JP2006017799A - 液晶プロジェクタとその液晶パネル、及び、その液冷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液冷サイクルにより効率的に冷却し、液晶パネル透光面を通過する液体冷媒による映像の乱れのない液晶プロジェクタ、液晶パネル、液冷装置を提供する。
【解決手段】 光源112からの光を3本の平行光に分割し、分割された3本の光をR、G及びBの液晶パネル101(R)、パネル101(G)、パネル101(B)を透過させてその強度を変調し、これらの変調光を合成プリズム119によって色合成した後、投射レンズ127により投射して映像を得る液晶プロジェクタにおいて、各液晶パネル101は、液晶パネルを構成する対向基板1とTFT基板2に対向して配置される保護ガラス板4、5との間に液体冷媒の流路を形成し、かつ、各流路は、厚さが一様で扁平な液晶パネル領域を覆う厚さ「D」の流路と、その上流及び下流に設けた、より小さい厚さ「d」の流路と更にその上流及び下流に設けたバッファー流路で構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 光源112からの光を3本の平行光に分割し、分割された3本の光をR、G及びBの液晶パネル101(R)、パネル101(G)、パネル101(B)を透過させてその強度を変調し、これらの変調光を合成プリズム119によって色合成した後、投射レンズ127により投射して映像を得る液晶プロジェクタにおいて、各液晶パネル101は、液晶パネルを構成する対向基板1とTFT基板2に対向して配置される保護ガラス板4、5との間に液体冷媒の流路を形成し、かつ、各流路は、厚さが一様で扁平な液晶パネル領域を覆う厚さ「D」の流路と、その上流及び下流に設けた、より小さい厚さ「d」の流路と更にその上流及び下流に設けたバッファー流路で構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光源からの光をライトバルブと呼ばれる液晶パネルや投射レンズを介して映像をスクリーン上に投射する液晶プロジェクタに関し、特に、かかる液晶プロジェクタにおいて使用される液晶パネルの構造と、かかる液晶パネルを液体冷媒によって冷却するための液冷装置に関する。
近年、例えば、パーソナルコンピュータ上のカラー映像画面等を拡大・投射して表示するための投射装置(以下、単に「プロジェクタ」と称する)では、メタルハライドランプなどの光源から得られる光を3方向に分解し、それぞれ、R、G又はBの3原色用の液晶パネルを介してその光強度を変調してこれらを色合成プリズムなどによって合成した後、投射レンズなどを介してスクリーン上に投射する装置が、広く、実用化されてきている。
なお、かかるプロジェクタでは、得られる投射画面の精細度を上げるためにその液晶パネルの画素数をより多くする(高精細化)と共に、更には、表示画面の大型化などに伴って、その発光源であるランプの高照度化(例えば、250W、又は、それ以上の電力のメタハライドランプを採用)が図られている。そのため、かかる高照度の発光源からの熱が問題となってきている。特に、上述のような構成になるプロジェクタでは、発光源からの光が、それぞれ、R、G又はBの3原色用の液晶パネルに照射され、その表面で変調・透過されることから、上記発光源の光強度(明るさ)が上昇すると、これら液晶パネルにおける発熱も上昇してしまい、液晶パネルの特性にも悪影響を与えることとなる。
ところで、従来、かかるプロジェクタでは、一般に、上記液晶パネルを含む装置の各部(特に、ランプや制御部など)における温度上昇を防止してその悪影響を防止するため、空冷用のファンを備え、これにより、装置の外部から筐体内部に冷却風を導入・循環することが行われている。しかしながら、上述したように、近年における発光源からの光強度の上昇に伴い、上述した空冷ファンによる冷却風の装置内部への導入や循環だけでは、液晶パネルにおける発熱を十分に抑制することは困難となってきていた。
