JP2007192589A - 温度測定用プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】 SPMにおいてアスペクト比の高い凹凸を有する試料の温度特性および表面形状を精度よく測定し、正確な温度特性や観察像を得ることができるプローブを提供する。
【解決手段】 本発明は、カンチレバー22の先端に温度を測定するための温度測定用素子を形成した温度測定用プローブ1であって、カンチレバー22に形成された第1の金属構造体29の第1の端部291の上面に設けられ、棒状に形成された第1の探針基部292と、第2の金属構造体30の第2の端部301の上面に設けられ、棒状に形成された第2の探針基部302と、第1の探針基部292と第2の探針基部302の上面に設けられ、第1の探針基部292と第2の探針基部302を接続する形に形成された先端部が先鋭化された探針先端部70で構成されている探針21が温度測定素子を兼ねていることとした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、試料表面の微小領域での熱物性を測定するための温度測定用プローブおよび温度測定装置に関する
現在、試料表面におけるナノメートルオーダの微小な領域を観察するための顕微鏡は、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning ProbeMicroscope)が使われている。このSPMの中でも、先端部にプローブを設けたカンチレバーを走査プローブとして使用する、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)が、特に注目されている。この原子間力顕微鏡は、カンチレバーのプローブを試料表面に沿って走査し、試料表面と探針との間に発生する原子間力(引力または斥力)をカンチレバーの撓み量として検出することにより、試料表面の形状測定が行われる。カンチレバーには、その撓み量の測定方法の違いから光てこ式と自己検知型のものがある。このような走査型プローブ顕微鏡において、近年、試料表面の凹凸形状とともに試料表面の微小領域での温度分布を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1または2参照。)。
特開平8−105801号公報 特開2001−4455号公報
しかしながら、上述の特許文献1のプローブにおいては、シリコン基板をエッチング等することにより錘状の凹溝を形成し、この凹溝の形状にそって探針が形成されるため、この技術においては、製作プロセス上の制約により、探針の形状は根本部分の径が大きく、先端が尖っている錐状になる。そのため、アスペクト比((探針の高さ)/(探針の根本部分の径))の高い探針の形成が困難になるという問題があった。
このようなアスペクト比の低い探針を用いると、例えば、略垂直な面を有する表面形状を観察する際に、錐状の探針の側面が上記略垂直な面と接触してしまい、正確な表面形状および温度分布が観察できないという問題があった。
また、特許文献2のプローブにおいては、ニッケル細線をカンチレバー及び探針として用いるので、探針の根元部分の径は大きくなってしまうためアスペクト比の高い探針とすることが困難であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、アスペクト比の高い凹凸を有する試料の表面形状を感度良く観察することが可能であるとともに、試料の温度特性を検出することが可能であるプローブを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明のプローブは表面に絶縁層を有するカンチレバーと、カンチレバーの上面に設けられ、カンチレバーの先端部に第1の端部を有する第1の金属構造体と、カンチレバーの上面に第1の金属構造体と離間して設けられ、カンチレバーの先端部に第2の端部を有する第2の金属構造体と、第1の端部の上面に設けられ、棒状に形成された第1の探針基部と、第2の端部の上面に設けられ、棒状に形成された第2の探針基部と、第1の探針基部と第2の探針基部を接続する形に形成され、先の尖鋭化された探針先端部を有し、カンチレバーの基端部に設けられた第1の電極に接続された第1の金属構造体の第1の端部の上面に設けられ、棒状に形成された第1の探針基部と、カンチレバーの基端部に第1の電極に離間して設けられた第2の電極に接続された第2の金属構造体の第2の端部の上面に第1の探針基部と離間して設けられ、棒状に形成された第2の探針基部と、第1の探針基部および第2の探針基部の上面に設けられ第1の探針基部と第2の探針基部を電気的に接続し、先の先鋭化された探針先端部からなる、温度測定用素子を兼ねた探針部を有することとした。
この発明に係るプローブによれば、温度測定用素子が探針先端部の直下、つまり探針先端部近傍に配設されているので、試料の表面形状を測定するとともに試料の温度特性を正確に測定することができる。また、探針基部から探針先端部にかけてその形状が柱状であるためアスペクト比の高い探針とすることができ、それゆえにアスペクト比の高い凹凸に対して正確に追従し測定することができる。
また、上記のプローブにおいて、探針先端部が第1の探針基部と同じ材料からなることが好ましい。
この発明に係わるプローブによれば、探針先端部を構成する材料と第1の金属構造体を構成する材料が同一であることから異種材料接合による温度測定素子は探針先端部と第2の探針基部の接合部においてのみ形成される。そのため探針先端部と第1の探針基部、あるいは探針先端部と第2の探針基部の接続部でそれぞれ異種材料が接合部を形成することによる温度特性の測定誤差を生じてしまうことも無く、安定した測定結果を得ることができる。
あるいは、上記のプローブにおいて、探針先端部が第2の探針基部と同じ材料からなることとしてもよい。
この発明に係わるプローブによれば、探針先端部を構成する材料と第2の金属構造体を構成する材料が同一であることから異種材料接合による温度測定素子は探針先端部と第1の探針基部の接合部においてのみ形成される。そのため探針先端部と第1の探針基部、あるいは探針先端部と第2の探針基部の接続部でそれぞれ異種材料が接合部を形成することによる温度特性の測定誤差を生じてしまうことも無く、安定した測定結果を得ることができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、温度特性測定用プローブと、探針部を試料の被測定面に接近させて試料表面を走査することにより試料表面形状に応じて変位する探針部の変位データを検出する変位検出手段と、探針部を試料に対して相対的に試料の表面に平行で、互いに直交する二方向の走査及び試料の表面に垂直方向の移動を行う移動手段と、温度測定用素子の熱起電力検出する熱起電力検出部と、を備える。
