JP2006201747A - 表示パネルモジュールおよびその製造方法。 - Google Patents

表示パネルモジュールおよびその製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】表示パネルモジュールの製造コストの低減を目的とする。
【解決手段】表示パネルと機能フィルムと駆動回路基板とを備える表示パネルモジュールの製造において、表示パネルに駆動回路基板を取り付け、駆動回路基板を用いて表示パネルの点灯検査を行い、それによって表示パネルが良品であることを確認し、その後に機能フィルムを表示パネルの前面に貼り付ける。貼り付けに際して表示パネルの前面と機能フィルムとの間に厚さが200μm以上の粘着層を介在させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、表示パネルモジュールおよびその製造方法に関し、特に前面に機能フィルムを直接に貼り付けたプラズマディスプレイモジュールの改良に関する。表示パネルモジュールは薄型表示装置のメインユニットであって、表示パネルと機能フィルムと駆動回路基板とから構成される。表示装置は表示パネルモジュールとこれを収容する筐体とを備える。
表示パネルは、プラズマディスプレイパネル、液晶パネル、有機エレクトロルミネッセンス、フィールドエミッションディスプレイなどのフラットパネルディスプレイと呼称されるデバイスである。
表示パネルによって画像を表示する表示装置において、表示装置の性能を高めるために透光性の機能フィルムが表示パネルの前面に貼り付けられる。機能フィルムは、少なくとも外光の反射を防止する機能をもつ。プラズマディスプレイパネルの場合、機能フィルムよって実現される他の機能として、表示色の補正、電磁波の遮蔽、近赤外線の遮蔽がある。例えば、特開2004−206076号に記載された機能フィルムは、反射防止層と色フィルタ層と電磁波遮蔽層とを有し、プラズマディスプレイパネルの前面に貼り付けられる。
機能フィルムの貼り付けは、表示パネルを筐体に収める表示装置の組み立てに先立って行われる。すなわち、表示装置の製造においては、まず、機能フィルムおよび駆動回路基板を備えた表示パネルモジュールが製造され、その後に表示パネルモジュールが筐体に組み付けられる。
従来の表示パネルモジュールの製造においては、駆動回路基板を表示パネルに取り付ける以前に、表示パネルの前面に機能フィルムが貼り付けられる。この製造手順は、機能フィルムの貼り付けをクリーンルームのような清浄環境下で行うのに適している。駆動回路基板には比較的に多くの塵埃が付着しているので、駆動回路基板をクリーンルームに搬入するのは好ましくない。駆動回路基板を取り付けた後に機能フィルムを表示パネルに貼り付けると、機能フィルムと表示パネルとの間に多くの塵埃(異物)の付着するおそれがある。
特開2004−206076号公報
従来においては、表示パネルモジュールの製造を終えた後の点灯検査で表示パネルの不良が見つかった場合に、機能フィルムを不良の表示パネルから剥がして廃棄するか、困難な再生処理(表面異物除去、離型フィルム添付など)をして別の表示パネルに貼り付ける必要があった。それによる生産性の低下によって表示パネルモジュールの製造コストが上昇するという問題があった。特に、剥がすときに機能フィルムが破損すると、さらに製造コストが上昇する。
本発明は表示パネルモジュールの製造コストの低減を目的としている。より具体的には、表示パネルの前面に貼り付ける機能フィルムの粘着層を改良して高品質のプラズマディスプレイモジュールを安価に提供することを目的としている。
