JP2006192530A - スローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップ Download PDF

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Abstract

【課題】 加工コストの増大を防止しつつ、保持強度を確保することができるスローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップを提供すること。
【解決手段】 本願発明のスローアウェイ式切削工具1によれば、スローアウェイチップ2の底面部7は、本体部3へ装着された場合に軸芯Oを挟んで位置する一対の第1及び第2傾斜底面部7b,7cを備え、かかる第1及び第2傾斜底面部7b,7cは、第1及び第2傾斜当接部6a,6bとそれぞれ当接し、当接面積を切削方向後方に確保することができる。よって、従来の本体部のようにV字溝の最底面部にスリットを配設することを不要として、切削加工時の切削抵抗に対して底面部7の当接面積を有効利用することができる。その結果、加工コストの増大を防止しつつ、スローアウェイチップ2の保持強度を確保することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、スローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップに関し、特に、加工コストの増大を防止しつつ、保持強度を確保することができるスローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップに関するものである。
スローアウェイ式切削工具とは、切削加工を行うスローアウェイチップが本体部に着脱可能に構成される工具である。一般に、スローアウェイチップは、本体部の先端部から軸方向に沿ってスリットを延設して形成される一対の挟持部に挟持される。そして、スローアウェイチップに穿設されるねじ通過穴と挟持部の一方及び他方に貫通形成されたねじ挿入穴及びねじ締結穴とにねじが螺合することで、スローアウェイチップが本体部に保持される。
ここで、スローアウェイチップの底面部及びスリットの終端の当接部は、側面視でフラットな形状に構成されており、かかる底面部と当接部とを密着させてスローアウェイチップの本体部への装着が行われる。
しかしながら、上述したスローアウェイ式切削工具では、スローアウェイチップのねじ通過穴の穴位置精度によっては、底面部と当接部とが密着せずに隙間が生じてしまう。かかる隙間は、刃先位置精度の悪化を引き起こし、これに伴い切削精度が損なわれる。
そこで、特開2002−46011号公報には、チップの厚み寸法が本体部後端側へ向けて漸次減少するように、チップ後端面(底面部)がV字状に構成されると共に、チップ受け面(当接部)がチップ後端面と対応するV字溝で構成され、かかるV字溝の最底面部から本体部後端側に向けてスリットが延設される技術が記載されている。この技術によれば、クランプねじ(ねじ)の締め付けによってチップ挟持部(挟持部)がスローアウェイチップを押さえ付けると共に、本体部の弾性変形によりV字溝がチップ後端面を先端側へ向けて押し付ける。これにより、チップ後端面とV字溝とが密着し、上述した刃先位置精度の悪化を防止して、切削精度を確保することができる。
特開2002−46011号公報(段落[0005]、図1など)
しかしながら、上述したスローアウェイ式切削工具では、本体部を弾性変形させるために、スリットを配設する必要がある。その結果、加工コストが増大するという問題点がある。
