JP2006282992A - 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法およびエアバッグカバー - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物の製造方法およびエアバッグカバー Download PDF

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博 豊田
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Abstract

【課題】低温衝撃強度に優れたエアバッグカバー、及び該エアバッグカバーの製造に適した熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、以下の成分(A)10〜50重量%と、成分(B)20〜60重量%と、成分(C)20〜60重量%とを、架橋剤の存在下で動的に架橋する工程からなる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法(成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量%とする):
(A)密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150である油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム;
(B)密度が850〜910kg/m3であり、21.18Nの荷重下230℃で測定されるメルトフローレートが0.1〜80g/10分であるエチレン−α−オレフィン共重合体;および
(C)ポリプロピレン樹脂
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法、および該製造方法で製造される熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグカバーに関する。
エアバッグカバー(エアバッグを収納するためのカバー)に用いられる組成物として、以下の組成物が知られている:
1.(a)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)10〜120g/10分、エチレン含量2.0〜4.5重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体20〜60重量部と、(b)低密度ポリエチレン5〜40重量部と、(c)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)50〜120のエチレン系共重合体ゴム60〜20重量部とを含有してなるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(特許文献1);
2.(A)プロピレン系共重合体樹脂30〜70重量%と、(B)エチレン・炭素原子数4以上のα−オレフィン共重合体ゴム70〜30重量%とからなり、曲げ弾性率が100〜600MPa、線膨張係数が9×10-5cm/cm/℃以下の物性を示す熱可塑性エラストマー組成物(特許文献2);および
3.(A)プロピレン系共重合体樹脂と、(B)オレフィン共重合体ゴムと含有し、温度200℃、歪み速度25.1/秒での過渡応答測定における剪断応力(SS)に対する第一法線応力差(N1)の比(N1/SS)が0.6〜1.4であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。(特許文献3)
特開平8−27331号公報 特開平10−265628号公報 特開2001−279030号公報
しかしながら、上記組成物からなるエアバッグカバーはいずれも、低温衝撃強度が不十分である、という問題点を有する。
かかる状況のもと本発明の目的は、低温衝撃強度に優れたエアバッグカバー、及び該エアバッグカバーの製造に適した熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供することである。
本発明は少なくとも、以下の成分(A)10〜50重量%と、成分(B)20〜60重量%と、成分(C)20〜60重量%とを、架橋剤の存在下で動的に架橋する工程からなる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法である(成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量%とする):
(A)密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150である油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム;
(B)密度が850〜910kg/m3であり、21.18Nの荷重下230℃で測定されるメルトフローレートが0.1〜80g/10分であるエチレン−α−オレフィン共重合体;および
(C)ポリプロピレン樹脂。
本発明はまた、上記の製造方法で製造される熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグカバーである。
本発明により、低温衝撃強度に優れたエアバッグカバー、及び該エアバッグカバーの製造に適した熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供することができる。
成分(A)にかかる油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとは、軟化剤(「伸展油」とも呼ばれている)とエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとの混合物、すなわち、軟化剤で伸展されたエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを意味する。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムと軟化剤とを混合する方法として、(1)製品としてのエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム(市販品であってもよい)と軟化剤とを公知の混合機で混合する方法、および(2)エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムの製造における中間体としての該共重合体ゴムの溶液と軟化剤とを混合して混合物を製造し、次いで、該混合物中の溶媒を除去する方法、を例示することができる。成分(A)は市販品であってもよい。
