JP2007201152A - 発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
Vディフェクトの形成を効果的に抑制するとともに、発光素子の輝度の向上を図ることが可能な発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】
Inの組成比率が互いに異なるウェル層及びバリア層を活性層として有する発光素子の製造方法が、約700〜800℃のウェル層成長温度で、所定のウェル層成長時間に亘ってウェル層の結晶を成長させるステップと、約900〜1000℃のバリア層成長温度で、所定のバリア層成長時間に亘ってバリア層の結晶を成長させるステップと、ウェル層成長温度からバリア層成長温度に達するまでの間、又は、バリア層成長温度からウェル層成長温度に達するまでの間において、結晶を成長させるステップとを含み、ウェル層成長温度とバリア層成長温度との温度差は、約50〜200℃の範囲内である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、Inの組成比率が互いに異なるウェル層及びバリア層を活性層として有する発光素子の製造方法に関する。
従来、LEDやLD(Laser-diode)などの発光素子として、ウェル層及びバリア層によって構成される量子井戸(MQW; Multi Quantum Well)構造を有する発光素子が知られている。一般に、発光特性を有する活性層を構成するウェル層及びバリア層は、例えば、InGaNなどのように、Inを含む組成を有している。
ここで、活性層に含まれるInの組成比は、活性層の成長温度に大きく依存しており、活性層の成長温度が高温となるに従って、Inの組成比が低くなってしまう。従って、活性層の成長温度の高温化には限界があった。一般的には、活性層の成長温度は、約700〜800℃の範囲内に保たれていた。
また、活性層の構造としては、バリア層にInが含まれないInGaN/GaN構造やバリア層にInが含まれるInGaN/InGaN構造が挙げられる。ここで、活性層内部の量子効率は、InGaN/GaN構造よりもInGaN/InGaN構造の方が高いため、発光素子の高輝度化を図るためには、活性層の構造がInGaN/InGaN構造である方が好ましい。
なお、MQW構造を有する発光素子の製造方法として、基板ヒータと基板との距離を変更することによって、結晶の成長温度の切り替えに必要な時間を短縮する方法が提案されている(特許文献1)。この方法によれば、結晶成長の中断に伴って各層の界面に結晶の欠陥が生じることを抑制することができ、発光素子の生産性や量産性の向上を図ることができる。
特許第3424467号公報(請求項1、〜段落、図1など)。
一般に、活性層の成長温度は約700〜800℃程度であり、バリア層の成長温度の低さに起因して、P型クラッド層とバリア層との間に六角錘状の穴であるVディフェクトが形成される場合があった。また、Vディフェクトの形成によって、リーク電流が増大して、LEDの輝度が低下してしまう。
また、結晶の成長温度の切り替えに必要な時間を短縮しても、結晶成長の中断に伴って結晶の欠陥が生じることは抑制できるが、Vディフェクトの形成を効果的に抑制することができなかった。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、Vディフェクトの形成を効果的に抑制するとともに、発光素子の輝度の向上を図ることが可能な発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、Inの組成比率が互いに異なるウェル層及びバリア層を活性層として有する発光素子の製造方法が、約700〜800℃のウェル層成長温度で、所定のウェル層成長時間に亘って前記ウェル層の結晶を成長させるステップと、約900〜1000℃のバリア層成長温度で、所定のバリア層成長時間に亘って前記バリア層の結晶を成長させるステップと、前記ウェル層成長温度から前記バリア層成長温度に達するまでの間、又は、前記バリア層成長温度から前記ウェル層成長温度に達するまでの間において、結晶を成長させるステップとを含み、前記ウェル層成長温度と前記バリア層成長温度との温度差は、約50〜200℃の範囲内であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、Inの組成比率がウェル層よりも低いバリア層について、バリア層成長温度を約900〜1000℃の範囲内とすることにより、バリア層の成長温度の高温化が図られ、Vディフェクトの形成を効果的に抑制するができる。また、Vディフェクトの形成を効果的に抑制することによって、発光素子の輝度の向上を図ることができる。
また、ウェル層成長温度からバリア層成長温度に達するまでの間、又は、バリア層成長温度からウェル層成長温度に達するまでの間において結晶を成長させることにより、ウェル層とバリア層との界面に、Inの組成比率が段階的に異なる中間領域が形成される。この中間領域が、ウェル層の格子定数とバリア層の格子定数との違いを吸収することにより、ピエゾ効果の発生を抑制することができる。
さらに、ウェル層成長温度とバリア層成長温度との温度差を約50〜200℃の範囲内とすることにより、上述した中間領域の厚みを適正に保つことができ、所望のMQW構造を形成することができる。
本発明の第1の特徴において、前記ウェル層成長温度から前記バリア層成長温度に達するまでの時間、及び、前記バリア層成長温度から前記ウェル層成長温度に達するまでの時間は、前記所定のウェル層成長時間の約1〜3倍であることが好ましい。
本発明によれば、Vディフェクトの形成を効果的に抑制するとともに、発光素子の輝度の向上を図ることが可能な発光素子の製造方法を提供することができる。
(半導体発光素子の構成)