この発明に係わる走査型プローブ顕微鏡によれば、アスペクト比が高く、温度測定用素子と試料表面形状測定を行う探針を兼ねたプローブを搭載している。このため、アスペクト比が高い凹凸を表面に有する試料表面微小領域の形状および温度分布、熱特性を感度良く測定することができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、探針部を振動用周波数で共振または強制振動させる加振手段を備え、変位検出手段は、探針部の振動状態を検出する振動検出手段である。
この発明に係わる走査型プローブ顕微鏡によれば、DFM(Dynamic Force Mode)などのカンチレバーを振動させて試料の表面形状を測定する場合において、カンチレバーの共振周波数が高まり、試料との相互作用を感度良く測定することができる。
また、本発明のプローブは、変位検出手段をカンチレバー内に設ける。
また、さらには変位検出手段はピエゾ抵抗素子であることとした。
この発明にかかわるプローブによればカンチレバーにレーザ光を反射させる反射面を設ける必要がないので、カンチレバーの形状に制限を受ける必要がなく、プローブの設計の自由度が向上し、製造し易い。また、レーザ光源等の大がかりな装置が不要なので、装置コスト及び装置スペースの削減を図ることができる。
また、本発明のプローブは、シリコン基板を切欠いて、カンチレバーを形成する工程と、カンチレバーの上面に絶縁膜を形成する工程と、カンチレバーの先端部側の絶縁膜の上面に、第1の金属構造体の第1の端部を形成し、カンチレバーの先端部側の絶縁膜の上面に、第2の金属構造体の第2の端部を形成する工程と、第1の端部の上面に電鋳法によって第1の探針基部を形成し、第2の端部の上面に電鋳法によって第2の探針基部を形成し、第1の探針基部と第2の探針基部の上面に電鋳法によって第1の探針基部と第2の探針基部を物理的、および電気的に接続するかたちに探針先端部を形成して、温度測定用素子を兼ねる探針部を形成する工程と、探針先端部を電解研磨によって先鋭化させる工程と、シリコン基板を切欠いて、カンチレバーの基端部側に本体部を形成する工程と、からなることとした。
この発明に係わる温度測定用プローブの製造方法によれば、探針部を電鋳法によって形成することで、従来の製造方法で困難であったアスペクト比が高い探針を精度良くかつ容易に製造することが可能となる。
また、電界研磨などの手法を用いて先鋭化することで更に試料表面微小領域の温度特性や凹凸を高い分解能にて観察することが可能になる。
本発明によれば、アスペクト比が高くかつ先鋭化された探針とすることができる。また、温度測定素子が試料近傍に形成されているため、アスペクト比の高い凹凸を有する試料表面の微小領域の形状および温度分布、熱特性を精度よく測定することができる。
以下に本願発明の実施の形態について説明する。
図1から図12は、この発明に係る一実施形態を示している。図1に走査型プローブ顕微鏡のブロック図を示す。図2にプローブの斜視図、図3に平面図、図4、図5に断面図を示す。図6から図12にはプローブの製造工程の工程図を示す。
図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、試料100を支持する試料支持部9と、試料100を移動させる試料移動手段3と、試料移動手段3によって試料100の試料上面S上を相対的に走査される探針部21を有するプローブ20と、プローブ20の探針部21をカンチレバー22が共振または強制振動する周波数で振動させる加振手段51とを備えている。プローブ20は、探針部21が先端部に突出して設けられるカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。
試料移動手段3は、試料支持部9を支持し、試料上面Sに平行で互いに直交する2方向であるX、Y方向及び試料上面Sに垂直な方向であるZ方向に移動する試料移動手段3と、試料移動手段3を駆動させる駆動装置4とを備える。より詳しくは、試料移動手段3は、試料100をX、Y、Z方向に粗動移動させる粗動機構及び微小移動させるXYスキャナ、及びZスキャナとで構成される。粗動機構に対応する駆動装置4としては、例えばステッピングモータなどである。また、XYスキャナ及びZスキャナに対応する駆動装置4としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子であり、電圧が印加されると、電圧印加量及び極性等に応じて試料100をXYZ方向に微小移動させることが可能である。また、加振手段51は、プローブ20に接続され所定の周波数及び振幅で振動するようにプローブ20を加振するPZTからなる圧電素子と、圧電素子に電圧を印加して圧電素子を振動させる加振電源5とを備える。
さらに、図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、加振手段51によって加振されたプローブ20の探針部21の振動状態を検出する変位検出手段6を備える。変位検出手段6は、探針部21の裏面に形成された反射面(例えば、金やアルミニウム等の金属材料をコーティングして形成:図示しない)にレーザ光を照射するレーザ光源と、レーザ光源の電源であるレーザ電源と、反射面で反射したレーザ光を検出するフォトダイオードとを備えている。フォトダイオードで検出されるレーザ光は、DIF信号として出力され、プリアンプで増幅され、交流−直流変換器によって直流変換され、コンピュータ7に送られる。コンピュータ7には、Z電圧フィードバック回路が備えられており、コンピュータ7に入力されたDIF信号に基づいて試料移動手段3のZスキャナに電圧を印加して試料100をZ方向に微小移動させる。
また、図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、プローブ20に接続され、探針部21で発生する熱起電力を測定する温度特性検出手段8とを備える。また、コンピュータ7は、前述のように駆動装置4、加振電源5、変位検出手段6、及び温度特性検出部8と接続されている。
