JP2007100232A - 物品への物質随伴吸着方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】本発明に係る物品への物質随伴吸着方法は、乳化粒子を水に分散させた水性乳化液を調製し、前記水又は前記水性乳化液に水分散性物質を分散させておき、前記水性乳化液に物品を接触させた状態で、前記水性乳化液に乳化不安定化剤を処理して前記乳化粒子を前記物品に強制吸着させ、この強制吸着作用により前記水分散性物質を前記物品に随伴吸着させることを特徴とする。油剤乳化粒子・樹脂乳化粒子・ゴム乳化粒子などの強制吸着可能な全ての乳化粒子に適用できる。また、水分散性物質として、例えば染料、抗菌剤、防カビ剤、抗アレルゲン剤、金属封鎖剤、香料、防炎剤、難燃剤、各種安定剤、その他物質がある。
【選択図】なし
Description
従って、本発明の目的は、従来から困難であると見られていた水分散性物質の物体表面への吸着担持を、乳化粒子の強制吸着(自己吸着)を利用して高効率に実現することであり、油剤乳化粒子・樹脂乳化粒子・ゴム乳化粒子などの強制吸着可能な全ての乳化粒子に適用できる水分散性物質の随伴吸着方法を提供するものである。
本発明者等は、従来から、水性乳化液に水分散性物質を均一分散させた状態で乳化不安定化剤を添加すると、殆どの乳化粒子は物品表面に吸着されるが、均一に分散した水分散性物質は殆どが水中に残留して物品表面に吸着されない、という観念を化学常識として有していた。従って、水分散性物質の代わりに油溶性物質を使用し、この油溶性物質を乳化剤(例えば界面活性剤)と共に乳化物質液(例えば油剤)に均一溶解させた自己乳化性組成物を調製し、この自己乳化性組成物を水に混合して水性乳化液を作製して乳化粒子中に油溶性物質を内蔵させ、乳化不安定化剤を添加して乳化粒子を物体表面に吸着させる方法を採用してきたのである。こうすれば、乳化粒子中に油溶性物質が内臓されているから、乳化物質と油溶性物質を物品に同時吸着することができる。しかし、この従来方法では、水溶性物質や水懸濁性物質などの水分散性物質を物品に吸着させることは不可能である。そこで、この水分散性物質の利用を実現するために、前記従来常識を打ち破るべく実験を繰り返した。その結果、従来常識に反する予想外の実験事実を確認するに至った。水分散性物質を水中に均一分散させておき、この水に自己乳化性組成物(油溶性物質を含有しない)を添加して乳化粒子が均一分散した安定な水性乳化液を調製する。この水性乳化液に乳化不安定化剤を添加して乳化粒子を物体表面に強制自己吸着させると、均一分散した殆どの水分散性物質が誘導的に物品表面に吸着されることを発見して、本発明を完成したものである。本発明者等は、以後この吸着現象を随伴吸着と称し、乳化粒子の強制吸着と区別する。
乳化粒子の生成は、乳化物質を乳化剤及び/又は分散剤により乳化生成してもよいし、自然乳化粒子を用いてもよい。水分散性物質は、水に懸濁する水懸濁性物質又は水に溶解する水溶性物質がある。水懸濁性物質には、コロイドのように物質単体で懸濁する物質や、化粧品・ワックス等のように乳化剤(例えば界面活性剤)により強制的に水中乳化させた乳化粒子物質などがある。また水溶性物質には、水溶性染料・水溶性ポリマー・水溶性無機物質などがある。水分散性物質の分散時点は乳化の前後いずれでもよく、乳化前の水に分散させてもよいし、乳化後の水性乳化液に溶解させてもよい。添加される物質は水分散性であるから、水及び水性乳化液のいずれにも分散可能である。水性乳化液はそのままでは安定した乳化状態を保持しており、水性乳化液中では、乳化粒子と水分散性物質が均一に分散している。従って、この安定した乳化状態を破壊するために、前記水性乳化液に乳化不安定化剤を添加する。乳化不安定化剤は乳化粒子の種類に応じて適切に選択され、例えば酸・塩析剤・凝集剤などが利用される。乳化不安定化剤の作用は電気化学的に説明されたり、物質化学的に説明されたりするが、本発明の新規で特異的な随伴吸着現象に関しては全く不明であるから、その詳細は省略する。しかし、上述したように、この随伴吸着現象は本発明者等により実験的に確認されている。