該軟化剤として、パラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油およびアロマ系鉱物油のような鉱物油を例示することができる。中でも、パラフィン系鉱物油が好ましい。軟化剤の含有量は、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム100重量部あたり通常20〜200重量部、好ましくは40〜150重量部、更に好ましくは60〜110重量部である。該含有量が20重量部未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の流動性が悪くなることがある。該含有量が200重量部を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低くなる事がある。軟化剤の含有量はまた、成分(A)にかかる油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150である範囲であってもよい。
上記α−オレフィンは通常、炭素数3〜10のα−オレフィンである。α−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンのような直鎖状α−オレフィン;ならびに3−メチル−1−ブテンおよび3−メチル−1−ペンテンのような分岐状α−オレフィンを例示することができる。中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンが好ましい。
上記の非共役ジエンとして、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、および7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;ならびに、シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、および6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン、を例示することができる。中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンが好ましい。
上記の非共役ジエンは、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリテン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、および1,4,9−デカトリエンのようなトリエンと組合せて用いてもよい。該組合せを用いる場合、成分(A)にかかる共重合体ゴムは、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン−非共役トリエン共重合体ゴムである。
成分(A)にかかる油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとして、油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、油展エチレン−プロピレン−1−ブテン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、油展エチレン−1−ヘキセン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、油展エチレン−1−オクテン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、油展エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴム、および油展エチレン−1−ブテン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴムを例示することができる。中でも、油展エチレン−1−ブテン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴムが好ましい。
成分(A)のエチレン単位の含有量は、通常30〜90重量%、好ましくは35〜80重量%、より好ましくは40〜70重量%であり、α−オレフィン単位の含有量は、通常10〜70重量%、好ましくは20〜65重量%、より好ましくは30〜60重量%である(エチレン単位とα−オレフィン単位との合計を100重量%とする)。「エチレン単位」のような用語は、重合されたモノマーの単位を意味する。α−オレフィン単位の含有量が10重量%未満であったり、70重量%を越えたりすると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。エチレン単位の含有量およびα−オレフィン単位の含有量はそれぞれ、また、成分(A)にかかる油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムの密度が850〜900kg/m3である範囲であってもよい。
成分(A)の非共役ジエン単位の含有量(非共役ジエンと非共役トリエンとの組合せが用いられる場合は、両モノマー単位の合計含有量)は、製造される熱可塑性エラストマー組成物の耐久物性・耐熱性・低温強度・流動性の観点から、成分(A)にかかるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム(油展ゴムではない)のヨウ素価換算で、通常0.1〜40、好ましくは0.1〜30、より好ましくは0.1〜20である。ヨウ素が0.1未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の粘度のせん断速度依存性が弱くなり、その結果、流動性が悪くなる場合がある。ヨウ素が40を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低くなる場合がある。
成分(A)の密度は、JIS K7112に従いアニール無しで測定して、850〜900Kg/m3、好ましくは850〜890Kg/m3、より好ましくは850〜880Kg/m3である。密度が900Kg/m3を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。密度が850Kg/m3未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の高温強度が低下することがある。
成分(A)のムーニー粘度(ML1+4100℃)は、JIS K6300に従い100℃で測定して、30〜150、好ましくは40〜100、より好ましくは50〜80である。ムーニー粘度が150を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の流動性の低下や、該組成物からなる成形体の外観が悪化することがある。ムーニー粘度が30未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
成分(A)にかかるモノマーの重合方法として、公知のチーグラー・ナッタ系触媒または、メタロセン系錯体および非メタロセン系錯体のような公知の錯体系触媒を用いた、公知の、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法または気相重合法を例示することができる。