表示パネルと機能フィルムと駆動回路基板とを備える表示パネルモジュールの製造において、前記表示パネルに前記駆動回路基板を取り付け、前記駆動回路基板を用いて前記表示パネルの点灯検査を行い、それによって前記表示パネルが良品であることを確認し、その後に大気環境中で前記機能フィルムを前記表示パネルの前面に貼り付ける。これを可能とするため、本発明においては前記表示パネルの前面と前記機能フィルムとの間に粘着層を介在させる。粘着層はその厚さよりも寸法が小さい塵埃を包み込み、塵埃を囲む空隙を小さくする。表示パネルの前面に多少の塵埃が存在しても、塵埃の寸法と当該塵埃を囲む空隙の寸法との差が100μmよりも小さければ、表示に支障はない。この塵埃を包み込む異物耐性すなわち異物被覆性は、粘着界面に直径50μmのガラスビーズを介在させて貼り付けたときに、ガラスビーズの周囲に生じる空隙の直径と当該ガラスビーズの直径との比が2.0以下となるように調整される。機能フィルムの貼り付けを低気圧環境下で行えば、完成した表示パネルモジュールが低気圧環境下で使用されても、塵埃を囲む空隙の膨張が起こりにくい。
請求項1ないし請求項14の発明によれば、表示パネルモジュールまたはそれを用いた表示装置の製造コストを低減することができる。
図1は本発明に係るプラズマ表示装置の外観を示す。プラズマ表示装置100は、フラット型であり、例えば対角32インチの画面50をもつ。画面50の水平方向の寸法は0.72m、垂直方向の寸法は0.40mである。表示装置100の平面サイズを決める化粧カバー101は画面50よりも大きい開口を有しており、表示パネルモジュール1の前面が周縁部を除いて露出している。
図2は表示パネルモジュールの構成の概略を示す。表示パネルモジュール1は、プラズマディスプレイパネル2と、プラズマディスプレイパネル2の前面に直接に貼り付けられた前面シート3と、図示しない駆動回路基板とを備える。前面シート3は、光学フィルタ機能を有する光学フィルムと電磁波遮蔽機能を有するEMIシールドフィルムを含む複数の層で構成される。プラズマディスプレイパネル2は、ガス放電によって発光する自己発光型のデバイスであり、前面板10と背面板20とからなる。前面板10および背面板20はともに厚さ3mm程度のガラス板とその表面に形成されたセル構成要素とで構成される。
プラズマディスプレイパネル2には放電ガスとしてネオンにキセノン(2%以上)を混合したペニングガスが充填されている。このペニングガスは、放電時に波長830nmおよび波長880nmの近赤外光を放射する。
図3は図1のa−a矢視断面図であり、表示装置の内部構成を示す。表示装置100では、化粧カバー101が取り付けられた導電性ケース(シールド筐体)102の中に駆動回路基板90を備えた表示パネルモジュール1が配置されている。導電性ケース102は、画面よりも若干大きい開口をもつフレーム102Aと、薄い箱状に成型されたプレート102Bとからなる。フレーム102Aは導電性ケース102の前側部分であり、プレート102Bは後ろ側部分である。
プラズマディスプレイパネル2の背面に両面接着テープ104によってアルミニウム製のシャーシ105に取り付けられ、シャーシ105はスペーサ106,107を介してプレート102Bに固定されている。シャーシ105の背面側に駆動回路基板90が配置されている。駆動回路基板90とプラズマディスプレイパネル2との電気的な接続にはフレキシブルケーブル108,109が用いられる。本例において、表示パネルモジュール1は、前面シート3、プラズマディスプレイパネル2、両面接着テープ104、シャーシ105、駆動回路基板90、およびフレキシブルケーブル108,109から構成される。なお、プラズマディスプレイパネル2の前面には、前面シート3とフレーム102Aとを導通させる電磁波遮蔽のための導電テープが前面シート3の端部と重なるように貼り付けられている。図3では表示パネルモジュール1とともに導電性ケース102の中に配置される他の構成要素、すなわち電源、映像信号処理回路、および音響回路などの図示が省略されている。
前面シート3は、0.3mm厚の多層構造の機能フィルム3Aと樹脂からなる約0.5mm厚の粘着層3Bとが重なった積層体である。前面シート3の平面サイズ、厳密には機能フィルム3Aの平面サイズは画面の平面サイズよりも大きくかつプラズマディスプレイパネル2の平面サイズよりも小さい。粘着層3Bの平面サイズは画面の平面サイズよりも大きくかつ機能フィルム3Aの平面サイズよりも小さい。
