JP2007192128A - 可変容量ターボチャージャ - Google Patents

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Abstract

【課題】調整弁が中間開度となったときの排気の圧力低下による排気エネルギの損失を低減することができる可変容量ターボチャージャを提供する。
【解決手段】スクロール通路27のセカンダリ通路35は、互いに対向する第1内壁面45及び第2内壁面46を有する。調整弁41の弁体42は、その下流端に設けられて第1内壁面45に常に接触する支持部47と、支持部47よりも排気上流側に設けられ、支持部47を支点とした弁体42の回動に伴い、第2内壁面46に接触又は離間してセカンダリ通路35を閉鎖又は開放する作用部49と、弁体42が中間開度にて開弁するときに上流からの排気を第2内壁面46及び作用部49間に導くガイド部51とを有する。弁体42において作用部49及び支持部47間のセカンダリ通路35に面する箇所は、弁体42が中間開度にて開弁するとき、排気下流側ほど第1内壁面45に徐々に近づくように形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、タービンホイール室への排気の流入量を調整可能とした可変容量ターボチャージャに関するものである。
ターボチャージャの一形式として、エンジン回転速度等のエンジンの運転状況に応じてタービンホイール室への排気の流入量を調整可能とした可変容量ターボチャージャが知られている。例えば、特許文献1にて提案されている可変容量ターボチャージャでは、図14に示すように、タービンホイール室81の周りに渦巻き状に形成されたスクロール通路82が、隔壁83により内周スクロール部84及び外周スクロール部85に仕切られている。隔壁83には、両スクロール部84,85を連通させる複数の連通孔86が設けられている。さらに、外周スクロール部85の排気導入口87には、その排気導入口87の開度を調整する調整弁88が設けられている。調整弁88は、外周スクロール部85の上流側において軸89により回動可能に支持されている。調整弁88は、その下流端において隔壁83に接触することにより排気導入口87を閉鎖し、同隔壁83から離間することにより排気導入口87を開放する。
上記の構成を有する可変容量ターボチャージャ91では、エンジンが排気流量の少ない低回転速度域で運転されているときには、調整弁88の下流端が隔壁83に接触させられて排気導入口87を閉鎖する。そのため、外周スクロール部85への排気の流入が遮断され、容積の小さな内周スクロール部84にのみ排気が導かれる。そのため、少ない量の排気でもタービンホイール92を効率よく回転させることが可能となる。
エンジンが排気流量の多い中・高回転速度域で運転されているときには、調整弁88の下流端が隔壁83から離間させられ、排気導入口87をエンジン回転速度に応じた開度にて開放する。排気は、内周スクロール部84及び外周スクロール部85の両者に流入する。外周スクロール部85に流入した排気は、隔壁83の連通孔86を通じて内周スクロール部84に流入する。その結果、タービンホイール92の回転が抑制されて、コンプレッサホイールの必要以上の回転が防止される。
このように、エンジン回転速度に応じて内周スクロール部84及び外周スクロール部85への排気の流入量が調整されることにより、エンジン回転速度に応じた量の排気がタービンホイール室81に供給される。その結果、コンプレッサホイールにおいてエンジン回転速度に応じて設定された適正な過給圧が得られる。
特開2003−83076号公報(図2)
ところが、上述した可変容量ターボチャージャ91では、調整弁88が中間開度となったとき、特に全閉状態から若干開弁した状態となったときに、次のような問題が生ずるおそれがある。それは、こうした中間開度では、調整弁88に対応する箇所での通路面積が、同調整弁88の上流端から下流端にかけては徐々に変化(増大)するものの、その下流端の直下流で急激に拡大することによる。このように通路面積が急激に拡大すると、排気の流れに剥離が生ずる。これに伴い排気の圧力が低下して排気エネルギの損失が発生し、タービン効率が低下する。
こうした問題は上記特許文献1に記載された可変容量ターボチャージャ91に限らず、スクロール通路に、排気の通路面積を可変とする調整弁を備える可変容量ターボチャージャであれば同様にして起こり得る。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、調整弁が中間開度となったときの排気の圧力低下による排気エネルギの損失を低減することができる可変容量ターボチャージャを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、タービンホイール室の周りに設けられたスクロール通路に、同スクロール通路の通路面積を可変とする調整弁を備える可変容量ターボチャージャにおいて、前記スクロール通路は互いに対向する第1内壁面及び第2内壁面を有し、前記調整弁の弁体は、その下流端に設けられて前記第1内壁面に常に接触する支持部と、同支持部よりも排気上流側に設けられ、同支持部を支点とした前記弁体の作動に伴い、前記第2内壁面に接触して前記スクロール通路を閉鎖し、かつ同第2内壁面から離間して前記スクロール通路を開放する作用部と、前記弁体が中間開度にて開弁するときに上流からの排気を前記第2内壁面及び前記作用部間に導くガイド部とを有し、さらに、前記作用部及び前記支持部間の前記スクロール通路に面する箇所は、前記弁体が中間開度にて開弁するとき、排気下流側ほど前記第1内壁面に徐々に近づくように形成されているとする。
上記の構成によれば、スクロール通路の通路面積は調整弁の作動により調整される。これに伴い、スクロール通路を流れてタービンホイール室に導かれる排気の量が調整される。
上記調整弁では上記通路面積の調整に際し、支持部を支点として弁体が作動し、支持部がスクロール通路の第1内壁面に接触した状態で、作用部が第2内壁面に接触又は離間する。作用部が第2内壁面に接触すると、それらの間の通路面積が零となり、排気の流通が遮断される。
これに対し、作用部が第2内壁面から離間することで、それらの間の通路面積が拡大し、排気の流通が可能となる。この作用部及び第2内壁面間の通路面積は、作用部が第2内壁面から第1内壁面側へ遠ざかるに従い、すなわち弁体の開度が増大するに従い大きくなる。
