JP2006299631A - プレキャスト工法による変断面塔状構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】各プレキャスト筒状体は軸方向に同断面とした部材を用いながら全体として変断面の塔状構造物を構築する。
【解決手段】高さ方向に複数のプレキャスト筒状体5〜8毎にブロック分けB〜Bし、各ブロック内では部材軸方向に同断面のプレキャスト筒状体5〜8を使用する条件の下で積み上げるとともに、ブロック分けされた各境界部に、下段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ外径寸法とされるとともに、上段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ内径寸法とされる境界部プレキャスト筒状体9〜11を介在させることにより、高さ方向に段階的に徐々に外径寸法が縮小される変断面形状とし、前記境界部プレキャスト筒状体9〜11において、下段側プレキャスト筒状体側から延長されるPC鋼材14を該境界部プレキャスト筒状体9〜11の上面外周部に定着させ、上段側プレキャスト筒状体側に延長されるPC鋼材28をその下面内周部に定着させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、プレキャストコンクリート部材(以下、PCaコンクリートともいう。)を用いて構築された風力発電タワー等の変断面塔状構造物に関する。
近年、地球温暖化防止のため二酸化炭素ガスの排出抑制への行動が迫られているが、その中でクリーンな電力供給源として風力発電の導入が世界中で進んでいる。例えば、欧州風力エネルギー協会は2020年までに世界電力の12%を風力発電でまかなうことを目標に掲げ、一方日本では2010年までに300万kW(2000kWクラスの風車換算で1500基)導入という目標を掲げるなどしており(下記非特許文献6参照)、電力会社や官民の資本による風力発電の導入が今後も加速されていくものと考えられる。
ところで、前記風力発電タワーの構築にあたり、従来は鋼製タワーが一般的であったが、経済性の点で優れ、かつ高剛性で耐久性が高く、更に定期的なメンテナンスが不要なコンクリート製風力発電タワーは、今後多くの需要が期待されている。加えて、コンクリート製のプレキャスト部材を用いた工法(プレキャスト工法)を採用する場合には、急速施工の要請にも対応するものとなる。
例えば、下記特許文献1では、同径とされるプレキャストコンクリート製の円形セグメントをPC鋼棒で順次緊結しながら高さ方向に累重してタワーを構築する風力発電タワーの構造が開示されている。
また、下記特許文献2では、複数個のコンクリート製筒型セグメントを上下に積み重ねて接続し、前記複数個の筒型セグメントにポストテンション方式によるプレストレスを導入することにより前記筒型セグメント群を一体化したプレキャストコンクリート製の風車支持タワーが開示されている。なお、同文献に示されるタワーは、図示例では高さ方向にテーパー状に断面寸法が縮小された変断面形状となっている。
さらに、下記特許文献3では、同一断面形状のコンクリート中空筒体を多数積重し、プレストレストを導入することにより一体化を図りタワー本体を構築するとともに、タワー本体の基底部外周にプレテンション方式のコンクリート補強ブロック(例えばT型のブロック)を設けて基部の補強を図ったコンクリート製の風力発電タワーの構造が開示されている。
以下、下記特許文献4では、鋼管部と、該鋼管部の外面を被覆するプレキャストコンクリート部とからなる筒体ユニットを、上下方向に同心的に積層・連結するとともに、前記鋼管部が上下方向に接合されてなる塔状構造物が開示されている。かかる塔状構造物では、上下方向に積層される前記筒体ユニットの外径寸法を段階的に小さくすることにより(内径寸法は高さ方向に同一)、コンクリート自重の軽減が図られている。
下記特許文献5では、可変自在型枠を用いて、上部側に行くに従って漸次テーパー状に断面寸法が縮小される変断面プレキャスト成形体をブロック毎に工場等で製作し、これら変断面プレキャスト成形体を高さ方向に積み上げることにより、高さ方向に直線的に断面寸法が縮小する風力発電タワーを構築することが図示されている(同文献図3参照)。
実用新案登録第3074144号 特開2000−283019公報 特開2002−122066公報 特開2004−19306公報 特開2005−30066公報 牛山、"風力発電実用化時代を迎えて"、Civil Engineering Journal 2004.8、平成16年8月、p.7-11
