JP2006070880A - 騒音制御方法、真空ポンプ及び回転力伝達構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 真空ポンプ等から発生する騒音を容易に目立たなくさせる。
【解決手段】 真空ポンプにおいて、エンジン燃焼音の位相と、吸気または排気による騒音の位相とを合わせるよう、カムシャフトによりエンジンの出力軸とポンプ駆動手段とを連結した。4気筒エンジン(C)は、時点a、b、c、d、eでピストンが上死点位置となる。エンジン近傍の騒音(A)は、この位置で大きくなる。エンジンの騒音の位相と真空ポンプの排気弁の開弁により発生する騒音の位相とを同期させることにより、排気弁からの排気音やそれを起因として発生する騒音を、エンジン燃焼時の騒音に埋没させる。
【選択図】 図4
【解決手段】 真空ポンプにおいて、エンジン燃焼音の位相と、吸気または排気による騒音の位相とを合わせるよう、カムシャフトによりエンジンの出力軸とポンプ駆動手段とを連結した。4気筒エンジン(C)は、時点a、b、c、d、eでピストンが上死点位置となる。エンジン近傍の騒音(A)は、この位置で大きくなる。エンジンの騒音の位相と真空ポンプの排気弁の開弁により発生する騒音の位相とを同期させることにより、排気弁からの排気音やそれを起因として発生する騒音を、エンジン燃焼時の騒音に埋没させる。
【選択図】 図4
Description
本発明は真空ポンプなどで発生する騒音対策技術に関し、より詳細には騒音制御方法、騒音対策が施される真空ポンプ及び回転力伝達構造に関する。
一般に、真空ポンプでは、ロータに設けられたベーン溝に複数枚のベーンがロータの径方向に摺動自在に挿入されている。ロータの回転によって受ける遠心力によりベーンが溝から突出し、ポンプ室の内周面と摺接することにより、隣り合うポンプ室相互の気密を維持するように構成されている。このような真空ポンプにおいては、ポンプ内部のシールや、ロータ、ベーン等の摺動部の潤滑を確保するために、ロータの内部に形成されている溝を通って、オイルがポンプ室内に供給されるようになっている。
このような真空ポンプは、圧縮された空気を排出するための排気弁をそのハウジングに備えるが、ハウジングと排気弁の間にたまったオイルの粘度が高くなると、排気弁とハウジングが密接してしまう。排気弁とハウジングが密接すると、排気弁の開くタイミングが通常より遅くなり、ポンプ内部とポンプ外部の圧力差が大きくなるため、排気弁の開弁時に衝撃音が発生する。特に、真空ポンプが低温であるとき、すなわちオイルが低温であるときに、衝撃音が大きくなる。
特許文献1には、真空ポンプをエンジンのクランクケース内部に配設する技術が開示されている。これによると、真空ポンプの回転により生じる騒音の外部への放射を抑止し易くなるとしている。
特開平8−2281号公報
このように、真空ポンプなどにおいて、各種の騒音対策が施されているが、より簡単で効果的な対策が期待されている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、真空ポンプ等から発生する騒音を容易に目立たなくさせることができる騒音制御方法、真空ポンプ及び回転力伝達構造を提供することにある。
本発明のある態様は、騒音制御方法である。この方法は、第1の車両音発生源からの発音に合わせて、第2の車両音発生源から発音させ、いずれか一方の音を他方の音に埋没せしめる。この態様によれば、いずれか一方の音を他方の音に埋没せしめることにより、前者の音を目立たなくさせることができる。
本発明の別の態様も、騒音制御方法である。この方法は、エンジン燃焼音に合わせてポンプ騒音を発生させ、前記ポンプ騒音を前記エンジン燃焼音に埋没せしめる。この態様によれば、ポンプ騒音をエンジン燃焼音に埋没せしめることにより、ポンプ騒音を目立なくさせることができる。
本発明のさらに別の態様は、真空ポンプである。この真空ポンプは、エンジン燃焼音の位相と、吸気または排気による騒音の位相とを合わせるよう、カムシャフトにより前記エンジンの出力軸とポンプ駆動手段とを連結した。「ポンプ駆動手段」には、ベーンを回転させるためのロータが含まれてもよい。この態様によると、エンジン燃焼音の位相と、吸気または排気による騒音の位相とを合わせ、真空ポンプで発生する騒音をエンジン燃焼音に埋没させることにより、真空ポンプの騒音を目立たなくさせることができる。
本発明のさらに別の態様は、回転力伝達構造である。この回転力伝達構造は、エンジン燃焼音の位相と、真空ポンプの吸気または排気による騒音の位相とを合わせるよう、前記エンジンの出力軸と前記真空ポンプの駆動手段とを連結し、前記エンジンの回転力を前記真空ポンプに伝達するカムシャフトを備える。「駆動手段」には、ベーンを回転させるためのロータが含まれてもよい。この態様によると、エンジン燃焼音の位相と、吸気または排気による騒音の位相とを合わせ、真空ポンプで発生する騒音をエンジン燃焼音に埋没させることにより、真空ポンプの騒音を目立たなくさせることができる。