一方、かかるスリットが配設されない場合では、本体部を十分に弾性変形させることができない。そのため、V字溝がV字状のチップ後端面の両面を先端側へ向けて押し付けることができず、切削加工時の切削抵抗がチップ後端面の切削方向後方側の面のみに加わる。その結果、チップ後端面の全面積を有効利用することができず、保持強度が低下するという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、加工コストの増大を防止しつつ、保持強度を確保することができるスローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載のスローアウェイ式切削工具は、先端部から軸方向に沿ってスリットを延設して形成される一対の挟持部と前記スリットの終端部に設けられる当接部と前記挟持部の一方に貫通形成されるねじ挿入穴及び他方に形成されるねじ締結穴とを有し軸芯回りに回転される本体部と、前記当接部に当接される底面部とその底面部が前記当接部に当接された場合に前記ねじ挿入穴及びねじ締結穴と連通するねじ通過穴とを有するスローアウェイチップと、前記ねじ挿入穴とねじ通過穴とを貫通すると共に前記ねじ締結穴に螺合されるねじとを備えたものであり、前記スローアウェイチップの底面部は、前記本体部へ装着された場合に前記軸芯を挟んで位置する一対の第1及び第2傾斜底面部を備え、前記第1及び第2傾斜底面部は、前記スローアウェイチップの厚み寸法が前記本体部の当接部へ向けて漸次減少するように傾斜して構成されると共に、その傾斜面の一端側が前記スローアウェイチップの厚み方向中央を通る仮想平面よりも切削方向前方側に位置し、かつ、他端側が前記仮想平面よりも切削方向後方側に位置するように構成され、前記当接部は、前記第1及び第2傾斜底面部がそれぞれ当接される第1及び第2傾斜当接部を備えている。
請求項2記載のスローアウェイ式切削工具は、請求項1記載のスローアウェイ式切削工具において、前記スローアウェイチップの底面部は、前記第1及び第2傾斜底面部の前記他端側に連設され、前記第1及び第2傾斜底面部よりも大きな傾斜角で傾斜する第1及び第2連設部を備え、前記第1及び第2傾斜底面部が前記第1及び第2傾斜当接部に当接された場合に、前記第1及び第2連設部と前記第1及び第2傾斜当接部との間に隙間が形成されるように構成されている。
請求項3記載のスローアウェイ式切削工具は、請求項1又は2に記載のスローアウェイ式切削工具において、前記第1及び第2傾斜底面部と前記仮想平面とがなす傾斜角は、略30度以上かつ略75度以下にそれぞれ設定されている。
請求項4記載のスローアウェイ式切削工具は、請求項1から3のいずれかに記載のスローアウェイ式切削工具において、前記当接部は、前記ねじの挿入方向視において略V字状に構成されるものであり、前記底面部は、第1及び第2傾斜底面部に介設される底面中央部を備え、前記第1及び第2傾斜底面部が前記第1及び第2傾斜当接部に当接された場合に、前記底面中央部と当接部との間に隙間が形成されるように構成されている。
請求項5記載のスローアウェイチップは、請求項1から4のいずれかに記載のスローアウェイ式切削工具に使用されるものである。
請求項1記載のスローアウェイ式切削工具によれば、スローアウェイチップは、本体部の先端から軸方向に沿ってスリットを延設して形成される一対の挟持部に挟持される。そして、スローアウェイチップの底面部は、本体部へ装着された場合に軸芯を挟んで位置する一対の第1及び第2傾斜底面部を備え、かかる第1及び第2傾斜底面部は、スリットの終端部に設けられる当接部の第1及び第2傾斜当接部とそれぞれ当接する。かかる当接状態で、ねじが、挟持部の一方に貫通形成されたねじ挿入穴及びスローアウェイチップに穿設されたねじ通過穴を貫通すると共に、挟持部の他方に形成されたねじ締結穴と螺合する。この場合に、第1及び第2傾斜底面部は、スローアウェイチップの厚み寸法が本体部の当接部へ向けて漸次減少するように傾斜して構成されると共に、その傾斜面の一端側がスローアウェイチップの厚み方向中央を通る仮想平面よりも切削方向前方側に位置し、かつ、他端側が仮想平面よりも切削方向前方側に位置するように構成されている。これにより、第1及び第2傾斜底面部は、切削加工時において、第1及び第2傾斜当接部との当接面積を切削方向後方に確保することができる。よって、従来の本体部のようにV字溝の最底面部にスリットを配設することを不要として、切削加工時の切削抵抗に対して底面部の当接面積を有効利用することができる。その結果、加工コストの増大を防止しつつ、スローアウェイチップの保持強度を確保することができるという効果がある。