表示装置100において、前面シート3はプラズマディスプレイパネル2に沿って平坦に拡がり、その端部のみが導電性ケース102のフレーム102Aと重なる。フレーム102Aは前面シート3の前側に位置し、前面シート3の端部がフレーム102Aとプラズマディスプレイパネル2とで挟まれる。
図4は前面シートの層構造を示す。前面シート3は、前面側から順に0.2mm厚の光学フィルム層310、0.1mm厚の電磁波遮蔽用のEMIシールドフィルム層320、0.5mm厚の粘着層3Bが重なった約0.8mm厚の積層体である。光学フィルム層310およびEMIシールドフィルム層320が機能フィルム3Aを構成する。機能フィルム3Aよりも粘着層3Bは柔軟であり、衝撃吸収機能を有する。前面シート3の全体の可視光透過率は視感度補正した値で約40%である。前面シート3の重さは約500gである。
光学フィルム層310は、PET(ポリエチレンテレフタレート)製のベースフィルム311、ベースフィルム311の前面側にコーティングされた反射防止膜312、およびベースフィルム311の背面側に形成された色素層313からなる。
反射防止膜312は外光の反射を防止する。ただし、反射防止膜312の機能をAR(アンチリフレクション)からAG(アンチグレア)に変更してもよい。反射防止膜312は、シート表面の傷耐性を鉛筆硬度4Hまで高めるハードコートを含んでいる。
色素層313は近赤外光の遮蔽とカラー表示に係る赤(R)、緑(G)、青(B)の可視光透過率の調整とを担う。色素層313には樹脂中に波長800nm〜1000nm近傍の光を吸収する赤外光吸収色素、波長580nm近傍の光を吸収するネオン光吸収色素、および可視光透過率を調整するための色素が含まれている。光学フィルム層310の外光反射率は視感度補正した値で3%、可視光透過率は視感度補正した値で55%である。また、近赤外光の透過率は吸収波長領域内の平均で10%である。
電磁波遮蔽用のEMIシールドフィルム層320は、PET製のベースフィルム321とメッシュ状の部分をもつ銅箔である10μm厚の導電層322とからなる。導電層322のうち、画面と重なる領域の可視光透過率は80%である。導電層322の前面側表面には黒化処理が施されているので、光学フィルム層310を通してEMIシールドフィルム層320を見ると、EMIシールドフィルム層320はほぼ真っ黒に見える。
光学フィルム層310のベースフィルム311およびEMIシールドフィルム層320のベースフィルム321は、プラズマディスプレイパネル2のガラス板が割れる非常事態が生じたときに、ガラスの飛散を防止する機能をもつ。この機能を得る上で、ベースフィルム311およびベースフィルム321を合わせて、厚さが50μm以上であるのが望ましい。本例では、PETの厚さの合計が150μm以上である。
図4ではEMIシールドフィルム320の導電層322をプラズマディスプレイパネルとの接着面側に配置した構成を例示したが、図5に示す他の構成がある。図5の例では、導電層322がベースフィルム321の上側に配置され、ベースフィルム321とプラズマディスプレイパネル2とが貼り付けられる。この図5の構成を採用する場合には、導電層322の周辺が露出するように光学フィルム310をEMIシールドフィルム320より小さく形成する。これにより、図4の場合よりも導電層322とフレーム102Aとの導電コンタクト構造を簡単にすることができる。
粘着層3Bはアクリル系の軟質の樹脂からなり、その可視光透過率は90%である。粘着層3Bは樹脂の塗布によって形成される。塗布に際して、樹脂は導電層322におけるメッシュの隙間に入り込み、導電層322を平坦化する。これによって、導電層322の凹凸によって光散乱が発生するのが防止される。