本発明によれば、真空ポンプ等から発生する騒音を容易に目立たなくさせることができる。
本発明の一実施形態は、排気弁46がハウジングの座面に密接することによる排気弁46の閉塞及び開弁時の衝撃音の発生を目立たなくする真空ポンプである。このような真空ポンプは、例えば、ブレーキブースターにホース等で結合されて、ブースターの負圧を作り出すために使用される。
図1の平面図及び図2の側面図を参照して、本実施形態による真空ポンプ10の内部構造を説明する。真空ポンプ10は、一端が開放され他端には筒状部50を有する略だ円筒形状のハウジング12を備える。ハウジング12の開放端には、略だ円形状のプレート40(図2)が当接しており、これによってポンプ室28が形成されている。
ポンプ室28の内部には、同心円状の凹部が形成された円柱形状のロータ14が、ハウジング12の中心より偏心されて、偏心軸の周りに回転自在に収容されている。ロータ14には、ロータの中心を通る一本のベーン溝15が配されている。ベーン溝15には、略平板形状に形成されたベーン16が、ロータ14の径方向に進退するように摺動自在に嵌合されている。ベーン16の両端部には、ハウジング12の内周面に摺接するキャップ18が設けられている。ベーン16のプレート40側の側面は、プレート40の端面に摺接した状態になっており、これによって、ポンプ室をポンプ室28a及び28bの二室に区画している。なお、当業者には明らかであるように、ベーン溝及びそれに嵌合されるベーンの数は、二枚以上でもよい。
ハウジング12には、吸気孔22及び排気孔26がポンプ室28にそれぞれ連通するように設けられている。排気孔26のポンプ室内周面における位置は、ポンプ室28の内周面とロータ14の外周面とが最も接近する位置よりも、ロータ14の回転方向手前側に設定される。吸気孔22には、エアーインレットパイプ20が接続されており、外部からポンプ室28内に空気が供給される。吸気孔22内には、ポンプ室28からの空気の逆流を防止するためのチェックバルブ24が設置されている。
ロータ14は、ハウジング12の筒状部50を貫通し、カップリング32を介してカムシャフト30と接続される。カムシャフト30内には、図示しない給油装置に接続されるオイル流路34が貫通している。ロータ14の軸内には、T字型流路38が形成されている。オイルインレットパイプ36が、オイル流路34とT字型流路38とを接続している。また、ハウジング12の筒状部50には、その全周の一カ所のみに溝42が設けられている。
カムシャフト30が図示しないエンジンにより回転され、ロータ14が図1において時計方向に回転されると、ベーン16はベーン溝15に対して進退し、ハウジング12の内周面に対して摺接しながら移動する。このベーン16の移動により、ポンプ室28a及び28bが拡張及び収縮されることによって、吸気孔22からポンプ室28a内に空気が吸入されると共に、排気孔26からポンプ室28b内の空気が排出される。
ロータ14が回転すると、給油装置(図示せず)の圧力とベーン16の回転により発生する真空によって、オイルがオイルインレットパイプ36を通ってT字型流路38に流入する。このT字型流路38がロータ14の回転により溝42と一致したときにのみ、オイルがポンプ室28内に供給され、ハウジング12のポンプ室28、ロータ14及びベーン16の摺接面を潤滑するとともに、ポンプ室28内部の気密を維持する。ポンプ室28内に供給されたオイルは空気に混入し、ベーン16の回転に伴って、空気と共に排気孔26から排出される。
排気孔26のハウジング外部と連通する側には、金属製の薄板状の排気弁46と排気弁ストッパー48とが設けられている。空気と共に排気孔26から排出された油は、排気弁46とハウジング12の座面の間に付着する。排気弁46は、排気時には開放して排気を行う一方で、それ以外のときは座面と密接し、真空ポンプ10の本来の性能を発揮できるようにする。
しかし、排気弁46と座面とが密接すると、油膜の表面張力に逆らって排気弁46を座面から剥がす力が余分に必要となるために、排気弁46の開くタイミングが通常より遅くなる。この結果、ポンプ内部とポンプ外部の圧力差が大きくなるため、排気弁46の開弁時に衝撃音が発生する。
そこで、本実施形態では、エンジン燃焼時に発生する動弁系からの騒音の位相に、真空ポンプ10の上記衝撃音のような騒音の位相を同期させて、真空ポンプ10の騒音を目立たなくする。
