JP2006077367A - 消臭塗工剤及び消臭化粧紙 - Google Patents

消臭塗工剤及び消臭化粧紙 Download PDF

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Abstract

【課題】 臭気の物理的吸収に加え、臭気の成分を化学的に分解するとともに抗菌性を有し、しかも絵柄層自体の品質を損ねることがない消臭塗工剤及びその消臭塗工剤を積層した消臭化粧紙を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 化学吸収型消臭剤(粉末)14を混合した合成樹脂液を主剤として、この主剤に微粉末状の金属担持ゼオライト15を分散させた消臭塗工剤であり、この消臭塗工剤を、紙質壁紙用基材11に設けた絵柄層12上に消臭機能性保護層13を積層したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、消臭塗工剤及び消臭化粧紙に関し、殊に、OPワニス(保護ワニス,OP剤)として有用な消臭塗工剤であり、建築材の内装材である化粧紙を製造する際の印刷工程で使用可能なものであり、悪臭(汗臭、加齢臭、排泄臭、或いは揮発性有機化合物臭等)を物理吸着と化学的分解或いは光触媒による分解を兼ね備えて臭気成分を消し去るとともに抗菌性を有する消臭塗工剤及び消臭化粧紙に関するものである。
従来、消臭剤としては、炭、珪藻土、活性炭、ゼオライト等があり、建築物の内装材としてこれらの物質をシート状にして貼ったものがある。図2は消臭化粧紙であり、紙基材1と通気性のある表面材2との間に活性炭シート3を介装したものであり、ホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物(VOC)を吸着することができる(例えば、特許文献1)。
また、一般住宅や病院等の室内の不快臭を吸着し、さらに抗菌性を有する化粧紙がある。図3を参照して説明すると、この化粧紙は、基材4の片面に発泡性樹脂層5、絵柄層6、無機質層7、光触媒機能層8が順次積層され、エンボス加工が施されている。光触媒機能層8は、光触媒粒子を水ガラスなどに添加してコーティングしたり、光触媒粒子を発泡性樹脂に混合、吹き付け、振り掛けたりした後、加熱発泡させてエンボス加工を施して形成されている。この化粧紙は、光が照射されると、その光触媒機能層8の光分解作用により抗菌性が付与されている。さらに、光触媒機能層8の抗菌性ゼオライト等を混合すれば、光が当たらない時でも抗菌性を発揮するとしている(例えば、特許文献2)。
特開2004−162185号公報(明細書全頁、図面図1) 特開平10−180943号公報(明細書全頁、図面図1)
従来例の消臭化粧紙(特許文献1)では、活性炭シートを紙基材と表面材と間に介在するものであり、活性炭は悪臭を吸収して閉じ込める機能を有するものの悪臭成分を分解する機能はないし、紙基材の片面に絵柄層を設けた場合、活性炭シートで覆われることになり、化粧紙としての用途を達成することができない。また、表面材に絵柄を印刷した場合、さらに表面材に保護層を施さねばならない。無論、保護層に活性炭を分散させることは、絵柄層表面上が黒く着色されることになるので使用できない。
また、従来例の消臭化粧紙(特許文献2)では、建築物の内装材として利用される化粧紙であり、この消臭化粧紙では、無機質層上に光触媒機能層を形成し、光触媒機能層により抗菌性を付与するものであるが、光触媒粒子の紫外線による分解作用によって消臭することを主体とし、紫外線の弱い屋内では臭気を物理的には吸着するが、分解速度は遅く、消臭作用としての即効性は少ない。また、絵柄層上に無機質層と光触媒機能層が形成され、塗工前後の色差が極端に大きくなり、意匠性に優れた化粧紙を提供することはできないといった欠点がある。
本発明は、上記のような問題点に鑑みなされたものであり、臭気の物理的吸収に加え、臭気の成分を化学反応により無臭化させるとともに抗菌性を有し、しかも絵柄層自体の色変化を少なくする消臭塗工剤及びその消臭塗工剤を積層した消臭化粧紙を提供することを目的とするものである。
