JP2006341994A - 自動ワインダーの玉揚げ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バンチ巻きを必要とする巻取パッケージにはバンチ巻きを施し、バンチ巻きを必要としない巻取パッケージには巻取チューブの中間部に糸端を確実に巻回して巻取を行うことが可能な自動ワインダーの玉揚げ装置を提供することである。
【解決手段】 巻取チューブTの一端側にバンチ巻き部を形成するバンチ巻き形成手段BBAと、前記巻取チューブTの中間部に糸を巻き付ける棒巻き形成手段BAAと、前記バンチ巻き形成手段と前記棒巻き形成手段とのいずれか一方を選択して所望の巻き糸を形成する切替手段13を有する構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、精紡ボビン等の給糸パッケージに巻かれた糸を巻き上げて、大径の巻取パッケージを巻成する自動ワインダーに関し、特に、満巻きの巻取パッケージを払い出して新しい巻取チューブを供給する自動ワインダーの玉揚げ装置に関するものである。
従来、リング精紡機で生産された精紡ボビンは、自動ワインダーにより定長巻きされて大径の巻取パッケージに巻き取られている。
また、前記自動ワインダーは複数の巻取ユニットを並列して備えており、それらの複数の巻取ユニットで巻き上げられる満巻きの巻取パッケージの払い出しと新しい巻取チューブを装着するための玉揚げ装置を備えている。
前記玉揚げ装置は、定長に達した満巻きの巻取パッケージを払い出す際に、次の巻き始めの糸端を切断すると共に把持して、新たに供給する巻取チューブの一端側に複数回巻回してバンチ巻き部を形成した後で、前記バンチ巻きを離れた部分にて巻取を再開する構成とされている。
バンチ巻きは後工程においてパッケージから糸を解舒する際に、複数の巻取パッケージを連続して解舒する際に利用されるものであり、最初のパッケージのバンチ巻きの糸端を次の巻取パッケージの最外層の巻き終わりの糸端と糸継しておくことで、複数のパッケージを連続して使用することができる。そのために、自動ワインダーにおける通常の巻取手順としては、巻き始めの糸端を巻取チューブの一端側に巻回してバンチ巻き部を形成して、このバンチ巻き部から離れたトラバース域内の位置で本巻きを行い、巻取パッケージを巻成する構成である。
そのために、バンチ形成装置を一対配設して、バンチ巻き部を巻取チューブの左右いずれか一方に生成可能とする自動ワインダーの玉揚げ装置が既に本出願人から出願されている(例えば、特許文献1参照)。
また、後工程において一つの巻取パッケージを使い切りで使用する等の使用条件によっては、前記バンチ巻きが不要な場合がある。これは、バンチ巻き部を有しているパッケージから糸を引き出している最中に、バンチ巻きの糸が解けて他の糸と絡んだりして色々な問題を生じることがあるためである。そのために、バンチ巻き部を有していない巻取パッケージを生産するために、空ボビン(巻取チューブ)の略中間部分に糸端を一回巻き付けて巻き始める糸巻付け方法が既に本出願人から出願されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−255901号公報(第1−8頁、第1図) 特公平7−17312号公報(第1−3頁、第1図)
多数の巻取ユニットを備える自動ワインダーでは、全ての巻取ユニットで同一の糸種を同一の巻取条件で巻取を行う場合もあれば、複数品種の糸を別々の巻取条件で巻取を行う場合もある。
その際には、バンチ巻きを必要とする巻取条件もあれば、バンチ巻きが不要で巻取チューブの中間部分に糸端を巻き付けるだけの巻取条件もある。
しかし、従来では、バンチ巻きを行う玉揚げ装置もしくはバンチ巻きを行わずに巻取チューブの中間部分に一回巻回して巻取を開始する玉揚げ装置のいずれかを選択して使用する必要があった。
そのために、バンチ巻き有りの巻取パッケージとバンチ巻き無しの巻取パッケージとを同時に生産する場合には、バンチ巻き仕様の玉揚げ装置を使用して、全ての巻取パッケージを生産した後で、バンチ巻き不要のパッケージのバンチ巻き部分を作業者自身が除去する操作を行っている。