以上の構成により、走査型プローブ顕微鏡1は、以下に示すように、試料100の表面形状及び温度特性を測定する。まず、コンピュータ7による制御のもとに加振電源5で加振手段51を振動させるとともに、変位検出手段6からプローブ20のカンチレバー22の反射面にレーザ光を照射させる。カンチレバー22は加振手段51から伝達される振動によって上下に振動し、これによりカンチレバー22で反射され変位検出手段6のフォトダイオードで検出されるレーザ光は一定の振幅及び周波数の振動波形を形成する。この状態で、コンピュータ7による制御のもと、駆動装置4を駆動させて、試料100をX、Y方向に走査させて試料100の表面形状及び温度特性を測定する。プローブ20の探針部21が走査された位置に凹凸があると、変位検出手段6のフォトダイオードで検出されるレーザ光の振動振幅が減衰される。この振動振幅は、DIF信号としてプリアンプで増幅され、交流−直流変換器によって直流変換され、コンピュータ7に入力される。コンピュータ7には前述のZ電圧フィードバック回路が備えられており、DIF信号化された振動振幅がしきい値を超えた場合、入力されたDIF信号に基づいて駆動装置4を駆動させ、振動振幅がしきい値内で一定となるように試料移動手段3をZ方向に移動し、調整する。これを駆動装置4によって試料100をX、Y方向に移動させて、繰り返すことによって試料100の表面形状の測定を行う。
さらに、試料100の表面形状の測定と平行して、探針部21に発生する熱起電力を測定する。これらの試料100の表面形状及び温度特性の測定結果は、試料100のX、Y方向の走査位置とともにコンピュータ7によって表示される。
次に、このような走査型プローブ顕微鏡1に搭載されるプローブ20の詳細の構成について説明する。
図2はプローブ20の全体斜視図であるが、走査型プローブ顕微鏡1に搭載される向きと上下逆となるように記載されている。
図2に示すように、プローブ20は、第1の金属構造体29と第2の金属構造体30と、第1の金属構造体29の第1の端部291の上面に設けられ、棒状に形成された第1の探針基部292と、第2の金属構造体30の第2の端部301の上面に設けられ、棒状に形成された第2の探針基部302と、尖鋭化された探針先端部70からなる、探針部21と、探針部21が先端部に突出して設けられたカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備える。カンチレバー22及び本体部23は、シリコン基板、特に、シリコンからなるシリコン活性層24及びシリコン支持層25と、シリコン活性層24とシリコン支持層25とに介装され、SiO2からなるBOX層26とを貼り合わせたSOI基板27(Silicon on Insulator)から形成されている。
また、図3、図4(図3におけるA−A´断面)、図5(図3におけるC−C´断面)に示すとおり、カンチレバー22の表面には絶縁膜28が形成され、絶縁膜28上において、先端部から基端部にかけて第1の金属構造体29、および第2の金属構造体30が形成されている。絶縁膜28は、SiO2からなるシリコン酸化膜である。また、第1の金属構造体29はクロム、第2の金属構造体30はニッケルからなる金属膜である。なお、第1の金属構造体と第2の金属構造体は、それぞれクロム、ニッケルに限ること無く、金、白金、白金ロジウム、ニクロム、クロメル、アルメルなど、熱電対を形成できる材料であれば良い。探針部21は、カンチレバー22の表面の先端部、第1の金属構造体29の第1の端部291、および第2の金属構造体30の第2の端部301上に突出して設けられた棒状に形成された第1の探針基部292、同じく棒状に形成された第2の探針基部302、および尖鋭化された探針先端部70で構成されている。第1の探針基部292はクロムで形成されており、導電性を有している。なお、第1の探針基部292を形成する材料は、クロムに限らず、後述する電鋳法で形成可能な材料であれば良く、例えば、金、銅、ロジウム、パラジウム、タングステンなどでもよい。また、第2の探針基部302はニッケルで形成されており、導電性を有している。なお、第2の探針基部302を形成する材料は、ニッケルに限らず、後述する電鋳法で形成可能な材料であれば良く、例えば、金、銅、ロジウム、パラジウム、タングステンなどでもよい。また、探針先端部70は、ニッケルで形成されており、導電性を有している。なお、探針先端部70を形成する材料は、第1の探針基部292、あるいは第2の探針基部302と同一の材料で形成されていることが望ましい。形成する材料としては、ニッケルやクロムに限らず、後述する電鋳法で形成可能な材料であれば良く、例えば、金、銅、ロジウム、パラジウム、タングステンなどでもよい。
この実施形態のプローブ20では、探針先端部70が、電鋳によって第1の探針基部292および第2の探針基部302上に直接形成されているため、試料の温度が、第1の探針基部292と第2の探針基部302と探針先端部70で形成された温度測定用素子兼ねた探針部21にロスが少ない状態伝わるために図1に示す温度特性検出手段8によって試料100の温度特性を測定することができる。また、探針部21は先端部が先鋭化されるとともに基部が棒状に形成されているので、アスペクト比の高い探針部とすることができる。このため、試料100がアスペクト比の高い凹凸を有する表面形状であったとしても、探針部21が凹凸に対して正確に追従し、凹凸の深さ、幅を高い精度で測定し、正確な観察像を得ることができる。さらに、凹凸の深い部分の温度特性の測定も可能となる。
次に、この実施形態のプローブ20の製造方法について説明する。前述のとおり、プローブ20のカンチレバー22及び本体部23は、シリコン活性層24、BOX層26、シリコン支持層25から構成されるSOI基板27から形成される。ここで、シリコン活性層24の厚さはカンチレバー22の厚さに設定され、また、BOX層26及びシリコン支持層25の厚さは本体部23の厚さに設定されている。以下、順に説明する。
図6(a)から(c)に示すように、カンチレバー形成工程において、カンチレバー22を形成する。まず、図6(a)のように、フォトリソグラフィ技術によって、カンチレバー22を形成する範囲にフォトレジスト膜31を形成する。そして、図6(b)に示すとおり、フォトレジスト膜31をマスクとして、シリコン活性層24をBOX層26に達するまでエッチングすることで、カンチレバー22となる部分の周囲のシリコン活性層24を切欠く。そして、フォトレジスト膜32を除去することで、図6(c)に示すとおり、カンチレバー22が形成される。フォトレジスト膜としては、ポジ型でもネガ型でも良い。カンチレバー22をエッチングする方法としては、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれの方法でも良いが、ドライエッチングが好適である。ドライエッチングであれば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)やDRIE(Deep Reactive Ion Etching)などがある。またウェットエッチングであれば、水酸化カリウム(KOH)やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ性エッチャントによる異方性エッチングなどがある。