そこで、下記の特許文献1〜15に開示されるように、例えば、偏光板とこれに対向するガラスパネルとでその内部に空間を形成すると共に、その空間内部に水などの液体冷媒を封止し、当該液晶パネルの発熱を利用して前記封入した液体冷媒を空間内部で循環させ、もって、液晶パネルの受光による温度上昇を抑制し、液晶パネルを温度上昇による悪影響から保護するものが提案されている。また、例えば、特に、下記の特許文献11では、R、G及びBの3原色用の液晶パネルを、全体で、光合成プリズムを取り囲んで形成してその内部に冷媒を封入すると共に、その一部に攪拌手段を備えてなる冷却容器内に浸漬し、冷却する冷却構造が開示されている。加えて、例えば、特に、下記の特許文献15によれば、上記液晶パネルとその前後に設けられた偏光板との間に形成した空間に冷媒を封入すると共に、これら液晶パネル前後の空間の間に連結流路を形成し、更に、ポンプ等を利用して空間内部に充填した冷媒を積極的に循環するものも、既に、知られている。
上述したように、液晶パネルの一部に液体冷媒を封止し、その内部に封入した液体冷媒を当該液晶パネルの発熱によって生じる対流を利用して循環し、又は、攪拌手段やポンプ等により積極的に循環させるものでは、液晶パネル内に封入した液体冷媒の循環により、より効率的に、液晶パネルの冷却を実現することが可能となる。しかしながら、近年におけるプロジェクタにおける光源の光強度(明るさ)の著しい上昇に伴う液晶パネルの発熱を考慮した場合、未だなお、不十分であった。そこで、更に、例えば、以下の特許文献16〜19にも知られるように、上記R、G及びBの3原色用の液晶パネルに液体冷媒の流路を形成すると共に、その外部に熱交換器を設け、更に、循環ポンプを利用して液体冷媒を循環する冷却サイクルを構成し、水などの液体冷媒をこの冷却サイクル内で循環させることにより、上記液晶パネルにおいて、より効率の高い冷却を実現するものが、既に、知られている。なお、特に、上記特許文献19は、液体冷媒の循環路を、上記液晶パネルの周囲に形成してその周囲から冷却すると共に、更には、発光源の周囲にも循環路を形成し、もって、プロジェクタの全体を冷却サイクルによって冷却するものである。
以上に詳述したように、従来のプロジェクタにおいては、特に、近年における光源強度(明るさ)の著しい上昇に伴って、空冷ファンによる冷却風の導入・循環から、より効率の高い冷却を実現するため、液晶パネルの一部に液体冷媒を接触されてこれをその内部で循環して冷却する方式が採用され、更には、より効率的な冷却を実現するため、液晶パネル内に液体冷媒の流路を形成すると共に、その外部に熱交換器や循環ポンプを設けて冷却サイクルを構成し、もって、液体冷媒をこの冷却サイクル内で循環させて冷却する方式が提案されている。なお、その際、プロジェクタにおいては、特に、液晶パネルの発熱による悪影響が大きなことから、当該液晶パネルにおける液体冷媒による冷却効率を上昇するために最適な流路構造が強く求められている。
一方、上述した従来技術になるプロジェクタにおいては、上述したように、光源から得られる3方向の光を、それぞれ、R、G、Bの3原色用の液晶パネルを介してその光強度を変調し、これらを色合成プリズムなどによって合成した後に投射レンズなどを介してスクリーン上に投射するという原理から、上記の液晶パネル、特に、上述したように液体冷媒を利用して冷却するものにおいては、液晶パネルの透光部(面)に接触し又は通過する液体冷媒中に気泡が混入した場合は勿論のこと、更には、接触し又は通過する液体冷媒中に速度差や温度差などにより密度差等が生じた場合には、この液晶パネルを通して投射される映像に揺らぎや色むら等を生じてしまい、投射画面を乱してしまうという問題があった。なお、上述した従来技術においても、例えば、上記特許文献17には、液晶パネルを冷却するための液体冷媒の循環サイクル内に気泡室を設けて、循環する液体冷媒内に混入する気泡を除去する構成が示されている。
しかしながら、上記に種々述べた従来技術により提案される種々のプロジェクタにおける液晶パネルの冷却構造では、特に、光源から得られる3方向の光が、それぞれ、R、G及びBの3原色用の液晶パネルを透過した後に、プリズムにより合成されて投射される方式の液晶プロジェクタに適用した場合、その投射される映像の画質を含めて、未だ、液体冷媒を循環する冷却サイクルを利用して効率的にその液晶パネルを冷却するに適した構造を提供するもとは言えなかった。
