以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像補正装置(画像補正部5)の構成と、この画像補正装置へ補正対象画像(後述する2値化撮像データDin1)を供給する画像入出力装置の構成とを表すものである。
まず、画像入出力装置の構成および動作について説明する。
この画像入出力装置は、入出力パネル1と、表示信号生成部21と、表示信号保持制御部22と、表示信号ドライバ23と、表示側スキャナ24と、撮像信号選択スキャナ31と、撮像信号レシーバ32と、2値化部33とを備えており、画像データに基づく画像を入出力パネル1に表示すると共に、表示画像からの光を利用して、入出力パネル1に接触または近接する物体(後述する撮像対象物体15)を撮像するものである。
入出力パネル1は、複数の画素11が全面に渡ってマトリクス状に配置された、例えば有機または無機のEL(ElectroLuminescence)ディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)からなり、後述するように線順次動作をしながら所定の図形や文字などの画像を表示するものである。また、各画素11は、例えば1つの表示撮像素子を含む表示撮像セルCWRから構成され、後述するように各画素が表示機能と撮像機能とを併有するようになっている。
ここで、図2〜図4を参照して、入出力パネル1の構成の詳細について説明する。
図2は、入出力パネル1の平面構成の一例を表すものであり、水平ライン方向にm個、垂直ライン方向にn個、合計で(m×n)個からなる画素11がマトリクス状に配置されているものとする。この入出力パネル1は、合計で(m×n)個からなる画素11および各画素に含まれる表示撮像セルCWR11〜CWRmnと、その画素11の数に応じて接続された、m本のデータ供給線DW(DW1〜DWm)およびデータ読出線DR(DR1〜DRm)、ならびにn本の表示用ゲート線G(G1〜Gn)および切換線S(S1〜Sn)とを有している。
データ供給線DWは表示信号ドライバ23に接続され、データ読出線DRは撮像信号レシーバ32に接続され、表示用ゲート線Gは表示側スキャナ24に接続され、切換線Sは撮像信号選択スキャナ31に接続されている。また、各表示撮像セルCWRに対してそれぞれ1本ずつのデータ供給線DW、データ読出線DR、表示用ゲート線Gおよび切換線Sが接続されている。また、例えば1垂直ラインの表示撮像セルCWR11,CWR12,…,CWR1nに対しては、1本ずつのデータ供給線DW1およびデータ読出線DR1が共通に接続され、例えば1水平ラインの表示撮像セルCWR11,CWR21,…,CWRm1に対しては、1本ずつの表示用ゲート線Gおよび切換線Sが共通に接続されている。なお、図中の矢印Yは、表示用ゲート線Gおよび切換線Sのスキャン方向を示している。
図3は、入出力パネル1における表示撮像セルCWRの配置構成の一例を断面図で模式的に表したものであり、図2におけるA−A部分の矢視断面に対応するものである。
この入出力パネル1は、1対の透明基板12A,12Bと、これらの透明基板12A,12Bの間に配置され、隔壁13によって互いに分離された複数の表示撮像セルCWR(CW21,CW22,CW23,CW24,CW25,…)とを有している。また、各表示撮像セルCWRは、表示撮像素子ELとして例えば有機EL素子を含んでおり、表示光LWを出射するようになっている。なお、一般的な有機EL表示部におけるその他の層については図示せず、説明を省略している。
図4は、入出力パネル1における表示撮像セルCWRの回路構成を表すものである。
この表示撮像セルCWRは、1つの表示撮像素子ELと、キャパシタCと、抵抗Rと、表示用ゲート線Gから供給される選択信号に応じてデータ供給線DWとキャパシタCの一端との間を選択的に導通させるスイッチSW1と、切換線Sから供給される切換信号に応じてキャパシタの他端と表示撮像素子ELの一端との間を選択的に導通させるスイッチSW2と、同じく切換線Sから供給される切換信号に応じて表示撮像素子ELの一端とデータ読出線DRとの間を選択的に導通させるスイッチSW3とを有し、表示撮像素子ELの他端は接地されている。なお、抵抗Rの一端はデータ読出線DRに接続され、抵抗Rの他端は接地、または負バイアス点(図示せず)に接続されるようになっている。