請求項2記載のスローアウェイ式切削工具によれば、請求項1記載のスローアウェイ式切削工具の奏する効果に加え、スローアウェイチップの底面部は、第1及び第2傾斜底面部の他端側に連設され、第1及び第2傾斜底面部よりも大きな傾斜角で傾斜する第1及び第2連設部を備えている。これにより、第1及び第2傾斜底面部が第1及び第2傾斜当接部に当接された場合に、第1及び第2傾斜底面部と第1及び第2傾斜当接部との間に隙間が形成されるので、スローアウェイチップを本体部側へ押圧するためのスペースを確保することができる。その結果、第1及び第2傾斜底面部と第1及び第2傾斜当接部とを確実に当接させて、スローアウェイチップを本体部に強固に固定することができるという効果がある。
また、第1及び第2連設部が第1及び第2傾斜底面部よりも大きな傾斜角で傾斜しているので、底面部が本体部側へ向けて先細形状となることを防止して、スローアウェイチップの底面部側の損傷を防止することができるという効果がある。
請求項3記載のスローアウェイ式切削工具によれば、請求項1又は2に記載のスローアウェイ式切削工具の奏する効果に加え、第1及び第2傾斜底面部と仮想平面とがなす傾斜角は、略30度以上かつ略75度以下にそれぞれ設定されている。ここで、第1及び第2傾斜底面部と仮想平面とがなす傾斜角が略75度よりも大きい場合には、第1及び第2傾斜底面部は、第1及び第2傾斜当接部と当接した際に、切削方向後方に当接面積を確保することができない。一方、第1及び第2傾斜底面部と仮想平面とがなす傾斜角が略30度よりも小さい場合には、底面部が本体部側へ向けて先細形状となるので、剛性を確保することができず、かかる底面部が損傷しやすい。以上より、第1及び第2傾斜底面部と仮想平面とがなす傾斜角を、略30度以上かつ略75度以下に設定することにより、上述した問題点解決の両立を図ることができるという効果がある。
請求項4記載のスローアウェイ式切削工具によれば、請求項1から3のいずれかに記載のスローアウェイ式切削工具の奏する効果に加え、当接部はねじの挿入方向視において略V字状に構成され、かつ、底面部は第1及び第2傾斜底面部に介設される底面中央部を備えている。これにより、第1及び第2傾斜底面部が第1及び第2傾斜当接部に当接された場合に、底面中央部と当接部との間に隙間が形成されるので、スローアウェイチップを本体部側へ押圧するためのスペースを確保することができる。その結果、第1及び第2傾斜底面部と第1及び第2傾斜当接部とを確実に当接させて、スローアウェイチップを本体部に強固に固定することができるという効果がある。
請求項5記載のスローアウェイチップによれば、請求項1から4のいずれかに記載のスローアウェイ式切削工具に使用されるスローアウェイチップと同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態におけるスローアウェイ式切削工具1の正面図である。なお、図1では、本体部3の軸方向長さの図示が省略されている。
まず、図1を参照してスローアウェイ式切削工具1の全体構成について説明する。スローアウェイ式切削工具1は、切れ刃を有するスローアウェイチップ2と、そのスローアウェイチップ2を挟持し固定する本体部3と、ねじ4とを備えて構成されており、ホルダー(図示せず)を介してフライス盤、マシニングセンター等の加工機械の回転力が伝達され、金属等の切削加工を行う工具である。
また、スローアウェイチップ2と本体部3との当接部分を破線を用いて模式的に図示している。
スローアウェイチップ2は、その周縁部に配設される切れ刃により加工物の切削加工を行うものであり、本体部3に着脱可能に構成されている。これにより、切れ刃が寿命に達した場合に、他のチップに交換することによって再研削することなく、加工を継続することができる。なお、スローアウェイチップ2の材質は、超硬合金、高速度工具鋼等から構成される。
また、本実施の形態におけるスローアウェイチップ2は、ボールエンドミルとして構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、スクエアエンドミル、ラジアスエンドミル若しくはドリル等で構成されていても良い。
本体部3は、上述した加工機械に保持されて、その加工機械の回転力を先端に取り付けられるスローアウェイチップ2に伝達するためのものである。なお、本体部3の材質は、超硬合金、高速度工具鋼等から構成される。
ねじ4は、ねじ山を有し、スローアウェイチップ2を本体部3へ固定するためのものである。なお、詳細については後述する。
