JP2006265255A - ヒト免疫抑制ウイルス(hiv)感染の予防および治療を目的としたrevおよびtat特異性細胞毒性t−細胞の誘導 - Google Patents

ヒト免疫抑制ウイルス(hiv)感染の予防および治療を目的としたrevおよびtat特異性細胞毒性t−細胞の誘導 Download PDF

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Abstract

【課題】AIDSの予防および治療を目的とした方法および組成物(ワクチン等の免疫学的組成物を含む)を提供すること。
【解決手段】免疫不全ウイルス、特にヒトHIV感染患者から採取した試料中のRevおよび/またはTat蛋白に対する細胞毒性T−細胞の存在は、安定な疾病状態およびそれ以上の疾病の進行がないことを示す良好な予後の指標である。免疫不全ウイルス、特にHIVのRevおよび/またはTat蛋白またはT−細胞エピトープをコードしたベクターの少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープを含む免疫原性組成物は、対応するRevおよび/またはTat蛋白に対する特異的細胞毒性T−細胞反応を宿主に誘導することから、免疫不全ウイルスによって起こる疾病感染の防止に利用することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は免疫の分野に関し、特にヒト免疫抑制ウイルス(HIV)の感染およびAIDSの予防および治療を目的とした細胞毒性T−細胞の誘導法および組成物に関する。
(関連特許)
本願は、米国特許出願第08/733,789号、1996年10月18日出願の一部継続出願である。
(発明の背景)
HIVに感染すると、ほとんどの患者が最終的にAIDSを発症すると信じられている。さらに、臨床的にAIDSと診断されると、しばしば数カ月または数年以内にAIDSの合併症により死亡する。ほとんどのHIV感染患者は、感染にもかかわらず長年にわたって健康を保つ。同様に、臨床的にAIDSと診断された患者の一部はAIDSと診断されたときから長年にわたって生産的な生活を送ることができる。
血清転換後の無症徴期間は、HIV−1感染患者によって著しく異なる(参考文献1〜3−本明細書では、本発明に関連する従来の技術をできるだけ詳細に記載するため、参考文献を括弧内に示す。参考文献の一覧は後述する。これらの参考文献に開示されている技術は、本発明の参考例として記載する)。長期間生存の機構は、ウイルスの特性ならびに宿主の遺伝的および免疫的要因であると考えられている。しかし、AIDSを有さない場合の生存率の免疫学的関連は、明らかにされていない(参考文献1および3)。
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)およびそれに関連したレンチウイルスは、典型的なレトロウイルスに比較して複雑なゲノムを有する。レトロウイルスに共通なgag、polおよびenv遺伝子の他に、HIV−1はtat、rev、nef、vif、vpuおよびvpr遺伝子もコードしている。HIV−1蛋白Rev(ウイルス粒子の表現のレギュレータ)は、複製サイクル中にウイルス遺伝子の表現を一時的に制御する上で重要な役割を果たす。HIV−1により表現される遺伝子は、その表現がRevに依存するか否かによって2群に分けられる。Rev−非依存性または初期の遺伝子は、Tat、RevおよびNefをコードしている。Rev−依存性または後期の遺伝子はウイルス粒子の形成に重要な働きをし、構造蛋白Gag、PolおよびEnvならびに付属産物Vif、VpuおよびVprをコードしている。Revは、HIV−1の複写に絶対的に必要である。Rev機能を欠くプロウイルスは転写的には活性であるが、新しいウイルス粒子を生成することはできない。Rev蛋白の生物学は、参考文献30に要約されている。
HIV遺伝子の表現を制御するシス-およびトランス-作用性要素が同定されている。HIV−1遺伝子の表現およびその後のウイルス複写には、86アミノ酸ウイルス蛋白Tatを要求する。Tatは、ウイルスのトランスアクチベーターのうちでも特異的である。多くのウイルスおよび細胞遺伝子を活性化するElAおよびTaxとは異なって、Tatによる活性化は比較的HIV−1に特異的である。RNA開始部位の下流に位置するHIV−1 LTRにおけるシス-作用性要素は、高度な遺伝子表現に重要である。HIV−1 LTRの+1から+60まで広がるこの要素は、トランス-作用性反応要素またはTARと表示されている。TARは、Tatに反応して高度の遺伝子表現を行うに必要な二重鎖RNA構造を形成する。Tatの機能は、参考文献31に記載されている。
本発明は、HIV−1感染患者のAIDSフリー長期間生存におけるHIV−1特異性細胞毒性Tリンパ球(CTL)の役割に関するものである。さきに行われた試験で、血清陽性患者の少なくとも80%で構造蛋白GagおよびRTに特異的なCTLが検出され(参考文献4〜9)、一方血清陽性患者の約50%からはNefおよびVif拮抗CTLが報告されている(参考文献10〜12)。また、これらの試験で、制御蛋白RevおよびTatの検出頻度は低いと報告されている(参考文献10〜12)。クロスセクション試験で、HIV−1特異性CTLプレカーサー(CTLp)は一般に無症徴段階で存在するが、その頻度は病気の進行につれて低下する傾向が認められている(参考文献13、14)。縦断的分析で、HIV−1特異性CTL反応はウイルス血症の初期防除と関連があり(参考文献15)、Gag特異性CTLpは病気の進行にともない、多分HIV−1誘導CD4*細胞の減少(参考文献16、17)およびサイトカイン機能障害(参考文献17)の結果として減少する。ウイルス負荷量は病気の進行を反映することが知られており、測定法が実用化されている(参考文献18、19)。
さらに、HIV感染患者の予後を測定するための免疫学的試験法は実用化されていない。
予後が順調で、病気の伸展が遅く、病気が安定している患者と予後が順調でなく、病気が急速に伸展している患者と識別できる試験法が要望されている。
HIVに感染すると、重度な免疫不全症、AIDSに至る。AIDSの治療法はなく、感染および疾病に対するワクチンもない。AIDSの予防および治療を目的とした方法および組成物(ワクチン等の免疫学的組成物を含む)が望まれている。また、予後が順調な患者および病気の伸展が遅い患者を識別できる試験法および材料も望まれている。
