JP2006330010A - マイクロレンズ及びマイクロレンズアレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価なマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイを提供する。
【解決手段】 マイクロレンズアレイ10は、レンズ部1と基質部2とを備えたマイクロレンズ3が二次元的に複数配列されて構成され、全体として平板状の外観を呈している。レンズ部1は、それぞれ、所定径の円柱状形態をなし、マイクロレンズアレイ10の一方の表面側に位置する非晶質ガラスからなる非晶質部1aと、他方の表面側に位置する結晶化ガラスからなる結晶質部1bとで構成される。非晶質部1aの表面は、基質部2の表面の位置よりも湾曲状に隆起して、凸曲面状レンズ表面1a1を形成している。基質部2は、レンズ部1の結晶質部1bと同じ結晶化ガラスからなり、レンズ部1の周囲を包囲している。
【選択図】図1
【解決手段】 マイクロレンズアレイ10は、レンズ部1と基質部2とを備えたマイクロレンズ3が二次元的に複数配列されて構成され、全体として平板状の外観を呈している。レンズ部1は、それぞれ、所定径の円柱状形態をなし、マイクロレンズアレイ10の一方の表面側に位置する非晶質ガラスからなる非晶質部1aと、他方の表面側に位置する結晶化ガラスからなる結晶質部1bとで構成される。非晶質部1aの表面は、基質部2の表面の位置よりも湾曲状に隆起して、凸曲面状レンズ表面1a1を形成している。基質部2は、レンズ部1の結晶質部1bと同じ結晶化ガラスからなり、レンズ部1の周囲を包囲している。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロレンズ及びマイクロレンズアレイ、特に光通信分野において使用されるマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイに関するものである。
マイクロレンズは、一般に直径2mm以下の微小なレンズ部を有するレンズの総称であり、光記録において微小スポットを形成する機能や半導体レーザからの出力光線を光ファイバに結合させる機能を有し、光ピックアップ、液晶プロジェクタ、光通信デバイス(例えば、光スイッチ、合波分波器等)等に使用されている。特に、光通信分野において使用するマイクロレンズは、レンズ部の直径が、約10μmの光ファイバのコア径に合わせて、できるだけ小さくすることが必要とされ、DWDM及び並列光通信においては、このような微細なマイクロレンズを二次元的に複数配列したマイクロレンズアレイが使用される。
このようなマイクロレンズとして、露光された部分にのみ結晶を析出するガラス(いわゆる感光性結晶化ガラス)を用いたマイクロレンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、このマイクロレンズは、レンズ部に相当する大きさのCr膜を形成したシリカガラス板からなるマスキング材によって、原ガラス基材の表面のレンズ部に相当する領域をマスクし、紫外線で露光した後、熱処理することによって、露光した部分(レンズ部を包囲する部分)にのみ結晶を析出させた結果として、露光していない部分の上面及び下面を湾曲かつ隆起させて非晶質ガラスからなるレンズ部を形成したものである。
また、他のマイクロレンズとしては、高密度化石英ガラスの表面の微小領域に炭酸ガスレーザを照射することによって、照射部を熱構造緩和させ、隆起構造を微小領域に形成させたマイクロレンズ(アレイ)が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
特公平5−84481号公報
北村直之,外2名,「レーザー光照射によって形成されたガラス表面の隆起構造」,第50回応用物理学関係連合講演会予稿集,2003年3月,p983,28p−M−1
しかしながら、特許文献1に記載のマイクロレンズは、レンズ部の直径やレンズ部の間隔が異なるマイクロレンズアレイを作製する場合には、その種類毎にマスキング材を用意する必要があるため、製造コストが高くなる。
また、非特許文献1に記載のマイクロレンズ(アレイ)は、高価な製造設備が必要で、連続生産が困難なHIP処理によって高密度化した石英ガラスを使用するため、製造コストが高くなる。
したがって、本発明の目的は、安価なマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、凸状のレンズ表面を有するレンズ部と、レンズ部の周囲を包囲する結晶化ガラスからなる基質部とを備え、レンズ部は、前記基質部を構成する結晶化ガラス基質がレーザの照射によって非晶質ガラス化した非晶質部を含んでいるマイクロレンズ、及び、このマイクロレンズが二次元的に複数配列されたマイクロレンズアレイを提供する。