次いで、図2を参照して、スローアウェイチップ2の取付けについて説明する。図2(a)は、図1のIIb−IIb線における本体部3の断面図であり、図2(b)は、図1のIIb−IIb線におけるスローアウェイ式切削工具1の断面図である。なお、図2(a)及び(b)では、本体部3の軸方向長さの図示が省略されている。
本体部3は、上述したように加工機械の回転力をスローアウェイチップ2へ伝達するためのものであり、その先端側(図2(a)左側)から基端側(図2(a)右側)へ向けて延設されるスリット3bと、そのスリット3bにより形成される一対の挟持部3aと、その挟持部3aに貫通形成されるねじ穴5と、スリット3bの終端側(図2(a)右側)に位置する当接部6とを備えて構成されている。
スリット3bは、本体部3の先端側から基端側へ向けて延設され、スローアウェイチップ2が取付け可能に構成されている。なお、スリット3bの軸方向(図2(a)左右方向)寸法は、スローアウェイチップ2(図2(b)参照)の軸方向寸法よりも小さく設定されており、かかるスローアウェイチップ2の先端部が本体部3の先端部から突出して、切削加工が可能となる。
また、スリット3bの軸直角方向(図2(a)上下方向)寸法は、スローアウェイチップ2の厚み寸法と略同等に設定されている。これにより、スローアウェイチップ2が軸直角方向にぐらつくことを防止して、位置精度を確保することができる。
挟持部3aは、スリット3bの上下面(図2(b)上下)を形成する部位であり、スローアウェイチップ2を挟持する役割を担う。
ねじ穴5は、挟持部3aに貫通形成されてねじ4(図2(b)参照)と螺合可能に構成されるものであり、一方の挟持部3aに貫通形成されたねじ挿入穴5aと、他方の挟持部3aに貫通形成されたねじ締結穴5bとを備えて構成されている。
ねじ挿入穴5aは、本体部3の径方向外方(図2(a)上方)へ向けて拡径するテーパ状で構成されており、ねじ4の頭部4a(図2(b)参照)と当接可能に構成されている。なお、ねじ挿入穴5aの形状は必ずしもテーパ状に限られるものではなく、頭部4aの形状に応じて適宜変更される。
ねじ締結穴5bは、その内周面にめねじが螺刻されており、ねじ4の軸部4b(図2(b)参照)のおねじと螺合可能に構成されている。
当接部6は、スリット3bの終端部に位置する部位であり、ねじ4の挿入方向(図2(a)下方向)へ向けて傾斜を有する第1傾斜当接部6aと、その第1傾斜当接部6bと逆方向(図2(a)上方向)へ向けて傾斜を有する第2傾斜当接部6bとを備えて構成されている。そして、第1及び第2傾斜当接部6a,6bは第1及び第2傾斜底面部7b,7c(図3参照)とそれぞれ当接可能に構成されている。なお、詳細については、後述する。
図2(b)に示すように、スローアウェイチップ2を本体部3に固定させるにあたっては、スローアウェイチップ2を挟持部3a,3a間に挟み込むと共に、そのスローアウェイチップ2の傾斜底面部7b,7c(図3参照)と傾斜当接部6a,6bとを当接させる。この当接された状態で、ねじ4をねじ挿入穴5a及びスローアウェイチップ2の略中央部に穿設されるねじ通過穴2aを通過させつつねじ締結穴5bと螺合させる。
止めねじ4は、上述したように、ねじ穴5と螺合可能に構成されており、テーパ状の頭部4aと、その頭部4aに連設される軸部4bとを備えて構成されている。
なお、止めねじ4の全長寸法(図2(b)上下寸法)は、本体部3の径寸法よりも小さく設定されている。これにより、止めねじ4が本体部3に取り付けられた場合に、その止めねじ4の一端が本体部3の外周面から突出することを防止して、切削加工をスムーズに行うことができる。
頭部4aは、ねじ挿入穴5aのテーパ面と対応したテーパ状に形成されており、テーパ面同士が当接可能に構成されている。なお、上述したように、頭部4aの形状は必ずしもテーパ状に限られるものではなく、六角頭や四角頭等に構成しても良い。
軸部4bは、その外周面におねじが螺刻されており、上述したねじ締結穴5bのめねじと螺合可能に構成されている。
なお、ねじ挿入穴5aの中心軸は、ねじ締結穴5bの中心軸よりも本体部3基端側(図2(b)右側)に偏心している。また、第1及び第2傾斜底面部7b,7cと第1及び第2傾斜当接部6a,6bとが当接された状態では、ねじ通過穴2aの中心軸はねじ締結穴5bの中心軸と一致している。即ち、ねじ挿入穴5aの中心軸は、ねじ締結穴5b及びねじ通過穴2aの中心軸に対して本体部3の後端側に偏心している。
