぬ現像電源から現像バイアスが印加される。両カートリッジには、画像形成装置1への着脱の際に機械的接触による不具合が発生するのを防止するために、画像形成装置1への挿入時には閉状態とされ、画像形成装置1からの取り出し時には開状態とされる図示せぬ保護カバーが設けられている。
画像形成プロセスは周知であるため、以下に、簡略に示すに留める。まず、感光体21表面は帯電ブラシ22により所定の電圧で均一に帯電される。露光装置4は、変調されたレーザビーム(図中に破線矢印で示す)を発生し、このレーザビームを図示せぬポリゴンミラーにより偏向して、感光体21上を偏向走査し、前記帯電面に画像情報に応じた静電潜像を順次に形成していく。トナータンク内のトナーは、攪拌ローラで攪拌された後、現像スリーブ上に供給され、感光体21との対向部で、前記静電潜像に対応したトナー像を形成する。同時に、感光体21表面の露光を受けていない部分(非画像部)に存在する残留トナーは、現像スリーブに印加される現像バイアス電圧と感光体21の表面電位との電位差を利用して、現像カートリッジに静電力により回収される。一方、トナー像は、感光体21と対向して配設されている転写ローラ6によって、記録紙上に静電転写される。なお、記録紙は給紙装置5から図中実線矢印で示される搬送路に沿って運ばれてくる。次いで、この記録紙は定着器7に搬送され、ここで未定着トナー像が記録紙上に熱定着される。最後に、所望の画像を形成した記録紙は、排紙トレイ8より排出される。以上一連のプロセスを繰り返すことで、原稿の複製が多量かつ高速にできるわけである。
帯電ブラシは、感光体の回転によって感光体との接触部に送られてきた残留トナーを機械的に撹拌し、判読不可能な状態となるまで感光体表面に拡散させる。また、帯電ブラシは、感光体の帯電極性と反対の極性(逆極性)の残留トナーを静電的に吸着して回収し、感光体の帯電極性と同極性(正規の極性)に帯電させて感光体表面に吐出する。
図2は、画像形成装置1に着脱自在な感光体カートリッジ2の断面概略図である。感光体カートリッジ2は、その保護カバー付きケーシング28内に、像担持体としての感光体21、この感光体21の周りに当接配置された帯電ブラシ22、帯電ブラシ22に所定電圧を印加する電源接続部材23、プレ帯電フィルム24、帯電ならし部材(スポンジ状の帯電部材)25、26、電源接続部材27を収容する。
感光体21は図示せぬ駆動装置により図中矢印方向に回転する。帯電ブラシ22は、毛状の繊維からなる導電糸をブラシ支持体に植設したものである。この帯電ブラシ22は感光体21の表面に接触した状態で、図示せぬ駆動装置により図中矢印方向、つまり感光体21との接触部において、感光体21回転方向に対して同方向に回転する。画像形成時には、帯電ブラシ22に図示せぬ帯電電源より電圧が印加され、これによって感光体21表面を均一に所定極性に帯電させる。一方、非画像形成時には、帯電電源より前記画像形成時と逆の極性の電圧が帯電ブラシ22に印加される。なお、トナーの帯電極性は、画像形成時の帯電電圧の極性と同一である。よって非画像形成時に、帯電ブラシ22内に蓄積されたトナーを静電的反発力により、感光体21上に吐出させることができる。
現像プレ帯電フィルム24及び帯電ならし部材25、26は、帯電ブラシ22による帯電ムラを補う目的で配置されている。
上記図1及び2の帯電ブラシの代わりに帯電ローラを用いてもよい。図3は帯電ローラの構成を示した断面図である。
図3に示すように前記帯電ローラ22Rは芯金22aと、その外周に設けられた導電性弾性部材であるクロルプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム層又はそれらのスポンジ層22bから成り、好ましくは最外層に0.01〜1μm厚の離型性弗素系樹脂又はシリコーン樹脂層から成る保護層22cを設けて構成される。
帯電ローラは前記感光体21に10〜100g/cmの圧接力で当接させることが好ましい。又、帯電ローラの回転は感光体ドラム21の周速の1〜8倍が好ましい。
尚、上記画像形成装置は、接触帯電方式のモノクロのレーザプリンタを示したが、帯電手段としては非接触方式のレーザプリンタでも同様の効果が得られ(中でも、非接触方式の場合、繰り返し電位安定性やメモリー特性の改善効果が大きい)、又、カラーのレーザプリンタやコピーにも同様に適用可能である。又、露光光源もレーザ以外の光源、例えばLED光源を用いてもよい。
又、前記画像形成装置は、クリーナレスの画像形成装置を例示したが、残留トナーを回収するための専用のクリーニング装置を備える画像形成装置であってもよい。即ち、本発明は、クリーナレス型でない画像形成装置にも適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。但し、下記文中の「部」は「質量部」を示す。
以下のようにして、評価に用いる感光体を作製した。
感光体1の作製
中間層
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工によりJISB−0601規定の十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚3.0μmの中間層を形成した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部(1.00体積部)
ルチル形酸化チタンA1(一次粒径35nm;メチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)を用い、酸化チタン全質量の5質量%の量で表面処理したもの) 3.5部(1.0体積部)
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
電荷発生層
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
Y形オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 20部
シリコーン変性ポリビニルブチラール 10部
4−メトキシ−4−メチル−2ーペンタノン 700部
t−ブチルアセテート 300部
電荷輸送層
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
電荷輸送物質(例示化合物CTM−129) 70部
バインダー樹脂(例示化合物PC−1(Mv:30000)) 100部
酸化防止剤(例示化合物1−1) 8部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750部
感光体2〜14の作製
中間層のN型半導性粒子、バインダー樹脂、乾燥膜厚、電荷輸送層のバインダー樹脂、電荷輸送物質、酸化防止剤、膜厚等を表1のように変更した以外は感光体1と同様にして感光体2〜14を作製した。但し、表1の中間層体積比は感光体1〜14の全ての中間層のバインダー樹脂の体積とN型半導性粒子の体積の合計体積を一定にした上で、バインダー樹脂の体積とN型半導性粒子の体積の比(Vn/Vb)を変えた中間層分散液を作製して、中間層を形成した。
