JP2006100162A - 非水電解質一次電池 - Google Patents

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Seiji Morita
誠二 森田
Kanji Urushibara
完二 漆原
Hidetaka Hatanaka
英孝 畑中
Shinichiro Sakaguchi
眞一郎 坂口
Masanori Kitayoshi
雅則 北吉
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Abstract

【課題】 Mnの溶出を抑制し得た非水電解質一次電池を提供する。
【解決手段】 正極活物質として二酸化マンガンを有する非水電解質一次電池において、非水電解質に、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールからなる化合物群より選択された1種以上の化合物を含有させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二酸化マンガンを正極活物質として有する非水電解質一次電池の改良に関する。
現在、カメラ等の駆動電源や、パーソナルコンピュータ等の電子機器のメモリバックアップ用として、正極活物質として二酸化マンガン、負極活物質に金属リチウムを用いた非水電解液一次電池が広く利用されている。
このような非水電解質一次電池の正極では、放電時に下記反応式1に示す反応が起こり、4価の二酸化マンガンが還元され、3価のMnとなる。
反応式1 Mn(IV)O2+Li++e-→LiMn(III)O2
しかし、この反応によって生じる3価のMnは活性が高く、下記反応式2によって正極に含まれる3価のMnが4価のMnと2価のMnとなり、生成物である2価のMn(Mn2+)が非水電解質中に溶出する。この溶出した2価のMnは、非水電解質中を移動し負極表面に析出し、析出したMnは負極の放電反応を阻害するので、電池の内部抵抗の上昇、放電特性の劣化等の問題を引き起こす。
反応式2 2LiMn(III)O2+2Li+→Mn(IV)O2+2Li2O+Mn(II)2+
このMnの溶出を抑制する技術としては、例えば下記特許文献1、2が提案されている。
特開平11−339794号公報(要約) 特開平11−233140号公報(要約)
上記特許文献1に記載の技術は、二酸化マンガンにホウ素あるいはアルミニウムを0.1〜1.0重量%の比率で混合し、350〜450℃で焼成した正極を用いる技術である。
上記特許文献1の技術によると、ホウ素あるいはアルミニウムが正極活物質中に含まれることによって、マンガンイオンの電解液への溶出を防止することができるとされる。しかし、この技術では、二酸化マンガンとホウ素あるいはアルミニウムとの混合、350〜450℃で焼成という工程を必要とするため、工程が煩雑となり、コスト高になる。
上記特許文献2に記載の技術は、非水電解液中に有機リン酸エステルを含有させる技術である。この技術によると、非水電解液中にMnが溶出するのを抑制できるとされる。
しかし、上記特許文献2に係る技術で用いる有機リン酸エステルは、人体や環境に悪影響を及ぼすという問題がある。
本発明の目的は、二酸化マンガンを正極活物質として含む非水電解質一次電池において、人体や環境に悪影響を及ぼすことなくMnの溶出を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質一次電池において、前記正極は、正極活物質として二酸化マンガンを有し、前記非水電解質は、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールからなる化合物群より選択された1種以上の化合物を有することを特徴とする。
上記構成において、前記非水電解質の質量を100としたとき、前記化合物群の合計質量が0.05〜2.0である、とすることができる。
α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールからなる化合物群が、非水電解質中へのMnの溶出を防止するように作用する。この理由は定かではないが、前記化合物群が共通して有するクロマン−6−オール構造を有しており、このクロマン−6−オール構造が活性の高い3価のMnの活性を低下させるように作用するためと考えられる。
また、上記化合物群は天然のビタミンE同族体として知られており、人体や環境に悪影響を及ぼすことがない。
ここで、非水電解質の質量を100としたとき、上記化合物群の合計質量が0.05未満であると、添加量が過小であるためMnの溶出を抑制する効果が小さくなる。他方、上記化合物群の合計質量が2.0より多いと、非水電解質の抵抗が上昇して放電電圧の低下等の問題を引き起こす。したがって、上記化合物群の添加量は、非水電解質の質量を100としたとき、0.05〜2.0の範囲内であることが好ましい。
本発明を実施するための最良の形態を、コイン型の非水電解質一次電池を例として、図面を参照して以下に詳細に説明する。なお、本発明は、コイン型の電池に限定されるものではなく、円筒型、角型等の他の形状の電池に用いることができる。
図1は本発明の実施の形態に係る非水電解質一次電池の断面図である。図1に示すように、外装缶(正極缶)6内には、正極5と、金属リチウムを活物質とする負極2と、両電極を離間し、電解液(非水電解質)が含浸されたセパレータ3とが収容されている。この電池は、正極缶6の開口部と封口蓋(負極キャップ)1とが、リング形状の絶縁ガスケット4を介して、カシメ固定され封口されている。また、電解液には、α−トコフェロールが1000ppmの割合で含まれている。
このような本発明に係る非水電解質一次電池の詳細を、実施例によりさらに具体的に説明する。
(実施例1)
〈正極の作製〉
活物質として二酸化マンガンと、導電剤としてのカーボンブラックと、結着剤としてのフッ素樹脂とを、質量比85:10:5で混合して正極合剤を得た。この正極合剤を鋳型成形して、円板状の正極5を作製した。
〈負極の作製〉
圧延打ち抜き法により、金属リチウムからなる円板状の負極2を作製した。この負極2を、ステンレス製負極キャップ1の内表面に、リチウム−アルミニウム合金を圧着した。
