JP2006338917A - 電子部品用セパレータおよび電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、薄膜化が容易で、かつ、機械的強度、寸法安定性、耐熱性に優れた電子部品用セパレータを提供することにある。更に、本発明の電子部品用セパレータを用いることで高容量、高機能となる電子部品を提供することにある。
【解決手段】本発明の電子部品用セパレータは、連通孔を有する多孔質膜よりなり、該多孔質膜が、ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂と、融点が180℃未満のフッ化ビニリデン樹脂とを含有する樹脂材料と、実質的に融点を有しないか、または融点が180℃以上のフィラー粒子とより形成される。本発明の電子部品用セパレータは、リチウムイオン電池、ポリマーリチウム電池、アルミニウム電解コンデンサまたは電気二重層キャパシタ等の電子部品に好適に用いられる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の電子部品用セパレータは、連通孔を有する多孔質膜よりなり、該多孔質膜が、ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂と、融点が180℃未満のフッ化ビニリデン樹脂とを含有する樹脂材料と、実質的に融点を有しないか、または融点が180℃以上のフィラー粒子とより形成される。本発明の電子部品用セパレータは、リチウムイオン電池、ポリマーリチウム電池、アルミニウム電解コンデンサまたは電気二重層キャパシタ等の電子部品に好適に用いられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子部品、特に、リチウムイオン電池、ポリマーリチウム電池、アルミニウム電解コンデンサまたは電気二重層キャパシタに好適に用いられる電子部品用セパレータおよびそれを用いた電子部品に関する。
近年、産業機器、民生機器に関わらず電気・電子機器の需要増加及びハイブリッド自動車の開発により、電子部品であるリチウムイオン二次電池及びポリマーリチウム二次電池の需要が著しく増加している。これらの電気・電子機器は高容量化、高機能化が日進月歩で進行しており、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム二次電池、アルミニウム電解コンデンサおよび電気二重層キャパシタにおいても高容量化、高機能化が要求されている。
リチウムイオン二次電池及びポリマーリチウム二次電池は、活物質とリチウム含有酸化物とポリフッ化ビニリデン等のバインダーとを1−メチル−2−ピロリドン中で混合し、アルミニウム製集電体上にシート化した正極、リチウムイオンを吸蔵放出し得る炭素質材料とポリフッ化ビニリデン等のバインダーとを1−メチル−2−ピロリドン中で混合し、銅製集電体上にシート化した負極、およびポリフッ化ビニリデンやポリエチレン等より成る多孔質電解質膜を、正極、電解質膜、負極の順に捲回もしくは積層された電極体に駆動用電解液を含浸しアルミニウムケースにより封止された構造のものである。また、アルミニウム電解コンデンサは、エッチングした後、化成処理を施して誘電体被膜を形成したアルミニウム製正極箔と、エッチングされたアルミニウム製負極箔とを、セパレータを介して捲回または積層した電極体に駆動用電解液を含浸し、アルミニウムケースと封口体により封止し、短絡しないように正極リードと負極リードを封止体を貫通させて外部に引き出した構造のものである。また、電気二重層キャパシタは、活性炭と導電剤及びバインダーを混練したものをアルミニウム製正極、負極各集電極の両面に貼り付け、セパレータを介して捲回または積層した電極体に駆動用電解液を含浸し、アルミニウムケースと封止体により梱包され、短絡しないように正極リードと負極リードを封止体を貫通させて外部に引き出した構造のものである。
従来、上記リチウムイオン電池またはポリマーリチウム電池のセパレータとしては、ポリオレフィン系の多孔質膜や不織布が使用されており、アルミニウム電解コンデンサおよび電気二重層キャパシタのセパレータとしては、セルロースパルプからなる紙やセルロース繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等からなる不織布が使用されている。
ところで、上記のような電子部品は、高容量化、高機能化の試みが進んでいる。高容量化すると、異常充電時などに異常発熱が大きくなるため、高温に耐えうるための耐熱性、高い機械的強度、優れた耐熱寸法安定性を持ったセパレータが求められている。一方、電子部品の高機能化の対策の一つとして、急速充放電特性の向上、高出力特性の向上等が試みられており、セパレータについては、薄膜化および均一性の向上が強く要求されている。上記のような従来のセパレータでは、耐熱性が不十分であるばかりでなく、薄膜化した場合、貫通孔が存在しやすくなり、また機械的強度が低下し、その結果、電極間で内部短絡を生じたり、均一性が不十分でイオン移動または電子移動が局所的に集中する部分が発生して、信頼性を低下させるなどの問題がある。薄膜化する場合、機械的強度を確保する方法としては、空隙率を低下させればよいが、その場合、内部抵抗の上昇を伴い、高機能化の要求を満たすことができなくなる。