次に、図7(a)に示すように、絶縁膜形成工程において、カンチレバー22の表面上に絶縁膜28を形成する。絶縁膜28は熱酸化法によって形成される。また、この際、カンチレバー22の裏面側、つまりシリコン支持層25の表面のうち、本体部23となる部分にも酸化膜33を形成する。すなわち、図7(a)に示すように、シリコン支持層25の表面の全面に、絶縁膜28を形成するのと同時に酸化膜33を形成する。次に、図7(b)に示すように、本体部23の裏面の部分及びカンチレバー22が形成された側の全体をフォトレジスト膜32でパターニングする。そして、図7(c)に示すように、フォトレジスト膜32がパターニングされた部分以外の酸化膜33をフッ酸によって除去し、最後に、図7(d)に示すように、フォトレジスト膜32を除去する。
次に、図8(a)から図8(c)に示すように、金属構造体形成工程において、絶縁膜28上に第1の金属構造体29および第2の金属構造体配線30を形成する。まず、図8(a)に示すように、第1の金属構造体29となる部分以外の部分をフォトレジスト膜34でパターニングする。次に、図8(b)に示すように、クロム膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、図8(c)に示すように、フォトレジスト膜34を除去することによって第1の金属構造体29が形成される。
なお、第1の金属構造体29となるクロム膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってクロム膜を成膜し、第1の金属構造体29となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいてフォトレジスト膜が形成されていない部分のクロム膜をエッチングにより除去することで第1の金属構造体29を形成する方法としても良い。
同様にして、金属構造体30も形成する。第2の金属構造体30となる部分以外の部分をフォトレジスト膜でパターニングする。次に、ニッケル膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、フォトレジスト膜を除去することによって第2の金属構造体30が形成される。
なお、第1の金属構造体30となるニッケル膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってニッケル膜を成膜し、第2の金属構造体30となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいて、フォトレジスト膜が形成されていない部分のニッケル膜をエッチングにより除去することで、第2の金属構造体30を形成する方法としても良い。
次に探針部を形成する。探針部形成工程においては、第1の金属構造体29の第1の端部291の上面に第1の探針基部292を形成し、第2の金属構造体30の第2の端部301の上面に第2の探針基部302を形成し、さらに第1の探針基部292と第2の探針基部302の上面に探針先端部70形成する。
探針部形成工程は、探針基部形成工程および先端部形成工程の2工程で構成される。
図9(a)から(d)は、探針基部形成工程を示している。まず、図9(a)に示すように、カンチレバー22側全体に第1の探針基部292の高さと略等しい厚さのフォトレジスト膜35を形成する。フォトレジスト膜35としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。そして、第1の探針基部292の位置に、基部の断面形状と等しくなるようにマスキングする。ここでは、基部の断面形状が四角形状であるので、四角形状にマスキングする。そして図9(b)に示すように、フォトレジスト膜35を露光し、現像液を滴下して、未露光範囲を溶かし込む。次に、図9(c)に示すように、第1の金属構造体29を一方の電極として電解液に浸潤させて、電鋳法によりクロムを空洞部分に電鋳し、フォトレジスト膜35を除去することで図9(d)に示すように第2の探針基部292が形成できる。
図示しないが同様にして、カンチレバー22側全体に第2の探針基部302の高さと略等しい厚さのフォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。そして、第2の探針基部302の位置に、探針基部の断面形状と等しくなるようにマスキングする。ここでは、探針基部の断面形状が四角形状であるので、四角形状にマスキングする。そして、フォトレジスト膜を露光し、現像液を滴下して、未露光範囲を溶かし込む。次に、第2の金属構造体30を一方の電極として電解液に浸潤させて、電鋳法によりニッケルを空洞部分に電鋳し、フォトレジスト膜を除去することで第2の探針基部302が形成できる。
図10(a)から(c)は先端部形成工程を示している。
図10(a)に示すように、第1の探針基部292および第2の探針基部302(図示せず)の先端が突出する形にフォトレジスト膜36を形成する。次にフォトレジスト膜36全体を露光する。つづいて、フォトレジスト膜36上の全面に、少なくとも探針先端部70の高さ以上の厚さのフォトレジスト膜37を形成する。フォトレジスト膜37としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。次に、図10(b)に示すように、探針先端部70の位置に、探針先端部70の断面形状の範囲にマスクをマスキングする。そして、フォトレジスト膜37を露光し、マスクを除去する。このようにすることで、探針先端部70が形成される範囲に、研磨しろを含んだ未露光範囲が形成される。この未露光範囲に現像液を滴下して、未露光範囲を溶かし込む。次に、図10(c)に示すように、第2の金属構造体30を一方の電極として電解液に浸潤させて、電鋳法によりニッケルを空洞部分に電鋳することで探針先端部70が形成できる。
次に、フォトレジスト膜37から露出する探針先端部70を電解研磨によって、研磨しろを研磨することで先鋭化させ、フォトレジスト膜36およびフォトレジスト膜37を除去すれば、先端部が先鋭化され、基部が棒状である探針部21が形成される。