上記特許文献1〜5記載のタワー構造は、いずれもプレキャストコンクリート製タワーとすることによるメリット、すなわち経済性、高剛性・耐久性などの構造特性、メンテナンス性、プレキャスト化による急速施工等の要求を満たすものである。
ところで、風力発電タワーは、風車部重量による作用力はもとより、自重、風荷重、地震時荷重等の外力に対して十分な構造的耐力を有するように断面が決定されるが、タワーに作用する断面力(特に鉛直力及び曲げモーメント)は、相対的に基部側が大きく上端側が小さくなるため、タワーの断面形状は上側に行くに従って徐々に断面を縮小させた形状にすると、基部断面力の低減が図れ構造的に有利となるとともに、基礎構造の縮小化やプレキャストコンクリート部材の製作費を削減でき、タワーを低コストで構築できるようになる。
このような視点から検討すると、上記特許文献1記載のタワー構造は、高さ方向に等断面の、プレキャストコンクリート製セグメントを用いるものであり、基部断面力の低減が図れず構造的に不利であるとともに、プレキャストコンクリート部材の製作コストの低減が図れない。
上記特許文献2記載の風車タワー構造は、タワー形状が高さ方向に漸次断面寸法が縮小された変断面形状となっている点で構造的に優れているものの、積み重ねる筒型セグメント毎に断面寸法が異なることとなり、個々の筒型セグメントを製作するための型枠費が嵩むためセグメント製作費が逆に増大してしまう。
上記特許文献3記載の風力発電タワー構造は、同一断面形状のコンクリート中空筒体を用い、基部のみを補強ブロックで補強するものであり、基部断面力の低減が図れ構造的に有利となるとともに、基礎構造の縮小化やプレキャストコンクリート部材の製作費を削減できるようになるが、タワー本体の工事とは別に前記補強ブロックの取付工事を必要とするため、この補強工事分の製作費、施工費が余計に掛かるとともに、工期が延びることになる。
上記特許文献4記載の塔状構造物は、高さ方向に変断面形状の塔形状を成すものであるが、筒体ユニット間の接合は鋼管部同士を溶接によって接合するものである。従って、前記鋼管部分で曲げモーメントによる引張り応力を負担する構造となるため、鋼管の継ぎ手は完全溶け込み溶接が必要となり、溶接の品質管理が十分にできないなどの問題がある。また、同文献では、PC鋼棒をプレキャストブロック断面内に通してプレストレスを導入することが示唆されているが[段落0017参照]、この場合は各筒体ユニットの内径を高さ方向に同一にしなければならず、筒体ユニットの縮小化(軽量化)が図れず、基礎構造の縮小化やプレキャストコンクリート部材の製作費を削減できない。
上記特許文献5記載の風力発電タワーは、変断面プレキャスト成形体を製造するのに特定の型枠装置を用いることで、型枠数の低減を図り製作コストの低減を図るものであるが、例えば工場で遠心成形する中空のプレキャスト鉄筋コンクリート製品と比べると、やはり製作費が嵩むことになる。
そこで本発明の主たる課題は、各プレキャスト筒状体は軸方向にほぼ同断面とした部材を用いながら全体として変断面の塔状構造物を構築するとともに、各プレキャスト筒状体の軽量化および低廉化を図り得るプレキャスト工法による変断面塔状構造物を提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、コンクリート製のプレキャスト筒状体を高さ方向に複数積み上げ、各プレキャスト筒状体をPC鋼材により緊結し一体化を図った塔状構造物において、
前記塔状構造物を高さ方向に、1又は複数のプレキャスト筒状体毎にブロック分けし、各ブロック内では部材軸方向に同外径断面のプレキャスト筒状体を使用する条件の下で前記プレキャスト筒状体を積み上げ、高さ方向に段階的に外径寸法が縮小される変断面形状とするとともに、ブロック分けされた各境界部に、下段側プレキャスト筒状体側から延長されるPC鋼材を上面外周部に定着させるとともに、上段側プレキャスト筒状体側に延長されるPC鋼材を下面内周部に定着させる境界部プレキャスト筒状体を介在させたことを特徴とするプレキャスト工法による変断面塔状構造物が提供される。