このようなセパレータへの要求に対して、例えば、特許文献1に記載のような耐熱性樹脂からなる多孔質膜の検討がなされている。耐熱性樹脂を多孔質化する場合、通常、相転換法(ミクロ相分離法)が用いられる。相転換法の原理は高分子溶液の相分離現象に基づいており、高分子溶液の加熱又は冷却による温度変化、溶媒蒸発による濃度変化、または非溶媒接触による溶媒組成の変化があると、安定な溶液状態からゲル化または相分離を起こして固形化する。一般的に、蒸発による方法を乾式法、非溶媒の接触による方法を湿式法と称している。このような相分離現象は一般的には非対称で進行することが多い。つまり、蒸発による濃度変化は溶液表面から内部に向けて徐々に起こり、また、非溶媒接触による溶媒組成の変化も高分子溶液相と非溶媒の接触界面から内部に向けて進行する。したがって、溶液表面あるいは接触界面と溶液内部とでは相分離の進行状態が異なるために非対称構造の多孔質構造が形成される。相転換法で製膜された多孔質膜は、膜の表面層に近づくにつれて孔径が小さくなったり、または、孔が存在しない緻密層(スキン層)を形成したりして、階層的構造を有する膜となる。このような現象は、特に、湿式法での多孔質化において顕著になりやすい。このような階層的構造は、逆浸透膜のような選択的分離機能を有する分離膜ではむしろ好適に用いられるが、充電と放電を繰り返すことでイオン又は電子が双方向に移動するような電子部品用のセパレータにとっては、性能を低下させる要因となっていた。
特開2003−313356号公報
本発明の目的は、電子部品用セパレータにおける上記のような問題を解決し、薄膜化が容易で、かつ、機械的強度、寸法安定性、耐熱性に優れた電子部品用セパレータを提供することにある。更に、本発明の目的は、上記電子部品用セパレータを用いた高容量、高機能の電子部品を提供することにある。
上記の課題を達成するための本発明の電子部品用セパレータは、連通孔を有する多孔質膜よりなり、該多孔質膜が、ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂と融点180℃未満のフッ化ビニリデン樹脂とを含む樹脂材料と、実質的に融点を有しないか、または融点が180℃以上のフィラー粒子とよりなることを特徴とする。
本発明において、ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂は、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアクリロニトリルのいずれか1種、またはそれら2種以上の混合物であることが好ましい。また、前記フィラー粒子の含有量は、多孔質膜の全固形分に対して25〜85重量%であることが好ましい。また、フィラー粒子の一次平均粒子径は、多孔質膜の膜厚の1/100〜1/2であることが好ましい。さらにまた、フィラー粒子は、電気絶縁性無機粒子またはポリテトラフルオロエチレン粒子であることが好ましい。また、前記フッ化ビニリデン樹脂の含有量は、多孔質膜の全固形分に対して0.5重量%〜30重量%であることが好ましい。本発明のセパレータは、多孔質膜の透気度が0.1〜100秒/100mlであることが好ましく、また、膜厚は1〜50μmであることが好ましい。
本発明の電子部品は、正極と負極とを有し、それらの間に上記の電子部品用セパレータが配置され、該電子部品用セパレータに電解液が含侵されたものであることを特徴とする。
本発明の電子部品は、正極と負極とを有し、それらの間に上記の電子部品用セパレータが配置され、該電子部品用セパレータに電解液が含侵されたものであることを特徴とする。
本発明の電子部品用セパレータは、薄膜化が容易で、機械的強度、寸法安定性、耐熱性に優れ、且つ、電解液に対する濡れ性および保持性がきわめて良好であり、種々の実用特性を良好に保ちつつ、加熱時にも熱収縮が極めて少なく高信頼性を得ることが可能である。したがって、本発明の電子部品用セパレータは、リチウムイオン電池、ポリマーリチウム電池、アルミニウム電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、レドックスキャパシタ等の電子部品に好適に用いられる。特に耐熱性が要求される大型の電子部品に好適に用いることができ、上記電子部品の高性能化・高機能化を果たすことが可能となる。
本発明の電子部品用セパレータを構成する樹脂材料は、ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂と融点180℃未満のフッ化ビニリデン樹脂とを含む。ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂としては、具体的には、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィドおよびポリテトラフルオロエチレンの少なくとも1種類からなるものが挙げられる。これらの合成樹脂は公知の技術を用いて製造することができる。本発明のセパレータの耐熱性、寸法安定性、機械的強度は、これら耐熱性合成樹脂に依存するために、その特性が極めて重要であり、特に耐熱性の点ではガラス転移点または融点が重要な特性となる。合成樹脂のガラス転移点が180℃に満たないか、または融点が200℃に満たないと、電子部品が180℃以上の高温に発熱した際に、寸法変化および変形を起こす可能性が高く、電子部品性能の劣化に繋がるため好ましくない。電子部品の製造や電子部品の使用環境によっては、200℃以上の高温環境下にさらされることもあり、合成樹脂は200℃以上のガラス転移点または220℃以上の融点を有することがより好ましい。前記ガラス転移点の測定方法と解析方法は、JIS K 7121に記載の方法により行うことができる。
また、電子部品用セパレータの製造に際しては、樹脂材料を溶媒中に溶解または分散して使用する。その場合、合成樹脂としては、多孔質膜の機械的強度、均一性をより良好にするためには、溶媒に溶解する合成樹脂が好ましく、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホンおよびポリアクリロニトリルのいずれか1種、またはこれら2種以上の混合物であることが好ましい。中でも、機械的強度に優れたポリアミドイミド、ポリフェニルスルホンが特に好適に用いられる。