次に、図11(a)から(c)に示すように、本体部形成工程において、本体部23を形成する。まず、図11(a)に示すように、探針部21、第1の金属構造体29および第2の金属構造体30(図示せず)が配設されたカンチレバー22を保護するため、カンチレバー22側の全面にフォトレジスト膜38を形成する。次に、図12(b)に示すように、絶縁膜形成工程で形成した酸化膜33をマスクとして、本体部23以外のシリコン支持層25をエッチングする。この場合、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれでも構わないが、ウェットエッチングが好適である。そして、図11(c)に示すように、フッ酸によってSiO2層である酸化膜33及び本体部23以外のBOX層26を除去し、フォトレジスト膜38を除去すれば、図12に示すプローブ20が製作される。
本実施例においては、探針基部および探針先端部の断面形状を四角形としたが、これに限られることはなく、円形や半円形などいずれの形状でも良い。
図13から図23は、この発明に係る一実施形態を示している。図13に走査型プローブ顕微鏡のブロック図を示す。図14にプローブの平面図、図15から図22にはプローブの製造工程の工程図を示す。図23は本実施形態のカンチレバーの基部にスリットを形成した例を示している。この実施形態において前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図13に示すように、本実施の形態における走査型プローブ顕微鏡2は、試料100を支持する試料支持部9と、試料100を移動させる試料移動手段3と、試料移動手段3によって試料100の試料上面S上を相対的に走査される探針部21を有するプローブ201と、プローブ201の探針部21をカンチレバー22が共振または強制振動する周波数で振動させる加振手段51とを備えている。プローブ201は、探針部21が先端部に突出して設けられるカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。
試料移動手段3は、試料支持部9を支持し、試料上面Sに平行で互いに直交する2方向であるX、Y方向及び試料上面Sに垂直な方向であるZ方向に移動する試料移動手段3と、試料移動手段3を駆動させる駆動装置4とを備える。より詳しくは、試料移動手段3は、試料100をX、Y、Z方向に粗動移動させる粗動機構及び微小移動させるXYスキャナ、及びZスキャナとで構成される。粗動機構に対応する駆動装置4としては、例えばステッピングモータなどである。また、XYスキャナ及びZスキャナに対応する駆動装置4としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子であり、電圧が印加されると、電圧印加量及び極性等に応じて試料100をXYZ方向に微小移動させることが可能である。また、加振手段51は、プローブ201に接続され所定の周波数及び振幅で振動するようにプローブ201を加振するPZTからなる圧電素子と、圧電素子に電圧を印加して圧電素子を振動させる加振電源5とを備える。
また、探針部21の変位を測定する変位検出手段60はカンチレバー22の基端部に備えられカンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子により検出した抵抗変化に基づいて探針部の変位を測定するものとした。
図14はプローブ201の全体平面図であるが、走査型プローブ顕微鏡2に搭載される向きと上下逆となるように記載されている。
図14に示すように、プローブ201は、第1の金属構造体29と第2の金属構造体30と、先端部が先鋭化されるとともに基部が棒状に形成された探針部21と、探針部21が先端部に突出して設けられたカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備える。カンチレバー22の基端部には、カンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子40が形成され、カンチレバー22の本体部23にはピエゾ抵抗素子40の抵抗変化を検出するためのピエゾ抵抗素子用電極配線41および42が形成されている。カンチレバー22及び本体部23は、シリコン基板、特に、シリコンからなるシリコン活性層24及びシリコン支持層25と、シリコン活性層24とシリコン支持層25とに介装され、SiO2からなるBOX層26とを貼り合わせたSOI基板27(Silicon on Insulator)から形成されている。
次に、この実施形態のプローブ201の製造方法について説明する。図16および図18は図14のB−B´断面図であり、図15、図17、および図19から図23は図14のA−A´断面図である。
前述のとおり、プローブ201のカンチレバー22及び本体部23は、シリコン活性層24、BOX層26、シリコン支持層25から構成されるSOI基板27から形成される。ここで、シリコン活性層24の厚さはカンチレバー22の厚さに設定され、また、BOX層26及びシリコン支持層25の厚さは本体部23の厚さに設定されている。以下、順に説明する。
図15(a)から(c)に示すように、カンチレバー形成工程において、カンチレバー22を形成する。まず、図15(a)のように、フォトリソグラフィ技術によって、カンチレバー22を形成する範囲にフォトレジスト膜31を形成する。そして、図15(b)に示すとおり、フォトレジスト膜31をマスクとして、シリコン活性層24をBOX層26に達するまでエッチングすることで、カンチレバー22となる部分の周囲のシリコン活性層24を切欠く。そして、フォトレジスト膜31を除去することで、図15(c)に示すとおり、カンチレバー22が形成される。フォトレジスト膜としては、ポジ型でもネガ型でも良い。カンチレバー22をエッチングする方法としては、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれの方法でも良いが、ドライエッチングが好適である。ドライエッチングであれば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)やDRIE(Deep Reactive Ion Etching)などがある。またウェットエッチングであれば、水酸化カリウム(KOH)やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ性エッチャントによる異方性エッチングなどがある。
