JP2006201440A - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動部材と、駆動ばねと、その駆動ばねの調整車とを、シャッタ地板と支持板との間に組み付けたとき、駆動ばねの軸線が大きくよじれてしまっていても、シャッタ羽根が安定した速度で走行できるようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供すること。
【解決手段】ラチェット車14は、支持板6に取り付けた軸受部材12に回転可能に取り付けられ、外周面には回転位置規制用の歯部14aを有していて、内周面は、円筒面14cとテーパー面14dとからなっている。駆動部材16は、軸部16a,16bを軸受部材12の孔12aとシャッタ地板1の孔1pに回転可能に嵌合させている。駆動ばね20は、駆動部材16に緩く嵌装され、一端を駆動部材16に掛け、他端をラチェット車14のばね掛け部14bに掛けている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、シャッタ羽根を一つ又は二つ備えているカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
最近のフォーカルプレンシャッタの中には、先羽根(群),後羽根(群)といわれている二つのシャッタ羽根を備えたものと、一つのシャッタ羽根しか備えていないものとがあり、前者は、フィルムを使用するカメラにもデジタルカメラにも採用され、後者は、デジタルカメラにだけ採用されている。そして、いずれの場合にも、各シャッタ羽根は、一端をシャッタ地板に枢着された複数のアームに対し、1枚以上の羽根を枢支することによって、平行リンク機構を応用した構成にしている。また、シャッタ地板には、露光開口の一方の側方領域に、所定の間隔をあけて支持板が平行に取り付けられており、それらのシャッタ地板と支持板との間には、駆動部材やセット部材などの回転部材が配置されている。そのうち、駆動部材は、その往復回転によって上記のアームの一つを往復回転させ、シャッタ羽根に露光開口の開閉作動を行わせるものであり、シャッタ羽根を二つ備えているシャッタの場合には、別々に二つ備えている。
この駆動部材は、撮影時には、駆動ばねの付勢力によって急速に回転させられ、セット時には、駆動部材の付勢力に抗してセット位置まで回転させられるようになっている。そして、その駆動ばねは、その付勢力を、製作時において所定の強さに調整する必要があることから、通常は、一端を駆動部材に掛け、他端をラチェット車や歯車などの調整車に掛けていて、その調整車の回転位置を変えることによって調整できるようにしている。また、駆動部材と調整車の取り付け構成には種々のタイプのものが知られているが、それらのうち、駆動部材と調整車の両方が、シャッタ地板に立設された軸に対して回転可能に取り付けられたものが、下記の特許文献1,2,3に記載されている。そして、特許文献1に記載の調整車はラチェット車であり、特許文献2,3に記載の調整車は歯車であるが、それらの調整車を、シャッタ地板に立設された軸に対して回転可能に取り付けるのではなく、支持板(取付板)に取り付けられた軸又は軸受部材に対して回転可能に取り付けられたものも知られている。
また、調整車は、ラチェット車であって、支持板(上地板)に対して回転可能に取り付けられており、駆動部材は、回転軸心上に二つの軸部を有していて、一方の軸部をシャッタ地板に対して回転可能に取り付け、他方の軸部を調整車に回転可能に取り付けたものが、下記の特許文献4に記載されている。尚、この場合、ラチェット車を、特許文献2,3に記載されているような歯車としても構わない。また、このラチェット車は、支持板に設けられた孔に対して回転可能に取り付けられているが、支持板に取り付けられた軸受部材の外周面に対して回転可能に取り付けられるようにしたものも知られており、その場合には、その軸受部材の先端面に形成された孔に対して、駆動部材の他方の軸部を回転可能に取り付けることになる。
また、これらのようないずれの構成の場合であっても、調整車には内部に空間が形成されており、その空間に駆動ばねの一部が入っていて、一端を調整車のばね掛け部に掛けている。そして、そのばね掛け部は、特許文献1,2,3に記載されているように、空間内部に設けられているものもあるが、実際には、組立作業上のこともあって、特許文献4に記載されているように、環状の壁部の一部にスリット状に形成していることが多い。本発明は、このように、駆動ばねの一部を調整車の空間内部に入れて、その一端を、調整車のばね掛け部に掛けるようにした構成を備えているカメラ用フォーカルプレンシャッタに関するものである。