本発明は、上述の課題を解決するためになされ、請求項1の発明は、化学吸収型消臭剤を混合した合成樹脂液を主剤として、該主剤に微粉末状の金属担持ゼオライトを分散させたことを特徴とする消臭塗工剤である。
また、請求項2の発明は、前記化学吸収型消臭剤を混合した前記合成樹脂液100重量部に対し、銀イオンを担持する平均粒径4〜10μmの前記金属担持ゼオライトを0.5〜30重量部添加したことを特徴とする請求項1に記載の消臭塗工剤である。なお、金属担持ゼオライトの添加量が、0.5重量部を下回ると臭気成分を化学変化させる能力が劣り、30重量部を超えると光の透過に支障が生じる。好ましくは、金属担持ゼオライトの混合量を1〜10重量部とする。
また、請求項3の発明は、前記金属担持ゼオライトが、光触媒酸化チタンを担持することを特徴とする請求項1に記載の消臭塗工剤である。
また、請求項4の発明は、シリカ・アルミナ微粉末を混合したアクリル系樹脂液を主剤として、該主剤に微粉末状の金属担持ゼオライトを分散させたことを特徴とする消臭塗工剤である。なお、シリカ・アルミナは、RSiO3/2・Alの分子構造を有するものであり、Rはアルキル基−CH,−C,…等である。
また、請求項5の発明は、前記金属担持ゼオライトが、銀イオン又は光触媒酸化チタンを担持することを特徴とする請求項4に記載の消臭塗工剤である。
また、請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の消臭塗工剤において、前記消臭機能性保護層が絵柄層上に有することを特徴とする消臭化粧紙である。
また、請求項7の発明は、前記絵柄層上に前記消臭機能性保護層を塗工する際に、前記絵柄層上に積層する前記消臭機能性保護層の膜厚及び金属担持ゼオライトの混合比を、塗工前後の色差ΔE*abが5以下になるように設定したことを特徴とする請求項6に記載の消臭化粧紙である。
また、請求項8の発明は、前記金属担持ゼオライトが、銀イオンを担持することを特徴とする請求項7に記載の消臭化粧紙である。
また、請求項9の発明は、塗工前の前記絵柄層の明度L*が50以上であることを特徴とする請求項7又は8に記載の消臭化粧紙である。
また、請求項10の発明は、前記化学吸収型消臭剤を混合した前記合成樹脂液100重量部に対して添加する金属担持ゼオライトの部数をP重量部(0.5≦P≦30)とし、前記消臭機能性保護層の膜厚をTμmとしたとき、P・T≦110の関係式を満たすことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の消臭化粧紙である。なお、この関係式の110は消臭剤の含有量と、それを含んだ塗膜の厚みの積であり、含有量Pと塗膜の膜厚Tの関係が略比例関係にあり、その積の最大値を意味する。
また、請求項11の発明は、前記化学吸収型消臭剤を混合した前記合成樹脂液100重量部に対して添加する金属担持ゼオライトの部数P重量部を0.5≦P≦30の範囲に設定し、前記消臭機能性保護膜の膜厚Tμmによる前記絵柄層の塗工前後の色差ΔE*abを、5以下になるように設定したことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の消臭化粧紙である。
請求項1の発明では、化学吸収型消臭剤を混合した合成樹脂液を主剤として、該主剤に微粉末状の金属担持ゼオライトを分散させたことを特徴とする消臭塗工剤であるので、消臭塗工剤を塗工機又は印刷等による絵柄表面に塗工することによって、金属担持ゼオライトの多孔質形状による臭気の吸着と、金属イオン、例えば銀イオンによる臭気成分の分解及び抗菌作用を機能させることが可能であり、しかも化学吸収型消臭剤が混合されており、多孔質形状のゼオライトに吸着された臭気性ガスを化学吸収型消臭剤が臭い物質と化学反応し、一度反応した臭い物質を再放出させず消臭効果が一層優れたものとなる。また、消臭塗工剤は、合成樹脂液による主剤に金属担持ゼオライト及び化学吸収型消臭剤が分散しており、トップコート剤等に利用することが可能である。また、この消臭塗工剤を絵柄を施した面にグラビア,フレキソ,シルクスクリーン印刷等により塗工しても一定の隠蔽性以下に設定すれば絵柄の意匠性を損ねるおそれが少ない。
