JP2007143314A - 電動工具の正逆切替装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】接点の接離速度を常に一定にして接点寿命を向上させる
【解決手段】正逆切替装置12のブラシベース14に、正回転又は逆回転何れかの切替位置からニュートラル位置まで相対回転可能な遊びを有した状態で操作リング15を連結する一方、ブラシベース14に係合片26を、ユニットベース13に各切替位置で係合片26が嵌合する嵌合部30,30を設けて、各切替位置からニュートラル位置へ移動する際のブラシベース14の初動に抵抗を生じさせるようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、モータ駆動する電動工具に、モータの回転方向を切り替えるために設けられる正逆切替装置に関する。
電動工具の正逆切替装置は、ハウジング内でモータの固定子に固定され、固定子のコイルに夫々電気的接続される一対の固定接点を備えたユニットベースと、整流子に対向して摺接する一対のカーボンブラシを保持してユニットベースへ回転可能に組み付けられるリング状のブラシベースとからなり、ブラシベースに、固定接点間に位置する一対の可動接点が夫々設けられている。このブラシベースの回転操作によって両可動接点の固定接点への接触態様を切り替えることで、モータの正回転と逆回転とを選択可能となっている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−180054号公報
上記正逆切替装置においては、ブラシベースを手動で回転操作させるため、ブラシベースの操作速度が一定でなく、接点同士の接離速度が速くなったり遅くなったりする。特に、モータへの通電中に切替操作がなされると、操作速度が遅ければ接点溶着を起こすおそれがあり、接点寿命の低下に繋がっていた。ブラシベースに回転方向へ付勢するバネを設けて切替を補助させることもできるが、結局ブラシベースを直接手動操作する構造である以上、操作速度のムラは解消されず、接点寿命への影響は残ってしまう。
そこで、本発明は、ユーザーによる操作速度にかかわりなく、接点間の接離速度を常に一定にして、接点寿命を向上させることができる電動工具の正逆切替装置を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ブラシベースに、正回転又は逆回転何れかの切替位置から可動接点が固定接点から離れるニュートラル位置まで相対回転可能な遊びを有した状態で、ハウジング外部から回転操作可能な操作部材を連結する一方、ブラシベースとユニットベースとの間に、各切替位置でブラシベースを位置決めし、各切替位置からニュートラル位置側へのブラシベースの初動に抵抗を生じさせる位置決め手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、位置決め手段を簡単に形成するために、位置決め手段を、ユニットベース又はブラシベースの何れか一方に設けられた係合部と、他方に設けられ、ブラシベースの各切替位置で係合部が嵌合する嵌合部としたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の目的に加えて、接点の速断の確実性を高めるために、位置決め手段による各切替位置でのブラシベースの保持力よりも小さい力でブラシベースをニュートラル位置側へ回転付勢する付勢手段を設けたものである。
請求項1に記載の発明によれば、ブラシベースと遊びを有して連結される操作部材の採用により、直接操作される操作部材の移動速度に関係なくブラシベースを切替動作させることができる。よって、常に一定の速度で接点の速断が可能となり、接点溶着を起こすおそれが低減されて接点寿命の向上が期待できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、係合部と嵌合部との単純な嵌合構造によって位置決め手段が簡単に形成可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、付勢手段の回転付勢によってより確実な速断が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の正逆切替装置が設けられる電動工具の一例である電動ドリルの全体図、図2はハンドルカバーを取り外した状態の斜視図で、電動ドリル1は、モータ2を内蔵したハウジング3の前方(図1の左側)に、スピンドル4を突出し、スピンドル4の先端に、ドリルビット等を装着可能なチャック5を備えた周知の構造である。ハウジング3の後方には、後方から組み付けられるハンドルカバー6と共にハンドル7が下向きに延設されて、ハンドル7内に、スイッチレバー8の押し込み操作でONするスイッチ9が設けられている。10はモータ2の変速ダイヤル、11は穿孔深さを設定するストッパポールである。