そのため、弁体が全閉及び全開の中間の開度(中間開度)で開弁したときには、排気はスクロール通路を流れる過程で、ガイド部により第2内壁面及び作用部間に導かれる。さらに排気は、弁体及び第2内壁面間を通って下流側へ流れる。
ここで、弁体にあっては、作用部よりも下流側の支持部が第1内壁面に常に接触している。作用部が、弁体の作動に伴い第2内壁面に接触又は離間する。さらに、作用部及び支持部間のスクロール通路に面する箇所が、排気下流側ほど第1内壁面に徐々に近づくように形成されている。これらのことから、弁体が中間開度で開弁するとき、弁体及び第2内壁面間の間隔、ひいては通路面積は、作用部において最も小さく、支持部に近づくに従い徐々に大きくなり、支持部ではその直下流での通路面積と略同じになる。
従って、排気が弁体及び第2内壁面間を通過する過程で、通路面積が急激に拡大することがなくなる。通路面積が急激に拡大することによる不具合、すなわち、排気が弁体を通過する際に、その排気の圧力が低下して排気エネルギの損失が発生し、タービン効率が低下する現象が抑制される。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記作用部及び前記支持部間の前記スクロール通路に面する箇所は、平面により構成されているとする。
上記の構成によれば、弁体が中間開度で開弁したときの通路面積は、作用部及び第2内壁面間で最小となり、排気下流側ほど大きくなる。そして、支持部及び第2内壁面間では、通路面積は弁体の直下流での通路面積を略同じになる。さらに、作用部及び支持部間のスクロール通路に面する箇所が平面により構成されていることから、通路面積は作用部から支持部に近づくに従い一定の度合いで漸増する。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記ガイド部は、排気上流側へ円弧状に膨らむ曲面を有するとする。
上記の構成によれば、ガイド部の曲面がスクロール通路の上流側へ円弧状に膨らんでいることから、弁体が中間開度で開弁したとき、排気はガイド部の曲面に沿ってスムーズに流れて作用部及び第2内壁面間に集められる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記支持部は軸により前記第1内壁面に回動可能に支持されており、前記作用部は前記支持部を支点とした前記弁体の回動に伴い前記第2内壁面に接触又は離間するものであるとする。
上記の構成によれば、支持部に設けられた軸を支点として弁体が回動させられると、その弁体の傾きが変化し、支持部よりも上流側の作用部がスクロール通路の第2内壁面に接触又は離間する。このように、支持部を支点として弁体を回動させるという簡単な構成でありながら、弁体及び第2内壁面間の通路面積が調整される。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記弁体は、前記支持部から排気上流側へ離れるほど幅の広くなる略扇形の断面形状を有しているとする。
上記の構成を有する弁体では、その下流端が、請求項4に記載の発明における支持部として機能し、上流端における第2内壁面側の角部が作用部として機能する。さらに、弁体の上流側の円弧状の端面がガイド部として機能する。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、前記調整弁は、前記弁体の全開時に、同弁体を前記スクロール通路の外部に位置させた状態で収容する弁収容部をさらに備えるとする。
上記の構成によれば、作用部が可動範囲において第2内壁面から最も遠ざかって弁体が全開状態となったとき、その弁体が弁収容部内に収容される。この状態では、弁体がスクロール通路の外部に位置する。そのため、弁体が排気の流通の妨げ(抵抗)となりにくく、排気が弁体及び第2内壁面間を通過する際の抵抗を小さくすることができる。
請求項7に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記弁体は、下流端に前記支持部を有する下流側レバー部材と、下流端において前記下流側レバー部材の上流端に連結されて前記ガイド部として機能する上流側レバー部材とを備え、前記支持部は軸により前記第1内壁面に回動可能に支持され、前記作用部は、前記上流側レバー部材及び前記下流側レバー部材の連結部分により構成され、前記上流側レバー部材の上流端が排気上流側又は排気下流側へ移動させられることにより、前記第2内壁面に接触又は離間するものであるとする。
上記の構成によれば、上流側レバー部材の上流端が排気上流側又は排気下流側へ移動させられると、その動きが下流側レバー部材に伝達される。ここで、下流側レバー部材が、その下流端の支持部において軸により第1内壁面に回動可能に支持されている。また、下流側レバー部材の上流端が上流側レバー部材の下流端に連結されている。そのため、上記のように上流側レバー部材の動きが下流側レバー部材に伝達されると、その下流側レバー部材は軸を支点として回動する。これに伴い、下流側レバー部材の傾きが変化し、上流側レバー部材との連結部分により構成される作用部が第2内壁面に接触又は離間する。このように、上流側レバー部材及び下流側レバー部材の協働により、同下流側レバー部材及び第2内壁面間の通路面積が調整される。
なお、弁体が中間開度で開弁したときには、上流側レバー部材はガイド部として機能し、排気を第2内壁面及び作用部間に導く。また下流側レバー部材は、作用部及び支持部間のスクロール通路に面する箇所として機能する。
請求項8に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記弁体では、その上流端が軸により前記第1内壁面に回動可能に支持され、かつ下流端が前記支持部として同第1内壁面に摺動可能に接触させられるとともに、中間部分が同第1内壁面から離間するように山形状に屈曲形成されており、前記軸を支点とする回動に伴い前記弁体が弾性変形することにより、屈曲端が前記作用部として機能して前記第2内壁面に接触又は離間するものであるとする。
上記の構成によれば、弁体の閉弁時には、弁体がその上流端及び下流端において第1内壁面に接触する。また、弁体の中間部分は第1内壁面から離間するように山形状に屈曲する。弁体の屈曲端が第2内壁面に接触して作用部として機能する。
上記の状態から弁体が、その上流端の軸を支点として回動させられると、その回動が弁体の全体に伝わる。ここで、弁体の下流端は第1内壁面に摺動可能に接触させられている。そのため、上記のように弁体が回動させられると、弁体の下流端の支持部が第1内壁面に沿って摺動することで、同弁体が弾性変形させられる。これに伴い弁体の屈曲端により構成される作用部が第2内壁面から離間する。このように、上流端の軸を支点とした弁体の回動により、同弁体及び第2内壁面間の通路面積が調整される。
