JP2006306465A - 外装袋と、それを用いたアルカリ性薬液充填容器収容体およびアルカリ性薬液充填容器の保管方法 - Google Patents

外装袋と、それを用いたアルカリ性薬液充填容器収容体およびアルカリ性薬液充填容器の保管方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アルカリ性薬液が充填、密封された薬液容器を、炭酸ガスバリア性を有する外装袋に収容、密封して、保管する場合であっても、アルカリ性薬液中での濁りの発生を抑制できる外装袋と、その外装袋を用いたアルカリ性薬液充填容器収容体と、アルカリ性薬液充填容器の保管方法とを提供すること。
【解決手段】 炭酸ガスバリア層3を有する多層プラスチックフィルム1からなる外装袋であって、多層プラスチックフィルム1のうち炭酸ガスバリア層3よりも内側面側iの層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層2である外装袋に、プラスチック製容器と前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液とからなるアルカリ性薬液充填容器を収容して、密封する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルカリ性薬液充填容器の保管に適した外装袋と、それを用いたアルカリ性薬液充填容器収容体およびアルカリ性薬液充填容器の保管方法に関する。
一般に、アシクロビル液剤、重炭酸塩を含有する液剤などのアルカリ性薬液は、ガラス製の容器に充填して保管するとガラス成分の溶出を生じるおそれがあることから、プラスチック製の容器に充填、密封されて、保管されている。
また、薬液の保管に用いられるプラスチック製容器には、薬液に対する安全性が確立され、しかも、低価格の汎用ポリオレフィン系プラスチックが広く用いられている。
しかし、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの汎用ポリオレフィン系プラスチックは、炭酸ガス(二酸化炭素ガス)などのガス透過度が高いことから、ポリオレフィン系プラスチック製の容器を用いてアルカリ性薬液を保管すると、空気中の二酸化炭素の影響により、アルカリ性薬液のpHが経時的に低下するという不具合が生じる。
そこで、アルカリ性薬液は、例えば、プラスチック製容器に充填、密封された後、さらに、ガスバリア性を有する外装袋に収容、密封されて、空気中の二酸化炭素の影響を受けないようにして保管されている(特許文献1〜4参照)。
特開平5−49675号公報 特開平11−262514号公報 特開2001−192069号公報 特開2000−319183号公報
しかしながら、アルカリ性薬液が、ガス透過性を有するプラスチック製容器に充填、密封された後、さらに、ガスバリア性を有する外装袋に収容、密封されて、保管された場合には、アルカリ性薬液中に濁りの発生が認められることがある。
このような濁りは、例えば、アルカリ性薬液が、ガスバリア性を有するプラスチック製容器に充填、密封されて、保管された場合には、その発生が認められなくなるか、あるいは、発生量が極めて少なくなるものの、一般に、ガスバリア性を有するプラスチックは材料コストが高く、しかも、薬液と直接に接触する用途に用いるためには、ポリオレフィン系プラスチックなどとの積層体にする必要があることから、薬液容器の製造コストも高くつくという難点がある。
そこで、本発明の目的は、アルカリ性薬液が、ガス透過性を有する薬液容器に充填、密封されており、さらに、前記薬液容器が、炭酸ガスバリア性を有する外装袋に収容、密封されている場合であっても、アルカリ性薬液中での濁りの発生を抑制することができる、アルカリ性薬液充填容器用の外装袋、その外装袋を用いたアルカリ性薬液充填容器収容体、および、アルカリ性薬液充填容器の保管方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明者らは、外装袋に用いられているプラスチック材料に着目して検討を重ねたところ、プラスチック製薬液容器に充填されているアルカリ性薬液に濁りを生成させる原因が、外装袋用のプラスチックに配合されている高級脂肪酸およびその塩類にあり、上記濁りが、高級脂肪酸およびその塩類がアルカリ性薬液中に溶出して、不溶性の成分を生成することに起因するという新たな知見を見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的を達成するために、本発明は、
(1) アルカリ性薬液が充填、密封されたプラスチック製薬液容器を収容、密封するための外装袋であって、炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなり、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層であることを特徴とする、外装袋、
(2) プラスチック製容器および前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液からなるアルカリ性薬液充填容器と、前記アルカリ性薬液充填容器が収容、密封される外装袋と、を備え、前記外装袋は、炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなり、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層であることを特徴とする、アルカリ性薬液充填容器収容体、