本発明が適用される物品はどのような物品であってもよい。この物品には、線状物品、平面状物品、立体状物品が含まれる。特に、本発明は水性乳化液中で吸着と随伴吸着が行われるから、水性乳化液と接触する物品の全表面に均一に吸着されるため、物品の表面構造が複雑であっても、その複雑な表面に均一に吸着作用が働き、全表面にムラのない吸着と随伴吸着が実現できる利点がある。従って、表面構造が複雑で大表面積を有する物品ほど、本発明方法を有効に発揮できる利点がある。
また、界面活性剤としては、カチオン界面活性剤・アニオン界面活性剤・ノニオン界面活性剤・両性界面活性剤が適宜使用できる。カチオン界面活性剤には、アルキルトリメチルアンモニウム塩・ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド・アルキルピリジニウムクロライド・アシロイルメチルピリジウムクロライド等がある。アニオン界面活性剤には、脂肪酸塩・アルファスルホ脂肪酸エステル塩・アルキルベンゼンスルホン酸塩・アルキル硫酸塩・アルキルエーテル硫酸エステル塩・アルキル硫酸トリエタノールアミン・ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム・アルキルスルホン酸塩・脂肪酸ーアミノ酸縮合物・ロート油・高級アルコール硫酸エステル塩・アルキロールアミド硫酸エステル・アルキルナフタリンスルホン酸塩・脂肪酸エステルスルホン化物・脂肪酸アミドスルホン化物・複素環式スルホン化物などがある。ノニオン界面活性剤には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル・ポリエチレングリコール脂肪酸エステル・ポリオキシエチレン脂肪酸エステル・ポリオキシエチレン脂肪酸アミンエーテル・ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル・多価アルコール脂肪酸エステル・ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル・アルキロールアミド・プルロニックス型活性剤などがある。両性界面活性剤には、アルキルカルボキシベタイン、ドデシルポリアミノエチルグリシン、アルキルアミノ脂肪酸塩・アルキルベタイン・アルキルアミンオキシド等がある。
更に、具体的に説明すると、第1には、油剤を陽イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤で乳化した粒子で、無機酸・無機酸塩又は有機酸により吸着させる場合、第2には、油剤を両性界面活性剤と非イオン界面活性剤で乳化した粒子で、無機酸又は有機酸により吸着させる場合、第3には、油剤をカチオン活性基を有する両性界面活性剤で乳化した粒子で、無機酸又は有機酸により吸着させる場合がある。第4には、油剤を非イオン界面活性剤で乳化した粒子で、無機酸・有機酸・塩析剤により吸着させる場合、第5には、油剤と金属封鎖剤をカチオン活性基を有する界面活性剤で乳化した粒子で、無機酸・有機酸・塩析剤により吸着させる場合、第6には、油剤を非カチオン系界面活性剤で乳化した粒子で、塩析剤により吸着させる場合がある。本発明は、本出願人が従来から使用している広範囲の油剤乳化粒子に適用できることが明らかとなった。
酸としては有機酸・無機酸が使用でき、強制吸着作用が出現するpHに水性乳化液を調整する。具体的には、無機酸として塩酸・硫酸・硝酸・炭酸・リン酸などがあり、有機酸としてカルボン酸やスルホン酸がある。カルボン酸としては、ギ酸・酢酸・パルミチン酸・ステアリン酸・アクリル酸・メタクリル酸・オレイン酸・リノール酸・リノレン酸・シュウ酸・アジピン酸・マレイン酸・フマール酸・乳酸・酒石酸・安息香酸・サリチル酸・フタル酸があり、スルホン酸としては、鎖式スルホン酸・芳香族スルホン酸があり、具体的には、ベンゼンスルホン酸・トルエンスルホン酸・ナフタリンスルホン酸・ナフトールスルホン酸・タウリン酸・スルファニル酸・ナフチルアミンスルホン酸・スルホ安息香酸・フルオルスルホン酸・クロルスルホン酸・スルファミン酸などがある。
