JP2006040596A - 扁平形電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガスケットを用いてかしめ封口した電池と同等レベルの耐漏液性を確保しつつ、電池内容積の拡大や軽量化を達成し得る扁平形電池と、該扁平形電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 内側容器と外側容器とを、それぞれの側壁で嵌合してなる外装体内部に発電要素を封入した扁平形電池であって、上記外側容器と上記内側容器との嵌合部は、合成樹脂または合成ゴムを含む接着層により封止されており、上記内側容器の側壁が外周方向への押圧力を有していることを特徴とする扁平形電池である。
【選択図】 図1
【解決手段】 内側容器と外側容器とを、それぞれの側壁で嵌合してなる外装体内部に発電要素を封入した扁平形電池であって、上記外側容器と上記内側容器との嵌合部は、合成樹脂または合成ゴムを含む接着層により封止されており、上記内側容器の側壁が外周方向への押圧力を有していることを特徴とする扁平形電池である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内容積の拡大や軽量化を達成できると共に、耐漏液性にも優れた電池に関するものである、
近年、AV機器やパーソナルコンピューターなどのコードレス化・ポータブル化に伴い、その駆動用電源である電池に対し、小型化・軽量化・高エネルギー密度化の要望が高まっている。このような要求を満たす電池としては、特にボタン(コイン)形電池(以下、「ボタン形電池」で統一する)が主流である。
これらのボタン形電池の断面概略図を図5に示す。図5中、20は電池、21は内側容器(負極缶)、22は外側容器(正極缶)、23はガスケット、24は負極、25はセパレータ、26は正極である。また、電池20内部には、電解液(図示しない)が注入されている。図5に示すように、ボタン形電池20では、電池の外装体を構成することになる内側容器21と外側容器22とを、成形体であるガスケット23を介してかしめ封口しており、気密性が高く、かつ機械的強度に優れている。しかしながら、これらのボタン形電池では、図5に示すように、ガスケット23を使用する関係上、内側容器21と外側容器22との嵌合部の占める体積が大きく、また、ガスケット23のように、封止に用いる材料の量も多いため、これらを含めた封止部(外側容器22側壁の外周部と、ガスケット23の内周面とで仕切られた領域、すなわち図5中の2本の点線で仕切られた領域A’)の占める割合は大きなものとなり、電池の軽量化や電池内容積の拡大には大きな制約があった。すなわち、優れた封止性能を確保するためには、封止部の幅(図5の2本の点線の間の距離)をおよそ1mm以上とする必要があり、径方向での電池の断面積:S(mm2)に対する封止部の断面積の割合:T(%)は、電池径が25mmのときには約15%、15mmの時には約25%、5mmのときには約64%と、電池径が小さくなるほど電池内容積のロスが大きくなっていた。
他方、電池容器の嵌合部の封口を、ガスケットを用いたかしめによらず、接着剤を用いて行った電池も提案されている(特許文献1〜2)。これらの技術によれば、封止部が占める部分の体積を抑えて、電池内容積を大きくできる可能性がある。
上記特許文献1〜2に係る電池では、主として接着剤の接着能力により電池の封止性能が決定されるが、これは、例えば接着面積などに依存するため、電池の高さを低くして電池を薄型化しようとした場合には、接着面積が小さくなって接着能力が低下し、ガスケットを用いる電池に比べて気密性が劣り、電解液の漏れ抑制が不十分となることもあった。本発明は、こうした従来技術の問題点を解決して、ガスケットを用いてかしめ封口した電池と同等レベルの耐漏液性を確保しつつ、電池内容積を拡大や軽量化を達成し得る扁平形電池と、該扁平形電池の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、内側容器と外側容器とを、それぞれの側壁で嵌合してなる外装体内部に発電要素を封入した扁平形電池について、上記内側容器と上記外側容器との嵌合部を、熱融着性の合成樹脂または合成ゴムを含む接着層により封止し、上記内側容器の側壁に、外周方向への押圧力を持たせることで、上記課題を解決したものである。