成分(B)にかかるエチレン−α−オレフィン共重合体は、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の柔軟性を高める観点から、好ましくは、エチレン単位30〜90重量%、好ましくは35〜80重量%、より好ましくは40〜70重量%と、炭素数3〜10のα−オレフィン単位10〜70重量%、好ましくは20〜65重量%、より好ましくは30〜60重量%とを含有する共重合体であって(両単位の合計を100重量%とする)、JIS K7121に従い昇温速度および降温速度が5℃/minの条件で測定して、100℃未満に融点を有する、又は融点が観察されない共重合体である。エチレン単位と、α−オレフィン単位はまた、成分(B)の密度が850〜910kg/m3である範囲で含有してもよい。該α−オレフィン単位の含有量が10重量%未満であったり、70重量%を越えたりすると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
上記α−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、および1−デセンのような直鎖状α−オレフィン;ならびに3−メチル−1−ブテンおよび3−メチル−1−ペンテンのような分岐状α−オレフィンを例示することができる。中でも、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンが好ましい。
成分(B)として、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、およびエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体を例示することができる。中でも、エチレン−1−ブテン共重合体またはエチレン−1−オクテン共重合体が好ましい。
成分(B)の密度は、JIS K7112に従いアニール無しで測定して、850〜910Kg850〜910kg/m3、好ましくは850〜880kg/m3、より好ましくは850〜870kg/m3である。密度が910Kg/m3を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
成分(B)のJIS K7210に従い21.18Nの荷重下230℃で測定されるメルトフローレートは、0.05〜80g/10分、好ましくは0.1〜40g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分である。メルトフローレートが0.05g/10分未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の流動性の低下や、該組成物からなる成形体の外観が悪化することがある。メルトフローレートが80g/10分を超えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
成分(B)にかかるモノマーの重合方法として、公知のチーグラー・ナッタ系触媒または、メタロセン系錯体および非メタロセン系錯体のような公知の錯体系触媒を用いた、公知の、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法または気相重合法を例示することができる。成分(B)は市販品であってもよい。
成分(C)とは、プロピレン単位の含有量が50重量%を超え100重量%以下である、JIS K7121に従い昇温速度および降温速度が5℃/minの条件で測定して、100℃以上に融点を有するプロピレンの単独重合体、または、100℃以上に融点を有する、プロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体もしくはブロック共重合体である。成分(C)は、該単独重合体、該ランダム共重合体および該ブロック共重合体の2以上の組合せであってもよい。
上記のランダム共重合体として、製造される熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性を高める観点から、(1)プロピレン単位の含有量が90〜99.5重量%でありエチレン単位の含有量が0.5〜10重量%であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(プロピレン単位とエチレン単位との合計を100重量%とする)、(2)プロピレン単位の含有量が90〜99重量%でありエチレン単位の含有量が0.5〜10重量%であり炭素数4〜10のα−オレフィン単位の含有量が0.5〜10重量%であるプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(プロピレン単位とエチレン単位とα−オレフィン単位との合計を100重量%とする)、または(3)プロピレン単位の含有量が90〜90.5重量%であり炭素数4〜10のα−オレフィン単位の含有量が0.5〜10重量%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(プロピレン単位とα−オレフィン単位との合計を100重量%とする)が好ましい。
上記のブロック共重合体とは、プロピレンの単独重合体またはプロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンとのランダム共重合体である第1重合体を製造する工程(1)と、第1重合体の存在下に、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンとのランダム共重合体である第2重合体を製造する工程(2)とからなる製造方法で製造され、第2重合体に含有されるプロピレン単位以外のモノマー単位の含有量(すなわち、エチレン単位の含有量、α−オレフィン単位の含有量、またはエチレン単位とα−オレフィン単位との含有量)が、第1重合体に含有されるプロピレン単位以外のモノマー単位の含有量より多い、第1重合体と第2重合体とからなる混合物であって、工程(1)と工程(2)とが逐次的に実施されるので当業者によって通常ブロック共重合体と呼ばれてはいるものの、ポリマー関係の教科書に記載されている、BBB−−−BBBSSS−−−SSS(BBB−−−BBBはブタジエン単位の連鎖を表わし、SSS−−−SSSはスチレン単位の連鎖を表わす)のような典型的なブロック共重合体ではない。つまり、第1重合体の末端と、第2重合体の末端とが共有結合で結合されたブロック共重合体ではない。
該ブロック共重合体は、製造される熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性を高める観点から、好ましくは、第1重合体に含有されるプロピレン単位以外のモノマー単位の含有量が0.5〜10重量%(第1重合体に含有される全てのモノマー単位の合計を100重量%とする)の共重合体、より好ましくは、第2重合体に含有されるプロピレン単位以外のモノマー単位の含有量が5〜50重量%(第2重合体に含有される全てのモノマー単位の合計を100重量%とする)の共重合体、さらに好ましくは、第2重合体の含有量が5〜70重量%(該ブロック共重合体の量を100重量%とする)の共重合体、である。