これにより、ねじ4が螺合された場合に、スローアウェイチップ2は、本体部3基端側
へ押圧される。その結果、傾斜底面部7b,7cが傾斜当接部6a,6bを押圧するので、スローアウェイチップ2を本体部3に強固に固定して、取付けの位置精度を確保することができる。なお、偏心差は略0.1mmとされている。
また、スローアウェイチップ2の底面中央部7aと当接部6との間には隙間が形成されている。これにより、スローアウェイチップ2を本体部3の基端側(図2(b)右方向)へ押圧するためのスペースを確保することができる。その結果、上述したように、第1及び第2傾斜底面部7b,7cと第1及び第2傾斜当接部6a,6bとを確実に当接させて、スローアウェイチップ2を本体部3に強固に固定することができる。
次いで、図3を参照して、スローアウェイチップ2について説明する。図3(a)は、スローアウェイチップ2の左側面図であり、図3(b)は、スローアウェイチップ2の正面図であり、図3(c)は、スローアウェイチップ2の右側面図である。なお、図3(a)は、図3(b)左側から、図3(c)は、図3(b)右側からそれぞれスローアウェイチップ2を見た側面図に対応する。また、本実施の形態におけるスローアウェイチップ2は、切削加工時に底面部7から先端方向視(図3下側から上側方向視)において軸芯O右回りに回転されるものとする。
図3(b)に示すように、スローアウェイチップ2は、その先端側(図3(b)上側)が略円弧状の板状に形成され、上述したように、周縁部に配設される切れ刃により加工物の切削加工を行うものである。また、スローアウェイチップ2は、その平面部の略中央部に貫通形成されるねじ通過穴2aと、当接部6(図2参照)と当接可能に構成される底面部7とを主に備えて構成されている。
ねじ通過穴2aは、スローアウェイチップ2の平面部の略中央部に貫通形成される略円形状の穴であり、その径寸法はねじ4(図2(b)参照)の軸部4b(図2(b)参照)の外径寸法と略同等に設定され、ねじ4が嵌入可能に構成されている。
底面部7は、当接部6と当接可能に構成されており、第1及び第2傾斜当接部6a,6b(図4参照)と当接可能に構成される第1及び第2傾斜底面部7b,7cと、その第1及び第2傾斜底面部7b,7cに介設される底面中央部7aとを備えて構成されている。
底面中央部7aは、その面と軸芯Oとがなす角度が略90度に設定されると共に、第1及び第2傾斜底面部7b,7cに介設される。これにより、上述したように、スローアウェイチップ2が本体部3に取り付けられた場合に、底面中央部7aと当接部6との間に隙間を形成することができる。
なお、本実施の形態は、底面中央部7aの面と軸芯Oとがなす角度が略90度に設定されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、後述する傾斜角βよりも小さい値であれば良い。即ち、スローアウェイチップ2が本体部3に取り付けられた場合に、底面中央部7aと当接部6との間に隙間が形成されれば良い。
第1及び第2傾斜底面部7b,7cは、軸芯Oと直角方向(図3(b)左右方向)の幅寸法が当接部6と当接する側(図3下側)へ向けて漸次減少するように設定されている。なお、本実施の形態における第1及び第2傾斜底面部7b,7cと底面中央部7aの延長面とがなす傾斜角βは、略30度に設定されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、略0度以上かつ略45度以下の範囲内で適宜変更可能であるものとする。
また、図3(a)及び(c)に示すように、第1及び第2傾斜底面部7b,7cは、スローアウェイチップ2の厚み寸法が当接部6と当接する側(図3(a)及び(c)下側)へ向けて漸次減少するように傾斜して構成される。そして、その傾斜面の一端側(図3(a)及び(c)下側)がスローアウェイチップ2の厚み方向中央を通る仮想平面よりも切削方向前方側(図3(a)及び(c)右側)に位置すると共に、傾斜面の他端側(図3(a)及び(c)上側)が切削方向後方側(図3(a)及び(c)左側)に位置するように構成されている。
