JP2006035501A - タイヤ成型用金型の汚れ防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 タイヤ成型用金型を損傷または溶解したりするクリーニング操作を必要とせずに、成型したタイヤ表面の光沢が成型を繰り返しても失われず、タイヤ外観を維持し続けることができるタイヤ成型用金型の汚れ防止方法を提供する。
【解決手段】 タイヤ成型用金型の内面に熱硬化型コーティング剤を塗布し、加熱して熱硬化型コーティング剤を硬化させた後、熱硬化型コーティング剤表面の表面自由エネルギーを12.5mN/m以下に維持する。
【選択図】 図1
【解決手段】 タイヤ成型用金型の内面に熱硬化型コーティング剤を塗布し、加熱して熱硬化型コーティング剤を硬化させた後、熱硬化型コーティング剤表面の表面自由エネルギーを12.5mN/m以下に維持する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、成型したタイヤ表面の光沢が加硫成型を繰り返しても失われず、タイヤ外観を維持し続けることができるタイヤ成型用金型の汚れ防止方法に関する。
通常、タイヤを製造する工程は、タイヤコードを仕上げるコード処理工程と、混練された配合ゴムをトレッドやサイドウォールの断面形状に加工する押出し工程と、必要本数のワイヤを引き揃えてゴム被覆しリング状に成型するビード工程と、上記各工程で得られた中間製品を合体させ生タイヤに成型する成型工程と、成型された生タイヤの内面から加圧して金型の形状に膨らませて内外面から加熱してゴムに架橋反応を起こさせる加硫成型工程と、加硫済みタイヤのはみ出し等を切り取る仕上げ工程とで構成されている。いずれの工程も必要不可欠であるが、その中でも加硫工程は製品タイヤの品質を左右する重要な工程である。
タイヤ成型用金型は加硫成型を繰り返すことにより、硫黄やその他の化学物質の残留物が成型金型に付着、蓄積して粗面を形成するため、成型したタイヤの表面は成型を繰り返すとともに無光沢となる。従って、従来より、このような金型の汚れを除去するために定期的に付着物を除去し、これによりタイヤ外観を維持することが行われていた。
しかし、金型の内面に付着した付着物は、ゴム状物が加硫のために加熱されて軟化した状態で金型の内面に強固に付着しているため、そのクリーニングは容易ではなく、これまで、そのクリーニング方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、汚染された加硫用の金型を再生するために、ガラスビーズ、セラミックビーズあるいは鉄粉などのメディアと呼ばれる清掃用粉体を、回転している金型の内面に吹き付け、この清掃用粉体を金型の内面に激突させることによって付着物を削ぎ落すショットブラスト法が提案されている。
また、特許文献2には、プラズマ環境下の処理槽内に加硫金型を装入することにより、加硫金型に付着したエラストマー加硫残滓の除去処理をした後、前記加硫金型を液中で高圧気液混合噴射による洗浄処理を行う加硫金型の清浄方法が提案されている。
さらに、特許文献3には、金型を、付着物中の有機物の沸点以上の温度で高温加熱した後、加熱した金型を水洗する加硫金型のクリーニング方法が提案されている。その他、レーザー光を用いて汚染物質を熱分解する方法や、酸性またはアルカリ性の溶剤を用いた洗浄方法なども知られている。
さらにまた、ゴムやプラスチック等を金型で成形する場合、離型性の悪い成形材料については、金型表面に離型剤を塗布することが一般に行われており(特許文献4〜7等)、かかる離型剤の塗布によっても金型の汚れを防止することができることが知られている。
特公平6−24730号公報
特開平7−314463号公報
特開平6−262630公報
特開2003−268115公報
特開平9−76250公報
特開平9−48028公報
特開平3−62127公報
しかしながら、従来のクリーニング方法として一般に広く知られている、メディアと称する清掃用粉体を高圧エアと共に噴射するショットブラスト法は、メディアが対象物に衝突する際の衝撃により汚れを落とすため、クリーニング対象となる金型を削ってしまうことから、金型表面を粗くしてしまったり、表面にある意匠を傷つけてしまったりするという問題があった。
また、レーザー光を用いて熱分解するクリーニング方法や高周波で励起したプラズマによる酸化分解(アッシング)等によるクリーニング方法は、いずれも装置コストや維持コストが高額であったり、クリーニングにかかる工数が長いといった問題があった。さらに、酸性やアルカリ性の溶剤を用いた洗浄方法では、金型の材質によっては溶解してしまったり、廃液による環境負荷の問題が生じたりしていた。
特許文献3に記載されているクリーニング方法は、金型の腐蝕や安全上問題のある強酸性や強アルカリ性の洗剤の使用や金型の分解掃除を行うことなくベント穴やスリット溝内部までクリーニングを行うことができ、しかも金型の摩滅を招くこともないが、金型を300℃程度まで加熱しなければならず、また、金型汚染物質である有機物と無機物の両方を効果的に除去するという点では、より一層の効果が望まれていた。