上記請求項1記載の本発明では、先ず前記塔状構造物を高さ方向に、1又は複数のプレキャスト筒状体毎にブロック分けし、各ブロック内では部材軸方向に同外径断面のプレキャスト筒状体を使用する条件の下で前記プレキャスト筒状体を積み上げることにより、高さ方向に段階的に外径寸法が縮小される変断面形状とするとともに、断面が変化する境界部分に、下段側プレキャスト筒状体側から延長されるPC鋼材を上面外周部に定着させるとともに、上段側プレキャスト筒状体側に延長されるPC鋼材を下面内周部に定着させる境界部プレキャスト筒状体を介在させることにより、構造物としての応力の連続性や施工の連続性を確保するものである。
各ブロック内では、軸方向に同断面のプレキャスト筒状体を用いるようにしているため、製作に際し型枠の共通化や遠心成形によって製造されるプレキャスト筒状体が使用可能となることにより製作コストを低減できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記境界部プレキャスト筒状体において、外周側に配置されるPC鋼材と、内周側に配置されるPC鋼材とは千鳥状配置としてある請求項1記載のプレキャスト工法による変断面塔状構造物が提供される。
上記請求項2記載の発明においては、前記境界部プレキャスト筒状体において、外周側に配置されるPC鋼材と、内周側に配置されるPC鋼材とは千鳥状配置とすることにより緊張応力を周方向に均等化できるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記PC鋼材は、全長に亘り前記プレキャスト筒状体の躯体内に配設されたインナーケーブル型とし、前記境界部プレキャスト筒状体は、下段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ外径寸法とするとともに、上段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ内径寸法とする請求項1、2いずれかに記載のプレキャスト工法による変断面塔状構造物が提供される。
上記請求項3記載の本発明では、PC鋼材は、全長に亘り前記プレキャスト筒状体の躯体内に配設されたインナーケーブル型とするものであり、この場合は、前記境界部プレキャスト筒状体は、下段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ外径寸法とするとともに、上段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ内径寸法とする。前記境界部プレキャスト筒状体によって、下段側に延長されるPC鋼材及び上段側に延長されるPC鋼材のそれぞれを定着するための壁厚を過不足なく確保することができ、下段側のプレキャスト筒状体及び上段側のプレキャスト筒状体はそれぞれ構造上必要な断面寸法で設計することが可能となるとともに、断面変化部の応力の流れを連続化することができる。
請求項4に係る本発明として、前記PC鋼材は、定着部及びその近傍以外の中間部をプレキャスト筒状体の躯体外に露出させたアウトケーブル型とし、少なくとも各境界部プレキャスト筒状体と上下に隣接するプレキャスト筒状体については、前記PC鋼材が躯体内を挿通するようにプレキャスト筒状体の内壁側に増厚されたケーブル挿通躯体部を有する断面形状としてある請求項1、2いずれかに記載のプレキャスト工法による変断面塔状構造物が提供される。
上記請求項4記載の本発明では、PC鋼材は定着部及びその近傍以外の中間部をプレキャスト筒状体の躯体外に露出させたアウトケーブル型とするものであり、この場合は、境界部プレキャスト筒状体と、上下に隣接するプレキャスト筒状体とを結合するため、少なくとも前記上下に隣接するプレキャスト筒状体については、PC鋼材が躯体内を挿通するようにプレキャスト筒状体の内壁側に増厚されたケーブル挿通躯体部を有する断面形状とする。
請求項5に係る本発明として、前記境界部プレキャスト筒状体において、上段側プレキャスト筒状体側に延長されるPC鋼材としてアンボンドPC鋼材を予め埋設してある請求項1〜4いずれかに記載のプレキャスト工法による変断面塔状構造物が提供される。
上記請求項5記載の本発明は、前記境界部プレキャスト筒状体において、上段側プレキャスト筒状体側に延長されるPC鋼材として、アンボンドPC鋼材を予め埋設しておくことにより、施工の効率化を図れるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、各プレキャスト筒状体は軸方向にほぼ同断面とした部材を用いながら全体として変断面の塔状構造物を構築することができる。この際、各変断面境界部に、下段側プレキャスト筒状体側から延長されるPC鋼材を上面外周部に定着させるとともに、上段側プレキャスト筒状体側に延長されるPC鋼材を下面内周部に定着させる境界部プレキャスト筒状体を介在させるようにしたため、構造体としての連続性を確保することができる。