一般に、エンジンは、吸気行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程、排気行程の4工程を繰り返す。吸気行程では、ピストンがシリンダ内の上死点から下降を開始し、吸気バルブが開き、燃料の混ざった混合気が吸い込まれる。圧縮行程では、ピストンが下死点から上昇に転じ、吸気バルブおよび排気バルブが閉じられ、当該混合気が圧縮される。燃焼・膨張行程では、ピストンが再び上死点に達し、点火プラグで着火され、燃焼によって発生した燃焼ガスでシリンダ内の圧力が高まりピストンが押し下げられる。排気行程では、ピストンが下死点から上昇を開始し、排気バルブが開き、燃焼ガスが押し出される。ピストンの往復運動は、クランク機構により回転運動に変換される。ピストンの1往復がクランクシャフトの1回転に対応する。
例えば、4気筒エンジンにおいて、第1気筒に連なるクランクの1回転目で、第1気筒は燃焼・膨張行程及び排気行程を行い、2回転目で吸気行程及び圧縮行程を行う。第2気筒に連なるクランクの1回転目で、第2気筒は圧縮行程及び燃焼・膨張行程を行い、2回転目で排気行程及び吸気行程を行う。第3気筒に連なるクランクの1回転目で、第3気筒は排気行程及び吸気行程を行い、2回転目で圧縮行程及び燃焼・膨張行程を行う。第4気筒に連なるクランクの1回転目で、第4気筒は吸気行程及び圧縮行程を行い、2回転目で燃焼・膨張行程及び排気行程を行う。
各気筒の燃焼工程において、ピストンが上死点位置及びその近傍にあるとき燃焼に伴う爆発音が発生する。上述した4気筒エンジンでは、クランクの1回転目の略0°の角度で第1気筒から爆発音が発生し、略180°の角度で第2気筒から爆発音が発生する。そして、クランクの2回転目の略0°即ち始めから360°の角度で第4気筒から爆発音が発生し、2回転目の略180°即ち始めから540°の角度で爆発音が発生する。したがって、4気筒エンジンでは、1回転に2回、爆発音が発生する。
本実施形態では、図2に示したカムシャフト30の他端は、エンジンの出力軸に連なる。カムシャフト30は、エンジンの回転数を1/2に変換して、その回転力をカップリング32を介してロータ14に伝達する。上述したように、真空ポンプ10の排気弁46は、ロータ14の1回転で1回、開弁する。そこで、この開弁時の騒音がエンジンの爆発音と同期がとれていれば、当該開弁時の騒音が目立たなくなる。
以下、図3に示すカップリング32の正面図を参照して、開弁時の騒音とエンジンの爆発音とを同期させる手法を説明する。ハウジング12から突出しているロータ14の先端には、カムシャフト30の先端から突出するオイルインレットパイプ36が嵌合するカムシャフト溝31が形成される。カップリング32は、そのロータ14の先端に外嵌する。設計者は、排気弁46が開弁するときのベーン16位置に、エンジンの爆発タイミングが一致するよう、カムシャフト溝31とオイルインレットパイプ36との嵌合位置を合わせる。最適嵌合位置は、実験により求めることができる。具体的には、真空ポンプ10の位置を決めて、カムシャフト溝31の位置を調整してもよいし、真空ポンプ10内のベーン16の回転位置を調整してもよい。
図4は、エンジン近傍の騒音と真空ポンプ10の排気弁46の開弁タイミングと4気筒エンジンのピストン上死点位置を示すタイミングチャートである。図中(A)はエンジン近傍の騒音の波形を示し、(B)は真空ポンプ10の排気弁46の開弁タイミングを示し、(C)は4気筒エンジンのピストン上死点位置を示す。時点a、b、c、d、eがピストンの上死点位置を示し、各時点a、b、c、d、e及びその近傍でエンジンの騒音が大きくなることが分かる。この騒音の位相と真空ポンプ10の排気弁46の開弁により発生する騒音の位相とを同期させることにより、排気弁46からの排気音やそれを起因として発生する騒音が、エンジンの燃焼時の騒音に埋没し、目立たなくなる。
以上説明したように、エンジン燃焼時に発生する騒音の位相に、真空ポンプ10の騒音の位相を合わせ込むことにより、真空ポンプ10の騒音を目立たなくすることができる。よって、運転手等の不快感を低減させることができる。しかも、真空ポンプに騒音を抑止する機構を付加せずとも、簡易な手法で騒音対策を実現することができる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、そのような変形例を述べる。
実施形態では、排気弁46から発生する騒音をエンジン燃焼時の騒音に埋没させる例を説明した。この点、真空ポンプ10の吸気孔22に設置されるチェックバルブ24の着座音にも同様に適用可能である。実施形態と同様に、カムシャフト溝31とオイルインレットパイプ36との嵌合位置を調整する等の手法により、エンジン燃焼時の騒音に、上記着座音等の吸気による騒音を同期させることにより、当該騒音を目立たなくさせることができる。この場合も、最適嵌合位置は、実験的に求めることができる。
実施形態では、4気筒エンジンの例を説明した。この点、6気筒エンジンにも適用可能である。6気筒エンジンの場合、クランクの1回転に3回、爆発音が発生する。この場合、伝達すべきエンジンの回転数をカムシャフト30で調整して、真空ポンプ10に伝達することにより、真空ポンプ10の騒音に同期させることができる。