塩析剤としては、硫酸アンモン・塩化アンモン等のアンモニウム塩、ボウ硝・硫酸カリウム・塩化ナトリウム・塩化カリウム・硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩、塩化カルシウム・塩化バリウム・塩化マグネシウム・硫酸マグネシウム・硝酸カルシウム・塩化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属塩、塩化亜鉛・硝酸亜鉛などの第IIb族金属塩、硫酸アルミニウム・塩化アルミニウム・塩基性塩化アルミニウムなどの第III族金属塩、硝酸第2鉄・塩化第2鉄などの第VII族金属塩、これら2種以上の組合せ、或いは複塩がある。
樹脂としては、酢酸ビニル系、アクリル系、ウレタン系、フッ素系、シリコン系、エポキシ系、メラミン系、その他の特殊樹脂系が含まれる。酢酸ビニル系樹脂には、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルエチレン共重合体、他のモノマー酢酸ビニル共重合体がある。アクリル系樹脂には、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、これらエステルとモノマーとの共重合体がある。フッ素系樹脂には、フルオロアルキル基を含むビニルモノマー単独重合体、フルオロ基主鎖結合性高分子がある。シリコン樹脂には、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、アミノ変性シリコン、エポキシ変性シリコンがある。エポキシ系樹脂には、変性ビスフェノール樹脂、変性クレゾールノボラック樹脂がある。メラミン系樹脂には、メチロールメラミン、メラミン尿素共縮合体がある。この樹脂が有する機能には、深色化、撥水、制電、防汚、難燃、耐光などがある。
本形態の凝集剤には、高分子凝集剤や無機凝集剤がある。高分子凝集剤には、ポリアクリル酸エステルとその誘導体、ポリメタクリル酸エステルとその誘導体、ポリアクリルアミドとその誘導体、ポリアクリル酸ナトリウムとその誘導体、アクリルアミドとビニルモノマーの共重合体、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムの共重合体などがある。無機凝集剤には、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、鉄系無機凝集剤などがある。吸着メカニズムとして、樹脂乳化粒子が有する電荷が凝集剤により中和され、樹脂乳化粒子が凝集しながら不安定になって物体表面に強制吸着され、この強制吸着に誘導されて水分散性物質が物体表面に随伴吸着されると考えられる。
また、水性乳化液中の水分散性物質濃度は特に制限されず、水性乳化液中で有効に分散している範囲内であれば、自在に濃度が調整される。更に、水性乳化液の乳化粒子濃度との関係においても、乳化粒子が有効に水性乳化液中で分散している範囲内であれば、水分散性物質濃度を自在に調整できる。少量の乳化粒子の強制吸着により大量の水分散性物質を誘導的に随伴吸着させるメカニズムは明らかではないが、本発明者等の実験により明確に確認された事実である。
染料は物品を特定色に染色するために使用され、天然染料と合成染料が使用される。化学構造による分類では、アゾ染料・アントラキノン染料・インジゴイド染料・硫化染料・トリフェニルメタン染料・ピラゾロン染料・スチルベン染料・ジフェニルメタン染料・キサンテン染料・アリザリン染料・アクリジン染料・チアジン染料・チアゾール染料・メチン染料・ニトロ染料・ニトロソ染料がある。染色的には、直接染料・建染め染料・硫化染料・分散染料・塩基性染料・ナフトール染料・酸性染料・酸性媒染染料・媒染染料・油溶性染料・反応染料・可溶性建染め染料・硫化建染め染料・蛍光増白剤・酸化染料などがあり、本発明に公的な染料が選択される。
抗菌剤・防カビ剤は物品表面に抗菌・防カビ特性を付与するために使用され、オルトフェニルフェノール・パラオキシ安息香酸エステル・パラオキシ安息香酸ブチルエステル・亜鉛ピリチオン・銅ピリチオン・ナトリウムピリチオン・亜鉛オマダイン(C10H8N2O2S2Zn)などがある。
