JP2006276455A - モーターサイレン - Google Patents

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正美 柿木
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Abstract

【課題】発音効率の良好なモーターサイレンの提供を目的とする。
【解決手段】単一回転軸1により駆動される発音周波数の異なる複数の発音部2、2・・を有して構成する。
また、同期回転する複数のファンロータ3、3・・の各々を異なる数量の風切窓4が開設されたロータケーシング5内にそれぞれ収容して構成し、
あるいは、
異なる枚数の回転羽根6を備えて同期回転する複数のファンロータ3、3・・の各々を風切窓4が開設されたロータケーシング5内にそれぞれ収容して構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明はモーターサイレンに関するものである。
従来、モーターサイレンとしては、特許文献1に記載されたものが知られている。この従来例において、モーターサイレンは、ファンの外周に固定円筒を取り付けて形成される。上記ファンは放射状に延びる複数枚の羽根をカバーで覆って外形ほぼ円柱状に形成され、カバーの外周面には各羽根に対応して開口部が、一方の端面には吸気口が設けられる。また、上記固定円筒の外周面にはファンと同様に開口部が設けられ、したがってファンが回転して吸気口から吸入した空気を開口部から放出しようとすると、固定円筒の開口部により空気が断続的に切られ、音が発生する。
加えて、上述した特許文献1には、上記モーターサイレンを多数取り付けることによって構成される多声サイレン装置が記載される。この多声サイレン装置は、一対のモーターサイレンからなるサイレンユニットを軸継手や減速機を介して駆動電動機に連設して形成され、音高が異なる複数の音を同時に発音する。
実開平2-44797号公報
しかしながら、上記多声サイレン装置は、発音効率が悪いという欠点がある。すなわち、一般に、音の干渉による増音効果は、音波の重ね合わせによって互いの振幅が合成されて大きくなることによりなされるが、軸継手を介して駆動電動機にサイレンユニットを連設させたのでは、同じ周波数の音波を位置が異なる多数の発音源から同時に発生させることになるために、それぞれの音波は常に一定量だけ位相がずれた状態を維持して重なり合ってしまう。したがって、いわゆる波形の山の頂点同士を重ね合わせることにより強め合うことがないために、発音効率が悪い。
この点に関し、上記特許文献1には、さらに、集音板や反射板を設けたり、一部のサイレンユニットを減速機を介して連結させたりすることも提案されているが、いずれも発音量に比して装置をいたずらに大型化させてしまうという結果を招く。
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、発音効率の良好なモーターサイレンの提供を目的とする。
本発明によれば上記目的は、
単一回転軸1により駆動される発音周波数の異なる複数の発音部2、2・・を有するモーターサイレンを提供することにより達成される。
本発明において、モーターサイレンは、通気口を備えて回転駆動されるファンロータや回転円盤などによって圧縮された空気を断続的に外気中に放出し、空気の粗密波、すなわち音波を生じさせる発音部2を複数有する。かかる発音部2の複数において発音周波数を異ならせることにより、周波数の異なる複数の音波が同時に発生し、所定の周期でこれらの位相が一致して波形の山同士が重なることから、複数音波の合成による最大の振幅、すなわち最大の音量を得ることができる。また、上記ファンロータ等の複数を共通の回転軸1に連結するなどして複数の発音部2の同期駆動を単一回転軸1によることで、駆動効率を高めることができるとともに、装置をコンパクトにすることができる。したがって小さな装置で大きな音量を発するモーターサイレンを提供することができる。
周波数の異なる音波の合成による効率的な増音効果は、例えば周波数の差をわずかにしていわゆる音のうなりによることも可能であるが、モーターサイレンにより生じる風切り音が複合音であることを利用して、各音波に含まれる適宜の周波数成分の重ね合わせによることも可能であり、この場合、実験により各音波における周波数成分の関係を適宜決定することが可能である。発明者の実験によれば、各音波(複数周波数成分の合成波)における周波数の関係をほぼ2:3に設定する、すなわち周波数をほぼ1.5倍にして和音を生じさせるようにした場合には、上記従来例におけるような同一周波数の音波を重ね合わせた場合に比して、2、3デシベルの増音効果を得られることが確認されている。このように効率的な増音効果を奏することのできる周波数の差が和音の条件を満たす場合には、調和した心地よい大きな音響を得ることができる。