ここで、具体的に表示動作時および撮像動作時における各構成要素の動作を説明する。まず、表示動作および撮像動作は、以下のような表示撮像素子ELの性質を利用して行う。つまり、本実施の形態において表示撮像素子ELとして構成する、例えば有機EL素子やLED素子などは、順方向バイアス電圧を印加すると発光動作をするが、逆方向バイアス電圧を印加すると、受光して電流を発生する性質を有する。
したがって、表示動作時には、表示用ゲート線Gから供給される選択信号および切換線Sから供給される切換信号に従って、スイッチSW1,SW2をオン状態とすると共に、スイッチSW3をオフ状態とすることで、表示撮像素子ELには順方向バイアス電圧が印加される。そして表示信号に応じた輝度の発光となるよう、データ供給線DWからI1の経路にてキャパシタCが充電され、充電された電荷に基づいてI2の経路にて表示撮像素子ELに電流が流れることで、表示動作がなされる。
一方、撮像動作時には、切換線Sから供給される切換信号に従って、スイッチSW2,SW3をオフ状態とすると共に、スイッチSW2をオン状態とすることで、表示撮像素子ELに逆方向バイアス電圧が印加される。そして表示撮像素子ELにおいて、受光した光量に応じた電流がI3の経路にてデータ読出線DRへ供給されることで、撮像動作がなされる。
なお、表示動作および撮像動作のいずれの動作も行っていない時には、スイッチSW1〜SW3はいずれもオフ状態となっており、データ供給線DWおよびデータ読出線DRはそれぞれ、表示撮像素子ELとは切断されるようになっている。また、データ読出線DRに接続されている抵抗Rは、I3の経路でデータ読出線DRに供給される電流に基づいてその両端に電位差を生じさせ、これを撮像信号として出力するためのものである。
図1の説明に戻り、表示信号生成部21は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)などから供給される画像データに基づいて、例えば1画面ごと(1フレームの表示ごと)に表示部1に表示するための表示信号を生成するものである。
表示信号保持制御部22は、表示信号生成部21から出力される表示信号を1画面ごと(1フレームの表示ごと)に、例えばSRAM(Static Random Access Memory)などから構成されるフレームドメモリに格納して保持するものである。この表示信号保持制御部22はまた、表示信号ドライバ23、表示側スキャナ24および撮像信号選択スキャナ31が連動して動作するように制御する役割も果たしている。具体的には、表示側スキャナ24に対しては表示タイミング制御信号41を、撮像信号選択スキャナ31に対しては撮像タイミング制御信号42を、表示信号ドライバ23に対しては、制御信号、およびフレームメモリに保持されている1画面分の表示信号に基づく1水平ライン分の表示信号を、それぞれ出力するようになっている。
表示側スキャナ24は、表示信号保持制御部22から出力される表示タイミング制御信号41に応じて、表示駆動対象の表示撮像セルCWRを選択するものである。また、表示信号ドライバ23は、表示信号保持制御部22から出力される1水平ライン分の表示信号に応じて、表示駆動対象の表示撮像セルCWRへ表示データを供給するものである。
撮像信号選択スキャナ31は、表示信号保持制御部22から出力される撮像タイミング制御信号42に応じて、撮像駆動対象の表示撮像セルCWRを選択するものである。なお、この撮像信号選択スキャナ31は、撮像信号レシーバ32および2値化部33に対してそれぞれ撮像ブロック制御信号43を出力し、これら撮像動作に寄与する部分の動作を制御する役割も果たしている。
撮像信号レシーバ32は、撮像信号選択スキャナ31から出力される撮像ブロック制御信号43に応じて、各表示撮像セルCWRから出力された1水平ライン分の撮像信号を取得するものである。
2値化部33は、撮像信号レシーバ32から出力される撮像信号を、「0」または「1」の値に2値化するものである。なお、このようにして2値化された撮像信号(2値化撮像データDin1)は、画像補正部5へ出力される。