ここで、スローアウェイチップ2が本体部3に取り付けられた場合に、切削加工時における切削抵抗の内の少なくとも一部が、底面部7の切削方向後方側の面と当接部6の切削方向前方側の面との当接面に加わる。かかる場合に、上述したように、第1及び第2傾斜底面部7b,7cは、その傾斜面が切削方向後方に面しているので、切削加工時において、第1及び第2傾斜当接部6a,6bとの当接面積を切削方向後方に確保することができる。よって、従来の本体部のようにV字溝の最底面部にスリットを配設することを不要として、切削加工時の切削抵抗に対して第1及び第2傾斜底面部7b,7cの当接面積を有効利用することができる。その結果、加工コストの増大を防止しつつ、スローアウェイチップ2の本体部3に対する保持強度を確保することができる。
なお、本実施の形態における第1及び第2傾斜底面部7b,7cとスローアウェイチップ2の厚さ方向中央を通る仮想平面とがなす傾斜角αは、略60度に設定されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、略30度以上かつ略75度以下に設定されれば良い。なお、請求項3記載の傾斜角とは、傾斜角αのことを意味するものである。
ここで、傾斜角αが略75度よりも大きい場合には、第1及び第2傾斜底面部7b,7cは、第1及び第2傾斜当接部6a,6bと当接した際に、切削方向後方に当接面積を確保することができない。
一方、傾斜角αが略30度よりも小さい場合には、底面部7は、当接部6側(図3(a)及び(c)下側)へ向けて先細形状となる。即ち、スローアウェイチップ2の底面部7側(図3下側)が薄肉となるため、剛性を確保することができず、第1及び第2傾斜底面部7b,7cが損傷しやすい。
以上より、傾斜角αを略30度以上かつ略75度以下に設定することにより、切削方向後方に当接面積を確保すること及び第1及び第2傾斜底面部7b,7cの損傷を防止することの両立を図ることができる。
また、図3(a)及び(c)に示すように、底面部7は、第1及び第2傾斜底面部7b,7cの切削方向前方側(図3(a)及び(c)右側)の一端に連設される第1及び第2連設部7b1,7c1を備えている。この第1及び第2連設部7b1,7c1は、その平面とスローアウェイチップ2の厚さ方向(図3(b)紙面垂直方向)中央を通る仮想平面とがなす角度が略90度に設定されているので、第1及び第2傾斜底面部7b,7cと第1及び第2当接部6a,6bとが当接した場合に、第1及び第2連設部7b1,7c1と第1及び第2当接部6a,6bとの間に隙間が形成される。これにより、スローアウェイチップ2を本体部3側(図3下側)へ押圧するためのスペースを確保することができるので、第1及び第2傾斜底面部7b,7cと第1及び第2当接部6a,6bとを確実に当接させて、スローアウェイチップ2を本体部3へ強固に固定することができる。
また、第1及び第2連設部7b1,7c1は、その平面とスローアウェイチップ2の厚さ方向中央を通る仮想平面とがなす角度が略90度に設定されているので、第1及び第2連設部7b1,7c1が当接部6側(図3(a)及び(c)下側)へ向けて先細形状となることを防止して、スローアウェイチップ2の第1及び第2傾斜底面部7b,7cが損傷することを防止することができる。
なお、本実施の形態では、第1及び第2連設部7b1,7c1の平面とスローアウェイチップ2の厚さ方向中央を通る仮想平面とがなす角度が略90度に設定されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、スローアウェイチップ2の厚さ方向中央を通る仮想平面と第1及び第2連設部7b1,7c1とがなす傾斜角が、傾斜角αよりも大きければ良い。これにより、第1及び第2連設部7b1,7c1が当接部6側へ向けて先細形状となることを防止することができる。
次いで、図4を参照して、スローアウェイチップ2の取付けについて説明する。図4は図2(b)のIV−IV線におけるスローアウェイ式切削工具1の断面図である。なお、図4では、本体部3の軸方向長さの図示が省略されている。また、本実施の形態におけるスローアウェイ式切削工具1は、切削加工時に本体部3から先端方向視(図4下側から上側方向視)軸芯O右回りに回転されるものとする。