以下において、本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の構成を示す断面図である。なお、半導体発光素子とは、発光ダイオードや半導体レーザーを含む概念である。
図1に示すように、半導体発光素子は、サファイア基板10と、n型クラッド層20と、MQW活性層30と、p型クラッド層40と、p型コンタクト層50とを有しており、各層が順に積層された構造を有する。また、n型クラッド層20の表面には、n電極60が設けられており、p型コンタクト層50の表面には、p電極70が設けられている。
n型クラッド層20は、MQW活性層30よりもバンドキャップエネルギーが大きい材料(例えば、GaN)によって構成される層であり、MQW活性層30にキャリアを閉じ込める機能を有する。
MQW活性層30は、ウェル層30aとバリア層30bとが交互に積層された構造を有する。
ウェル層30aは、バリア層30bよりもInの組成比率が大きい薄膜層(例えば、InGaN)である。一方、バリア層30bは、ウェル層30aよりもInの組成比率が小さい薄膜層(例えば、InGaN)である。また、ウェル層30a及びバリア層30bは、多重量子井戸構造(MQW構造)を形成する。
p型クラッド層40は、MQW活性層30よりもバンドキャップエネルギーが大きい材料(例えば、GaN)によって構成される層であり、MQW活性層30にキャリアを閉じ込める機能を有する。
p型コンタクト層50は、Mgなどの不純物を含む層であり、ショットキーバリアが生じることを防止する機能を有する。
以下において、上述したMQW活性層30の詳細について、図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るMQW活性層30の構成を示す断面図である。
図2に示すように、ウェル層30aとバリア層30bとの界面の近傍には、Inの組成比率が徐々に変化した中間領域30cが形成される。具体的には、中間領域30cでは、ウェル層30aからバリア層30bに向けて、Inの組成比率が徐々に小さくなっている。
これは、後述するように、中間領域30cは、MQW活性層30を形成する際に、Inを含む一定量の原料ガスをガス室内に供給しながら、基板温度を変化させることによって形成される。
(半導体発光素子の製造方法)
以下において、本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を示すフロー図である。
図3に示すように、ステップ10において、サファイア基板10を準備する。
ステップ20において、トリエチルガリウム(TEG)又はトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)などを含む原料ガスをガス室内に供給するとともに、個体結晶を気相成長させて、n型クラッド層20を形成する。なお、個体結晶を気相成長させる方法としては、有機金属気相成長(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapour Deposition)法などが挙げられる。
ステップ30において、トリエチルガリウム(TEG)及びトリメチルインジウム(TMI)を含む原料ガスをガス室内に供給するとともに、個体結晶を気相成長させて、MQW活性層30を形成する。このとき、原料ガスの流量は一定のままで、基板温度を変化させることによって、ウェル層30a及びバリア層30bによって構成される量子井戸構造を形成する。
例えば、トリエチルガリウム(TEG)の流量は、約1.9e-5〜5.0e-5mol/min(20℃の条件下で70〜200sccm)であり、トリメチルインジウム(TMI)の流量は、約8.8e -5 〜6.8e-6mol/min(35℃の条件下で50〜600sccm)である。
また、ウェル層30aを形成する際の成長温度(Tw)は約700〜800℃であり、バリア層30bを形成する際の成長温度(Tb)は約900〜1000℃である。なお、成長温度(Tw)と成長温度(Tb)との温度差は約50〜200℃である。
さらに、ウェル層30aを形成する際の成長時間(Lw)は約50secであり、成長温度(Tw)から成長温度(Tb)に達するまでの時間(以下、昇温時間)又は成長温度(Tb)から成長温度(Tw)に達するまでの時間(以下、降温時間)は約50〜150secである。
ステップ40において、トリエチルガリウム(TEG)又はトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)などを含む原料ガスをガス室内に供給するとともに、個体結晶を気相成長させて、p型クラッド層40を形成する。
ステップ50において、Mgなどの不純物を含む原料ガスをガス室内に供給するとともに、個体結晶を気相成長させて、p型コンタクト層50を形成する。
ステップ60において、n型クラッド層20の表面にn電極60を蒸着させるとともに、p型コンタクト層50の表面にp電極70を蒸着させる。例えば、n電極60及びp電極70は、真空蒸着法などによってn型クラッド層20及びp型コンタクト層50の表面に蒸着される。
以下において、上述したステップ30(MQW活性層成長処理)の詳細について、図面を参照しながら説明する。図4(a)は、MQW活性層成長処理における基板温度を示す図であり、図4(b)は、トリエチルガリウム(TEG)とトリメチルインジウム(TMI)との比率を示す図であり、図4(c)は、トリメチルインジウム(TMI)の流量を示す図である。
図4(a)に示すように、n型クラッド層20を形成した後、ウェル層30aを形成する際の成長温度(Tw)となるまで基板温度を下げる。その後、基板温度を所定時間に亘って維持することによってウェル層30aを形成し、バリア層30bを形成する際の成長温度(Tb)となるまで基板温度を上げる。さらに、基板温度を所定時間に亘って維持することによってウェル層30aを形成する。