抗アレルゲン剤はアレルギー症状を生起するアレルゲンの作用を減退・消滅させるために使用され、ポリフェノール類などが挙げられ、より具体的には、タンニン酸、ガロタンニン、没食子酸、エピカテキンエピカロカテキン、エピガロカテキンガレート、オレウロペインなどが挙げられる。更に、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、カルビノキサミン、ピリラミン、トリペレンナミン、ブロムフェニラミン、ヒドロキシジン、シクリジン、プロメタジン、テルフェナジン、アステミゾール、ダイメンハイドリネート又はそれらの塩などがある。
金属封鎖剤は油剤乳化粒子を物品の全表面にムラなく均一に強制吸着させるために使用され、具体的には、グリコール酸・酒石酸・クエン酸・チオグリコール酸・アスコルビン酸・グリシン・アスパルチン酸・N−ジヒドロキシエチルグリシン・イミノジ酢酸・ニトリロトリ酢酸・N−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸・エチレンジアミンテトラ酢酸などがある。
その他、香料、防炎剤、難燃剤、各種安定剤は公知の物質を使用できる。
油剤としてスピンドル油35重量部、カチオン界面活性剤としてアシロイルメチルピリジウムクロライド0.2重量部、ノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエステル1.5重量部を混合して自己乳化性組成物を調製した。他方、清掃用繊維製品として綿布100重量部を20倍の容積の35℃の温水に浸漬した。水分散性物質として水溶性青色染料を選択し、5重量部の水溶性青色染料を前記温水中に混合して均一に攪拌したところ、温水全体が透明な青色に染まった。前記自己乳化性組成物を前記温水中に投入攪拌すると、温水全体が乳化し、温水中に油剤乳化粒子が生成された。この状態で、乳化不安定化剤として5%濃度の酢酸水溶液を10重量部だけ温水に添加して攪拌すると、油剤乳化粒子が綿布に強制吸着され、しかも青色染料も随伴吸着されて、温水全体が略無色透明状態になり、吸着が完了した。綿布は油剤で含浸され、しかも同時に青色に染色された。以上から、油剤乳化粒子の強制吸着に誘導されて染料が随伴吸着されることが実証された。
油剤としてナフテン系冷凍機油19.5重量部、両性界面活性剤としてドデシルポリアミノエチルグリシン0.5重量部、ノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル0.2重量部を混合して自己乳化性組成物を調製した。他方、清掃用繊維製品としてパイル状モップ80重量部を10倍の容積の25〜30℃の水に浸漬した。水分散性物質としてNagase Chemtex社の抗菌防カビ剤である亜鉛オマダイン(C10H8N2O2S2Zn)を選択し、0.3重量部の前記抗菌防カビ剤を前記水中に混合して均一に攪拌したところ、抗菌防カビ剤が均一に懸濁分散し、水全体が極薄の乳白色に染まった。前記自己乳化性組成物を前記水中に投入攪拌すると、水全体が濃く乳化し、水中に油剤乳化粒子が生成されたことが確認された。この水性乳化液に、乳化不安定化剤としてマレイン酸を添加してpHを4.9〜5.4に調整した。攪拌しながら約15分経過すると、乳白色が消えて無色透明になり、油剤乳化粒子がパイル状モップに強制吸着されと共に、抗菌防カビ剤もパイル状モップ全体に均一に随伴吸着されたことが確認された。このパイル片を用いて抗菌試験を行ったところ、パイル片近傍には菌のコロニーが出現せず、抗菌防カビ剤が効果を発揮していることが確認された。