なお、弁体が中間開度で開弁したときには、同弁体の屈曲端(作用部)よりも上流側の部分がガイド部として機能し、排気を第2内壁面及び作用部間に導く。また、弁体の屈曲端(作用部)よりも下流側の部分は、作用部及び支持部間のスクロール通路に面する箇所として機能する。
請求項9に記載の発明では、請求項1〜8のいずれか1つに記載の発明において、前記スクロール通路の前記タービンホイール室との境界部分は、同タービンホイール室へ排気を導くノズルを構成しており、前記スクロール通路内の少なくとも前記ノズルを含む箇所は隔壁により2つの通路に仕切られており、前記弁体は一方の通路にのみ設けられているとする。
上記の構成によれば、スクロール通路において、隔壁により仕切られた2つの通路のうち調整弁の弁体が設けられていない側では、その弁体の開度に拘わらず排気が流通可能である。これに対し、弁体が設けられている側の通路では、その弁体の開度に応じた量の排気が流通可能である。従って、弁体の開度を変化させることにより、ノズルからタービンホイール室に導かれる排気の流量を調整することができる。こうした可変容量ターボチャージャにおいて、上記請求項1〜8のいずれか1つに記載の発明の構成を採用することにより、排気が弁体及び第2内壁面間を通過する際に通路面積が急激に拡大する現象を抑制することができる。
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の発明において、前記隔壁により仕切られた一方のノズルは、タービンホイールの動翼のリーディングエッジ部に対向するプライマリノズルを構成し、他方のノズルは、前記動翼のシュラウド部に対向するセカンダリノズルを構成し、前記弁体は、前記セカンダリノズルを有する通路側に設けられ、エンジンの運転状態に応じて開度調整されるものであるとする。
上記の構成によれば、弁体が閉弁されると、セカンダリノズルを有する通路が閉鎖された状態となり、同セカンダリノズルから動翼のシュラウド部への排気の流入が遮断される。プライマリノズルを有する通路は、調整弁の開度に拘わらず開放されている。そのため、スクロール通路を流れる排気は、プライマリノズルのみからリーディングエッジ部に導かれる。
これに対し、弁体が開弁されると、セカンダリノズルを有する通路が開放された状態となる。スクロール通路を流れる排気の一部はプライマリノズルから動翼のリーディングエッジ部に導かれ、残りはセカンダリノズルから動翼のシュラウド部へ導かれる。セカンダリノズルが加わる分、スクロール通路のノズルが大きくなり、より多くの排気がタービンホイールの動翼に導かれることとなる。
従って、例えばエンジンからの排気の量が少ないときには弁体を閉弁させ、多いときには弁体を開弁させる等、エンジンの運転状態に応じて調整弁を開閉作動させることにより、タービンホイール室への排気の流量を同運転状態に適した量に調整することができる。
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の発明において、前記プライマリノズル及び前記セカンダリノズルの少なくとも一方には、複数のノズルベーンが周方向に並べられた状態で配置されているとする。
上記の構成によれば、スクロール通路のノズルからタービンホイール室へ向けて排気が、上記ノズルベーンにより勢いよく(より大きな流速で)、かつ方向付けられて導かれる。そのため、より多くの排気エネルギをタービンホイールを介して取り出して、タービン効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の可変容量ターボチャージャ(以下、単に「ターボチャージャ」という)11は、エンジン12の排気通路13及び吸気通路14に跨って配置されたハウジング15を備えている。ハウジング15にはシャフト16が回転自在に支持されている。シャフト16の両端部には、タービンホイール17及びコンプレッサホイール18が一体回転可能に設けられている。そして、排気通路13を流れる排気がタービンホイール17に吹き付けられて同ホイール17が回転させられると、その回転はシャフト16を介してコンプレッサホイール18に伝達される。こうしてコンプレッサホイール18が回転することにより、吸気通路14内の空気の圧力(過給圧)が高められ、その結果、空気が強制的にエンジン12の気筒19に送り込まれる。
ターボチャージャ11は、機能の点では、上記のように排気により回転駆動されるタービンホイール17側(タービン側)と、回転して吸気の圧力を高めるコンプレッサホイール18側(コンプレッサ側)とに分けられる。本実施形態のターボチャージャ11は、このタービン側に特徴を有している。そのため、主としてタービン側の各部について説明して、他の箇所については説明を割愛する。
上記タービンホイール17は、図2に示すように、シャフト16と同軸上に設けられたハブ21と、ハブ21の周りに配置された複数の動翼(ブレード)22とを備えている。各動翼22は、シャフト16の軸線Lに沿う方(以下、「軸線方向」という)についての中間部分が、同シャフト16の回転方向Rの前方へ膨らむように湾曲形成されている。こうした曲面形状を有する動翼22は、一般に反動型と呼ばれており、排気エネルギを受けることにより、その反動で回転する。
各動翼22の外端縁のうち、上記軸線方向についてのコンプレッサホイール側(図2の左側)の部分はリーディングエッジ部23を構成している。また、各動翼22の外端縁のうちコンプレッサホイール18とは反対側(図2の右側)の部分はシュラウド部24を構成している。各動翼22においては、軸線Lからリーディングエッジ部23までの距離が、同軸線Lから大部分のシュラウド部24までの距離よりも大きく設定されている。
図3は、ターボチャージャ11のタービン側の断面図である。また、図4は、タービンホイール17の回転方向Rについて、上記図3と略90°異なる切断面におけるターボチャージャ11のタービン側の断面図である。
上記ハウジング15のタービン側の箇所はタービンハウジング25によって構成されている。タービンハウジング25は、タービンホイール室26、スクロール通路27及び出口部32を備えている。タービンホイール室26は上述したタービンホイール17を収容するための円筒状の空間からなり、タービンハウジング25の略中心部分に設けられている。