なお、上述したように、成長温度(Tw)は約700〜800℃であり、成長温度(Tb)は約900〜1000℃である。また、成長温度(Tw)と成長温度(Tb)との温度差は約50〜200℃である。
(作用及び効果)
本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の製造方法によれば、Inの組成比率がウェル層30aよりも低いバリア層30bの成長温度(Tb)を約900〜1000℃の範囲内とすることにより、バリア層30bの成長温度(Tb)の高温化が図られ、Vディフェクトの形成を効果的に抑制するができる。また、Vディフェクトの形成を効果的に抑制することによって、半導体発光素子の輝度の向上を図ることができる。
また、ウェル層30aの成長温度(Tw)からバリア層30bの成長温度(Tb)となるまでの間、又は、バリア層30bの成長温度(Tb)からウェル層30aの成長温度(Tw)となるまでの間において結晶を成長させることにより、ウェル層30aとバリア層30bとの界面に、Inの組成比率が段階的に異なる中間領域30cが形成される。この中間領域30cが、ウェル層30aの格子定数とバリア層30bの格子定数との違いを吸収することにより、ピエゾ効果の発生を抑制することができる。
さらに、ウェル層30aの成長温度(Tw)とバリア層30bの成長温度(Tb)との温度差を約50〜200℃の範囲内とすることにより、上述した中間領域30cの厚みを適正に保つことができ、所望のMQW構造を形成することができる。
同様に、ウェル層30aの成長温度(Tw)からバリア層30bの成長温度(Tb)となるまでの時間(昇温時間)及びバリア層30bの成長温度(Tb)からウェル層30aの成長温度(Tw)となるまでの時間(降温時間)が、ウェル層30aの成長時間(Lw)の約1〜3倍であることにより、上述した中間領域30cの厚みを適正に保つことができ、所望のMQW構造を形成することができる。
(変更例)
上述した実施形態では、ウェル層30aの結晶を成長させる際にガス室内に供給される原料ガスの組成は一定であったが、これに限定されるものではなく、ガス室内に供給される原料ガスの組成が、ウェル層30aの結晶を成長させる際とバリア層30bの結晶を成長させる際とで異なっていてもよい。
(実施例)
以下において、本発明と比較例との比較結果について、図面を参照しながら説明する。具体的には、バリア層30bの成長温度(Tb)が、それぞれ、770℃、870℃及び970℃であるという条件下でMQW活性層30の結晶を成長させて、Vディフェクトの形成状況について確認した。
図5(a)は、バリア層30bの成長温度(Tb)が770℃であるという条件下でMQW活性層30の結晶を成長させた場合におけるバリア層30bの表面(p型クラッド層40側の表面)を示す図である。図5(a)に示すように、バリア層30bの表面には、複数のVディフェクト80が形成されたことが確認された。
図5(b)は、バリア層30bの成長温度(Tb)が870℃であるという条件下でMQW活性層30の結晶を成長させた場合におけるバリア層30bの表面(p型クラッド層40側の表面)を示す図である。図5(b)に示すように、バリア層30bの成長温度(Tb)が770℃である場合よりもVディフェクト80の数が減ったものの、バリア層30bの表面には、未だVディフェクト80が形成されたことが確認された。
図5(c)は、バリア層30bの成長温度(Tb)が970℃であるという条件下でMQW活性層30の結晶を成長させた場合におけるバリア層30bの表面(p型クラッド層40側の表面)を示す図である。図5(c)に示すように、バリア層30bの表面には、Vディフェクト80が形成されなかったことが確認された。
上述したように、バリア層30bの成長温度(Tb)の高温化を図ることによって、Vディフェクト80の形成が効果的に抑制されることが確認できた。
本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るMQW活性層30の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るMQW活性層成長処理における基板温度などを示す図である。 Vディフェクトの形成状況に関する比較結果を示す図である。
符号の説明
10・・・サファイア基板、20・・・n型クラッド層、30・・・MQW活性層、30a・・・ウェル層、30b・・・バリア層、30c・・・中間領域、40・・・p型クラッド層、50・・・p型コンタクト層、60・・・n電極、70・・・p電極

Claims (2)

  1. Inの組成比率が互いに異なるウェル層及びバリア層を活性層として有する発光素子の製造方法であって、
    約700〜800℃のウェル層成長温度で、所定のウェル層成長時間に亘って前記ウェル層の結晶を成長させるステップと、
    約900〜1000℃のバリア層成長温度で、所定のバリア層成長時間に亘って前記バリア層の結晶を成長させるステップと、
    前記ウェル層成長温度から前記バリア層成長温度に達するまでの間、又は、前記バリア層成長温度から前記ウェル層成長温度に達するまでの間において、結晶を成長させるステップとを含み、
    前記ウェル層成長温度と前記バリア層成長温度との温度差は、約50〜200℃の範囲内であることを特徴とする発光素子の製造方法。
  2. 前記ウェル層成長温度から前記バリア層成長温度に達するまでの時間、及び、前記バリア層成長温度から前記ウェル層成長温度に達するまでの時間は、前記所定のウェル層成長時間の約1〜3倍であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。

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