本発明の扁平形電池では、電池の外装体を構成する内側容器と外側容器との嵌合部において、合成樹脂または合成ゴムを含む接着層により封止を行うことで、ガスケットを用いたかしめ封口を回避して、封止部(内側容器の側壁内周面と外側容器の側壁外周面とで仕切られる領域)の占める割合を低減し、電池内容積を大きくすることができる。また、封口に用いる材料も減らし得るため、電池の軽量化も図り得る。さらに、内側容器の側壁に、外周方向への押圧力[外側容器側に向う反発応力(外側容器側に向かって開こうとする応力)]を持たせることで、内側容器と外側容器との嵌合部の密着性を高めて、気密性、すなわち耐漏液性を向上させることもできる。
内側容器−外側容器間の接着性や絶縁性を高める観点から、上記接着層は、厚みが30〜200μmであることが望ましい。また、上記接着層としては、合成樹脂としてポリオレフィンなどを含むものが、また、合成ゴムとしてスチレンーブタジエンゴムなどを含むものが例示できる。
また、本発明の扁平形電池の製造方法は、内側容器と外側容器とを、それぞれの側壁で嵌合してなる外装体内部に発電要素を封入した扁平形電池(すなわち、上記本発明の扁平形電池)を製造するに当たり、上記内側容器および上記外側容器として、側壁が、開口部側から底面側に向かって窄まる形状のカップ状容器を用い、上記発電要素を装填した上記内側容器と、上記外側容器とを、合成樹脂または合成ゴムを含む接着層を介して嵌合すると共に、上記内側容器の側壁および上記外側容器の側壁を、該内側容器の底面および該外側容器の底面に対して略垂直となるように圧縮することを特徴とする。
すなわち、内側容器に、側壁が開口部側から底面側に向かって窄まる形状のカップ状容器を用い、外側容器との嵌合の際に、その側壁を、底面に対して略垂直となるように圧縮することで、内側容器の側壁に外周方向への押圧力を持たせて、内側容器−外側容器間の密着性を高めることができる。また、外側容器にも、側壁が開口部側から底面側に向かって窄まる形状のカップ状容器を用いることで、内側容器を外側容器内に挿入する際の作業性の向上を図ることもできる。
内側容器としては、底面に対する垂線と、側壁の最も長い直線部分とのなす内角が0.5〜10°であるカップ状容器を、また、外側容器としては、底面に対する垂線と、側壁の最も長い直線部分とのなす内角が1〜20°であるカップ状容器を用いることが好ましい。また、上記接着層は、上記内側容器および上記外側容器と熱融着させることが推奨される。
本発明の扁平形電池は、ガスケットを用いてかしめ封口した電池に比べて遜色ない耐漏液性を確保しつつ、電池内容積を大きくできるため、電池容量の向上の要請に応え得る。また、封止部に用いる材料を減らすこともでき、電池の軽量化も達成できる。
さらに、本発明の扁平形電池の製造方法によれば、作業性よく上記本発明の扁平形電池を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の扁平形電池の一例の要部を示す断面概略図である。10は電池、11は内側容器、12は外側容器、13は接着層、14は負極、15はセパレータ、16は正極、17は絶縁体であり。電池内部には電解液(図示しない)が注入されている。図1中、Aは封止部であり、内側容器11の側壁の内周面と外側容器12の側壁の外周面とで仕切られる領域である。
内側容器および外側容器は、電池の外装体を構成するものである。その素材は特に限定されず、従来公知の電池に用いられているもの[例えば、ステンレス鋼、鉄(例えば冷間圧延鋼板、好ましくは表面にNiなどのメッキを施したもの)、銅−ステンレス鋼クラッド材、ステンレス鋼を母材とするアルミニウムクラッド材など]を採用すればよい。
内側容器および外側容器は、電池の状態では、図1に示すように、これらの側壁が、内側容器の底面および外側容器の底面に対して略垂直であるが、互いに嵌合される前は、側壁が、開口部側から底面側に向かって窄まる形状(以下、「テーパ形状」という場合がある)のカップ状である。
内側容器として、上記のようなテーパ形状を有するカップ状容器を用い、電池とする際に側壁を底面に対して略垂直にすることで、内側容器の側壁には、外側容器側に向けて広がろうとする押圧力が生じる。この押圧力によって、内側容器の側壁が、外側容器の側壁に押し付けられる。こうした内側容器の側壁のバネのような働き(バネ効果)により、内側容器−外側容器間の密着性が向上するため、電池の気密性、すなわち耐漏液性を高めることができる。
また、図2に、本発明の扁平形電池の他の例の要部を表す断面概略図を示す。図2の電池は、外側容器12の開口部側が内側容器11の方に傾斜していることを除き、図1の電池と同じ構成を有している。この図2の電池のように、外側容器12の開口部側を内側容器11側へ傾斜させ、内側容器11の抜け止めがなされるようにすると、密着性が向上することから、より好ましい。