次に、図16に示すようにピエゾ抵抗素子形成工程においてカンチレバー22の基端部にピエゾ抵抗素子40を形成する。まず、図16(a)のように、カンチレバー22が形成された側の全体をフォトレジスト膜50でパターニングする。つぎに図16(b)に示すようにフォトリソグラフィ技術によって、ピエゾ抵抗素子40を形成する範囲のフォトレジスト膜50を除去する。そして、図16(C)に示すとおり、フォトレジスト膜50をマスクとして、シリコン活性層24にボロンをイオンインプラしてフォトレジスト膜50を除去することで、図16(d)に示すようにカンチレバー22の基端部にピエゾ抵抗素子40を形成する。フォトレジスト膜としては、ポジ型でもネガ型でも良い。
次に、図17(a)に示すように、絶縁膜形成工程において、カンチレバー22の表面上に絶縁膜28を形成する。絶縁膜28は熱酸化法によって形成される。また、この際、カンチレバー22の裏面側、つまりシリコン支持層25の表面のうち、本体部23となる部分にも酸化膜33を形成する。すなわち、図17(a)に示すように、シリコン支持層25の表面の全面に、絶縁膜28を形成するのと同時に酸化膜33を形成する次に、図17(b)に示すように、本体部23の裏面の部分及びカンチレバー22が形成された側の全体をフォトレジスト膜51でパターニングする。そして、図17(c)に示すように、フォトレジスト膜51がパターニングされた部分以外の酸化膜33をフッ酸によって除去し、最後に、図17(d)に示すように、フォトレジスト膜51を除去する。
次に、図18(a)から図18(d)に示すように、ピエゾ抵抗素子40に電極配線を形成する。まず、図18(a)に示すように、ピエゾ抵抗素子40とピエゾ抵抗素子用電極配線41および42の接続部となる部分以外の部分をフォトレジスト膜52でパターニングする。次に、レジストで保護されていない部分の絶縁膜28をフッ酸により除去し、更にレジスト52を除去する。次に、図18(b)に示すようにカンチレバー22のピエゾ抵抗素子を形成した面全体に電極配線材料となるアルミ膜をスパッタリングにより形成し、図18(c)に示すように、ピエゾ抵抗素子用電極配線41および42となる部分にフォトレジスト膜53を形成する。図18(d)に示すようにフォトレジスト53を形成していない部分のアルミ膜を除去しフォトレジスト膜53を除去することによってピエゾ抵抗素子用電極配線41および42が形成される。
なお、ピエゾ抵抗素子用電極配線41および42を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にフォトレジスト膜53を形成し、ピエゾ抵抗素子用電極配線41および42を形成する部分のフォトレジスト膜53を除去する。つづいて、スパッタリング法あるいは蒸着法によってアルミ膜を成膜し、つづいてフォトレジスト膜53を除去することでピエゾ抵抗素子用電極配線41および42を形成する方法としても良い。
次に、図19(a)から図19(c)に示すように、金属構造体形成工程において、絶縁膜28上に第1の金属構造体29および第2の金属構造体配線30を形成する。まず、図19(a)に示すように、第1の金属構造体29となる部分以外の部分をフォトレジスト膜54でパターニングする。次に、図19(b)に示すように、クロム膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、図19(c)に示すように、フォトレジスト膜54を除去することによって第1の金属構造体29が形成される。
なお、第1の金属構造体29となるクロム膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってクロム膜を成膜し、第1の金属構造体29となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいてフォトレジスト膜が形成されていない部分のクロム膜をエッチングにより除去することで第1の金属構造体29を形成する方法としても良い。
図示しないが同様にして、金属構造体30も形成する。第2の金属構造体30となる部分以外の部分をフォトレジスト膜でパターニングする。次に、ニッケル膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、フォトレジスト膜を除去することによって第2の金属構造体30が形成される。
なお、第1の金属構造体30となるニッケル膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってニッケル膜を成膜し、第2の金属構造体30となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいて、フォトレジスト膜が形成されていない部分のニッケル膜をエッチングにより除去することで、第2の金属構造体30を形成する方法としても良い。
次に探針部を形成する。探針部形成工程においては、第1の金属構造体29の第1の端部291の上面に第1の探針基部292を形成し、第2の金属構造体30の第2の端部301の上面に第2の探針基部302を形成し、さらに第1の探針基部292と第2の探針基部302の上面に探針先端部70形成する。
探針部形成工程は、探針基部形成工程および先端部形成工程の2工程で構成される。
図20(a)から(d)は、探針基部形成工程を示している。まず、図20(a)に示すように、カンチレバー22側全体に第1の探針基部292の高さと略等しい厚さのフォトレジスト膜56を形成する。フォトレジスト膜56としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。そして、第1の探針基部292の位置に、基部の断面形状と等しくなるようにマスキングする。ここでは、基部の断面形状が四角形状であるので、四角形状にマスキングする。そして図20(b)に示すように、フォトレジスト膜56を露光し、現像液を滴下して、未露光範囲を溶かし込む。次に、図20(c)に示すように、第1の金属構造体29を一方の電極として電解液に浸潤させて、電鋳法によりクロムを空洞部分に電鋳し、フォトレジスト膜56を除去することで図20(d)第2の探針基部292が形成できる。
図示しないが同様にして、カンチレバー22側全体に第2の探針基部302の高さと略等しい厚さのフォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。そして、第2の探針基部302の位置に、探針基部の断面形状と等しくなるようにマスキングする。ここでは、探針基部の断面形状が四角形状であるので、四角形状にマスキングする。そして、フォトレジスト膜を露光し、現像液を滴下して、未露光範囲を溶かし込む。次に、第2の金属構造体30を一方の電極として電解液に浸潤させて、電鋳法によりニッケルを空洞部分に電鋳し、フォトレジスト膜を除去することで第2の探針基部302が形成できる。