バンチ巻き部分を残した状態で巻取パッケージ同士の糸端を連結せずに個別に使用すると、バンチ巻きとして複数回巻回している糸端が解けて、他の糸と絡んだりして糸切れやテンション変動等が生じる場合があり不都合な原因となる。
また、巻取チューブの中間部分に糸端を数回巻回しただけで巻取を再開する巻取方法では、摩擦係数の低い糸種や滑りやすいチューブ表面に巻き付ける場合には巻取が不安定となり、巻形状が乱れる等の問題が生じていた。
本発明の目的は、上記問題を解決するために、バンチ巻きを必要とする巻取パッケージにはバンチ巻きを施し、バンチ巻きを必要としない巻取パッケージには巻取チューブの中間部に糸端を確実に巻回して巻取を行うことが可能な自動ワインダーの玉揚げ装置を提供することである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、満巻きの巻取パッケージを払い出し、空の巻取チューブを供給すると共に、該巻取チューブに給糸ボビン側の糸端を巻き付けて巻取を再開する自動ワインダーの玉揚げ装置であって、前記巻取チューブの一端側にバンチ巻き部を形成するバンチ巻き形成手段と、前記巻取チューブの中間部に糸を巻き付ける棒巻き形成手段と、前記バンチ巻き形成手段と前記棒巻き形成手段とのいずれか一方を選択する切替手段とを有することを特徴としている。
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、一台の玉揚げ装置により、バンチ巻きを必要とする巻取パッケージにはバンチ巻きを施し、バンチ巻きを必要としない巻取パッケージには巻取チューブの中間部に棒巻きを施して巻取を行うことができる。
請求項2に係る発明は、前記棒巻き形成手段が、糸端を切断して把持する第一糸把持装置と、第一糸寄せ装置と、前記糸把持装置に把持された糸端を受け取る糸受取部材と巻取チューブ保持部材を備える巻き付けロータと、前記巻き付けロータを周回させるロータスイングアームとを備えていることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、棒巻きを行う糸端を確実に把持して巻取チューブに所定回数巻回することができる。
請求項3に係る発明は、前記巻き付けロータの巻取チューブ保持部材が、新たな空の巻取チューブを把持して移送するチャッカーアームから前記巻取チューブを受け取って保持し、該保持した状態の前記巻取チューブ保持部材の周囲を前記糸受取部材が所定回数回転して、予め定められた回数の棒巻き部を形成する構成としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、糸種や巻取チューブに応じて必要な回数巻き付けることができ、糸端が解けないように確実に巻回することができる。
請求項4に係る発明は、前記チャッカーアームは、複数の巻取チューブを収納しているチューブストッカから一個の巻取チューブを掴み取って、前記巻き付けロータの前記巻取チューブ保持部材に一旦受け渡しすると共に、棒巻き部が形成された巻取チューブを再び保持して巻取部のクレードル位置まで移送することを特徴としている。
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、チューブストッカに複数の巻取チューブを収納しておくことで、巻取チューブの中間部に棒巻きを施しながら巻取パッケージを生産する巻取操作を長時間に渡って自動操業することができる。
請求項5に係る発明は、前記バンチ巻き形成手段が、糸端を切断して把持する第二糸把持装置と、前記第二糸把持装置に把持された糸端をバンチ巻き位置に案内する第二糸寄せ装置とを備えていることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、バンチ巻きが選択されると、巻取チューブの所定位置に確実に糸端を案内してバンチ巻きを形成する。
