JP2006202965A - 気化装置とその気化構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、従来の気化装置では対応できなかった問題点、すなわちキャリアガスを極力小流量にするか、或いはキャリアガス・フリーを達成でき、しかも様々な供給量に1台で対応することが出来る新規な気化装置を提供するにある。

【解決手段】 液体原料供給部(1A)から供給された液体原料(L)を加熱して気化させる気化装置(A)の気化部(1B)の気化構造であって、
気化部(1B)内に気化ブロック(2)が収納され、前記気化ブロック(2)との間に間隙(d)が設けられている気化室(3)が形成されており、
気化室(3)の内周面或いは気化ブロック(2)の外周面の少なくともいずれか一方に、気化室に入り込んだ液体原料の流下用の螺旋溝(4)が形成されていることを特徴とする。

【選択図】 図1

Description

本発明は半導体製造プロセスにおいて使用される液体原料を気体に変換する気化装置であって、キャリアガスをまったく用いないか、或いは極く少量を流す方式の気化装置に関する。
近年、シリコン集積回路素子はその微細化と高集積化の度合いを一段と進めているが、これに合わせて成膜技術も一段と進化している。最近では半導体薄膜の作製プロセスにおいて、TEOSを始めとする液体原料が多用されるようになっているが、それには液体原料を所定量正確に気化させる必要があり、この要求に合わせて現在まで多くの液体原料気化供給システムが商品化されている。しかしながら、これまでの液体原料気化供給システムでは、いずれも液体原料を気化させる際に、多量のキャリアガスを使用している。キャリアガスを使用する理由は、液体原料の気化を容易にすることと、気化装置から例えばCVD装置のような成膜装置へ気化ガスを迅速に搬送することができるようにするためである。このようなものとして、特開2001‐11634[特許文献]に示すような本発明者らによる気化装置がある。
しかしながら、最近では更なる半導体薄膜の膜特性の向上のためキャリアガスの使用を排除したいとする傾向、並びに、成膜装置の反応室の圧力を低下させたいという要求が強く、そのためには液体原料の気化ガスを搬送するキャリアガスを極力小流量にするか、或いはキャリアガスをゼロ、つまり、キャリアガス・フリーとすることが強く望まれている。また、その供給量もプロセスによって千差万別であり、対応が非常に困難であった。
特開2001‐11634
本発明の課題は、従来の気化装置では対応できなかった問題点、すなわちキャリアガスを極力小流量にするか、或いはキャリアガス・フリーを達成でき新規な気化装置を提供するにある。
「請求項1」は本発明の気化装置(A)の気化構造に関し「液体原料供給部(1A)から供給された液体原料(L)を加熱して気化させる気化装置(A)の気化部(1B)の気化構造であって、
気化部(1B)内に気化ブロック(2)が収納され、前記気化ブロック(2)との間に間隙(d)が設けられている気化室(3)が形成されており、
気化室(3)の内周面或いは気化ブロック(2)の外周面の少なくともいずれか一方に、気化室に入り込んだ液体原料の流下用の螺旋溝(4)が形成されている」ことを特徴とする。
「請求項2」は本発明の気化装置(A)の基本形に関し「液体原料(L)を気化部(1B)に供給する液体原料供給部(1A)と、供給された液体原料(L)を加熱して気化させる気化部(1B)と構成された気化装置(A)であって、
気化部(1B)内に気化ブロック(2)が収納され、前記気化ブロック(2)との間に間隙(d)が設けられている気化室(3)が形成されており、
気化室(3)の内周面或いは気化ブロック(2)の外周面の少なくともいずれか一方に、気化室(3)に入り込んだ液体原料の流下用の螺旋溝(4)が形成されている」ことを特徴とする。
「請求項3」は請求項2に記載の気化装置(A)の変形例で「液体原料供給部(1A)には液体原料供給部(1A)内に残留する液体原料(L)を気化部(1B)に押し出すためのパージ部(1C)が設けられている」ことを特徴とする。
気化室(3)内に流入した液体原料(L)は螺旋溝(4)を流下している間に加熱されて次第に蒸発し、原料ガス(G)となって気化部(1B)から成膜装置に供給される。液体原料(L)の流入量が多い場合には、螺旋溝(4)の下端近傍まで流入し、流入量が少ない場合には螺旋溝(4)の入り口付近まで流入した処で蒸発を完了する。即ち、液体原料(L)の流入量に拘らず、その全量をガス化させることができる。ガス化の熱は気化ブロック(2)や気化室(1B)の外周面を構成する気化部本体(1)から供給されるもので、間隙(d)内に流入した液体原料(L)は気化ブロック(2)や気化部本体(1)から供給されてキャリアガス(K)なし或いは極く僅かなキャリアガス(K)の供給で液体原料(L)の蒸発が完了する。原料ガス(G)の大半又は全体が液体原料(L)のガスである。なお、パージ部(1C)を設けることにより、図示しない液体原料質量流量計から供給された液体原料(L)の全量を気化(1B)に供給することができる。