図21(a)から(c)は先端部形成工程を示している。
図21(a)に示すように、第1の探針基部292および第2の探針基部302の先端が突出する形にフォトレジスト膜57を形成する。次にフォトレジスト膜57全体を露光する。つづいて、フォトレジスト膜57上の全面に、少なくとも探針先端部70の高さ以上の厚さのフォトレジスト膜58を形成する。フォトレジスト膜58としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。次に、図21(b)に示すように、探針先端部70の位置に、探針先端部70の断面形状の範囲にマスクをマスキングする。そして、フォトレジスト膜58を露光し、マスクを除去する。このようにすることで、探針先端部70が形成される範囲に、研磨しろを含んだ未露光範囲が形成される。この未露光範囲に現像液を滴下して、未露光範囲を溶かし込む。次に、図21(c)に示すように、第2の金属構造体30を一方の電極として電解液に浸潤させて、電鋳法によりニッケルを空洞部分に電鋳することで探針先端部70が形成できる。
次に、フォトレジスト膜58から露出する探針部21の先端部を電解研磨によって、研磨しろを研磨することで先鋭化させ、フォトレジスト膜57およびフォトレジスト膜58を除去すれば、先端部が先鋭化され、基部が棒状である探針部21が形成される。
次に、図22(a)から(c)に示すように、本体部形成工程において、本体部23を形成する。まず、図22(a)に示すように、探針部21、第1の金属構造体29および第2の金属構造体配線30が配設されたカンチレバー22を保護するため、カンチレバー22側の全面にフォトレジスト膜59を形成する。次に、図22(b)に示すように、絶縁膜形成工程で形成した酸化膜33をマスクとして、本体部23以外のシリコン支持層25をエッチングする。この場合、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれでも構わないが、ウェットエッチングが好適である。そして、図22(c)に示すように、フッ酸によってSiO2層である酸化膜33及び本体部23以外のBOX層26を除去し、フォトレジスト膜59を除去すれば、プローブ201が製作される
以上説明したいずれの実施の形態においてもカンチレバー22を上述のカンチレバー形成工程で、探針部21を上述の探針部形成工程で形成することにより、カンチレバー22の形成と探針部21の形成とを完全に別工程することができる。このため、カンチレバー22をSOI基板27から形成し、探針部21を電鋳法によってニッケルから形成することができる。さらに、温度測定用素子形成工程は、探針部形成工程に先立って探針部21が形成されていない状態で行うことができるので、第1の金属構造体29および第2の金属構造体配線30を容易に形成することができる。なお、上述の各工程において、フォトレジスト膜を露光させることでパターニングするが、これに限らず、電子ビームなどによる直接描画する方法でも構わない。
また、本実施例においては、第1の探針基部および第2の探針基部はそれぞれ1本とした例を示したがこの限りではなく、たとえば第1の探針基部および第2の探針基部を複数本形成し、交互に直列となるように接続することで、いわゆるサーモパイル(熱電堆)を形成することもできる。図23はサーモパイルを形成した例の斜視図である。図24はサーモパイルを形成した例の断面図である。それぞれ走査型プローブ顕微鏡に搭載される向きと上下逆となるように記載されている。カンチレバー22上に第1の金属構造体29および第1の接続部293が形成されており、さらに第1の金属構造体29の第1の端部291および第1の接続部293上に第1の探針基部292および第2の探針基部302が交互に並ぶ形で形成されている。第1の探針基部292および第2の探針基部302は第1の接続部293および第2の接続部303により電気的に直列に接続されている。また、探針先端部70は絶縁層60を介して第2の接続部303上に形成されている。
本方式によれば、第1の探針基部と第2の探針基部が直列に接続されていることから、温度変化による熱起電力が大きくなりさらに高感度の温度測定を行うことが可能となる。
また、本実施例においては、探針基部および探針先端部の断面形状を四角形としたが、これに限られることはなく、円形や半円形などいずれの形状でも良い。
またさらには、図25に示すようにカンチレバー22の基端部にはスリット24Sが形成されている構造としてもよい。これによりカンチレバー22の基端部はたわみやすい構造となり、更に精度の高い測定を可能とする。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、プローブのカンチレバー及び本体部はSOI基板から形成されるものとしたが、これに限ることは無く、樹脂、半導体、ガラス、あるいは金属に絶縁膜をコートしたものなどでも良い。また、プローブの製造工程の中で、探針部形成工程において、先端部先鋭化と基部形成の2工程に分けられるとしたが、これに限ることは無い。基部をさらに複数の工程に分けることで、基部の断面形状を変化させることも可能である。
また、プローブに振動を与えて試料の表面形状を測定するDFMモードの走査型プローブ顕微鏡としたが、これに限ることは無く、探針部の変位を直接測定するAFMモードに使用するものとしても、アスペクト比の高い凹凸を感度良く測定することができる。
また、プローブには、探針部が1つ設けられるものとしたが、これに限ることは無く、複数の探針部を突出して設けることで、アレイ化したプローブとしても良い。さらに、プローブは走査型プローブ顕微鏡に備えられるものとしたこれに限ることはない。