ここで、図5および図6を参照して、このような構成の画像表示装置において、接触あるいは近接した物体を撮像する動作について説明する。
図5は、図1の画像表示装置において撮像対象物体を撮像する処理の一例を断面図で表したものであり、図3に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
入出力パネル1上に、例えば指などの撮像対象物体15を接触あるいは近接させると、表示撮像セルCWR(ここでは、表示撮像セルCWR23)からの表示光LW1が、この撮像対象物体15で反射する。ここで、表示撮像素子ELでは、表示動作と撮像動作を時分割で行う必要があり、ある表示撮像素子で表示光を発光させながらその表示撮像素子で反射光を受光することができない。そこで、ある水平ラインの表示撮像素子から出射した表示光を、逆方向バイアス電圧が印加された他の水平ラインの表示撮像素子が受光することにより、撮像対象物体15の撮像が可能になる。例えば、図5に示したように、表示撮像セルCWR23から位置が近い水平ライン上の表示撮像セル、例えばCWR24やCWR25などには反射光LR1が入射するが、この表示撮像セルCWR23から位置が遠い水平ライン上の表示撮像セルには、反射光が入射しない。したがって、ある撮像対象物体15から位置が近い表示撮像セルCWRのみから撮像信号が得られるので、この画像表示装置では、表示駆動されている水平ライン上の表示撮像セルCWRから発せられて撮像対象物体15で反射された光が、その水平ラインに隣接する水平ライン上の表示撮像セルCWRによって受光されるように、タイミング駆動がなされるようになっている。このようにすれば、撮像対象物体15近傍の表示撮像セルCWRからは撮像信号が出力される一方、それ以外の領域からは撮像信号が出力されないので、撮像対象物体15が入出力パネル1上のどの領域に位置するのかが検知され、撮像動作が可能となる。
また、図6に示したように、このような表示駆動と撮像駆動とを各水平ラインについて順次行う(線順次駆動)ことにより、入出力パネル1全体で画像を表示しながら、撮像対象物体15を撮像することが可能となる。なお、図6において、符号P2,P3,P8,P9はそれぞれ、スキャン中のラインの位置を表しており、符号61,61A,61Bは表示領域を、符号63は撮像領域を表している。
次に、図1および図7〜図9を参照して、画像補正装置(画像補正部5)の構成について説明する。
この画像補正装置(画像補正部5)は、フレームメモリ51と、走査部52と、演算部53と、設定部54とを備えており、画像入出力装置から供給される撮像信号(2値化撮像データDin1)からノイズを除去することにより、この2値化撮像データDin1の画像補正を行うものである。なお、本実施の形態に係る画像補正方法は、本実施の形態に係る画像補正装置によって具現化されるので、以下、併せて説明する。
フレームメモリ51は、2値化撮像データDin1を走査部52を介して入力し、1画面分(1フレーム分)のデータを保持するメモリである。このようにして保持された1フレーム分の2値化撮像データDin1は、例えば図7に示したような画像を構成し、画素データとしての2値化撮像データDin1の集合として表現されるようになっている。なお、図中の符号11W,11Bはそれぞれ白表示画素または黒表示画素を表しており、それぞれ、2値化撮像データDin1の値(画素データ)が「1」または「0」の画素を示している。
走査部52は、画像入出力装置の2値化部33から供給される2値化撮像データDin1をフレームメモリ51へ供給すると共に、例えば図8の矢印Xで示したように、このフレームメモリ51によって表現される1フレーム分の画像上で、注目画素71を順次走査するものである。また、走査部52は、この注目画素71の近傍の画素(この場合、注目画素71を取り囲む8つの近傍画素72)の画素データ(2値化撮像データDin1の値)を参照し、これら8つの近傍画素72の画素データをそれぞれ演算部53へ出力するようになっている。
演算部53は、走査部52から供給される近傍画素72の画素データの和を求め、得られた画素データの和(画素合計値Sout)を設定部54へ出力するものである。