図4に示すように、スローアウェイチップ2が本体部3に取り付けられた場合には、切削方向前方へ向けて傾斜を有する第1及び第2傾斜当接部6a,6bと切削方向後方へ向けて傾斜を有する第1及び第2傾斜底面部7b,7cとが当接可能に構成されている。これにより、上述したように、切削加工時の切削抵抗に対して底面部7の当接面積を有効利用することができる。
また、ねじ4(図2(b)参照)の挿入方向視(図4紙面垂直方向視)において、本体部3の当接部6は略V字状に構成されているので、当接部6と底面中央部7aとの間に隙間を形成することができる。
ここで、当接部6が底面部7の形状に対応して構成される場合には、軸芯Oに対して傾斜を有する傾斜面同士と、略直角な直角面同士が当接することとなる。かかる場合には、切削加工時の切削抵抗に対して底面部7の当接面積を有効利用するために、直角面同士のみが当接することを防止する必要がある。このため、当接部6及び底面部7の加工精度が必要とされる。そこで、上述したように、当接部6は略V字状に構成することで、かかる加工精度を不要として、加工コストの低減を図ることができる。
次いで、図5を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、第1及び第2傾斜底面部7b,7cが軸芯Oと逆方向に向けて傾斜を有して構成される場合を説明したが、第2実施の形態では、第1及び第2傾斜底面部17b,17cが軸芯Oに向けて傾斜を有して構成されている。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図5(a)は、第2実施の形態におけるスローアウェイチップ12の正面図であり、図5(b)は、スローアウェイチップ12の後端面図である。なお、本実施の形態におけるスローアウェイチップ12は、切削加工時に底面部17から先端方向視(図5(a)下側から上側方向視)軸芯O右回り(図5(b)時計回り)に回転されるものとする。
スローアウェイチップ12の下端面に位置する底面部17は、当接部(図示せず)と当接可能に構成される部位であり、軸芯Oに面して形成される第1及び第2傾斜底面部17b,17cと、その第1及び第2傾斜底面部17b,17cに介設される底面中央部17aとを備えて構成されている。
底面中央部17aは、その面と軸芯Oとがなす角度が略90度に設定されると共に、第1及び第2傾斜底面部17b,17cの軸芯O側の一端に介設される。
図5(a)に示すように、第1及び第2傾斜底面部17b,17cは、その傾斜面同士が対向する位置に配設され、かかる対向面間距離が当接部側(図5(a)下側)へ向けて漸次増大するように設定されている。なお、本実施の形態における第1及び第2傾斜底面部17b,17cと底面中央部17aとがなす傾斜角γは、略30度に設定されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、略0度以上かつ略45度以下の範囲内で適宜変更可能であるものとする。
また、図5(b)に示すように、第1及び第2傾斜底面部17b,17cは、切削方向前方へ向けて傾斜を有すると共に、切削方向前方側の一端が、スローアウェイチップ12の厚さ方向(図5(b)上下方向)中央を通る仮想平面よりも切削方向前方に位置している。これにより、切削加工時の切削抵抗に対して第1及び第2傾斜底面部17b,17cの当接面積を有効利用することができる。
また、底面部17は、第1及び第2傾斜底面部17b,17cの切削方向前方側の一端に連設される第1及び第2連設部17b1,17c1を備えている。この第1及び第2連設部17b1,17c1は、その平面とスローアウェイチップ12の厚さ方向中央を通る仮想平面とがなす角度が略90度に設定されているので、第1及び第2傾斜底面部17b,17cと当接部(図示せず)とが当接した場合に、第1及び第2傾斜底面部17b,17cと当接部との間に隙間が形成される。これにより、スローアウェイチップ12を当接部側(図5(b)紙面手前側)へ押圧するためのスペースを確保することができる。