請求項6に係る発明は、前記切替手段が、前記棒巻き形成手段が備える前記第一糸把持装置と前記第一糸寄せ装置を駆動する第一駆動シリンダーと、前記バンチ巻き形成手段が備える前記第二糸把持装置と前記第二糸寄せ装置を駆動する第二駆動シリンダーとを逆方向に同時に駆動制御する一個の切替バルブを備えていることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、一個の切替バルブを制御するだけでバンチ巻き形成手段か棒巻き形成手段かのいずれか一方のみを選択して、確実に駆動することができる。
本発明によれば、巻取チューブの一端側にバンチ巻き部を形成するバンチ形成手段と、前記巻取チューブの中間部に糸を巻き付ける棒巻き形成手段と、前記バンチ形成手段と前記棒巻き形成手段とのいずれか一方を選択して所望の巻き糸を形成する切替手段を有する構成の玉揚げ装置としたので、1台の玉揚げ装置を搭載するだけで、バンチ巻きを必要とする巻取パッケージにはバンチ巻きを施し、バンチ巻きを必要としない巻取パッケージには巻取チューブの中間部に糸端を確実に巻回して巻取を行うことが可能となる。
以下、本発明に係る自動ワインダーの玉揚げ装置の実施の形態について、図1から図10に基づいて説明する。
図1は本発明に係る玉揚げ装置を備える自動ワインダーの断面図を示しており、図2から図8には玉揚げ装置の全体構成およびそれぞれの要部構成を示している。
まず、図1により自動ワインダーWの全体構成について説明する。自動ワインダーWは、巻取ユニット10を紙面に垂直な方向に多数並設して1機台が構成される。また、それぞれの巻取ユニット10は、本体の下部側に供給される給糸ボビンBから糸Yを解舒して引き出して、上部側のクレードル11Dに回転自在に保持される巻取チューブTに巻き取って、大径の巻取パッケージPが生産される。
また、それぞれの巻取ユニット10は、糸欠陥を検出すると共に糸切断機能を有するヤーンクリアラ11Aと、糸継装置11Bと、糸Yを綾振しながら回転する綾振ドラム11Cと、巻取チューブTを回転自在に支持するクレードル11Dと、給糸ボビンBから引き出される糸Yの糸端を吸引して糸継装置11Bに導入する下糸吸引保持部材12Aと、巻取パッケージPの糸端を吸引捕捉して糸継装置11Bに導入する上糸吸引保持部材であるサクションアーム12Bとを備えている。
上記のような構成としているので、それぞれの巻取ユニット10においては、複数の給糸ボビンBから引き出した糸Yを糸継ぎしながら巻き取り、一個の大径の巻取パッケージPを生産することができる。また、巻き取り中の糸Yの欠陥を検知すると、その欠陥部分を切断して除去した後、巻取パッケージ側の糸端と給糸ボビン側の糸端とを再度糸継ぎして、糸欠陥のない巻取パッケージPを得ることができる。
また、巻取パッケージPに巻き取る糸Yの長さを予め設定しておき、所定の糸長に達した満巻きの巻取パッケージPを払い出して、新たな巻取チューブTと交換する玉揚げ作業を行う自動機械として玉揚げ装置1が配設されている。
前記玉揚げ装置1は、多数の巻取ユニット10が長手方向に併設された自動ワインダーWのそれぞれの巻取ユニットの玉揚げ作業を行うように、機台の長手方向に沿って移動自在である。そのために、前記玉揚げ装置1は、ワインダー本体20の上部のフレーム22Aに設置されるレール22Bに沿って移動する。玉揚げ要求のある巻取ユニットで、玉揚げ装置は、巻取パッケージPの払い出しと、新しい巻取チューブTのクレードル11Dへの装着を行い、巻取が自動的に再開される。
満巻きとなった巻取パッケージPは、前記玉揚げ装置1によりクレードル11Dから払い出されて、機台後方に設置される搬送コンベア21Aにより所定位置まで搬送されて排出される。さらに前記玉揚げ装置1は、それぞれの巻取ユニット毎に配設され空の巻取チューブを複数貯留しているチューブストッカ21Bから一個の巻取チューブTを取り出して、クレードル11Dに装着して、新たな巻取を再開する。
また、新たな巻取を再開する際には、巻き始めの糸端を巻取チューブTの一端側に数回巻き付ける所謂バンチ巻き部を形成している。