尚、前記感光体1〜14の作製と同時に、各感光体の中間層塗布液を用いて、アルミ蒸着したポリエチレンテレフタレート支持体上に各中間層塗布液を塗布し、前記感光体の乾燥条件と同じ条件で乾燥膜厚10μmの中間層を形成して体積抵抗測定用試料を作製し、各中間層の体積抵抗を測定した。その結果、感光体1〜14の中間層の体積抵抗は全て1×108Ω・cm以上であった又、感光体13に使用したバインダー樹脂PC−Zの構造式を下記に示した。
Figure 2006010920
Figure 2006010920
表中、
A1はルチル形酸化チタン
A2はアナターゼ形酸化チタン
Zは酸化亜鉛
*1はメチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)
*2はメチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比9:1)
*3はメチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比2:8)
*4はメチルハイドロジェンシロキサンとジエチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)
*5はメチルハイドロジェンシロキサンとメチルエチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)
*6はメチルハイドロジェンポリシロキサン
*7は一次処理:シリカ・アルミナ、二次処理メチルトリメトキシシラン
尚、表中、表面処理とは粒子の表面に施した表面処理に用いた物質を示す(但し、一次処理のシリカ・アルミナは粒子表面に析出したシリカ・アルミナを意味する)。
又、表中の融解熱、吸水率の測定は以下のようにして行った。
融解熱の測定条件
測定機:島津製作所「島津熱流速示差走査熱量計DSC−50」を用いて測定した。
測定条件:測定試料を上記測定機に設定し、室温(24℃)から測定開始、200℃迄5℃/分で昇温し、次いで室温まで5℃/分で冷却する。これを2回連続で行い、2回めの昇温時の融解による吸熱ピーク面積より融解熱を算出する。
吸水率の測定条件
測定対象の試料を70〜80℃で3〜4時間で十分に乾燥させ、その質量を精密に秤量する。次に、20℃に維持したイオン交換水に試料を投入し、一定時間経過後に引き上げ試料表面の水を清潔な布で拭き取り、質量を測定する。以上の操作を質量増が飽和するまで繰り返し、その結果得られた試料の増加質量(増加分)を初期の質量で除した値を吸水率とした。
表中、炭素数が7以上の単位構造の比率とは、繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7以上の繰り返し単位構造の比率(モル%)を示す。
評価1
以上のようにして得た感光体1〜14を基本的に図1、2に記載の構造を有するEPSONLP−2400(エプソン(株)販売:A4紙16枚/分のプリンター:帯電ブラシによる接触帯電)に各々装着し、低温低湿(LL:10℃20%RH)で耐久試験を行った。詳しくは、画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にある画像画像を計2万枚印刷し、スタート時及び5000枚毎に評価した。評価項目と評価基準を以下に示す。評価結果を表2に示す。
露光条件
露光部電位目標:−50V未満にする露光量に設定。
露光ビーム:ドット密度600dpi(dpiとは2.54cm当たりのドット数)の像露光を行った。レーザは780nmの半導体レーザを使用
現像条件:非磁性一成分現像剤(重量平均粒径6.3μm、0.3μmの疎水性酸化チタンお15nmの疎水性シリカの外添剤を含有する非磁性一成分現像剤)を用いた反転現像
画像濃度
マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚のコピーで残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。各1万枚コピー後のべた黒画像部で測定した。
◎:黒ベタ画像が1.2より高い(良好)
○:黒ベタ画像が1.0以上、1.2以下(実用上問題なし)
×:黒ベタ画像が1.0未満(実用上問題あり)
カブリ
カブリ濃度はべた白画像をマクベス社製RD−918を使用し反射濃度で測定した。該反射濃度は相対濃度(印刷していないA4紙の濃度を0.000とする)で評価した。各1万枚コピー後のべた白画像部で測定した。
◎;濃度が0.010未満(良好)
○;濃度が0.010以上、0.020以下(実用上問題ないレベル)
×;濃度が0.020より高い(実用上問題となるレベル)
ダッシュマーク
ハーフトーン画像上に周期性が感光体の周期と一致するダッシュマーク(彗星状の小さなすじ画像)の発生状況を下記の基準で判定した。
◎;0.4mm以上のダッシュマークの頻度:全ての印刷画像が5個/A4以下(良好)
○;0.4mm以上のダッシュマークの頻度:6個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×;0.4mm以上のダッシュマーク画像欠陥の頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
黒ポチ
周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチ、黒筋状の画像欠陥が、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
◎;0.4mm以上の画像欠陥の頻度:全ての印刷画像が5個/A4以下(良好)
○;0.4mm以上の画像欠陥の頻度:6個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×;0.4mm以上の画像欠陥の頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
絶縁破壊;低温低湿(LL:10℃20%RH)、高温高湿(30℃80%RH)で評価
○;LL又はHHで電荷リークによる感光体の絶縁破壊が発生なし。
×;LL又はHHで電荷リークによる感光体の絶縁破壊が発生した。
黒ポチの評価(高温高湿(30℃80%RH))
周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチ、黒筋状の画像欠陥が、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
◎;0.4mm以上の画像欠陥の頻度:全ての印刷画像が5個/A4以下(良好)
○;0.4mm以上の画像欠陥の頻度:6個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×;0.4mm以上の画像欠陥の頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
ハーフトーン画像の鮮鋭性
◎;感光体表面が均一に削られ、ハーフトーン画像が均一で、すっきりとした画像で再現されている(良好)