スクロール通路27は、タービンホイール室26の周りに渦巻き状に形成されている。スクロール通路27の上流端はエンジン12からの排気の排気導入部29を構成している(図3参照)。タービンハウジング25はこの排気導入部29において、上記エンジン12の排気通路13を構成する排気管31に接続されている。スクロール通路27の下流端、すなわちタービンホイール室26との境界部分はノズル28を構成しており、スクロール通路27を流れた排気は、このノズル28からタービンホイール室26へ導かれ、タービンホイール17の隣り合う動翼22間に吹き付けられる。
出口部32はタービンハウジング25においてタービンホイール室26よりも排気下流側に設けられており、タービンホイール17に吹き付けられた後の排気を排気通路13の下流側へ導く。
スクロール通路27内の排気導入部29よりも下流の空間には、同空間をシャフト16の軸線方向に沿って2つの通路に仕切る隔壁33が設けられている。この隔壁33の上流端は排気導入部29の近傍に位置し、下流端はタービンホイール室26の近傍に位置している。上記2つの通路を区別するために、ここではコンプレッサホイール18側の通路をプライマリ通路34といい、コンプレッサホイール18とは反対側の通路をセカンダリ通路35という。プライマリ通路34は、その下流端に、すなわちタービンホイール室26との境界部分に円環状のプライマリノズル36を有する。このプライマリノズル36は、上記動翼22のリーディングエッジ部23に対向する箇所で開口している。従って、プライマリ通路34を流れる排気はプライマリノズル36から隣り合う動翼22のリーディングエッジ部23間に吹き付けられる。また、セカンダリ通路35は、その下流端に円環状のセカンダリノズル37を有する。セカンダリノズル37は、動翼22のシュラウド部24に対向する箇所で開口している。従って、セカンダリ通路35を流れる排気はセカンダリノズル37から隣り合う動翼22のシュラウド部24間に吹き付けられる。
このように、本実施形態では、ノズル28は、隔壁33によってプライマリノズル36及びセカンダリノズル37の2つに仕切られている。表現を変えると、プライマリノズル36のコンプレッサホイール18とは反対側に隔壁33を挟んでセカンダリノズル37が並んで配置されている。
プライマリノズル36及びセカンダリノズル37の各々には、その全周にわたって複数のノズルベーン38,39が等角度毎に配列された状態で設けられている。各ノズルベーン38,39は薄板状をなし、軸線Lを中心とする円の略接線方向に延びるように配置されている(図5参照)。これらのノズルベーン38,39は、排気を方向付けてタービンホイール室26に導くとともに、タービンホイール17の動翼22に吹き付けられる排気の流速を高めることを目的として設けられている。排気の流速は、隣り合うノズルベーン38(又は39)の間隙に応じて異なる。間隙が小さいと排気の流速が大となり、同間隙が大きいと排気の流速が小となる。そして、タービンホイール17に吹き付けられる排気の流速の調整により、同タービンホイール17、シャフト16及びコンプレッサホイール18の回転速度、ひいては過給圧が調整される。
ターボチャージャ11には、ノズル28からタービンホイール室26に導かれる排気の流量を調整すべくセカンダリ通路35の通路面積を可変とする調整弁41が設けられている。調整弁41は、セカンダリ通路35の開閉に直接関わる弁体42と、通電により作動する電動モータ等のアクチュエータ43と、アクチュエータ43の動力を弁体42に伝達して、この弁体42を作動させる、リンク機構等からなる伝達機構44とを備えている。
上記調整弁41について、弁体42を中心により詳細に説明すると、セカンダリ通路35は、少なくとも排気導入部29の近傍において、互いに対向する第1内壁面45及び第2内壁面46を有している。ここでは、第2内壁面46は隔壁33の壁面により構成されている。
図6〜図8に示すように、上記弁体42は、略扇形の断面形状を有しており、幅の広い側が排気上流側に位置し、幅の狭い側が排気下流側に位置するように配置されている。弁体42の下流端は、第1内壁面45に常に接触する支持部47を構成している。弁体42は、上記支持部47において軸48により第1内壁面45に回動可能に支持されている。上記伝達機構44はこの軸48に連結されており、上記アクチュエータ43の動力を軸48を通じて弁体42に伝達し、軸48を支点として弁体42を回動させる。
弁体42の上流端であって第2内壁面46側の角部は作用部49を構成しており、前記支持部47を支点とした弁体42の回動に伴い第2内壁面46に接触してセカンダリ通路35を閉鎖し(図6参照)、同第2内壁面46から離間してセカンダリ通路35を開放する(図7及び図8参照)。この開放度合い、すなわち作用部49及び第2内壁面46間の通路面積は、作用部49が第2内壁面46から第1内壁面45側へ遠ざかるに従い大きくなる。
弁体42の上流側の端部は、その弁体42が図8に示すように中間開度で開弁するときに上流からの排気を作用部49及び第2内壁面46間に導くガイド部51を構成している。ガイド部51は、排気上流側へ円弧状に膨らむ曲面52を有している。略扇形の断面形状を有する本実施形態の弁体42では、その弁体42の上流側の端面が上記曲面52に該当する。
また、作用部49及び支持部47間のセカンダリ通路35に面する箇所は、平面53により構成されている。略扇形の断面形状を有する本実施形態の弁体42では、その弁体42の側面が上記平面53に該当する。従って、上記箇所は、弁体42が中間開度にて開弁するとき(図8参照)、排気下流側ほど第1内壁面45に徐々に近づくように形成されていることとなる。
さらに、タービンハウジング25には、セカンダリ通路35から外方へ突出した状態で弁収容部54が設けられている。弁収容部54は、図7にて示す弁体42の全開時に、その弁体42をセカンダリ通路35の外部に位置させた状態で収容するためのものである。そのために、弁収容部54には、弁体42と略相似形の形状、すなわち略扇形の断面形状を有する収容空間55が形成されている。