そこで、本発明は、上述した従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、特に、液体冷媒を循環する液冷サイクルを利用して効率的に液晶パネルを冷却することを可能にする構成であり、特に、その液晶パネルの透光面を通過する液体冷媒中に速度差や温度差などによる密度の差が生じ難く、そのため、それを透過する映像に悪影響を及ぼすことなく、良好な投射映像を得ることが可能な液晶プロジェクタを提供し、更には、そのための液晶パネルとその液冷装置を提供することを目的とするものである。
かかる上記の目的を達成するため、本発明によれば、まず、光源と、前記光源からの光を平行光として3本の光に分割する光学素子と、前記光学素子により分割された3本の光を透過してその強度を変調する3種の液晶パネルと、前記3種の液晶パネルを透過してその強度を変調した3本の光を合成する光合成手段と、前記光合成手段により合成された3本の光を投射するための投射手段と共に、前記3種の液晶パネル内に液体冷媒を循環して冷却するため、その一部にタンクを備えたポンプと共に、ラジエータをも含む液冷サイクルを備えた液晶プロジェクタにおいて、前記3種の液晶パネルは、それぞれ、当該液晶パネルの一方の面と、それに対向して配置される透明部材とにより液体冷媒の流路を形成し、かつ、当該流路は、厚さが一様で扁平な前記液晶パネルの液晶パネル領域を覆う第1の流路と、前記第1の流路の上下流側の一方に設けられ、前記第1の流路における流路抵抗よりも高い流路抵抗を備えた第2の流路とから構成されている液晶プロジェクタが提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、2枚の透明基板の間に液晶を封入してなる液晶プロジェクタ用の液晶パネルであって、更に、少なくとも上記2枚の透明基板の一方の面に対向して配置された透明板を備え、その間に液体冷媒の流路を形成したものにおいて、前記流路は、前記液晶パネルの液晶パネル領域を覆う領域においては、厚さが一様で扁平な第1の流路を形成し、かつ、前記第1の流路の上流側及び下流側の一方には、前記第1の流路における流路抵抗よりも高い流路抵抗を備えた第2の流路を備えている液晶プロジェクタの液晶パネルが提供される。
更に、やはり上記の目的を達成するため、本発明によれば、2枚の透明基板の間に液晶を封入してなる液晶プロジェクタ用の液晶パネルを液体冷媒により冷却する液冷装置であって、少なくとも上記2枚の透明基板の一方の面に対向して配置された透明板を備え、もって、その間に、前記液晶パネルの液晶パネル領域を覆う厚さが一様で扁平な第1の流路と、前記第1の流路の上流側及び下流側の一方の側に前記第1の流路における流路抵抗よりも高い流路抵抗の第2の流路とを形成しており、更に、前記液晶パネルの前記第1及び第2の流路に接続された液体冷媒の駆動手段と、前記第1及び第2の流路において受熱した前記液晶パネルの熱を外部に放熱する放熱手段とを備え、もって、液冷サイクルを構成する液晶プロジェクタにおける液晶パネルの液冷装置が提供される。
なお、本発明によれば、前記に記載した液晶プロジェクタ、液晶プロジェクタの液晶パネル、更には、液晶パネルの冷却装置において、更に、前記第2の流路に加えて、前記第2の流路に隣接したバッファー部を備えていることが好ましい。
以上の記載からも明らかなように、本発明になる液晶プロジェクタ、更には、そのための液晶パネル及びその液冷装置によれば、液体冷媒を循環する液冷サイクルを利用して効率的に液晶パネルを冷却することを可能にすると共に、その液晶パネルの透光面を通過する液体冷媒中に速度差や温度差などによって密度差が生じ難く、透射される映像を乱すことなく、良好な透射映像を得ることが可能となり、更には、特に、その液晶パネルを含め、その寿命や信頼性を高く確保することが可能となるという、極めて優れた効果を発揮する。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