また、本実施例の粘着層3Bは適度の剥離性を有する。粘着層3Bは、PETと銅とで構成されるEMIシールドフィルム層320には比較的に強固に粘着する。これに対して、プラズマディスプレイパネル2の前面であるガラス面には比較的に緩く粘着する。その粘着力は送り速度200mm/分の90度剥離試験において6N/25mm程度である。リワークするためには10N/25mm以下が望ましい。フィルムに多少のくせが残っていても安定な貼りを実現するには、2N/25mm以上、望ましくは5N/25mm以上とするのがよい。前面シート3を剥がそうとすると、機能フィルム3Aと粘着層3Bとが剥がれることはなく、前面シート3がプラズマディスプレイパネル2から正常に剥がれる。正常とは目視で判る剥がれ残りの生じない一様な剥離面の得られる様相を意味する。
さらに粘着層3Bは本発明に特有の異物被覆性を有する。粘着層3Bが十分な厚さを有することは、表示パネルモジュール1の生産性向上に貢献する。適切な厚さをもつ粘着層3Bは、以下に図6を参照して説明するように、貼り付けを行う場所の清浄度の制約を緩和する。
図6は本発明に係る機能フィルムの貼り付け状態の概念図である。図6(A)は本発明に係る表示パネルモジュール1の要部の断面図であり、粘着層3Bの機能を示す。図6(B)は図6(A)中の空隙251の平面図である。図6(C)は比較例である表示パネルモジュール1xの要部の断面図であり、図6(D)は図6(C)中の空隙252の平面図である。図6(C)および(D)において、図6(A)に対応する構成要素には図6(A)と同一の符号を付してある。
表示パネルモジュール1の製造において、プラズマディスプレイパネル2に前面シート3を貼り付ける際に、貼り付け界面に10μm以上の大きさの塵埃(以下、異物という)が混入することがある。粘着層3Bの厚さが100μm以上(好ましくは200μm〜500μm=0.2mm〜0.5mm)であれば、数十μm程度の大きさの異物が混入してもその異物が軟質の粘着層3Bに埋まり込む。すなわち、図6(A)のように粘着層3Bは異物201を包み込むように変形する。ただし、粘着層3Bは流動性をもたないので、異物201は完全には包まれず、異物201の周囲に空隙251が生じる。空隙251は異物201を核とする気泡であり、粘着層3Bとプラズマディスプレイパネル2とが接触しない領域を形成する。空隙251の大きさには粘着層3Bの材質が関係する。粘着層3Bの材質には、ガラス面であるプラズマディスプレイパネル2の前面に対する濡れ性の良好であることが要求される。濡れが良ければ、表示パネルモジュール1を製造時よりも気圧の低い環境下で使用しても、減圧に伴う空隙251の膨張が起こりにくい。
図6(A)および(B)の例示において、異物201は略球状であり、その寸法d1は粘着層3Bの厚さT1よりも小さい。空隙251は図6(B)のように平面視において異物201を囲む環状であり、その外形の寸法D1は必然的に異物201の寸法d1よりも大きい。
ここで注目すべきことは、空隙251の寸法D1が例えば100μm程度の比較的に大きな値であっても、必ずしも空隙251が表示の支障になるとは限らないことである。すなわち、プラズマディスプレイパネル2の表示の目視観察において輝いて見える空隙を調べたところ、その空隙の端縁と異物との距離(図6(B)における“a”)が50μmよりも大きい値であることが判った。この距離は異物の周囲においてほぼ均等であるので、空隙の寸法と異物の寸法との差をこの距離の2倍とみなすことができる。図6(B)の符号で表せばD1−d1=2aである。したがって、表示パネルモジュール1が満たすべき条件は、“異物の寸法と当該異物を囲む空隙の寸法との差が100μmよりも小さい”である。なお、空隙が輝いて見える現象は空隙とガラス板との間の屈折率の差異に起因し、空隙がテント状のレンズを形成することによって起こる。