特開2000−2907号公報 特開平10−239730号公報 特開2000−2904号公報 特開平11−30796号公報
ここで、上記のような駆動ばねの調整機構の組立方と問題点を説明するが、先ず、その構成を、後記の実施例の場合と同じ符号を付けて示した図5を用いて説明する。尚、図5(a),図5(b)は、いずれも組立完了状態を示したものである。3段形状をした軸受部材12は、かしめ加工によって支持板6に取り付けられており、そこに、ラチェット車14が回転可能に取り付けられている。このラチェット車14は、外周面に、図示していないラチェット爪によって係止される歯部14aを形成しており、外周壁の一部には、下側を開放したスリット状のばね掛け部14bを形成している。また、内部空間の内周面は、ラチェット車14の軸方向に沿って直径を同じにした円筒面14cとして形成されている。シャッタ羽根に連結されている駆動部材16は、支持板6側とシャッタ地板1側に、各々、直径の異なる三つずつの軸部を同一軸心上に設けていて、支持板6側の先端に設けられた軸部16aを軸受部材12の孔12aに回転可能に嵌合させ、シャッタ地板1側の真中に設けられた軸部16bをシャッタ地板1の孔1pに回転可能に嵌合させている。
駆動ばね20は、コイルばねであって、駆動部材16の回転に支障を与えないようにするために、駆動部材16の支持板6側に設けられた三つの軸部とは接しないようにして嵌装されており、一端の腕部を駆動部材16に設けられた孔に掛け、他端の腕部をラチェット車14のばね掛け部14bに掛けることにより、駆動部材16を、図の上方から見て時計方向へ付勢しているが、このとき、駆動部材16は、図示していない部材によってその回転を阻止されている。また、図5(a)に示された状態において、駆動ばね20は上下方向に圧縮されている。そのため、駆動ばね20は、その両端の腕部を駆動部材16とラチェット車14に各々密着させていると共に、駆動部材16とラチェット車14を、各々、シャッタ地板1側と支持板6側に若干押していて、駆動部材16とシャッタ地板1の摺接部に適度の摩擦力が発生するようになっている。
このような構成に組み立てるためには、予め、軸受部材12にラチェット車14を嵌合させ、その軸受部材12を支持板6に取り付けておく。また、シャッタ地板1には、その孔1pに、駆動部材16の軸部16bを嵌合させ、上方から駆動ばね20を嵌装させておく。次に、支持板6を、図示していない部位でシャッタ地板1に対して平行に取り付けるが、このときには、駆動ばね20の上端をラチェット車14のばね掛け部14bに挿入しておいてから取り付ける。そして、支持板6の取り付けが完了すると、ラチェット車14を回転させて駆動ばね20を緊張させてゆき、大まかな回転位置で、図示していないラチェット爪を歯部14aに係合させ、ラチェット車14の逆転を止めておく。このとき、所定の状態に組み立てられていれば、図5(a)に示されているようになっていて、組立調整の段階で、ラチェット車14の回転位置をいずれかの方向へ僅かに回転させ、駆動ばね20の付勢力を微調整すればよいことになる。
ところが、組立時には、駆動ばね20が、図5(a)に示された理想的な状態に組み付けられるとは限らない。即ち、上記のように、駆動ばね20は、駆動部材16の各軸部に接触させないように所定の間隔を空けて嵌装されているため、駆動ばね20が巻き込まれたりすると、その軸線がよじれ得るようになっている。そのため、上記のようにして、支持板6をシャッタ地板1に取り付けるときや、ラチェット車14を大まかに回転させるとき、駆動ばね20の軸線が大きくよじれてしまい、図5(b)に示されているように、駆動ばね20の、上から数えて何巻目かの(図5(b)では二巻目の)上側が、ラチェット車14の端面14eに接触し、下方へ押し下げられているような状態になってしまうことがある。もちろん、目視によって、このような状態になっているかどうかをチェックはしているが、組立状態においては、他の部材の陰になって発見できない場合がある。そして、一旦このように組み立てられてしまうと、組立調整時には、ラチェット車14が回転されるので、ラチェット車14の端面14eと駆動ばね20との接触位置は若干ずれることにはなるが、なかには、そのずれだけでは、接触が解かれることなく調整作業を終わらせてしまうことがある。
そして、そのように、接触が解かれなかったものも、その後は、カメラに組み込まれた段階で、シャッタを何回も切られることになるが、その場合には、シャッタ羽根が露光作動開始位置にセットされるたびに、図の上方から見て、駆動部材16が反時計方向へ回転させられ、駆動ばね20を巻き込むため、駆動ばね20は、摩擦により端面14eとの接触状態を保ちながら接触位置をずらすことになり、全体としては、時計方向の部位、即ち、図5(b)においては上方の部位が、端面14eと接触するようになっていく。言い換えれば、図5(b)においては、端面14eが、全体として、駆動ばね20の二巻目から一巻目にかけての部位を、少しずつ下方へ押し下げていくようになる。そのため、駆動ばね20は、その接触位置から下方のピッチを小さくさせられてゆき、回転方向への付勢力がその都度変化してしまうようになると共に、駆動部材16をシャッタ地板1に押し付ける力も全体として大きくなってゆき、シャッタ地板1との間の摩擦力を大きくしていくので、
