JP2006266476A - タッピングボルト - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート製品にねじ込むことができるようにしたタッピングボルトを提供することである。
【解決手段】テーパ部を先端に有する軸部1の外周に雄ねじ4を形成し、その雄ねじ4のねじ山4aの角度を軸部先端から後端のねじ山4aに至るに従って次第に大きくして、ねじ込み時に先行側のねじ山4aが摩耗して不完全な雌ねじが形成されたとしても後行側のねじ山4aで雌ねじが形成されるようにする。
【選択図】図1

Description

この発明は、ALC等のコンクリート製品にねじ込むタッピングボルトに関するものである。
ALC(気泡コンクリート製品)、モルタル、アスファルト、レンガ、鉄筋コンクリート等から成るコンクリート製品に対して適宜の物品(取付け対象物)をボルト止めすることは従来から普通に行なわれているが、コンクリート製品に対して直接ねじ込むことができるようにしたボルトは未だ存在しない。
そこで、取付け対象物のボルト止めに際し、従来では、軸方向のスリットを有する筒体と、その筒体内に組込まれたテーパ状のナットとから成るアンカーを用い、そのアンカーをコンクリート製品に形成された下孔内に挿入し、上記ナットにねじ込まれるボルトの締付けによりナットを軸方向に移動させて筒体を拡径させ、下孔の内周に筒体の外周を圧接係合させて筒体およびナットの固定化を図り、上記ナットに対してボルトを締付けることが一般的であった。
ところで、アンカーを用いる取付け対象物の固定にはコストが高く、しかも、ボルトを強く締め付けた場合にアンカーが下孔から抜け出るおそれがあり、取付け対象物を強固に固定することができないという問題がある。
ここで、一般的に知られているボルトは雄ねじのねじ山が隣接するねじ山間にV形の谷底が形成された構成であるため、そのようなボルトをコンクリート製品に形成された下孔にねじ込むと、ねじ山に対してきわめて大きな摩擦抵抗が作用し、その摩擦抵抗は締付け時の回転抵抗となるため、締付けにきわめて大きな回転トルクを必要とし、ときには焼付きが生じてロックするという問題が生じる。
また、下孔の内周に雌ねじを形成しつつねじ込むことができるようにしたタッピングねじも従来から知られているが、そのタッピングねじがねじ込まれる対象物は金属や合成樹脂から成る製品であって、コンクリート製品類にねじ込んだ場合、雄ねじが摩耗して完全な雌ねじを形成することができず、引抜き耐力がきわめて低く取付け対象物を安定よく取付けることができない。
この発明の課題は、コンクリート製品に直接ねじ込むことができるようにしたコンクリート製品用のタッピングボルトを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、先端にテーパ部を有する軸部の外周に、ねじ山の形が三角形の雄ねじを隣接するねじ山間に間隔をあけて設け、その雄ねじのねじ山の角度を軸部の先端に位置するねじ山から後端に位置するねじ山に至るに従って次第に大きくした構成を採用したのである。
ここで、雄ねじのねじ山は、軸部先端から後端に向けて1山ごとに角度を大きくしてもよく、あるいは、雄ねじのねじ山を複数のねじ山ごとにグループ分けし、同一グループのねじ山の角度を同一とし、軸部の先端に位置する第1グループから軸部の後端部に至る第nグループに向けてねじ山の角度を次第に大きくしてもよい。
上記の構成から成るタッピングボルトのねじ込みに際して、コンクリート製品がALCから成る場合は、そのALCに直接ねじ込むようにしてもよく、あるいは、ALCに下孔を形成し、その下孔にねじ込むようにしてもよい。
ALCより硬度の高いコンクリート製品に対しては、そのコンクリート製品に下孔を形成してねじ込むようにする。
ここで、軸部の外周に、その先端から軸方向に延びてねじ山を周方向に分断するスリットを形成しておくと、雄ねじのねじ込み時に発生する切り粉をスリット内に収容することができるため、回転抵抗の低減化を図ることができると共に、軸部は回転抵抗が大きくなると縮径するため、スムーズなねじ込みを可能とすることができる。
なお、スリットの幅および深さは軸部の外径やコンクリート製品の硬度に応じて適宜に決定し、深さについては、軸部の外周対向位置で開口して軸部の先端部に二股片を形成するようなものであってもよい。また、スリットは軸心に平行する直線状のものであってもよく、あるいはスパイラル状のものであってもよい。
この発明に係るタッピングボルトにおいて、前記雄ねじに、軸部先端のねじ山から少なくとも複数のねじ山を周方向に複数に分断する複数の溝を形成すると、複数に分断された分割ねじ山のねじ込み時における回転方向の先行側端面のエッジが切り刃の役目をし、その切り刃の切り込みによって発生する切り粉を溝内に収容することができるため、ねじ込み時の回転抵抗は小さく、コンクリート製品に対してスムーズにねじ込むことができる。