図3に内側容器11の要部の断面図を示すが、図3中θ1、すなわち、底面に対する垂線と、側壁の最も長い直線部分とのなす内角(以下、「テーパ角」という場合がある。後記の外側容器についても同じ。)が、0.5°以上、より好ましくは1°以上であって、10°以下、より好ましくは5°以下であることが望ましい。内側容器側壁のテーパ角をこのような範囲に制御することで、上記のバネ効果が一層顕著となる。すなわち、内側容器側壁のテーパ角が小さすぎると、電池とした際に、内側容器の側壁の、外周方向への押圧力が小さくなり、内側容器側壁の上記バネ効果、すなわち内側容器−外側容器間の密着性向上効果が不十分となることがある。また、内側容器側壁のテーパ角が大きすぎると、外側容器との嵌合時の作業性が低下するなど、電池製造の際の作業性が低下することがある。
また、外側容器に上記のようなテーパ形状を有するカップ状容器を用いることで、外側容器内に内側容器を嵌合する際の作業性が向上するため、電池の生産性を高めることができる。図4に外側容器12の要部の断面図を示すが、図4中θ2、すなわち、底面に対する垂線と、側壁の最も長い直線部分とのなす角(テーパ角)が、1°以上、より好ましくは2°以上であって、20°以下、より好ましくは15°以下であることが望ましい。外側容器側壁のテーパ角をこのような範囲に制御することで、電池製造時の作業性向上効果が一層顕著となる。すなわち、外側容器側壁のテーパ角が小さすぎると、電池製造の際の作業性向上効果が十分に確保できないことがある。また、電池とする際には、内側容器と外側容器を、接着層を介して嵌合させ、内側容器の側壁および外側容器の側壁が、内側容器の底面および外側容器の底面に対して略垂直となるように圧縮するが、外側容器側壁のテーパ角が大きすぎると、側壁の圧縮加工が困難になるなど、かえって作業性が低下することがある。
内側容器底面および外側容器底面の形状としては、例えば、平面視で略円形や略楕円形、略四角形(略正方形や略長方形など)など、従来公知の一般的な扁平形電池(ボタン形電池など)と同様の形状が挙げられるが、これらの形状に限定される訳ではない。また、内側容器および外側容器の大きさも特に制限はなく、例えば、従来公知の扁平形電池と同様の大きさとすることができ、更には、従来公知のものよりも大きくしたり小さくしたりすることもできる。具体的には、例えば、底面および上面が平面視で円形のボタン形電池でいえば、内側容器について、底面の直径:5〜30mm、側壁の高さ(底面に対する垂直高さ、図3中h1):1〜5mmとすることが、また、外側容器について、底面の直径:5〜30mm、側壁の高さ(底面に対する垂直高さ、図4中h2):1〜5mmとすることが一般的である。
なお、内側容器および外側容器の各底面形状が平面視で略四角形の電池の場合、四隅が曲線形状に仕上げられることが一般的であるが、本発明の電池に用いる内側容器および外側容器では、側壁が直線的な箇所で測定されるテーパ角(上記θ1および上記θ2)が、上記所定範囲内にあればよい。
本発明の電池では、内側容器と外側容器の嵌合部に、接着層を介在させて接着する。接着層は、公知の合成樹脂または合成ゴムを含むものであり、これら合成樹脂や合成ゴムが接着成分として作用する。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6−ナイロン66共重合体などの共重合ナイロンなどのポリアミド;などが挙げられる。また、上記ポリオレフィンは、内側容器や外側容器を構成する金属との親和性が小さいことから、接着性を向上させる目的で、極性基(カルボキシル基や水酸基など)を導入した変性ポリオレフィンであってもよい。なお、本発明の電池では、後述するように、内側容器および外側容器を接着層により熱融着させるが、この熱融着の際の温度は、100〜300℃とすることが望ましい。このため、上記合成樹脂の中でも、上記温度で熱融着可能なものが好ましく、具体的には、例えば、JIS K 7121の規定に準じて測定される融解温度が上記の熱融着温度の範囲内にある合成樹脂を用いることが推奨される。
接着層に含まれる合成ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴムなどが例示できる。なお、接着層に含まれる合成ゴムは、電池の状態では、加硫されていることが好ましい。合成ゴムを含む接着層の加硫は、例えば、内側容器および外側容器への熱融着と同時に行うことができる。例えば、スチレン−ブタジエンゴムを含む接着層としては、市販のシート(スチレン−ブタジエンゴムに、加硫剤などを配合したシートなど)を適用することができる。