シャッタ羽根の走行速度が定まらなくなってしまうという問題点が生じてしまう。
このようなことは、もちろん、カメラに組み込まれてからではなく、シャッタの組立調整段階で発見されることもあるが、いずれにしても、発見された場合には、支持板6を外して再度組み立てなおす必要があるし、場合によっては駆動ばね20を交換しなければならないこともある。また、ここまででは、組立時において、既に、駆動ばね20がラチェット車14の端面14eに接触してしまっている場合で説明したが、組立時においては接触していなくても、その後、シャッタ羽根を露光作動開始位置へセットするとき、駆動ばね20を急激にチャージしたときや、シャッタ羽根の走行終了時に生じる大きな衝撃などによって、図5(b)に示されているような接触状態にさせられてしまうこともある。そして、一旦接触してしまうと、上記のようにして、シャッタ羽根の走行速度が定まらなくなってしまう。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、駆動部材と、駆動ばねと、その駆動ばねの調整車とを、シャッタ地板と支持板との間に組み付けたとき、駆動ばねの軸線が大きくよじれてしまうようなことがあったとしても、シャッタ羽根が安定した速度で走行し得るようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明は、シャッタ地板に枢着された複数のアームに1枚以上の羽根を枢支してなる少なくとも一つのシャッタ羽根と、前記シャッタ地板と支持板との間においてそれらに対して垂直な所定の軸心上で往復回転し前記シャッタ羽根に開閉作動を行わせる少なくとも一つの駆動部材と、ばね掛け部を有していて前記シャッタ地板と前記支持板の間において前記軸心上で回転可能に配置されており内部には前記シャッタ地板側に開口を有する空間を設けていて外周面には規制手段によって回転位置を規制されるための歯部を有している調整車と、前記軸心を囲むように巻回されていて前記シャッタ地板側の一端を前記駆動部材に掛け前記支持板側の他端を前記ばね掛け部に掛けており前記調整車の回転で付勢力を調整され撮影時にはその付勢力によって前記駆動部材を一方方向へ回転させる駆動ばねと、撮影終了後に前記駆動部材を前記駆動ばねの付勢力に抗してセット位置へ回転させるセット部材と、を備えたフォーカルプレンシャッタにおいて、前記空間の内周面は、前記支持板側が、前記調整車の回転軸を中心にした同一直径の円筒面に形成され、前記シャッタ地板側が、該円筒面から前記開口に向けて直径の大きくなるテーパー面に形成されており、前記駆動ばねは、最も前記支持板側にある少なくとも一巻の一部が前記円筒面に接触していて、巻心がよじれたときには、他の少なくとも一巻の一部が前記テーパー面に接触し得るようにする。
その場合、前記駆動部材は、前記シャッタ地板に立設された軸に対して回転可能に取り付けられており、前記調整車は、該軸又は前記支持板に対して回転可能に取り付けられているようにしてもよいし、前記調整車は、前記支持板に対して回転可能に取り付けられており、前記駆動部材は、前記シャッタ地板側と前記支持側に各々軸部を有していて、一方の軸部を前記シャッタ地板に対して回転可能に取り付け、他方の軸部を前記支持板又は前記調整車に対して回転可能に取り付けられているようにしてもよい。また、前記テーパ面は、前記軸心に対して3〜40°の範囲となるようにして形成されていることが好ましい。
本発明は、駆動部材と、駆動ばねと、その駆動ばねの調整車とを、シャッタ地板と支持板との間に配置していて、駆動ばねの一部を、シャッタ地板側に形成されている開口から調整車の空間内に入れ、その一端を、調整車に設けられたばね掛け部に掛けるように構成した、駆動ばね調整機構を備えているカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、上記空間を形成している内周面は、支持板側が、調整車の回転軸を中心にした同一直径の円筒面として形成され、シャッタ地板側が、その円筒面から直径の大きくなっていくテーパー面として形成されているから、駆動ばねは、調整車のシャッタ地板側の端面に接触してしまうことがなく、シャッタ羽根の走行速度が安定して得られるという特徴がある。