ところで、図3に示すように、エンジン12の運転状態を検出するために各種センサが設けられている。各種センサとしては、例えばクランク角センサ61、エアフロメータ62、スロットルセンサ63、アクセルセンサ64等が用いられている。クランク角センサ61は、エンジン12の出力軸であるクランクシャフトが一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生する。この信号は、クランクシャフトの回転角度であるクランク角や、単位時間当たりのクランクシャフトの回転数であるエンジン回転速度の算出等に用いられる。エアフロメータ62は、吸気通路14を流れる空気の量(吸入空気量)を検出し、スロットルセンサ63は、吸気通路14に設けられた吸入空気量調整用のスロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出し、アクセルセンサ64は運転者によるアクセルペダルの踏込み量を検出する。上記吸入空気量、又はそれに関係するパラメータ(例えば、スロットル開度、アクセル踏み込み量等)はエンジン負荷の算出に用いられる。
上記各種センサ61〜64の検出信号等に基づいてアクチュエータ43の作動等を制御するために電子制御装置65が設けられている。電子制御装置65はマイクロコンピュータを中心として構成されており、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラム、初期データ、制御マップ等に従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
電子制御装置65は、アクチュエータ43の制御に際し、上記各種センサ61〜64の検出信号等に基づきエンジン12の運転状態を判断し、その判断結果に基づきアクチュエータ43に対する通電を制御し、弁体42を作動させる。
電子制御装置65は、例えば、エンジン12が排気流量の少ない低負荷域で運転されていると判断したときには、図6に示すように、アクチュエータ43の通電制御を通じて弁体42の作用部49を第2内壁面46に接触させる。この接触により、第1内壁面45及び第2内壁面46間に弁体42が位置して、弁体42が閉弁状態となる。作用部49及び第2内壁面46間の通路面積が零となり、排気の流通が遮断される。
そのため、排気はセカンダリ通路35を流れない。同排気は、セカンダリノズル37からタービンホイール室26へ導かれず、隣り合う動翼22のシュラウド部24間に吹き付けられない。排気は、プライマリ通路34を通り、プライマリノズル36のみからタービンホイール室26に導かれる。排気は、リーディングエッジ部23から隣り合う動翼22間を通りタービンハウジング25の出口部32へ流れる。その結果、少ない排気流量でも十分に流通させ、過給圧を高めることが可能となる。
なお、上記閉弁時には、弁体42の一部が弁収容部54内に残って、弁収容部54の開口部分を閉鎖する。そのため、排気が弁収容部54内に入り込む現象が抑制される。
一方、電子制御装置65は、エンジン12が、上記低負荷域よりも排気流量の多い中負荷域及び高負荷域で運転されていると判断したときには、図7及び図8に示すように弁体42を、その下流端の支持部47において、軸48を支点として弁収容部54側へ回動させる。この回動に伴い弁体42の傾きが変化し、弁体42の上流端角部により構成された作用部49が第2内壁面46から離間すると、弁体42が中間開度を含む開弁状態となる。作用部49及び第2内壁面46間の通路面積が拡大し、排気の流通が可能となる。このとき、弁体42は、エンジン負荷が大きいほど大きく回動させられる。これに伴い、作用部49及び第2内壁面46間の通路面積が、エンジン負荷の増大に応じて拡大される。そして、上記のように調整された排気通路13の通路面積に応じた量の排気が、弁体42及び第2内壁面46間を流通する。
上記の回動により、図7に示すように弁体42の全体が弁収容部54の収容空間55に入り込むと、作用部49が可動範囲において第2内壁面46から最も遠ざかった状態となり、調整弁41が全開状態となる。このとき、弁体42の平面53は、第1内壁面45と略同一面上に位置する。弁体42はセカンダリ通路35内に入り込んでいない。そのため、弁体42が排気の流通の妨げ(抵抗)となりにくく、排気が調整弁41を通過する際の抵抗は小さい。弁体42及び第2内壁面46間の排気通路13の通路面積は、弁体42のどの箇所でも略同じである。
図8に示すように、弁体42が中間開度で開弁したときには、上述したように、作用部49が第2内壁面46から若干離間し、排気の流通が可能となる。これに加え、弁体42が略扇形の断面形状を有していて、同弁体42の上流側の端面が上流側へ円弧状に膨らむ曲面52となっている。そのため、弁体42の上記曲面52を含む上端部がガイド部として機能する。上流からの排気は、この曲面52に沿って下流側へスムーズに導かれ、作用部49及び第2内壁面46間に集められる。
ここで、弁体42では、下流端の支持部47が弁体42の開度に拘わらず常に第1内壁面45に接触している。また、支持部47よりも上流側に位置する作用部49が、弁体42の回動に伴い第2内壁面46から離間する。さらに、作用部49及び支持部47間のセカンダリ通路35に面する箇所が、排気下流側ほど第1内壁面45に徐々に近づくように形成されている。
これらのことから、弁体42が中間開度で開弁するときには、弁体42及び第2内壁面46間の間隔、ひいては通路面積は、作用部49において最も小さくなり、支持部47に近づくに従い徐々に大きくなり、支持部47ではその直下流での通路面積と略同じになる。
特に、本実施形態では、弁体42において、作用部49及び支持部47間のセカンダリ通路35に面する箇所(弁体42の側面)が、平面53により構成されている。このため、弁体42が上記のように中間開度で開弁したときには、弁体42及び第2内壁面46間の通路面積は、作用部49から支持部47に近づくに従い一定の度合いで漸増する。
従って、特許文献1に記載された可変容量ターボチャージャ91とは異なり、本実施形態では作用部49が第2内壁面46から若干離間した状態で、排気が弁体42及び第2内壁面46間を通過する際に、通路面積が急激に拡大することがない。