10 真空ポンプ、 12 ハウジング、 14 ロータ、 15 ベーン溝、 16 ベーン、 18 キャップ、 20 エアーインレットパイプ、 22 吸気孔、 24 チェックバルブ、 26 排気孔、 28 ポンプ室、 30 カムシャフト、 31 カムシャフト溝、 32 カップリング、 34 オイル流路、 36 オイルインレットパイプ、 38 T字型流路、 46 排気弁、 48 排気弁ストッパー。
Claims (4)
- 第1の車両音発生源からの発音に合わせて、第2の車両音発生源から発音させ、いずれか一方の音を他方の音に埋没せしめることを特徴とする騒音制御方法。
- エンジン燃焼音に合わせてポンプ騒音を発生させ、前記ポンプ騒音を前記エンジン燃焼音に埋没せしめることを特徴とする騒音制御方法。
- エンジン燃焼音の位相と、吸気または排気による騒音の位相とを合わせるよう、カムシャフトにより前記エンジンの出力軸とポンプ駆動手段とを連結したことを特徴とする真空ポンプ。
- エンジン燃焼音の位相と、真空ポンプの吸気または排気による騒音の位相とを合わせるよう、前記エンジンの出力軸と前記真空ポンプの駆動手段とを連結し、前記エンジンの回転力を前記真空ポンプに伝達するカムシャフトを備えることを特徴とする回転力伝達構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004258711A JP2006070880A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 騒音制御方法、真空ポンプ及び回転力伝達構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004258711A JP2006070880A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 騒音制御方法、真空ポンプ及び回転力伝達構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2006070880A true JP2006070880A (ja) | 2006-03-16 |
Family
ID=36151747
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004258711A Pending JP2006070880A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 騒音制御方法、真空ポンプ及び回転力伝達構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2006070880A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20120245826A1 (en) * | 2011-03-23 | 2012-09-27 | Hitachi, Ltd | Method and apparatus to reduce engine noise in a direction injection engine |
| KR20240177094A (ko) * | 2023-06-19 | 2024-12-27 | 장성신 | 불순물 받이용 소음 저감기 |
-
2004
- 2004-09-06 JP JP2004258711A patent/JP2006070880A/ja active Pending
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| US20120245826A1 (en) * | 2011-03-23 | 2012-09-27 | Hitachi, Ltd | Method and apparatus to reduce engine noise in a direction injection engine |
| US9309849B2 (en) * | 2011-03-23 | 2016-04-12 | Hitachi, Ltd | Method and apparatus for reducing the number of separately distinguishable noise peaks in a direct injection engine |
| KR20240177094A (ko) * | 2023-06-19 | 2024-12-27 | 장성신 | 불순물 받이용 소음 저감기 |
| KR102789841B1 (ko) | 2023-06-19 | 2025-03-31 | 장성신 | 불순물 받이용 소음 저감기 |
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