また、請求項2の発明では、前記化学吸収型消臭剤を混合した前記合成樹脂液100重量部に対し、銀イオンを担持する平均粒径4〜10μmの前記金属担持ゼオライトを0.5〜30重量部添加したことを特徴とする請求項1に記載の消臭塗工剤であるので、その消臭塗工剤を消臭機能性保護層(トップコート層)として使用することができ、絵柄層の明度に応じ、例えば銀担持ゼオライトの混合比率を調整することで、絵柄層の意匠性を損ねないし、しかも化学吸収型消臭剤を含有しているので、臭気成分を吸収し、化学変化させる機能を有する。
また、請求項3の発明では、前記金属担持ゼオライトが、光触媒酸化チタンを担持することを特徴とする請求項1に記載の消臭塗工剤であり、金属担持ゼオライトが、光触媒酸化チタンを担持するゼオライト(光触媒担持ゼオライト)の微粒子であるので、光触媒担持ゼオライトを合成樹脂液による主剤に混合した消臭塗工剤による保護層を化粧紙に塗工して消臭機能性保護層を形成した消臭化粧紙としても絵柄層の意匠性を損ねることがなく、光触媒による光分解作用により、抗菌性及び消臭性を高めることができる。
また、請求項4の発明では、シリカ・アルミナ微粉末を混合したアクリル系樹脂液を主剤として、該主剤に微粉末状の金属担持ゼオライトを分散させたことを特徴とする消臭塗工剤であり、金属担持ゼオライトは吸着性と抗菌性があり、ゼオライトとシリカ・アルミナの吸着による消臭効果と、金属担持ゼオライトの抗菌性によって消臭性と抗菌性を備えた消臭塗工剤となる。
また、請求項5の発明では、前記金属担持ゼオライトが、銀イオン又は光触媒酸化チタンを担持することを特徴とする請求項4に記載の消臭塗工剤であるので、銀又は光触媒酸化チタンによる消臭成分の化学変化により、消臭化粧紙の抗菌性及び消臭性を高めることができる。
また、請求項6の発明では、請求項1〜5の何れかに記載の消臭塗工剤において、前記消臭機能性保護層が絵柄層上に有することを特徴とする消臭化粧紙であるので、抗菌性及び消臭性を持たせ、トップコート層として絵柄を保護することができる。
また、請求項7の発明では、前記絵柄層上に積層する前記消臭機能性保護層の膜厚及び金属担持ゼオライトの混合比を、該絵柄層の塗工前後の色差ΔE*abが5以下になるように設定したことを特徴とする請求項6に記載の消臭化粧紙であるので、色差ΔE*abが5以上であれば絵柄層の意匠性を損ねることなく、トップコート層として絵柄を保護することができるとともに、消臭機能を付与することができる。
また、請求項8の発明では、前記金属担持ゼオライトが、銀イオンを担持することを特徴とする請求項7に記載の消臭化粧紙であるので、銀担持ゼオライトと化学吸収型消臭剤とを含有する消臭機能性保護層が絵柄層を保護し、多孔質のゼオライトによる臭気性ガスの吸着性を高め、化粧紙に消臭性及び抗菌性を付与することができ、しかも保護層が略透明な層であり、絵柄層の意匠性を損ねることがない。
また、請求項9の発明では、塗工前の前記絵柄層の明度L*が50以上であることを特徴とする請求項7又は8に記載の消臭化粧紙であるので、白色粉末である銀担持ゼオライトのために白みを帯びた塗工液に対して絵柄層の明度が50以上であれば、紙柄層の色合と塗工液の白みのコントラストの差が小さく、元の絵柄の意匠性を損なうおそれが少ない。
また、請求項10の発明では、前記化学吸収型消臭剤を混合した前記合成樹脂100重量部に対して添加する金属担持ゼオライトの部数をP重量部(0.5≦P≦30)とし、膜厚をTμmとしたとき、P・T≦110の関係式を満たすことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の消臭化粧紙であるので、金属担持ゼオライトの部数P重量部から前記消臭機能性保護層の膜厚Tμmを110以下の値に設定することにより、絵柄層の意匠性を損ねることなく、消臭性及び抗菌性を付与することができができる。