上記の炭素数4〜10のα−オレフィンとして、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンのような直鎖状α−オレフィン;3−メチル−1−ブテンおよび3−メチル−1−ペンテンのような分岐状α−オレフィン;ならびにこれらの2以上の組合せを例示することができる。中でも、エチレンが好ましい。
成分(C)の、JIS K7210に従い21.18Nの荷重下230℃で測定されるメルトフローレートは、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の外観を高める観点から、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは1g/10分以上であり、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度を高める観点から、好ましくは150g/10分以下、より好ましくは100g/10分以下である。
成分(C)にかかるモノマーの重合方法として、公知のチーグラー・ナッタ系触媒または、メタロセン系錯体および非メタロセン系錯体のような公知の錯体系触媒を用いた、公知の、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法または気相重合法を例示することができる。成分(C)は市販品であってもよい。
成分(C)として、プロピレンの単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、およびエチレン−プロピレン−ブテンブロック共重合体を例示することができる。中でも、プロピレンの単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体が好ましい。
成分(A)の量は10〜50重量%、好ましくは10〜45重量%、より好ましくは10〜40重量%であり、成分(B)の量は20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%、より好ましくは30〜50重量%であり、成分(C)の量は20〜60重量%、好ましくは25〜50重量%、より好ましくは30〜40重量%である(成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量%とする)。
成分(A)の量が10重量%未満であったり、成分(B)の量が20重量%未満であったりすると(つまり、成分(C)の量が60重量%を越えると)、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。成分(A)の量が50重量%を越えたり、成分(B)の量が60重量%を越えたりすると(つまり、成分(C)の量が20重量%未満であると)、製造される熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低下したり、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の外観が悪化することがある。
架橋剤として、有機過酸化物、硫黄化合物およびアルキルフェノール樹脂を例示することができる。中でも、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物として、公知の、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類、パーオキシジカーボネート類、およびパーオキシエステル類を例示することができる。具体的な有機過酸化物として、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパ−オキサイド、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、およびp−クロロベンゾイルパーオキサイド;ならびに、これらの2以上の組合せを例示することができる。
架橋剤の量は、成分(A)と(B)と(C)との合計を100重量部として、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.5重量部である。該量が0.01重量部未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低下することがある。該量が10重量部を超えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
架橋剤は、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度を改良するために、架橋助剤と組合せてもよい。好ましい架橋助剤は、2以上の二重結合を有する化合物である。架橋助剤として、N,N−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、およびジビニルベンゼン;ならびに、これらの2以上の組合せを例示することができる。
架橋助剤の量は、成分(A)と(B)と(C)との合計を100重量部として、好ましくは0.01〜10重量部である。該量が0.01重量部未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が良好でない場合がある。該量が10重量部を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度の改良効果が上がらない場合がある。
成分(A)〜(C)のいずれも、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の、金型からの脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性を改良するために、滑剤またはシリコーン化合物と組合せてもよい。該滑剤として、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、およびステアリルジエタノールアミド、ならびにこれらの2以上の組合せを例示することができる。中でも、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドまたはエルカ酸アミドが好ましい。
該滑剤の量は、上記の脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性の観点から、成分(A)と(B)と(C)との合計を100重量部として、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。該量が0.01重量部未満であると、脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性が悪くなる場合がある。該量が10重量部を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の表面に該滑剤が析出する場合がある。