設定部54は、演算部53から供給される画素合計値Soutに基づいて、例えば図9に示したような画素値設定テーブル81を参照することにより、フレームメモリ51に保持されている注目画素71の画素値を強制的に設定し、選択的に2値化撮像データDin1のノイズ除去処理を行うものである。具体的には、画素合計値Soutが黒しきい値(この場合、黒しきい値=1)以下である場合には、その注目画素の画素値を2値化データ「0」に設定する一方、画素合計値Soutが白しきい値(この場合、白しきい値=5)以上である場合には、その注目画素の画素値を2値化データ「1」に設定するようになっている。また、画素合計値Soutが黒しきい値と白しきい値との間(この場合、Sout=2〜4の場合)である場合には、その注目画素の画素値を変更しないようになっており、これら黒しきい値および白しきい値は、図9に示した値には限られず、任意の数を設定することが可能である。なお、このようにして得られたノイズ除去処理後の撮像データ(ノイズ除去撮像データDout)は、フレームメモリ51から画像補正部5の外部へ出力され、他の処理などに利用されるようになっている。
ここで、これら演算部53および設定部54が、本発明における「ノイズ除去手段」の一具体例に対応する。
次に、図10〜図13を参照して、本実施の形態の画像補正装置(画像補正部5)によるノイズ除去処理について説明する。ここで、図10は、本実施の形態に係るノイズ除去処理を流れ図で表したものであり、図11〜図13はそれぞれ、ノイズ除去処理の態様を3つの場合に分けて表したものである。
まず、走査部52が、図8の矢印Xで示したように、フレームメモリ51上の各画素を順次走査することにより、注目画素71を進める(図10のステップS101)。次に、演算部53が、走査部52から供給される近傍画素72の画素データに基づいて、これら近傍画素72の和(画素合計値Sout)を求める(ステップS102)。
次に、設定部54が、演算部53から供給される画素合計値Soutに基づいて、例えば前述の図9に示したような画素値設定テーブル81を参照することにより、フレームメモリ51上の注目画素71の画素値を強制的に設定し、選択的に2値化撮像データDin1のノイズ除去処理を行う。具体的には、設定部54はまず、この画素合計値Soutが黒しきい値(この場合、黒しきい値=1)以下であるかどうか、すなわちSout≦1かどうかを判断する(ステップS103)。
Sout≦1の場合(ステップS103:Y)、例えば図11(A)〜(D)に示したように、注目画素71の画素値を2値化データ「0」に設定、すなわちその注目画素71を黒表示画素に設定する(ステップS104)。具体的にはこの場合、図11(B)に示したように、8つの近傍画素72のうち、黒表示画素(画素データ=0)が7つ、白表示画素(画素データ=1)が1つであるので、これら近傍画素72の画素合計値Sout=1となり、図11(C)に示したように、注目画素71を白表示画素から黒表示画素へと設定変更するようになっている。このようにして、この注目画素71がノイズであると判断され、ノイズ除去処理がなされる。なお、この後は、後述するステップS107へと進むようになっている。
一方、Sout>1の場合(ステップS103:N)、次に設定部54は、画素合計値Soutが白しきい値(この場合、白しきい値=5)以上であるかどうか、すなわちSout≧5かどうかを判断する(ステップS105)。
Sout≧5の場合(ステップS105:Y)、例えば図12(A)〜(D)に示したように、注目画素71の画素値を2値化データ「1」に設定、すなわちその注目画素71を白表示画素に設定する(ステップS106)。具体的にはこの場合、図12(B)に示したように、8つの近傍画素72のうち、黒表示画素(画素データ=0)が3つ、白表示画素(画素データ=1)が5つであるので、これら近傍画素72の画素合計値Sout=5となり、図12(C)に示したように、注目画素71を黒表示画素から白表示画素へと設定変更するようになっている。このようにして、この注目画素71がノイズであると判断され、ノイズ除去処理がなされる。なお、この後は、後述するステップS107へと進むようになっている。