モータ2の後方には、モータ2の回転方向を切り替える正逆切替装置12が組み付けられている。この正逆切替装置12は、図3,4にも示す如く、モータ2の固定子に固定される円盤リング状のユニットベース13と、そのユニットベース13の後方に組み付けられ、ユニットベース13と略同形の円盤リング状であるブラシベース14と、ブラシベース14の後方に組み付けられる操作部材としての操作リング15とからなる。ユニットベース13、ブラシベース14、操作リング15は何れも合成樹脂製である。なお、以下の正逆切替装置12の説明では上下方向を図3に示す状態で説明する。また、図4以下の底面説明図では、便宜上ユニットベース13は接点や端子金具を除いて省略している。
まずユニットベース13は、平面円弧状の一対の固定接点16,16を点対称に配置しており、各固定接点16の端部17,17は、夫々他方の固定接点16の端部17,17と周方向に所定間隔をおいて対向している。また、各固定接点16には、固定子のコイル側の一方の対のターミナル端子に差し込まれて電気的接続される差込片18が下方へ連設されている。19,19は、下端がコイル側の他方の対のターミナル端子に差し込まれ、上端がブラシベース14を貫通してスイッチ9に図示しないリード線を介して接続される端子金具である。
さらに、ユニットベース13の内周には、上端を外向きに折り返した一対のフック20,20が上方へ突設されている。このフック20,20が、ブラシベース14及び操作リング15を貫通して操作リング15の上面に係止することで、ユニットベース13上にブラシベース14及び操作リング15を夫々回転可能に一体化している。
次に、ブラシベース14の上面には、点対称位置で直線上に、角スリーブで金属製のブラシホルダ22,22を差込保持する筒状部21,21が一体形成されて、ブラシホルダ22,22に挿着したカーボンブラシ23,23(図2)をモータ2の整流子に摺接させて保持可能となっている。図2における24は、正逆切替装置12を貫通してモータ2の出力軸を軸支する軸受部である。各ブラシホルダ22の底面には、下方へ向けて可動接点25が点対称位置で垂下されて、ユニットベース13の固定接点16,16間の端部17,17間に夫々突出している。よって、ブラシベース14の回転に伴う可動接点25,25の周方向の移動により、可動接点25,25は、固定接点16,16において点対称で一対となる2組の端部17,17の何れかと選択的に接触可能となっている。
また、ブラシベース14における各筒状部21の前端下方で、平面視で可動接点25,25を結ぶ線上には、下方へ向けて係合部となる係合片26が夫々突設されている。一方、ユニットベース13における内周側には、可動接点25,25が固定接点16の端部17,17と接触する周方向での左右位置で係合片26が当接するストッパ27,27が、中心側へ向けて突設されている。このストッパ27,27間中央には、係合片26と干渉しない高さで支持片28が中心側へ向けて突設され、その支持片28の左右両側に、支持片28から離れるに従って徐々に高くなって頂点付近で係合片25と干渉し、頂点位置を過ぎると逆に徐々に低くなるへの字状の弾性片29,29が夫々左右対称に延設されている。
よって、弾性片29,29の先端とストッパ27,27との間には、係合片26が嵌合して固定接点16と可動接点25との接触状態を保持する嵌合部30,30が形成される。この嵌合部30と先の係合片26とが位置決め手段となる。図4では、奥に表れる左側の嵌合部30に係合片26が嵌合するブラシベース14の回転位置が正回転、右側の嵌合部30に係合片26が嵌合するブラシベース14の回転位置が逆回転の各切替位置(以下夫々「正回転位置」、「逆回転位置」という。)となり、支持片28上付近が両接点16,25が接触しないニュートラル位置となる。
そして、操作リング15は、ブラシベース14の内径と略同じ内径を有するリング状の枠体で、ブラシベース14の筒状部21,21に当たる位置では、筒状部21を乗り越えるように筒状部21よりも周方向の間隔がやや広い倒コ字状の遊嵌部31,31が点対称に形成されている。すなわち、ブラシベース14と操作リング15との間に、各遊嵌部31の左右の縦棒部32,32の何れかが筒状部21の側面に当接するまで両者の相対回転を許容する遊びを回転方向に設けたものである。但し、この遊びは、係合片26が正回転位置又は逆回転位置からニュートラル位置に達するまでのブラシベース14の回転量で設定されている。
また、遊嵌部31,31から略90度位相をずらせた操作リング15の外周には、半径方向で外向きに連結片33,33が突設されている。この連結片33,33は、ハウジング3の両側面に夫々形成された窓34に臨み、ハウジング3の外部から操作リング15を回転操作可能としている。