(3) 前記アルカリ性薬液のpHが、7.5〜13であることを特徴とする、前記(2)に記載のアルカリ性薬液充填容器収容体、
(4) 前記プラスチック製容器が、ポリオレフィンからなる容器であることを特徴とする、前記(2)または(3)に記載のアルカリ性薬液充填容器収容体、
(5) 炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなる外装袋であって、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層である外装袋に、プラスチック製容器と前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液とからなるアルカリ性薬液充填容器を収容して、密封することを特徴とする、アルカリ性薬液充填容器の保管方法、
を提供するものである。
なお、上記の高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックは、添加剤の配合を極力少なくするという観点において、従来、薬液容器のうち薬液と直接に接触する内側面側の層の形成に用いられるプラスチックと同程度の、極めてグレードの高いプラスチックである。このような高グレードのプラスチックについては、従来、薬液容器を収容するための外装袋に採用されるものではなく、その必要性についても認識されていたものではない。
本発明によれば、アルカリ性薬液がプラスチック製薬液容器に充填、密封されたアルカリ性薬液充填容器を、炭酸ガスバリア性を有する外装袋に収容、密封して、保管する場合において、たとえ、上記プラスチック製薬液容器が、ガス透過性を有するプラスチック製薬液容器(例えば、薬液に対する安全性が確立された、低価格の汎用ポリオレフィン系プラスチックからなる薬液容器など)であっても、上記アルカリ性薬液中にて、経時的に濁りが生じるという不具合を抑制することができる。
本発明の外装袋は、アルカリ性薬液が充填、密封されたプラスチック製薬液容器(以下、「アルカリ性薬液充填容器」という。)を収容、密封するための外装袋であって、炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなっている。また、上記多層プラスチックフィルムのうち、上記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層は、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層である。
図1は、本発明の外装袋を形成する多層プラスチックフィルムの一実施形態を示す概略断面図である。図1において、この多層プラスチックフィルム1は、外装袋の内側面i側から外側面o側へと順に、シール層2と、炭酸ガスバリア層3と、保護層4とを有している。また、上記シール層2は、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層である。
炭酸ガスバリア層3は、外装袋に炭酸ガスバリア性を付与するための層であって、多層プラスチックフィルム1の必須の構成要素である。
炭酸ガスバリア層3としては、これに限定されないが、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層、ポリビニルアルコールからなる層、無機酸化物の蒸着膜を有するプラスチックフィルム(以下、「蒸着フィルム」という。)、アルミニウムが積層された多層プラスチックフィルム(以下、「アルミラミネートフィルム」という。)などが挙げられる。
上記蒸着フィルムにおける無機酸化物としては、例えば、アルミナ(アルミニウム酸化物)、シリカ(ケイ素酸化物)、マグネシウム酸化物、チタン酸化物などが挙げられる。なかでも、蒸着膜の透明性を高めるという観点からは、アルミナが好ましい。
上記蒸着フィルムのフィルム基材としては、特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。これらフィルム基材は、延伸処理が施されたものであることが好ましい。フィルム基材の延伸処理は、1軸延伸であっても、2軸延伸であってもよい。なお、フィルム基材が延伸処理されたものであるときは、フィルム基材の耐ピンホール性、強度、蒸着処理時の耐熱性、表面の平滑性などを、より一層向上させることができる。
上記ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などが挙げられる。また、上記ポリアミドとしては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−11、ナイロン−12などが挙げられる。上記ポリプロピレンとしては、例えば、ポリプロピレン(プロピレンホモポリマー)、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーなどが挙げられる。上記α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、または、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数4〜6のα−オレフィンが挙げられる。