一方、Sout<5の場合(ステップS105:N)、画素合計値Soutが黒しきい値と白しきい値との間(この場合、Sout=2〜4の場合)であるので、例えば図13(A)〜(D)に示したように、その注目画素71の画素値を変更せずに、ステップS107へと進む。具体的にはこの場合、図13(B)に示したように、8つの近傍画素72のうち、黒表示画素(画素データ=0)が5つ、白表示画素(画素データ=1)が3つであるので、これら近傍画素72の画素合計値Sout=3となり、図13(C)に示したように、注目画素71を白表示画素のまま設定変更しないようなっている。このようにして、この注目画素71がノイズではないと判断され、ノイズ除去処理が回避される。
最後に、走査部52は、全画素が終了したか否か、すなわちフレームメモリ51上の全ての画素を走査終了したか否かを判断する(ステップS107)。まだ全画素が終了していないと判断された場合(ステップS107:N)には、ステップS101へと戻る一方、全画素が終了したと判断された場合(ステップS107:Y)には、ノイズ除去処理が終了となる。このようにして、フレームメモリ51上の1画面分全てのノイズ除去処理がなされる。
次に、図7および図14〜図17を参照して、以上説明したノイズ除去処理を図7に示した撮像データに対して行った場合の実施例について説明する。
まず、図14(A)〜(C)に示したように注目画素71を順次走査しつつノイズ除去処理を行うことにより、表示機能と撮像機能とを有する画像入出力装置による撮像データに発生しがちなライン状のノイズ(この場合、白表示画素によるノイズ)が除去される。
次に、例えば図15(A),(B)に示したようにして、白表示画素による孤立画素ノイズが除去される一方、例えば図16(A),(B)に示したようにして、白表示画素による孤立画素ノイズが除去される。
このようにして、以上説明したノイズ除去処理を図7に示した撮像データに対して行うと、図17に示したようになる。すなわち、符号N1で示したように、表示機能と撮像機能とを有する画像入出力装置による撮像データに発生しがちなライン状のノイズが除去されると共に、符号N2,N3にそれぞれ示したように、白表示画素または黒表示画素による孤立画素ノイズも除去されていることが分かる。
このようにして、本実施の形態のノイズ除去処理では、図14〜図16にそれぞれ示したように、画素データによって表現される撮像画像において、各画素が順次走査されつつ、走査済み画素についてのノイズ除去処理の結果をその次の走査対象画素についてのノイズ除去処理に反映させるようにして、各画素ごとにノイズ除去処理が行われる。
以上のように、本実施の形態では、走査部52がフレームメモリ51に保持されている1画面分の2値化撮像データDin1による画像の各画素を順次走査しつつ、演算部53および設定部54が、走査済み画素についてのノイズ除去処理の結果をその次の走査対象画素についてのノイズ除去処理に反映させるようにして、各画素ごとにノイズ除去処理を行うようにしたので、画像全体を一度走査するだけでノイズを除去することができ、この1画面分の2値化撮像データDin1によって表現される画像から簡単にノイズを除去することが可能となる。
また、このようなノイズ除去処理を行うようにしたことにより、表示機能と撮像機能とを有する画像入出力装置による撮像データに発生しがちなライン状のノイズを除去することができると共に、白表示画素または黒表示画素による孤立画素ノイズも除去することができる。
また、注目画素71の近傍の画素(近傍画素72)の画素データを参照して行うようにしたので、これら近傍画素72の状態も考慮してノイズ除去処理を行うことができ、より正確なノイズ除去を行うことが可能となる。
また、近傍画素72の画素データの和(画素合計値Sout)に基づいて行うようにしたので、一般的な画素パターンのマッチング処理により行う場合と比べて、簡単に行うことができる。
さらに、白しきい値や黒しきい値を設けて注目画素71の画素値の設定を行うようにしたので、これらのしきい値を調整することにより、ノイズ除去の感度も調整することも可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