本発明の実施の形態を、図1〜図4に示した実施例によって説明する。尚、この実施例は、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタであるため、フィルム使用のカメラにもデジタルカメラにも採用することができるものであるが、その作動説明に当たっては、デジタルカメラに採用された場合で説明する。そして、図1は、カメラに組み込まれた状態において被写体側から視た平面図であって、露光作動終了直後の状態を示したものである。また、図2は、図1に示された各部材の重なり状態を理解し易いように示した断面図であり、図3は、実施例における駆動ばね調整機構の一部断面図である。更に、図4は、図1に示された全体の左半分を示した平面図であって、セット完了状態を示したものである。
先ず、本実施例の構成を説明する。図1において、シャッタ地板1は、合成樹脂製であって、その略中央部に長方形を横長にした被写体光路用の開口部1aが形成されている。また、図2に示すように、シャッタ地板1の背面側には、所定の間隔を空けて、シャッタ地板1と略同じ大きさをした中間板2と補助地板3が順に取り付けられており、シャッタ地板1と中間板2との間に後羽根の羽根室を形成し、中間板2と補助地板3との間に先羽根の羽根室を形成している。そして、中間板2と補助地板3にも、開口部1aと類似の形状をした被写体光路用の開口部が形成されていて、通常は、それらの三つの開口部の一つ又は複数によって露光開口を規制するようにしているが、本実施例においては、開口部1aの形状が露光開口を規制している。
図1において、開口部1aの左側には、円弧状の二つの長孔1b,1cが形成されており、それらの下方端部には、平面形状が略C字状をした周知の緩衝部材4,5が取り付けられている。また、シャッタ地板1の表面側には、二つの柱1d,1e(図2参照)が一体成形によって形成されており、それらの先端には、支持板6とプリント配線板7とが、ビス8,9によって取り付けられている。そして、図1においては、その支持板6を一点鎖線で示しているが、プリント配線板7の図示は省略されている。尚、支持板6の詳細については後述する。
更に、シャッタ地板1の表面側には軸1fが立設されているが、この軸1fは金属製であって、図2から分かるように、その一端を、シャッタ地板1に形成された孔1gに挿入した後、シャッタ地板1にかしめられている。そして、この軸1fの先端部に設けられた小径部は、支持板6とプリント配線板7に形成された孔に挿入されている。また、シャッタ地板1の背面側には、図1に示すように、四隅に軸1h,1i,1j,1kが立設されているが、これらは、上記した中間板2と補助地板3を取り付けるためのものである。更に、シャッタ地板1の背面側には、図2に示すように、金属製の軸1m,1nが立設されているが、それらの軸1m,1nはシャッタ地板1に形成された孔に圧入されている。
上記の支持板6は、比較的薄い金属製の板材で製作されている。そして、この支持板6には、シャッタ地板1側に折り曲げられた沢山の折曲部が設けられていて、それらの折曲部の一部には、特開平9−133944号公報に記載されている方法に準じて、先羽根用電磁石10と後羽根用電磁石11が取り付けられている。また、これらの電磁石10,11は、図面を見やすくするため、図1では一点鎖線で示され、図2では図示を省略されているが、それらの鉄芯部材10a,11aは、上記の各公報の記載からも分かるように、実際にはコ字状をしていて、二つの磁極部の一方にはコイル10b,11bを巻回したボビンを嵌装している。更に、図1に示された二つの折曲部6a,6bは、本発明の規制手段の一例であるラチェット爪として形成されており、後述する二つのラチェット車14,15の回転止めを行なうためのものである。
支持板6には、二つの軸受部材12,13が、かしめ加工によって取り付けられており、それらに、本発明の調整車の一例としてラチェット車14,15が回転可能に取り付けられている。そして、それらの形状と取り付け方法は全く同じであるため、図3に明示されている軸受部材12とラチェット車14の場合で詳しく説明する。軸受部材12は外径の異なる三つの部位を有していて、それらの中心に貫通した孔12aを有している。そして、中間の大きさの直径を有する部位に、ラチェット車14を回転可能に嵌合させたあと、直径の一番小さい部位を、支持板6に形成された孔に嵌合させ、かしめ加工によってその先端を支持板6に固定している。