上記アルミラミネートフィルムを形成するプラスチックフィルムとしては、特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルムなどが挙げられる。上記例示のプラスチックフィルムは、延伸処理が施されたものであってもよい。延伸処理の種別や、延伸処理がされたときの作用効果については、上述の場合と同様である。
上記ポリエステルおよびポリアミドとしては、上記例示したものと同じものが挙げられる。上記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(エチレンホモポリマー)、エチレン・α−オレフィンコポリマー、ポリプロピレン(プロピレンホモポリマー)、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーなどが挙げられる。上記エチレン・α−オレフィンコポリマーのα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数3〜6のα−オレフィンが挙げられる。また、上記プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーおよびプロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーのα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、または、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数4〜6のα−オレフィンが挙げられる。
上記多層プラスチックフィルム1は、上記炭酸ガスバリア層3よりも外装袋の内側面i側において、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなるシール層2を有している。
上記の高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層は、外装袋の内側面iを形成する層であることから、外装袋を袋体として成形するために、シール性を有していることが必要である。なお、炭酸ガスバリア層3の形成材料は、通常、シール性が乏しい材料であることから、外装袋の内側面iに十分なシール性を付与させるためにも、シール層2は、多層プラスチックフィルム1の必須の構成要素である。
上記高級脂肪酸およびその塩類は、プラスチックの成形時に、いわゆる滑剤(スリップ剤)として配合されるものであって、具体的には、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの、飽和または不飽和のモノカルボン酸、およびこれらの塩が挙げられる。塩としては、例えば、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
シール層2を形成する、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。上記ポリオレフィン、ポリエステルおよびポリアミドとしては、それぞれ、上記したのと同じものが挙げられる。
シール層2を形成するプラスチックは、上記例示のなかでも特に、シール性の観点から、ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンは、上記例示のものを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。より好ましくは、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィンコポリマー、ポリプロピレンが挙げられ、さらに好ましくは、ポリエチレンが挙げられる。また、ポリエチレンについて、その分子鎖の形状や密度については、特に限定されないが、特に好ましくは、直鎖状の低密度ポリエチレンが挙げられる。
高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層には、例えば、滑剤(スリップ剤)であって、高級脂肪酸およびその塩類を除いたもの(具体的には、例えば、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、シリカなど。)や、酸化防止剤、アンチブロッキング剤などの添加剤を、必要に応じて、配合することができるが、その配合量は、必要最小限となるように抑制することが好ましい。
上記多層プラスチックフィルム1は、上記炭酸ガスバリア層3よりも外装袋の外側面o側において、保護層4を有している。この保護層4は、多層プラスチックフィルム1の任意的構成要素である。
保護層4を形成するプラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。上記ポリオレフィン、ポリエステルおよびポリアミドとしては、それぞれ、上記したのと同じものが挙げられる。