また、第1及び第2連設部17b1,17c1は、その平面とスローアウェイチップ12の厚さ方向中央を通る仮想平面とがなす角度が略90度に設定されているので、底面部17が当接部側へ向けて先細形状となることを防止して、スローアウェイチップ12の第1及び第2傾斜底面部17b,17cが損傷することを防止することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
本発明の第1実施の形態におけるスローアウェイ式切削工具の正面図である。 (a)は、図1のIIb−IIb線における本体部の断面図であり、(b)は、図1のIIb−IIb線におけるスローアウェイ式切削工具の断面図である。 (a)は、スローアウェイチップの左側面図であり、(b)は、スローアウェイチップの正面図であり、(c)は、スローアウェイチップの右側面図である。 図2(b)のIVb−IVb線におけるスローアウェイ式切削工具の断面図である。 (a)は第2実施の形態におけるスローアウェイチップの正面図であり、(b)はスローアウェイチップの後端面図である。
符号の説明
1 スローアウェイ式切削工具
2,12 スローアウェイチップ
2a ねじ通過穴
3 本体部
3a 挟持部
3b スリット
4 ねじ
5a ねじ挿入穴
5b ねじ締結穴
6 当接部
6a 第1傾斜当接部
6b 第2傾斜当接部
7,17 底面部
7a,17a 底面中央部
7b,17b 第1傾斜底面部
7b1,17b1 第1連設部
7c,17c 第2傾斜底面部
7c1,17c1 第2連設部

Claims (5)

  1. 先端部から軸方向に沿ってスリットを延設して形成される一対の挟持部と前記スリットの終端部に設けられる当接部と前記挟持部の一方に貫通形成されるねじ挿入穴及び他方に形成されるねじ締結穴とを有し軸芯回りに回転される本体部と、前記当接部に当接される底面部とその底面部が前記当接部に当接された場合に前記ねじ挿入穴及びねじ締結穴と連通するねじ通過穴とを有するスローアウェイチップと、前記ねじ挿入穴とねじ通過穴とを貫通すると共に前記ねじ締結穴に螺合されるねじとを備えたスローアウェイ式切削工具において、
    前記スローアウェイチップの底面部は、前記本体部へ装着された場合に前記軸芯を挟んで位置する一対の第1及び第2傾斜底面部を備え、
    前記第1及び第2傾斜底面部は、前記スローアウェイチップの厚み寸法が前記本体部の当接部へ向けて漸次減少するように傾斜して構成されると共に、その傾斜面の一端側が前記スローアウェイチップの厚み方向中央を通る仮想平面よりも切削方向前方側に位置し、かつ、他端側が前記仮想平面よりも切削方向後方側に位置するように構成され、
    前記当接部は、前記第1及び第2傾斜底面部がそれぞれ当接される第1及び第2傾斜当接部を備えていることを特徴とするスローアウェイ式切削工具。
  2. 前記スローアウェイチップの底面部は、前記第1及び第2傾斜底面部の前記他端側に連設され、前記第1及び第2傾斜底面部よりも大きな傾斜角で傾斜する第1及び第2連設部を備え、
    前記第1及び第2傾斜底面部が前記第1及び第2傾斜当接部に当接された場合に、前記第1及び第2連設部と前記第1及び第2傾斜当接部との間に隙間が形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のスローアウェイ式切削工具。
  3. 前記第1及び第2傾斜底面部と前記仮想平面とがなす傾斜角は、略30度以上かつ略75度以下にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスローアウェイ式切削工具。
  4. 前記当接部は、前記ねじの挿入方向視において略V字状に構成されるものであり、
    前記底面部は、第1及び第2傾斜底面部に介設される底面中央部を備え、
    前記第1及び第2傾斜底面部が前記第1及び第2傾斜当接部に当接された場合に、前記底面中央部と当接部との間に隙間が形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のスローアウェイ式切削工具。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のスローアウェイ式切削工具に使用されるものであることを特徴とするスローアウェイチップ。
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