〈電解液の調整〉
プロピレンカーボネート(PC)と、1,2−ジメトキシエタン(DME)とを体積比1:1で混合した混合溶媒に、電解質塩をして過塩素酸リチウム(LiClO4)を1モル/リットル溶かした溶液(ベース電解液)を調製した。このベース電解液にα−トコフェロールをベース電解液の質量に対して0.1質量%(1000ppm)の比率で添加混合して電解液とした。
〈電池の組み立て〉
負極キャップ1を圧着した負極2上に、ポリプロピレン(PP)製の微多孔膜からなるセパレータ3を載置させ、セパレータ3に前記電解液を注液した。その後、前記セパレータ3上に前記正極5を載置させた。さらにその上に、ステンレスからなる正極缶6(外装缶)を被せた。この後、前記正極缶6と前記負極キャップ1とを、ポリプロピレン製の絶縁ガスケット4を介してカシメ封口し、直径20mm、厚み2.5mmの実施例1に係る非水電解質一次電池T1を作製した。
(実施例2)
α−トコフェロールに代えて、δ−トコフェロールを0.1質量%の比率で添加したこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る非水電解質一次電池T2を作製した。
(比較例1)
α−トコフェロールを添加しないでベース電解液を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る非水電解質一次電池T3を作製した。
(保存試験)
上記で作製した電池T1〜T3ついて、その容量の60%(150mAh)を放電した後、室温(23℃)で保存し、保存時間と内部抵抗との関係を測定した。その結果を図2に示す。なお、内部抵抗は、交流1kHzで測定した。
図2から、トコフェロールを添加しなかったT3では、保存期間が0.17年で初期(保存時間0年)の内部抵抗(19.5Ω)の2倍(39.0Ω)にまで内部抵抗が上昇したのに対し、トコフェロールを添加したT1、T2では保存期間0.5年においても内部抵抗が22.5Ω以下であり、初期の内部抵抗の20Ωとほとんど差が無いことがわかる。
このことは、次のように考えられる。
比較例1(T3)では、保存時に活性の高い3価のMnが反応し、その結果2価のMn(Mn2+)が電解液に溶出する。このMnイオンが電解液中を移動し、負極表面に析出するため、内部抵抗が大幅に上昇する。
他方、実施例1(T1)、実施例2(T2)では、(α又はδ)トコフェロールが電解液に添加されている。このトコフェロールの作用機構は明かではないが、トコフェロールが有するクロマン−6−オール構造が、活性の高い3価のMnの活性を下げるように作用するものと考えられる。このため、Mnの溶出を抑制することができ、Mnの負極表面への析出による内部抵抗の上昇を防止することができる。
(その他の事項)
なお、上記実施例ではα−トコフェロール、δ−トコフェロールを用いたが、クロマン−6−オール構造を有するβ−トコフェロール、γ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールを用いた場合においても、同様の結果が得られることを確認している。
また、上記実施例では負極活物質として金属リチウムを用いたが、リチウム合金を用いてもよい。
また、非水電解質に使用する非水溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン系化合物、エステル類、芳香族炭化水素等から選択される化合物の一種、あるいは二種以上混合して用いることができる。これらの内でも、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類が好ましく、特にカーボネート類がさらに好ましい。これらの具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、スルホラン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチルなどがあげられる。
また、電解質塩としては、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO22、LiCF3SO3、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4等のリチウム塩から選択される化合物の一種単独で、あるいは二種以上混合して使用することができる。また、前記非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は0.5〜2.0モル/リットルとすることが好ましい。
以上説明したように、本発明によると、正極活物質に二酸化マンガンを用いた非水電解質一次電池Mnの溶出を抑制することができ、Mnの溶出、負極への析出による内部抵抗の増大を顕著に抑制できる。従って産業上の利用可能性は大きい。
図1は、本発明に係るコイン非水電解質一次電池を模式的に示す断面図である。 図2は、電池T1〜T3の保存時間と内部抵抗との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 封口蓋(負極キャップ)
2 負極
3 セパレータ
4 絶縁ガスケット
5 正極
6 外装缶(正極缶)

Claims (2)

  1. 正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質一次電池において、
    前記正極は、正極活物質として二酸化マンガンを有し、
    前記非水電解質は、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールからなる化合物群より選択された1種以上の化合物を有する、
    ことを特徴とする非水電解質一次電池。
  2. 請求項1に記載の非水電解質一次電池において、
    前記非水電解質の質量を100としたとき、前記化合物群の合計質量が0.05〜2.0である、
    ことを特徴とする非水電解質一次電池。

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