上記第1の実施の形態においては、画像補正部5へ供給される撮像データが2値化して表されたデータ(2値化撮像データDin1)である場合のノイズ除去処理について説明したが、本実施の形態では、画像補正部5へ供給される撮像データが多値化して表された階調データ(多値化撮像データDin2)である場合のノイズ除去処理について説明する。なお、説明の簡潔化を図るため、以下、第1の実施の形態と同様の部位については、同じ符号を付して説明する。
図18は、本実施の形態に係る画像補正装置(画像補正部5)の構成と、この画像補正装置へ多値化撮像データDin2を供給する画像入出力装置の構成とを表すものである。図1に示した第1の実施の形態の場合と異なるのは、画像入出力装置から2値化部33を省くと共に、画像補正部5内に判定部55および2値化部56を設けるようにした点である。
判定部55は、走査部52から供給される、多値化して表された注目画素71の画素データが、階調レベルでどの範囲にあるのかを判定するものである。具体的には、注目画素71の画素データが、例えば図19に示したような輝度の階調レベルで表現される場合に、その注目画素の画素データの階調レベルが、最低輝度レベルYminから第1のしきい値Yth1までの第1の領域Y1内、第1のしきい値Yth1から第2のしきい値Yth2までの第2の領域Y2内、および第2のしきい値Yth2から最高輝度レベルYmaxまでの第3の領域Y3内のいずれの領域内にあるのかを、判定するようになっている。なお、最低輝度レベルYminは0階調レベル(黒レベル)であり、最高輝度レベルYmaxは、例えば255階調レベル(白レベル)である。また、第1のしきい値Yth1は例えば10階調レベル程度であり、第2のしきい値Yth2は例えば100階調レベル程度である。なお、図中のしきい値Ythは、後述する2値化部56における2値化しきい値を表している。
また、判定部55は、このような階調レベルの判定結果に基づいて、例えば図20に示したような画素値設定テーブル82を参照することにより、その注目画素71の画素値を設定するようになっている。具体的には、階調レベルがY1領域内であるときには、その注目画素71の画素データをそのまま2値化部56へ出力し、この2値化部56に2値化させることにより、その注目画素71の画素値を2値化データ「0」に設定するようになっている。また、階調レベルがY3領域内であるときには、その注目画素71の画素データをそのまま2値化部56へ出力し、この2値化部56に2値化させることにより、その注目画素71の画素値を2値化データ「1」に設定するようになっている。一方、階調レベルがY2領域内であるときには、注目画素71およびその近傍画素72の画素データをそれぞれ2値化部56へ出力し、第1の実施の形態の場合と同様にこの近傍画素72の画素合計値Soutによって、注目画素71の画素値を設定するようになっている。
2値化部56は、判定部55から供給される注目画素71の画素データまたは近傍画素72の画素データを2値化し、2値化された注目画素の画素データをフレームメモリ51へ出力すると共に、2値化された近傍画素の画素データを演算部53へ出力するものである。
次に、図21を参照して、本実施の形態の画像補正装置(画像補正部5)によるノイズ除去処理について説明する。ここで図21は、本実施の形態に係るノイズ除去処理を流れ図で表したものである。
まず、第1の実施の形態で説明したステップS101と同様に、走査部52がフレームメモリ51上の各画素を順次走査することにより、注目画素71を進める(ステップS201)。次に、判定部55が、走査部52から供給される注目画素71の輝度の階調レベルを判定する(ステップS202)。
ステップS202において「Y1領域」であると判断された場合、判定部55は、Y1領域であれば2値化しきい値Ythから離れているのでこの注目画素71の画素データを2値化する際にノイズは発生しないと判断し(ステップS203)、その注目画素71の画素データを2値化部56へ出力する。そして2値化部56が2値化することにより、その注目画素71の画素値を2値化データ「0」に設定し、フレームメモリ51上に書き込む(ステップS204)。なお、この後は、後述するステップS212へと進むようになっている。
