JP2006306465A - 外装袋と、それを用いたアルカリ性薬液充填容器収容体およびアルカリ性薬液充填容器の保管方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 炭酸ガスバリア層3を有する多層プラスチックフィルム1からなる外装袋であって、多層プラスチックフィルム1のうち炭酸ガスバリア層3よりも内側面側iの層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層2である外装袋に、プラスチック製容器と前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液とからなるアルカリ性薬液充填容器を収容して、密封する。
【選択図】 図1
Description
また、薬液の保管に用いられるプラスチック製容器には、薬液に対する安全性が確立され、しかも、低価格の汎用ポリオレフィン系プラスチックが広く用いられている。
そこで、アルカリ性薬液は、例えば、プラスチック製容器に充填、密封された後、さらに、ガスバリア性を有する外装袋に収容、密封されて、空気中の二酸化炭素の影響を受けないようにして保管されている(特許文献1〜4参照)。
このような濁りは、例えば、アルカリ性薬液が、ガスバリア性を有するプラスチック製容器に充填、密封されて、保管された場合には、その発生が認められなくなるか、あるいは、発生量が極めて少なくなるものの、一般に、ガスバリア性を有するプラスチックは材料コストが高く、しかも、薬液と直接に接触する用途に用いるためには、ポリオレフィン系プラスチックなどとの積層体にする必要があることから、薬液容器の製造コストも高くつくという難点がある。
(1) アルカリ性薬液が充填、密封されたプラスチック製薬液容器を収容、密封するための外装袋であって、炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなり、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層であることを特徴とする、外装袋、
(2) プラスチック製容器および前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液からなるアルカリ性薬液充填容器と、前記アルカリ性薬液充填容器が収容、密封される外装袋と、を備え、前記外装袋は、炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなり、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層であることを特徴とする、アルカリ性薬液充填容器収容体、
(3) 前記アルカリ性薬液のpHが、7.5〜13であることを特徴とする、前記(2)に記載のアルカリ性薬液充填容器収容体、
(4) 前記プラスチック製容器が、ポリオレフィンからなる容器であることを特徴とする、前記(2)または(3)に記載のアルカリ性薬液充填容器収容体、
(5) 炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなる外装袋であって、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層である外装袋に、プラスチック製容器と前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液とからなるアルカリ性薬液充填容器を収容して、密封することを特徴とする、アルカリ性薬液充填容器の保管方法、
を提供するものである。
炭酸ガスバリア層3としては、これに限定されないが、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層、ポリビニルアルコールからなる層、無機酸化物の蒸着膜を有するプラスチックフィルム(以下、「蒸着フィルム」という。)、アルミニウムが積層された多層プラスチックフィルム(以下、「アルミラミネートフィルム」という。)などが挙げられる。
上記蒸着フィルムのフィルム基材としては、特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。これらフィルム基材は、延伸処理が施されたものであることが好ましい。フィルム基材の延伸処理は、1軸延伸であっても、2軸延伸であってもよい。なお、フィルム基材が延伸処理されたものであるときは、フィルム基材の耐ピンホール性、強度、蒸着処理時の耐熱性、表面の平滑性などを、より一層向上させることができる。
上記の高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層は、外装袋の内側面iを形成する層であることから、外装袋を袋体として成形するために、シール性を有していることが必要である。なお、炭酸ガスバリア層3の形成材料は、通常、シール性が乏しい材料であることから、外装袋の内側面iに十分なシール性を付与させるためにも、シール層2は、多層プラスチックフィルム1の必須の構成要素である。