結晶化ガラスからなる基材の所定領域にレーザを照射すると、レーザが照射された基材の所定領域は、該所定領域を構成する結晶化ガラス基質の一部又は全部がレーザの照射エネルギーによって溶融し、非晶質ガラス化して非晶質部となる。この非晶質ガラス化した非晶質部は、その周囲を包囲する結晶化ガラス基質の基質部に比べて密度が相対的に小さく、そのために非晶質部の体積は基質部に比べて相対的に増加する。その結果、非晶質部は周囲の基質部から圧迫力を受け、その表面が湾曲状に隆起して凸状のレンズ表面が形成される。したがって、レーザが照射された基材の所定領域は凸曲面状のレンズ表面を有するレンズ部となり、レーザが照射されなかった基材の他の領域はレンズ部の周囲を包囲する結晶化ガラスからなる基質部となる。
例えば、レーザを基板の片面側から所定領域に照射する場合において、レーザの照射エネルギーによって上記所定領域の表面に近い部分のみが溶融する場合は、該表面に近い部分のみが非晶質化して、基板の片面側にのみレンズ表面が形成される。レーザの照射エネルギーによって上記所定領域の全肉厚部分が溶融する場合は、上記所定領域の全肉厚部分が非晶質化して、基板の両面側にそれぞれレンズ表面が形成される。レーザを基板の両面側からそれぞれ所定領域に照射する場合は、レーザの照射エネルギーによって溶融する範囲の如何にかかわらず、基板の両面側にそれぞれレンズ表面が形成される。
また、レーザを基板の複数の所定領域に間隔をあけて照射すると、上記のようなマイクロレンズが二次元的に複数配列されたマイクロレンズアレイが形成される。
上記構成において、レンズ部の非晶質部が−40〜80℃の温度範囲において30〜130×10-7/℃の熱膨張係数を有していると、温度に対する焦点距離変化率(df/dT)が小さくなり(例えば、絶対値で2nm/℃以内)、環境温度が変動しても光損失が少ないため好ましい。
レンズ部の非晶質部の熱膨張係数は−40〜80℃の温度範囲において30〜95×10-7/℃であるのがより好ましく、特に、レンズ部の非晶質部の熱膨張係数が60×10-7/℃よりも小さいと、基質部との熱膨張差が小さくなり、クラックが入りにくいためさらに好ましい。
また、一般にマイクロレンズ(アレイ)は、光ファイバーアレイ用基材に固定した光ファイバーから赤外光を出入射させて使用することがあるが、この光ファイバーアレイ用基材は、熱膨張係数が光ファイバーと近く、またV溝加工性に優れるという理由から−10〜+10×10-7/℃の熱膨張係数を有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスを基材材料として使用することが多い。従って、基質部が−40〜80℃の温度範囲において−30〜+20×10-7/℃の熱膨張係数を有すると、マイクロレンズと光ファイバーアレイ用基材との熱膨張係数が近いため、マイクロレンズアレイとして使用した場合、温度変化に伴う軸ずれが小さくなり、環境温度が変動しても光損失が少なくなるため好ましい。尚、基質部の熱膨張係数の好ましい範囲は、−25〜+15×10-7/℃である。また、レンズ部の非晶質部が−1〜+8×10-6/℃(好ましくは5〜7×10-6/℃)の屈折率の温度依存性を有していると、温度に対する焦点距離変化率が小さくなるため好ましい。
また、レンズ部の非晶質部がLi2O−Al2O3−SiO2系非晶質ガラスからなると、−40〜80℃の温度範囲において、30〜130×10-7/℃の熱膨張係数を有しやすく、基質部がLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス、具体的にはβ−石英固溶体及び/又はβ−スポジュ−メン固溶体を主結晶相として析出してなるLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスからなると、−40〜80℃の温度範囲において−30〜+20×10-7/℃の熱膨張係数を有しやすくなるため好ましい。
また、レンズ部及び基質部が、質量%で、SiO2 55〜75%、Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜8%を含有してなり、特に好ましくは、質量%で、SiO2 55〜75%、Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜5%、MgO 0〜4%、ZnO 0〜4%、
TiO2 0〜4%、ZrO2 0〜4%、SnO2 0〜4%、P2O5 0〜4%、
Na2O 0〜7%、K2O 0〜7%、BaO 0〜7%を含有してなると、−40〜80℃の温度範囲において、レンズ部の非晶質部が30〜130×10-7/℃の熱膨張係数を有する非晶質ガラスになりやすく、基質部が−30〜+20×10-7/℃の熱膨張係数を有する結晶化ガラスになりやすい。