また、ステップS202において「Y3領域」であると判断された場合には、判定部55は、Y3領域であれば2値化しきい値Ythから離れているのでこの注目画素71の画素データを2値化する際にノイズは発生しないと判断し(ステップS205)、その注目画素71の画素データを2値化部56へ出力する。そして2値化部56が2値化することにより、その注目画素71の画素値を2値化データ「1」に設定し、フレームメモリ51上に書き込む(ステップS206)。なお、この後は、後述するステップS212へと進むようになっている。
一方、ステップS202において「Y2領域」であると判断された場合には、判定部55は、Y2領域の場合には2値化しきい値Ythを含んでいるのでこの注目画素71の画素データを2値化する際にノイズが発生しうると判断し(ステップS207)、その注目画素71の画素データおよびその近傍画素72の画素データを2値化部56へ出力する。そして2値化部56は、これら注目画素71およびその近傍画素72の画素データをそれぞれ2値化する(ステップS208)。
ステップS208の後は、第1の実施の形態で説明したステップS102,S103と同様に、演算部53が近傍画素72の画素合計値Soutを求め(ステップS209)、設定部54がまず、例えばSout≦1かどうかを判断する(ステップS210)。Sout≦1であると判断された場合(ステップS210:Y)、その注目画素71の画素値を「0」に設定し(ステップS204)、ステップS212へと進む。一方、Sout>1であると判断された場合(ステップS210:N)、第1の実施の形態で説明したステップS105と同様に、次に設定部54は、例えばSout≧5かどうかを判断する(ステップS211)。Sout≧5であると判断された場合(ステップS211:Y)、その注目画素71の画素値を「1」に設定し(ステップS206)、ステップS212へと進む。一方、Sout<5であると判断された場合(ステップS211:Y)には、ステップS212へと進む。
最後に、第1の実施の形態で説明したステップS107と同様に、走査部52が、全画素が終了したか否かを判断する(ステップS212)。まだ全画素が終了していないと判断された場合(ステップS212:N)には、ステップS201へと戻る一方、全画素が終了したと判断された場合(ステップS212:Y)には、ノイズ除去処理が終了となる。
以上のように、本実施の形態では、判定部55が、画像入出力装置から供給される多値化撮像データDin2の階調レベルを判定し、判定された階調レベルが所定の範囲内(第1のしきい値Yth1から第2のしきい値Yth2までの第2の領域Y2内)にある場合にのみ、2値化部56がその多値化撮像データDin2を2値化し、第1の実施の形態で説明した選択的なノイズ除去処理を行うようにしたので、撮像データが多値化データである場合に、ノイズ除去処理の負担を軽減することが可能となる。
また、多値化撮像データDin2の階調レベルがY1領域内であると判定された場合には、2値化部56に2値化させることによりその注目画素71の画素値を強制的に2値化データ「0」に設定する一方、階調レベルがY3領域内である場合には、その注目画素71の画素値を強制的に2値化データ「1」に設定するようにしたので、2値化の際にノイズが発生する可能性が低い場合には、ノイズの発生を気にすることなく、2値化処理を行うことができる。
以上、第1および第2の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、注目画素71が画像の端のライン上を走査する場合については説明されていないが、例えば図22に示した注目画素71A,71Bのように、注目画素が画像の端のライン上も走査するようにしてもよい。また、このように構成した場合、近傍画素の画素合計値Soutの演算については、画像内の近傍画素72A1,72B1だけについて演算して画像外の近傍画素72A2,72B2については演算しないようにし、画像内の近傍画素72A1,72B1の数に応じて、白しきい値や黒しきい値を調整するようにすればよい。また、あるいは画像外の近傍画素72A2,72B2については、画素データが仮想的に「0」であるものとして演算するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、走査部52が、画像の一端から各画素を順次走査する場合について説明したが、例えば図23に示したように、画像の画素配列の両端(始点位置および終点位置)から、矢印X1,X2に示したように、それぞれが互いに逆方向に並行して走査するようにしてもよい。このように構成した場合、上記実施の形態における効果に加え、ノイズ処理時間を短縮することが可能となる。