他方、ラチェット車14は、内部に、シャッタ地板1側を開口とした空間を形成していて、外周面には、上記の折曲部6aの先端に係止される歯部14aを形成し、外周壁の一部には、スリット状のばね掛け部14bを形成している。また、空間を形成している内周面の形状は、支持板6側の所定の長さにわたっては、回転軸を中心にした同一直径の円筒面14cとして形成され、シャッタ地板1側の所定の長さにわたっては、円筒面14cの下端からシャッタ地板1に向かうにつれて直径が大きくなるテーパー面14dとして形成されている。そして、本実施例の場合、その傾斜角度θは、回転軸に対して約15°に定めてある。尚、上記したように、もう一方のラチェット車15も全く同じ形状をしているが、図1及び図3には、歯部15aとばね掛け部15bが示されている。
シャッタ地板1の表面側には、合成樹脂製の先羽根用駆動部材16と後羽根用駆動部材17とが、上記のラチェット車14,15と同一軸心上で回転するように配置されている。そして、先羽根用駆動部材16は、図3に示されているように、軸受部材12の孔12aに回転可能に嵌合させている軸部16aと、シャッタ地板1の孔1pに回転可能に嵌合させている軸部16bと、二つの羽根室内に延伸していてそれらの先端を補助地板3の孔3a(図2参照)に回転可能に嵌合させている軸部14cとを、一体成形にて形成している。また、後羽根用駆動部材17は、軸受部材13の孔に回転可能に嵌合させている軸部17a(図1参照)と、図2に示されているシャッタ地板1の孔1qに回転可能に嵌合させている軸部17bと、二つの羽根室内に延伸していてそれらの先端を補助地板3の孔3bに回転可能に嵌合させている軸部17cとを、一体成形にて形成している。
また、各駆動部材16,17は、被押動部16d,17dと、駆動ピン16e,17eと、取付部16f,17fとを有している。それらのうち、駆動ピン16e,17eは、背面側に設けられており、根元部の断面形状が円形をし、先端部の断面形状が砲弾型をしている。そして、その根元部が緩衝部材4,5に当接し得るようになっていて、先端部は長孔1b,1cを貫通し、シャッタ地板1の背面側に突き出ている。また、取付部16f,17fの内部には、図示していないばねを介在させて鉄片部材18,19が取り付けられているが、その具体的な取付け構成は周知であって、且つ本発明とは直接関係がないので、その詳細な説明を省略する。
各駆動部材16,17と各ラチェット車14,15との間には、各々駆動ばね20,21が掛けられている。これらの駆動ばね20,21は、図2及び図3から分かるように、各駆動部材16,17の支持板6側に設けられている直径の異なる各軸部に接しないようにして、それらの回転軸を囲むように巻回されており、シャッタ地板1側の腕部を各駆動部材16,17の孔に掛け、支持板6側の腕部をラチェット車16,17のばね掛け部14b,15bに掛けているが、図4では、ラチェット車14,15を断面し、それらの内部の様子を示してある。そして、図1,図3,図4からも分かるように、これらの各駆動ばね20,21は、各駆動部材16,17を、図1,図4において時計方向へ回転させるように付勢している。そのため、ラチェット車14,15は反時計方向へ回転するように付勢されていることになるが、上記の折曲部6a,6bがその回転を阻止している。そして、周知のように、これらの駆動ばね20,21の付勢力は、組立時において、ラチェット車14,15の回転位置を変えることによって調整できるようになっている。また、上記したように、これらの駆動ばね20,21は、駆動部材16,17を回転させるように付勢しているだけではなく、駆動部材16,17をシャッタ地板1側へ付勢し、シャッタ地板1との間に適度の摩擦力が得られるようにしている。
ところで、本実施例のラチェット車14,15、駆動部材16,17、駆動ばね20,21は、既に図5を用いて説明したような手順で組み立てられている。図3は、そのようにして、ラチェット車14と、先羽根用駆動部材16と、駆動ばね20とを組み立てた状態を示しているが、そのうち、図3(a)は、所定の状態に組み立てられた場合を示したものである。このとき、駆動ばね20の一巻目は円筒面14cと略接触状態にあり、二巻目の略半分も同じ状態になっている。このようにするのは、駆動ばね20の上方の姿勢を安定させ、撮影のたびに不規則な変形をさせないようにするためである。そして、このような接触巻数は、本実施例のように一巻半から二巻ぐらいとするのが好ましいが、最小限一巻ぐらいは必要である。また、図3(b)は、駆動ばね20が、その軸線を大きくよじらせれて組み立てられてしまった場合を示しており、作図上は、図5(b)の場合と、よじれを同じにして示したものである。この図3(b)からも分かるように、本実施例の場合には、ラチェット車14にテーパー面14dを形成しているため、駆動ばね20の軸線のよじれ量よりも端面14eが、ラチェット車14の回転中心から遠くなり、駆動ばね20が、その端面14eには接しないようになっている。また、テーパー面14dに接し得る巻数は、多くても構わないが、ラチェット車14は出来るだけ小さい方が好ましいので、実用上は少なくとも一巻あれば十分である。