一方、機械的強度、寸法安定性、耐熱性を損なわない範囲で、ガラス転移点が180℃未満の合成樹脂を含有させることも可能である。そのような合成樹脂を含有させることによって、電子部品に用いられる電解液の濡れ性の向上、保持性の向上、可とう性の向上等がはかられる。その場合の含有量としては、全樹脂成分の20重量%以下の範囲にすることが好ましい。20重量%より多くの添加量になると、耐熱性が低下する可能性があり、本発明の目的を達成することができなくなる。
本発明の電子部品用セパレータは、融点が180℃未満のフッ化ビニリデン樹脂を含有することが必要であり、そして好ましくは80℃以上、より好ましくは120℃以上の融点を有するものが使用される。フッ化ビニリデン樹脂は、電気化学的に安定であり、電子部品に組み立てた際の電極間電位において十分な電位を有している。その上、電子部品に使用されるカーボネート系溶媒、エーテル系溶媒、ラクトン系溶媒、アミド系溶媒に対して良好な濡れ性を有しており、本発明のセパレータの濡れ性を向上する目的で必要となるものである。融点が180℃未満のフッ化ビニリデン樹脂の具体的なものとしては、フッ化ビニリデン単独からなるホモポリマー(ポリフッ化ビニリデン)の他、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、エチレンからなる群より選ばれる1種類以上とフッ化ビニリデンとの共重合体があげられる。また、これら共重合体を単独で、または混合して使用することも可能である。耐熱性を高めるためには、ポリフッ化ビニデンを用いることが好ましいが、濡れ性をより向上するためには共重合体を用いた方が好ましい。特に、耐熱性と濡れ性を両立するフッ化ビニリデン樹脂としては、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレンおよびフッ化ビニリデンの三元共重合体が好ましいものとしてあげられる。
本発明において、上記フッ化ビニリデン樹脂の含有量は、多孔質膜の全固形分に対して0.5重量%〜20重量%であることが好ましい。含有量が0.5重量%未満であると、濡れ性、保持性に対する効果が得られないために好ましくない。含有量が20重量%より多いと、フッ化ビニリデン樹脂の融点が180℃未満であるために、本発明のセパレータの耐熱性を損なうことになり、好ましくない。高い耐熱性と高い濡れ性を両立するために、より好ましい含有量は1〜10重量%であり、さらに好ましくは2〜5重量%である。
本発明の電子部品用セパレータは、実質上遮蔽構造を有さない連通孔を有する多孔質膜よりなるが、このような多孔質膜を得るためにフィラー粒子を含有させることが必要である。フィラー粒子の存在は、本発明の電子部品用セパレータを製造する際に、すなわち、多孔質構造化の際に、孔が存在しない緻密層(スキン層)の形成を防ぐ効果がある。その理由は定かではないが、樹脂溶液に均一分散しているフィラー粒子と樹脂界面の間に溶媒が偏在し、フィラー粒子の周囲において優先的に多孔化が進行するためと考えられる。フィラー粒子は、塗布した塗料の表面および内部に均一に分散しているため、相分離状態が塗布厚方向にて均一になりやすいためと推測される。緻密層の形成を防ぐことにより、多孔質膜の一方の面から他方の面に連通した多孔質構造体とすることができ、電子部品内部でのイオン伝導、電子伝導を妨げることがない。
本発明の電子部品用セパレータに用いるフィラー粒子は、180℃以上の融点を有するか、または実質的に融点を有さないことが必要である。融点が180℃よりも低い場合は、加熱時に熱溶融し、多孔質構造の細孔をふさぐ可能性がある。また、電解液に溶解またはゲル化しやすい材質の場合は、目詰まりしやすくなるために、電子部品性能を低下させる可能性があり好ましくない。また、フィラー粒子が導電性であると、内部短絡を起こすため使用することができない。したがって、フィラー粒子は電気絶縁性であることが必要である。フィラー粒子の形状には特に制限はなく、無定型フィラー、板状フィラー、針状フィラー、球形フィラーが用いられるが、多孔質膜に均一に分散するためには球形フィラーが最も適している。フィラー粒子の具体的な材質としては、例えば、天然シリカ、合成シリカ、アルミナ、酸化チタン、ガラス等の電気絶縁性無機粒子、ポリテトラフルオロエチレン、架橋アクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリウレタン、架橋スチレン樹脂、メラミン樹脂等の有機粒子が挙げられる。中でも耐薬品性、耐熱性及び分散性に優れた電気絶縁性無機粒子またはポリテトラフルオロエチレン粒子が好適に用いられる。前記融点の測定方法は、JIS K 7121に記載の方法により行うことができる。
本発明において、フィラー粒子の含有量は、多孔質膜の全固形分に対して25〜85重量%の範囲が好ましい。含有量が多いほど、緻密層の形成を防ぐことが可能となるが、多孔質膜の機械的強度を低下させることになるため85重量%以下であることが好ましい。また、含有量が25重量%未満になると、緻密層の形成を妨げる効果が減少するために、後述する透気度において満足するものが得られなくなるため好ましくない。機械的強度、透気度を両立する最適な含有量は40〜70重量%の範囲である。