TiO2 0〜4%、ZrO2 0〜4%、SnO2 0〜4%、P2O5 0〜4%、
Na2O 0〜7%、K2O 0〜7%、BaO 0〜7%を含有してなると、−40〜80℃の温度範囲において、レンズ部の非晶質部が30〜130×10-7/℃の熱膨張係数を有する非晶質ガラスになりやすく、基質部が−30〜+20×10-7/℃の熱膨張係数を有する結晶化ガラスになりやすい。
結晶化ガラスからなる基材が、−40〜80℃の温度範囲において、−30〜+20×10-7/℃の熱膨張係数を有し、β−石英固溶体及び/又はβ−スポジュメン固溶体を主結晶相として析出してなるLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスからなると、レーザの照射によって形成されたレンズ部の非晶質部が−40〜80℃の温度範囲において30〜130×10-7/℃の熱膨張係数を有する非晶質ガラスになりやすく、基質部が−30〜+20×10-7/℃の熱膨張係数を有する結晶化ガラスになりやすい。
基材は、質量%で、SiO2 55〜75%、Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜8%を含有し、より好ましくは、質量%で、SiO2 55〜75%、Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜5%、MgO 0〜4%、ZnO 0〜4%、TiO2 0〜4%、ZrO2 0〜4%、SnO2 0〜4%、P2O5 0〜4%、Na2O 0〜7%、K2O 0〜7%、
BaO 0〜7%を含有しているのが好ましい。
BaO 0〜7%を含有しているのが好ましい。
レーザは、波長が400nm以下、好ましくは266〜355nmの紫外線レーザ、具体的にはYAGレーザであると、レーザ出力を高くでき、照射スポット径を小さく、またスポットの真円度を高くできるため、短時間で寸法精度が高い小径のレンズ部を形成できる。また、紫外線レーザの出力が0.5〜5Wであると、結晶化ガラスからなる基材の一部が短時間で溶融して、容易に非晶質部を形成できる。特に結晶化ガラスからなる基材が、400nm以下の波長を有する光の吸収が大きいと、レーザによる基材の溶融が容易になるため好ましい。
本発明のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイは、高価な製造設備が必要で連続生産が困難なHIP処理によって基材を高密度化する必要がなく、またマスキング材を作製する必要がない。したがって、本発明によれば、安価なマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイを提供することができる。
図1、図2は、本発明の実施の形態に係るマイクロレンズアレイ10、20をそれぞれ概念的に示している。
図1に示すマイクロレンズアレイ10は、レンズ部1と基質部2とを備えたマイクロレンズ3が二次元的に複数配列されて構成され、全体として平板状の外観を呈している。レンズ部1は、それぞれ、所定径の円柱状形態をなし、マイクロレンズアレイ10の一方の表面側に位置する非晶質ガラスからなる非晶質部1aと、他方の表面側に位置する結晶化ガラスからなる結晶質部1bとで構成される。非晶質部1aの表面は、基質部2の表面の位置よりも湾曲状に隆起して、凸曲面状、例えば1つの曲率半径を有する凸球面状のレンズ表面1a1を形成している。基質部2は、レンズ部1の結晶質部1bと同じ結晶化ガラスからなり、レンズ部1の周囲を包囲している。尚、図1では、基質部2とレンズ部1の結晶質部1bとを概念的に区分して示しているが、実際には、両者の間に組織構造上の違いは存在しない。
マイクロレンズアレイ10は、例えば、結晶化ガラスからなる基材の複数の所定領域に一方の表面側からレーザを照射することによって製造することができる。すなわち、レーザが照射された基材の所定領域は、レーザの照射エネルギーによって、一方の表面に近い部分が溶融し、非晶質ガラス化して非晶質部1aとなる。この非晶質ガラス化した非晶質部1aは、その周囲を包囲する結晶化ガラス基質の基質部2に比べて密度が相対的に小さく、そのために非晶質部1aの体積は基質部2に比べて相対的に増加する。その結果、非晶質部1aは周囲の基質部2から圧迫力を受け、その表面が湾曲状に隆起して凸曲面状のレンズ表面1a1が形成される。したがって、レーザが照射された基材の所定領域は凸曲面状のレンズ表面1a1を有するレンズ部1となり、レーザが照射されなかった基材の他の領域はレンズ部1の周囲を包囲する結晶化ガラスからなる基質部2となる。レンズ部1の直径は、照射するレーザビームのスポット径と略等しくなり、レーザビームのスポット径を調整することによって、所望の直径を有するレンズ部1を精度良く形成することができる。