また、特許文献4〜7に記載されているような離型剤による金型の処理は、それにより加硫金型の汚れを防止することはできるものの、あくまで離型性の改善が主目的であり、成型したタイヤの表面の光沢を維持し続ける程度に加硫金型の汚れを防止するという面では必ずしも十分とはいえなかった。
そこで本発明の目的は、タイヤ成型用金型を損傷または溶解したりするクリーニング操作を必要とせずに、成型したタイヤ表面の光沢が成型を繰り返しても失われず、タイヤ外観を維持し続けることができるタイヤ成型用金型の汚れ防止方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、加硫によるタイヤ成型用金型への残留物の付着は金型表面の表面自由エネルギーの大きさと密接な関係をもっており、表面自由エネルギーが所定値以下の表面には残留物の付着が起こりにくいことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のタイヤ成型用金型の汚れ防止方法は、タイヤ成型用金型の内面に熱硬化型コーティング剤を塗布し、加熱して該熱硬化型コーティング剤を硬化させた後、該熱硬化型コーティング剤表面の表面自由エネルギーを12.5mN/m以下に維持することを特徴とするものである。
本発明のタイヤ成型用金型の汚れ防止方法によれば、金型を損傷または溶解したりするクリーニング操作を必要とせずに、成型したタイヤ表面の光沢が成型を繰り返しても失われず、タイヤ外観を良好に維持し続けることができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明では、タイヤ成型用金型の内面に塗布、加熱されてコーティングされた熱硬化型コーティング剤表面の表面自由エネルギーを12.5mN/m以下、好ましくは10mN/m以下に維持することが肝要である。
本発明では、タイヤ成型用金型の内面に塗布、加熱されてコーティングされた熱硬化型コーティング剤表面の表面自由エネルギーを12.5mN/m以下、好ましくは10mN/m以下に維持することが肝要である。
かかる硬化型コーティング剤表面の表面自由エネルギーが12.5mN/m以下である場合に、加硫による金型への残留物に対し優れた付着抑制力が発揮されることになる。
ここで、表面自由エネルギーとは、物質の表面状態を数値化したもので、固体表面の分子同士が引っ張り合う力である。この力は分子間力(ファンデルワールス力)と呼ばれ、電子が移動するイオン結合や共有結合等の化学結合ではなく、分子同士が引っ張り合う力である。固体(液体)表面の分子は表面にある隣の分子と物質内部にある分子から引っ張られるが、外側からは引っ張られることがないため、物質の内部に引っ張られ、内部にもぐり込もうとする。この現象は表面全体で起こり、結果として物質の表面ができるだけ小さくなるように働く。この力は表面張力と呼ばれているが、熱力学の立場からは表面自由エネルギーと呼ばれ両者は同価のものである。今日、パソコンの発達で容易に表面自由エネルギーが求められるようになり、表面状態を客観的に把握することができるようになった。
本発明において使用し得る熱硬化型コーティング剤は、表面自由エネルギーを12.5mN/m以下に維持し得るものであれば特に制限されるものではないが、好ましくはポリジメチルシロキサン系樹脂等を挙げることができ、例えば、市場において入手し得るケムトレンド社製の熱硬化型コーティング剤(商品名:モノコート1451w)等を好適に使用することができる。かかる熱硬化型コーティング剤の硬化は、タイヤ成型用金型を120〜180℃に加熱することにより良好に行われる。
表面自由エネルギーを12.5mN/m以下に維持し得る熱硬化型コーティング剤であっても、塗布後に何度も加硫成型を繰り返すにつれ、表面自由エネルギーは徐々に上昇する。しかし、再度金型上へ当該熱硬化型コーティング剤を塗布することにより、再び金型表面の表面自由エネルギーを低下させることが可能である。頻度としては、加硫成型を30〜100回、好ましくは30〜45回行う毎に1回の割合で再塗装を行えば、表面自由エネルギーを12.5mN/m以下に抑制し続けることが可能である。これにより加硫成型を繰り返しても、成型したタイヤ表面の光沢が失われず、タイヤ外観を良好に維持し続けることができる。
また、表面自由エネルギーを良好に12.5mN/m以下に維持し続ける上で、熱硬化型コーティング剤の膜厚を、好ましくは0.3〜1.5μm内とする。この膜厚が0.3μm未満では表面自由エネルギーを安定に維持することが困難であり、一方、1.5μmを超えてコーティングしても、もはやそれ以上の効果は望めず、却ってコスト的に不利である。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