まず、図3には、本発明の一実施の形態になる液晶パネルの液冷装置を備えた、液晶プロジェクタの全体構造の一例が示されている。図において、符号100は、液晶プロジェクタの筐体を示しており、また、図からも明らかなように、その内部には、発光源である、例えば、メタルハライドランプ112が設けられている。そして、この発光源112からの光は、やはり、上記の筐体内の所定の位置に配置された第1レンズアレイ113、第2レンズアレイ114、偏光変換素子115、集光レンズ116により平行な光にされて出力される。この平行光は、その後、第1のダイクロイックミラー117に導かれ、その一部はこれを透過し、第1のコンデンサレンズ118を通してR(赤)用の液晶パネル101(R)に導かれ、そこで光強度が変調され、その後、光合成プリズム119に到る。
一方、上記第1のダイクロイックミラー117で反射された光は、第1の反射鏡120の表面で反射され、第2のダイクロイックミラー121に入射する。ここで反射された光は、第2のコンデンサレンズ122を通してG(緑)用の液晶パネル101(G)に導かれ、そこで光強度が変調された後、上記光合成プリズム119に到る。さらに、上記第2の第クロイックミラー121を透過した光は、第2の反射鏡123、リレーレンズ124を通って第3の反射鏡125の表面で反射され、第3のコンデンサレンズ126を通してB(青)用の液晶パネル101(B)に導かれ、そこで光強度が変調され、上記光合成プリズム119に到る。そして、上記3原色であるR、G、B用の液晶パネル101(R)、101(G)、101(B)でその光強度がそれぞれ変調された光は、上記光合成プリズム119によって合成され、更に、投射レンズを含む投射光学系127によって拡大されて、例えば、図示しないスクリーン上に投射される(図中の細い矢印を参照)。
また、図中の符号131は、その内部にファン及びそれを回転駆動するモータを含む冷却ファンユニットを示しており、図中に白抜きの矢印で示すように、上記液晶プロジェクタの筐体100の一部に開口された空気吸込口134を介して外部の空気を筐体内に取り込み、後に説明する放熱ユニット130や電気部品ユニット128を冷却する。さらに、取り込まれた空気は、上述したように、近年における表示画面の大型化などに伴い、高照度化が著しく、そのため、発熱が問題となってきている高照度発光源であるメタルハライドランプ112、更には、この発光源112に近接して配置される第1レンズアレイ113、第2レンズアレイ114、偏光変換素子115、集光レンズ116をも冷却した後、上記筐体100の一部に開口された空気排出口135を介して外部へ排出される。
そして、上記3原色であるR、G、B用の液晶パネル101(R)、101(G)、101(B)には、それぞれ、以下に詳細にその構造を説明するが、液体冷媒の通路が形成されており、上記液晶プロジェクタの筐体100の内部に設けられた電動ポンプ129の働きにより、液体冷媒が、図中の黒の太い矢印で示すように、筐体内に這い回された配管を介して、R、G、B用の液晶パネル101(R)、101(G)、101(B)、電動ポンプ129、放熱ユニット130の順に循環され、もって、所謂、液冷サイクルを形成している。
次に、添付の図1には、上記R、G、B用の液晶パネル101(R)、101(G)、101(B)の内の一つの液晶パネル101の内部構造の詳細を示す。まず、液晶パネル101の断面を示す図1(a)の符号2は、この液晶パネル101の主な構成要素であり、その表面に多数のトランジスタ駆動素子が形成された、例えば、ガラスからなるTFT基板を示しており、このTFT基板に対向して、やはりガラスからなる対向基板1が配置されて、そして、これらの透明基板2、1の間には液晶3が封入され、もって、R、G又はBの3原色の一つとなる液晶パネル101を構成する。
また、図中の符号4及び5は、所謂、保護ガラス板であり、これらの保護ガラス板は、それぞれ、上記液晶パネル101の入射側と出射側に設けられており、その間には、液体冷媒の流路6、7を形成している。そして、これら対向基板1、TFT基板2、及び、保護ガラス板4、5の周囲を取り囲んで、枠体を形成するケース14が取り付けられている。即ち、上記図1(a)におけるA−A断面を示す図1(b)からも明らかなように、上述した液晶パネル101が形成された領域(以後、「液晶パネル領域」と言う)を含めたパネルの両側面には、具体的には、上記対向基板1と保護ガラス板4との間、そして、上記TFT基板2と保護ガラス板5との間に、その厚さ「D」(図1(b)の紙面に垂直な方向の高さ)が一様で扁平な流路6、7が、それぞれ、形成されている。なお、ここでは図示しないが、保護ガラス板4、5の入射側及び出射側には、それぞれ、偏光膜が形成されている。