接着層には、上記の合成樹脂や合成ゴムの他、必要に応じて公知の各種添加剤が含まれていてもよい。
接着層の厚みは、30μm以上、より好ましくは50μm以上であって、200μm以下、より好ましくは100μm以下とすることが望ましい。接着層の厚みが小さすぎると、内側容器−外側容器間の接着性や絶縁が不十分となることがある。他方、接着層の厚みをあまり大きくしても、内側容器−外側容器間の接着性や絶縁性が飽和したりするばかりか、接着に用いる材料(合成樹脂や合成ゴムなど)の量が増大するため、かえって電池の軽量化を阻害する要因になることがある。
本発明によれば、径方向での電池の断面積をS(mm2)としたときに、径方向での電池の断面積に対する封止部の断面積の割合:T(%)が、およそ、
40/(S)1/2 ≦ T ≦ 200/(S)1/2
となる扁平形電池を構成することができる。外側容器または内側容器の厚みを低減するか、接着層の厚みを低減することにより、Tの値を上記範囲以下とすることは可能であるが、外側容器や内側容器の厚みを低減しすぎると、強度が低下して電池の変形などの問題が生じることがあり、また、接着層の厚みを低減しすぎると、短絡などの問題が生じることがあるため、Tの値は40/(S)1/2以上とすることが望ましく、50/(S)1/2以上とすることがより望ましい。他方、Tの値が大きくなるほど、電池の内容積が低下するため、Tの値は200/(S)1/2以下とすることが望ましい。
40/(S)1/2 ≦ T ≦ 200/(S)1/2
となる扁平形電池を構成することができる。外側容器または内側容器の厚みを低減するか、接着層の厚みを低減することにより、Tの値を上記範囲以下とすることは可能であるが、外側容器や内側容器の厚みを低減しすぎると、強度が低下して電池の変形などの問題が生じることがあり、また、接着層の厚みを低減しすぎると、短絡などの問題が生じることがあるため、Tの値は40/(S)1/2以上とすることが望ましく、50/(S)1/2以上とすることがより望ましい。他方、Tの値が大きくなるほど、電池の内容積が低下するため、Tの値は200/(S)1/2以下とすることが望ましい。
接着層について上記の好適厚みを採用し、汎用の容器厚みを採用した場合には、径方向での電池の断面積Sに対する封止部の断面積の割合Tは、電池径が25mmのときには約3〜5%、15mmのときには約6〜8%、5mmのときには約16〜22%となり、ガスケットを用いた扁平形電池に比べて、封止部の断面積の割合Tを約1/3〜1/5に低減させることができる。
本発明の扁平形電池に係る正極、負極、セパレータ、電解液などの各発電要素は特に制限されず、従来公知の一次電池や二次電池に採用されているものが適用できる。また、図1に示す電池では、内側容器(負極缶)11の側壁端部と外側容器(正極缶)12と間に、絶縁材17を配して内側容器11−外側容器12間の絶縁を図っているが、かかる絶縁材としても、従来公知の一次電池や二次電池に用いられているものが適用可能である。なお、図1に示す電池では、内側容器11側に負極14が、外側容器12側に正極16が配されているが、本発明の扁平形電池では、内側容器側に正極が、外側容器側に負極が配された構造であってもよい。
次に、本発明の扁平形電池の製造方法を説明する。まず、内側容器の側壁外側、または外側容器の側壁内側に、接着層を構成するためのシート(合成樹脂を含むシートまたは合成ゴムを含むシート)を貼り付ける。接着層を構成するためのシートの貼り付けは、例えば、仮止め接着剤を用いて行うことができる。また、接着層を構成するための合成樹脂や合成ゴムを含む薄肉のリング状成形体を作製して、これを内側容器の側壁外側に嵌める手法などを採用してもよい。さらに、予め熱融着させておくこともできる。また、内側容器の側壁外側および外側容器の側壁内側の両方に接着層を形成しておけば、より一層接着力を高めることができる。
次に、内側容器内に、例えば、図1に示すような構成で発電要素を装填する。電解液は、電池組み立て時にセパレータを所定位置に設置した後、該セパレータ上に注入することによって電池内部に導入することが一般的であるが、例えば、図1に示す電池であれば、内側容器11に負極14を圧着などさせた後、セパレータ15を設置し、該セパレータ15の正極16側となる面に電解液を数滴垂らし、その後正極16を設置し、該正極16の外側容器12側となる面に電解液を数滴垂らす方法などが採用できる。