鉄製またはアルミニウム製のタイヤ成型用金型の内面に夫々熱硬化型コーティング剤A(ヘンケルジャパン社製、フリーコート110(商品名))、B(ケムトレンド社製、モノコート1451w(商品名))およびC(ヘンケルジャパン社製、フリーコート180(商品名))を乾燥後の膜厚が1μm程度となるように塗布し、次いで120℃以上に加熱して熱硬化型コーティング剤A、BおよびCを夫々硬化させた。しかる後、1〜5分間程乾燥させた後、各熱硬化型コーティング剤表面の表面自由エネルギーを次のようにして測定した。
鉄製またはアルミニウム製のタイヤ成型用金型の内面に夫々熱硬化型コーティング剤A(ヘンケルジャパン社製、フリーコート110(商品名))、B(ケムトレンド社製、モノコート1451w(商品名))およびC(ヘンケルジャパン社製、フリーコート180(商品名))を乾燥後の膜厚が1μm程度となるように塗布し、次いで120℃以上に加熱して熱硬化型コーティング剤A、BおよびCを夫々硬化させた。しかる後、1〜5分間程乾燥させた後、各熱硬化型コーティング剤表面の表面自由エネルギーを次のようにして測定した。
(表面自由エネルギーの測定方法)
測定機として、Data Physiccs Insturuments Gmbh社製 型式:OCA20(オーシーエー20)を用いて、近似方法としてOW近似、使用溶媒として水、ジヨードメタンを採用して測定を行った。具体的には、図2(a)に示すようにして水、ジヨードメタンの液滴1の接触角αを測定し、得られた接触角よりOW近似を用いて表面自由エネルギーを求めた。
測定機として、Data Physiccs Insturuments Gmbh社製 型式:OCA20(オーシーエー20)を用いて、近似方法としてOW近似、使用溶媒として水、ジヨードメタンを採用して測定を行った。具体的には、図2(a)に示すようにして水、ジヨードメタンの液滴1の接触角αを測定し、得られた接触角よりOW近似を用いて表面自由エネルギーを求めた。
同様の熱硬化型コーティング剤によるコーティング処理を加硫成型を30回毎に行う度に1回行い、合計で90回の加硫成型を行ったときの加硫成型後のタイヤ表面の光沢度と加硫回数との関係を下記の表1および図1のグラフに示す。グラフの縦軸はタイヤ表面の60°の光沢度を示しており、タイヤの光沢が低下すると、金型表面に汚れが付着し、粗面化していることを意味する。尚、光沢度は以下のようにして測定した。
(光沢度の測定方法)
光沢計として、コニカミノルタ(株)製 GM−60を使用し、測定面に対して平行に計機の測定穴を当て、60°の光沢度を測定した(図2(b)参照)。
光沢計として、コニカミノルタ(株)製 GM−60を使用し、測定面に対して平行に計機の測定穴を当て、60°の光沢度を測定した(図2(b)参照)。
表1および図のグラフに示す結果より、加硫繰り返し時、定期的に熱硬化型コーティング剤を再塗布し、表面の粗さを変化させずにタイヤ外観(光沢)を維持するには、12.5mN/m以下の表面自由エネルギーが必要であることが実験的に確かめられた。即ち、熱硬化型コーティング剤の再塗布を30回毎に行えば、熱硬化型コーティング剤の表面自由エネルギーを12.5mN/m以下に維持でき、タイヤの表面の光沢度は低下せず、金型汚れが殆どないことが分かった。
次に、タイヤ外観(光沢度)を、表面自由エネルギー12.5mN/m以下の熱硬化型コーティング剤を塗布せずに180回加硫成型し続けた場合(従来例)と、表面自由エネルギー9.23mN/mの熱硬化型コーティング剤(ケムトレンド社製、モノコート1451w(商品名))を加硫成型30回ごとに1回の頻度で塗布して180回加硫成型し続けた場合(実施例)とで比較した結果を下記の表2に示す。
表2に示す結果より、本発明の方法によれば加硫成型繰り返しによるタイヤ光沢度の低下を防ぐことが可能となることが分かる。
Claims (5)
- タイヤ成型用金型の内面に熱硬化型コーティング剤を塗布し、加熱して該熱硬化型コーティング剤を硬化させた後、該熱硬化型コーティング剤表面の表面自由エネルギーを12.5mN/m以下に維持することを特徴とするタイヤ成型用金型の汚れ防止方法。
- 前記熱硬化型コーティング剤の塗布を、加硫を30〜100回行う毎に1回行う請求項1記載のタイヤ成型用金型の汚れ防止方法。
- 前記熱硬化型コーティング剤がポリジメチルシロキサン系樹脂からなる請求項1または2記載のタイヤ成型用金型の汚れ防止方法。
- 前記熱硬化型コーティング剤の膜厚を0.3〜1.5μmとする請求項1〜3のうちいずれか一項記載のタイヤ成型用金型の汚れ防止方法。
- 前記タイヤ成型用金型を120〜180℃に加熱して熱硬化型コーティング剤を硬化させる請求項1〜4のうちいずれか一項記載のタイヤ成型用金型の汚れ防止方法。
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|---|---|---|---|---|
| KR101726076B1 (ko) | 2015-11-24 | 2017-04-26 | 조병우 | 이형성을 향상시키기 위한 타이어 금형의 표면처리 방법 |
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