JP2007176146A - 反射防止フィルム - Google Patents

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信行 小池
Koji Koide
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正 川畑
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Abstract

【課題】生産性、高温での寸法安定性の良い反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】ジオール単位中の1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位とジカルボン酸単位で構成されたポリエステル樹脂からなる光学フィルムの少なくとも一方の表面に反射防止層が形成されてなる反射防止フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定のポリエステル樹脂からなる光学フィルムに反射防止層を積層させた反射防止フィルムに関する発明である。
近年、パソコンやテレビ、携帯電話、携帯情報端末、カーナビゲーションシステム、液晶プロジェクター、時計などの画像表示装置として液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、プロジェクションディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの需要が急速に伸びている。これらのような画像表示装置においては、外光の映り込みによる視認性低下を抑えるため、画像表示装置の最外層などに反射防止フィルムを設置することが行われている。
反射防止フィルムは、光学フィルムにトリアセチルセルロース(TAC)やポリエテレンテレフタレート(PET)が主に用いられており、基材上にハードコート層・反射防止層を積層させ用いられている。
基材に用いられるTACは、結合酢酸量(酢化度)60〜62%のTACを可塑剤と共にメチレンクロライドとメタノールの混合溶剤に溶解した樹脂溶液を連続的に流延し、次いで溶剤を蒸発させることからなる溶液流延法により得られる。しかしながら、この溶液流延法では、溶解工程や乾燥工程に著しく時間やエネルギーを損失し、高コスト環境問題の原因となっている(特許文献1参照)。
また、TACフィルムに反射防止層をコーティングする際、TACフィルムが切れやすいため、連続式巻取りコーティングが困難で、枚葉式でのコーティングを行っており、生産性に劣る工程になっている(非特許文献1参照)。
一方、PETの場合、無延伸フィルムでは耐熱性が劣り、PETフィルムに蒸着などで反射防止層をコーティングするときの熱により収縮を起こす事がある。そのため、照射エネルギー量の低減で対応しており生産性が向上しない一因となっている。また、延伸し、熱固定して耐熱性を向上させたPETフィルムの製造には、溶融押出し、延伸、熱固定と工程が多く、煩雑である(特許文献2参照)。更に、車載するカーナビゲーションのモニターや携帯電話のモニター等、特に高温の環境にさらされるアプリケーションに使用する場合には寸法安定性の面から延伸PETを肉厚にせざるを得なくなり、これらのアプリケーションの肉薄化の妨げとなっている。
特開平7−11055号公報 株式会社矢野経済研究所発行、2005年度版高機能フィルム市場の展望と戦略、86−87ページ 特開2004−131728号公報
本発明の目的は、従来技術における上記したような課題を解決し、耐熱性の優れたポリエステル樹脂からなる光学フィルムを用いる事で、生産性、高温での寸法安定性の良い反射防止フィルムを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究した結果、前記光学フィルムがジオール単位中の1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位とジカルボン酸単位で構成されたポリエステル樹脂を溶融Tダイ押出法によってフィルム化したポリエステルフィルムである事により上記課題を解決できる事を見出した。
すなわち本発明は、ジオール単位中の1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位とジカルボン酸単位で構成されたポリエステル樹脂からなる光学フィルムの少なくとも一方の表面に反射防止層が形成されてなる反射防止フィルムに関するものである。
本発明の反射防止フィルムは、光学フィルムとしてガラス転移温度の高いポリエステル樹脂を使用する事で従来のTACやPETを基材とした反射防止フィルムに比べ、生産性、高温での寸法安定性が格段に向上する効果を奏する。
本発明は、ジオール単位中の1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位とジカルボン酸単位で構成されたポリエステル樹脂からなる光学フィルムに反射防止層を積層させたことを特徴とする反射防止フィルムに関するものである。