上記条件は、表示装置100の仕様で規定された動作環境において満たされなければならない。空隙は動作環境の気圧が低いほど大きくなり易い。一般に、仕様では気圧が700ヘクトパスカルの環境(例えば海抜3000mの高地)での使用が想定される。したがって、700hPaの低圧環境下で上記条件が満たされなければならない。本発明においては、フィルタをパネルに貼り合せたときの外気圧よりも低い気圧にさらす前に、少なくとも室温以上の温度で1日以上保管することを特徴とする。これにより、粘着層がガラス面となじみ、異物周りの空隙が小さくなる。また、減圧環境に晒されても空隙が大きくなりにくくなる。
図6(C)および(D)では上記条件を満たさない構成が例示されている。図6(C)および(D)の異物202の寸法d2は、図6(A)および(B)の異物201の寸法d1よりも小さい。しかし、粘着層3Bbの厚さT2が異物202の厚さよりも小さい。このため、異物202を囲む空隙252の寸法D2が図6(A)および(B)の空隙201の寸法D1と同程度であるにも係わらず、空隙252の端縁と異物202の距離bは図6(B)における距離aよりも大きい。したがって、異物202と空隙252との寸法差(D2−d2)は図6(B)における寸法差(D1−d1)よりも大きい。このことは、図6(C)の構成では表示に際して空隙252が空隙251よりも目立ちやすいことを意味する。
上述のとおり、空隙251,252が目立つか否かは空隙寸法と異物寸法との差に大きく依存する。しかし、目視可能な表示欠陥を無くす目的の上で、空隙251,252がより小さいのが望ましい。画面の高解像度化にともなってセルサイズが縮小されると、許容可能な空隙寸法は小さくなる。これを踏まえると、粘着層3Bの異物被覆性(異物耐性)に関して、次の定義は実用的である。
粘着層3Bがもつべき異物被覆性とは、プラズマディスプレイパネル2のガラス基板と同質のガラス板の上に大きさが50μmの粒子(ガラスビーズ)を置いた状態において、機能フィルム3Aを貼り付けたときに粒子の周囲に生じる空隙(粘着層3bとガラス板とが接触しない領域)の大きさが100μm以下となるように変形する性質である。実際には、50μm径のガラスビーズまたは黒色のアクリル樹脂ビーズを意図的に貼り付け界面に混入させて、空隙寸法を測定することにより異物被覆性の適否を確認することができる。本発明者等は直径50μmのガラスビーズによってできる空隙の直径が100μm以下、すなわち、それらの比が2以下となるように粘着層の材料を選定した場合、清浄な大気環境中で混入する塵埃に対して表示品質への光学的影響が認められないことを確認した。
異物の付着はクリーンルーム内で前面シート3をプラズマディスプレイパネル2に貼り付けることで防止できる。しかし、プラズマディスプレイパネル2のエージングおよび点灯検査を行う以前に前面シートをプラズマディスプレイパネル2に貼り付けることになる。点灯検査の結果、プラズマディスプレイパネル2が不良であれば、プラズマディスプレイパネル2とともに前面シート3も廃棄物となる。前面シート3を剥離して再生するにしても、前面シート3を剥がす工程が加わってしまう。
本実施例の表示パネルモジュール1では、上述のとおり寸法が100μm程度の異物の付着が許容される。すなわち、クリーンルームの外での前面シート3の貼り付けが許される。したがって、クリーンルーム内で製造したプラズマディスプレイパネル2をクリーンルームの外へ出し、放熱用のシャーシ104および駆動回路基板90を組み付けて点灯検査をし、検査に合格したプラズマディスプレイパネル2に前面シート3を貼り付けることによって、前面シートの廃棄や剥離といった資源および時間の損失を無くすことができる。また、エンドユーザーがフィルタを傷つけた場合でも、簡易なクリーンブースで手作業によるリペアが可能である。その条件は粘着の強度が経時的に変化しても10N/25mm以下を維持することである。これ以上の粘着強度の場合は、フィルタを剥離するのに手作業では時間がかかりすぎてしまう。ただし、粘着強度が10N/25mmを超える場合であっても、機械を使用してフィルタを剥がし、パネル前面を清浄化して新たなフィルタを貼り付けるリペアを行うことができる。