また、フィラー粒子の一次平均粒子径は、多孔質膜の膜厚の1/100〜1/2であり、最大粒子径が膜厚以下であることが好ましい。一次平均粒子径が上記の範囲より大きいと多孔質膜の表面上に突起状に突出する粒子が存在しやすくなり、膜厚に斑が生じる可能性があり好ましくない。最も好適な一次平均粒子径としては、膜厚の1/100〜1/10であり、1/10以下の一次平均粒子径で十分に緻密層の形成を防ぐことができるので、これ以上の粒子径は必ずしも必要ではない。また、粒子径が1/100より小さいと、緻密層の形成を防ぐ効果がなくなり、透気度が悪化する。フィラー粒子の一次平均粒子径の好ましい具体的な範囲は、1〜10μmである。なお、上記一次平均粒子径は、レーザー回折拡散法(マイクロトラック法)による粒度分布測定から求めた体積平均粒子径である。
本発明の電子部品用セパレータは、上記した樹脂材料と、フィラー粒子と、フッ化ビニリデン樹脂とからなる多孔質膜より構成されている。この多孔質膜は、多数の連続する細孔を有するものであって、その細孔のバブルポイント法による平均孔径が0.1〜5μmであることが好ましく、より好ましくは、0.5〜3μmの範囲である。平均孔径が0.1μm未満の場合は、イオン伝導性を阻害する場合があるほか、電解液の含浸性が低下する傾向があるので好ましくない。また、平均孔径が5μmより大きい場合は、特にセパレータを薄膜した場合において内部短絡などの不具合を生じるため好ましくない。
該多孔質膜の多孔性の程度は、空隙率が目安となる。本発明のセパレータの空隙率は、30〜90%の範囲とすることが好ましい。空隙率が低すぎると内部抵抗が大きくなり、電子部品の性能の悪化に繋がる。また、空隙率が高すぎると機械的強度が低下し、本発明の目的を達成することが難しくなる。より好ましい範囲は、50〜80%であり、この範囲であれば、本発明のセパレータは機械的強度が十分に保たれ、内部抵抗も低く、イオン伝導性、電子伝導性に優れたセパレータとなる。
ここでいう空隙率は、坪量M(g/cm2)、厚さT(μm)、密度D(g/cm3)を用いて次式により求められる。
空隙率(%)=[1−(M/T)/D]×100
ここでいう空隙率は、坪量M(g/cm2)、厚さT(μm)、密度D(g/cm3)を用いて次式により求められる。
空隙率(%)=[1−(M/T)/D]×100
多孔質膜の細孔の連通性を評価するものとして、JIS P 8117に記載のガーレー式透気度測定装置において測定した透気度がある。透気度の数値が低いほど、空気の透過性がよいことを示しており、電子部品用セパレータにおいては、透気度の数値が低いことが好ましい。電子部品用セパレータにおいては、透気度の数値が低い方がイオン伝導性は向上する。本発明の電子部品用セパレータは、透気度が0.1〜100秒/100mlであることが好ましい。透気度が100秒/100mlより大きいと、イオン移動を阻害することになり、即ち、イオン伝導性が悪くなり、インピーダンスが増大し、電子部品性能も劣ってくる。しかし、一方で0.1秒/100mlより小さいと、イオン伝導性は良いけれども、電極間の微小短絡が起こりやすくなり、上記の場合と同様に電子部品性能が悪くなる。
本発明の電子部品用セパレータは、膜厚が1〜50μmの範囲にすることが好ましい。本発明の電子部品用セパレータは、50μm以下の薄膜であっても実用上問題のない優れた機械的強度を有しており、それより大きい膜厚はむしろ必要性がない。一方、膜厚が1μm未満の場合、機械的強度が低下し、また、取り扱い性も悪化するため、生産性が悪くなるので好ましくない。本発明のセパレータのより好ましい膜厚は3〜30μmであり、最も好ましくは5〜15μmである。本発明のセパレータにおいては、膜厚15μm以下でも十分高い機械的強度を有しており、薄膜化により、内部抵抗が低下するので、実用上問題ない優れた電子部品を得ることができるようになる。
上記したように、耐熱性が高く、透気性に優れ、機械的強度が高く、薄膜化が可能な本発明の電子部品用セパレータは、電子部品に用いられた場合、低内部抵抗、高容量化、高温対応、高信頼性、長寿命などに寄与するため、リチウムイオン電池、ポリマーリチウム電池、アルミニウム電解コンデンサまたは電気二重層キャパシタに好適に用いることができる。
次に、本発明のセパレータについて、その製造方法を述べる。製造方法はこれのみに限定されるものではなく、他の製造方法でも本発明のセパレータを製造することは可能である。
先ず、ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂と融点180℃未満のフッ化ビニリデン樹脂とを含む樹脂材料と、180℃以上の融点を有するか、または実質的に融点を有しないフィラー粒子と、上記樹脂材料を実質的に溶解する溶媒(良溶媒)と、上記樹脂材料を実質的に溶解しない溶媒(貧溶媒)とを含む塗料を基材に塗布し、乾燥することにより多孔質膜を形成し、その後、基材を除去してセパレータを得る。ここで塗料に用いられる良溶媒は特に制限はないが、上記樹脂材料を溶解できる溶剤であれば好適に使用することができる。主な例としては、1−メチル−2ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、2−ブタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤等が挙げられる。上記樹脂材料を溶解しない貧溶媒は特に制限はなく、樹脂材料の溶解性を確認して用いればよい。貧溶媒の種類、性状、物理特性、添加量は多孔質膜の孔径、空隙率等に大きく影響を与えるため、以下のような条件で適宜選択されることが好ましい。貧溶媒は良溶媒より沸点が高い方が多孔質膜の空隙率が大きくなりやすく、更に、添加量が多いほど空隙率が高くなりやすい。しかし、多すぎると塗料の粘度等が高くなりすぎるため、取り扱い性が悪く生産性が悪化する。好ましい貧溶媒は、沸点が良溶媒より10〜20℃高いものであって、その添加量が全溶媒に対して10〜30重量%の範囲である。上記の良溶媒を用いた場合に選択できる貧溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、オクタノール、デカノール等のアルコール類、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素類、フタル酸ジブチル等のエステル類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記塗料を調整する際、樹脂材料、フィラー粒子および溶媒の添加方法に特に制限はないが、塗料は、樹脂材料を良溶媒に溶解した後、フィラー粒子を混合、分散し、貧溶媒を添加することによっても容易に調製可能である。