このバンチ巻き形成の機能も前記玉揚げ装置1が保有しており、満巻きとなった巻取パッケージPを玉揚げする際には、給糸ボビンBから捕捉された次の糸端を掴んだ下糸吸引保持部材12Aの先端の糸を捕捉して切断し、前記巻取パッケージPを払い出した後で、クレードル11Dに空の巻取チューブTを装着し、捕捉している給糸ボビン側の糸端を前記巻取チューブTの一端側に巻き付けてバンチ巻き部を形成し、新たな巻取を再開する構成である。
しかし、前述したように、バンチ巻き部を有していないパッケージを所望される場合があるので、本発明に係わる玉揚げ装置1は、巻取チューブの一端側にバンチ巻き部を形成するバンチ巻き形成手段と、前記巻取チューブの中間部に糸を巻き付ける棒巻き形成手段と、前記バンチ巻き形成手段と前記棒巻き形成手段とのいずれか一方を選択して所望の巻き糸を形成する切替手段を有する構成とされている。
次に図2から図8により、本発明に係わる玉揚げ装置1について詳細に説明する。
図2に示すように前記玉揚げ装置1は、筐体1Aと該筐体1Aの両側から垂下された左右の垂直フレーム1B、1Cを備えている。また、前記筐体1Aには左右一対の糸把持装置3、4が配設されており、それぞれの糸把持装置はその先端部にそれぞれ糸切断把持部材3D、4Dを装着している。
また、前記チューブストッカ21Bから一個の巻取チューブTを取り出してクレードル11Dまで移送するチャッカーアーム5を備えている。さらに、図中の左側にはロータスイングアーム2を備えている。
前記ロータスイングアーム2は、前記巻取チューブTの中間部に糸を巻き付ける棒巻き形成手段を構成する主要部品であり、左右の垂直フレーム1B、1Cに掛け渡される支軸1Eにスイング自在に装着されている。
ロータスイングアーム2のアーム本体部2Aの先端部には巻き付けロータ2Cが装着されており、前記巻き付けロータ2Cに配設される糸受取部材2Dを周回させる構成としている。また、前記糸受取部材2Dを周回させるための回転駆動伝達手段2Eが、前記アーム本体部2Aに内蔵されている。前記回転駆動伝達手段2Eは、別に設ける駆動モータ2Bの回転を伝達するベルトおよびプーリから構成されており、該伝達手段2Eを介して前記糸受取部材2Dを周回させる。
前記ロータスイングアーム2のアーム本体部2Aの上端部には、扇状のガイドプレート2Fが装着されている。また、前記ガイドプレート2Fには円弧状溝(図3参照)が形成されており、該円弧状溝にそのロッドを嵌着したシリンダー1Fによって、図中の矢印2b方向に支軸1Eに沿って摺動自在な構成とされている。
6は糸寄せ装置であり、左右の垂直フレーム1B、1Cのそれぞれに第一糸寄せ装置6A、第二糸寄せ装置6Bが配設されていて、図中の矢印6aに示す方向に、後述する糸寄せレバー32やバンチレバー33(図7参照)をそれぞれスイング自在な構成である。また、左側の第一糸把持装置3を作動させる際には左側の第一糸寄せ装置6Aが協働して作動し、右側の第二糸把持装置4を作動させる際には右側の第二糸寄せ装置6Bが協働して作動するよう構成されている。
本実施の形態においては、右側の第二糸把持装置4と右側の第二糸寄せ装置6Bとでバンチ形成手段BBAを構成し、左側の第一糸把持装置3と左側の第一糸寄せ装置6Aと前記ロータスイングアーム2とで棒巻き形成手段BAAを構成するようにしている。つまり、本発明に係わる玉揚げ装置1は、前記巻取チューブTの一端側にバンチ巻き部を形成するバンチ形成手段BBAと、前記巻取チューブTの中間部に糸を巻き付ける棒巻き形成手段BAAとを備える構成とされている。また、前記玉揚げ装置1は、前記バンチ巻き形成手段と前記棒巻き形成手段とのいずれか一方を選択する切替手段(後述する)を有している。
次に図3および図4により、棒巻き形成手段について説明する。
棒巻きを行う際には、予め設定されたプログラムに従って後述する選択駆動装置ST(図5参照)を切り替えることにより、一方の例えば前記左側の第一糸把持装置3と左側の第一糸寄せ装置6Aとロータスイングアーム2が作動する。