そして、上記各種基板を取り囲んで形成された枠体を形成するケース14の上下の縁部には、上記図1(a)から明らかなように、上記流路6、7の厚さ「D」よりも小さな厚さ「d」(即ち、d<D)の流路8、9(下方)、15、16(上方)が、スリット状に、そして、上記図1(b)から明らかなように、その幅(即ち、図1(b)の横方向)を上記流路と同じにして、それぞれ、形成されている。更には、このケース14の上下縁部の端面には、それぞれ、その内部にバッファー流路を形成する箱状の部材10、11(下方)、17、18(上方)が取り付けられている。なお、この図1(b)では、上記液晶パネル101の内部に形成された流路における液体冷媒の流れが矢印によって示されている。また、これらの図1(a)及び(b)中の符号12、13、19、20は、それぞれ、上記バッファー流路を形成する箱状の部材10、11(下方)、17、18(上方)の略中央部に取り付けられた液体冷媒の導入・導出管を示している。更に、図中の符号21に代表される黒塗の部分は、上述した部材を組み立てる際、その間を液密に封止するために挿入された、所謂、オーリングを示す。
次に、以上にその構成を示した上記の各液晶パネル101をその一部に含んだ、本発明になる液晶プロジェクタにおける液体冷媒の循環流について、添付の図2を参照しながら詳細に説明する。なお、ここで、上述した図3では、上記R、G、B用の液晶パネル101(R)、101(G)、101(B)は、ポンプ129により駆動され、放熱部を構成するラジエータ130を介して循環される図の液冷サイクル内において、直列に接続されているとして説明した。しかしながら、本発明では、これに限らず、これらの液晶パネル101(R)、101(G)、101(B)は、上記の液冷サイクル内において、並列に接続することも可能である。そこで、この図では、これら三種の液晶パネルから一つだけを取り出し、単一の液晶パネル101として説明する。
すなわち、上記発光源112からの強度の強い光を受けて加熱された液晶パネル101内において受熱してその温度が上昇した液体冷媒は、バッファー流路10、11から排出され、ポンプ129により駆動されてラジエータ130を通る。その際、その熱を外部に放散することにより冷却され、再び、上記液晶パネル101の枠体であるケース14の上下の縁部に取り付けられたバッファー流路17、18内に流入する。その後、このバッファー流路17、18内の液体冷媒は、上記ケース14の上方縁部に形成された厚さ「d」の扁平な流路15、16を通り、その後、厚さ「D」の扁平な液晶パネル領域の流路6、7を経て、更に、上記ケース14の下方縁部に形成された厚さ「d」の扁平な流路10、11を通って、再び、上記バッファー流路10、11へ戻る。その際、上述したように、厚さ「D」の扁平な液晶パネル領域の流路6、7の上下両側には、厚さ「d」(D>d)の扁平な流路15、16(上方)、10、11(下方)からなる所謂、高抵抗の絞り流路が設けられている。
即ち、かかる流路構成によれば、例えば、液体冷媒の導入管20から流入した液体冷媒は、バッファー流路18(上方)に連続して,高抵抗の流路を構成する厚さ「d」の扁平な流路16が設けてあるため、バッファー流路18の幅方向(すなわち,図1(b)の横方向)に広がり大幅に減速する。その結果、バッファー流路18内の圧力が均一になる。更に,厚さ「D」の扁平な液晶パネル領域の流路7の下流側にも、高抵抗な扁平な流路9に連続してバッファー流路11が設けてあるため、一ヶ所の導出管13から冷却媒体を吸引しても,流路9の流動抵抗が大きいため、バッファー流路11内の圧力が均一になる。この様になると、高抵抗な扁平流路16、9及び厚さ「D」の液晶パネル領域の扁平な流路7を流れる液体冷媒の流量(流速)は、上下のバッファー流路18と11の圧力差と流路断面積に比例するため、流路7の厚さ「D」と流路16と9の厚さ「d」が幅方向に均一であれば、流路7内の流速は一定となる。同様に、液体冷媒の導入管19から流入した液体冷媒は,厚さ「D」の扁平な液晶パネル領域の流路6を均一な流速で流れる。