上記のように、エンジン12の排気流量の多い中負荷又は高負荷運転時には、調整弁41が開弁される。そのため、スクロール通路27を流れる排気の一部は、プライマリ通路34を通り、プライマリノズル36から動翼22のリーディングエッジ部23に吹き付けられる。また、上記スクロール通路27を流れる残りの排気は、セカンダリ通路35を通り、セカンダリノズル37からタービンホイール室26に導かれ、タービンホイール17の動翼22のシュラウド部24に吹き付けられる。従って、こうした排気流量の多い場合には、流量の少ない場合よりもノズル28が、動翼22のシュラウド部24に対向するセカンダリノズル37の分だけ大きくなる。排気流量が多くても、排気エネルギを無駄にすることなく、排気が適切にタービンホイール室26へ導かれて、タービンホイール17の動翼22に到達する。排気エネルギの回収効率が高く、タービン効率が向上し、排気導入部29の圧力(エンジン背圧)が低減する。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)調整弁41の弁体42として、支持部47、作用部49及びガイド部51を有するものを用いている。支持部47を弁体42の下流端に設け、第1内壁面45に常に接触させ、この支持部47を支点として弁体42を作動させるようにしている。また、作用部49を支持部47よりも上流側に設け、支持部47を支点とした上記弁体42の作動に伴い、作用部49を第2内壁面46に接触又は離間させてセカンダリ通路35を閉鎖又は開放するようにしている。弁体42が中間開度で開弁するとき、弁体42よりも上流側の排気を、ガイド部51により第2内壁面46及び作用部49間に導くようにしている。さらに、作用部49及び支持部47間のセカンダリ通路35に面する箇所を、弁体42が中間開度で開弁するとき、排気下流側ほど第1内壁面45に徐々に近づくように形成している。
そのため、排気が弁体42及び第2内壁面46間を通過する過程で通路面積が急激に拡大し、排気の圧力が低下して排気エネルギの損失が発生し、タービン効率が低下する不具合を抑制することができる。
(2)作用部49及び支持部47間のセカンダリ通路35に面する箇所を平面53によって構成している。
そのため、弁体42が中間開度で開弁したとき、弁体42及び第2内壁面46間の通路面積を、作用部49から支持部47に近づくに従い一定の度合いで漸増させ、上記(1)の効果をより確実なものとすることができる。
(3)ガイド部51が排気上流側へ円弧状に膨らむ曲面52を有する構成としている。そのため、弁体42が中間開度で開弁したとき、排気を曲面52に沿ってスムーズに作用部49及び第2内壁面46間に集めることができる。
(4)弁体42を、支持部47において軸48により第1内壁面45に回動可能に支持する構成としている。そして、支持部47を支点とした弁体42の回動に伴い、作用部49を第2内壁面46に接触又は離間するさせるようにしている。そのため、上記のような支持部47を支点として弁体42を回動させるという簡単な構成で、弁体42及び第2内壁面46間の通路面積の調整を行うことができる。
(5)弁体42として、支持部47から排気上流側へ離れるほど幅の広くなる略扇形の断面形状を有するものを用いている。そのため、こうした単純な断面形状でありながら、弁体42の下流端を支持部47として機能させ、上流端における第2内壁面46側の角部を作用部49として機能させ、上流側の円弧状の端面をガイド部51として機能させることができる。多数の部品を用いたり、複雑な形状としなくても、支持部47,作用部49及びガイド部51を有する弁体42を成立させることができる。
(6)セカンダリ通路35に弁収容部54を設けている。そのため、弁体42の全開時には、その弁体42を弁収容部54の収容空間55に収容させることで、弁体42をスクロール通路27の外部に位置させることができる。従って、弁体42が排気の流通の妨げ(抵抗)となるのを抑制し、排気が弁体42及び第2内壁面46間を通過する際の抵抗を小さくすることができる。
(7)スクロール通路27内の少なくともノズル28を含む箇所を隔壁33により2つの通路(プライマリ通路34、セカンダリ通路35)に仕切り、その一方の通路(セカンダリ通路35)にのみ弁体42を設けている。
そのため、弁体42の開度を変化させることにより、ノズル28からタービンホイール室26に導かれる排気の流量を調整することができる。
(8)隔壁33により仕切られた一方のノズルを、タービンホイール17の動翼22のリーディングエッジ部23に対向するプライマリノズル36とし、他方のノズルを、動翼22のシュラウド部24に対向するセカンダリノズル37としている。そして、弁体42を、セカンダリノズル37を有するセカンダリ通路35側に設け、エンジン12の運転状態に応じて開度調整するようにしている。
そのため、エンジン12の運転状態に応じて調整弁41を開閉作動させることにより、タービンホイール室26への排気の流量を同運転状態に適した量に調整することができる。
(9)プライマリノズル36及びセカンダリノズル37に、それぞれ複数のノズルベーン38,39を周方向に並べられた状態で配置している。
そのため、プライマリノズル36及びセカンダリノズル37からタービンホイール室26へ向けて排気を、ノズルベーン38,39により勢いよく(より大きな流速で)、かつ方向付けて導くことができ、より多くの排気エネルギを取り出して、タービン効率のさらなる向上を図ることができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・弁体42として、前記実施形態とは異なるものを用いてもよい。図9〜図13はその一例を示している。これらの図9〜図13において、前記実施形態と同様の部材、箇所等には同一の符号が付されている。
図9は、前記実施形態とは異なる断面形状を有する弁体42の例を示している。ここでは、略扇形の断面形状をベースとしつつ、同図9において二点鎖線で示すように、平面53及び曲面52から離間した箇所66が取り除かれた断面形状となっている。このように断面形状を変更しても、前記実施形態と同様の作用及び効果が得られるほか、弁体42の軽量化を図ることができる。
図10及び図11は、前記実施形態とは異なる構成を有する弁体42の例を示している。この弁体42は、下流側レバー部材67及び上流側レバー部材68を備えて構成されている。下流側レバー部材67の下流端は支持部47を構成しており、この支持部47において下流側レバー部材67が軸48により第1内壁面45に回動可能に支持されている。上流側レバー部材68はガイド部51として機能する部材であり、その下端部においてピン69により上記下流側レバー部材67の上流端に連結されている。これら下流側レバー部材67及び上流側レバー部材68の連結部分は作用部49を構成しており、上流側レバー部材68の上流端71が図10において矢印で示すように、排気上流側又は排気下流側へ移動させられることにより、第2内壁面46に接触又は離間する。