なお、異物の寸法の上限はセルサイズに依存するが、現実には150μm程度である。上限以下の異物の付着は該当するセルの輝度を極端に低下させない。100μm以上の比較的に大きな異物は粘着ローラまたはブラシによって除去することができる。異物の大きさとは水平方向の大きさを表す。光学的な視認性の点では、水平方向の異物の大きさと空隙の大きさのみで議論すればよい。上記説明の中では、水平方向の大きさと垂直方向の大きさとが同一の場合について記述したが、これは粘着の性質にとっては異物の高さの影響が大きいからである。実際の異物では、大きさよりも高さの方が小さいことが多い。このような異物は粘着において対処しやすい。また、繊維状の異物の大きさについては、太さを大きさとみなすものとする。空隙が繊維の長さ方向につらなって形成されるからである。
図7は表示パネルモジュールの製造手順を示す。
プラズマディスプレイパネル2を製造し(#1)、エージングを行う(#2)。エージングを終えたプラズマディスプレイパネル2の背面に駆動回路基板90を組み付ける(#3)。駆動回路基板90およびプラズマディスプレイパネル2を動作させる点灯検査をし、それによってプラズマディスプレイパネル2および駆動回路基板90が良品であることを確認する(#4)。その後、プラズマディスプレイパネル2の前面を清掃し(#5)、機能フィルム3Aと粘着層3Bとからなる前面シート3をプラズマディスプレイパネル2の前面に貼り付ける(#6)。プラズマディスプレイパネル2の前面の清掃では、粘着ローラまたはブラシを用いて少なくとも100μm以上の比較的に大きな塵埃を除去する。
好ましくは、機能フィルム3Aの貼り付けを700hPaまたはそれ以下の減圧環境下で行う。そうすることによって、完成した表示パネルモジュール1を標準気圧環境で使用する場合に、貼り付け界面が負圧状態になるので、貼り付け界面での発泡が防止される。また、表示パネルモジュール1を700hPa程度の低圧環境で使用する場合に貼り付け界面での発泡が起こりにくい。ただし、上記の空隙に係わる条件が満たされるのであれば、標準気圧環境で機能フィルム3Aの貼り付けを行ってよい。
このような手順による製造において、次のような試験を所定ロットごとまたは材料が変わることに実施することにより、表示パネルモジュール1の信頼性を確認することができる。ここでは、貼り付けおよび測定を常温(25±10℃)・常圧(1000±100hPa)の大気環境下で行うものとする。既知寸法の異物(直径50μmの球形のガラスビーズ)を意図的に粘着界面に介在させて光学的な影響を見る。
〔1〕異物耐性試験:機能フィルム3Aをダミーとなるガラス板に貼り付けた直後(10分以内)に、異物の大きさd1(50μm)と空隙の大きさD1sを測定する。D1sがd1の2倍以下であれば、その粘着層は大気環境下で粘着界面に介在が予測される100μm程度の塵埃に対して所望の被覆性をもち、このような塵埃は表示品質に影響しない。
〔2〕放置緩和:貼り付けを終えた状態で72時間にわたって放置し、その後に空隙の大きさD1を測定する。D1が貼り付け直後の大きさD1sの1倍以下のものが好ましい(D1≦D1s)。
〔3〕減圧緩和:機能フィルムを貼り付けた状態で700hPaの低圧環境下に30分にわたって晒し、その後に常圧環境下にて空隙の大きさD1を測定する。D1が貼り付け直後の大きさD1sの1倍以下であるのが望ましい(D1≦D1s)。
〔4〕強減圧緩和:機能フィルムを貼り付けた状態で300hPaの低圧環境下に30分にわたって晒し、その後に常圧環境下にて空隙の大きさD1を測定する。D1が貼り付け直後の大きさD1sの1倍以下であるのが望まれる(D1≦D1s)。
〔5〕加熱緩和:機能フィルムを貼り付けた状態で60℃の加熱常圧環境下に24時間にわたって晒し、その後に常温環境下にて空隙の大きさD1を測定する。D1が貼り付け直後の大きさD1sの1倍以下のものが好ましい(D1≦D1s)。