以上の如く構成された正逆切替装置12においては、図4のニュートラル位置から操作リング15を正回転側へ回転(図4(A)で左回転)させると、遊嵌部31,31の一方の縦棒部32,32が筒状部21,21に当接してブラシベース14を一体回転させることができる。このとき、係合片26,26は、移動側の弾性片29の頂点側へ行くに従って弾性片29と干渉して抵抗を受ける。この抵抗は頂点付近で最大となる。ここでは、固定接点16の端部17の長さ設定により、抵抗が最大となる頂点付近で可動接点25,25は正回転側の固定接点16の端部17,17と接触して電気的接続がなされるようになっている。よって、切替位置への進入時では、弾性片29の抵抗により接点16,25の接触速度が遅くなる緩入となる。係合片26が頂点位置を乗り越えると、図5に示すように、嵌合部30に嵌合して正回転位置で保持されることになる。
次に、正回転から逆回転へ切り替える際には、図5の状態から操作リング15を逆回転側へ右回転させると、遊嵌部31,31の他方の縦棒部32,32が筒状部21,21に当接してブラシベース14を一体回転させる。このブラシベース14の初動時には、嵌合部30に嵌合している係合片26,26には、夫々弾性片29と干渉することにより回転方向に抵抗が生じるため、操作リング15を介してブラシベース14にある程度強い力を加える必要がある。そして、力を加えた状態で各係合片26が弾性片29の頂点位置を乗り越えて嵌合部30から離れると、そのままの勢いでブラシベース14が縦棒部32,32から離れて先に回転し、図6に示すように各係合片26が支持片28の上方に位置するニュートラル位置へ迅速に到達する。よって、固定接点16の端部17と接触していた可動接点25は端部17から素早く離れる(速断)。この切替速度は操作リング15の操作速度に関係なく一定となる。すなわち、操作リング15をゆっくり回転させた場合でも、弾性片29を乗り越えさせる力は必要であるため、嵌合部30を離れた途端にその勢いで遊嵌部31,31より速くブラシベース14が遊び分を回転する作用は変わらないからである。
そして、ブラシベース14のニュートラル位置からさらに操作リング15を逆回転側へ右回転させると、縦棒部32,32が当接してブラシベース14はそのまま一体回転し、係合片26は、弾性片29と干渉して抵抗を受けながら頂点位置を乗り越えて、図7に示すように嵌合部30に嵌合する(逆回転位置)。このとき可動接点25は、ニュートラル位置から正回転位置への切替の場合と同様に、係合片26への抵抗が最大となる弾性片29の頂点位置付近で固定接点16の端部17,17と接触して電気的接続がなされる(緩入)。
なお、逆回転位置から正回転位置への切替も同様の作用で、逆回転位置からニュートラル位置へは速断、ニュートラル位置から正回転位置へは緩入となる。
このように上記形態の正逆切替装置12によれば、ブラシベース14に、正回転又は逆回転何れかの切替位置から可動接点25が固定接点16から離れるニュートラル位置まで相対回転可能な遊びを有した状態で、ハウジング3外部から回転操作可能な操作リング15を連結する一方、ブラシベース14とユニットベース13との間に、各切替位置でブラシベース14を位置決めし、各切替位置からニュートラル位置側へのブラシベース14の初動に抵抗を生じさせる位置決め手段を設けたことで、直接操作される操作リング15の移動速度に関係なくブラシベース14を切替動作させることができ、常に一定の速度で接点16,25の速断が可能となる。よって、接点溶着を起こすおそれが低減されて接点寿命の向上が期待できる。ちなみに本発明を適用しない従来型の正逆切替装置と比較して、本発明の正逆切替装置12では約2倍の接点寿命が確認できている。
また、位置決め手段を、ブラシベース14に設けられた係合片26と、ユニットベース13に設けられ、ブラシベース14の各切替位置で係合片26が嵌合する嵌合部30とから形成したことで、単純な嵌合構造によって位置決め手段が簡単に形成可能となっている。
なお、上記形態の正逆切替装置12は、ブラシベース14側の係合片26とユニットベース13側の嵌合部30のみを利用して速断を実現しているが、図8,9に示すように、ユニットベース13の上面周方向に設けた凹溝35,35に、付勢手段としてのコイルバネ36の下半分を夫々嵌入させる一方、ブラシベース14の下面に、ニュートラル位置でコイルバネ36の両端に夫々近接する当接部37,37を設けてもよい。