このように、上述した流路構造によれば、流れる冷媒の均一化、安定化により、液晶パネル面(液晶パネル領域)内で液体冷媒が渦や偏流を生じることから防止される。また、そのため、その内部に流れる冷媒に密度差が生じ、又は、冷却能力に差が生じ、即ち、液晶パネルの面内に温度分布、更には、それにより屈折率の差異を生じることもなくなる。そのため、得られる画像に揺らぎや色むら等の不具合が発生することなく、画像品質の向上を図ることが出来る。加えて、上記の流路構造によれば、上述したように、ポンプ12により液体冷媒を駆動して、放熱部を構成するラジエータ130を介して発熱を外部に排出する、所謂、液冷サイクルを構成することから、液晶パネルをより高い冷却効率で冷却することが出来る。
なお、以上の説明では、厚さ「D」の扁平な液晶パネル領域の流路6、7の上下両側には、それぞれ、上記の絞り機能を達成する高抵抗流路である、厚さ「d」(D>d)の扁平な流路15、16(上方)、10、11(下方)、更には、バッファー流路17、18(上方)、10、11(下方)を設けるものとして説明したが、しかしながら、本発明は、かかる構造のみに限定されることなく、これらの一方のみを、その上流又は下流側にのみ設けるものであってもよい。
加えて、上記の各流路を流れる液体冷媒としては、例えば、その一部に、エチレングリコールやプロピレングリコール等の不凍液を混入した水や、又は、光透過性に優れ、不活性で発泡が少なく、電気絶縁性をも兼ね備えた、例えば、フロリナート(住友3M社の商標)などに代表されるフッ素系不活性液体(パークロロカーボン)を採用することができる。特に、後者の液体の採用によれば、上記液晶パネル領域の流路を流れる液体冷媒中への気泡の混入による投射画面の劣化を有効に防止することが可能となる。また、特に、上記厚さ「D」の扁平な液晶パネル領域の流路6、7を形成する各種基板の表面には、親水性を保持するための加工、例えば、酸化チタンの薄膜をコーティングすることが好ましい。これによれば、上記ランプからの光による酸化チタンの光触媒作用により、その壁面が常に親水性に保たれることから、当該壁面での汚れの付着、気泡の付着を抑制することが可能となる。
更に、例えば、上記の扁平な高抵抗流路16の厚さ「d」は,高抵抗流路16内の流速が,上記バッファー流路18内の冷却媒体の平均流速の10倍以上になる様に設定することが好ましい。他の、バッファー流路と高抵抗流路の関係も同様に決めることが好ましい。また,液晶パネル領域の流路7の厚さ「D」と高抵抗流路16と9の厚さ「d」との関係は,特に限定する必要はないが,本発明はDがdより大きい場合に対応したものであり、Dとしては2から5mm、dとしては0.1〜1mm程度が好ましい。
また、上記の実施の形態では、上記液晶パネル101の両側(入射側及び出射側)の面に形成された扁平な液晶パネル領域の流路6、7の厚さ「D」は、互いに等しいものとして説明したが、しかしながら、例えば、入射側の面における液晶パネルの発熱が出射側に比較してより大きい場合など、その厚さを異ならせ、もって、内部の液体冷媒の流速(流量)を異ならせることも可能である。また、同様に、上記流路6、7の厚さ「D」だけではなく、液体冷媒の高抵抗流路である絞りを形成する流路15、16(上方)、10、11(下方)の厚さ「d」、更に、バッファー流路17、18(上方)、10、11(下方)の流路面積についても、適宜、変更することが可能である。
以上のように、液晶パネルの全体に亘って流れる冷媒の均一化、安定化によれば、得られる画像に揺らぎ等が発生することなく、良好な画像品質を得ることが可能であり、かつ、液晶パネルの発熱を外部に排出する液冷サイクルを構成することから、より高い液晶パネルの冷却効率を得ることが出来る。そして、上記の液晶パネル101を、そのR、G、B用の液晶パネル101(R)、101(G)、101(B)として液晶プロジェクタに採用することによれば、その小型化、静音化、高輝度化に伴う液晶パネル部での発熱量の増加にもかかわらす、液晶パネルの寿命や信頼性を確保することが可能となる。