上記のシリコーン化合物として、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、およびメチルハイドロジェンシリコーンのようなストレートシリコン;ならびに、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカトプ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、およびフッ素変性シリコーンのような変性シリコーン、を例示することができる。中でも、ストレートシリコーンが好ましい。該シリコーン化合物は、市販品であってもよい。該シリコーン化合物はまた、シリコーンオイル及び/又はシリコーンゴムを予めオレフィン系樹脂に高濃度に充填したマスターバッチでもよい。
該シリコーン化合物の量は、上記の脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性の観点から、成分(A)と(B)と(C)との合計を100重量部として、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。該量が0.01重量部未満であると、脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性が悪くなる場合がある。該量が10重量部を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の表面に艶むらが現れる場合がある。
また、成分(A)〜(C)のいずれも、無機フィラー(例えば、タルク、炭酸カルシウムおよび焼成カオリン)、有機フィラー(例えば、繊維、木粉およびセルロースパウダー)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、イオウ系、燐系、ラクトン系およびビタミン系)、耐候安定剤、紫外線吸収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、トリジアミン系、アニリド系およびベンゾフェノン系)、熱安定剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系およびベンゾエート系)、帯電防止剤、造核剤、顔料、吸着剤(例えば、酸化亜鉛や酸化マグネシウムのような金属酸化物)、金属塩化物(例えば、塩化鉄および塩化カルシウム)、ハイドロタルサイト、ならびにアルミン酸塩のような添加剤と組合せてもよい。該添加剤はまた、製造される熱可塑性エラストマー組成物と配合してもよい。
本発明における「動的に架橋する工程」とは、剪断応力下に架橋する工程を意味する。該工程で用いられる装置として、二軸押出機やバンバリーミキサーのような公知の装置を例示することができる。該工程として、(1)混練室容量16リッターのバンバリーミキサーにより、混練室温度160℃、ローター回転数60rpmで10分間溶融混練する工程、および(2)スクリュー径44mmの二軸押出機により、押出機温度200℃、スクリュー回転数200rpmで溶融混練する工程、を例示することができる。中でも、2軸押出機で、成分(A)を先に溶融し、次いで成分(B)および成分(C)を該2軸押出機に供給して溶融混練する工程が好ましい。
本発明の製造方法で製造される熱可塑性エラストマー組成物は、エアバッグカバーに好適である。本発明のエアバッグカバーは、本発明の製造方法で製造される熱可塑性エラストマー組成物を、射出成形法のような公知の成形方法で成形することによって製造される。該エアバッグカバーは、剛性が好ましくは100〜400MPaの熱可塑性エラストマー組成物からなる運転席用エアバッグカバーとして好適に用いられる。該エアバッグカバーはまた、剛性が好ましくは100〜200MPaの熱可塑性エラストマー組成物からなるメンブレンスイッチ付エアバッグ装置用のエアバッグカバーとして好適に用いられる。該メンブレンスイッチ付エアバッグ装置として、ホーンシステムのスイッチがメンブレンスイッチであり、該スイッチが運転席用エアバッグカバーと運転席用エアバッグとの間に設置、あるいは、該スイッチが運転席用エアバッグカバー内に設置されたエアバッグ装置を例示することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
住友化学社製の商品名がエスプレン670F、密度が880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が53である、油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(成分(A))(パラフィンオイルと該共重合体ゴムとを同重量含有する油展ゴムであって、該共重合体ゴムの、エチレン単位含有量は30重量%であってプロピレン単位含有量は70重量%であり(両単位の合計を100重量%とする)、ヨウ素価は11.5である)30重量%と、デゥポン・ダウ社製の商品名がEngage 8180、密度が863kg/cm3、JIS K7210に従い21.18Nの荷重下230℃で測定したメルトフローレートが0.5g/10分、エチレン単位含有量が58重量%で1−オクテン単位含有量が42重量%のエチレン−1−オクテン共重合体(成分(B))30重量%と、PSPC社製の商品名がマーレックスRLC−350、エチレン単位含有量が3.5%重量%でプロピレン単位含有量が96.5%重量%(両単位の合計を100重量%とする)、JIS K7210に従い21.18Nの荷重下230℃で測定したメルトフローレートが35g/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(成分(C))40重量%と(成分(A)と(B)と(C)との合計を100重量%とする)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(架橋助剤)0.13重量部(成分(A)と(B)と(C)との合計を100重量部とする)とを混練室内容量16Lのバンバリーミキサーで混練室温度100℃、ローター回転数68rpmで5分間溶融混練し、次いでペレット加工してペレットを製造した。
該ペレットをスクリュー軸径44mmの二軸押出機に投入し、該二軸押出機の途中から、成分(A)と(B)と(C)との合計を100重量部として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(架橋剤)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの2.2重量部を添加して(架橋剤として0.22重量部)、吐出量の合計が50kg/hr、スクリュー回転数250rpm、シリンダー温度200℃で動的に架橋し、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。
該熱可塑性エラストマー組成物を射出成形し、得られた成形体について、曲げ弾性率(120MPa)、Izod衝撃強度(破壊しなかった)、ヒートサグ(46mm)、流動長(594mm)およびメルトフローレート(9g/10分)の測定結果を得た。結果を表1に示す。