また、前記境界部プレキャスト筒状体は、下段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ外径寸法とするとともに、上段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ内径寸法とすることにより、下段側方向及び上段側方向に延長される各PC鋼材を定着するための壁厚を過不足なく確保することができ、下段側のプレキャスト筒状体及び上段側のプレキャスト筒状体はそれぞれ構造上必要な断面寸法で設計可能となるため、各プレキャスト筒状体の軽量化および低廉化を図り得るようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は風力発電設備1の正面図、図2はタワー4のプレキャスト筒状体5〜8の縦断面図、平面図及び底面図であり、図3は接合部拡大縦断面図、図4は境界部プレキャスト筒状体9〜11の縦断面図、平面図及び底面図である。
風力発電設備1は、風を受け回転する回転翼2と、発電設備及びその制御設備を有するナセル3と、前記回転翼2及びナセル3を支持するタワー4(塔状構造物)からなる。
前記タワー4は、基礎部12とナセル3の結合部13との間を、高さ方向に1又は複数の、図示例では2〜3のプレキャスト筒状体5〜8毎にブロック分けB〜Bし、各ブロックB〜B内では部材軸方向に同断面のプレキャスト筒状体5〜8を使用する条件の下で、前記プレキャスト筒状体5〜8を積み上げるとともに、ブロック分けされた各境界部に境界部プレキャスト筒状体9〜11を介在させることにより、高さ方向に段階的に外径寸法が徐々に縮小される変断面形状としたものである。
前記プレキャスト筒状体5〜8は、図2に示されるように、軸方向に同一断面とされる円形筒状のプレキャスト部材であり、それぞれが同一の型枠を用いて製作されるか、遠心成形により製造された中空プレキャスト部材が用いられる。
壁面内には鉄筋20の他、周方向に適宜の間隔でPC鋼棒14を挿通するためのシース21、21…が埋設されている。このシース21、21…の下端部にはPC鋼棒14同士を連結するためのカップラーを挿入可能とするためにシース拡径部21aが形成されているとともに、上部には定着用アンカープレートを嵌設するための箱抜き部22が形成されている。また、上面には吊り金具23が複数設けられている。
プレキャスト筒状体5〜8同士の緊結は、図3(A)に示されるように、下段側プレキャスト筒状体5〜8から上方に延長されたPC鋼棒14、14…をシース21、21…に挿通させながらプレキャスト筒状体5〜8を積み重ねたならば、アンカープレート24を箱抜き部22に嵌設し、ナット部材25によりPC鋼棒14に張力を導入し一体化を図る。また、グラウト注入孔27からグラウト材をシース21内に注入する。なお、前記アンカープレート24に形成された孔24aはグラウト注入確認孔であり、該確認孔からグラウト材が吐出されたことをもってグラウト材の充填を終了する。
次に、図3(B)に示されるように、PC鋼棒14の突出部に対してカップラー26を螺合し、上段側のPC鋼棒14、14…を連結したならば、上段となるプレキャスト筒状体5〜8のシース21、21…に前記PC鋼棒14、14…を挿通させながら積み重ね、前記要領によりPC鋼棒14の定着を図る手順を順次繰り返すことにより高さ方向に積み上げられる。この際、下段側プレキャスト筒状体と上段側プレキャスト筒状体との接合面には止水性確保及び合わせ面の接合のためにエポキシ樹脂系などの接着剤15やシール材が塗布される。
一方、前記境界部プレキャスト筒状体9〜11は、図4に示されるように、前記プレキャスト筒状体5〜8と同様に、部材軸方向に同一断面とされる筒状のプレキャスト部材であり、それぞれの同一の型枠を用いて製作されるか、遠心成形により製造された中空プレキャスト部材が用いられるが、下段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ外径寸法とされるとともに、上段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ内径寸法とされる断面形状を成す。