次に、添付の図4(a)には、上記図1に示した液晶パネル101の変形例が、その断面により示されており、また、図4(b)には、上記図4(a)におけるA−A断面が示されている。なお、この変形例になる液晶パネル101では、特に、各種基板を取り囲んで形成された枠体を形成するケース14の上下の縁部に形成される厚さ「d」の流路8、9(下方)、15、16(上方)を、上記図1のようなスリット状ではなく、複数の円形の貫通穴32として形成したものである。なお、かかる変形例になる液晶パネル101の構造によれば、上述した実施の形態になる液晶パネルと同様の効果に加え、特に、上記ケース14の上下の縁部には、上記のスリット状の流路に代え、貫通穴32を形成することから、その製造が容易であると共に、特に、液体冷媒の絞りを形成する流路15、16(上方)、10、11(下方)における流路を更に高抵抗に形成する際に有利である。
次に、添付の図5には、更に、他の変形例になる液晶パネル101の断面が示されている。この他の変形例になる液晶パネル101では、図からも明らかなように、上記各種基板を取り囲んで形成された枠体を形成するケース14の上下の縁部に形成されるスリット状の流路8、9(下方)、15、16(上方)を、予め、上記液晶パネル領域の流路6、7の厚さ「D」と等しく形成しておき、その後、これらスリット状の流路の一方の壁面に、所定の厚さの抵抗板30、31(上方)、32、33(下方)を取り付けて、上記厚さ「d」の高抵抗の流路として形成するものである。なお、かかる構造によれば、予め作製したケース14の上下縁部に形成されるスリット状流路に固定される扁平な抵抗板30、31、32、33の厚さを、例えば、上記液晶パネル領域の流路6、7の厚さ「D」に対応して所望の値に設定することによれば、上述した作用・効果と共に、容易に、最適な高抵抗流路を構成することが可能となる。また、上記液晶パネル領域の流路6、7のそれぞれに対応し、上記抵抗板30、31、32、33の厚さを異ならせることにより、これら流路6、7内における冷媒の流速を変えることも可能となる。
更に、添付の図6には、本発明になる更に他の変形例である液晶パネル101が、その断面により示されている。図からも明らかなように、この更に他の変形例になる液晶パネル101では、上記各種基板を取り囲んで形成された枠体を形成するケース14の上下の縁部に取り付ける上記バッファー流路を形成する箱状の部材を纏めて一体としたものである。即ち、上記図1に示した2個の箱状部材10、11(下方)に代えて、1個の箱状部材10を取り付けて、他方、他の2個の箱状部材17、18(上方)に代えて、1個の箱状部材17を取り付け、もって、バッファー流路を、上記ケース14の上下の縁部に、それぞれ形成したものである。なお、かかる構造によっても、上述した作用・効果が得られると共に、その構成部品点数が削減されることから、液晶パネルを容易かつ安価に製造することが可能となる。
加えて、添付の図7には、本発明になる更に他の変形例である液晶パネル101が、やはり、その断面により示されている。なお、図からも明らかなように、この更に他の変形例である液晶パネル101では、上記図1に示した液晶パネルとは異なり、厚さ「D」の一様な扁平な流路6と、その両側の厚さ「d」の一様な扁平な高抵抗流路30、32とからなる液体冷媒の流路を、液晶パネル101の入射側だけに設けたものである。即ち、その間に液晶3を封入するTFT基板2と対向基板1から構成される液晶パネル101において、その対向基板1と入射側の保護ガラス板4との間には、厚さ「D」の一様な扁平な流路6が形成されておいる。しかしながら、他方の出射側では、TFT基板2の上に保護ガラス板5が、直接、接触して取り付けられている。また、これら基板を取り囲んで形成された枠体を形成するケース14の上下の縁部にも、上記した厚さ「D」の一様な扁平な流路6に対応して、それぞれ、一のスリット状の流路30(下方)、32(上方)が設けれ、これにより、上記した厚さ「d」の高抵抗の流路が形成されている。
なお、かかる液晶パネルの構成によれば、その構造からも、比較的、容易かつ安価に製造することが可能であり、また、その発熱量が比較的小さく、特に、液晶パネルの入射側での発熱を除去すれば十分な場合などにおいて、好適に適用することが可能である。
最後に、添付の図8には、本発明になる更に他の変形例である液晶パネル101が、やはり、その断面により示されている。なお、図からも明らかなように、この更に他の変形例である液晶パネル101では、上記枠体を形成するケース14の上縁部には、流路6と同様に厚さ「D」の流路を「U」字状に湾曲して形成し、他の流路7へ連結しており、一方、ケース14の下縁部には、厚さ「D」の高抵抗の流路44、45を形成し、そのそれぞれには、バッファー流路を形成する箱状の部材42、42が取り付けられている。なお、図の符号42、43は、液体冷媒の導入・導出管を示している。