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。図1は本発明に係る気化装置(A)の第1実施例の全体断面図で、大別して液体原料供給部(1A)と気化部(1B)及び両者を連結する液体原料供給導管(9)とで構成され、気化部(1B)の上に図示しない断熱部材を介して液体原料供給部(1A)が載置されている。本発明の変形例としてパージ部(1C)や少量のキャリアガス(K)を供給するキャリアガス供給部(図示せず)を付加したものがあるが、ここではこれらが付属していない基本形のものについて説明し、その後これら変形例について説明する。
前記液体原料供給部(1A)は開閉バルブ用駆動素子を収納した開閉バルブ(12)、液体原料流量制御バルブ用駆動素子(13)を収納した液体原料流量制御バルブ(11)及び流量制御弁室(15)を有するバルブ部(14)とで構成され、開閉バルブ用駆動素子を内蔵する開閉バルブ(12)は液体原料流量制御バルブ用駆動素子(13)を内蔵する液体原料流量制御バルブ(11)に直列接続され、液体原料流量制御バルブ(11)の弁体(16)を開閉制御するようになっている。この開閉バルブ(12)に内蔵された開閉バルブ用駆動素子は、空圧駆動(勿論、ソレノイドやモータを利用した電気式でも可)で、その頂部に駆動ガス供給ノズル(12a)が突設されている。
前記液体原料流量制御バルブ(11)は液体原料マスフローメータ(図示せず)から送られてきた液体原料(L)を所定の流量で気化部(1B)に供給するものであり、バルブ室(14)に設けられた液体原料供給出口(10)の開度を制御する。そして前記バルブ(1B)に設けられ、バルブ室(14)に連通する液体原料供給通孔(20)の入口は前記液体原料マスフローメータに接続されており、所定質量流量の液体原料(L)の供給を受ける。バルブ室(14)の液体原料供給出口(21)と気化部(1B)の液体原料流入孔(7)とは液体原料供給導管(9)で接続され、前記液体原料(L)はここを通って気化部(1B)に供給される。
気化部本体(1)は、本実施例では天井部(b1)、円筒状の本体部(b2)及び底部(b3)とで構成されており、本体部(b2)にヒータ(H1)と温度センサ(S1)とが埋設されており、前記円筒状の本体部(b2)に形成された円筒状空間(この部分を円筒状空洞部(31)とする。)を囲むようになっている。気化部本体(1)の内部には天井部(b1)の下面に円錐状に凹設された天井面(30)と、円筒状の本体部(b2)に形成された円筒状空洞部(31)とで構成された空洞(これを気化室(3)とする。)が形成されており、この気化室(3)の内面形状に合わせて形成された気化ブロック(2)が気化室(3)内に収納されている。
即ち、気化ブロック(2)の形状は、図からわかるように、その上部が円錐状となって円錐状上端部(40)を構成し、更にこの円錐状上端部(40)から下の部分が前記円筒状空洞部(31)に合わせて円柱状に形成されており(この部分をブロック本体(41)とする。)、前記円錐状上端部(40)とブロック本体(41)とで気化ブロック(2)が形成されている。そして、ブロック本体(41)のセンタにヒータ(H2)が埋設され、外周面近傍に温度センサ(S2)が埋設されている。ブロック本体(41)の外周面には1乃至複数条の螺旋溝(4)が刻設されており、その螺旋溝(4)の上端は円錐状上端部(40)とブロック本体(41)との境目にて、円錐状上端部(40)側に開口している。
そして、気化部(1B)の内部に於いて、前記円錐状天井面(30)と円錐状上端部(40)との間に傘状の液体原料(L)の通流空間(V)が形成される。通流空間(V)の形状は、本実施例では傘状であるが、液体原料(L)が円滑に流下するものであれば角錐或いは紡錘形、半球状であってもよい。
一方、円筒状空洞部(31)の内周面とブロック本体(41)の外周(換言すれば、螺旋溝(4)を構成する螺旋条(5)の外周面)との間にはごく狭い間隙(d)が形成されている。この間隙(d)は液体原料(L)のガス(これを原料ガス(G)とする。)が通流可能であるが、液体原料(L)その物は通過出来ない幅、例えば、10μm〜0.5mmが選択される。また、螺旋条(5)の高さ(h)(換言すれば、螺旋溝(4)の深さ)は、0.5mm〜1.5mm、溝底の幅(l)は1mm〜3mm、螺旋条(5)の基部の幅(W)は0.5mm〜1.5mmである。これら数値は液体原料(L)の粘度に合わせて適宜設定される。