保護層4を形成するプラスチックは、上記例示のなかでも特に、ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンは、上記例示のものを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。より好ましくは、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィンコポリマー、ポリプロピレンが挙げられ、さらに好ましくは、ポリプロピレン、とりわけ、延伸処理が施されたポリプロピレンが挙げられる。
上記外装袋を形成する多層プラスチックフィルムは、図1に示す層構成に限定されるものではなく、本発明の作用効果を奏することができる範囲において、適宜、設計変更を加えることができる。また、上記外装袋は、その外側面側に、着色剤や紫外線吸収剤を含有するインクを用いた遮光印刷が施されたものであってもよい。
上記外装袋は、上述のとおり、炭酸ガスバリア性を有するものである。上記外装袋の炭酸ガスバリア性の程度としては、例えば、炭酸ガス透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、好ましくは、10cm3/m2・24h・atm以下であり、より好ましくは、1cm3/m2・24h・atm以下である。
なお、上記炭酸ガス透過度は、JIS K 7126-1987「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」に規定のB法(等圧法)に従って測定したものである。
本発明のアルカリ性薬液充填容器収容体は、アルカリ性薬液充填容器と、上記アルカリ性薬液充填容器を収容、密封するための外装袋とを備えている。
上記外装袋は、上述の、炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなる外装袋である。
上記アルカリ性薬液充填容器は、上述のとおり、アルカリ性薬液が充填、密封されたプラスチック製薬液容器である。
上記プラスチック製薬液容器の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、薬液バッグなどのような、可撓性および柔軟性に優れた袋状の薬液容器であってもよく、また、例えば、プラスチックアンプル、薬液ボトルなどのような、可撓性および柔軟性を有しつつ、それ自身で容器形状を維持し得る強度を備えた薬液容器であってもよい。また、上記薬液バッグなどの袋状の薬液容器は、単室の薬液バッグであってもよく、易剥離シール部で区画された複数の収容室を有する、いわゆる複室バッグであってもよい。
これら薬液バッグ、プラスチックアンプル、薬液ボトルなどの形成方法としては、特に限定されず、例えば、押出成形、インフレーション成形などの、種々の方法を、薬液容器の形態に応じて適宜選択して採用することができる。
上記プラスチック製薬液容器を形成するプラスチックは、特に限定されるものではなく、また、ガス透過性を有するプラスチックであってもよく、ガスバリア性を有するプラスチックであってもよい。しかし、アルカリ性薬液充填容器のコストを抑制するという本発明の目的に鑑みて、低価格かつ汎用のポリオレフィンであることが好ましい。また、ポリオレフィンは、上述のとおり、薬液に対する安全性が確立されていることから、アルカリ性薬液を充填、密封させる用途にも好適である。
プラスチック製薬液容器を形成するポリオレフィンとしては、上記例示したものと同じものが挙げられる。上記例示のポリオレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、好ましくは、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィンコポリマー、ポリプロピレンが挙げられ、より好ましくは、ポリエチレンが挙げられる。
また、ポリエチレンの分子鎖の形状や密度については、特に限定されないが、特に好ましくは、直鎖状の低密度ポリエチレンが挙げられる。
なお、プラスチック製薬液容器の炭酸ガス透過度は、これに限定されないが、通常、温度25℃、湿度50%RHにおいて、5000〜50000cm3/m2・24h・atm程度であることが好ましい。
アルカリ性薬剤としては、特に限定されないが、例えば、アシクロビル液剤、重炭酸塩を含有する液剤などが挙げられる。
上記アシクロビル液剤は、例えば、水酸化ナトリウム、トロメタモール、メグルミンなどの、医薬的に許容される塩基性物質の水溶液に、アシクロビルおよび/またはその医薬的に許容される塩を溶解させたものが挙げられる。また、アシクロビル液剤には、必要に応じて、その他の添加剤を配合させることができる。具体的には、例えば、pHを調整する目的で、上記塩基性物質のほか、塩酸、クエン酸およびその塩などの、医薬的に許容される酸性物質を配合させることができる。また、アシクロビル液剤の安定性を向上させる目的で、医薬的に許容される安定化剤、抗酸化剤などを配合させることができる。
上記重炭酸塩を含有する液剤の重炭酸塩としては、例えば、これに限定されないが、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。また、上記例示の重炭酸塩は、単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
重炭酸塩を含有する液剤には、pHを調整する目的で、上記塩基性物質や上記酸性物質を配合させることができる。また、重炭酸塩を含有する液剤の安定性を向上させる目的で、医薬的に許容される安定化剤、抗酸化剤などを配合させることができる。