先ず、ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂と融点180℃未満のフッ化ビニリデン樹脂とを含む樹脂材料と、180℃以上の融点を有するか、または実質的に融点を有しないフィラー粒子と、上記樹脂材料を実質的に溶解する溶媒(良溶媒)と、上記樹脂材料を実質的に溶解しない溶媒(貧溶媒)とを含む塗料を基材に塗布し、乾燥することにより多孔質膜を形成し、その後、基材を除去してセパレータを得る。ここで塗料に用いられる良溶媒は特に制限はないが、上記樹脂材料を溶解できる溶剤であれば好適に使用することができる。主な例としては、1−メチル−2ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、2−ブタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤等が挙げられる。上記樹脂材料を溶解しない貧溶媒は特に制限はなく、樹脂材料の溶解性を確認して用いればよい。貧溶媒の種類、性状、物理特性、添加量は多孔質膜の孔径、空隙率等に大きく影響を与えるため、以下のような条件で適宜選択されることが好ましい。貧溶媒は良溶媒より沸点が高い方が多孔質膜の空隙率が大きくなりやすく、更に、添加量が多いほど空隙率が高くなりやすい。しかし、多すぎると塗料の粘度等が高くなりすぎるため、取り扱い性が悪く生産性が悪化する。好ましい貧溶媒は、沸点が良溶媒より10〜20℃高いものであって、その添加量が全溶媒に対して10〜30重量%の範囲である。上記の良溶媒を用いた場合に選択できる貧溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、オクタノール、デカノール等のアルコール類、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素類、フタル酸ジブチル等のエステル類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記塗料を調整する際、樹脂材料、フィラー粒子および溶媒の添加方法に特に制限はないが、塗料は、樹脂材料を良溶媒に溶解した後、フィラー粒子を混合、分散し、貧溶媒を添加することによっても容易に調製可能である。
次に、得られた塗料を基材上に塗布する。基材としては平滑なものならば如何なるものでも使用することができ、例えば、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルム、アルミニウム等の金属箔、各種ガラス等が挙げられる。これらの基材は、離型処理、易接着処理等の表面処理を施したものでもよく、塗布方法により適宜選択すればよい。塗布する方法としては、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等による塗布又はキャスティング法等を挙げることができる。基材上に塗布された後、室温から180℃程度の範囲で乾燥し、溶媒を蒸発させることによって、基材上に多孔質膜が形成される。乾燥方法は減圧下でも常圧下でもよく、風乾でもよい。多孔質膜を基材から剥離することによって、本発明の電子部品用セパレータを得ることができる。
次に、本発明のセパレータを用いた電子部品について説明する。
電子部品として、例えば、円筒型ポリマーリチウム二次電池を製造する場合、正極と負極の2枚のテープ状の電極間に、本発明のセパレータを挟み、捲回機によって積層しながら巻き取る。その後円筒状のアルミニウムまたはステンレス鋼製の器に入れ、電解液を注入する。正極および負極のそれぞれの端子からリード線を出し、封止することによって製造することができる。上記正極としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどの活物質と、アセチレンブラックなどの導電助剤を、ポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液などのバインダー樹脂溶液に分散し、スラリー化したものを、アルミニウム箔からなる正極集電体上に塗布したものが使用できる。上記負極としては、天然グラファイトを上記と同様のバインダー樹脂溶液に分散したものを、銅箔からなる負極集電体上に塗布したものが使用できる。また、電解液としては、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを添加したものなどが使用できる。