上記の構成を有する弁体42を用いれば、上流側レバー部材68の上流端71が排気上流側又は排気下流側へ移動させられると、その動きが下流側レバー部材67に伝達される。ここで、下流側レバー部材67が、その下流端の支持部47において軸48により第1内壁面45に回動可能に支持されている。また、同下流側レバー部材67の上流端がピン69により上流側レバー部材68の下流端に連結されている。そのため、上記のように上流側レバー部材68の動きが下流側レバー部材67に伝達されると、その下流側レバー部材67は軸48を支点として回動する。これに伴い、下流側レバー部材67の傾きが変化し、上流側レバー部材68との連結部分により構成される作用部49が第2内壁面46に接触又は離間する。作用部49が第2内壁面46に接触すると、それらの間の通路面積が零となり、排気の流通が遮断される。
これに対し、図10に示すように作用部49が第2内壁面46から若干離間すると、それらの間の通路面積が拡大し、排気の流通が可能となる。作用部49及び第2内壁面46間の通路面積は、上流側レバー部材68の上流端71が排気上流側へ大きく移動させられ、作用部49が第2内壁面46から第1内壁面45側へ遠ざかるに従い大きくなる。このように、上流側レバー部材68及び下流側レバー部材67の協働により、その下流側レバー部材67と第2内壁面46との間の通路面積が調整される。そして、図11に示すように、作用部49が可動範囲において第2内壁面46から最も遠ざかると、弁体42が全開状となる。
ところで、図10に示すように弁体42が中間開度で開弁したときには、上流側レバー部材68はガイド部51として機能し、排気を第2内壁面46及び作用部49間に導く。また下流側レバー部材67は、作用部49及び支持部47間のセカンダリ通路35に面する箇所として機能する。
従って、上記のように構成の異なる弁体42を用いても、前記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。なお、この場合には、前記実施形態における弁収容部54は不要となる。
また、図12及び図13は、前記実施形態とは異なる構成を有する弁体42の例を示している。この弁体42は、耐熱性が高く、かつ可撓性を有する材料によって形成された単一の板状部材によって構成されている。弁体42は、その上流端72において軸73により第1内壁面45に回動可能に支持されている。また、弁体42の下流端は支持部47を構成しており、第1内壁面45に対し排気の流れ方向(図12及び図13の上下方向)への摺動可能に接触している。さらに、弁体42の上記上流端72及び支持部47間の中間部分74は、第1内壁面45から離間するように山形状に屈曲形成されている。そして、中間部分74における屈曲端によって作用部49が構成されている。この作用部49は、軸73を支点とする弁体42の回動に伴い同弁体42が弾性変形させられることにより、第2内壁面46に接触又は離間する。
上記の構成を有する弁体42を用いれば、その弁体42は、常に上流端72及び支持部47において第1内壁面45に接触する。また、弁体42の中間部分74は第1内壁面45から離間するように山形状に屈曲する。弁体42の屈曲端により構成される作用部49が第2内壁面46に接触すると、それらの間の通路面積が零となり、排気の流通が遮断される。
上記の状態から図12に示すように弁体42が、その上流端72において軸73を支点として反時計回り方向へ回動させられると、その回動が弁体42の全体に伝達される。ここで、弁体42の下流端の支持部47は第1内壁面45に摺動可能に接触させられている。そのため、上記のように弁体42が回動させられると、支持部47が第1内壁面45に沿って排気下流側へ摺動することで、弁体42が弾性変形させられる。これに伴い弁体42の作用部49が第2内壁面46から離間する。作用部49及び第2内壁面46間の通路面積が拡大し、排気の流通が可能となる。この作用部49及び第2内壁面46間の通路面積は、作用部49が第2内壁面46から第1内壁面45側へ遠ざかるに従い、すなわち弁体42の開度が増大するに従い大きくなる。このように、軸73を支点とした弁体42の回動、及び、その回動に伴う弁体42の弾性変形により、同弁体42及び第2内壁面46間の通路面積が調整される。そして、図13に示すように、作用部49が可動範囲において第2内壁面46から最も遠ざかると、弁体42が全開状となる。
なお、図13の状態から弁体42が軸73を支点として時計回り方向へ回動させられると、弁体42はその弾性復元力により元の形状に戻ろうとする。
ところで、図12に示すように弁体42が中間開度で開弁したときには、中間部分74において作用部49よりも排気上流側の部分はガイド部51として機能し、排気を第2内壁面46及び作用部49間に導く。また、中間部分74において作用部49よりも排気下流側の部分は、作用部49及び支持部47間のセカンダリ通路35に面する箇所として機能する。
従って、上記のように構成の異なる弁体42を用いても、前記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。なお、この場合にもまた、前記実施形態における弁収容部54は不要となる。
・弁体42において、作用部49及び支持部47間のセカンダリ通路35に面する箇所を、平面53に代えて、凸状又は凹状の湾曲面により構成してもよい。
・隔壁33は、スクロール通路27内の少なくともノズル28を2つのノズル(プライマリノズル、セカンダリノズル37)に仕切るものであればよい。従って、上記実施形態のようにスクロール通路27の略上流端から下流端にかけて、同スクロール通路27内の略全体にわたって設けられなくてもよい。
・上記実施形態では、反動型の形状を有する動翼22を採用したが、これに代えていわゆる衝撃型の形状を有する動翼22を採用してもよい。
・調整弁41の作動を、前記実施形態とは異なるエンジン運転状態に基づいて制御してもよい。こうしたエンジン運転状態としては、排気通路13の圧力、エンジン回転速度、吸入空気量、スロットル開度、アクセル踏み込み量の各々であってもよく、そのほかにも適宜に組み合わせたものであってもよい。例えば、エンジン回転速度が所定値よりも低い領域(低回転域)では調整弁41を閉弁させ、エンジン回転速度が上記所定値以上の領域(中・高回転域)では調整弁41を、そのエンジン回転速度に応じた開度にて開弁させるようにしてもよい。
・アクチュエータ43に代えて、弁体42の駆動にコンプレッサの出口圧力(過給圧力)を利用してもよい。この場合、例えば出口圧力が所定値以下のときに弁体42を閉弁させ、同出口圧力が所定値よりも大きいときに弁体42を開弁させるようにしてもよい。開弁時には、弁体42の開度を出口圧力に応じて変更してもよい。