この発明の第1の実施形態の走査型プローブ顕微鏡のブロック図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの斜視図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの平面図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの断面図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの断面図である。 この発明の第1の実施形態のプローブのカンチレバー形成工程を示す工程図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの金属構造体の形成工程を示す工程図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの探針部形成工程(基部)を示す工程図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの探針部形成工程(先端部)を示す工程図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの本体部形成工程を示す工程図である。 この発明の第1の実施形態のプローブの本体部形成工程を示す工程図である。 この発明の第2の実施形態の走査型プローブ顕微鏡のブロック図である。 この発明の第2の実施形態のプローブの平面図である。 この発明の第2の実施形態のプローブのカンチレバー形成工程を示す工程図である。 この発明の第2の実施形態のプローブのピエゾ抵抗素子形成工程を示す工程図である。 この発明の第2の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。 この発明の第2の実施形態のプローブのピエゾ抵抗素子用電極配線形成工程を示す工程図である。 この発明の第2の実施形態のプローブの金属構造体の形成工程を示す工程図である。 この発明の第2の実施形態のプローブの探針部形成工程(基部)を示す工程図である。 この発明の第2の実施形態のプローブの探針部形成工程(先端部)を示す工程図である。 この発明の第2の実施形態のプローブの本体部形成工程を示す工程図である。 この発明の温度測定素子をサーモパイル(熱電堆)とした例を示すプローブの斜視図である。 この発明の温度測定素子をサーモパイル(熱電堆)とした例を示すプローブの断面図図である。 この発明の第2の実施形態のプローブの平面図である。
符号の説明
1、2 走査型プローブ顕微鏡
3 試料移動手段
4 駆動装置
51 加振手段
5 加振電源
6、60 変位検出素子
7 コンピューター
8 温度特性検出手段
9 試料支持部
20、201 プローブ
21 探針部
22 カンチレバー
23 本体部
24 シリコン活性層
24S スリット
25 シリコン支持層
26 BOX層
27 SOI基板(シリコン基板)
28 絶縁膜
29 第1の金属構造体
291 第1の端部
292 第1の探針基部
293 第1の接続部
30 第2の金属構造体
301 第2の端部
302 第2の探針基部
303 第2の接続部
33 酸化膜
31、32、34、35、36、37、38、50、51
52、53、54、55、56、57、58、59 フォトレジスト膜
40 ピエゾ抵抗素子
41、42 ピエゾ抵抗素子用電極配線
60 絶縁層
70 探針先端部
100 試料

Claims (9)

  1. 表面に絶縁層を有するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第1の端部を有する第1の金属構造体と、
    前記カンチレバーの上面に前記第1の金属構造体と離間して設けられ、前記カンチレバーの先端部に第2の端部を有する第2の金属構造体と、
    前記第1の端部の上面に設けられ、棒状に形成された第1の探針基部と、前記第2の端部の上面に前記第1の探針基部と離間して設けられ、棒状に形成された第2の探針基部と、前記第1の探針基部および前記第2の探針基部の上面に形成され、前記第1の探針基部と前記第2の探針基部を電気的に接続し、先の尖鋭化された探針先端部と、
    を有する温度測定用プローブ。
  2. 表面に絶縁層を有するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの基端部に設けられた第1の電極に接続された、第1の金属構造体の第1の端部の上面に設けられ、棒状に形成された第1の探針基部と、
    前記カンチレバーの基端部に前記第1の電極に離間して設けられた第2の電極に接続された、第2の金属構造体の第2の端部の上面に設けられ、棒状に形成された第2の探針基部と、
    前記第1の探針基部および前記第2の探針基部の上面に設けられ、前記第1の探針基部と前記第2の探針基部を電気的に接続する探針先端部からなる、温度測定用素子を兼ねた探針部と、
    を有する温度測定用プローブ。
  3. 前記探針先端部が、前記第1の探針基部と同じ材料からなる請求項1または2に記載の温度測定用プローブ。
  4. 前記探針先端部が、前記第2の探針基部と同じ材料からなる請求項1または2に記載の温度測定用プローブ。
  5. 請求項1または2に記載の温度特性測定用プローブと、
    前記探針部を試料の被測定面に接近させて試料表面を走査することにより試料表面形状に応じて変位する前記探針の変位データを検出する変位検出手段と、
    前記探針部を前記試料に対して相対的に前記試料の表面に平行で、互いに直交する二方向の走査及び前記試料の表面に垂直方向の移動を行う移動手段と、
    前記温度測定用素子の熱起電力検出する熱起電力検出部と、
    を備える走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記探針部を振動用周波数で共振または強制振動させる加振手段を備え、
    前記変位検出手段は、前記探針の振動状態を検出する振動検出手段である請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 前記変位検出手段を前記カンチレバー内に設ける請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  8. 前記変位検出手段はピエゾ抵抗素子である請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  9. シリコン基板を切欠いて、カンチレバーを形成する工程と、
    前記カンチレバーの上面に絶縁膜を形成する工程と、
    前記カンチレバーの先端部側の前記絶縁膜の上面に、第1の金属構造体の第1の端部を形成し、前記カンチレバーの先端部側の前記絶縁膜の上面に、第2の金属構造体の第2の端部を形成する工程と
    前記第1の端部の上面に電鋳法によって第1の探針基部を形成し、前記第2の端部の上面に電鋳法によって第2の探針基部を形成し、前記第1の探針基部と前記第2の探針基部の上面に電鋳法によって探針先端部を形成して、温度測定用素子を形成する工程と、
    前記探針先端部を電解研磨によって先鋭化させて探針部とする工程と
    前記シリコン基板を切欠いて、前記カンチレバーの基端部側に本体部を形成する工程と、
    を有する温度測定用プローブの製造方法。
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