尚、図3(b)は、駆動ばね20の軸線が比較的大きくよじれた場合を示したものであるから、軸線がよじれたとしても、テーパ面14dに接しない場合のあることは言うまでもない。また、本実施例の場合には、上記のように、テーパ面14dの傾斜角度θを約15°にしている。この角度を、3°未満にすると、実質的に図5に示した従来のものと同じになってしまう。また、45°以上にすると、カム作用によって駆動ばね20が端面14eの方へ滑動してゆき易くなってしまう。そこで、実際には、3〜40°の範囲にすれば、好適な機能が得られるが、本実施例の場合には、ラチェット車14の外周面と内周面(円筒面14c)との直径の差(外周壁の厚さ)、並びに加工上で必要な端面14eの径方向の寸法などを考慮して、約15°に定めてものである。更に、テーパー面14dの代わりに、円筒面14cよりも直径の大きな円筒面を形成してはどうかということもあるが、そのようにすると、駆動ばね20が、それらの二つの円筒面の境となる段差面に接触してしまうことになる。従って、テーパー面14dとするのが最善である。
シャッタ地板1の軸1fには、合成樹脂製のセット部材22が回転可能に取り付けられている。このセット部材22は、図1においては、図示していない復帰ばねの付勢力によって、反時計方向へ回転するように付勢されているが、その回転を図示していないストッパによって阻止されている。以下、セット部材22については、この位置を初期位置と称することにする。また、このセット部材22は、押動部22a,22bと、被押動部22cとを有していて、図1において時計方向へ回転したとき、押動部22aは先羽根用駆動部材16の被押動部16dを押し、押動部22bは後羽根用駆動部材17の被押動部17dを押すようになっている。
次に、シャッタ地板1の背面側に配置されている先羽根と後羽根の構成を説明するが、図1においては、図面を見やすくするためと、従来の構成と特に異なる構成をしているわけではないことから、それらの一部の図示が省略されている。先ず、先羽根は、二つのアーム23,24と、それらの長さ方向に順に枢支された4枚の羽根25,26,27,28とで構成され、アーム23,24の最先端に枢支されている羽根28がスリット形成羽根となっている。また、アーム23は、図2に示されている先羽根用駆動部材16の軸部16cに回転可能に取り付けられ、アーム24は、同じく図2に示されている軸1mに回転可能に取り付けられている。そして、周知のように、先羽根用駆動部材16の駆動ピン16eが、アーム23に形成されている孔に嵌合している。
他方、後羽根は、二つのアーム29,30と、それらの長さ方向に順に枢支された4枚の羽根31,32,33,34とで構成され、アーム29,30の最先端に枢支されている羽根34がスリット形成羽根となっている。また、アーム29は、図2に示されている後羽根用駆動部材17の軸部17cに回転可能に取り付けられ、アーム30は、図2に示されている軸1nに回転可能に取り付けられている。そして、後羽根用駆動部材17の駆動ピン17eが、アーム29に形成されている孔に嵌合している。尚、図2においては、先羽根の羽根25〜28と後羽根の羽根31〜34の図示を省略してある。また、本実施例は、先羽根も後羽根も、二つのアームと4枚の羽根で構成されているが、アームについては三つのものも知られており、羽根については、1〜5枚のものが知られている。
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、露光作動終了直後の状態を示している。従って、先羽根用駆動部材16は、駆動ばね20によって時計方向へ回転するように付勢されているが、駆動ピン16eが緩衝部材4に当接しているために、この停止状態が維持されている。また、このとき、先羽根の4枚の羽根25〜28は重畳され、開口部1aの下方位置に格納されている。他方、後羽根用駆動部材17は、駆動ばね21によって時計方向へ回転するように付勢されているが、駆動ピン17eが緩衝部材5に当接しているため、この停止状態が維持されている。そして、後羽根の4枚の羽根31〜34は展開され、開口部1aを覆っている。
本実施例のセット作動は、図示していないカメラ本体側の部材が、図1においてセット部材22を時計方向へ回転させることによって行なわれる。即ち、カメラ本体側の部材がセット部材22の被押動部22cを押し、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させると、先ず、セット部材22の押動部22aが先羽根用駆動部材16の被押動部16dを押し、駆動ばね20の付勢力に抗して反時計方向へ回転させていく。また、この回転によって、先羽根用駆動部材16の駆動ピン16eがアーム23を反時計方向へ回転させるので、先羽根の4枚の羽根25〜28は、隣接する羽根との重なり量を少なくしつつ上方へ移動させられていく。その後、先羽根のスリット形成羽根28と、後羽根のスリット形成羽根34との重なり量が所定量に達すると、セット部材22の押動部22bが被押動部17dを押して、駆動ばね21の付勢力に抗して後羽根用駆動部材17を反時計方向へ回転させていく。それによって、駆動ピン17eがアーム29を反時計方向へ回転させていくので、後羽根の4枚の羽根31〜34は、隣接する羽根との重なり量を大きくしつつ上方へ移動されていく。