本発明には以下の各態様が含まれる。
1.免疫不全ウイルスRevおよびTat蛋白から選んだ少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープ、または少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピープをコードしたベクターを含み、免疫不全ウイルスの感染により起こる疾病の予防に有効な免疫原組成物。
2.前記免疫不全ウイルスがヒト免疫不全ウイルスである上記項目1に記載の免疫原組成物。
3.細胞毒性T−細胞エピトープがRev蛋白から得られたものである上記項目2に記載の免疫原組成物。
4.細胞毒性T−細胞エピトープがTat蛋白から得られたものである上記項目2に記載の免疫原組成物。
5.少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープがRevおよびTat蛋白から得られたものである上記項目2に記載の免疫原組成物。
6.前記細胞毒性T−細胞エピトープがHIVのRevおよび/またはTat蛋白、または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体であって、薬理学的に許容される担体と混合して提供される上記項目2に記載の免疫原組成物。
7.前記細胞毒性T−細胞エピトープが、HIVのRevおよび/またはTat蛋白をコードした遺伝子組換えベクターまたは核酸分子、あるいは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体として供給されたものである上記項目2に記載の免疫原組成物。
8.前記細胞毒性T−細胞エピトープが、T−細胞エピトープに対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチドまたは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体として、薬理学的に許容される担体と混合して提供される上記項目2に記載の免疫原組成物。
9.免疫不全ウイルスの感染により起こる疾病に対する免疫を宿主に誘導する方法であって、免疫不全ウイルスのRevおよび/またはTat蛋白に特異的な細胞毒性T−細胞反応を宿主に誘導することを特徴とする方法。
10.宿主がヒトであり、前記免疫不全ウイルスがヒト免疫不全ウイルスであることを特徴とする上記項目9に記載の方法。
11.前記細胞毒性T−細胞反応がHIVのRevおよびTat蛋白または少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープを宿主に投与することによって誘導することを特徴とする上記項目10に記載の方法。
12.免疫不全ウイルスの感染により起こる疾病に対する免疫を宿主に誘導する方法であって、前記宿主に予防的Revおよび/またはTat蛋白特異性細胞毒性T−細胞反応を選択的に誘導することを特徴とする方法。
13.前記免疫不全ウイルスがヒト免疫不全ウイルスであり、前記宿主がヒトであることを特徴とする上記項目12に記載の方法。
14.前記選択的誘導がHIVのRevおよびTat蛋白から選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープを宿主に投与することによって行われることを特徴とする上記項目13に記載の方法。
15.前記の少なくとも1種類のT−細胞エピトープがHIVのRevおよび/またはTat蛋白または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体であって、薬理学的に許容される担体と混合して投与されることを特徴とする上記項目14に記載の方法。
16.前記の少なくとも1種類のT−細胞エピトープがT−細胞エピトープに対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチドまたは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体であって、薬理学的に許容される担体と混合して投与されることを特徴とする上記項目14に記載の方法。
17.前記選択的誘導がHIVのRevおよびTat蛋白から選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープをコードしたベクターを宿主に投与することによって行われることを特徴とする上記項目13に記載の方法。
18.前記ベクターがHIVのRevおよびTat蛋白またはその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体を表現する遺伝子組換えベクターであることを特徴とする上記項目17に記載の方法。
19.医薬品として使用されるHIVのRevおよびTat蛋白または少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープ。
20.HIVのRevおよび/またはTat蛋白または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体を薬理学的に許容される担体と混合して提供されることを特徴とする上記項目19に記載のT−細胞エピトープ。
21.遺伝子組換えベクター、またはHIVのRevおよび/またはTat蛋白を表現する核酸分子または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体として提供されることを特徴とする上記項目19に記載のT−細胞エピトープ。
22.T−細胞エピトープに対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチドまたは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体を薬理学的に許容される担体と混合して提供されることを特徴とする上記項目19に記載のT−細胞エピトープ。
23.HIVにより起こる疾病に対する免疫を宿主に与えるための医薬品の製造に用いるHIVのRevおよび/またはTat蛋白または少なくとも1種類のT−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープ。