図2に示すマイクロレンズアレイ20は、レンズ部11と基質部12とを備えたマイクロレンズ13が二次元的に複数配列されて構成され、全体として平板状の外観を呈している。レンズ部11は、それぞれ、所定径の円柱状形態をなし、非晶質ガラスからなる非晶質部11aで構成される。非晶質部11aの両表面は、それぞれ、基質部12の表面の位置よりも湾曲状に隆起して、凸曲面状、例えば1つの曲率半径を有する凸球面状のレンズ表面11a1を形成している。基質部12は、結晶化ガラスからなり、レンズ部11の周囲を包囲している。
このマイクロレンズアレイ20も、図1に示すマイクロレンズアレイ10と同様に、結晶化ガラスからなる基材の複数の所定領域に一方の表面側からレーザを照射することによって製造することができるが、レーザの照射によってレンズ部11の全肉厚部分が溶融して非晶質化され、基板の両面側にそれぞれレンズ表面11a1が形成される点が異なる。
表1は実施例1〜5を、表2は比較例1、2を示す。実施例1〜3、5のマイクロレンズアレイは図1に示す構成に対応し、実施例4のマイクロレンズアレイは図2に示す構成に対応する。
まず、表1に示す組成となるように調合した原料を白金坩堝中に入れ、1550℃で10時間溶融したガラスをカーボン型枠内に流し出し、室温まで徐冷して原ガラス板を作製した。その後、表1に示す結晶化条件で結晶化させ、β−石英固溶体又はβ−スポジュメン固溶体を析出した結晶化ガラスからなる原板を得た。
次に、この原板を3×4×0.5tmmの大きさに切断加工して、両面を鏡面研磨することによって基材を作製し、0.2mm間隔で8箇所の基材表面近傍に、パルス幅10ns、周波数1kHzで波長355nmのYAGレーザを出力0.5〜2.5Wで1箇所あたり2秒間照射することによって、図1に示すように、レンズ部1(紫外線レーザが照射された領域)と基質部2(紫外線レーザが照射されなかった領域)とを備えた8個のマイクロレンズ3が二次元的に配列されたマイクロレンズアレイ10を作製した(実施例1〜3、5)。
また、原板を3×4×0.2tmmの大きさに切断加工して、両面を鏡面研磨することによって基材を作製し、0.2mm間隔で8箇所において、基材の全厚み方向にわたって、パルス幅10ns、周波数1kHzで波長355nmのYAGレーザを出力0.5〜2.5Wで1箇所あたり2秒間照射することによって、図2に示すように、レンズ部11(紫外線レーザが照射された領域)と基質部12(紫外線レーザが照射されなかった領域)とを備えた8個のマイクロレンズ13が二次元的に配列されたマイクロレンズアレイ20を作製した(実施例4)。尚、レンズ部1、11のうち、紫外線レーザが照射され基材が溶融した部分は、非晶質ガラスからなる非晶質部1a、11aとなっていた。また、実施例1〜3、5において、レンズ部1のうち、基材が溶融しなかった部分は基材のままの結晶が析出した結晶質部1bであった。また、この結晶質部1bは、β−石英固溶体を析出しているものの、析出結晶サイズが0.05μm以下であるため、1000〜1650nmの波長域における赤外線の透過率が60%以上であり、光通信用途に十分使用できるものであった。
比較例1では、原板として、1GPa、1200℃でHIP処理して密度を4%上昇させた高密度化シリカガラスを用い、波長10.6μmの炭酸ガスレーザを出力0.5Wで120秒間照射した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズアレイを作製した。
比較例2では、表2の組成になるように調合した原料を白金坩堝中に入れ、1450℃で4時間溶融したガラスをカーボン型枠内に流し出し、室温まで徐冷して、原板を作製した。次に、この原板を3×4×0.5tmmの大きさに切断加工して、両面を鏡面研磨することによって基材を作製し、レンズ部に相当する大きさのCr膜を形成したシリカガラス板によって、基材の表面のレンズ部に相当する領域をマスクし、1000Wの水銀−キセノンランプを用いて紫外線を100秒間照射した。その後、基材を540℃で1時間、580℃で1時間熱処理し、基材の紫外線を照射した部分にLi2O・SiO2結晶を析出させて、基材の両面側に凸曲面状のレンズ表面を有する8個のマイクロレンズを備えたマイクロレンズアレイを作製した。
尚、実施例1〜5及び比較例1、2において、レンズ部の直径はレンズ表面の曲率半径に略等しく、50〜300μmであった。また、表1、表2の「レンズ形状」の欄において、「凸平」の表示は図1に示すような片面側にのみレンズ表面を有するレンズ形状であることを表し、「両凸」は図2に示すような両面側にレンズ表面を有するレンズ形状であることを表している。
析出結晶相は、X線回折装置を用いて同定した。