本発明に用いるポリエステル樹脂中の環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合は1〜80モル%である事が好ましい。環状アセタール骨格を有するジオール単位を1モル%以上含む事により、ポリエステル樹脂の結晶性の低下とガラス転移温度の上昇が同時に達成され、当該樹脂から得られる光学フィルムは透明性、耐熱性が向上する。加えて当該透明基材は切断や打ち抜きなどの加工時にヒゲの発生が抑制される等加工性が向上する。一方、ポリエステル樹脂中の環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合が80モル%を超えるとポリエステル樹脂の結晶性が増加し、得られる光学フィルムの透明性が低下する事がある。従って、環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合は、透明基材の耐熱性、透明性、加工性の面から1〜80モル%とするのが好ましく、更には1〜60モル%、より好ましくは5〜60モル%、特には15〜60モル%が好ましい。
本発明に使用するポリエステル樹脂のジオール構成単位中の環状アセタール骨格を有するジオール単位は一般式(1):
Figure 2007176146

または一般式(2):
Figure 2007176146

で表される化合物に由来する単位が好ましい。一般式(1)と(2)において、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。RおよびRは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又はこれらの構造異性体が好ましい。これらの構造異性体としては、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基が例示される。Rは炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの構造異性体が好ましい。これらの構造異性体としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基が例示される。一般式(1)及び(2)の化合物としては、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン等が特に好ましい。
また、環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール構成単位としては、特に制限はされないが、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環式ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル化合物類;4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等のビスフェノール類;前記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;及び前記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等のジオール単位が例示できる。ポリエステル樹脂の機械強度、耐熱性、及びジオールの入手の容易さを考慮するとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのジオール単位が好ましく、エチレングリコール単位が特に好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂のジカルボン酸構成単位としては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−カルボキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−カルボキシ−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−カルボキシエチル)−1,3−ジオキサン、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸単位;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸に由来する単位が例示できる。ポリエステル樹脂の機械強度、耐熱性を考慮すると芳香族ジカルボン酸に由来する単位が好ましく、ジカルボン酸の入手の容易さを考慮するとテレフタル酸、イソフタル酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する単位が特に好ましい。なお、ポリエステル樹脂のジカルボン酸構成単位は1種類から構成されても、2種類以上から構成されても良い。
ポリエステル樹脂には、溶融粘弾性や分子量などを調整するために、本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコールなどのモノアルコールに由来する単位やトリメチロールプロパン、グリセリン、1,3,5−ペンタントリオール、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールに由来する単位、安息香酸、プロピオン酸、酪酸などのモノカルボン酸に由来する単位、トリメリット酸、ピロメリット酸など多価カルボン酸に由来する単位、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸に由来する単位を含んでもよい。