内側容器の端部の当接予定箇所に絶縁材を設置した外側容器を、発電要素を搭載した内側容器に被せ、外側容器の側壁が、外側容器底面に略垂直となるように圧縮(圧着)し、好ましくは接着層を内側容器および外側容器に熱融着させて、例えば図1に示すような電池とする。熱融着の方法には特に制限はないが、例えば、部分的に熱を加えて融着することが可能であり、発電要素への伝熱を少なくして温度上昇を防ぐことが可能なことから、高周波を用いた誘導加熱が好適である。熱融着の際の温度は、例えば100〜300℃であることが好ましい。温度が低すぎると、融着が不十分となることがあり、高すぎると、発電要素に悪影響を及ぼすことがあるからである。また、熱融着の際には、加熱する部分以外の部分の冷却を同時に行うことが望ましく、これにより、発電要素の温度上昇を更に抑えることができる。この他、上述したように、合成ゴムを含む接着層の場合には、熱融着と同時に合成ゴムを加硫することが推奨される。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例
図3に示す内側容器11、および図4に示す外側容器12を用いて、図1に示す構造の扁平形電池を作製した。内側容器11は、厚みが0.2mmのステンレス鋼製で、底面を円形とし、底面の直径を19.3mm、開口端部の直径を19.4mm、図3に示す高さh1を1.9mm、テーパ角θ1を1.5°とし、外側容器12は、厚みが0.2mmのステンレス鋼製で、底面を円形とし、底面の直径を19.9mm、開口端部の直径を20.2mm、図4に示す高さh2を1.9mm、テーパ角θ2を4.5°とした。
図3に示す内側容器11、および図4に示す外側容器12を用いて、図1に示す構造の扁平形電池を作製した。内側容器11は、厚みが0.2mmのステンレス鋼製で、底面を円形とし、底面の直径を19.3mm、開口端部の直径を19.4mm、図3に示す高さh1を1.9mm、テーパ角θ1を1.5°とし、外側容器12は、厚みが0.2mmのステンレス鋼製で、底面を円形とし、底面の直径を19.9mm、開口端部の直径を20.2mm、図4に示す高さh2を1.9mm、テーパ角θ2を4.5°とした。
内側容器11の側壁(図3に示す直線部分)の外側全周に、接着層13を構成するためのポリプロピレンフィルム、厚み:80μm)を貼り付た後、この内側容器11に、負極14、セパレータ15、電解液、正極16の順に装填、注入した。負極14は金属リチウムで、厚みを0.5mmとした。また、セパレータ15には、厚みが0.32mmのポリプロピレン製不織布を用いた。また、電解液には、プロピレンカーボネート(PC)/1,2−ジメトキシエタン(DME)=1/1(体積比)の混合溶媒に、溶質として過塩素酸リチウム(LiClO4)を0.5Mの濃度で溶解させたものを用いた。また、正極16には、活物質:二酸化マンガンに、導電助剤:カーボンブラック、バインダー:ポリテトラフルオロエチレンを94/5/1(質量比)で混合して正極合剤とし、これをプレス成形して得られた成形体(厚み:1.4mm)を用いた。
発電要素を装填した内側容器11に、該内側容器11端部の当接予定位置に絶縁材17を設置した外側容器12を被せ、外側容器12の側壁が外側容器12の底面に略垂直となるように圧縮して、接着層13を外側容器12の側壁内面に圧着させ、その後、高周波を用いた誘導加熱により、接着層13を内側容器11および外側容器12に熱融着させて電池を得た。誘導加熱による熱融着は、その条件を、周波数20kHz、設定温度180℃、加熱時間15秒とし、さらに直径15mmの銅製の治具を、内側容器11および外側容器12の底面外側に当てて冷却しながら実施した。このようにして得られた電池は、外径が20mm、厚みが2.5mmの扁平形電池(ボタン形電池)である。なお、この電池の径方向の断面積Sは314mm2で、封止部の断面積の割合Tは5%であって、
T=90/(S)1/2
で表される関係となる。
T=90/(S)1/2
で表される関係となる。
比較例
図5に示す従来構成のボタン形電池(外形:20mm、厚み:2.5mm)を作製した。内側容器・外側容器の材質、各発電要素については、実施例と同じものとし、内側容器と外側容器の封口は、射出成形品(ポリプロピレン製)のガスケットを用いて、図5に示すようにかしめにより行った。なお、この電池の径方向の断面積Sは314mm2で、封止部の断面積の割合Tは19%であって、
T=340/(S)1/2
で表される関係となる。
図5に示す従来構成のボタン形電池(外形:20mm、厚み:2.5mm)を作製した。内側容器・外側容器の材質、各発電要素については、実施例と同じものとし、内側容器と外側容器の封口は、射出成形品(ポリプロピレン製)のガスケットを用いて、図5に示すようにかしめにより行った。なお、この電池の径方向の断面積Sは314mm2で、封止部の断面積の割合Tは19%であって、