上記の曲げ弾性率は、JIS K7203に従って測定した。
上記のIzod衝撃強度は、JIS K6911に従い、−50℃で測定した。評価は
試験片の破壊状況を観察し下記の通り行った。
NB:破壊しなかった。
B :破壊した。
上記のヒートサグ(耐熱性の指標)は、JIS K7195に従い、120℃、2時間の条件で測定した。
上記の流動長(流動性の指標)は、以下の手順からなる方法で測定した:
(1)東芝機械社製の商品名がIS100−ENなる射出成形機(シリンダー温度は、HN(先端)が220℃、H3(シリンダー3)が220℃、H2(シリンダー2)が200℃、H1(シリンダー1)が190℃)と、厚みが2mmの楕円スパイラル金型(金型温度50℃。楕円・渦巻き状の金型に樹脂を射出成形し、樹脂がどれだけ流れるかにより樹脂の流動性を見るもの)とを用いて、116MPaの射出圧力で、熱可塑性エラストマー組成物を射出成形する;
(2)射出されたスパイラル状の成形体の長さを測定する;
(3)流動長=長さ/厚み(2mm)なる式から、流動長を算出する。
上記のメルトフローレートは、JIS K7210に従い、21.18Nの荷重下230℃で測定した。
実施例2
成分(A)の量を20重量%に、成分(B)の量を40重量%に、それぞれ変更したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例1
成分(A)を、住友化学社製の商品名がエスプレン673、密度が880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が76である油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(パラフィンオイル100重量部と該共重合体ゴム40重量部とを含有する油展ゴムであって、該共重合体ゴムの、エチレン単位含有量は70重量%であってプロピレン単位含有量は30重量%であり(両単位の合計を100重量%とする)、ヨウ素価は10である)に変更し、かつ量を60重量%に変更したこと、成分(B)を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例2
成分(A)を、デゥポン・ダウ社製の商品名がNodel 3722P、密度が880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が35のエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(エチレン単位含有量は70%重量%であってプロピレン単位含有量は30重量%であり(両単位の合計を100重量%とする)、ヨウ素価は1である)に変更し、かつ量を60重量%に変更したこと、成分(B)を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。















Figure 2006282992

Claims (11)

  1. 少なくとも、以下の成分(A)10〜50重量%と、成分(B)20〜60重量%と、成分(C)20〜60重量%とを、架橋剤の存在下で動的に架橋する工程からなる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法(成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量%とする):
    (A)密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150である油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム;
    (B)密度が850〜910kg/m3であり、21.18Nの荷重下230℃で測定されるメルトフローレートが0.05〜80g/10分であるエチレン−α−オレフィン共重合体;および
    (C)ポリプロピレン樹脂。
  2. 架橋剤が有機過酸化物である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  3. 油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが油展エチレン−1−ブテン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴムである請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  4. 油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが、エチレン単位とα−オレフィン単位との合計を100重量%として、エチレン単位30〜90重量%とα−オレフィン単位10〜70重量%とを含有し、0.1〜40のヨウ素価(非油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムのヨウ素)を有する油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムである請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  5. エチレン−α−オレフィン共重合体がエチレン−1−ブテン共重合体またはエチレン−1−オクテン共重合体である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  6. エチレン−α−オレフィン共重合体が、エチレン単位とα−オレフィン単位との合計を100重量%として、エチレン単位30〜90重量%とα−オレフィン単位10〜70重量%とを含有するエチレン−α−オレフィン共重合体である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  7. 成分(C)がプロピレンの単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体またはエチレン−プロピレンブロック共重合体である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  8. 動的に架橋する工程が、2軸押出機で、成分(A)を先に溶融し、次いで成分(B)および成分(C)を該2軸押出機に供給して溶融混練する工程である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  9. 請求項1記載の製造方法で製造される熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグカバー。
  10. エアバッグカバーが運転席用エアバッグカバーである請求項9記載のエアバッグカバー。
  11. エアバッグカバーがメンブレンスイッチ付きエアバッグ装置用のエアバッグカバーである請求項9記載のエアバッグカバー。
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