そして、その後、各駆動部材16,17に取り付けられた鉄片部材18,19が、各電磁石10,11の鉄芯部材10a,11aに接触した直後に、セット部材22の回転が停止され、セット作動が終了する。このようにして行なわれたセット作動の終了状態、即ちセット状態が図4に示されている。そして、このとき、図4では図示を省略されているが、後羽根の4枚の羽根31〜34は重畳状態となって開口部1aの上方位置に格納されており、先羽根の4枚の羽根25〜28は展開状態となって開口部1aを覆っている。また、セット部材28は、次の撮影が行なわれるまで、この状態を維持されている。尚、このセット過程で、各駆動ばね20,21の軸線がよじれても、ラチェット車14,15には、各々、上記したようなテーパ面が形成されているので、それらの一部がラチェット車14,15の下端面に接触状態となることはない。
次の撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、各電磁石10,11のコイル10b,11bに通電され、鉄片部材18,19が吸着保持される。次に、図示していないカメラ本体側の部材が、セット部材22の被押動部22cに対する押圧力を解いていくと、セット部材22は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転され、初期位置へ復帰する。
その後、最初に先羽根用電磁石10のコイル10bに対する通電が断たれ、所定時間後に後羽根用電磁石11のコイル11bに対する通電が断たれる。そのため、先羽根用駆動部材16と後羽根用駆動部材17が、各々の駆動ばね20,21の付勢力によって相次いで急速に時計方向へ回転させられ、各駆動ピン16e,17eによって、各アーム23,29を時計方向へ回転させる。それによって、先羽根の4枚の羽根25〜28は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら、また、後羽根の4枚の羽根31〜34は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら下方へ走行し、先羽根のスリット形成羽根28と後羽根のスリット形成羽根34とで形成されるスリットにより、固体撮像素子の撮像面を露光していく。
そして、露光作動を先に開始した先羽根用駆動部材16は、その作動の終了段階で、駆動ピン16eが、長孔1bの下端部に取り付けられた緩衝部材4に当接することによって停止させられる。続いて、後羽根用駆動部材17も、その作動の終了段階になると、駆動ピン17eが、長孔1cの下端部に取り付けられた緩衝部材5に当接することによって停止させられる。このとき、各駆動部材16,17は大きな衝撃を受けるが、駆動ばね20,21が、図3(b)に示された駆動ばね20のように組み付けられていたとしても、その衝撃力によって、上記したように、ラチェット車14,15の下端面に対して接触状態にさせられてしまうことはない。そして、その停止状態においては、開口部1aは、後羽根の4枚の羽根31〜34で覆われており、その状態において、撮像情報が固体撮像素子から記憶装置に転送されると、撮影が終了したことになって図1に示された状態に戻ったことになる。以上のように、本実施例によれば、組立時,セット作動時,走行時のいずれにおいても、各駆動ばね20,21の一部がラチェット車14,15の下端面と接触状態にさせられてしまうことがない。そのため、セットのたびに、各駆動ばね20,21のピッチを小さくしてゆき、各駆動部材16,17とシャッタ地板1との間の摩擦力を変化させてしまうようなことがなく、シャッタ羽根の走行が安定して得られる。