T=340/(S)1/2
で表される関係となる。
以上のようにして得られた実施例および比較例の電池について、それぞれの電池内容積を比較すると共に、これらの電池各50個について、電池質量の平均値および標準偏差を比較し、さらに、これら各50個の電池について、60℃、相対湿度90%の環境下で80日間保存した後の漏液状態を確認した。結果を表1に示す。
なお、表1における電池内容積比率は、比較例の電池の内容積を1としたときの比率で示している。
表1から分かるように、比較例の電池(従来のかしめ封口に係る電池)は、気密性が高く、耐漏液性が優れているが、実施例の電池も、接着層による接着に加えて、内側容器に外側容器側に向かう反発応力を持たせたことで、高度な気密性が確保できており、その耐漏液性は、比較例の電池と比較しても遜色ないレベルである。さらに、実施例の電池は、比較例の電池の1.2倍の内容積を確保できており、電池の高容量化に対応し得る。また、比較例の電池に比べて、封止に用いる材料を減らし得たため、電池の軽量化も達成できている。
10、20 扁平形電池
11、21 内側容器
12、22 外側容器
13 接着層
14、24 負極
15、25 セパレータ
16、26 正極
23 ガスケット
A A’ 封止部
11、21 内側容器
12、22 外側容器
13 接着層
14、24 負極
15、25 セパレータ
16、26 正極
23 ガスケット
A A’ 封止部
Claims (12)
- 内側容器と外側容器とを、それぞれの側壁で嵌合してなる外装体内部に発電要素を封入した扁平形電池であって、
上記外側容器と上記内側容器との嵌合部は、熱融着性の合成樹脂または合成ゴムを含む接着層により封止されており、
上記内側容器の側壁が、外周方向への押圧力を有していることを特徴とする扁平形電池。 - 内側容器と外側容器とを、それぞれの側壁で嵌合してなる外装体内部に発電要素を封入した扁平形電池であって、
上記外側容器と上記内側容器との嵌合部は、合成樹脂または合成ゴムを含む接着層により熱融着されて封止部を形成しており、
上記扁平形電池の径方向の断面積:S(mm2)に対する上記封止部の断面積の割合:T(%)が、
40/(S)1/2 ≦ T ≦ 200/(S)1/2
の範囲内にあることを特徴とする扁平形電池。 - 上記接着層は、厚みが30〜200μmである請求項1または2に記載の扁平形電池。
- 上記熱融着性の合成樹脂は、融解温度が100〜300℃である請求項1〜3のいずれかに記載の扁平形電池。
- 上記接着層は、ポリオレフィンを含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の扁平形電池。
- 上記接着層は、スチレン−ブタジエンゴムを含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の扁平形電池。
- 上記外側容器の側壁の開口部側が、上記内側容器側へ傾斜している請求項1〜6のいずれかに記載の扁平形電池。
- 内側容器と外側容器とを、それぞれの側壁で嵌合してなる外装体内部に発電要素を封入する扁平形電池の製造方法であって、
上記内側容器および上記外側容器として、側壁が開口部側から底面側に向かって窄まる形状のカップ状容器を用い、
上記発電要素を装填した上記内側容器と、上記外側容器とを、合成樹脂または合成ゴムを含む接着層を介して嵌合すると共に、上記内側容器の側壁および上記外側容器の側壁を、該内側容器の底面および該外側容器の底面に対して略垂直となるように圧縮することを特徴とする扁平形電池の製造方法。 - 上記内側容器として、底面に対する垂線と、側壁の最も長い直線部分とのなす内角が0.5〜10°であるカップ状容器を用い、上記外側容器として、底面に対する垂線と、側壁の最も長い直線部分とのなす内角が1〜20°であるカップ状容器を用いる請求項8に記載の製造方法。
- 上記外側容器の側壁の開口部側を、上記内側容器側へ傾斜させる請求項8または9に記載の製造方法。
- 上記内側容器と上記外側容器とを嵌合した後に、上記接着層を、該内側容器および該外側容器に熱融着させる請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 熱融着のための加熱と、加熱する部分以外の部分の冷却を同時に行う請求項11に記載の製造方法。
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