○;感光体表面に小さな擦り傷が発生しているが、ハーフトーン画像は均一で、すっきりとした画像で再現されている(実用上問題なし)
×;感光体表面に擦り傷が発生し、ハーフトーン画像が、荒れた画像になっている。(実用上問題有り)
Figure 2006010920
表2の結果より、接触帯電方式を用いた画像形成装置に用いる感光体として、前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有する表面層を有する有機感光体は(感光体No.1〜12)は、ダッシュマーク、絶縁破壊、或いは黒ポチの発生が防止され、しかも、画像濃度やカブリの評価も良好であり、鮮鋭性が良好な電子写真画像を獲得している。
一方、バインダーが本発明外の感光体13を用いた場合はダッシュマークが発生し、画像濃度が低下し、ハーフトーン画像の鮮鋭性も劣化している。又、酸化防止剤を含有していない感光体14では画像濃度の低下が発生し、ダッシュマークの評価も感光体1〜12に比し、若干低下している。
評価2
評価1の評価機の帯電ブラシを帯電ローラに変更して、感光体1〜14の評価を行なった。各感光体の評価結果は評価1とほぼ同等の結果が得られた。
本発明に係る接触帯電方式を用いた画像形成装置の断面概略図である。 画像形成装置に着脱自在な感光体カートリッジの断面概略図である。 帯電ローラの構成を示した断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 感光体カートリッジ
3 現像カートリッジ
4 露光装置
5 給紙装置
6 転写ローラ
7 定着器
8 排紙トレイ
21 感光体
22 帯電ブラシ
23、27 電源接続部材
24 プレ帯電フィルム
25、26 帯電ならし部材

Claims (16)

  1. 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いる有機感光体において、表面層が下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有することを特徴とする有機感光体。
    Figure 2006010920
    (式中、Xは酸素原子またはイオウ原子であり、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いる有機感光体において、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有し、前記電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有し、表面層を形成していることを特徴とする有機感光体。
  3. 前記ポリカーボネートが前記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される構造単位を有する共重合ポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機感光体。
    Figure 2006010920
    (式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或は環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、及びアリーレン基を示し、R9〜R16は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  4. 前記表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
  5. 前記酸化防止剤がヒンダードフェノール基を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
  6. 前記酸化防止剤がヒンダードアミン基を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体。
  7. 前記有機感光体が導電性支持体上と電荷発生層の間にN型半導性粒子を含有する中間層を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の有機感光体。
  8. 前記N型半導性粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項7に記載の有機感光体。
  9. 前記N型半導性粒子が酸化チタン又は酸化亜鉛であることを特徴とする請求項8に記載の有機感光体。
  10. 前記N型半導性粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項9に記載の有機感光体。
  11. 前記酸化チタンがアナターゼ形酸化チタン又はルチル形酸化チタンであることを特徴とする請求項10に記載の有機感光体。
  12. 前記N型半導性粒子が表面処理を施されていることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機感光体。
  13. 前記中間層にポリアミド樹脂のバインダーを含有することを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の有機感光体。
  14. 前記ポリアミド樹脂が融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下のポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項13に記載の有機感光体。
  15. 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、該有機感光体が、前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有する表面層を有し、該有機感光体と有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段、有機感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び有機感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段の少なくとも1つとが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  16. 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有する表面層を有することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015018108A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 三菱瓦斯化学株式会社 電子写真感光体および画像形成装置

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