また、上記実施の形態では、近傍画素72の画素合計値Soutに基づいて注目画素71がノイズであるかどうかを判断し、ノイズ除去処理を行うようにする場合について説明したが、パターンマッチングなどによってノイズであるかどうかを判断し、ノイズ除去処理を行うようにしてもよい。そのように構成した場合であっても、ノイズ除去処理の結果をその次の捜査対象画素についてのノイズ除去処理に反映させるようにすれば、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、上記実施の形態では、注目画素71の近傍の画素を、その注目画素を取り囲む8つの近傍画素72により構成した場合で説明したが、近傍の画素の構成はこれには限られず、任意の範囲から構成することが可能である。
また、上記実施の形態では、2値化撮像データDin1の値(画素データ)が「0」の画素が黒表示画素11Bとなり、画素データが「1」の画素が白表示画素11Wとなるような入出力パネル1の場合について説明したが、本発明は、逆に、画素データが「0」の画素が白表示画素11Wとなり、画素データが「1」の画素が黒表示画素11Bとなるような入出力パネルの場合に対しても、適用することが可能である。
また、上記実施の形態では、表示機能と撮像機能とを併有する表示撮像素子ELによって入出力パネル1を構成した場合で説明したが、表示機能を有する表示素子(例えば、液晶素子やLED(Light Emitting Diode)など)と、撮像機能を有する素子(例えば、フォトダイオードやCCD(Charge Coupled Device)など)とを別々に設けて入出力パネルを構成するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、一連のノイズ除去処理をハードウェアにより実行させる場合について説明したが、これらの処理をソフトウェアによって実行させることも可能である。そのように構成する場合、一連のノイズ除去処理を実行するためのソフトウェアを構成するプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータにインストールすることにより、これら一連のノイズ除去処理を、このコンピュータに実行させることが可能となる。
さらに、上記実施の形態では、画像入出力装置から供給される撮像データのノイズ除去処理を行う場合について説明したが、本発明は、このような画像入出力装置からの撮像データには限らず、画素データによって表現される任意の画像に対して適用することが可能である。例えば、スキャナから取り込んだ画像や、ファクシミリによって受信した画像に対しても、本発明のノイズ除去処理を適用することが可能である。
1…入出力パネル、11…画素、11W…白表示画素、11B…黒表示画素、12A,12B…透明基板、13…隔壁、15…撮像対象物体、21…表示信号生成部、22…表示信号保持制御部、23…表示信号ドライバ、24…表示側スキャナ、31…撮像信号選択スキャナ、32…撮像信号レシーバ、33,56…2値化部、41…表示タイミング制御信号、42…撮像タイミング制御信号、43…撮像ブロック制御信号、5…画像補正部、51…フレームメモリ、52…走査部、53…演算部、54…設定部、55…判定部、61,61A,61B…表示領域、63…撮像領域、71,71A,71B,711,712…注目画素、72,72A1,72A2,72B1,72B2,721,722…近傍画素、81,82…画素値設定テーブル、CWR…表示撮像セル、DW…データ供給線、DR…データ読出線、G…表示用ゲート線、S…切換線、LW,LW1…表示光、LR1…反射光、EL…表示撮像素子、C…キャパシタ、R…抵抗、SW1,SW2,SW3…スイッチ、I1…表示信号電流路、I2…撮像信号電流路、Y…スキャン方向、P2,P3,P8,P9…スキャン中の水平ラインの位置、X,X1,X2…走査方向、Sout…画素合計値、N1,N2,N3…ノイズ、Yht1…第1のしきい値、Yth2…第2のしきい値。