油剤としてアルキルベンゼン油65重量部、カチオン活性基とアニオン活性基を有する両性界面活性剤としてドデシルポリアミノエチルグリシン27重量部を混合して自己乳化性組成物を調製した。他方、清掃用繊維製品としてマット100重量部を10倍の容積の25〜30℃の水に浸漬した。水分散性物質として、抗アレルゲン剤であるタンニン酸を5重量部だけ前記水の中に溶解分散させた。前記自己乳化性組成物を前記水の中に混合すると、全体が乳白色になって安定な水性乳化液が生成された。この水性乳化液には、油剤乳化粒子とタンニン酸が均一に分散していると考えられる。この水性乳化液に、乳化不安定化剤として酢酸を添加し、pHを4.5の調整したところ、約17分で乳化液がほぼ透明になった。油剤乳化粒子はマットにほぼ完全に強制吸着され、抗アレルゲン剤であるタンニン酸も随伴吸着されたと考えられる。タンニン酸は無色透明であるため、抗アレルゲン試験を行ってマットに吸着されているかどうかを確認する必要がある。株式会社LCDアレルギー研究所製の「ダニDerf1抗原測定キット」を用いて、ELISA法によりマットの抗アレルゲン効果を測定したところ、抗アレルゲン効果が確認された。従って、抗アレルゲン剤であるタンニン酸がマットに随伴吸着していることが実証された。
油剤としてα―オレフィン油50重量部、ノニオン界面活性剤としてエチレンオキシド5モル付加のポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル5重量部を混合して自己乳化性組成物を調製した。他方、清掃用繊維製品としてクロス100重量部を25倍の容積の30℃の水に浸漬した。水分散性物質として大和化学工業株式会社製の水分散性難燃剤フランEG−50を10重量部だけ前記水中に混合して均一に攪拌したところ、水全体が薄黒色の分散液になった。前記自己乳化性組成物を前記温水中に投入攪拌すると、水全体が乳化し、水中に油剤乳化粒子が生成された。この状態で、乳化不安定化剤として硫酸アンモン(塩析剤として)を300ppmになるように前記水性乳化液に添加して、混合攪拌を行った。その結果、油剤乳化粒子が綿布に強制吸着され、しかも黒色難燃剤も随伴吸着されて、水全体が略無色透明状態になり、吸着が完了した。綿布は油剤で含浸され、しかも同時に難燃剤を均一に担持した。以上から、油剤乳化粒子の強制吸着に誘導されて水分散性難燃剤が随伴吸着されることが実証された。
油剤として流動パラフィン油96重量部、カチオン活性基を有する界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル2重量部とエチレンオキサイド3モル付加イミダゾリン1重量部、抗菌剤・防カビ剤・香料を合計1重量部を混合して自己乳化性組成物を調製した。他方、清掃用繊維製品としてパイル状モップ300重量部を20倍の容積の30℃の水に浸漬した。水分散性物質として金属封鎖剤である水溶性のグリコール酸を1重量部だけ前記水中に添加混合した。前記自己乳化性組成物を前記水中に投入攪拌すると、水全体が乳化し、水中に油剤乳化粒子が生成された。この状態で、乳化不安定化剤として硫酸アルミニウム(塩析剤として)を300ppmになるように前記水性乳化液に添加して、混合攪拌を行った。その結果、油剤乳化粒子が綿布に強制吸着され、水全体が略無色透明状態になり吸着が完了した。グリコール酸が残留水に殆ど存在しないことが実験的に確認され、グリコール酸は前記強制吸着に誘導されてパイル状モップに随伴吸着されたことが実証された。この金属封鎖剤は油剤がムラ無く繊維表面に均一に吸着されるために添加される物質である。
この実施例6では、他の水分散性物質として、記録紙用青色インク、カオリン、コーヒー用フレッシュ、アクリル樹脂ワックスを選択して、油剤乳化粒子の強制吸着に誘導されて随伴吸着が生起するかどうかを試験した。
まず、油剤としてナフテン系冷凍機油20重量部、両性界面活性剤としてドデシルポリアミノエチルグリシン0.5重量部、ノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル0.2重量部を混合して自己乳化性組成物を調製した。水100mlに綿パイル5gを浸漬し、この水中に前記水分散性物質1種類を分散させた水溶液を4種類調製した。即ち、インクは0.1ml、フレッシュは0.2ml、カオリンは0.11g、ワックスは0.3mlだけ添加した4種類の水溶液を用意した。インク水溶液は青色、フレッシュ水溶液は乳白色、カオリン水溶液は灰色、ワックス水溶液は乳白色であった。この4種類の水溶液に前記自己乳化性組成物を1g添加して乳化させ、水性乳化液を作製した。4種類の水性乳化液の夫々に30%酢酸を0.04gと塩析剤として硫酸アルミニウム0.6gを添加して乳化粒子を綿パイルに強制吸着させた。このとき、水性乳化液が無色透明になることが確認された。従って、4種類の水分散性物質も本発明方法によって随伴吸着されたことが実証された。