本発明に用いるポリエステル樹脂で特に成形性、耐熱性、機械的性能などを考慮すると環状アセタール骨格を有するジオール単位が3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン単位であり、環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール構成単位がエチレングリコール単位であり、ジカルボン酸構成単位がテレフタル酸単位、イソフタル酸単位、および2,6−ナフタレンジカルボン酸単位から選ばれる1種類以上のジカルボン酸単位である事が好ましい。ジカルボン酸構成単位が2,6−ナフタレンジカルボン酸単位である場合、特に容易にポリエステル樹脂の耐熱性、機械的性能が向上する。
本発明に用いるポリエステル樹脂の極限粘度は成形方法や用途に応じて適宜選択する事ができる。本発明に用いるポリエステル樹脂ではフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値で0.5〜1.5dl/gの範囲である事が好ましく、より好ましくは0.5〜1.2dl/gであり、更に好ましくは0.6〜1.0dl/gである。極限粘度がこの範囲にある場合、本発明に用いるポリエステル樹脂は成形性及び機械的性能のバランスに優れる。
本発明に用いるポリエステル樹脂のガラス転移温度は用途に応じて適宜選択する事ができるが、85℃以上である事が好ましく、より好ましくは90℃以上、特に好ましくは94℃以上である。ガラス転移温度が上記範囲にある場合、本発明に用いる透明基材は耐熱性に優れる。
本発明に用いるポリエステル樹脂を製造する方法は特に制限はなく、従来公知のポリエステルの製造方法を適用する事ができる。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法、又は溶液重合法等を挙げる事ができる。直接エステル化法においては、ジカルボン酸を環状アセタール骨格を有しないジオールでエステル化した後、低酸価化してから環状アセタール骨格を有するジオールを反応させる事が必要な場合もある。製造時に用いるエステル交換触媒、エステル化触媒、重縮合触媒等の各種触媒、エーテル化防止剤、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等も従来既知のものを用いる事ができ、これらは反応速度やポリエステル樹脂の色調、安全性、熱安定性、耐候性、自身の溶出性などに応じて適宜選択される。
本発明に用いるポリエステル樹脂には、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、増量剤、艶消し剤、乾燥調節剤、帯電防止剤、沈降防止剤、界面活性剤、流れ改良剤、乾燥油、ワックス類、フィラー、着色剤、補強剤、表面平滑剤、レベリング剤、硬化反応促進剤、増粘剤などの各種添加剤、成形助剤を添加する事ができる。また、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリイミド樹脂、AS樹脂、環状アセタール骨格を有しないポリエステル樹脂等の樹脂、又はこれらのオリゴマーを添加する事もできる。これらの添加剤や樹脂、オリゴマーは、環状アセタール骨格を有するポリエステル樹脂、あるいはブレンドする環状アセタール骨格を有しないポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂の製造段階で添加しても良いし、製造後に添加しても良い。また、成形時に添加しても良い。
次いで、本発明に用いる光学フィルムについて述べる。透明基材を製造する方法は、上記ポリエステル樹脂を用いた溶融押出法、流延法などが挙げられるが、経済性と光学フィルムの性能とのバランスから溶融押出法が好ましい。なお、本発明に用いる光学フィルムは延伸、熱固定処理を行う必要はない。
溶融押出法について更に詳述する。本発明に用いる光学フィルムは従来公知の方法を用いて製膜する事ができる。溶融押出法としては、Tダイ押出法、インフレーション法など挙げられるが、Tダイ押出法が望ましい。上記ポリエステル樹脂を溶融させる装置としては一般的に用いられる押出機を使用すればよく、単軸押出機でも多軸押出機でもよい。押出機は一つ以上のベント有していても良く、ベントを減圧にして溶融している樹脂から水分や低分子物質などを除去してもよい。また、押出機の先端あるいは下流側には必要に応じて金網フィルターや焼結フィルター、ギヤポンプを設けても良い。ダイは、Tダイ、事ハンガーダイ、フィッシュテールダイ、スタックプレートダイなどを用いる事ができる。
押出温度は200〜300℃である事が好ましく、より好ましくは210〜280℃、特に好ましくは220〜270℃である。押出温度が上記範囲にある場合、得られる透明基材の平滑性や透明性、色調、機械物性等のバランスに優れる。
ダイから押出された溶融樹脂の冷却方法は従来公知の方法を用いる事ができる。一般的には冷却ドラムにて冷却する事ができる。本発明に使用するポリエステル樹脂は実質的に非晶性の樹脂であるため、冷却ドラムの温度は幅広く設定する事が可能である。冷却ドラムの温度はポリエステル樹脂のガラス転移温度の上下30℃とするのが好ましく、さらに好ましくはポリエステル樹脂のガラス転移温度の上下20℃、特に好ましくはポリエステル樹脂のガラス転移温度の上下10℃である。成形時に延伸されると高温での寸法安定性が悪くなる事があるので実質的に延伸される事が無いよう、装置に応じて吐出速度と引き取り速度をコントロールする事が好ましい。なお、光学フィルムをアニール処理する事で高温での寸法安定性が向上する事があり好ましい。アニール温度はポリエステル樹脂のガラス転移温度の上下30℃、好ましくはポリエステル樹脂のガラス転移温度の上下20℃、特に好ましくはポリエステル樹脂のガラス転移温度の上下10℃である。