上記のように、雄ねじのねじ山の角度を軸部の先端から後端に至るに従って次第に大きくしたことにより、コンクリート製品に対するねじ込み時、軸部先端側の先行側のねじ山がコンクリート製品との接触により摩耗してコンクリート製品に切削される雌ねじが不完全なものであっても、後行側のねじ山は先行側ねじ山により切削された雌ねじに沿って侵入するため、後行側のねじ山によって完全な雌ねじが切削されることになり、コンクリート製品に対してタッピングボルトを確実にねじ込むことができる。
また、後行側のねじ山の角度を先行側のねじ山の角度より大きくしたことにより、後行側のねじ山は先行側のねじ山によって形成される雌ねじの両側のフランクを切削しつつ侵入する。このため、雌ねじと後行側ねじ山の係合力は強く、雄ねじの先行側のねじ山が摩耗してねじ係合することがない場合であっても後行側の複数のねじ山によって充分な引き抜き耐力を得ることができ、取付け対象物を強固に取付けることができる。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係るタッピングボルトの第1の実施形態を示す。図示のように、軸部1はテーパ部2を先端に有し、後端部にはねじ軸部3が設けられている。
軸部1の外周には、先端から後端に至って雄ねじ4が転造により形成され、そのねじ形成後、熱処理されて硬度が高められている。雄ねじ4はねじ山4aの形が三角形とされ、隣接するねじ山4a間に間隔が形成されて谷底4bはストレートとされている。
ここで、軸部1の先端側からのねじ山4aを第1ねじ山a乃至第nねじ山aとし、その第1ねじ山a乃至第nねじ山aの角度をθ乃至θとすると、そのねじ山の角度θ乃至θは、第1ねじ山aから第nねじ山aに至るに従って次第に大きくなっている。
実施の形態では、第1ねじ山aの角度θを60°として、第nねじ山aに向けて1°ずつ大きくし、第nねじ山aの角度θを90°としているが、第1ねじ山aの角度θ、隣接するねじ山4aの角度差および第nねじ山aの角度θはこれに限定されず、コンクリート製品の硬度に応じて適宜に決定する。また、ねじ山4aのピッチPは一定とし、そのピッチPもコンクリート製品に応じて適宜に決定する。
第1の実施形態で示すタッピングボルトは上記の構造から成り、コンクリート製品に対するねじ込みに際し、そのコンクリート製品がALC等の比較的硬度の低いコンクリート製品の場合は、そのコンクリート製品に直接ねじ込むようにしてもよく、あるいは上記コンクリート製品にタッピングボルトの谷径と略同径の下孔を形成してその下孔にねじ込むようにしてもよい。一方、硬度の高いコンクリート製品の場合は、下孔を形成してねじ込むようにする。そのねじ込みに際しては、ねじ軸部3に2個のナット5をねじ込み、そのナット5の相対回転によりナット5の衝合面の面圧を高めて2個のナット5をねじ軸部3に固定し、そのナット5にレンチを係合してタッピングボルトに締付け方向の回転トルクを負荷する。
いま、コンクリート製品に形成された下孔にタッピングボルトをねじ込むと、雄ねじ4によって下孔の内周が切削されて雌ねじが形成される。このとき、軸部1先端の先行側のねじ山は下孔の内周との接触によって摩耗し易く、その摩耗によって下孔の内周に不完全な雌ねじが形成されるが、後行側のねじ山aは先行側のねじ山4aによって形成された雌ねじに沿って侵入するため、後行側のねじ山4aによる切削によって完全な雌ねじが形成されることになる。このとき、後行側のねじ4aは先行側のねじ山4aより角度が次第に大きくなっているため、後行側のねじ山4aは先行側のねじ山4aによって形成された雌ねじの両側フランクを切削しつつ侵入することになる。このため、雌ねじと後行側のねじ山4aの係合力は強く、先行側のねじ山4aが摩耗してねじ係合することがない場合であっても後行側の複数のねじ山4aによって充分な引き抜き耐力を得ることができ、強固なねじ込み状態を得ることができる。
図2は、この発明に係るタッピングボルトの第2の実施形態を示す。この実施形態では、軸部1の後端にフランジ6を設け、そのフランジ6にねじ軸部3を設けている点で第1の実施形態と相違する。このため、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態で示すタッピングボルトのように、軸部1の後端にフランジ6を形成すると、そのフランジ6によってタッピングボルトの締付け量を制限することができる。
図3は、この発明に係るタッピングボルトの第3の実施形態を示す。この実施形態では、軸部1の外周に形成された雄ねじ4のねじ山4aを複数のねじ山毎に第1グループG1乃至第nグループ(図示省略)にグループ分けし、同一グループの複数のねじ山4aの角度θ、θ…θを同一とし、軸部1の先端側に位置する第1グループG1から軸部1の後端部に至る第nグループに向けてねじ山4aの角度θ、θ…θを次第に大きくしている。
他の構成は第1の実施形態と同一であるため、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