24.HIVのRevおよび/またはTat蛋白に特異的な細胞毒性T−細胞反応を誘導するために宿主に投与する医薬品の製造に用いるHIVのRevおよび/またはTat蛋白または少なくとも1種類のT−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープ。
25.予防的Revおよび/またはTat蛋白特異性細胞毒性T−細胞反応を選択的に宿主に誘導するための医薬品の製造に用いるHIVのRevおよび/またはTat蛋白または少なくとも1種類のT−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープ
26.前記細胞毒性T−細胞エピトープがHIVのRevおよび/またはTat蛋白または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体を薬理学的に許容される担体と混合して提供されることを特徴とする上記項目23から25に記載の利用。
27.前記細胞毒性T−細胞エピトープが遺伝子組換えベクターまたはHIVのRevおよび/またはTat蛋白を表現する核酸分子または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体として提供されることを特徴とする上記項目23から25に記載の利用。
28.前記細胞毒性T−細胞エピトープがT−細胞エピトープに対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチドまたは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体であって、薬理学的に許容される担体と混合して提供されることを特徴とする上記項目23から25に記載の利用。
29.HIV陽性被験者における良好な予後を判定する方法であって、前記良好な予後の指標として被験者におけるHIVのRevおよび/またはTat蛋白に対する細胞毒性T−細胞反応の有無を検出する方法。
30.ヒトにおけるHIVに関連した疾病の安定状態を診断する方法であって、ヒトから末梢血単核細胞を採取し、前記安定な疾病状態の指標として試料中のHIVのRevおよび/またはTat蛋白特異性細胞毒性T−細胞反応の有無を試験する方法。
(発明の要約)
本発明は、免疫不全ウイルスに感染した宿主、特にヒト免疫不全ウイルスに感染したヒト、特にHIV感染後のAIDSフリー生存率の免疫学的関連を知るための疾病状態の診断に関する。このような関連を明らかにすることは、血清学的にHIV陽性患者におけるAIDSへの伸展を防止できる免疫組成物および免疫賦与手順の提供につながる。
本発明者らは、感染の無症徴段階でRevおよびTat特異性CTLプレカーサーが存在することはAIDSフリー生存率と関連があり、一方Gag、RTおよびNef等その他のHIV蛋白のCTLプレカーサーにはそのような関連がなく、Revおよび/またはTatに対するCTL反応は疾病の進行を防止する上で重要であることを発見した。
本発明は、免疫不全ウイルスのRevおよびTat蛋白から選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープまたは少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープをコードしたベクターからなり、免疫不全ウイルス、特にヒト免疫不全ウイルスの感染により起こる疾病の予防に有効な免疫組成物を提供するものである。
少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープはRev蛋白、Tat蛋白またはRevおよびTat蛋白の両方から得られる。細胞毒性T−細胞エピトープは、Revおよび/またはTat蛋白または基本的に免疫学的性質を損なうことなく、アミノ酸を欠失、挿入または置換したその類縁物質と一般に薬理学的に許容される担体を混合して提供される。
また、少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープは、HIVまたはその他の免疫不全ウイルスのRevおよび/またはTat蛋白をコードした遺伝子組換えウイルスベクター、遺伝子組換えワクシニアまたはセムリキウイルスまたは少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープをコードした非複写ベクター等の遺伝子組換えベクターまたは基本的に免疫学的性質を損なうことなく、アミノ酸を欠失、挿入または置換したその類縁物質として提供される。
さらに、少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープは、T−細胞エピトープまたは基本的に免疫学的性質を損なうことなく、アミノ酸を欠失、挿入または置換したその類縁物質に対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチドと一般に薬理学的に許容される担体を混合して提供される。
さらに、本発明は免疫不全ウイルス、特にHIV感染により起こる疾病に対する免疫を宿主に与える方法であって、宿主において免疫不全ウイルスのRevおよび/またはTat蛋白に特異的な細胞毒性T−細胞反応を刺激する方法を提供する。細胞毒性T−細胞反応の刺激は、HIVまたはその他の免疫不全ウイルスまたは少なくとも1種類のT−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープを宿主に投与することによって行う。そのようなT−細胞エピトープまたはそれをコードしたベクターは、上記のいずれかの方法で提供される。
さらに、本発明は免疫不全ウイルス、特にヒト免疫不全ウイルスの感染により起こる疾病に対する免疫を宿主に与える方法であって、宿主において予防的Revおよび/またはTat蛋白特異性細胞毒性T−細胞反応を選択的に刺激する方法を提供する。予防的細胞毒性T−細胞反応の選択的刺激は、HIVのRevまたはTat蛋白から選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープを宿主に投与することによって行う。T−細胞エピトープの投与は、上記の手順によって行う。
また、本発明によれば、本発明者らによって行われた発見によって、良好な予後の指標として被験者におけるHIVのRevおよび/またはTat蛋白に対する細胞毒性T−細胞反応の存在を検出することからなるHIV陽性被験者の良好な予後の測定方法が得られる。
さらに、本発明は、ヒトから末梢血単核細胞を採取し、