また、請求項11の発明では、前記化学吸収型消臭剤を混合した前記合成樹脂液100重量部に対して添加する金属担持ゼオライトの部数P重量部を0.5≦P≦30の範囲に設定し、前記消臭機能性保護膜の膜厚Tμmによる前記絵柄層の塗工前後の色差ΔE*abを、5以下になるように設定したことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の消臭化粧紙であるので、絵柄層の意匠性を損ねることなく、トップコート層として絵柄を保護することができるとともに、消臭機能を付与することができる。
以下、本発明に係る消臭塗工剤及び消臭化粧紙の実施形態について説明する。
(実施形態1)
本実施形態の消臭塗工剤は、微粉末状の金属担持ゼオライトと化学吸収型消臭剤とを合成樹脂液(OP剤,OPニス等)による主剤に含有させ、希釈溶剤により任意の粘性を有する。金属担持ゼオライトの内、例えば銀担持ゼオライトは、多孔質構造のゼオライト(アルミノ珪酸塩)に銀イオンをイオン交換により担持したものであり、銀担持ゼオライト自体の多孔質構造による臭気成分の吸着と、銀イオンによる抗菌性と消臭機能とに加え、化学吸収型消臭剤の臭気成分の化学変化による抗菌と消臭機能を兼ね備えるものである。その混合比率は、合成樹脂液である主剤、例えばアクリル樹脂等を用い、化学吸収型消臭剤を混合した合成樹脂液100重量部に対し、銀担持ゼオライトの微粉末を0.5〜30重量部を混合したものである。
上記銀担持ゼオライトは、その化学構造で示せば、XM2/nO・Al・YSiO・ZHO(M:銀イオン、X,Y,Z:各成分のモル比)であり、結晶性アルミノケイ酸塩の一種であるゼオライトに銀イオンを付加したものである。ゼオライト自体の多孔質構造による臭気成分の吸着と、銀イオンの触媒作用による臭気成分の分解機能を有する。
さらに、上記化学吸収型消臭剤は、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガス、硫化水素、メチルメルカプタン等の硫黄系ガス、酢酸、イソ吉草酸等の酸性ガス、アルデヒド類等の代表的な臭気を除去することができる複合消臭剤であり、熱可塑性樹脂溶液に消臭剤を混合したもの、脂肪酸族ポリカルボン酸又はその塩、例えば、トリカルボン酸、クエン酸、或いはフマル酸又はその塩等であり、この消臭剤を熱可塑性樹脂溶液に混合して微粉末としたものであり、その混合比は、例えば、熱可塑性樹脂溶液99.9〜80重量部に対し、脂肪酸族ポリカルボン酸を0.1〜20重量部を混合したものである。また、熱可塑性樹脂としては、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂が用いられる。
この化学吸収型消臭剤は化学反応により臭気性ガスを臭いのない物質に化学変化させ消臭する機能を有し、この化学的吸収の仕組みは臭気成分を化学的に安定した水酸化物(MeOH)と硫化物(MeS,XSO)に化学変化させて気化しないようにする。例えば、アンモニアは、MeMe(SO +4NH+4HO→2(NHSO+MeOH+Me(OH)の反応により、安定化し、トリメチルアミンは、2MeMe(SO+2(CHN+8HO→(NHSO+3(CHSO+2MeOH+2Me(OH)の反応により、安定化し、硫化水素は、MeO+HS→Me+HOの反応により安定化し、臭気性ガスを化学変化させ吸収する。なお、Me,Me,Meは、金属元素である。
消臭機能を有する消臭物質としては、酸化亜鉛、硫化アルミニウム、硫化アルミニウムカリウム、硫酸第一鉄とクエン酸の組み合わせ、フマル酸又はフマル酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アジピン酸ジヒドラジン、フタル酸ジヒドラジンなどを適宜組み合わせて使う。この消臭物質を樹脂液に混入し、化粧紙表面に塗布することで、次のような悪臭の元になる成分、例えば、酢酸、硫化水素、アセトアルデヒド、フォルムアルデヒド、アンモニア、トリメチルアミンなどを吸収し、無臭の物質に変化させることができる。