電子部品として、例えば、円筒型ポリマーリチウム二次電池を製造する場合、正極と負極の2枚のテープ状の電極間に、本発明のセパレータを挟み、捲回機によって積層しながら巻き取る。その後円筒状のアルミニウムまたはステンレス鋼製の器に入れ、電解液を注入する。正極および負極のそれぞれの端子からリード線を出し、封止することによって製造することができる。上記正極としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどの活物質と、アセチレンブラックなどの導電助剤を、ポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液などのバインダー樹脂溶液に分散し、スラリー化したものを、アルミニウム箔からなる正極集電体上に塗布したものが使用できる。上記負極としては、天然グラファイトを上記と同様のバインダー樹脂溶液に分散したものを、銅箔からなる負極集電体上に塗布したものが使用できる。また、電解液としては、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを添加したものなどが使用できる。
また、本発明のセパレータを用いて、例えば、電気二重層キャパッシタのコイン型セルを製造する場合には、2枚の円状の電極に本発明の円状のセパレータを挟んで積層体を形成し、アルミニウムまたはステンレス鋼製のコイン型の器に入れる。電解液を注入した後に、コイン型の上蓋で封止することによって製造することができる。2枚の電極は、器の内側でそれぞれ上蓋および下蓋(器の底部)に接した構造となっており、それぞれの蓋が端子となる。ここで、例えば、上記電極として活性炭電極などを、電解液として、四フッ化ホウ素のテトラエチルアンモニウム塩などを使用することができる。
以下に、本発明の電子部品用セパレータを実施例によって説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
ガラス転移点が300℃のポリアミドイミド47重量部と、融点が174℃のポリフッ化ビニリデン3重量部とを、良溶媒のN,N−ジメチルアセトアミド400重量部に溶解した後、貧溶媒としてエチレングリコール、および、フィラー粒子として、融点が327℃で一次平均粒子径が0.25μmのポリテトラフルオロエチレン粒子50重量部を添加混合し、塗料を調製した。次にポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム基材上に、上記塗料をキャスティング法により塗布し、80℃の送風乾燥機中で乾燥させ溶剤を完全に蒸発させた。その後、樹脂フィルム基材を剥離し、本発明の電子部品用セパレータを得た。得られたセパレータの厚みは20μmであった。
塗布量を調節した以外は、実施例1と同様にして本発明の電子部品用セパレータを得た。得られたセパレータの厚みは12μmであった。
ガラス転移点が300℃のポリアミドイミド40重量部と、融点が174℃のポリフッ化ビニリデン10重量部とを、良溶媒のN,N−ジメチルアセトアミド400重量部に溶解した後、貧溶媒としてエチレングリコール、および、フィラー粒子として、融点が327℃で一次平均粒子径が0.25μmのポリテトラフルオロエチレン粒子50重量部を添加混合し、塗料を調製した。次にポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム基材上に、上記塗料をキャスティング法により塗布し、80℃の送風乾燥機中で乾燥させ溶剤を完全に蒸発させた。その後、樹脂フィルム基材を剥離し、本発明の電子部品用セパレータを得た。得られたセパレータの厚みは20μmであった。
ガラス転移点が300℃のポリアミドイミド45重量部と、融点が124℃のフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体5重量部とを、良溶媒のN,N−ジメチルアセトアミド 400重量部に溶解した後、貧溶媒としてエチレングリコール、および、フィラー粒子として、融点が327℃で一次平均粒子径が0.25μmのポリテトラフルオロエチレン粒子50重量部を添加混合し、塗料を調製した。次にポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム基材上に、上記塗料をキャスティング法により塗布し、80℃の送風乾燥機中で乾燥させ溶剤を完全に蒸発させた。その後、樹脂フィルム基材を剥離し、本発明の電子部品用セパレータを得た。得られたセパレータの厚みは20μmであった。
ガラス転移点が300℃のポリアミドイミド45重量部と、融点が124℃のフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体5重量部とを、良溶媒のN,N−ジメチルアセトアミド400重量部に溶解した後、貧溶媒としてエチレングリコール、および、フィラー粒子として、融点が327℃で一次平均粒子径が0.25μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子50重量部を添加混合し、塗料を調製した。次にポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム基材上に、上記塗料をキャスティング法により塗布し、80℃の送風乾燥機中で乾燥させて溶剤を完全に蒸発させた。その後、樹脂フィルム基材を剥離し、本発明の電子部品用セパレータを得た。得られたセパレータの厚みは20μmであった。
耐熱性高分子材料として、融点が235℃のポリアミドを用いた以外は、実施例2と同様にして本発明の電子部品用セパレータを得た。得られたセパレータの厚みは20μmであった。
ガラス転移点が300℃のポリアミドイミド47重量部と、融点が174℃のポリフッ化ビニリデン3重量部とを、良溶媒のN,N−ジメチルアセトアミド400重量部に溶解した後、貧溶媒としてエチレングリコール、および、フィラー粒子として実質的に融点を有さない一次平均粒子径が1μmであるシリカ粒子50重量部を添加混合し、塗料を調製した。次にポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム基材上に、上記塗料をキャスティング法により塗布し、80℃の送風乾燥機中で乾燥させ溶剤を完全に蒸発させた。その後、樹脂フィルム基材を剥離し、本発明の電子部品用セパレータを得た。得られたセパレータの厚みは20μmであった。