安定な疾病状態の指標として、Revおよび/またはTat蛋白に特異的な細胞毒性T−細胞反応の存在を試験することからなるヒトにおけるHIVに関連した安定な疾病状態を診断する方法を提供する。
本発明は、医薬品として使用したとき、HIVのRevおよびTat蛋白または少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープを包含する。さらに、本発明は医薬品、特にHIVのRevおよび/またはTat蛋白に特異的な細胞毒性T−細胞反応を刺激することによって、または宿主における予防的Revおよび/またはTat蛋白特異性細胞毒性T−細胞反応を選択的に刺激することによって、HIVによって起こる疾病に対する免疫を宿主に与えるための医薬品の製造においてHIVのRevおよびTat蛋白または少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープを利用することを含む。細胞毒性T−細胞エピトープは、上記のいずれの方法で提供されてもよい。
上記の開示は本発明の一般的な記載であるが、以下の図面を参照してさらに詳細に説明する。
図1は5枚のパネルからなり、7人の長期無症徴患者(LTA)および5人の進行患者における無症徴段階のHIV−1蛋白Gag、RT、Nef、RevおよびTatに特異的なCTLプレカーサーの頻度を示す。
図2は、Rev/Tat遺伝子組換えウイルスを免疫投与したカニクイザルにおけるウイルス負荷の分離を示す図であり、サルにおける類人猿免疫不全ウイルス(SIV)防御を示す。
(発明の一般的説明)
本発明は、免疫不全ウイルスのRevおよびTat蛋白に特異的な細胞毒性T−細胞を宿主に誘導することにより宿主における免疫不全ウイルスによる免疫不全疾病を防御する方法を提供するものである。
このようなRev−およびTat−特異性細胞毒性T−細胞誘導が望ましいことは、HIV−感染患者の免疫状態を分析することによって部分的に発見された。HIV−1血清陽性患者の特徴は、下表Iに示す。全ての進行患者および7人の長期無症徴患者(LTA)中4人は、エントリー時に血清が陰性であった。最後に血清が陰性であったときから最初に血清が陽性になるまでの期間(血清転換期間)は短く、これらの時期の中央値を算出することにより血清転換の時期を明瞭に推定することが可能であった。進行患者におけるAIDSを規定する症状は、カルポシ肉腫(P493)、カンジダアルビカンス 食道炎(P1215,P424,P039)およびニューモシスティスカリニ肺炎(P356)であった。全フォローアップ期間中3カ月ごとに定期的に測定したCD4細胞数から、CD4細胞の減少率(勾配)を算出した。L008およびP1215(表1参照)については、エントリー後それぞれ109および51カ月時にAZT治療を開始し、それぞれ126および69カ月時にDDC治療を開始した。その他の患者には、抗ウイルス治療を行わなかった。CTLプレカーサー(CTLp)頻度分析のためのPBMC試料採取時および対応するCD4カウントを表Iに示す。患者のHLA−Aおよび−B表現型は、血清学的に測定した。12人の血清陽性患者について、無症徴段階のHIV−1lai蛋白Gag、RT、Nef、RevおよびTatに対するCTLpの頻度を懐古的に測定した。アムステルダムAIDSコホート試験の被験者は、アムステルダム同性愛(ACH)男性コホートから疾病の進行速度およびHLAクラスI表現型に基づいて選抜した。これらの被験者のうち7人(LTA:L090,L658,L211,L709,L434,L008,L157)は、血清転換または試験にエントリーしたのち10年以上(中央値129カ月、範囲110〜140カ月)もAIDSフリーであった。残りの5人(P493,P1215,P356,P424,P039)は、血清転換後3〜6年以内(中央値47ヶ月)にAIDSに進行した。CTL測定結果に対するHLA−多形成性の影響を最小限にするため、HLAクラスI対立遺伝子が一致する被験者を選んだ。各LTA被験者は、L008およびL157を除き、少なくとも1人の進展者のHLA−Aまたは−B対立遺伝子の3つと同じ対立遺伝子を有していた(表1参照)。LTAのうちL090は軽度ではあるが1.1細胞/ml/月の増加が認められたことから、“真の非進展者”と考えた(参考文献1)。L658ではCD4細胞数が徐々に減少し(−1.3)、L211、L709およびL434では中等度の減少(それぞれ−3.1、−3.5および−3.7)が認められた。L008およびL157では、減少がさらに顕著であった(それぞれ−4.5および−5.6)。それぞれエントリー132および130カ月後のこれら被験者のCD4細胞数は200細胞/ml以下であり、試験終了時まで症状もなく減少が認められた。進展者のうちP493ではCD4細胞の減少が認められ(−3.1)、P1215およびP356ではさらに顕著であり(それぞれ−4.4および−7)、P424およびP039では急速であった(それぞれ−14および−19)。試験エントリー時に血清陰性であった4人のLTAのうち3人では、血清転換後1年以内に測定した平均HIV−1 RNA血清レベルが<1.0×103コピー/mlの範囲にあった(表1)。4人目のL658では、血清転換後34カ月以内にこれらのレベルが安定レベルの<1.0×103コピー/mlにまで低下した。この間、進展者における平均HIV−1 RNA血清レベルは1.9×104〜4.7×105コピー/mlの範囲にあった。
いずれの被験者もまだ無症徴で、CD4カウントが約400細胞/mlのときに凍結保存したPBMCを用い、懐古的CTLp頻度分析を行った(表1参照)。試験エントリー時にCD4カウントが400細胞/ml以下であったのは、P1215のみであった。すでに確立されている方法(参考文献17,20)にしたがって、CTLp頻度を測定した。LTAの試料1点以上と比較し、各進展者の試料を試験した。各群内の被験者によって、CTLpの頻度は著しく異なっていた(図1参照)。図1は、LTA7人および進展者5人について、無症徴段階で検出されたHIV−1のGag、RT、Nef、RevおよびTatに対するCTLpの頻度を示す。