上記第3の実施形態で示すタッピングボルトにおいても、第1の実施形態と同様に、コンクリート製品に対して確実にねじ込むことができると共に、充分な引き抜き耐力を得ることができる。
図4および図5はこの発明に係るタッピングボルトの第4の実施形態を示す。この実施形態では、軸部1の外周にその先端から後端部に延びてねじ山4aを周方向に分断するスリット7を設けている点で第1の実施形態と相違している。
このため、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
第4の実施形態で示すように、軸部1の先端部にスリット7を形成すると、雄ねじ4のねじ込み時に切削によって発生する切り粉をスリット7内に収容することができるため、ボルトねじ込み時の回転抵抗の低減化を図ることができる。また、回転抵抗が大きくなると、軸部1は縮径するため、スムーズなねじ込みを可能とすることができる。
ここで、スリット7の幅および深さは、軸部1の外径やコンクリート製品の硬度に応じて適宜に決定すればよい。深さについては、図5に示すように、軸部1の中心部に至るものであってよく、あるいは図6に示すように、軸部1の外周一側から軸部1の外周他側に貫通するものであってもよい。
図7および図8は、この発明に係るタッピングボルトの第5の実施形態を示す。この実施形態では、軸部1の外周に形成された雄ねじ4の軸部先端のねじ山4aから少なくとも複数のねじ山4aを周方向に分断する複数の溝8を形成している。
上記のように、複数の溝8を形成すると、複数に分断された分割ねじ山4a’のねじ込み時における回転方向の先行側の端面のエッジ9が切り刃の役目をし、その切り刃が下孔の内周を切り込みつつコンクリート内部に侵入すると共に、切り込みによって発生する切り粉は溝8内に収容されるため、ねじ込み時の回転抵抗は小さく、コンクリート製品に対してタッピングボルトをきわめてスムーズにねじ込むことができる。
第1の実施形態乃至第5の実施形態で示すタッピングボルトをコンクリート製品に形成された下孔に対してねじ込む場合において、その下孔にエポキシ樹脂等の溶融樹脂と硬化剤の混合液状体を入れてねじ込み作業を行なうと、混合液状体が潤滑剤の役目をするため、タッピングボルトをスムーズにねじ込むことができる。
また、液状体は雄ねじ4と、その雄ねじ4によって形成される雌ねじのねじ係合部間や下孔とタッピングボルト間の隙間に侵入して固化するため、タッピングボルトを弛み止めすることができる。この場合、樹脂として、固化時に膨張する樹脂を採用すると、タッピングボルトをより確実に弛み止めすることができる。
第1の実施形態では、軸部1の後端にねじ軸部3を設けたが、ねじ軸部3に代えて、六角頭部などのレンチ係合用の頭部を形成してもよく、あるいは軸部1の後端面に角孔を形成してもよい。
また、第1の実施形態では、軸部1として全長にわたって同一径のストレート軸部を示したが、先端又は後端を大径端とするテーパ軸部であってもよい。
この発明に係るタッピングボルトの第1の実施形態を示し、軸部の一部分を省略した状態の正面図 この発明に係るタッピングボルトの第2の実施形態を示す正面図 この発明に係るタッピングボルトの第3の実施形態を示す正面図 この発明に係るタッピングボルトの第4の実施形態を示す正面図 図4のV−V線に沿った断面図 スリットの他の例を示す断面図 この発明に係るタッピングボルトの第5の実施形態を示す正面図 図7のVIII−VIII線に沿った断面図
符号の説明
1 軸部
2 テーパ部
4 雄ねじ
4a ねじ山
7 スリット
8 溝

Claims (4)

  1. 先端にテーパ部を有する軸部の外周に、ねじ山の形が三角形の雄ねじを隣接するねじ山間に間隔をあけて設け、その雄ねじのねじ山の角度を軸部の先端に位置するねじ山から後端に位置するねじ山に至るに従って次第に大きくしたタッピングボルト。
  2. 前記雄ねじのねじ山を複数のねじ山毎にグループ分けし、同一グループの複数のねじ山の角度を同一とし、軸部の先端に位置する第1グループのねじ山から軸部の後端部に至る第nグループのねじ山に向けてねじ山の角度を次第に大きくした請求項1に記載のタッピングボルト。
  3. 前記軸部の外周に、その先端から後端部に延びてねじ山を周方向に分断するスリットを形成した請求項1又は2に記載のタッピングボルト。
  4. 前記雄ねじに、軸部先端のねじ山から少なくとも複数のねじ山を周方向に複数に分断する複数の溝を形成した請求項1乃至3のいずれかに記載のタッピングボルト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100891371B1 (ko) * 2007-05-31 2009-04-02 김종성 앵커볼트
JP2012251654A (ja) * 2011-06-01 2012-12-20 Takayuki Sato 取り付けが簡単なアンカーボルト

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