第一糸把持装置3は、シリンダー部3Aと該シリンダー部を支持する支持部3Bと、シリンダーロッド3Cに装着される糸掴み装置3Dを備えている。また、糸端を切断して把持する機能を有する前記糸掴み装置3Dは駆動シリンダー3Eを介して装着されており、該シリンダー3Eにより移動自在な構成である。
前記支持部3Bは、軸受け3Fを介して垂直フレーム1Bに軸支されており、矢印3a方向に揺動自在であり、不図示の駆動手段により所定の位置に、前記糸掴み装置3Dを移動することができる。
ロータスイングアーム2は、駆動モータ2Bにより回転駆動伝達手段2Eを介して巻き付けロータ2Cを図中の矢印2a方向に回転駆動する。また、前記巻き付けロータ2Cは、その外縁部に糸受取部材2Dを備えていると共に、その中心部に巻取チューブTを保持可能な巻取チューブ保持部材2Gを備えた構成とされている。そのために、前記糸受取部材2Dが糸Yを把持した状態で回転すると、前記糸受取部材2Dと前記巻取チューブ保持部材2Gとが同時に矢印2a方向に回転することになる。
このために、巻取チューブTを把持した前記チャッカーアーム5が受け渡し位置に位置決めされた後、前記ロータスイングアーム2が前記矢印2b方向に移動して前記巻取チューブ保持部材2Gが巻取チューブTを一旦受け取る。この状態で、給糸ボビンBから引き出された糸Yを把持したままの糸受取部材2Dと巻取チューブTが同時に矢印2a方向に回転する。また、前記矢印2a方向に回転すると、糸Yを給糸ボビンBから引き出しながら所定の巻取張力が付加されながら巻き取っていく構成となるので、前記巻取チューブTの所定の位置にその回転数だけ糸Yが周回して巻き付いていくことになる。
図4により、前記巻取チューブ保持部材2Gが巻取チューブTを受け取った状態で行う棒巻き形成についてさらに詳細に説明する。
前記ロータスイングアーム2の巻き付けロータ2Cに配設される巻取チューブ保持部材2Gは、例えば半径方向に移動して拡径・縮径する三本爪のシリンダー部材であって、この巻取チューブ保持部材2Gが縮径して巻取チューブTの外周部を保持するか、もしくは拡径して巻取チューブTの内径部を保持する構成とすることができる。また、糸把持装置3の糸掴み装置3Dが把持している糸Yは、図4(a)に示すように、図中の6a方向にスイング自在な第一糸寄せ装置6Aにより、前記糸受取部材2Dに係合する位置まで案内させられる。この状態で前記糸受取部材2Dを駆動して、糸Yの切断と把持を行う。
糸Yの切断と把持を行った後で、前記糸寄せ装置6Aを図4(b)に示す位置にスイングすると、糸Yが、その棒巻き形成位置まで案内される。この状態で、巻き付けロータ2Cと巻取チューブTとを図中の矢印2a方向に回転することで、所定回数の糸巻き付けを行い棒巻き部BAを形成している。
つまり、第一糸寄せ装置6Aと糸受取部材2Dの待機位置を変えることによって、糸を巻回する位置が規制され、巻取チューブTの所定の位置に棒巻きを形成することができる。また、前記巻き付けロータ2Cの回転数を予め設定しておくことで、所定周回数の棒巻きを巻取チューブTの所定の位置に形成することができる。
巻取チューブTを前記チューブストッカ21Bから取り出してクレードル11Dまで移送するチャッカーアーム5は、図3に示すように、支持部材5Aとシリンダー部材5Bと該シリンダー部材5Bの先端部に連結部材5Cを介して支持されるチャック部5Dを備えている。
前記支持部材5Aは、左右の垂直フレーム1B、1Cに掛け渡される支軸1Dに回転自在に装着されており、図示しない駆動手段によって図中の矢印5a方向に回動自在である。またシリンダー部材5Bにより図中の矢印5b方向に伸縮して、前記チャック部5Dを開閉することができる。
そのために、各巻取ユニットに備えられたチューブストッカ21Bに収納された巻取チューブTを把持する位置まで前記チャック部5Dを移動さすことも、該チャック部5Dが把持した巻取チューブTを前記ロータスイングアーム2の巻き付けロータ2C部にまで移送することも、巻取チューブTをクレードル11Dまで移送することも設定通り自在に行うことができる。