また、単一の回転軸1によって複数の発音部2を駆動させる場合、例えば、回転軸1の動力源としてのモータの両側に発音部2としてのファンロータ等を配置したり、あるいはモータの片側にファンロータ等を連設したりしてモーターサイレンを構成することが可能である。この場合において、モータの左右や上下などの両側に一対の発音部2を均等に配置、すなわち回転軸1の両端部に発音部2を配置した場合には、モータ片側に発音部2を連設した場合に比して全体のバランスを高めることができ、回転する複数のファンロータ等を比較的容易に安定して支持することが可能となる。
さらに、上述したように複数の発音部2、2・・における発音周波数を異ならせる場合、具体的には、上記従来例におけるようにファンロータ等の回転数を制御することにより行うことも可能であるが、ファンロータやこれを内部に収容するロータケーシングに変更を施すことによって、より簡潔にモーターサイレンを構成することができる。すなわち、
同期回転する複数のファンロータ3、3・・の各々を異なる数量の風切窓4が開設されたロータケーシング5内にそれぞれ収容したり、
あるいは、
異なる枚数の回転羽根6を備えて同期回転する複数のファンロータ3、3・・の各々を風切窓4が開設されたロータケーシング5内にそれぞれ収容したりして、発音周波数の異なる複数の発音部2、2・・を容易に構成することができる。
すなわち、空気の粗密波である音波は、単位時間当たりの粗密回数を異ならせることにより、その振動数である周波数が変更されるために、具体的には、ファンロータ3を収容するロータケーシング5から放出される気流の分断回数を異ならせることにより、周波数を容易に変更することができる。したがって、風切窓4の数量や回転羽根6の枚数を変更するだけで、気流の単位時間当たりの分断回数を複数の発音部2において容易に変更することができ、発音周波数を異ならせることができる。
加えて、モーターサイレンの発音効率は、上記風切窓4からの空気の粗密波の放出による発音のほかに、ファンロータ3やロータケーシング5の吸気口8からの発音を利用することにより高めることが可能である。すなわち、吸気口8から発せられる音は、上記特許文献1に記載されるように、一般的には、そのままでは位相が反転しているために風切窓4から発せられる音を弱めるように干渉するが、吸気口8に位相調整ガイド7を設けて音波を迂回等させることにより、位相を調整して音を強めるように干渉させることができる。上記位相調整ガイド7は、実験によりその形状などを適宜決定することが可能であり、発明者によれば、吸気口8からの直線距離に応じて音圧が変化し、形状に関しては、外方に向かって漸次拡大するフレアー状に形成したときに、円筒状に形成したときに比して音圧をより高めることができることが確認されている。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、発音効率の良好なモーターサイレンを提供することができ、モーターサイレンの小型化、省電力化、音達距離の向上を図ることができる。
図1ないし図3に本発明の実施の形態を示す。この実施の形態において、モーターサイレンは、モータ11の左右に一対の吹鳴部(発音部2)を配置した無指向性のもので、モータケース12を支持する支持台13を介して平坦な場所に設置可能に形成される。図1においてモータケース12の側方に形成されるボックス状の14はモータ11のケーブルと図外の引き出しケーブルとを接続するための端子函であり、モータ11の電源には三相交流が使用される。また、網目状の15はステンレス製の防虫ネットである。
モータ11は、図2に示すように、円筒状のモータケース12内に収容されて支持台13の上方で固定され、吹鳴部2に対応して左右に突出するシャフト(回転軸1)を回転駆動する。このシャフト1はモータケース12と吹鳴部2を連結するガイドカバー16に固定されるボールベアリング17により吹鳴部2近傍で両端部を支持され、モータ11によって3000RPM以上などで高速回転されて左右の吹鳴部2に同時に動力を伝達する。
吹鳴部2は、図2および図3に示すように、発音ガイド(ロータケーシング5)内にファンロータ3を収容して形成される。発音ガイド5は、アルミの板材を折り曲げ加工するなどしてほぼ有底円筒状に形成され、上記ガイドカバー16に開口部を向けて取り付けられる。この発音ガイド5には、通気口として、ガイドカバー16の反対側に位置する底壁に円形の吸気口8が、周壁に所定ピッチで矩形の排気口(風切窓4)が開設される。