実際の悪臭は、多くの複雑な諸物質の混合物である場合が多く、上記消臭機能物質を組み合わせることでより広く消臭効果を上げることができるが、比較的悪臭成分を吸収する物質は限定される。上記消臭物質にゼオライトを併用することにより悪臭物質をさらに広く吸着し、消臭作用を及ぼす範囲を拡大させることができる。しかも、ゼオライトが、金属イオンを担持することによって、吸着した悪臭物質を分解し無臭化する働きを一層高めることができる。
(実施形態2)
本実施形態の消臭塗工剤は、上記化学吸収型消臭剤の微粉末を合成樹脂液(OP剤)の主剤に分散させたのも100重量部に対し、光触媒酸化チタンを担持したゼオライト(以下、光触媒担持ゼオライトと称する)0.5〜30重量部を混合したものである。
(実施形態3)
本実施形態の消臭塗工剤は、シリカ・アルミナをアクリル系樹脂液に分散させた合成樹脂液、いわゆる、液状セラミックを主剤として金属担持ゼオライトの微粉末を添加して分散させたのもであり、この主剤100重力部に対して、金属担持ゼオライトの粉末を0.5〜30重量部を混合したものである。なお、金属担持ゼオライトは、銀担持ゼオライトが好ましい。また、シリカ・アルミナの分子構造は、RSiO3/2・Alで表される。なお、Rはアルキル基−CH,−C,…等である。
(実施形態4)
本実施形態の消臭塗工剤は、シリカ・アルミナをアクリル樹脂に分散させた合成樹脂、いわゆる、液状セラミックを主剤として光触媒担持ゼオライトの微粉末を分散させたものであり、この主剤100重力部に対して、光触媒担持ゼオライトの微粉末を0.5〜30重量部を混合したものである。なお、光触媒担持ゼオライトは、酸化チタン(TiO)等の光触媒粒子を担持したものである。
続いて、本発明における消臭化粧紙の実施形態について説明する。
本実施形態の消臭化粧紙は、建築材の内装材である消臭化粧紙であり、化粧紙又は化粧板の絵柄層表面を保護する保護層を設けたものである。この保護層には、上記実施形態1〜4の消臭塗工剤が用いられる。本実施形態では、この消臭塗工剤を絵柄層表面に塗布又は印刷して塗工したものである。図1は、本実施形態の消臭機能性保護層を備える消臭化粧紙10であり、紙質壁紙用基材11の片面に絵柄層12が設けられ、絵柄層12上に消臭機能性保護層13が積層されたものである。
消臭機能性保護層13は、上記実施形態1,2の消臭塗工剤を塗布又は印刷して、0.5〜12μmの厚さとし、この層は化学吸収型消臭剤14と金属担持ゼオライト15とが分散し、絵柄層12の表面を保護するとともに消臭及び抗菌機能を有する。なお、実施形態3,4の消臭塗工剤を使用した場合、図1の金属担持ゼオライト15は光触媒担持ゼオライトに置き換わり、化学吸収型消臭剤14は含有していない。この消臭機能は、物理的吸着及び光触媒による臭気成分の分解作用が働き、臭気成分を除去する機能を有するとともに、抗菌作用を付与させることができる。
本発明の消臭化粧紙の消臭評価を下記の実施例に基づいて行った。
図1を参照して説明すると、紙質壁紙用基材11を使用し、絵柄を印刷した絵柄層12を設けたものを用意し、絵柄層12を設けた紙質壁紙用基材(10×10cm四方)の絵柄層12表面に消臭塗工剤をコートした。消臭塗工剤は、A〜Dを用意し試料を作製した。Aは化学吸収型消臭剤の粉末を合成樹脂液である主剤(OP剤を含む)に混合した化学反応系液体(ダイムシューVSFW:大日精化社製)であり、Bはシリコン・アルミナの粉末を主剤に混合したセラミック系液体(エスアンドエス社製)であり、Cはゼオライト系粉末(ライオナイト:ライオン社製)で光触媒担持ゼオライトであり、Dはゼオライト系粉末(ゼオミック:シナネンゼオミック社製)であり、銀担持ゼオライトである。
試料1はAの試料を絵柄層表面に塗工した。試料2はBの試料を絵柄層表面に塗工した。試料3はA+Cの試料であり、C10重量%をA90重量%の主剤に混合して絵柄層表面に塗工した(実施形態2に対応)。試料4はB+Cの試料をC10重量%をB90重量%の主剤に混合して絵柄層表面に塗工した(実施形態4に対応)。試料5はA+Dの試料をD10重量%をA90重量%の主剤に混合して絵柄層表面に塗工した(実施形態1に対応)。試料6は、B+Dの試料であり、D10重量部%をB90重量部%の主剤に混合したものである(実施形態3に対応)。試料7はD10重量部%を通常OPニスに分散させたものである。試料8は10×10cm四方の絵柄層表面に保護層を設けない紙質壁紙用基材である。