図3には、把持した巻取チューブTを前記巻き付けロータ2C部に移送したところを示しており、この後で、図4に示すように前記巻取チューブ保持部材2Gが巻取チューブTを保持すると共に、糸掴み装置3Dが把持している糸Yを前記糸受取部材2Dが掴み直した後で、巻取チューブ保持部材2Gと糸受取部材2Dを一体的に備える前記巻き付けロータ2Cが所定回数回転する構成である。
本実施の形態では、巻取チューブTの一端側の外周を複数箇所の把持片により把持され、一旦チャック部5Dがチューブのチャックを開放した状態で、ロータ部2Cが所定回数回転駆動され、図9(a)に図示したようなトラバース域内の特定箇所に棒巻き部BAが形成される。
また、所定の糸巻き付けを行った後で、棒巻き部BAが形成された巻取チューブTを前記チャック部5Dが再び保持して巻取部のクレードル位置まで移送する。
次に糸把持装置について図5から図8により間単に説明する。糸把持装置3、4は左右一対の同じ構成要素の装置であるので、共通の符号を用いて説明する。
図5に示すように、軸受け3Fを介して矢印3a方向に揺動自在とされている糸把持装置3は、カム軸8Aに装着される糸把持装置駆動カム8Bの回転に同期して、アーム支軸7Aに回転自在に装着される操作レバー7Bと、該操作レバー7Bに装着されるコイルスプリング7Dおよびリンクロッド7Eを介して駆動される。7Cはカムフォロワであって、前記コイルスプリング7Dにより付勢されて、常時前記糸把持装置駆動カム8Bの周面に当接するローラガイド部材である。そのために、カム軸8Aが駆動され糸把持装置駆動カム8Bが回転すると、そのカムの外形形状に応じて操作レバー7Bが揺動移動して、糸把持装置3を揺動することができる。
また、軸9Aとストップレバー9Bと駆動シリンダー9Cを備える選択駆動装置STが糸把持装置3、4のそれぞれに配設されており、予め設定されるプログラムに従って前記シリンダー9Cを駆動して、前記ストップレバー9Bを図中の実線に示すように前記操作レバー7Bの回転を阻止する位置と阻止しない位置(図中の想像線に示す)とに変位自在とされている。そのために、前記ストップレバー9Bが図中の実線の位置にあれば、前記糸把持装置駆動カム8Bが回転しても、前記操作レバー7Bの回転を阻止し、一方の第一糸把持装置3(または第二糸把持装置4)の駆動を停止する構成となる。この時に他方のストップレバーは駆動されておらず、他方の第二糸把持装置4(または第一糸把持装置3)のみを駆動する構成である。
図6に示すように、糸把持装置3、4を駆動する駆動力を伝達するカム軸8Aは、別に設ける駆動手段(不図示)により、ベルト1Fとプーリ1Gを介して適宜駆動されるよう構成されている。また、カム軸8Aに装着される糸把持装置駆動カム8B(8Ba、8Bb)から操作レバー7B(7Ba、7Bb)を介してそれぞれの糸把持装置を駆動し、同じくカム軸8Aに装着される糸寄せ装置駆動カム8C(8Ca、8Cb)から操作レバー7F(7Fa、7Fb)を介してそれぞれの糸寄せレバー32やバンチレバー33を備える糸寄せ装置6を駆動する構成である。
この時に、前述したように、駆動シリンダー9C(9Ca、9Cb)により回転駆動される軸9A(9Aa、9Ab)と、該軸9Aの両側にそれぞれ装着されるストップレバー9B(9Ba、9Bb)、9D(9Da、9Db)とをそれぞれ備える選択駆動装置ST(第一選択駆動装置STa、第二選択駆動装置STb)の一方側を、予め設定されるプログラムに従って駆動する構成としている。つまり、切替手段13が備える切替バルブ14を駆動して、いずれか一方の糸把持装置と一方の糸寄せ装置6を駆動する構成である。
