JP2006282953A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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千秋 新保
Takashi Hamazaki
高史 濱崎
Hidenobu Takahashi
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Abstract

【課題】人体にも環境にも悪影響を与えることがなく、油系および水系の汚れを十分に除去することができ、乾燥性に優れ、ゴム類の膨潤性が小さく、引火の危険性が少ない、特に自動車のブレーキ装置の洗浄に適した洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】 多置換シクロヘキサン10〜95質量%および脂肪族アルコール2〜50質量%を含有してなる洗浄剤組成物。追加成分として脂肪酸エステルおよび/またはグリコールエーテルを含有させて洗浄性能をさらに向上させることができる。

Description

本発明は例えば、自動車のブレーキ装置などに付着した粉塵や樹脂などの汚れを除去し、またブレーキマスターシリンダーなどのブレーキパーツ内部の汚れを除去するための、洗浄剤組成物に関するものであって、車検点検などの分解整備に際して使用される洗浄剤組成物に関するものである。
自動車のブレーキ装置においては、車輪を制動する際の摩擦により、その摩擦部分が摩耗して樹脂やゴムなどの成分が粉塵として生じ、また外部から粉塵が侵入することにより、これらの粉塵がブレーキの制動部分に付着して、ブレーキ作用に悪影響を与える。従って車検整備の際には、これらの粉塵やその他の汚れを除去する作業が行われている。
これらのブレーキ制動部分の汚れを洗浄する洗浄剤は、グリースなどの油性の汚れに対してもブレーキフルードなどの水性の汚れに対しても、優れた洗浄力を有し、且つ速やかに乾燥するものであることが要求されると同時に、ブレーキ装置を構成する素材に対して悪影響を与えるものであってはならない。
かかるブレーキ制動部分の洗浄剤として従来は、[1]トリクロロエチレン又は1,1,1−トリクロロエタンなどのハロゲン系溶剤を主成分とし、これをフロンガスでエアゾール化したもの(特許文献1参照)、[2]炭素数が6〜10の脂肪族炭化水素または炭素数1〜6のアルコールを主成分とし、これをLPGや炭酸ガスでエアゾール化したもの(特許文献1参照)、[3]炭素数6のナフテン系炭化水素、脂肪族炭化水素、脂肪族アルコールを主成分とし、これをLPGや炭酸ガスでエアゾール化したもの(特許文献2参照)などの、エアゾール系のものが使用されている。
特開昭55−38835号公報 特開平7−331290号公報
しかしながら、トリクロロエチレンや1,1,1−トリクロロエタン、フロン系溶剤などは、オゾン層を破壊するなどの地球環境への悪影響があり、またトリクロロエチレンや1,1,1−トリクロロエタンなどは人体に対しても悪影響があり、使用方法が規制されている。
また脂肪族炭化水素系の溶剤は極性が低いため、これらのみで処方した洗浄剤では、ブレーキフルードなどの水性の汚れの除去性に問題があり、十分なものではなかった。
更に、炭素数6のナフテン系炭化水素、例えばシクロヘキサンを含む洗浄剤では、シクロヘキサンの引火点が−18℃と極めて低いため、これを原料として配合した洗浄剤を使用すると引火の危険を伴うとの問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、人体にも環境にも悪影響を与えることがなく、油性の汚れはもとより水性の汚れをも十分に除去することができるものであり、引火の危険性が少なく、乾燥性に優れ、金属、ゴム、プラスチックのいずれに対しても悪影響を及ぼすことがなく、更に被洗浄物の細部まで充分に洗浄し得る洗浄剤組成物を提供することを目的とするものである。
上記課題は、多置換シクロヘキサン10〜95質量%および脂肪族アルコール2〜50質量%を含有する洗浄剤組成物により解決される。本発明の洗浄剤組成物には洗浄性の更なる向上のため、脂肪酸エステルおよび/またはグリコールエーテル1〜40質量%を含有させることができる。
本願発明の洗浄剤組成物はグリースなどの油性の汚れに対しても、ブレーキフルードなどの水性の汚れに対しても、いずれも優れた除去性を示し、乾燥性に優れ、金属、ゴム、プラスチックのいずれに対しても悪影響を及ぼすことがなく(例えば、ゴムの膨潤性や劣化が小さく)、引火の危険性が少ない優れた洗浄剤である。本願発明の洗浄剤組成物はさらに人体にもまた環境にも悪影響を与えることがなく、また被洗浄物の細部まで充分に洗浄し得る(浸透性に優れる)。
本発明の洗浄剤組成物における第1成分である多置換シクロヘキサンとしては、3〜5個、好ましくは3もしくは4個、最も好ましくは3個の低級アルキル基で置換されたシクロヘキサンを使用することができる。置換する低級アルキル基としては、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、炭素数1もしくは2のアルキル基がより一層好ましい。このような多置換シクロヘキサンの好ましい具体例として、トリメチルシクロヘキサン、エチルジメチルシクロヘキサン、ジエチルメチルシクロヘキサン、トリエチルシクロヘキサン、テトラメチルシクロヘキサン等が挙げられ、これらのなかで、トリメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
多置換シクロヘキサンは単一の化合物であってもよいし、2種以上の化合物の混合物であってもよい。また、多置換シクロヘキサンと他の脂肪族或いは脂環式炭化水素との混合物を使用することもできる。このような混合物として例えば市販品として入手可能なリカソルブ900(商品名、新日本理化(株)製、置換シクロヘキサンを主成分とする混合物)などが挙げられる。
多置換シクロヘキサンの配合量は、本洗浄剤組成物全体に対し、10〜90質量%であることが必要である。多置換シクロヘキサンの配合量が10質量%より低いと油性汚れに対する洗浄能力が低下し、浸透性が低下し、エアゾール化し難くなる傾向にある。また、配合量が90質量%より高いと、水性の汚れに対する洗浄性が低下する傾向にある。