前記円筒状空洞部(31)の下端部分には原料ガス出口(18)が形成されており、前記原料ガス出口(18)が例えばCVD装置ような成膜装置の反応室に接続されている。前記原料ガス出口(18)は、円筒状空洞部(31)の下端部分に1箇所だけ設けていてもよいが、底部周面に均等に複数の原料ガス出口(18)を形成してもよい。
気化部本体(1)の天井部(b1)に穿設されている液体原料流入孔(7)は通流空間(V)の頂点に繋がっており、液体原料供給導管(9)内を通ってきた前記液体原料(L)はここから通流空間(V)内に導入される。そして、通流空間(V)内に導入された液体原料(L)は、円錐状天井面(30)または円錐状上端部(40)を伝って流下し、ブロック本体(41)の外周面に刻設された螺旋溝(4)内に流れ込み、螺旋溝(4)に沿って流下するようになっている。
螺旋溝(4)と円筒状空洞部(31)との関係は、図5に示す通り、両者の間隙(d)は、ごく狭いもので、この間隙(d)に流れ込んだ液体原料(L)がその表面張力により、両者間に付着・保持されて流下して行かないような隙間が選ばれる。
螺旋溝(4)を形成する螺旋条(5)は1本でもよいし複数本(多条)としてもよく、やはりこの場合も液体原料(L)の性質により最適のものが選択される。螺旋条(5)の形状は特段限定されるものではないが、例えば、断面が矩形状のもの(図7)、低い台形(図8)、三角形に近い台形(図9)或いは半円形(図10)など様々なものが考えられる。ただ、断面が矩形状のものに比べて、低い台形、三角形に近い台形或いは半円形のものは螺旋溝(4)に流入した液体原料(L)が間隙(d)に流れ込みやすく、後述するように蒸発速度が加速される。
次に、本発明の作用について説明する。液体原料(L)を成膜装置の反応室へ供給する場合、開閉バルブ(12)は開状態に保持され、液体原料(L)は液体原料流量制御バルブ(11)に供給されるようになっている。液体原料(L)は液体用マスフローメータ(図示せず)に送られ、設定された質量流量の液体原料(L)を流量制御バルブ(11)に接続された流量制御弁室(15)に送り出す。開閉バルブ(12)は前述のように開状態であるから、液体原料(L)は流量制御弁室(15)の液体原料供給出口(10)が形成されている弁座(8)に至る。液体原料流量制御バルブ(11)には液体用マスフローメータから質量流量制御信号が送られてきており、前記制御信号に合わせて弁開度が調節され、液体原料流量制御バルブ(11)を所定の質量流量だけの液体原料(L)が気化部(1B)に供給される。
液体原料流量制御バルブ(11)の流量制御弁室(15)に開口した液体原料供給出口(10)から流出した液体原料(L)は液体原料供給導管(9)を通って気化部(1B)に送られ、通流空間(V)の頂部に開口している液体原料流入孔(7)から通流空間(V)内に滴下する。通流空間(V)内に流入した液体原料(L)はそのまま円錐状天井面(30)、或いは円錐状上端部(40)を伝って流下し、最終的にブロック本体(41)の外周に形成された螺旋溝(4)内に流入していく。
前記ブロック本体(41)及び気化部本体(1)は加熱ヒータ(H1)(H2)にて加熱されているので、それぞれの外・内面に付着した液膜は直ちに昇温し、液体原料(L)の一部は気化する。液体原料(L)の流入量が少ない場合には、螺旋溝(4)の入口から少し入った近傍部分ですべての液体原料(L)が加熱されて蒸発する。逆に、液体原料(L)の流入量が多い場合には、螺旋溝(4)の終端近くまで入り込み、その間ですべての液体原料(L)が加熱されて蒸発する。また、螺旋溝(4)に流入した液体原料(L)は図4に示すように、螺旋溝(4)に沿って流下するものと、螺旋条(5)の外周面と気化室(3)の内周面との僅かな間隙(d)に入り込むものがあるが、前者は液面から蒸発しながら下方へ流下にするのに対して後者の間隙(d)に入った液体原料(L)は、図6に示すように螺旋条(5)と気化部本体(1)からの熱を受けて迅速に蒸発する。これにより、キャリアガス(K)を用いることなく(或いは、後述するようにごく僅かのキャリアガの供給だけで)、液体原料(L)を迅速に気化することができる。
従って、螺旋溝(4)の断面形状は液体原料(L)が間隙(d)に流れ込みやすくなるように、台形、半円形或いは三角形のほうが好ましい。また、螺旋溝(4)の幅(l)や深さ(h)は小さいほど液体原料(L)の熱の伝達が効率的となるが、過少になると螺旋溝(4)の液体原料(L)の流入量が減少して却って気化率が悪くなるし、蒸発した原料ガス(G)の排出も悪くなる。