なお、重炭酸塩を含有する液剤の具体例としては、例えば、解毒剤、人工腎臓透析液、腹膜透析液、輸液、根幹管拡大剤(歯科用)、人工髄液、眼内灌流液、心臓灌流液、心筋保護液、腹腔洗浄液、臓器保存液などが挙げられる。
アルカリ性薬剤のpHは、特に限定されないが、好ましくは、7.5〜13であり、より好ましくは、8.5〜13であり、さらに好ましくは、9〜12である。pHが7.5を下回るときは、アルカリ性薬剤のアルカリ性の程度が低く、中性(または酸性)に近づくことから、そもそも、薬液中に濁りを生じるという不具合は観察されない。なお、一般に、薬剤として適当なpHは13以下である。
プラスチック製薬液容器へのアルカリ性薬液の充填処理および密封処理については、特に限定されるものではなく、常法に従って処理すればよい。
本発明のアルカリ性薬液充填容器の保管方法は、上記外装袋に、上記アルカリ性薬液充填容器を収容して、密封することを特徴とする。
上記外装袋へのアルカリ性薬液充填容器の収容および密封処理については、特に限定されるものではなく、従来の、薬液が充填された薬液容器(一次容器)を外装袋(二次容器)に収容させて、密封する処理と同様にして処理すればよい。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
(1) 外装袋1の製造
厚さ30μmの延伸ポリプロピレンフィルム(保護層4)、厚さ12μmの蒸着フィルム(ポリエチレンテレフタレートからなるフィルム基材上にアルミナが蒸着されたもの。商品名「GL−AE」、凸版印刷(株)製;炭酸ガスバリア層3)、および、厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(商品名「ウルトゼックス(登録商標)2022」、三井化学(株)製;シール層2)を、この順に積層して、ドライラミネーションにより、総厚み102μmである略矩形状の多層プラスチックフィルム1を得た(図1参照)。上記直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(「ウルトゼックス(登録商標)2022」;シール層2)は、高級脂肪酸およびその塩類を含有していないものである。
次いで、2枚の多層プラスチックフィルム1を、それぞれの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(シール層2)側表面を内側にして、重ね合わせた後、その周縁部4辺のうちの3辺をヒートシールすることにより、外装袋(内寸:縦255mm、横135mm)を得た。
(2) アシクロビル液剤の調製
注射液用の生理食塩水約950mLの液温を80℃に調製して、窒素置換した後、この生理食塩水を撹拌しながら、水酸化ナトリウム0.55gを配合して溶解させ、さらに、アシクロビル2.5gを配合して溶解させた。次いで、得られた溶液を60℃に冷却して、撹拌しながら、塩化ナトリウム9g、クエン酸ナトリウム0.3gおよび亜硫酸水素ナトリウム0.1gを配合して、溶解させた。次に、得られた溶液を40℃に冷却して、1モル/Lの塩酸1.19mLを配合し、さらに、注射液用の生理食塩水を配合して、全体の液量が1Lとなるように調整して、撹拌することにより、アシクロビル液剤を得た。得られたアシクロビル液剤のpHは10.8であった。
(3) 薬液容器およびアルカリ性薬液充填容器の作製
厚さ220μmのポリエチレンフィルム(略矩形状)を2枚重ね合わせて、さらに、ポリプロピレン製の口部材(イソプレンゴム製の栓体を有するもの。)を、上記栓体部分を開放させた状態で、上記ポリエチレンフィルムの周縁部に固定して、上記周縁部をヒートシールすることにより、単室の輸液バッグ(プラスチック製薬液容器;内寸:縦・横各125mm)を作製した。
次いで、上記輸液バッグの内部に、上記(2)で調製されたアシクロビル液剤100mLを充填して、密封し、得られたアルカリ性薬液充填容器を、窒素雰囲気下、106℃で40分間、シャワー滅菌した。
(4) アルカリ性薬液充填容器収容体の製造および性能評価
上記(1)で得られた外装袋に、上記(3)において滅菌処理が施されたアルカリ性薬液充填容器を収容して、上記外装袋を密封することにより、アルカリ性薬液充填容器収容体を得た。
次いで、得られたアルカリ性薬液充填容器収容体を、温度60℃、湿度75%RHの雰囲気下で、4週間放置した。こうして、4週間経過後の輸液バッグ(アルカリ性薬液充填容器)内の内容液(アシクロビル液剤)の状態について、目視で観察した。
また、輸液バッグを十分に振蘯させた後、輸液バッグに収容されているアシクロビル液剤100mLを分液ロートに移して、蒸留n−ヘキサン50mLでアシクロビル液剤中の油溶性成分を抽出する操作を計3回繰り返し、その後、抽出液を濃縮、乾固させた。さらに、乾固された残渣にn−ヘキサン2mLを加えて、これを溶出物の検体とした。得られた検体について、下記の条件でガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)により分析することにより、溶出成分を定性および定量分析した。
(GC−MSの分析条件)
キャリア:ヘリウム、流速1.2mL/分、定速流、100℃