消臭評価は、上記試料1〜7及び試料8を10cm×10cmに切り、裏面(絵柄層のない面)から臭気を吸着しないようにPETフィルムで覆い、5リットルのテドラーバッグに試料を入れた。各試料を入れたテドラーバッグに悪臭ガスを3リットル注入して封入し、悪臭ガスの濃度の経時変化(2時間後、24時間後)を検知管(ガステック社製)で測定した。その測定結果を表1〜4に示す。悪臭ガスは、メチルメルカプタン(10ppm)、硫化水素(5ppm)、アンモニア(100ppm)、アセトアルデヒド(100ppm)の4種類であり、ガスボンベに充填したものを使用した。表1〜4は、順番にメチルメルカプタン、硫化水素、アンモニア、アセトアルデヒドの測定結果を示し、これらの初期濃度は、夫々0.4ppm、0.5ppm、3.0ppm、0.5ppmに設定した。
なお、表1〜4において、試料1をダイム、試料2を液セラ、試料3をダイム+ライオ、試料4を液セラ+ライオ、試料5をダイム+ゼオミ、試料6を液セラ+ゼオミ、試料7をゼミオミック10%、試料8をブランクと略記した。ダイムはダイムシューVSFW、液セラは液状セラミック、ライオは光触媒担持ゼオライト、ゼオミ,ゼミオミックは銀担持ゼオライトの略記したものである。
Figure 2006077367
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表1〜4は、試料1〜8が臭気性ガスを吸収した結果、テドラーバッグ内に残留する測定結果を示すものであり、この測定結果では、試料5の化学吸収型消臭剤と銀担持ゼオライトとを主剤に混合したものが、メチルメルカプタン,硫化水素,アンモニアにおいて、低減率100%であり、最も効果的であることが判明した。しかも、試料5は2時間後の低減率が100%であり、即効性を有することも確認した。最も良好な結果を得た試料は実施形態1の消臭塗工剤を塗工したものであった。また、硫化水素の臭気に対しては、他の試料も効果的であることが判った。
また、消臭化粧紙では意匠性が要求され、絵柄層上に消臭機能性保護層を積層した場合、特に、ゼオライトが白色粉末であるため、厚く塗工すると白色不透明となり、絵柄層が隠蔽されてしまう。また、絵柄層の明度が50未満であると、色調が暗いため、臭気機能性保護層を薄く塗工しても、ゼオライトの白色が目立ち、塗工前後の意匠性を保てなくなる。そこで、明度L*が50以上の絵柄層上に消臭機能性保護層を積層し、消臭化粧紙表面の明るさ(明度)を測定した。その測定結果を表5に示す。この明度測定では、国際照明委員会が定めた10°視野における色差ΔE*abを測定し、表5に示し、その消臭力をも併せて示した。消臭機能性保護層は、化学吸収型消臭剤を分散させたOP剤100重量部に、銀担持ゼオライトを10重量部、20重量部、30重量部、40重量部を夫々混合し、各消臭塗工剤をバーコーターにより絵柄層上に塗工し、(1),(2),(3)の膜厚の試料を製作した。膜厚(1),(2),(3)の夫々は、2,7μm、5.4μm、10.8μmとした。なお、絵柄層は明度L*が52.73のものを使用した。
Figure 2006077367
表5において、太線で囲んだ範囲が、実用性のある範囲である。具体的には、色差ΔE*abが5以下であれば、塗工前後において、絵柄層の色の変化は軽微であり、この条件を満たすものが、実用性のある範囲といえる。(1)(2)(3)の膜厚において、ゼオミック10重量部であれば、その塗工前後の色差ΔE*abは5以下の範囲に収まっている。ゼオミック20重量部では、膜厚が(3)の場合、色差ΔE*abは5を超えており、塗工後の絵柄層は前と比べて明らかに白くなったのが目視でき、意匠性を保てなかった。ゼオミック30重量部では、(2),(3)の場合も同様に意匠性を保てなかった。ゼオミック40重量部では、(1),(2),(3)の何れの場合も意匠性を保てなかった。