多置換シクロヘキサンはシクロヘキサン(引火点−18℃)と比べて引火点が高く、たとえば1,2,4−トリメチルシクロヘキサンでは19℃である。
また、同じ分子量をもつ一置換シクロヘキサンと比べて多置換シクロヘキサンは表面張力および粘度ともに低い。例えば、一置換シクロヘキサンであるプロピルシクロヘキサンでは表面張力および粘度がそれぞれ0.026N/mおよび0.00094Pa・sであるのに比べて、多置換シクロヘキサンである1,3,5−トリメチルシクロヘキサンの表面張力および粘度はそれぞれ0.023N/m、0.00078Pa・sと共に低い。表面張力および粘度は被洗浄物への洗浄剤の浸透性に影響し、いずれも高いと浸透性が悪くなる。また、粘度が高いと、エアゾール化する際に液滴が過大となり、洗浄剤組成物の洗浄能力を低下させる。
本発明の洗浄剤組成物における第2成分である脂肪族アルコールとしては、炭素数1〜4の脂肪族アルコールを用いるのが好ましく、炭素数1〜3の脂肪族アルコールを用いるのがより好ましく、また飽和脂肪族アルコールを使用するのがより好ましい。かかる脂肪族アルコールの好ましい具体例としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。
脂肪族アルコールの配合量は、本洗浄剤組成物全体に対し、2〜50質量%であることが必要であり、10〜30質量%であることが好ましい。脂肪族アルコールの配合量が2質量%より低いと水性の汚れに対する洗浄能力が低下し、50質量%より高いと油性の汚れに対する洗浄能力が低下する。
また、本発明の洗浄剤組成物中に脂肪酸エステルおよび/またはグリコールエーテルを配合すると油性および水性汚れに対する洗浄能力が更に向上する。
脂肪酸エステルとしては、炭素数2〜6の脂肪酸の炭素数1〜6のアルキルエステルを用いるのが好ましく、該脂肪酸の炭素数は2〜4であるのがより好ましく、該アルキルの炭素数は1〜5であるのがより好ましい。また、該脂肪酸は飽和脂肪酸であることがより好ましい。かかる脂肪酸エステルの好ましい具体例として、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸−t−ブチル、プロピオン酸アミル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸t−ブチル、酪酸アミル、酪酸イソアミル等が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、炭素数2〜6のアルキレングリコールまたは2〜4個の該アルキレングリコールの脱水縮合物の炭素数1〜4のモノアルキルエーテルを用いるのが好ましい。該アルキレングリコールの炭素数は2〜4であるのがより好ましく、2もしくは3であるのがより一層好ましく、該脱水縮合物における該アルキレングリコールの重合度は2もしくは3個であるのがより好ましく、2個であるのがより一層好ましい。かかるグリコールエーテルの好ましい具体例として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等が挙げられる。
脂肪酸エステルおよび/またはグリコールエーテルの配合量は、本洗浄剤組成物全体に対し、1〜40質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。脂肪酸エステルおよびグリコールエーテルを共に配合する場合、両者の合計配合量が上記範囲に入っていればよい。脂肪酸エステルおよび/またはグリコールエーテルの配合量が1質量%より低いと油性および水性汚れに対する洗浄能力の更なる向上を期待できず、また40質量%より高いと被洗浄物への浸透性が低下する傾向にある。
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を損わない範囲で、さらに他の成分を添加してもよい。他の成分としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチル−1−アセテート等のグリコールモノエーテルエステル;香料等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、用途に応じて、適宜水で希釈してから使用してもよい。
以下、実施例および比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されるものではない。
[洗浄性試験]
鋼板にエンジンオイルを全面均一に塗布し、40℃で24時間保存したものを試験板とした。また、鋼板にブレーキフルードを塗布し、同様の手順で試験板を作成した。垂直に固定した試験板に実施例1〜6の組成を有する洗浄剤組成物、比較例1〜4の組成を有する洗浄剤(組成物)(表1参照)を噴霧器で吹き付け乾燥させた後、目視により洗浄能力を試験した。評価は◎非常に良い、○良い、△悪い、×非常に悪いとした。
[引火危険性試験]
実施例1〜6の組成を有する洗浄剤組成物、比較例1〜4の組成を有する洗浄剤(組成物)(表1参照)の引火点を測定し、20℃以下のもの(危険物4類第1石油類に該当)を×、21℃以上のもの(危険物4類第2石油類に該当)を○と評価した。
試験結果を表1に示す。
Figure 2006282953

Claims (3)

  1. 多置換シクロヘキサン10〜95質量%および脂肪族アルコール2〜50質量%を含有する洗浄剤組成物。
  2. 多置換シクロヘキサン10〜95質量%、脂肪族アルコール2〜50質量%および脂肪酸エステル1〜40質量%を含有する洗浄剤組成物。
  3. 多置換シクロヘキサン10〜95質量%、脂肪族アルコール2〜50質量%およびグリコールエーテル1〜40質量%を含有する洗浄剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014118441A (ja) * 2012-12-13 2014-06-30 Three Bond Co Ltd 洗浄剤組成物

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