なお、かかる構成によれば、上記に説明した液晶パネル101とは異なり、液晶パネル内に液体冷媒を導入又は導出するための導入・導出管を、パネルの上下両側ではなく、その一方の側、例えば、この例ではその下側だけに設ける構成とすることが可能となることから、特に、液晶プロジェクタの狭い筐体内で冷媒の配管を取り付ける際に有利である。
1 対向基板
2 TFT基板
3 液晶
4、5 保護ガラス板
6、7 厚さ「D」の流路
8、9、15、16 厚さ「d」の流路
10、11、17、18 バッファー流路を形成する部材
100 液晶プロジェクタの筐体
101 液晶パネル
129 ポンプ
130 ラジエータ
2 TFT基板
3 液晶
4、5 保護ガラス板
6、7 厚さ「D」の流路
8、9、15、16 厚さ「d」の流路
10、11、17、18 バッファー流路を形成する部材
100 液晶プロジェクタの筐体
101 液晶パネル
129 ポンプ
130 ラジエータ
Claims (6)
- 光源と、前記光源からの光を平行光として3本の光に分割する光学素子と、前記光学素子により分割された3本の光を透過してその強度を変調する3種の液晶パネルと、前記3種の液晶パネルを透過してその強度を変調した3本の光を合成する光合成手段と、前記光合成手段により合成された3本の光を投射するための投射手段と共に、前記3種の液晶パネル内に液体冷媒を循環して冷却するポンプ及びラジエータを含む液冷サイクルを備えた液晶プロジェクタにおいて、
前記3種の液晶パネルは、それぞれ、当該液晶パネルの一方の面と、それに対向して配置される透明部材とにより液体冷媒の流路を形成し、かつ、当該流路は、厚さが一様で扁平な前記液晶パネルの液晶パネル領域を覆う第1の流路と、前記第1の流路の上下流側の一方に設けられ、前記第1の流路における流路抵抗よりも高い流路抵抗を備えた第2の流路とから構成されていることを特徴とする液晶プロジェクタ。 - 前記請求項1に記載した液晶プロジェクタにおいて、前記液晶パネルは、更に、前記第2の流路に加えて、前記第2の流路に隣接したバッファー部を備えていることを特徴とする液晶プロジェクタ。
- 2枚の透明基板の間に液晶を封入してなる液晶プロジェクタ用の液晶パネルであって、更に、少なくとも上記2枚の透明基板の一方の面に対向して配置された透明板を備え、その間に液体冷媒の流路を形成したものにおいて、前記流路は、前記液晶パネルの液晶パネル領域を覆う領域においては、厚さが一様で扁平な第1の流路を形成し、かつ、前記第1の流路の上流側及び下流側の一方には、前記第1の流路における流路抵抗よりも高い流路抵抗を備えた第2の流路を備えていることを特徴とする液晶プロジェクタの液晶パネル。
- 前記請求項3に記載した液晶プロジェクタの液晶パネルにおいて、前記流路は、更に、前記第2の流路に加えて、前記第2の流路に隣接したバッファー部を備えていることを特徴とする液晶プロジェクタの液晶パネル。
- 2枚の透明基板の間に液晶を封入してなる液晶プロジェクタ用の液晶パネルを液体冷媒により冷却する液冷装置であって、少なくとも上記2枚の透明基板の一方の面に対向して配置された透明板を備え、もって、その間に、前記液晶パネルの液晶パネル領域を覆う厚さが一様で扁平な第1の流路と、前記第1の流路の上流側及び下流側の一方の側に前記第1の流路における流路抵抗よりも高い流路抵抗の第2の流路とを形成しており、更に、前記液晶パネルの前記第1及び第2の流路に接続された液体冷媒の駆動手段と、前記第1及び第2の流路において受熱した前記液晶パネルの熱を外部に放熱する放熱手段とを備え、もって、液冷サイクルを構成することを特徴とする液晶プロジェクタにおける液晶パネルの液冷装置。
- 前記請求項5に記載した液晶パネルの冷却装置において、更に、前記第2の流路に加えて、前記第2の流路に隣接したバッファー部を備えていることを特徴とする液晶パネルの液冷装置。
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