非晶質部の熱膨張係数は、実施例1〜5では原ガラス板の熱膨張係数で、比較例1、2では原板の熱膨張係数で評価した。また、基質部の熱膨張係数は、実施例1〜5と比較例1では原板の熱膨張係数で、比較例2では原板の熱処理後の熱膨張係数で評価した。これらの熱膨張係数は、ディラトメータ(マックサイエンス社製TD−5000S)を用いて、−40〜80℃の温度範囲で測定した。
レンズ部の曲率半径は、レーザ顕微鏡を用いて測定した。
レンズ部の屈折率及び屈折率の温度依存性(dn/dT)は、−40〜80℃の温度範囲において、オプティプローブ法により屈折率を測定することによって求めた。
温度に対する焦点距離変化率(df/dT)は以下のようにして算出した。
焦点距離fは数式1にて表され、数式1を温度Tで微分することより数式2に示す温度に対する焦点距離変化率(df/dT)が導出される。
f=(r1・r2)/{(r2−r1)・(n−1)}・・・数式1
df/dT=f・〔α−{1/(n−1)・dn/dT}〕・・・数式2
f=(r1・r2)/{(r2−r1)・(n−1)}・・・数式1
df/dT=f・〔α−{1/(n−1)・dn/dT}〕・・・数式2
ここで、r1、r2はレンズ部のレンズ表面の曲率半径(μm)、αは熱膨張係数(×10-7/℃)、nは波長1550nmにおける室温での屈折率、dn/dTは温度に対する屈折率変化率(×10-6/℃)である。尚、レンズ形状が凸平の場合は、r2が∞となる。
温度変化に伴う焦点距離の変化及び軸ずれは、温度変化に対する挿入損失によって評価し、その挿入損失は、レーザダイオード(LD)より出射した1.55μmの赤外光をマイクロレンズを通してシングルモード光ファイバに入射し、パワーメータを用いて、−5℃、25℃及び65℃における光損失量(dB)を8個のマイクロレンズについて測定し、それら全ての光損失量の平均値とした。
実施例1〜5は、HIP処理や、マスキング材を必要とすることなくマイクロレンズアレイを作製でき、さらに温度変化に対する挿入損失が小さかった。一方、比較例1は、原板を作製するためにHIP処理しなければならず、さらに温度に対する焦点距離変化率(df/dT)が大きいため、温度変化に対する挿入損失が大きかった。また、比較例2は、マスキング材を用意しなければならず、さらに、温度に対する焦点距離変化率(df/dT)が小さいものの、温度変化に対する挿入損失が大きかった。これは、基質部の熱膨張係数が大きいために、マイクロレンズアレイの温度に対する軸ずれが大きくなったことに起因しているものと推察される。
本発明のマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイは、光スイッチ、合波分波器等等の光通信デバイスに好適であり、特に厳密な焦点距離の精度や高い化学的耐久性が要求されるDWDM及び並列光通信に好適である。
11 レンズ部
1a、11a 非晶質部
1a1、11a1 レンズ表面
12 基質部
13 マイクロレンズ
10、20 マイクロレンズアレイ
1a、11a 非晶質部
1a1、11a1 レンズ表面
12 基質部
13 マイクロレンズ
10、20 マイクロレンズアレイ
Claims (19)
- 凸状のレンズ表面を有するレンズ部と、該レンズ部の周囲を包囲する結晶化ガラスからなる基質部とを備え、前記レンズ部は、前記基質部を構成する結晶化ガラス基質がレーザの照射によって非晶質ガラス化した非晶質部を含んでいるマイクロレンズ。
- 前記レンズ部の非晶質部が、−40〜80℃の温度範囲において、30〜130×10-7/℃の熱膨張係数を有する請求項1に記載のマイクロレンズ。
- 前記基質部が、−40〜80℃の温度範囲において、−30〜+20×10-7/℃の熱膨張係数を有する請求項1に記載のマイクロレンズ。
- 前記レンズ部の非晶質部がLi2O−Al2O3−SiO2系非晶質ガラスからなり、前記基質部がLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスからなる請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロレンズ。
- 前記基質部がβ−石英固溶体及び/又はβ−スポジュメン固溶体を主結晶相として析出してなるLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスからなる請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロレンズ。
- 前記レンズ部及び前記基質部が質量%で、SiO2 55〜75%、
Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜8%を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロレンズ。 - 前記レンズ部及び前記基質部が質量%で、SiO2 55〜75%、
Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜5%、
MgO 0〜4%、ZnO 0〜4%、TiO2 0〜4%、ZrO2 0〜4%、
SnO2 0〜4%、P2O5 0〜4%、Na2O 0〜7%、K2O 0〜7%、BaO 0〜7%を含有する請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロレンズ。 - 前記レーザの出力が0.5〜5Wである請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロレンズ。
- 凸状のレンズ表面を有するレンズ部と、該レンズ部の周囲を包囲する結晶化ガラスからなる基質部とを備えたマイクロレンズを製造する方法であって、結晶化ガラスからなる基材の所定領域にレーザを照射し、該レーザの照射により前記基材の所定領域の結晶化ガラス基質を非晶質ガラス化して非晶質部を生成させて、該非晶質部を含む前記レンズ部を形成するマイクロレンズの製造方法。
- 前記基材が、−40〜80℃の温度範囲において、−30〜+20×10-7/℃の熱膨張係数を有し、β−石英固溶体及び/又はβ−スポジュメン固溶体を主結晶相として析出してなるLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスからなる請求項9に記載のマイクロレンズの製造方法。
- 前記基材が、質量%で、SiO2 55〜75%、Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜8%を含有してなる請求項9又は10に記載のマイクロレンズの製造方法。
- 前記基材が、質量%で、SiO2 55〜75%、Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜5%、MgO 0〜4%、ZnO 0〜4%、TiO2 0〜4%、ZrO2 0〜4%、SnO2 0〜4%、
P2O5 0〜4%、Na2O 0〜7%、K2O 0〜7%、BaO 0〜7%を含有してなる請求項9〜11のいずれかに記載のマイクロレンズの製造方法。 - 前記レーザの出力が0.5〜5Wである請求項9〜12のいずれかに記載のマイクロレンズの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のマイクロレンズが二次元的に複数配列されたマイクロレンズアレイ。
- 凸状のレンズ表面を有するレンズ部と、該レンズ部の周囲を包囲する結晶化ガラスからなる基質部とを備えたマイクロレンズが二次元的に複数配列されたマイクロレンズアレイを製造する方法であって、結晶化ガラスからなる基材の複数の所定領域にレーザを照射し、該レーザの照射により前記基材の各所定領域の結晶化ガラス基質を非晶質ガラス化して非晶質部を生成させて、該非晶質部を含む前記レンズ部を形成するマイクロレンズの製造方法。
- 前記基材が、−40〜80℃の温度範囲において、−30〜+20×10-7/℃の熱膨張係数を有し、β−石英固溶体及び/又はβ−スポジュメン固溶体を主結晶相として析出してなるLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスからなる請求項15に記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
- 前記基材が、質量%で、SiO2 55〜75%、Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜8%を含有してなる請求項15又は16に記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
- 前記基材が、質量%で、SiO2 55〜75%、Al2O3 14〜35%、Li2O 2〜8%、TiO2+ZrO2 0.7〜5%、MgO 0〜4%、ZnO 0〜4%、TiO2 0〜4%、ZrO2 0〜4%、SnO2 0〜4%、
P2O5 0〜4%、Na2O 0〜7%、K2O 0〜7%、BaO 0〜7%を含有してなる請求項15〜17のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法。 - 前記レーザの出力が0.5〜5Wである請求項15〜18のいずれかに記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
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