LTAおよび進展者から各時点に採取し、凍結保存したPBMCを用い、従来の方法(参考文献16,17,20)に従って培養を行った結果を表Iに示す。簡単に述べると、各種濃度のPBMCをDr.M.P.Kieny(Transgene、Strasbourg,フランス)から提供を受けた遺伝子組換えワクシニアウイルス感染パラホルムアルデヒド固定自己由来Bリンパ芽培養細胞株VVTG1144(Gag)、VVTG4163(RT)、VVTG1147(Nef)、VVTG4113(Rev)およびVVTG3196(Tat)中in vitroで14〜20日間刺激した。従来の方法(参考文献17)を用い、CTLの検定およびプレカーサー頻度の計算を行った。進展者の試料を少なくとも3点一致HLA−Aおよび−B対立遺伝子を有するLTAの試料と平行して試験した。Mann−Whitney Wilcoxsonのランクテストを用い、LTAと進展者群のCTLp頻度の差を解析した。
LTAでは主としてRevおよびTat特異性CTLpが認められたが、Gag、RTまたはNef特異性CTLpは両群の被験者でほぼ同じ頻度で認められた。後者の所見から、進展者でRevおよびTat特異性CTLが検出されなかったことはin vivoにおける一般的なCTL誘導不能によるものではないと考えられる。
低頻度ではあるがRevおよびTat特異性CTLpが認められた進展者P493では、CD4+T細胞の減少が認められ(−31)、その減少率は中等度のCD4+T細胞の減少が認められたLTAの範囲内にあった。最初に入手したLATおよび進展者の試料で得られた結果(図1の破線)の統計学的解析で、事実RevおよびTat特異性CTLpの頻度のみに2群間で有意差が認められた(それぞれMann−Whitneyの検定でp<0.01およびp<0.05)。フォローアップ開始後24カ月以内に採取した最初の試料のみを比較した場合、すなわちL008およびL157を除いた場合、LTAでもRev特異性CTLpの有意な増加が認められた(Mann−Whitneyの検定でp<0.02)。この結果から、長期AIDSフリー生存率では感染後早い時期にRev特異性CTLpが存在しているものと予測される。Tat特異性CTLpについても同じことが予想されるが、初期のTat特異性CTLp測定値には限りがあったので、これを実証することはできなかった。予期せず全てのLTA患者でRevおよびTat特異性CTLが実証されたことは、別の研究者ら(参考文献10〜12)によって認められているように自発的無症徴血清陽性患者における検出率が30〜40%であったことと対称的である。
すでに報告されている所見(参考文献9、16)と同様に、両群のすべての患者でGag特異性CTLpが検出された。興味あることに、全ての患者からNef特異性CTLpも検出された(参考文献10)。後者の所見は、HLA−A1(67%)およびHLA−A2(83%)表現患者の過剰表現を反映しているものと思われる。これらの分子はNefエピトープを示すことが知られており(参考文献21,22)、アムステルダムの献血者のそれぞれ33%および51%で検出される。RTは11人中10人のCTLによって識別され、すでに報告されている割合と一致する(参考文献5,9)。
総括すると、これらヒトにおけるデータから、RevおよびTat特異性CTLは疾病の進展の防御に直接関与し、予防的CTL仲介免疫の誘導において主要な標的としてRevおよびTatの重要性を示している。したがって、無症徴段階で循環系およびリンパ節における感染細胞の割合が高くてもウイルスは生産されない(参考文献23,25)。しかし、多くの接合mRNAを表現し、それによりRevおよびTat蛋白が表現され(参考文献23〜25)、RevおよびTat特異性CTLにより感染休止細胞を除去することが可能である。ウイルス複写の初期にRevおよびTatが表現されると(参考文献25,26)、子孫ウイルスを放出する前に生産性を有する感染細胞を特異的CTLで殺すことができる(参考文献12,27,28)。
LTAと進展者の間におけるHLAクラスI表現型の一致の程度を考慮し、ウイルスの配列における差は機能的HLA−エピトープ複合体の形成に大きな影響を有する。この点に関し、Revに対するCTL反応には顕著な差があるが、試験したいずれのHLAクラスIおよびクラスIIの対立遺伝子には血清学的に差がないLTA L658と進展者P424から得たウイルスのRev配列に差が認められた(下表2)。L658ではウイルス配列に1個のHLA−A1ペプチド結合モチーブのアンカー残基が認められたが、P424では認められなかった。
これらはNef特異性CTLでも同じであると思われるが、それらが存在していてもAIDSフリー生存率とは関係がなく、本発明が容易に想像できないものであることを裏づけている。SIVmae感染カニクイサルを用いた試験でえられたデータから、カニクイサルでもRev特異性CTL反応は疾病の進展と逆の相関のあることが知られている。
(ワクチンの調製および使用)
本発明による免疫調製物は免疫反応、特にRevおよび/またはTat HIV蛋白に特異的な細胞毒性T−細胞反応を誘導することが明らかとなった。したがって、本発明が利用できる分野は、本発明に係わる免疫原性組成物からなるAIDSおよびAIDS関連状態を含む免疫不全疾病に対するワクチンの原料である。
ワクチンは注射剤、液剤または乳化液として調製することができる。免疫原を、相容性があり、薬理学的に許容される添加剤と混合する。添加剤は、水、食塩水、デキストロース、グリセロース、エタノールおよびこれらの混合物である。さらに、ワクチンは湿展剤または乳化剤、緩衝剤、またはワクチンの効果を増強するためのアジュバント等の補助剤を含む。ワクチンのアジュバント効果を発揮させるための方法としては、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウム(アルム)等を一般にリン酸緩衝生理食塩水に0.05〜0.1%添加する方法またはその他のアジュバント、例えばQS21、ISCOMs、Quil A、それらの誘導体または混合物、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、糖脂質誘導体、アミノ酸のオクタデシルエステル、ムラミルジペプチドポリホスファゼア、ISCOPRP、DC−chol、DDBA、およびリポ蛋白、Th1反応を誘導するその他のアジュバントならびにFreundの不完全アジュバント等の利用が考えられる。ワクチンは、非経口的、皮下注射または皮内注射により投与することができる。さもなくば、本発明にしたがって形成させた免疫原組成物を粘膜表面に免疫反応を起こさせるように製剤し、投与することもできる。すなわち、免疫原性組成物は、例えば鼻孔または経口的(消化管内)に粘膜表面に投与してもよい。さもなくば、その他の投与方法、例えば坐薬および経口製剤も望ましい。坐薬にはバインダーおよび担体、例えばポリアルカレングリコールまたはトリグリセライド等が含まれる。経口製剤は、薬理学的品質の糖類、セルロースおよび炭酸マグネシウム等の通常使用される添加剤を含む。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、除放製剤または粉剤であってもよく、細胞毒性T−細胞反応を誘導する物質を10〜95%含む。