シール層2を形成するプラスチックは、上記例示のなかでも特に、シール性の観点から、ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンは、上記例示のものを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。より好ましくは、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィンコポリマー、ポリプロピレンが挙げられ、さらに好ましくは、ポリエチレンが挙げられる。また、ポリエチレンについて、その分子鎖の形状や密度については、特に限定されないが、特に好ましくは、直鎖状の低密度ポリエチレンが挙げられる。
保護層4を形成するプラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。上記ポリオレフィン、ポリエステルおよびポリアミドとしては、それぞれ、上記したのと同じものが挙げられる。
上記外装袋は、上述のとおり、炭酸ガスバリア性を有するものである。上記外装袋の炭酸ガスバリア性の程度としては、例えば、炭酸ガス透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、好ましくは、10cm3/m2・24h・atm以下であり、より好ましくは、1cm3/m2・24h・atm以下である。
本発明のアルカリ性薬液充填容器収容体は、アルカリ性薬液充填容器と、上記アルカリ性薬液充填容器を収容、密封するための外装袋とを備えている。
上記外装袋は、上述の、炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなる外装袋である。
上記プラスチック製薬液容器の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、薬液バッグなどのような、可撓性および柔軟性に優れた袋状の薬液容器であってもよく、また、例えば、プラスチックアンプル、薬液ボトルなどのような、可撓性および柔軟性を有しつつ、それ自身で容器形状を維持し得る強度を備えた薬液容器であってもよい。また、上記薬液バッグなどの袋状の薬液容器は、単室の薬液バッグであってもよく、易剥離シール部で区画された複数の収容室を有する、いわゆる複室バッグであってもよい。
上記プラスチック製薬液容器を形成するプラスチックは、特に限定されるものではなく、また、ガス透過性を有するプラスチックであってもよく、ガスバリア性を有するプラスチックであってもよい。しかし、アルカリ性薬液充填容器のコストを抑制するという本発明の目的に鑑みて、低価格かつ汎用のポリオレフィンであることが好ましい。また、ポリオレフィンは、上述のとおり、薬液に対する安全性が確立されていることから、アルカリ性薬液を充填、密封させる用途にも好適である。
また、ポリエチレンの分子鎖の形状や密度については、特に限定されないが、特に好ましくは、直鎖状の低密度ポリエチレンが挙げられる。
アルカリ性薬剤としては、特に限定されないが、例えば、アシクロビル液剤、重炭酸塩を含有する液剤などが挙げられる。
重炭酸塩を含有する液剤には、pHを調整する目的で、上記塩基性物質や上記酸性物質を配合させることができる。また、重炭酸塩を含有する液剤の安定性を向上させる目的で、医薬的に許容される安定化剤、抗酸化剤などを配合させることができる。
アルカリ性薬剤のpHは、特に限定されないが、好ましくは、7.5〜13であり、より好ましくは、8.5〜13であり、さらに好ましくは、9〜12である。pHが7.5を下回るときは、アルカリ性薬剤のアルカリ性の程度が低く、中性(または酸性)に近づくことから、そもそも、薬液中に濁りを生じるという不具合は観察されない。なお、一般に、薬剤として適当なpHは13以下である。
本発明のアルカリ性薬液充填容器の保管方法は、上記外装袋に、上記アルカリ性薬液充填容器を収容して、密封することを特徴とする。
上記外装袋へのアルカリ性薬液充填容器の収容および密封処理については、特に限定されるものではなく、従来の、薬液が充填された薬液容器(一次容器)を外装袋(二次容器)に収容させて、密封する処理と同様にして処理すればよい。
<実施例1>
(1) 外装袋1の製造
厚さ30μmの延伸ポリプロピレンフィルム(保護層4)、厚さ12μmの蒸着フィルム(ポリエチレンテレフタレートからなるフィルム基材上にアルミナが蒸着されたもの。商品名「GL−AE」、凸版印刷(株)製;炭酸ガスバリア層3)、および、厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(商品名「ウルトゼックス(登録商標)2022」、三井化学(株)製;シール層2)を、この順に積層して、ドライラミネーションにより、総厚み102μmである略矩形状の多層プラスチックフィルム1を得た(図1参照)。上記直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(「ウルトゼックス(登録商標)2022」;シール層2)は、高級脂肪酸およびその塩類を含有していないものである。
(2) アシクロビル液剤の調製
注射液用の生理食塩水約950mLの液温を80℃に調製して、窒素置換した後、この生理食塩水を撹拌しながら、水酸化ナトリウム0.55gを配合して溶解させ、さらに、アシクロビル2.5gを配合して溶解させた。次いで、得られた溶液を60℃に冷却して、撹拌しながら、塩化ナトリウム9g、クエン酸ナトリウム0.3gおよび亜硫酸水素ナトリウム0.1gを配合して、溶解させた。次に、得られた溶液を40℃に冷却して、1モル/Lの塩酸1.19mLを配合し、さらに、注射液用の生理食塩水を配合して、全体の液量が1Lとなるように調整して、撹拌することにより、アシクロビル液剤を得た。得られたアシクロビル液剤のpHは10.8であった。