すなわち、切替手段13を介して、切替バルブ14を駆動し、実線に示す配管15Aに圧縮空気を供給することで、一方の駆動シリンダー9Cbを突出させ、他方の駆動シリンダー9Caは引込んで、一方の第二選択駆動装置STbのみを駆動し第二糸把持装置4を駆動する。また、破線に示す配管15Bに圧縮空気を供給すると、一方の駆動シリンダー9Cbを引込んで、他方の駆動シリンダー9Caを突出して、他方の第一選択駆動装置STaを駆動し第一糸把持装置3を駆動する。このように、機台側にて予め設定するプログラムに従って、切替手段13を介して、一個の切替バルブ14を切り替えて、前記バンチ巻き形成手段と前記棒巻き形成手段とのいずれか一方を選択して所望の巻き糸を形成する構成としている。
次に糸寄せ装置6(6A、6B)について図7および図8より説明する。
糸寄せ装置6(6A、6Bの両方共)は、リンクレバー7Gの先端部に配設されていて、前記カム軸8Aの糸寄せ装置駆動カム8Cから操作レバー7Fを介してリンクレバー7Gを駆動することで作動する。この時に、コイルスプリング7Hに付勢されて、操作レバー7Fに装着されているカムフォロワ7Jが前記糸寄せ装置駆動カム8Cの周面に当接していることは、前述した糸把持装置3と同様な構成である。
リンクレバー7Gの先端部にベルクランク30と糸寄せレバー32を介してバンチレバー33が装着されており、前記リンクレバー7Gが矢印7Ga方向に移動すると、前記ベルクランク30が矢印30a方向に回転し、前記糸寄せレバー32が垂直軸60周りに矢印32a方向に回転し、コイルスプリング等の付勢力により、それに付随して前記バンチレバー33の糸引っ掛け部33Bが矢印33a方向に回転する。回転する糸引っ掛け部33Bにより糸Yを捕捉して、予め、所定のバンチ巻き位置にガイド35がくるようにストッパ34にて調整された位置でバンチレバー33は停止する。前記コイルスプリングの付勢力に抗してさらに糸寄せレバー32が回転し、糸寄せレバーの糸引掛け部32Bが先述した33Bにて捕捉された糸を捕捉し直し、糸Yを規制する。最後に、リンクレバー7Gが糸寄せ装置駆動カム8Cの形状に沿って7Gb方向に移動することにより、糸寄せレバー32が、32b方向に移動し、捕捉していた糸Yはガイド35に受け渡され、所定の位置にガイドされ巻き取られる。
そのためにバンチ巻き形成時には、図10に示すように、糸寄せレバー32は、糸掴み装置4Dに連なる給糸ボビン側の糸を巻取チューブの端面とクレードル11Dのチューブ保持部材11Eとの間に糸を位置決めするもので、この状態でクレードルを閉じることにより、糸が巻取チューブTと保持部材11E間に挟まれて保持される。バンチレバー33のガイド部35が糸をバンチ巻き部BBの位置に位置決めする。
上記したように、本発明に係わる自動ワインダーの玉揚げ装置1は、巻取チューブTの一端側にバンチ巻き部を形成するバンチ巻き形成手段BBAと、前記巻取チューブTの中間部に糸を巻き付ける棒巻き形成手段BAAと、前記バンチ巻き形成手段と前記棒巻き形成手段とのいずれか一方を選択して所望の巻き糸を形成する切替手段13を有する構成としたので、バンチ巻きを必要とする巻取パッケージにはバンチ巻きを施し、バンチ巻きを必要としない巻取パッケージには巻取チューブの中間部に糸端を確実に巻回して巻取を行うことが可能である。
棒巻き部を形成した巻取チューブとバンチ巻き部を形成した巻取チューブの例を図9に示す。図9(a)には、巻取チューブTの中間部に巻き始めの糸端を巻き付けた棒巻き部BAを形成して糸Yを巻回しているところを示し、図9(b)には、巻取チューブTの一端側に巻き始めの糸端を巻き付けたバンチ巻き部BBを形成して糸Yを巻回しているところを示している。このときに、巻取チューブTとしては、図に示す円筒形状のパラチューブでも、円錐形状のコーンチューブでも、どちらでも対応可能である。
このように、本発明に係わる玉揚げ装置によれば、複数品種の糸を別々の巻取条件で巻取を行う際にも、バンチ巻きを必要とする巻取パッケージにはバンチ巻き形成手段を選択して作動させてバンチ巻きを施し、バンチ巻きを必要としない巻取パッケージには棒巻き形成手段を選択して作動させて巻取チューブの中間部に糸端を確実に巻回して巻取を行うことが可能となる。
そのために、本発明に係わる玉揚げ装置を備える自動ワインダーであれば、バンチ巻きを必要とする糸品種の巻取も、バンチ巻きではなく棒巻きのほうが好ましい糸品種の巻取も、それぞれの作動条件に予め設定しておくことで容易に対応することができ、多品種少量生産に対して好適となる。