ワクチンは、製剤の用法に応じて、治療的に有効で、予防的で、免疫原性を有する量を投与する。投与量は、例えば個人の免疫系の抗体合成能力、および細胞介在免疫反応誘導能力等処置する患者によって異なる。投与に必要な有効成分の正確な量は、医師の判断にまかせる。しかし、適切な用量範囲は当該分野の専門家であれば容易に決定することができ、免疫原として数マイクログラムの範囲にある。1回目の投与および追加投与の適切な用法も一定ではないが、1回目の投与についで数回の投与を行う。免疫投与の1例をあげると、本発明によれば必要量の免疫原で少なくとも1回の予備免疫を行ってRevおよび/またはTat特異性細胞毒性T−細胞反応を誘導させ、ついで本特許に比較例として含めたヨーロッパ特許公開公報第0 570 980号に記載されている合成ペプチドまたは米国特許第5,439,809号およびPCT公開公報WO 96/05292号およびWO 96/06177号に記載されている非感染性レトロウイルス様粒子で少なくとも1回2回目の免疫投与を行う。また、ワクチンの用量は投与経路によっても異なり、宿主の体重によっても異なる。
また、本発明に係わるRevおよび/またはTat蛋白の少なくと1種類の細胞毒性T−細胞エピトープをコードした核酸分子を直接免疫投与に用い、核酸分子を直接、例えば宿主に注射することにより投与してもよい。遺伝子免疫投与を目的としてDNAを被験者に直接注射する方法は、例えばUlmerら(参考文献30)によって記載されている。
さらに、本発明に係わる分子は、AIDSおよび関連状態の処置(予防的または治療的)にも使用することができる。
さらに、本発明は、本発明に係わる免疫原性組成物の有効量を投与することからなるAIDSまたは関連状態の予防または治療法を提供するものである。
(RevおよびTat特異的細胞毒性T細胞反応の誘導)
細胞毒性T細胞反応の誘導法は、当該分野の専門家にとっては公知の事実である。この方法は、Revおよび/またはTat蛋白の少なくとも1種類の細胞毒性T細胞エピトープをコードした核酸分子を含むワクシニア等のウイルスベクター例えばポックスベクターの構成および投与からなる。このようなベクターは、例えばMoss(参考文献32)、Baxby(参考文献33)、Gonczol(参考文献34)に記載されている。その他にも、アデノウイルス(参考文献35)およびセムリキウイルス(参考文献47)も利用することができる。さらに、細菌ベクター(参考文献36)およびマイコバクテリア(BCGを含む)(参考文献37)も利用することができる。また、核酸DNA免疫投与も利用することができる(参考文献38)。
さらに、細胞毒性T−細胞反応は、細胞毒性T−細胞エピトープを含む免疫原を投与することによっても誘導することができる。このような免疫原は蛋白、その免疫原性フラグメント、またはT−細胞エピトープに相当するアミノ酸配列を有するペプチド、またはその免疫学的性質を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換され(参考文献39)、脂質化された(参考文献40)当該蛋白またはペプチドの類縁体としての形態を有する。このようなペプチドは、単量体、多量体または2種類以上のペプチドの混合物であってもよい。さらに、このような蛋白、蛋白フラグメント、およびペプチドは、分子抱合体の形態で投与することもできる。さらに、非感染性免疫原性HIV−様粒子を利用することもできる(参考文献46)。
各種のアジュバント、例えばQS21、Quil Aおよびその成分、DC chol、ISCOMS、リポソーム、ビロソームおよびポリホスファゼン等をこれらウイルスベクターとともに使用することができる(参考文献41,42,47)。その他担体として、例えば生分解性ミクロパーティクル(参考文献44)またはRev特異性細胞毒性T細胞ペプチドを添加した抗原提供細胞(参考文献45)を用いることができる。さもなくば、抗原提供細胞を上記のように遺伝子組換えベクターを用いてRevに感染させてもよい。
RevおよびTat特異性細胞毒性T細胞反応を誘導するために投与する物質は、IFNγ、GM−CSF、IK−12を含むサイトキンおよびサイトキン活性化マクロファージとともに投与することもできる。
(関連動物モデルにおける免疫投与−誘発)
類人猿免疫不全ウイルス(SIV)はサルにおいて免疫不全疾患を起こすウイルスと同じレトロウイルスである。SIVは、遺伝学的にも、生物学的にもHIVと関連が深い。サルにおけるSIV感染は、HIV感染の予防および治療法を開発する上で重要な動物モデルである。
免疫投与−誘発実験は、カニクイサル成獣を用い、セムリキ森林ウイルス(SFV)およびRevおよびTatの両方を表現するワクシニアアンカラン(MVA)遺伝子組換えウイルスを投与して行った。ついで、サルに相同性SIVを攻撃投与し、攻撃投与後10週間にわたってウイルス血症の発現を試験した。
週0および週4に、2匹のサルに1.5〜10×108のSFV−Rev/Tat遺伝子組換えウイルスを経口ワクチン投与し、ついで1〜5×108のMVA−Rev/Tat遺伝子組換えウイルスを免疫投与した。対照群のサルには、SFV Lac−Z(141)およびMVA(335)対照調製物を同様にワクチン投与した。
週14に、4匹全てのサルにMID50 SIVmac32H(J5)50細胞を静脈内投与して誘発した。
誘発後週2,4,6および10に、細胞に関連したウイルス負荷を測定した。ウイルス単離の結果を図2に示す。図2に示すデータから明らかなように、ワクチン投与したサルでは観察期間中に感染細胞は認められなかった。一方、擬似投与したサルでは細胞に関連したウイルス血症が認められた。
(開示の要約)
開示を要約すると、免疫不全ウイルス(特にHIV)のRevおよびTat蛋白に対する細胞毒性T−細胞反応を誘導することによって免疫不全ウイルス感染またはそれに関連した疾病を予防するための方法および組成物を提供する。また、HIV感染患者におけるRevおよびTat特異性細胞毒性T−細胞の有無を測定することにより、当該患者の予後を測定する方法を提供する。本発明の範囲内で、修飾が可能である。