この場合、操作リング15によってブラシベース14を各切替位置へ回転させると、図9に示すように(コイルバネ部分は切り欠いて示している)、一方の当接部37がコイルバネ36を収縮させた状態で保持される。ここでは、コイルバネ36の付勢力よりも係合片26と嵌合部30との嵌合によるブラシベース14の保持力の方が大きくなっている。よって、この状態で操作リング15をニュートラル位置側へ回転させると、係合片26が嵌合部30から離れた途端に、図10のようにコイルバネ36の回転付勢によって直ちにニュートラル位置へ移動することになる。
このように、位置決め手段による各切替位置でのブラシベース14の保持力よりも小さい力でブラシベース14をニュートラル位置側へ回転付勢する付勢手段を設ければ、より確実な速断が可能となる。勿論この付勢手段はコイルバネに限らず、板バネやトーションスプリング、弾性体等の他の形態を採用しても差し支えない。また、ここでは先の形態の係合片26と嵌合部30とをブラシベース14の保持にそのまま利用しているが、付勢手段よりも大きな保持力が得られるものであれば、他の構造を採用することもできる。
また、上記形態では、係合片が嵌合部に到達する前の弾性片の頂点位置で可動接点と固定接点とが接触する設定とすることで緩入を実現しているが、係合片が嵌合部に到達して初めて可動接点と固定接点とが接触する設定とすれば、速入が実現可能となる。
さらに、位置決め手段も上記形態に限らず、例えば係合片をユニットベースに、嵌合部をブラシベースに夫々設けて上記形態と逆にしたり、中央の支持片をなくして弾性片をユニットベース又はブラシベースの内周面から直接突設したり、ストッパと弾性片とを一体に設けたり等の設計変更が可能である。加えて、上記形態のように一対設けるものに限らず、係合部と嵌合部との一組のみ設けたり、ユニットベースとブラシベースとの間や外周側に設けたりしても差し支えない。
そして、操作部材は上記枠状の操作リングに限らず、ブラシベースと同様の円盤状としてもよいし、ブラシベースとの遊びの設定も、操作部材又はブラシベースに設けられた長溝と、その長溝に遊挿する突起とによる等、適宜設計変更可能である。
その他、電動工具としては電動ドリルに限らず、電動ドライバドリルや電動ドライバ等、モータの正逆切替機能を備えた電動工具であれば他の種類にも採用可能である。
電動ドリルの全体図である。 ハンドルカバーを取り外した電動ドリルの斜視図である。 正逆切替装置の分解斜視図である。 (A)はニュートラル位置の正逆切替装置の斜視図、(B)はその底面説明図である。 (A)は正回転位置の正逆切替装置の斜視図、(B)はその底面説明図である。 (A)はニュートラル位置の正逆切替装置の斜視図、(B)はその底面説明図である。 (A)は正回転位置の正逆切替装置の斜視図、(B)はその底面説明図である。 変更例の正逆切替装置の分解斜視図である。 変更例の正逆切替装置の斜視図である(逆回転位置)。 変更例の正逆切替装置の斜視図である(ニュートラル位置)。
符号の説明
1・・電動ドリル、2・・モータ、3・・ハウジング、7・・ハンドル、12・・正逆切替装置、13・・ユニットベース、14・・ブラシベース、15・・操作リング、16・・固定接点、17・・端部、22・・ブラシホルダ、25・・可動接点、26・・係合片、29・・弾性片、30・・嵌合部、31・・遊嵌部、36・・コイルバネ。

Claims (3)

  1. 電動工具のハウジング内で固定され、モータのコイルに接続される一対の固定接点を備えたユニットベースと、前記モータのブラシを保持して前記ユニットベースに対して回転可能に設けられ、前記固定接点間に位置する一対の可動接点を備えたブラシベースとを有し、前記ブラシベースの回転操作により、前記固定接点に対する前記可動接点の接触態様を切り替えて、モータの正回転と逆回転とを選択可能とした電動工具の正逆切替装置であって、
    前記ブラシベースに、前記正回転又は逆回転何れかの切替位置から前記可動接点が前記固定接点から離れるニュートラル位置まで相対回転可能な遊びを有した状態で、前記ハウジング外部から回転操作可能な操作部材を連結する一方、前記ブラシベースとユニットベースとの間に、前記各切替位置で前記ブラシベースを位置決めし、前記各切替位置から前記ニュートラル位置側への前記ブラシベースの初動に抵抗を生じさせる位置決め手段を設けたことを特徴とする電動工具の正逆切替装置。
  2. 位置決め手段は、ユニットベース又はブラシベースの何れか一方に設けられた係合部と、他方に設けられ、前記ブラシベースの各切替位置で前記係合部が嵌合する嵌合部とからなる請求項1に記載の電動工具の正逆切替装置。
  3. 位置決め手段による各切替位置でのブラシベースの保持力よりも小さい力で前記ブラシベースをニュートラル位置側へ回転付勢する付勢手段を設けた請求項1又は2に記載の電動工具の正逆切替装置。
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