尚、上記の実施例においては、各駆動部材が、一方の軸部をシャッタ地板の孔に回転可能に嵌合させ、他方の軸部を支持板に取り付けた軸受部材の孔に回転可能に嵌合させており、また、調整車としてのラチェット車が、その軸受部材の外周面に嵌合させられているが、本発明は、このような構成に限定されず、上記の特許文献1〜4を基にして説明した全ての構成に適用することが可能である。また、上記の実施例は、露光作動の開始直前の状態において、各駆動部材が電磁石の吸引力によって直接保持されているようにした、所謂ダイレクトタイプと称されているシャッタに本発明を適用したものである。しかしながら、本発明は、セット状態においては、各駆動部材を、係止部材によって機械的に係止しておき、露光作動の開始時には、各電磁石によって作動を可能にさせられる部材が、その係止部材による係止を解くようにした、所謂係止タイプと称されているシャッタにも適用することができるし、露光時間を機械的に制御するようにしたシャッタにも適用することが可能である。更に、上記の実施例においては、シャッタ地板と各駆動部材とが、いずれも合成樹脂材料だけで製作されているが、本発明は、そのような構成に限定されず、それらの各部材の少なくとも一部が、金属材料で製作されているようにしても差し支えない。
カメラに組み込まれた状態において被写体側から視た実施例の平面図であって露光作動終了直後の状態を示したものである。 図1に示された各部材の重なり状態を理解し易いように示した断面図である。 実施例における駆動ばね調整機構の一部断面図である。 図1に示された全体の左半分を示した平面図であって、セット完了状態を示したものである。 従来の駆動ばね調整機構の一部断面図である。
符号の説明
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c 長孔
1g,1p,1q,3a,3b,12a 孔
1d,1e 柱
1f,1h,1i,1j,1k,1m,1n 軸
2 中間板
3 補助地板
4,5 緩衝部材
6 支持板
6a,6b 折曲部
7 プリント配線板
8,9 ビス
10 先羽根用電磁石
10a,11a 鉄芯部材
10b,11b コイル
11 後羽根用電磁石
12,13 軸受部材
14,15 ラチェット車
14a,15a 歯部
14b,15b ばね掛け部
14c 円筒面
14d テーパー面
14e 端面
16 先羽根用駆動部材
16a,16b,16c,17a,17b,17c 軸部
16d,17d,22c 被押動部
16e,17e 駆動ピン
16f,17f 取付部
17 後羽根用駆動部材
18,19 鉄片部材
20,21 駆動ばね
22 セット部材
22a,22b 押動部
23,24,29,30 アーム
25,26,27,28,31,32,33,34 羽根

Claims (4)

  1. シャッタ地板に枢着された複数のアームに1枚以上の羽根を枢支してなる少なくとも一つのシャッタ羽根と、前記シャッタ地板と支持板との間においてそれらに対して垂直な所定の軸心上で往復回転し前記シャッタ羽根に開閉作動を行わせる少なくとも一つの駆動部材と、ばね掛け部を有していて前記シャッタ地板と前記支持板の間において前記軸心上で回転可能に配置されており内部には前記シャッタ地板側に開口を有する空間を設けていて外周面には規制手段によって回転位置を規制されるための歯部を有している調整車と、前記軸心を囲むように巻回されていて前記シャッタ地板側の一端を前記駆動部材に掛け前記支持板側の他端を前記ばね掛け部に掛けており前記調整車の回転で付勢力を調整され撮影時にはその付勢力によって前記駆動部材を一方方向へ回転させる駆動ばねと、撮影終了後に前記駆動部材を前記駆動ばねの付勢力に抗してセット位置へ回転させるセット部材と、を備えたフォーカルプレンシャッタにおいて、前記空間の内周面は、前記支持板側が、前記調整車の回転軸を中心にした同一直径の円筒面に形成され、前記シャッタ地板側が、該円筒面から前記開口に向けて直径の大きくなるテーパー面に形成されており、前記駆動ばねは、最も前記支持板側にある少なくとも一巻の一部が前記円筒面に接触していて、巻心がよじれたときには、他の少なくとも一巻の一部が前記テーパー面に接触し得るようにしたことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記駆動部材は、前記シャッタ地板に立設された軸に対して回転可能に取り付けられており、前記調整車は、該軸又は前記支持板に対して回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記調整車は、前記支持板に対して回転可能に取り付けられており、前記駆動部材は、前記シャッタ地板側と前記支持側に各々軸部を有していて、一方の軸部を前記シャッタ地板に対して回転可能に取り付け、他方の軸部を前記支持板又は前記調整車に対して回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記テーパ面は、前記軸心に対して3〜40°の範囲となるようにして形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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