厚さ220μmのポリエチレンフィルム(略矩形状)を2枚重ね合わせて、さらに、ポリプロピレン製の口部材(イソプレンゴム製の栓体を有するもの。)を、上記栓体部分を開放させた状態で、上記ポリエチレンフィルムの周縁部に固定して、上記周縁部をヒートシールすることにより、単室の輸液バッグ(プラスチック製薬液容器;内寸:縦・横各125mm)を作製した。
(4) アルカリ性薬液充填容器収容体の製造および性能評価
上記(1)で得られた外装袋に、上記(3)において滅菌処理が施されたアルカリ性薬液充填容器を収容して、上記外装袋を密封することにより、アルカリ性薬液充填容器収容体を得た。
また、輸液バッグを十分に振蘯させた後、輸液バッグに収容されているアシクロビル液剤100mLを分液ロートに移して、蒸留n−ヘキサン50mLでアシクロビル液剤中の油溶性成分を抽出する操作を計3回繰り返し、その後、抽出液を濃縮、乾固させた。さらに、乾固された残渣にn−ヘキサン2mLを加えて、これを溶出物の検体とした。得られた検体について、下記の条件でガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)により分析することにより、溶出成分を定性および定量分析した。
キャリア:ヘリウム、流速1.2mL/分、定速流、100℃
カラム:商品名「UA−1」(F−LAB社製)、30m×0.25mm×0.25μm
注入:Plused Splitless、3μL、入口温度300℃
オーブン:100℃(3分間)、昇温10℃/分、320℃(10分間)
検出器:MSD(320℃)、検出限界濃度:C16 >2ppm、C18 3ppm
なお、検出したフラグメントイオンは、次のとおりである。
・パルミチン酸:M/Z=(M+256),239,227,213,199,185,171,157,143,129,115,97,83,73,60,43
・ステアリン酸:M/Z=(M+284),255,241,227,213,199,185,171,157,143,129,115,97,83,73,60,43
<比較例1>
外装袋を形成する多層プラスチックフィルムのうち、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(「ウルトゼックス(登録商標)2022」)に代えて、厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(商品名「ウルトゼックス(登録商標)2021L」、三井化学(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、外装袋を製造した。上記の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(「ウルトゼックス(登録商標)2021L」)は、ステアリン酸カルシウムを600ppm含有しているものである。
<対照>
輸液バッグ(プラスチック製薬液容器)の内部に、アシクロビル液剤に代えて、生理食塩水100mLを充填、密封した。
こうして、4週間経過後の生理食塩水充填容器について、容器内の内容液(生理食塩水)の状態を目視で観察し、さらに実施例1と同様にして、溶出成分の定性および定量分析をした。
2 シール層(高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層)
3 炭素ガスバリア層
4 保護層
i 内側面
o 外側面
Claims (5)
- アルカリ性薬液が充填、密封されたプラスチック製薬液容器を収容、密封するための外装袋であって、
炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなり、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層であることを特徴とする、外装袋。 - プラスチック製容器および前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液からなるアルカリ性薬液充填容器と、前記アルカリ性薬液充填容器が収容、密封される外装袋と、を備え、
前記外装袋は、炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなり、
前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層であることを特徴とする、アルカリ性薬液充填容器収容体。 - 前記アルカリ性薬液のpHが、7.5〜13であることを特徴とする、請求項2に記載のアルカリ性薬液充填容器収容体。
- 前記プラスチック製容器が、ポリオレフィンからなる容器であることを特徴とする、請求項2または3に記載のアルカリ性薬液充填容器収容体。
- 炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなる外装袋であって、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層である外装袋に、プラスチック製容器と前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液とからなるアルカリ性薬液充填容器を収容して、密封することを特徴とする、アルカリ性薬液充填容器の保管方法。
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