ファンロータ3は、アルミの鋳造品であり、底板18と天井板19の間に発音羽根(回転羽根6)を架設して外形ほぼ円柱状に形成される。底板18と天井板19はロータケーシング5の内径寸法にほぼ等しい直径を備えた円盤状で、重合するように互いに平行に配置される。また、底板18にはモータ11のシャフト1が挿通される図示しない貫通孔が中心部に設けられ、したがって底板18および天井板19はシャフト1の軸線方向に対して面を直交させるようにしてナット等によりシャフト1に適宜取り付けられる。一方、天井板19の中心部には、通気口として、上記発音ガイド5の吸気口8とほぼ同じ大きさの導入口20が開設される。
発音羽根6は、上述したように底板18等をシャフト1に対して取り付けた状態において、シャフト1周りから所定角度ピッチでほぼ放射状をなすように複数配置されていわゆる羽根車を形成する。この発音羽根6は、シャフト1周りから底板18や天井板19の外周縁まで直線状に延設される送風部6aと、送風部6aの終端から底板18や天井板19の外周縁に沿って一定回転方向に延設される遮断部6bとを有し、遮断部6bが隣接する発音羽根6、6間の間隙のほぼ半分程度の長さに形成されることにより、ファンロータ3の外周面には通気口としての排出口21が形成される。
したがってモータ11のシャフト1が回転すると、ファンロータ3はいわゆる遠心ファンとして機能して発音羽根6、6・・により遠心方向に空気を押し出し、また、空気が押し出されたファンロータ3中心部近傍には発音ガイド5の吸気口8とファンロータ3の導入口20を経由して外気が流入する。すなわち、モータ11両側の各吹鳴部2においては、モータ11の反対側となるシャフト1の軸方向からロータケーシング5内に吸引された外気をシャフト1の軸周り方向に排出する。
また、ファンロータ3のロータケーシング5における回転位置によりファンロータ3の排出口21とロータケーシング5の排気口4が重なったときには、発音羽根6によって遠心方向に押し出された空気はこれらを通過してロータケーシング5外方、すなわち外気中に放出され、一方、ファンロータ3の導入口20がロータケーシング5の周壁に対峙するとともにロータケーシング5の排気口4が発音羽根6の遮断部6bにより塞がれた時には、ファンロータ3内、すなわちロータケーシング5内の空気が遠心圧縮される。これにより、ファンロータ3が回転して排出口21と排気口4がすれ違うたびに、ロータケーシング5からは間欠的に圧搾空気が放出され、単位時間当たりの断続回数に応じた振動数の空気の粗密波、すなわち単位時間当たりの断続回数に応じた周波数の音波が発せられる。
また、この実施の形態において、一対の吹鳴部2を利用した音の重ね合わせによる効率的な増音効果を得るために、各吹鳴部2は、ロータケーシング5の排気口4の数、および発音羽根6の枚数を異ならせて形成される。図1ないし図3に示すように、図1においてモータ11の左側に配置される吹鳴部2(以下「左吹鳴部2A」という)には、ロータケーシング5に6個の排気口4、4・・が開設されるとともにファンロータ3には6枚の発音羽根6、6・・が形成され、一方、図1においてモータ11の右側に配置される吹鳴部2(以下「右吹鳴部2B」という)には、ロータケーシング5に9個の排気口4、4・・が開設されるとともにファンロータ3には9枚の発音羽根6、6・・が形成される。したがって、上述した排出口21と排気口4のすれ違い回数は、ファンロータ3の1回転に対し、左吹鳴部2Aと右吹鳴部2Bにおいて6:9、すなわち2:3の割合に設定され、これによりモータ11左右の吹鳴部2、2はほぼ2:3の割合で発音周波数が異なることになる。
したがって、モータ11左右でファンロータ3、3が回転すると、周波数比がほぼ2:3に異なる2つの音波が同時に吹奏され、重ね合わされて位相が一致する所定周期で音圧が強められる。より厳密に言えば、排出口21と排気口4のすれ違いによるいわゆる風切り音は、複数周波数成分の合成波であるために、内包する周波数成分の何らかの重ね合わせにより音圧が強められるものと思われる。さらに、周波数比がほぼ2:3に設定されることにより、和音が生じ、心地よいハーモニーを奏でることができる。
加えて、この実施の形態においては、発音ガイド5の吸気口8を利用してさらに増音効果を発揮すべく、吸気口8に位相調整ガイド7が設けられる。図1および図2に示すように、位相調整ガイド7は、一端から他端に向けて、具体的には吸気口8から外方に向けて直線状に漸次拡大するいわゆるメガホン状で、鋼板を湾曲させて発音ガイド5に溶接固定して形成される。したがって発音ガイド5の風切窓4やファンロータ3の発音羽根6の遮断部6bにより生じた音波、あるいはファンロータ3や発音ガイド5内で反響した音波などが吸気口8から発音ガイド5外部に放出される際には、位相調整ガイド7を通って迂回し、あるいは位相調整ガイド7内で反射するなどして位相が変化し、風切窓4から直接発音ガイド5の外部に放出される音波と重ね合わされたときに音圧をさらに強めることができる。