このようにして蒸発した原料ガス(G)は螺旋溝(4)に沿って流れ、気化部(1B)の原料ガス出口(18)に向かって流れるほか、前記間隙(d)内に液体原料(L)が流れ込んでいない場合には、この間隙(d)を通って原料ガス出口(6)に向かって流れる。液体原料(L)の供給が完了すると、開閉バルブ(12)が作動して流量制御弁室(15)の液体原料供給出口(10)を閉じ、気化部(1B)への液体原料(L)の供給が停止される。
次に第2実施例について説明する。基本形である第1実施例と異なる部分を重点的に説明し、一致する部分については第1実施例の説明を援用する。第2実施例は図2に示すようにパージ部(1C)が液体原料供給部(1A)に含まれている場合である。パージ部(1C)は2方向開閉弁で構成されており、液体原料流量制御バルブ(11)に併設されていて、そのパージガス出口(50)が液体原料供給導管(9)の根本、即ち流量制御弁室(15)の直下に接続されている。パージ部(1C)のパージガス入口(51)はパージ部ガス供給導管(52)に接続されている。そして、液体原料(L)の供給が終了し、開閉バルブ(12)が作動して液体原料供給導管(9)の液体原料供給出口(10)を閉じるとパージ部(1C)が作動して開となり、パージガス(P)を液体原料供給導管(9)に送り込み、液体原料供給導管(9)内に残留している液体原料(L)を気化部(1B)に押し込む。これにより液体質量流量計により正確に計測されて供給された液体原料(L)はすべて気化器(1B)に送り込まれ、ここで気化されて次の成膜装置に供給されることになる。
前述の第1、2実施例はキャリアガス(K)を供給せず、液体原料(L)が気化した原料ガス(G)のみを供給する場合を説明したが、以下に述べる第3実施例は、ごく少量のキャリアガス(K)を供給する場合である。この場合は図3の破線で示すように気化部本体(1)の円錐状天井面(30)にキャリアガス供給用通孔(60)を形成し、このキャリアガス供給用通孔(60)にキャリアガス(K)の質量流量を制御する質量流量計を介してごく少量の所定量のキャリアガス(K)を通流空間(V)に供給する。このキャリアガス(K)は気化部(1B)内で気化した原料ガス(G)と共に次の成膜装置に供給される。供給されるキャリアガス(K)はごく僅かであるから、成膜装置内の内圧を大きく高めることがない。
本発明は成膜装置の反応室の圧力低下という要求にこたえることができるもので、更なる半導体薄膜の膜特性の向上に大いに貢献することができるものである。
本発明の第1実施例の概略断面図 本発明の第2実施例の概略断面図 本発明の気化部の部分拡大断面図 本発明の気化室を流れる液体原料の流下状態を示す部分拡大断面図 液体原料と螺旋溝との関係を示す部分拡大図 液体原料と螺旋溝との関係を示す他の部分拡大図 螺旋溝の第1実施例の断面図 螺旋溝の第2実施例の断面図 螺旋溝の第3実施例の断面図 螺旋溝の第4実施例の断面図
符号の説明
(A)…気化装置
(L)…液体原料
(1A)…液体原料供給部
(1B)…気化部
(1C)…パージ部
(G)…原料ガス
(d)…間隙
(1)…気化部本体
(2)…気化ブロック
(3)…気化室
(4)…螺旋溝
(5)…螺旋条

Claims (3)

  1. 液体原料供給部から供給された液体原料を加熱して気化させる気化装置の気化部において、
    気化部内に気化ブロックが収納され、前記気化ブロックとの間に間隙が設けられている気化室が形成されており、
    気化室の内周面或いは気化ブロックの外周面の少なくともいずれか一方に、気化室に入り込んだ液体原料の流下用の螺旋溝が形成されていることを特徴とする気化装置の気化構造。
  2. 液体原料を気化部に供給する液体原料供給部と、供給された液体原料を加熱して気化させる気化部と構成された気化装置において、
    気化部内に気化ブロックが収納され、前記気化ブロックとの間に間隙が設けられている気化室が形成されており、
    気化室の内周面或いは気化ブロックの外周面の少なくともいずれか一方に、気化室に入り込んだ液体原料の流下用の螺旋溝が形成されていることを特徴とする気化装置。
  3. 液体原料供給部には液体原料供給部内に残留する液体原料を気化部に押し出すためのパージ部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の気化装置。

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