壁面内には鉄筋20の他、相対的に外周側には周方向に適宜の間隔でPC鋼棒を挿通するためのシース21、21…が埋設されている。このシース21、21…の下端部はシース拡径部21aが形成されているとともに、上部には定着用アンカープレートを嵌設するための箱抜き部22が形成されている。また、上面には吊り金具(図示せず)が複数設けられている。
また、壁面の相対的に内周側には、周方向に適宜の間隔で、境界部プレキャスト筒状体9(10〜11)の下面側にアンカープレート30及びナット29により定着されたアンボンドPC鋼棒28、28…が予め埋設されている。このアンボンドPC鋼棒28の上端は境界部プレキャスト筒状体9(10〜11)の上面から突出して形成されている。また、前記外周側のシース21、21…の位置と、前記アンボンドPC鋼棒28、28…との配置は緊張応力の均等化を図るために千鳥状配置とされる。
前記境界部プレキャスト筒状体9(10、11)と、下段側プレキャスト筒状体5(6、7)と、上段側プレキャスト筒状体6(7、8)との緊結部構造は、下段側プレキャスト筒状体5(6、7)側から延長されるPC鋼材14を該境界部プレキャスト筒状体9(10、11)の上面外周部に定着させるとともに、上段側プレキャスト筒状体6(7、8)側に延びるPC鋼材(アンボンドPC鋼棒28)を該境界部プレキャスト筒状体9(10、11)の下面内周部に定着させるようにする。
具体的には図5に示されるように(代表的に境界部プレキャスト筒状体9で説明)、下段側のプレキャスト筒状体5から上方に延長されたPC鋼棒14、14…をシース21、21…に挿通させながら境界部プレキャスト筒状体9を積み重ねたならば、アンカープレート24を箱抜き部22に嵌設し、ナット部材25によりPC鋼棒14、14…に緊張力を導入し一体化を図る。この際、プレキャスト筒状体5、9同士の合わせ面には接着剤15又はシール材を塗布し、緊張導入力は断面作用力に対して常時ではフルプレストレスになるようにし、暴風時及び地震時等はパーシャルプレストレスとする。また、グラウト注入孔32からグラウト材をシース21内に注入するとともに、露出するナット25部にはキャップ材31を被せ、内部に防錆処理のためグリース等を充填する。
次に、アンボンドPC鋼棒28の上端部にカップラー33を螺合し、上段側のPC鋼棒14、14…を連結したならば、プレキャスト筒状体6のシース21、21…に前記PC鋼棒14、14…を挿通させながら積み重ね、前述した要領によりPC鋼棒14の定着を図り、上段側のプレキャスト筒状体6を境界部プレキャスト筒状体9に対して一体的に結合する。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、断面縮小部となる各境界部プレキャスト筒状体9(10、11)において、階段状の段部を形成するようにしたが、前記境界部プレキャスト筒状体9(10、11)において、外観的にテーパー状に外径寸法を縮小させることもできる。図6(A)(B)はその場合の構造例を示したものである。先ず、図6(A)は、上段側に載荷されるプレキャスト塔状体6'(7'、8')として、内径寸法は同じとしながら、外径寸法を上側に行くに従って漸次縮小させた断面形状としたものである。この場合は、下段PC鋼棒14の定着部に対応する部位に箱抜き部6a(7a、8a)を形成しておき、防錆処理のためグリース等を充填した状態で設置するようにする。
次いで、図6(B)に示される例は、上段側に載荷されるプレキャスト塔状体6'(7'、8')として、内径寸法は同じとしながら、外径寸法を上側に行くに従って漸次縮小させた断面形状とするとともに、下段側PC鋼棒14の定着部位に平面視で例えばU字状の切欠き6b(7b、8b)を形成したものである。この場合は、露出するナット25部にはキャップ材31を被せ、内部に防錆処理のためグリース等を充填するようにする。
(2)上記形態例では、各PC鋼棒14、28はすべてプレキャスト筒状体5〜8の躯体内に設置したインナータイプの例を示したが、図7に示されるように、定着部以外ではプレキャスト筒状体5〜8の躯体から内側に出して配置したアウタータイプとすることも可能である。