本発明に用いる光学フィルムの波長550nmにおけるレターデーションは20nm以下であることが好ましく、より好ましくは15nm以下、更に好ましくは10nm以下、特に好ましくは5nm以下である。上記範囲にある場合、該光学フィルムを反射防止フィルムの基材に用いることで、さらに画像認視性に優れる反射防止フィルムを作製することができる。
本発明に用いる光学フィルムの厚みは要求仕様により任意に設定が可能である。要求仕様は一般に50〜400μmであり、取り扱い性の面から80μm以上のものが好ましく、バックライトの肉薄化の面から300μm以下のものが好ましい。
本発明に用いる光学フィルムの全光線透過率は85%以上である事が好ましく、より好ましくは90%以上である。また、ヘイズは3%以下である事が好ましく、より好ましくは2%以下である。これらの値が上記範囲にある場合、反射防止フィルムの透明基材として使用するのに十分な性能となる。
反射防止層については、公知の材料や製法を用いることができ特に限定されるものではない。反射防止層は、光学フィルム上にあるいは光学フィルムに積層したハードコート上に製膜する。反射防止層は単層でも良いし、多層でも良い。多層の反射防止層を有する反射防止フィルムは反射率が極めて低く、バックライトの無い携帯端末などでは必要とされている。
反射防止層に用いられる材料としてフッ化マグネシウムなどのフッ化金属系、フッ素含有有機化合物系、シリカや酸化インジウム−酸化スズ(ITO)などが良く用いられているが、これらに限定されるものではない。
反射防止層を積層する方法としては、以下に限定されるものではないが、ドライコート法として、真空蒸着法、スパッタリング法などの物理的蒸着方法、CVD法などの化学的蒸着方法などが挙げられ、それ以外にも溶液を塗布し乾燥させるウェットコート法が用いられる。
真空蒸着法やスパッタリング法は、反射率の低い反射防止フィルムを得るためには特に良く用いられている。真空蒸着法では、反射防止層材料を蒸発させる方法として抵抗加熱方式、電子ビーム加熱方式、高周波誘導加熱方式、レーザービーム加熱方式があり、一般的には電子ビーム加熱が利用されている。
反射防止層の厚みは、単層で50nm〜150nm、多層で100nm〜500nmが好ましい。この範囲にあると反射率は1%以下であり好ましい。
光学フィルムと反射防止層の間には、1〜15μmのハードコート層を積層してもよい。ハードコートとしては特に限定されるものではないが、シリカ、アルミナ、ポリオルガノシロキサンなどの無機酸化物系、有機多官能アクリル系樹脂など、透明で硬度がある樹脂などが有効に用いることができる。
ハードコート層の製膜方法としては、真空蒸着などのいわゆるドライコーティング、溶液の塗布などのいわゆるウェットコーティングのいずれの方法も用いることができる。十分な硬度(鉛筆硬度2H以上)を発現させるためには1μm以上の厚みが必要となる場合が多く、ウェットコーティングがよく用いられる。その場合は、メタクリル酸に代表されるアクリル化合物と多官能アルコールとのエステル化合物のような活性線硬化型樹脂に活性線を照射し、架橋させてハードコートを形成させる方法が好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
本実施例で使用したポリエステル樹脂および透明基材、反射防止フィルムの評価方法は以下の通りである。
<ポリエステル樹脂の評価方法>
(1)環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合
ポリエステル樹脂中の環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合はH−NMR測定にて算出した。測定装置は日本電子(株)製JNM−AL400を用い、400MHzで測定した。溶媒には重クロロホルムを用いた。
(2)ガラス転移温度
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は島津製作所製DSC/TA−50WSを使用し、ポリエステル約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中、昇温速度20℃/minで280℃まで加熱、溶融したものを急冷して測定用試料とした。該試料を同条件で測定し、DSC曲線の転移前後における基線の差の1/2だけ変化した温度をガラス転移温度とした。
(3)極限粘度
極限粘度測定の試料はポリエステル樹脂0.5gをフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの混合溶媒(質量比=6:4)120gに加熱溶解し、濾過後、25℃まで冷却して調製した。装置は(株)柴山科学機械製作所製、毛細管粘度計自動測定装置SS−300−L1を用い、温度25℃で測定を行った。
<光学フィルムの評価方法>
(4)全光線透過率、ヘイズ
JIS−K−7105、ASTM D1003に準じて測定した。光学フィルムを48時間調湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定した。使用した測定装置は、日本電色工業社製の曇価測定装置(型式:COH−300A)である。
<反射防止フィルムの評価方法>
(5)寸法変化率