消臭力を併せて考察すると、ゼオミック20重量部で(2)、ゼオミック30重量部で(1)の場合、メチルメルカプタンが6ppm減っており、最も良い結果となった。なお、太線から外れた結果、いわゆる実用性に耐え得なかった組み合わせは、消臭力があるものの絵柄層の意匠性は保たれていないし、実用性には乏しい結果を示している。さらに、本発明者等は、これらの実験結果より色差*abが5以下になる条件としては、ゼオミックの添加部数をP重量部とし、保護層の膜厚をTμmとすると、P・T≦110の関係式を満たすことを見い出した。この関係式を満たす場合、色差ΔE*abが5以下となる。なお、ゼオミックの混合比Pの範囲は、0.5≦P≦30とする。
なお、消臭力の測定は、10ppmのメチルメルカプタンガスを上記と同様に試料を入れたテドラーバッグに封入し、2時間後に何ppmに減ったかにより評価した。その結果は、膜厚が厚く、混合比率が高い程、消臭力は上昇している。
本発明の利用可能性としては、消臭塗工剤として化粧板表面に吹き付けや塗工することによって、既存の化粧板に消臭効果を付与することができる。
本発明に係る消臭化粧紙の一実施形態の概略断面図である。 従来の消臭化粧紙の断面図である。 従来の化粧板の断面図である。
符号の説明
10 消臭化粧紙
11 紙質壁紙用基材
12 絵柄層
13 消臭機能性保護層
14 化学吸収型消臭剤(粉末)
15 金属担持ゼオライト

Claims (11)

  1. 化学吸収型消臭剤を混合した合成樹脂液を主剤として、該主剤に微粉末状の金属担持ゼオライトを分散させたことを特徴とする消臭塗工剤。
  2. 前記化学吸収型消臭剤を混合した前記合成樹脂液100重量部に対し、銀イオンを担持する平均粒径4〜10μmの前記金属担持ゼオライトを0.5〜30重量部添加したことを特徴とする請求項1に記載の消臭塗工剤。
  3. 前記金属担持ゼオライトが、光触媒酸化チタンを担持することを特徴とする請求項1に記載の消臭塗工剤。
  4. シリカ・アルミナ微粉末を混合したアクリル系樹脂液を主剤として、該主剤に微粉末状の金属担持ゼオライトを分散させたことを特徴とする消臭塗工剤。
  5. 前記金属担持ゼオライトが、銀イオン又は光触媒酸化チタンを担持することを特徴とする請求項4に記載の消臭塗工剤。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の消臭塗工剤において、前記消臭機能性保護層が絵柄層上に有することを特徴とする消臭化粧紙。
  7. . 前記絵柄層上に前記消臭機能性保護層を塗工する際に、前記絵柄層上に積層する前記消臭機能性保護層の膜厚及び金属担持ゼオライトの混合比を、塗工前後の色差ΔE*abが5以下になるように設定したことを特徴とする請求項6に記載の消臭化粧紙。
  8. 前記金属担持ゼオライトが、銀イオンを担持することを特徴とする請求項7に記載の消臭化粧紙。
  9. 塗工前の前記絵柄層の明度L*が50以上であることを特徴とする請求項7又は8に記載の消臭化粧紙。
  10. 前記化学吸収型消臭剤を混合した前記合成樹脂液100重量部に対して添加する金属担持ゼオライトの部数をP重量部(0.5≦P≦30)とし、前記消臭機能性保護層の膜厚をTμmとしたとき、P・T≦110の関係式を満たすことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の消臭化粧紙。
  11. 前記化学吸収型消臭剤を混合した前記合成樹脂液100重量部に対して添加する金属担持ゼオライトの部数P重量部を0.5≦P≦30の範囲に設定し、前記消臭機能性保護膜の膜厚Tμmによる前記絵柄層の塗工前後の色差ΔE*abを、5以下になるように設定したことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の消臭化粧紙。
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