この場合も上記インナータイプと同様に、各境界部プレキャスト筒状体9(10、11)において、下段側プレキャスト筒状体側5(6、7)から延長されるPC鋼材14を該境界部プレキャスト筒状体9(10、11)の上面外周部に定着させるとともに、上段側プレキャスト筒状体側6(7、8)に延長されるPC鋼材14を該境界部プレキャスト筒状体9(10、11)の下面内周部に定着させるようにすればよいが、境界部プレキャスト筒状体9、10、11と隣接するプレキャスト筒状体6、7、8(5、6、7)との間で結合が図れないとともに、せん断耐力が確保できないおそれがあるため、各境界部プレキャスト筒状体9、10、11と上下に隣接するプレキャスト筒状体6、7、8(5、6、7)については、PC鋼材14が躯体内を挿通するように、プレキャスト筒状体6、7、8(5、6、7)の内壁側に増厚されたケーブル挿通躯体部34を有する断面形状とするのが望ましい。また、同断面のプレキャスト筒状体5〜8同士の接合部ではPC鋼材14によるせん断耐力が期待できないため、鉄筋等を境界部を跨ぐように配置するか、凹凸によるせん断キーを設けるようにするのが望ましい。
(3)上記形態例では、塔断面が円形の場合について述べたが、塔断面が多角形状や楕円形状等、任意の断面形状に対して本発明は適用が可能である。
(4)上記形態例では、境界部プレキャスト筒状体9(10、11)に予めアンボンドPC鋼棒28を埋設したが、他と同様にシース21を埋設しておき、PC鋼棒14を挿通し定着するようにしてもよい。
本発明は、風力発電のタワーに対して好適とされるが、橋梁の橋脚構造や煙突などの塔状構造物に対しても適用が可能である。
風力発電設備1の正面図である。 タワー4のプレキャスト筒状体5〜8を示す、(A)は縦断面図、(B)は平面図(B-B線矢視図)、(C)は底面図(C-C線矢視図)である。 プレキャスト筒状体5(6、7、8)の緊結要領図である。 境界部プレキャスト筒状体9(10、11)を示す、(A)は縦断面図、(B)は平面図(B-B線矢視図)、(C)は底面図(C-C線矢視図)である。 境界部プレキャスト筒状体9(10、11)の緊結部構造を示す拡大縦断面図である。 (A)(B)は共に、境界部プレキャスト筒状体との接合例を示す縦断面図である。 PC鋼棒をアウタータイプで配置した場合の要部縦断面図である。
符号の説明
1…風力発電設備、2…回転翼、3…ナセル、4…タワー、5〜8…プレキャスト筒状体、9〜11…境界部プレキャスト筒状体、14…PC鋼棒、21…シース、21a…シース拡径部、24…アンカープレート、25…ナット、33…カップラー、28…アンボンドPC鋼棒

Claims (5)

  1. コンクリート製のプレキャスト筒状体を高さ方向に複数積み上げ、各プレキャスト筒状体をPC鋼材により緊結し一体化を図った塔状構造物において、
    前記塔状構造物を高さ方向に、1又は複数のプレキャスト筒状体毎にブロック分けし、各ブロック内では部材軸方向に同外径断面のプレキャスト筒状体を使用する条件の下で前記プレキャスト筒状体を積み上げ、高さ方向に段階的に外径寸法が縮小される変断面形状とするとともに、ブロック分けされた各境界部に、下段側プレキャスト筒状体側から延長されるPC鋼材を上面外周部に定着させるとともに、上段側プレキャスト筒状体側に延長されるPC鋼材を下面内周部に定着させる境界部プレキャスト筒状体を介在させたことを特徴とするプレキャスト工法による変断面塔状構造物。
  2. 前記境界部プレキャスト筒状体において、外周側に配置されるPC鋼材と、内周側に配置されるPC鋼材とは千鳥状配置としてある請求項1記載のプレキャスト工法による変断面塔状構造物。
  3. 前記PC鋼材は、全長に亘り前記プレキャスト筒状体の躯体内に配設されたインナーケーブル型とし、前記境界部プレキャスト筒状体は、下段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ外径寸法とするとともに、上段側プレキャスト筒状体とほぼ同じ内径寸法とする請求項1、2いずれかに記載のプレキャスト工法による変断面塔状構造物。
  4. 前記PC鋼材は、定着部及びその近傍以外の中間部をプレキャスト筒状体の躯体外に露出させたアウトケーブル型とし、少なくとも各境界部プレキャスト筒状体と上下に隣接するプレキャスト筒状体については、前記PC鋼材が躯体内を挿通するようにプレキャスト筒状体の内壁側に増厚されたケーブル挿通躯体部を有する断面形状としてある請求項1、2いずれかに記載のプレキャスト工法による変断面塔状構造物。
  5. 前記境界部プレキャスト筒状体において、上段側プレキャスト筒状体側に延長されるPC鋼材としてアンボンドPC鋼材を予め埋設してある請求項1〜4いずれかに記載のプレキャスト工法による変断面塔状構造物。
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