[比較例1]
リチウムイオン二次電池に現在広く使われているポリエチレン製延伸多孔質フィルムを比較用のセパレータとした。このポリエチレン製セパレータの膜厚は20μmであった。
リチウムイオン二次電池に現在広く使われているポリエチレン製延伸多孔質フィルムを比較用のセパレータとした。このポリエチレン製セパレータの膜厚は20μmであった。
[比較例2]
電気二重層キャパシタに現在広く用いられているセルロースパルプからなる紙製セパレータを比較用のセパレータとした。この紙製セパレータの膜厚は30μmであった。
電気二重層キャパシタに現在広く用いられているセルロースパルプからなる紙製セパレータを比較用のセパレータとした。この紙製セパレータの膜厚は30μmであった。
[比較例3]
ガラス転移点が300℃のポリアミドイミドを、良溶媒のN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、貧溶媒としてエチレングリコールを添加混合し、塗料を調製した。最終的な固形分濃度は10重量%であり、本塗料にはフィラー粒子は含まれていなかった。次にポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム基材上に、上記塗料をキャスティング法により塗布し、80℃の送風乾燥機中で乾燥させ溶剤を完全に蒸発させた。その後、樹脂フィルム基材を剥離し、比較用のセパレータを得た。得られたセパレータの厚みは25μmであった。
ガラス転移点が300℃のポリアミドイミドを、良溶媒のN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、貧溶媒としてエチレングリコールを添加混合し、塗料を調製した。最終的な固形分濃度は10重量%であり、本塗料にはフィラー粒子は含まれていなかった。次にポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム基材上に、上記塗料をキャスティング法により塗布し、80℃の送風乾燥機中で乾燥させ溶剤を完全に蒸発させた。その後、樹脂フィルム基材を剥離し、比較用のセパレータを得た。得られたセパレータの厚みは25μmであった。
[比較例4]
ガラス転移点が300℃のポリアミドイミド50重量部を、良溶媒のN,N−ジメチルアセトアミド400重量部に溶解し、貧溶媒としてエチレングリコール、および、フィラー粒子として融点が327℃で一次平均粒子径が0.25μmのポリテトラフルオロエチレン粒子50重量部を添加混合し、塗料を調整した。次にポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム基材上に、上記塗料をキャスティング法により塗布し、80℃の送風乾燥機中で乾燥させて溶剤を完全に蒸発させた。その後、基材に用いたフィルム基材を剥離し、比較用のセパレータを得た。得られたセパレータの厚みは20μmであった。
ガラス転移点が300℃のポリアミドイミド50重量部を、良溶媒のN,N−ジメチルアセトアミド400重量部に溶解し、貧溶媒としてエチレングリコール、および、フィラー粒子として融点が327℃で一次平均粒子径が0.25μmのポリテトラフルオロエチレン粒子50重量部を添加混合し、塗料を調整した。次にポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム基材上に、上記塗料をキャスティング法により塗布し、80℃の送風乾燥機中で乾燥させて溶剤を完全に蒸発させた。その後、基材に用いたフィルム基材を剥離し、比較用のセパレータを得た。得られたセパレータの厚みは20μmであった。
上記実施例1〜7及び比較例1〜4で得られたセパレータにおいて下記評価を行い、電子部品用セパレータとしての特性を評価した。なお、多孔質膜製造に用いた樹脂材料の種類、フィラー粒子の種類、一次平均粒子径、全固形分中の含有量、多孔質膜の膜厚を表1にまとめて示す。なお、表1において、PTFEとはポリテトラフルオロエチレン(ポリ四フッ化エチレン)を、PVdFとはポリフッ化ビニリデンを、PVdF−HFPとはフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体を、PVdF−HFP−TFEとはフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体をそれぞれ意味する。
<透気度>
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られたセパレータについて、JIS P 8117に準拠した安田精機社製ガーレー式デンソメーターB型により、透気度を測定した。その結果を表2に示す。
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られたセパレータについて、JIS P 8117に準拠した安田精機社製ガーレー式デンソメーターB型により、透気度を測定した。その結果を表2に示す。
以上の結果から、本発明の電子部品用セパレータは、何れも低い透気度を有しており、多孔質膜の厚み方向で均一な細孔と、且つ連通孔を有していることが確認された。これに対して、比較例3のセパレータは、透気度が高く、つまり、多孔質膜内部に緻密層を有していることが確認された。
<耐熱寸法安定性>