なお、以上の実施の形態において、モータ11をインバータあるいはリレーで制御することにより、ファンロータ3の回転数を周期的に異ならせ、聴認性のよいウェーブ音を発するようにすることも可能である。
位相調整ガイド7の有無と、音圧や周波数との関係性の確認を目的として、無響室内で、温度や湿度などの外部環境がほぼ同じ状態で、かつ使用するモータの容量を同一条件にして、位相調整ガイド7の有無を除いて上述した実施の形態に記載のものに一致する2台のサイレンについて、およそ1m離れた正面および左右の三方から音圧の測定を行った。なお、発音羽根6や排気口4の数量については、モータ11右側の吹鳴部2が9で、左側が6である。
測定結果は、位相調整ガイド7があるものでは、正面側は151.0デシベル、右側は147.0デシベル、左側は143.5デシベルであった。一方、位相調整ガイド7がないものでは、正面側は144.0デシベル、右側は142.0デシベル、左側は138.0デシベルであった。位相調整ガイド7の有無により電流値が10.1アンペアと9.4アンペアというように若干相違してしまうことは風の流れの影響上避けられないが、この結果から明らかなように、位相調整ガイド7を設けることより、位相調整ガイド7が配置されない正面方向を含めて、音圧が高まることが確認された。
なお、上記位相調整ガイド7を備えたサイレンの左右方向における周波数を測定したところ、右側が340ヘルツで、左側が511ヘルツと相違していることが確認された。
上述した発音羽根6や排気口4の数量について、モータ11の左右に形成される吹鳴部2、2間で異ならせたときの音圧の影響を確認すべく、無響室内で、温度や湿度などの外部環境がほぼ同じ状態で、かつ使用するモータの容量を同一条件にして、左右の吹鳴部2における発音羽根6等の条件が一致する(以下「左右同一」という)サイレンと異なる(以下「左右相違」という)サイレンの2台について、音圧、周波数の測定を行った。モータへの負荷による影響を少なくするために、発音羽根6等の数量については、左右同一のサイレンは各々8に、左右相違のサイレンは6と9にした。なお、試験は一般に西日本に供給される60ヘルツの電気を利用したものであり、また、左右の吹鳴部2において発音羽根6等の数量が異なるサイレンには、上述した位相調整ガイド7が装着されている。
測定結果は、モータ容量が0.75KWのときに左右同一のものは129デシベルであるのに対し左右相違のものは131デシベル、モータ容量が1.5KWのときに左右同一のものは131デシベルであるのに対し左右相違のものは133デシベル、モータ容量が2.2KWのときに左右同一のものは134デシベルであるのに対し左右相違のものは135デシベル、モータ容量が3.7KWのときに左右同一のものは136デシベルであるのに対し左右相違のものは137デシベルであった。位相調整ガイド7の有無による影響も含まれるが、この結果から、発音羽根6や排気口4の数量についてモータ11の左右に形成される吹鳴部2、2間で異ならせることにより、音圧が高まることが確認された。
なお、上記左右相違のサイレンの左右方向における周波数を測定したところ、右側が345ヘルツで、左側が520ヘルツと相違していることが確認された。
本発明を示す斜視図である。 内部構造を示す図で、上部を適宜破断した正面図である。 吹鳴部を示す図で、(a)は図2の3A-3A線断面図、(b)は図2の3B-3B線断面図である。
符号の説明
1 回転軸
2 発音部
3 ファンロータ
4 風切窓
5 ロータケーシング
6 回転羽根
7 位相調整ガイド
8 吸気口


Claims (4)

  1. 単一回転軸により駆動される発音周波数の異なる複数の発音部を有するモーターサイレン。
  2. 同期回転する複数のファンロータの各々を異なる数量の風切窓が開設されたロータケーシング内にそれぞれ収容してなるモーターサイレン。
  3. 異なる枚数の回転羽根を備えて同期回転する複数のファンロータの各々を風切窓が開設されたロータケーシング内にそれぞれ収容してなるモーターサイレン。
  4. ロータケーシング内にファンロータを回転自在に収容して形成され、
    前記ロータケーシングには、位相調整ガイドが形成された吸気口と、ファンロータの回転により断続開閉される風切窓とが設けられるモーターサイレン。


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