〔6〕加圧緩和:機能フィルムを貼り付けた状態で3atmの高圧環境下に1時間にわたって晒し、その後に常圧環境下にて空隙の大きさD1を測定する。D1が貼り付け直後の大きさD1sの1倍以下のものが好ましい(D1≦D1s)。
図8は機能フィルムの貼り付け工程の概要を示す。
ロールツーロールによって作製された多層フィルム3ARを巻いたロールから多層フィルム3ARを引き出し、粘着層となる樹脂3B’を多層フィルム3ARに塗布する。この多層フィルム3ARをカッター550で裁断し、得られた前面シート3を台500に置かれた検査済みのプラズマディスプレイパネル2に貼り付ける。このとき、既にプラズマディスプレイパネル2には駆動回路基板90が取り付けられている。プラズマディスプレイパネル2と前面シート3とが一体になってディスプレイパネル装置1が完成する。なお、この貼り付けにおいて、プラズマディスプレイパネルの表面の反りに対応するために、貼り付け用の押さえローラーには発泡ウレタンのような緩衝性のある材質を使用することが望ましい。他の製造方法として、樹脂3B’を塗布した後に、多層フィルム3ARを表裏反転してパネルモジュールに貼り付け、その後に裁断する方法もある。
以上の説明ではプラズマディスプレイパネルを例示したが、画面を構成するデバイスはプラズマディスプレイパネルに限定されず、EL(Electro Luminescence)、FED(Field Emission Display)、液晶を含む他の表示パネルによって画面が構成される装置に本発明を適用することができる。
本発明は、機能フィルムが表示パネルに直に貼りついた軽量な表示装置の低価格化を促進し、大型画面をもつ薄型表示装置の普及に貢献する。
本発明に係る表示装置の外観を示す図である。 表示パネルモジュールの構成の概略を示す図である。 図1のa−a矢視断面図である。 前面シートの層構造を示す図である。 前面シートの層構造の他の例を示す図である。 本発明に係る機能フィルムの貼り付け状態の概念図である。 表示パネルモジュールの製造手順を示す図である。 機能フィルムの貼り付け工程の概要を示す図である。
符号の説明
1 表示パネルモジュール
2 プラズマディスプレイパネル(表示パネル)
3A 機能フィルム
3B 粘着層
90 駆動回路基板
201 異物(塵埃)
251 空隙

Claims (14)

  1. 表示パネルと、前記表示パネルの前面に貼り付けられた機能フィルムと、前記表示パネルの背面に取り付けられた駆動回路基板とを備える表示パネルモジュールの製造方法であって、
    前記表示パネルに前記駆動回路基板を取り付け、
    前記駆動回路基板を用いて前記表示パネルの点灯検査を行い、それによって前記表示パネルが良品であることを確認し、その後に、
    前記表示パネルの前面と前記機能フィルムとの間に厚さが200μm以上の粘着層を介在させることによって、当該機能フィルムを当該表示パネルに貼り付ける
    ことを特徴とする表示パネルモジュールの製造方法。
  2. 前記機能フィルムを貼り付けた後、貼り付け時の外気圧よりも低い気圧に前記表示パネルを晒す前に、少なくとも室温以上の温度の環境下で24時間以上保管する
    請求項1に記載の表示パネルモジュールの製造方法。
  3. 前記機能フィルムの貼り付けを、気圧が700hPaよりも低い環境下で行う
    請求項1に記載の表示パネルモジュールの製造方法。
  4. 表示パネルと、前記表示パネルの前面に貼り付けられた機能フィルムと、前記表示パネルの背面に取り付けられた駆動回路基板とを備える表示パネルモジュールであって、
    前記機能フィルムが、厚さが200μm以上の粘着層によって前記表示パネルの前面に貼り付けられ、
    前記表示パネルの前面に付着しかつ前記粘着層で被覆された塵埃の寸法と当該塵埃を囲む空隙の寸法との差が100μmよりも小さい
    ことを特徴とする表示パネルモジュール。
  5. 表示パネルと、前記表示パネルの前面に貼り付けられた機能フィルムと、前記表示パネルの背面に取り付けられた駆動回路基板とを備える表示パネルモジュールであって、