・ノズルベーン38,39をプライマリノズル36にのみ、又はセカンダリノズル37にのみ設けてもよい。また、プライマリノズル36のノズルベーン38、及びセカンダリノズル37のノズルベーン39をともに割愛してもよい。
・ノズルベーン38,39として上述した固定式に代え、可動式のノズルベーンを用い、エンジン12の運転状態に応じてそれらのノズルベーンの角度を制御するようにしてもよい。
・本発明は、背景技術にて説明したタイプの可変容量ターボチャージャ、すなわちスクロール通路が隔壁により内周スクロール部及び外周スクロール部に仕切られ、外周スクロール部の排気導入口に調整弁が設けられたタイプにも適用可能である。要は、スクロール通路に、排気の通路面積を可変とする調整弁を備える可変容量ターボチャージャであれば広く適用可能である。
本発明を具体化した一実施形態における可変容量ターボチャージャ、及びその適用箇所を示す略図。 タービンホールの正面図。 可変容量ターボチャージャのタービン側の構成を示す断面図。 図3の切断面と略90°異なる切断面で切断したタービン側の断面図。 ノズルベーンの配置状態を示す側面図。 図3におけるA部を拡大して示す断面図。 図6の状態から弁体が回動して全開状態となったときのA部の断面図。 図6の状態から弁体が若干回動して中間開度となたときのA部の断面図。 弁体の別の実施形態について、図8のA部に対応して弁体及びその周辺部分を拡大して示す断面図。 弁体の別の実施形態について、図8のA部に対応して弁体及びその周辺部分を拡大して示す断面図。 図10の状態から弁体が作動して全開状態となったときのA部の断面図。 弁体の別の実施形態について、図8のA部に対応して弁体及びその周辺部分を拡大して示す断面図。 図12の状態から弁体が作動して全開状態となったときのA部の断面図。 背景技術に係る可変容量ターボチャージャを示す断面図。
符号の説明
11…可変容量ターボチャージャ、12…エンジン、17…タービンホイール、22…動翼、23…リーディングエッジ部、24…シュラウド部、26…タービンホイール室、27…スクロール通路、28…ノズル、33…隔壁、34…プライマリ通路、35…セカンダリ通路、36…プライマリノズル、37…セカンダリノズル、38,39…ノズルベーン、41…調整弁、42…弁体、45…第1内壁面、46…第2内壁面、47…支持部、48,73…軸、49…作用部、51…ガイド部、52…曲面、53…平面、54…弁収容部、67…下流側レバー部材、68…上流側レバー部材、71,72…上流端、74…中間部分。

Claims (11)

  1. タービンホイール室の周りに設けられたスクロール通路に、同スクロール通路の通路面積を可変とする調整弁を備える可変容量ターボチャージャにおいて、
    前記スクロール通路は互いに対向する第1内壁面及び第2内壁面を有し、
    前記調整弁の弁体は、その下流端に設けられて前記第1内壁面に常に接触する支持部と、同支持部よりも排気上流側に設けられ、同支持部を支点とした前記弁体の作動に伴い、前記第2内壁面に接触して前記スクロール通路を閉鎖し、かつ同第2内壁面から離間して前記スクロール通路を開放する作用部と、前記弁体が中間開度にて開弁するときに上流からの排気を前記第2内壁面及び前記作用部間に導くガイド部とを有し、
    さらに、前記作用部及び前記支持部間の前記スクロール通路に面する箇所は、前記弁体が中間開度にて開弁するとき、排気下流側ほど前記第1内壁面に徐々に近づくように形成されていることを特徴とする可変容量ターボチャージャ。
  2. 前記作用部及び前記支持部間の前記スクロール通路に面する箇所は、平面により構成されている請求項1に記載の可変容量ターボチャージャ。
  3. 前記ガイド部は、排気上流側へ円弧状に膨らむ曲面を有する請求項1又は2に記載の可変容量ターボチャージャ。
  4. 前記支持部は軸により前記第1内壁面に回動可能に支持されており、前記作用部は前記支持部を支点とした前記弁体の回動に伴い前記第2内壁面に接触又は離間するものである請求項1〜3のいずれか1つに記載の可変容量ターボチャージャ。
  5. 前記弁体は、前記支持部から排気上流側へ離れるほど幅の広くなる略扇形の断面形状を有している請求項4に記載の可変容量ターボチャージャ。
  6. 前記調整弁は、前記弁体の全開時に、同弁体を前記スクロール通路の外部に位置させた状態で収容する弁収容部をさらに備える請求項5に記載の可変容量ターボチャージャ。
  7. 前記弁体は、下流端に前記支持部を有する下流側レバー部材と、下流端において前記下流側レバー部材の上流端に連結されて前記ガイド部として機能する上流側レバー部材とを備え、
    前記支持部は軸により前記第1内壁面に回動可能に支持され、
    前記作用部は、前記上流側レバー部材及び前記下流側レバー部材の連結部分により構成され、前記上流側レバー部材の上流端が排気上流側又は排気下流側へ移動させられることにより、前記第2内壁面に接触又は離間するものである請求項1〜3のいずれか1つに記載の可変容量ターボチャージャ。
  8. 前記弁体では、その上流端が軸により前記第1内壁面に回動可能に支持され、かつ下流端が前記支持部として同第1内壁面に摺動可能に接触させられるとともに、中間部分が同第1内壁面から離間するように山形状に屈曲形成されており、
    前記軸を支点とする回動に伴い前記弁体が弾性変形することにより、屈曲端が前記作用部として機能して前記第2内壁面に接触又は離間するものである請求項1〜3のいずれか1つに記載の可変容量ターボチャージャ。
  9. 前記スクロール通路の前記タービンホイール室との境界部分は、同タービンホイール室へ排気を導くノズルを構成しており、前記スクロール通路内の少なくとも前記ノズルを含む箇所は隔壁により2つの通路に仕切られており、前記弁体は一方の通路にのみ設けられている請求項1〜8のいずれか1つに記載の可変容量ターボチャージャ。
  10. 前記隔壁により仕切られた一方のノズルは、タービンホイールの動翼のリーディングエッジ部に対向するプライマリノズルを構成し、他方のノズルは、前記動翼のシュラウド部に対向するセカンダリノズルを構成し、
    前記弁体は、前記セカンダリノズルを有する通路側に設けられ、エンジンの運転状態に応じて開度調整されるものである請求項9に記載の可変容量ターボチャージャ。
  11. 前記プライマリノズル及び前記セカンダリノズルの少なくとも一方には、複数のノズルベーンが周方向に並べられた状態で配置されている請求項10に記載の可変容量ターボチャージャ。
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