表の凡例
表1. アムステルダムAIDSコホート試験被験者のHIV−1血清陽性者の特性
全ての進展者および7人のLTAのうち4人はエントリー時に血清が陰性であった。最後に血清が陰性であったときから最初に血清が陽性になるまでの期間(血清転換期間)は短く、これらの時期の中央値を算出することにより血清転換の時期を明瞭に推定することが可能であった。進行患者におけるAIDSを規定する症状は、カルポシ肉腫(P493)、カンジダアルビカンス 食道炎(P1215,P424,P039)およびニューモシスティスカリニ肺炎(P356)であった。全フォローアップ期間中3カ月ごとに定期的に測定したCD4+T細胞数から、CD-4細胞の減少率(勾配)を算出した。平均HIV−1 RNAは、NASBA法を用いて測定した。L008およびP1215では、エントリー後それぞれ109および51カ月時にAZT治療を開始し、それぞれ126および69カ月時にDDC治療を開始した。その他の患者には、抗ウイルス治療を行わなかった。CTLp頻度分析のためのPBMC試料採取時および対応するCD4+T細胞数を表に示す。患者のHLA−Aおよび−B表現型は、Department Transplantation Immunology、CLB、アムステルダムで血清学的に測定した。
Figure 2006265255
表2. L658およびP424の非培養PBMCから得たRev配列のHLAクラスIモチーフ
これらの患者は、いずれもHLA−A1、2;−B8、40、61;−C2、7;=DR3、6、13;−DR52;DQ1、2を有していた。われわれは、PCR増幅手順を用いて患者から得たそれぞれ20および19の遺伝子組換えPCRクローンの配列を測定した。配列の分析は、HLA−A1、2およびB8、61ペプチド結合モチーフの有無について行った(参考文献46)。CTLの検出に用いたHIV−1lai Revのモチーフは、参考のために表示する。L658から得たウイルスの20配列には、いずれもHLA−A1モチーフが存在していた。P424から得た19ウイルス配列は、いずれもこの暫定的なエピトープの9位のチロシンアンカー残基をブロックして分析した。両患者のRev配列で、2種類のペプチド結合モチーフ、すなわちHLA−A2およびHLA−B8の一方が同定された。HLA−B61のモチーフは検出されなかった。特に、L658とP424で全ての暫定的エピトープがアンカー残基(HLA−A1)またはこれらアンカー残基の外(HLA−A2、HLA−B8)で異なっていた。
Figure 2006265255
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7人の長期無症徴患者(LTA)および5人の進行患者における無症徴段階のHIV−1蛋白Gagに特異的なCTLプレカーサーの頻度を示す図である。 7人の長期無症徴患者(LTA)および5人の進行患者における無症徴段階のHIV−1蛋白RTに特異的なCTLプレカーサーの頻度を示す図である。 7人の長期無症徴患者(LTA)および5人の進行患者における無症徴段階のHIV−1蛋白Nefに特異的なCTLプレカーサーの頻度を示す図である。 7人の長期無症徴患者(LTA)および5人の進行患者における無症徴段階のHIV−1蛋白Revに特異的なCTLプレカーサーの頻度を示す図である。 7人の長期無症徴患者(LTA)および5人の進行患者における無症徴段階のHIV−1蛋白Tatに特異的なCTLプレカーサーの頻度を示す図である。 Rev/Tat遺伝子組換えウイルスを免疫投与したカニクイザルにおけるウイルス負荷の分離を示し、サルにおける類人猿免疫不全ウイルス(SIV)防御を示す図である。

Claims (30)

  1. 免疫不全ウイルスRevおよびTat蛋白から選んだ少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープ、または少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピープをコードしたベクターを含み、免疫不全ウイルスの感染により起こる疾病の予防に有効な免疫原組成物。
  2. 前記免疫不全ウイルスがヒト免疫不全ウイルスである請求項1に記載の免疫原組成物。
  3. 細胞毒性T−細胞エピトープがRev蛋白から得られたものである請求項2に記載の免疫原組成物。
  4. 細胞毒性T−細胞エピトープがTat蛋白から得られたものである請求項2に記載の免疫原組成物。
  5. 少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープがRevおよびTat蛋白から得られたものである請求項2に記載の免疫原組成物。
  6. 前記細胞毒性T−細胞エピトープがHIVのRevおよび/またはTat蛋白、または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体であって、薬理学的に許容される担体と混合して提供される請求項2に記載の免疫原組成物。
  7. 前記細胞毒性T−細胞エピトープが、HIVのRevおよび/またはTat蛋白をコードした遺伝子組換えベクターまたは核酸分子、あるいは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体として供給されたものである請求項2に記載の免疫原組成物。
  8. 前記細胞毒性T−細胞エピトープが、T−細胞エピトープに対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチドまたは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体として、薬理学的に許容される担体と混合して提供される請求項2に記載の免疫原組成物。
  9. 免疫不全ウイルスの感染により起こる疾病に対する免疫を宿主に誘導する方法であって、免疫不全ウイルスのRevおよび/またはTat蛋白に特異的な細胞毒性T−細胞反応を宿主に誘導することを特徴とする方法。
  10. 宿主がヒトであり、前記免疫不全ウイルスがヒト免疫不全ウイルスであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記細胞毒性T−細胞反応がHIVのRevおよびTat蛋白または少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープを宿主に投与することによって誘導することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 免疫不全ウイルスの感染により起こる疾病に対する免疫を宿主に誘導する方法であって、前記宿主に予防的Revおよび/またはTat蛋白特異性細胞毒性T−細胞反応を選択的に誘導することを特徴とする方法。