カラム:商品名「UA−1」(F−LAB社製)、30m×0.25mm×0.25μm
注入:Plused Splitless、3μL、入口温度300℃
オーブン:100℃(3分間)、昇温10℃/分、320℃(10分間)
検出器:MSD(320℃)、検出限界濃度:C16 >2ppm、C18 3ppm
なお、検出したフラグメントイオンは、次のとおりである。
・パルミチン酸:M/Z=(M+256),239,227,213,199,185,171,157,143,129,115,97,83,73,60,43
・ステアリン酸:M/Z=(M+284),255,241,227,213,199,185,171,157,143,129,115,97,83,73,60,43
<比較例1>
外装袋を形成する多層プラスチックフィルムのうち、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(「ウルトゼックス(登録商標)2022」)に代えて、厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(商品名「ウルトゼックス(登録商標)2021L」、三井化学(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、外装袋を製造した。上記の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(「ウルトゼックス(登録商標)2021L」)は、ステアリン酸カルシウムを600ppm含有しているものである。
また、得られた外装袋を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、アルカリ性薬液充填容器収容体を製造し、性能評価をした。
<対照>
輸液バッグ(プラスチック製薬液容器)の内部に、アシクロビル液剤に代えて、生理食塩水100mLを充填、密封した。
次いで、得られた生理食塩水充填容器に、窒素雰囲気下で、106℃で40分間、シャワー滅菌を施し、さらに、この生理食塩水充填容器を、実施例1と同じ外装袋に収容、密封して、温度60℃、湿度75%RHの雰囲気下で、4週間放置した。
こうして、4週間経過後の生理食塩水充填容器について、容器内の内容液(生理食塩水)の状態を目視で観察し、さらに実施例1と同様にして、溶出成分の定性および定量分析をした。
以上の結果を、表1に示す。
Figure 2006306465
表1に示すように、実施例1のアルカリ性薬液充填容器収容体によれば、4週間の放置後においても、薬液容器内のアシクロビル液剤は無色澄明であり、また、アシクロビル液剤の濁りの原因物質であるパルミチン酸やステアリン酸については、溶出量が抑制されていた。
一方、比較例1のアルカリ性薬液充填容器収容体によれば、4週間の放置後に、アシクロビル液剤に濁りが観察され、また、パルミチン酸やステアリン酸の溶出も、実施例1に比べて顕著であった。
本発明の外装袋を形成する多層プラスチックフィルムの一実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 多層プラスチックフィルム
2 シール層(高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層)
3 炭素ガスバリア層
4 保護層
i 内側面
o 外側面

Claims (5)

  1. アルカリ性薬液が充填、密封されたプラスチック製薬液容器を収容、密封するための外装袋であって、
    炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなり、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層であることを特徴とする、外装袋。
  2. プラスチック製容器および前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液からなるアルカリ性薬液充填容器と、前記アルカリ性薬液充填容器が収容、密封される外装袋と、を備え、
    前記外装袋は、炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなり、
    前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層であることを特徴とする、アルカリ性薬液充填容器収容体。
  3. 前記アルカリ性薬液のpHが、7.5〜13であることを特徴とする、請求項2に記載のアルカリ性薬液充填容器収容体。
  4. 前記プラスチック製容器が、ポリオレフィンからなる容器であることを特徴とする、請求項2または3に記載のアルカリ性薬液充填容器収容体。
  5. 炭酸ガスバリア層を有する多層プラスチックフィルムからなる外装袋であって、前記多層プラスチックフィルムのうち前記炭酸ガスバリア層よりも内側面側の層が、高級脂肪酸およびその塩類を実質的に含まないプラスチックからなる層である外装袋に、プラスチック製容器と前記プラスチック製容器に充填、密封されたアルカリ性薬液とからなるアルカリ性薬液充填容器を収容して、密封することを特徴とする、アルカリ性薬液充填容器の保管方法。
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