樹脂乳化粒子が分散した樹脂エマルジョンとして、酢ビ系のスミカフレックスS753(住友化学製)を固形分で0.5g/l濃度に調製した水性乳化液を50ml用意した。この水性乳化液に5gの綿クロスを浸漬し、更に記録紙用の青色インクを水分散性物質として0.1ml添加したところ全体が青色になった。他方、乳化不安定化剤として高分子凝集剤であるハイセットC−285(分子量200万、第一工業製薬製)を固形分で0.01g/l含んだ水溶液50mlを用意した。この凝集剤水溶液を前記水性乳化液に添加し、60℃で20分間処理した。この結果、水溶液は無色透明になり、樹脂乳化粒子が綿クロスに強制吸着され、しかも青色インクが誘導的に綿クロスに随伴吸着されたことが確認された。綿クロスの表面全体に樹脂と青色インクが吸着され、秀麗な綿クロスが完成された。
ゴム乳化粒子が分散したゴムラテックス(ゴムエマルジョン)として、アクリロニトリルブタジエンゴムを固形分で0.5g/l濃度に調製した水性乳化液を50ml用意した。この水性乳化液に5gの綿クロスを浸漬し、更に記録紙用の青色インクを水分散性物質として0.1ml添加したところ全体が青色になった。他方、乳化不安定化剤として高分子凝集剤であるハイセットC−285(分子量200万、第一工業製薬製)を固形分で0.01g/l含んだ水溶液50mlを用意した。この凝集剤水溶液を前記水性乳化液に添加し、35℃で20分間処理した。この結果、水溶液は無色透明になり、ゴム乳化粒子が綿クロスに強制吸着され、しかも青色インクが誘導的に綿クロスに随伴吸着されたことが確認された。綿クロスの表面全体にゴムと青色インクが吸着され、秀麗な綿クロスが完成された。この結果は、ほぼ樹脂エマルジョンと同様の結果を与えた。
Claims (9)
- 乳化粒子を水に分散させた水性乳化液を調製し、前記水又は前記水性乳化液に水分散性物質を分散させておき、前記水性乳化液に物品を接触させた状態で、前記水性乳化液に乳化不安定化剤を処理して前記乳化粒子を前記物品に強制吸着させ、この強制吸着作用により前記水分散性物質を前記物品に随伴吸着させることを特徴とする物品への物質随伴吸着方法。
- 前記乳化粒子は少なくとも油剤を界面活性剤により乳化させた油剤乳化粒子であり、前記乳化不安定化剤は酸及び/又は塩析剤である請求項1に記載の物品への物質随伴吸着方法。
- 前記乳化粒子は少なくとも樹脂を乳化させた樹脂乳化粒子であり、前記乳化不安定化剤は凝集剤である請求項1に記載の物品への物質随伴吸着方法。
- 前記乳化粒子はゴムを乳化させたゴム乳化粒子であり、前記乳化不安定化剤は凝集剤である請求項1に記載の物品への物質随伴吸着方法。
- 前記水分散性物質は、前記水又は水性乳化液に懸濁する水懸濁性物質、及び/又は、前記水又は水性乳化液に溶解する水溶性物質である請求項1〜4のいずれかに記載の物品への物質随伴吸着方法。
- 前記水分散性物質は、染料、抗菌剤、防カビ剤、抗アレルゲン剤、金属封鎖剤、香料、防炎剤、難燃剤又は各種安定剤の1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれかに記載の物品への物質随伴吸着方法。
- 前記物品が繊維製品である請求項1〜6のいずれかに記載の物品への物質随伴吸着方法。
- 前記繊維製品は清掃用繊維製品である請求項7に記載の物品への物質随伴吸着方法。
- 前記清掃用繊維製品100重量部に対して、前記油剤が5〜50重量部、前記界面活性剤が0.01〜3重量部、前記水分散性物質が0.01〜20重量部吸着担持される請求項8に記載の物品への物質随伴吸着方法。
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