本発明に係る玉揚げ装置を備える自動ワインダーの断面図を示している。 玉揚げ装置の正面図である。 上記玉揚げ装置の要部断面図を示している。 棒巻き部を形成する概略説明図であって、(a)は糸受取部材が糸を把持するところを示し、(b)は糸巻き付けを行い棒巻き部を形成しているところを示している。 糸把持装置の駆動部を示す側面図である。 玉揚げ装置の糸把持装置及び糸寄せ装置の駆動機構の概略平面図である。 玉揚げ装置の糸寄せ装置の駆動機構の一部拡大側面図である。 玉揚げ装置の糸寄せ装置の斜視図である。 棒巻き部を形成した巻取チューブとバンチ巻き部を形成した巻取チューブの例を示す正面図であって、(a)は、棒巻き部を形成した巻取チューブであり、(b)は、バンチ巻き部を形成した巻取チューブを示している。 バンチ巻き位置と糸寄せ装置との関係を示す模式図である。
符号の説明
1 玉揚げ装置
2 ロータスイングアーム
2C 巻き付けロータ
2D 糸受取部材
2G 巻取チューブ保持部材
3 第一糸把持装置
4 第二糸把持装置
5 チャッカーアーム
6 糸寄せ装置
6A 第一糸寄せ装置
6B 第二糸寄せ装置
13 切替手段
BA 棒巻き部
BB バンチ巻き部
BAA 棒巻き形成手段
BBA バンチ巻き形成手段
T 巻取チューブ
Y 糸
ST 選択駆動装置
W 自動ワインダー

Claims (6)

  1. 満巻きの巻取パッケージを払い出し、空の巻取チューブを供給すると共に、該巻取チューブに給糸ボビン側の糸端を巻き付けて巻取を再開する自動ワインダーの玉揚げ装置であって、
    前記巻取チューブの一端側にバンチ巻き部を形成するバンチ巻き形成手段と、前記巻取チューブの中間部に糸を巻き付ける棒巻き形成手段と、前記バンチ巻き形成手段と前記棒巻き形成手段とのいずれか一方を選択する切替手段とを有することを特徴とする自動ワインダーの玉揚げ装置。
  2. 前記棒巻き形成手段が、糸端を切断して把持する第一糸把持装置と、第一糸寄せ装置と、前記糸把持装置に把持された糸端を受け取る糸受取部材と巻取チューブ保持部材を備える巻き付けロータと、前記巻き付けロータを周回させるロータスイングアームとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動ワインダーの玉揚げ装置。
  3. 前記巻き付けロータの巻取チューブ保持部材が、新たな空の巻取チューブを把持して移送するチャッカーアームから前記巻取チューブを受け取って保持し、該保持した状態の前記巻取チューブ保持部材の周囲を前記糸受取部材が所定回数回転して、予め定められた回数の棒巻き部を形成する構成としたことを特徴とする請求項2に記載の自動ワインダーの玉揚げ装置。
  4. 前記チャッカーアームは、複数の巻取チューブを収納しているチューブストッカから一個の巻取チューブを掴み取って、前記巻き付けロータの前記巻取チューブ保持部材に一旦受け渡しすると共に、棒巻き部が形成された巻取チューブを再び保持して巻取部のクレードル位置まで移送することを特徴とする請求項3に記載の自動ワインダーの玉揚げ装置。
  5. 前記バンチ巻き形成手段が、糸端を切断して把持する第二糸把持装置と、前記第二糸把持装置に把持された糸端をバンチ巻き位置に案内する第二糸寄せ装置とを備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動ワインダーの玉揚げ装置。
  6. 前記切替手段が、前記棒巻き形成手段が備える前記第一糸把持装置と前記第一糸寄せ装置を駆動する第一駆動シリンダーと、前記バンチ巻き形成手段が備える前記第二糸把持装置と前記第二糸寄せ装置を駆動する第二駆動シリンダーとを逆方向に同時に駆動制御する一個の切替バルブを備えていることを特徴とする請求項5に記載の自動ワインダーの玉揚げ装置。
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