    前記機能フィルムが、厚さが200μm以上の粘着層によって前記表示パネルの前面に貼り付けられ、
    前記表示パネルに対する前記粘着層の剥離強度が10N/25mm以下である
    ことを特徴とする表示パネルモジュール。
  6. 表示パネルの背面に駆動回路基板を実装し、前面に機能シートを貼り付けた表示パネルモジュールであって、
    前記機能シートは、光学フィルタ機能を有する光学フィルムと、電磁波遮蔽機能を有するEMIシールドフィルムとの多層構成を有し、さらに当該機能シートは表示パネルとの貼り付け面側に粘着層を備えており、
    前記粘着層は透明な粘着性柔軟材料からなり、粘着界面に直径50μmのガラスビーズを配置した状態で当該機能シートをガラス板の上に貼り付けたとき、前記ガラスビーズの周囲にできる空隙の直径と当該ガラスビーズの直径との比が2.0以下となる異物被覆性を有する
    ことを特徴とする表示パネルモジュール。
  7. 前記粘着層が100μm以上の厚さを有する粘着性透明樹脂からなる
    請求項6に記載の表示パネルモジュール。
  8. 表示パネルの背面に駆動回路基板を実装し、前面に光学フィルタ機能を有する機能シートを貼り付けた表示パネルモジュールであって、
    前記機能シートは、あらかじめ当該機能シートの片面に設けられた粘着層で表示パネルの前面に剥離可能に貼り付けられており、且つ当該粘着層は、それが所定のガラス板との間の粘着界面に直径50μmのガラスビーズを挟んだ状態で貼り付けられたとき、前記ガラスビーズの周囲にできる空隙と当該ガラスビーズの直径との比が2.0以下となる異物被覆性を有する透明な粘着性柔軟樹脂からなる
    ことを特徴とする表示パネルモジュール。
  9. 前記表示パネルがプラズマディスプレイパネルであり、
    前記粘着層が200μm以上の均一な厚みをもち、
    前記粘着層と前記プラズマディスプレイパネルの前面との間の剥離強度よりも、前記粘着層と前記機能シートとの間の剥離強度が大きい
    請求項8に記載の表示パネルモジュール。
  10. 前記表示パネルがプラズマディスプレイパネルであり、
    前記機能シートが、ベースフィルム上に電磁波遮蔽用の金属メッシュを形成したEMIシールドフィルムと、別のベースフィルム上に光学フィルタ層を形成した光学フィルムとをEMIシールドフィルムを下側にして積層した多層フィルムからなり、
    前記粘着層がEMIシールドフィルムの金属メッシュ形成面と反対側のベースフィルム面に設けられている
    請求項8に記載の表示パネルモジュール。
  11. 前記EMIシールドフィルムはプラズマディスプレイパネルの前面基板と同等またはそれより小さい大きさをもち、その下面は周辺部を除いて前記粘着層によってプラズマディスプレイパネルの前面基板に剥離可能に貼り付けられ、さらにその上面には下面周辺の非粘着部よりも広い周辺部を残して光学フィルタが積層されてなる
    請求項10に記載の表示パネルモジュール。
  12. 請求項6または請求項10に記載の表示パネルモジュールが筐体の中に装着され、
    前記機能シートのEMIシールドフィルムと筐体とが導電接続されている
    ことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  13. 前記表示パネルの背面に前記駆動回路基板を実装した後、前記機能シートの貼り付けに先立って前記表示パネルの表示機能テストを実行し、その後に前記機能シートの貼り付けを常温の大気環境中で行う
    ことを特徴とする請求項6ないし請求項11のいずれかに記載の表示パネルモジュールの製造方法。
  14. 前記機能シートの貼り付けを700hPaよりも低い減圧環境下で行う
    請求項13に記載の表示パネルモジュールの製造方法。
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