  13. 前記免疫不全ウイルスがヒト免疫不全ウイルスであり、前記宿主がヒトであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記選択的誘導がHIVのRevおよびTat蛋白から選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープを宿主に投与することによって行われることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記の少なくとも1種類のT−細胞エピトープがHIVのRevおよび/またはTat蛋白または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体であって、薬理学的に許容される担体と混合して投与されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記の少なくとも1種類のT−細胞エピトープがT−細胞エピトープに対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチドまたは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体であって、薬理学的に許容される担体と混合して投与されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. 前記選択的誘導がHIVのRevおよびTat蛋白から選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープをコードしたベクターを宿主に投与することによって行われることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  18. 前記ベクターがHIVのRevおよびTat蛋白またはその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体を表現する遺伝子組換えベクターであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 医薬品として使用されるHIVのRevおよびTat蛋白または少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類の細胞毒性T−細胞エピトープ。
  20. HIVのRevおよび/またはTat蛋白または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体を薬理学的に許容される担体と混合して提供されることを特徴とする請求項19に記載のT−細胞エピトープ。
  21. 遺伝子組換えベクター、またはHIVのRevおよび/またはTat蛋白を表現する核酸分子または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体として提供されることを特徴とする請求項19に記載のT−細胞エピトープ。
  22. T−細胞エピトープに対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチドまたは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体を薬理学的に許容される担体と混合して提供されることを特徴とする請求項19に記載のT−細胞エピトープ。
  23. HIVにより起こる疾病に対する免疫を宿主に与えるための医薬品の製造に用いるHIVのRevおよび/またはTat蛋白または少なくとも1種類のT−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープ。
  24. HIVのRevおよび/またはTat蛋白に特異的な細胞毒性T−細胞反応を誘導するために宿主に投与する医薬品の製造に用いるHIVのRevおよび/またはTat蛋白または少なくとも1種類のT−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープ。
  25. 予防的Revおよび/またはTat蛋白特異性細胞毒性T−細胞反応を選択的に宿主に誘導するための医薬品の製造に用いるHIVのRevおよび/またはTat蛋白または少なくとも1種類のT−細胞エピトープをコードしたベクターから選んだ少なくとも1種類のT−細胞エピトープ。
  26. 前記細胞毒性T−細胞エピトープがHIVのRevおよび/またはTat蛋白または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体を薬理学的に許容される担体と混合して提供されることを特徴とする請求項23から25に記載の利用。
  27. 前記細胞毒性T−細胞エピトープが遺伝子組換えベクターまたはHIVのRevおよび/またはTat蛋白を表現する核酸分子または基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体として提供されることを特徴とする請求項23から25に記載の利用。
  28. 前記細胞毒性T−細胞エピトープがT−細胞エピトープに対応するアミノ酸配列を有する合成ペプチドまたは基本的にその免疫学的特性を損なうことなくアミノ酸が欠失、挿入または置換されたその類縁体であって、薬理学的に許容される担体と混合して提供されることを特徴とする請求項23から25に記載の利用。
  29. HIV陽性被験者における良好な予後を判定する方法であって、前記良好な予後の指標として被験者におけるHIVのRevおよび/またはTat蛋白に対する細胞毒性T−細胞反応の有無を検出する方法。
  30. ヒトにおけるHIVに関連した疾病の安定状態を診断する方法であって、ヒトから末梢血単核細胞を採取し、前記安定な疾病状態の指標として試料中のHIVのRevおよび/またはTat蛋白特異性細胞毒性T−細胞反応の有無を試験する方法。
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