10×10cmのサイズで、厚さが5mmの2枚のガラス板間に、実施例及び比較例のセパレータを5×5cmの正方形に切り出した試験片を挟んだ後に、水平にしてアルミニウム製のバットに静置し、200℃のオーブン中に24時間放置して熱による面積変化を調べた。面積変化を、面積変化率(100%)=(試験後の面積/試験前の面積:25cm2)×100として評価し、耐熱寸法安定性の指標とした。その結果を表3に示す。
10×10cmのサイズで、厚さが5mmの2枚のガラス板間に、実施例及び比較例のセパレータを5×5cmの正方形に切り出した試験片を挟んだ後に、水平にしてアルミニウム製のバットに静置し、200℃のオーブン中に24時間放置して熱による面積変化を調べた。面積変化を、面積変化率(100%)=(試験後の面積/試験前の面積:25cm2)×100として評価し、耐熱寸法安定性の指標とした。その結果を表3に示す。
以上の結果から、耐熱性の樹脂材料を用いた本発明の電子部品用セパレータは、耐熱寸法安定性について、比較例2のものと比べて少なくとも同等以上であり、何れも良好であることが確認された。一方、耐熱性の樹脂材料を用いない比較例1のセパレータは、耐熱寸法安定性に劣るものであり、200℃で完全に溶解しており、形状を全く維持していなかった。
<組み立てられた電子部品のイオン伝導度>
実施例1〜7及び比較例1〜4のセパレータについて、電極を用いて電気二重層キャパシタを組み立てて、コイン型セルを作製した。コイン型セルの作製においては、電極として電気二重層キャパシタ用の活性炭電極(宝泉社製)を用いた。また、電解液としてプロピレンカーボネートに、1mol/Lとなるように(C2H5)4NBF4を溶解したものを用いた。
実施例1〜7及び比較例1〜4のセパレータについて、電極を用いて電気二重層キャパシタを組み立てて、コイン型セルを作製した。コイン型セルの作製においては、電極として電気二重層キャパシタ用の活性炭電極(宝泉社製)を用いた。また、電解液としてプロピレンカーボネートに、1mol/Lとなるように(C2H5)4NBF4を溶解したものを用いた。
作製されたコイン型セルについて、20℃環境下におけるイオン伝導度を交流インピーダンス測定法により測定した。さらに、上記耐熱寸法安定性の評価にて実施した加熱処理後の試験片についても同様にコイン型セルを作製し、イオン伝導度の評価を行った。なお、イオン伝導度の測定には、ソーラトロン社製:SI 1287−1255Bを用いた。得られた結果を表4に示す。
上記の結果から、本発明の電子部品用セパレータは、200℃の高温にさらされた後においても高いイオン伝導度を示し、比較例1〜4のセパレータに比べて、何れもイオン伝導度が優れたものであることが確認された。なお、比較例1のセパレータは耐熱性が低いため、高温環境下での使用に耐えられなかった。
以上の4種類の評価結果を纏めると、本発明の電子部品用セパレータは、多孔質膜の膜厚方向に均一な連通孔を有し、耐熱性、イオン伝導性の全てを高いレベルで満足するものであることが明らかである。したがって、本発明の電子部品用セパレータは、最近の電子部品の高容量化、高機能化の要求に十分対応できるものである。
Claims (9)
- 連通孔を有する多孔質膜よりなり、該多孔質膜が、ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂と融点180℃未満のフッ化ビニリデン樹脂とを含む樹脂材料と、実質的に融点を有しないか、または融点が180℃以上のフィラー粒子とよりなることを特徴とする電子部品用セパレータ。
- 前記ガラス転移点が180℃以上または融点が200℃以上の合成樹脂が、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホンおよびポリアクリロニトリルのいずれか1種、またはそれらの2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品用セパレータ。
- 前記フィラー粒子の含有量が、多孔質膜の全固形分に対して25〜85重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品用セパレータ。
- 前記フィラー粒子の一次平均粒子径が、多孔質膜の膜厚の1/100〜1/2であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電子部品用セパレータ。
- 前記フィラー粒子が、電気絶縁性無機粒子またはポリテトラフルオロエチレン粒子であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電子部品用セパレータ。
- フッ化ビニリデン樹脂の含有量が、多孔質膜の全固形分に対して0.5重量%〜20重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電子部品用セパレータ。
- 多孔質膜の透気度が0.1〜100秒/100mlであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の電子部品用セパレータ。
- 多孔質膜の膜厚が1〜50μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の電子部品用セパレータ。
- 正極と負極とを有し、それらの間に請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の電子部品用セパレータが配置され、該電子部品用セパレータに電解液が含侵されていることを特徴とする電子部品。
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