JIS−K7133に準じて測定した。約120×120mmに切り出した3枚の反射防止フィルムに、それぞれ100×100mmの正方形を書き、所定温度の熱風乾燥機内に30分間入れ、押し出し方向、および押し出し方向と直角の方向の寸法変化率を次式により算出し、3つの試験片の平均値をそれぞれの方向の寸法変化率とした。なお、表中押し出し方向をMD方向、押し出し方向と直角の方向をTD方向と記載する。
寸法変化率(%)={(La−Lb)/La}×100
La:熱風乾燥機に入れる前の線の間隔(100mm)
Lb:熱風乾燥機に入れた後の線の間隔
〔実施例1〜8〕
〔ポリエステル樹脂の製造、評価〕
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置、窒素導入管を備えた0.15立方メートルのポリエステル製造装置に表1、2に記載の原料モノマーを仕込み、ジカルボン酸成分に対し酢酸マンガン四水和物0.03モル%の存在下、窒素雰囲気下で215℃迄昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を90%以上とした後、ジカルボン酸成分に対して、酸化アンチモン(III)0.02モル%とリン酸トリメチル0.06モル%を加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に270℃、0.1kPa以下で重縮合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂を製造した。評価結果を表1、2に示す。
尚、表中の略記の意味は下記の通りである。
DMT:ジメチルテレフタレート
NDCM:2,6−ジメチルナフタレート
DMI:ジメチルイソフタレート
EG:エチレングリコール
SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
〔光学フィルムの製造、評価〕
ポリエステル樹脂を真空ベントと幅550mmコートハンガーダイの付いたスクリュー径50mmφの単軸押出機を用い、シリンダー温度を220〜240℃、ダイ温度240℃、吐出速度30kg/hで溶融押出を行った。押出した溶融樹脂はTg−10℃に設定した1本目と60℃に設定した2本目のロールで冷却し、12m/分で引き取り、厚み100μm、幅長さ480mmの透明基材を製造した。評価結果を表1、2に示す。
〔反射防止フィルムの製造、評価〕
(光学フィルムへのハードコート層コーティング)
上記で得たポリエステル透明基材上にデソライトZ7501(JSR株式会社製)を乾燥後の厚みが5μmになるように塗布し、紫外線硬化を行った。
(反射防止層コーティング)
次いでハードコート層上にフッ化マグネシウムを電子ビーム加熱式蒸着法にて厚みが100nmになるようにコーティングを行い、反射防止フィルムを得た。評価結果を表1、2に示す。層構成を図2に示す。
Figure 2007176146
Figure 2007176146
実施例の反射防止フィルムの層構成

Claims (6)

  1. ジオール単位中の1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位とジカルボン酸単位で構成されたポリエステル樹脂からなる光学フィルムに反射防止層を積層させたことを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 環状アセタール骨格を有するジオール単位が一般式(1):
    Figure 2007176146

    (式中、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。)
    または一般式(2):
    Figure 2007176146

    (式中、Rは前記と同様であり、Rは炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。)
    で表されるジオールに由来するジオール単位である請求項1記載の反射防止フィルム。
  3. 環状アセタール骨格を有するジオール単位が3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、または5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンに由来するジオール単位である請求項2記載の反射防止フィルム。
  4. 環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール単位が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールから選ばれる1種以上のジオールに由来する請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  5. ジカルボン酸単位が、テレフタル酸、イソフタル酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれる1種以上のジカルボン酸に由来する請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  6. 上記反射防止層と上記光学フィルムの間にハードコート層を積層させたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
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